4月が近づけば山々は一気に春めく。春雨により水が増え落ち葉の溜まった枯れた渓も潤いを取り戻す。水も温みヤマメやアマゴの活性も上がるが、解禁から1ヵ月が経って人的プレッシャーが高まってくるのもこの季節。ここでは入渓しやすい里川のスレた魚を想定したミャク釣り仕掛けを解説したい。
スレたヤマメ&アマゴを釣るためのフロロ0.15号
まとめ◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年5月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
4月が近づけば山々は一気に春めく。春雨により水が増え落ち葉の溜まった枯れた渓も潤いを取り戻す。水も温みヤマメやアマゴの活性も上がるが、解禁から1ヵ月が経って人的プレッシャーが高まってくるのもこの季節。ここでは入渓しやすい里川のスレた魚を想定したミャク釣り仕掛けを解説したい。
目次
- その1
- 水中イト0.15号の仕掛けバランス
- 天井イト
- 水中イト
- 目印
- その2
- オモリ
- ハリ
- サオ
- その3
- 仕掛けの流し方
- アタリの出方
- 里川ヤマメには川虫が効く
水中イト0.15号の仕掛けバランス
渓流のエサ釣りはミャク釣りが基本である。ウキを使わず、ノベザオ、イト、オモリ、ハリという道具立てでエサを流れの筋に合わせてトレースするシンプルな釣りである。4月になれば多くの釣り人が入った渓を釣るケースもある。里川のスレたヤマメも食わせやすいのは細めの仕掛けだ。ここでは水中イトをフロロ0.15号とする。仕掛けや道具は全体のバランスが大切だ。このイトの太さに合わせた仕掛けの各部を見ていこう。
郡上長良川の名手、松森渉さん。激戦区のアマゴを釣るのに多用しているのがフロロ0.15 号である
天井イト
●天井イト
渓流釣りの仕掛けは一本のイトにハリと目印を結び、オモリを付ける「通し仕掛け」でもよい。結束が少ない分だけ強度が高まり、大ものねらいではよく用いられる。なぜ天井イトを使うかといえば、水中イトが繊細だからである。渓流釣り場の多くは頭上に木々が被さる。このため穂先から3mほどは木々に引っ掛けても傷みにくいやや太めのイトを張っておきたい。ただし天井イトが太すぎると風を受けやすく、仕掛けが吹き上がりやすくなる。また水中イトとのバランスも大切で、フロロ0.15号の水中イトであればナイロン0.3号程度の天井イトがおすすめだ。なぜかといえば天井イトもまたショックアブソーバーの役割を担う。イトは太くなるほど伸びにくく、ショックを吸収しにくい。水中イトが細くなると主にその結束部に負荷が掛かりやすくなる。
なお天井イト下端を折り返してその端イトを編み付けて遊動できるようにすると全長の調整ができる。この際折り返し部分には水中イトを結び付けるジョイントを通しておく。「折り返し遊動式天井イト」と呼ばれるもので、編み付けさえできれば簡単に作れる。
水中イトと天井イトは仕掛巻に巻いて携帯する。天井イトのほうが消耗は少なく水中イトのみ張り替えられるように多めに作って携帯すること
水中イト
●水中イト
水中に入れ込むハリまでのイトを「水中イト」と呼ぶ。長さは3mを基準にする。里川に好適なサオの長さは6~7mである。たとえば6.1mのサオであれば水中イト3mに対し天井イトも3m。遊動式なら折り返し部を考慮して4mで作っておくとよい。ハリ上50cmほどを別のハリスにするのもよいが、結び目は多くなるほど強度が弱まる。特に繊細なイトなので結び目は少ないほうがよい。
素材はフロロカーボンがおすすめである。ナイロンに比べ比重が高いため水馴染みがよいのと根ズレ(石ズレ)に強いからだ。そして太さは0.15号をおすすめしたい。ヤマメ、アマゴは繊細な魚である。不自然な動きを嫌い警戒しやすい。0.3号より0.2号、そして0.2号より0.15号のほうが仕掛けを流れに馴染ませやすい。警戒心の高い里川の魚は特にイトの細さで食い方が顕著に変わる。
イトが細くなると水切れがよくなる。そして軽いオモリでもエサを底層に入れやすいのがアタリの多くなる理由である。魚がエサをくわえた時にまず抵抗となるのがオモリだ。重いほどその違和感は大きくなる。
フロロラインのダイワ「タフロン速攻」0.15号。これくらい水中イトを細くすれば驚くほど仕掛けの馴染みがよくなるはずだ
目印
●目印
ミャク釣りには目印が必要だ。仕掛けの位置や水深を把握するためのものである。主流は化繊目印で電車結びや編み付けでセットする。
流れに合わせて仕掛けを送るミャク釣り。水深の変化、アタリを伝える目印は化繊タイプで色違いを3つほど付けるとよい
次回はオモリやサオについて解説します!
里川のヤマメ&アマゴをねらう「フロロ0.15号のミャク釣り仕掛け」その2
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