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つり人編集部2026年2月26日

リフト&フォールは「肘」で動かす!エリア名手が教えるボトム・クランクの鉄則

基礎を確実に身につけることこそ、エリアトラウト上達への近道だ。エリアトラウトに精通する老舗「アカサカ釣具」の店員であり、トーナメントでも上位入賞を果たす実力者・落合厚さんが、クランクとボトムを軸にした実戦的メソッドを丁寧に解説。ビギナーでも再現しやすい、確かなノウハウを公開する。

著者:落合厚

解説◎落合厚(おちあい・あつし)
写真と文◎編集部 取材協力◎なら山沼漁場

アカサカ釣具でエリアトラウトを担当。トーナメントの主な戦績は第22 回トラウトキング選手権大会ペアシリーズ東山湖戦優勝を筆頭に上位入賞多数。ホームエリアはなら山沼漁場、加賀フィッシングエリア、大芦川F&Cフィールドビレッジなど。

エリアトラウト釣果アップの鍵は情報収集

エリアトラウトの世界では高度な技術や最新ルアーをどうローテに組み込むかといった情報が注目されがち。しかし、アカサカ釣具のエリア担当スタッフとして多くのお客さんの質問に答えたりするかたわら、トーナメントにも出場して好成績を残している落合厚さんは、まずはベーシックを固めることこそが大事だと断言する。

なかでもクランクとボトムの釣りは試合でも確かな武器となるうえ、ビギナーが手堅く釣果を得るためにも大きく貢献してくれるルアージャンルだ。そこで今回は落合さんがホームとする栃木県のなら山沼漁場で、そのふたつの釣りでビギナーにとって覚えておきたい基礎を実演してもらった。

落合さんはビギナーにアドバイスする機会も多い立場だが、入門者がまず釣果を得るためには実際に釣り場でキャストする前の情報収集も重要だと話す。

ビギナーにとって最も役立つのは、下記3つの情報だ。
1.どのポイントがいいか
2.どのタナで釣れているのか
3.どんなルアーが釣れているのか

これらはすべて、行こうとしている釣り場のスタッフに尋ねるのが正確かつ手っ取り早い。落合さんが考える重要度もこの順のとおりで、まず場所、次いでタナ、そしてルアーになる。よく釣れると評判で人気のルアーを持っていても、魚の居場所から外れたところへ投げていては結果が出ない。だからこそ初動の情報収集は、釣りそのものと同じくらい重視してのぞむのがいいだろう。

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アカサカ釣具は、栃木県佐野市の老舗総合釣具店。トラウト・バス・フライを中心とした充実した品ぞろえで、北関東一帯のエリアトラウトアングラーの拠点となっている。

ボトム攻略のコツと、釣果を分けるロッドワーク

なら山沼漁場ではここのところボトム系の釣りで釣果が出ているという有力な情報を得ていたため、落合さんは迷わずボトムから探り始めた。一般的にはスプーンでレンジを広く探り、次にプラグへつなぐのがセオリーとして紹介されることが多いが、落合さんはどのルアーからスタートしても構わないと考えている。大切なのは状況に応じて柔軟に変えていくことだ。

ボトムを探った際に反応があるようならその釣りを続け、反応がなかったり続かなくなったりしたらローテーションすればOKなのだ。この明確な判断基準が釣りのテンポをつくる。ボトムを探るのに使用するルアーは、ミノー系のボトムプラグ、メタルバイブ、樹脂製バイブレーションが定番である。

落合さんのファーストキャストはミノー系のシャインライド(ヴァルケイン)。ロッドティップを下向きに構えて、シェイクしながらズル引きしてくると1投目でヒット。しかし反応が続かずメタルバイブにチェンジした。

リフト&フォールは「肘」で動かすのが正解

メタルバイブと樹脂製バイブではリフト&フォールが効果的だ。なかでもメタルバイブの最大の強みは、素早くストンと落ちる点にある。

「ルアーが視界から一瞬で消えて、魚にルアーを探させて口を使うスイッチを入れられるんです」と落合さん。

魚にとってはエサをボトムという逃げ場のない壁に追い詰めた形になり、バイトを誘発しやすいのである。

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メタルバイブのリフト&フォールに反応した1尾

この強みを生かすには操作にコツがある。「それができているかどうかで釣果が顕著に変わります」と落合さんが言うポイントをここでは覚えておこう。

まず、リフト後にしっかりラインテンションを抜くことでルアーのフォールを妨げないことが肝要だ。また、魚にルアーを底へ追わせるチャンスを増やすため、着底回数を細かく刻んでいくことも重要となる。

ロッドティップをおよそ10~20cmの幅で持ち上げ、ルアーが沖にあるうちは大きくシャクり、手前に来るほどシャクリ幅を小さくし、ロッドティップも低くしていく。沖でも手前でもリズムは一定に保ち、常に同じテンポでボトムを刻むことがコツだ。

ロッド操作にもコツがあり、手首を使わず肘で動かす。手首で動かしてしまうと、持ち上げた瞬間に出たアタリに対してフッキングの余力がなくなるためだ。肘から先を固定し、腕の動きでリフトすることで、アタリにそのまま対応でき、ロッドのバットパワーを生かしたフッキングができる。

メタルバイブのツーウィン(なぶら家)にローテーションした落合さんは数尾を追加。ここで落合さんはさらに釣果を伸ばすヒントを得ていた。

「底をズル引くルアーで反応が続かず、メタルのリフト&フォールで連発したということは、中層の魚をボトムへ引っ張って食わせている感覚があります。中層をねらえるクランクへチェンジしてみます」

そのときの釣れ具合で満足せず、常に次の一手を考えていくことが上達につながる。

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ロッドの上下は手首を固定して肘で動かす。こうしないとアワセが決まらない。操作時のラインテンションも注視し、フォール中はテンションをしっかり抜く

メタルバイブ用タックルセッティング

ロッド 999.9 フォーナインマイスターグレイウルフ63ML-e(ロデオクラフト)
リール セルテートLT2000S-P(ダイワ)
ライン スーパートラウトエリア インフィニティ PE X8 0.2号(バリバス)
リーダー シーガー グランドマックスFX 0.6号(クレハ合繊)

【クランク攻略】ただ巻きの質を上げるロッドの「構え方」

RCディープクラピー(ロデオクラフト×ラッキークラフト)にチェンジすると、目論見どおり着水してハンドルを5回転ほど巻いたところでヒットした。ただ巻きだけでバイトを得やすいクランクでも、意識しているとキャッチ率が上がるコツがある。

「クランクを巻くときには、ロッドティップをブレさせない持ち方をしてください。これはなるべくルアーのアクションを安定させたいからで、魚がルアーを追っているときにティップがブレてしまうとアクションが乱れ、見切られてしまいます。それから、バイトにティップが追従して入ってくれるように、つまりロッドティップがきちんとクッションとしての仕事をしてくれるように、ロッドとラインには少しでいいので角度をつけて構えるようにしてください。まずはこれを意識して、自分なりにやりやすい構えでやってみてください」

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クランクのアクションが崩れないようロッドティップをブレさせないようにロッドを保持するのが重要。軽く手のひらに乗せるようにするとよい

クランクベイトの強み

なら山沼漁場のように広いポンドタイプのエリアでは、魚が回遊しており、群れが回ってくるタイミングで一気にバタバタと釣れることがある。そのチャンスを逃さないためには、クランクのように適度なルアーパワーを持ち、広範囲を効率的に探れる釣りが効果的なことも多い。また、クランクはゆっくり巻けて、大きな振り幅のアクションが持ち味のルアーだ。こうしたアクションは大物が好む傾向もあるため、ラインは少し強めを選びたい。エステルなら0.35~0.4号、PEなら0.2~0.3号、ナイロンなら3lb以上を選べば安心だ。

さらに落合さんは、放流直後の活性の高い魚をクランクでねらうのも大いに「アリ」だと話す。セオリーでは重いスプーンを早巻きするほうが効率的に放流を釣っていけるのだが、落合さんは試合でスプーンの威力が落ちる前に早めにクランクへローテーションすることで、ライバルに差をつけることができた経験が多いという。

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フックの鋭さに気を遣うのは基本中の基本。落合さんはハリ先を指になでるように当ててチェックする。ハリ先が
指紋の凹凸に引っかからないようなら新品に交換。落合さんおすすめのフックはSTフックの#8(ヤリエ)

クランク用タックルセッティング

ロッド 999.9 フォーナインマイスターグレイウルフ610ML(ロデオクラフト)
リール イグジストLT2000S-P(ダイワ)
ライン RC マイスターエステル0.35号(ロデオクラフト)
リーダー シーガー グランドマックスFX 0.6号(クレハ合繊)

フローティングとシンキングのレンジ攻略

フローティングのディープクラピーでの反応が落ち着いた後、シンキングタイプのクランクにチェンジ。モカDR-SSとウッサXS(ロデオクラフト)をローテーションしながら探っていくと、これが今日の正解かと思わせるほどに再現性高く釣れ続けた。

フローティングのクランクは巻けば潜り止めると浮く。魚が反応した巻き回数を覚えておき、次のキャストではその回数まで素早く巻いて潜らせ(グリ)、その後はゆっくり巻いて一定のタナを通す(ナリ)。このグリとナリの組み合わせは、効率よくねらいのタナを釣っていくうえでの基本となる。

一方、シンキングタイプのクランクの場合は、ゆっくり巻くと沈みながら潜っていくため、より広いレンジを探っていける利点がある。この日はときおり雨がぱらつく曇天で、魚のレンジが定まっていなかったのかもしれない。そこにシンキングクランクがマッチした結果と言えるだろう。

今回は結果的にミノー系ボトムプラグ→メタルバイブ→フローティングクランク→シンキングクランクとローテして状況にあったルアーにたどり着くことができた。ルアーローテは漫然としているだけではダメで、そこからどんなヒントを得て次につなげるかの意識が重要だ。そのヒントを取りこぼさないためにはそれぞれのルアーのベーシックをしっかり実践できることが前提となる。その積み重ねが、釣果を伸ばす最短ルートになるのだ。

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ラストはウッサXSで釣果を伸ばした落合さん。この釣りに精通した店員さんは道具選びや上達のアドバイスをもらうのに頼りになる存在だ

この日活躍したおすすめルアー7選

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  • 1. RC ディープクラピー(ロデオクラフト×ラッキークラフト):基本となるフローティングクランク
  • 2. ワウ37F、ワウ40SF(ラッキークラフト):表層の魚をねらうならこれ
  • 3. モカDR-SS(ロデオクラフト):シンキングタイプのクランク。地味系カラー(左)とグローが入ったハイアピールなカラー(右)があるとよい
  • 4. ウッサXS(ロデオクラフト):リップが上に着いたリバースタイプ。ボトムから巻き上げてくるにも◎
  • 5. シャインライド(ヴァルケイン):ミノータイプのボトム系プラグ。シェイク巻きが得意
  • 6. ツーウィン(なぶら家):クイックなリフト&フォールで誘う小粒なメタルバイブ
  • 7. タップダンサー(ティモン):樹脂製バイブでリフト&フォールもデジ巻きもこなす

釣り場ガイド:なら山沼漁場(栃木県小山市)

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問合先:0285-23-4285
住所:〒323-0017 栃木県小山市飯塚1467
営業期間・時間:10月上旬頃~6月末頃、8:00~17:00(期間内無休)
料金:1日券=大人(男性)4500円、半日券(午後のみ)=大人(男性)3500円。女性と子供(中学生以下)はいずれも3000円
アクセス:北関東自動車道・都賀ICを降り県道3号線を南下。県道44号を東進し、花見ヶ岡交差点を右折、県道18号を南へ。右手に見える看板を目印に釣り場へ

※このページは『つり人 2026年2月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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