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「沖にも投げて」の真意
ササキ=文<
ササキです。今回は北大祐さんのクランクベイト取材の思い出を書きます。というのも、北さんからクランクベイトのアレやコレを聞いてから、露骨にクランクで釣れるバスのサイズが上がるという経験をしたからです。「これはあんまり言いたくないんですけど……」という北さんの口癖があるのですが、その言葉を聞くとドキドキしてしまい、話してくれるまで聞き続けてしまう……そんなことが取材中に何度かありました。その一部を紹介します。
2018年の『Basser』クランクベイト特集で、僕とライターの金澤さんで北さんに弟子入りする「クランクベイト道場」という企画がありました。長門川・将監川での釣りを終え、僕は北さんに「僕たちのクランキングで何か改善点はありますか?」と聞きました。
すると「これはあんまり……」というあの言葉が飛び出しました。本当に言いたくなさそうな北さん。しかし、そのようすを見て興奮してしまった僕はレンタルボート桟橋でダメ出しを懇願しまくるという妙な事態になりました。
「しょうがない、言います」とつないだあとに出てきたのは「今日、杭があったりした場合をのぞけば、1回も沖側に投げなかったですよね。なぜですか?」という言葉。
えー!! びっくりしました。だってまったく予想していなかったから。キャストや引き方などの粗を指摘してもらいたくてした質問でした。
マッディーシャローのボートでクランクを引く場合、岸に向かって投げるのはスタンダードだと思います。杭やオダがあれば沖にも投げますが、何もない沖に投げることはたしかにその日1度もありませんでした。
「バスアングラーは目に見えるカバーをねらいたがる傾向が強いですけど、バスは魚ですから水があればどこにでもいます。何もない水深3mの中層にも浮いていますし、そこにクランクを投げるとデカいのが食ったりする。そういう遊びのあるキャストを増やすべきです。だからミスキャストしても、遊びの機会をもらったと思って回収せずにありがたく引けばいいし、時には岸とは逆側のオープンウォーターにもポイっと投げてみてください」
オールスターを巻きモノで連覇したアングラーの言葉です。その言葉を心の中の引き出しの最上段にありがたくしまった僕はさっそく翌日からキャストに対する意識を変えました。
無理に岸やカバーぎりぎりをねらいすぎず、変な場所にルアーが落ちてもちゃんと引いたり、沖に投げる回数を増やしたりしました。キャストだけでなく引き方も変えました。これまで僕はクランクを引くときボトムにさわらないと不安だったのですが、ど中層も巻いてみることに。水深6mの3mとかを普通に釣るようになりました。「魚だから水があればどこへでも行ける」という北さんの話が忘れられなかったのです。
するとどうでしょう。釣れるバスの数はこれまでとあまり変わりませんでしたが、魚のサイズが上がりました。
「中層で小魚を追っていたり、障害物に依存せず泳ぎ回っているバスはサイズが大きい傾向があります」と北さん。
なぜ北さんはクランクで釣りまくるのか。ここで紹介したのはその理由のほんの一部です。
まだまだほかの理由や独自の理論があります。気になる方は北さんが自身のクランクのすべてを明かしてくれたDVD「THE CRANKER」をご覧ください。
どんな基準でルアーを選んでいるのか。リトリーブスピードはどう決めるのか。
なぜ中層を引くのか……。
教科書に載っている答えではなく、北さんが釣りまくってたどり着いた理論と技を明かしてくれています。
北大祐DVD『THE CRANKER(ザ・クランカー)』好評発売中!
超緻密ローテーションから正解を導き出す“釣り勝つクランク理論”のすべてをここに公開!
巻物系ルアーのスペシャリスト、北大祐がもっとも得意とするクランクベイトを徹底解説する本作。
昨今のよくあるビッグフィッシュのインパクトだけを狙った映像とは異なる。釣果に直結する使い方や理論を分かりやすく解説する。
これを観たら今までなんとなく選んでいたクランクベイトをシステマチックに使えること間違いなし!
出演:北 大祐
価格:本体3,600円+税
DVD-145分
2019/8/14