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Basser編集部2026年6月11日

【釣り人の人生の話を聞いてみた】バーで一瞬開いたドアが運命を変えた。弁慶堀の元ミュージシャン志望

レンタルボート店の桟橋は人間交差点。イヨシコーラを差し上げるので、人生の話を聞かせてください! 2026年3月、都会のオアシス・弁慶堀(東京都・赤坂見附)にお邪魔して、釣り人に声をかけた。

著者:Basser編集部

文と写真◎Basser編集部

1986年に日本初のバスフィッシング専門誌として創刊された『Basser』の編集部。バスフィッシングのテクニックだけでなく、日本や本場アメリカのトーナメントシーン、ムーブメントを伝え続けてきた。

月に1日のバス釣りは自分へのご褒美

3月6日の午後、都会のオアシス・弁慶堀(東京都・赤坂見附)に行ってみた。ここの桟橋のテーブルでのんびりするのが至福の時間なのだ。桟橋に着くと、ちょうどひとりの男性が釣りから戻ってきた。デキる男のオーラをまとった方だ。

名前は扇谷悠太さん。もうすぐ39歳になるという。扇谷さんは妻と2頭の犬と暮らしている。月に1日のバス釣りは自分にとっての「仕事や家事を頑張ったご褒美」だという。自転車での釣行がメインなので、多摩川や弁慶堀に行くことが多い。

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東京都赤坂見附にある「弁慶フィッシングクラブ」。バスやニジマスのルアーフィッシングを手こぎボートで楽しめる。コイがねらえるエサ釣りエリアもある

プロのサポートミュージシャンを目指した日々

扇谷さんが釣りをはじめたのは小学生のころ。中学生のころは毎週近所の池にバス釣りに繰り出していた。ミラクルジムが憧れだった。ところが、高校生になってからめっきり釣りには行かなくなったという。ギターに夢中になったからだ。

キッカケははじめて聴いたB'z。衝撃を受け、その一年後にはギターが欲しくなっていた。松本孝弘さんへの憧れからエピフォンのレスポールタイプを買った。中学生のころはサッカー部で活躍していたが、高校からは帰宅部に転身し毎日ギターを触っていた。同級生だけでなく、楽器屋のメンバー募集の張り紙をたよりに30〜40歳台の大人と一緒にバンドを組んでいた。シャムシェイドやレッドホットチリペッパーズのコピーをする機会が多かった。

高校卒業後は音楽の専門学校へ。しかし一年で中退する。

扇谷「ギターは上手くなりましたけど、つまらなかったんです。音楽業界と繋がりが強い学校でして、『GLAYやEXILEのPVに出れるぞ!』みたいなことに重きがおかれていたというか。なんというか、本気度が低いと感じちゃったんです。僕はプロのサポートミュージシャンになりたかったので、空気が合いませんでした。サポートミュージシャンになりたかったのは、いろんな人のいろんな色に合わせて演奏して、そこに自分の色も足していくのが面白いなと思ったんです」

親の反対はあったが中退し、そこからフリーター生活がはじまる。コンビニの夜勤で食いつなぎながらバンドも組んで年間20本ペースでライブをやっていた。そのころには音楽の趣向はブラックミュージックに寄っていた。

そのころから通うようになったのがセッションバーだ。海外でいうところのオープンマイク。客が演奏に参加できるのだ。

扇谷「バンドのメンバーに誘われていったんです。ミュージシャン志望が集まるんです。そこに飛び込んでいって、ボコボコにされて帰って...悔しくてまた来週通って...という感じで、コネクションもできてきて、25歳くらいのころから仕事ももらえるようになった」

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今回のおごられ人は扇谷悠太(おおぎや・ゆうた)さん。1987年生まれ。
「イヨシコーラはずっと気になっていたけど飲んだことがなかった。身体によさそうな漢方的なイメージがありました。今日初めて飲みましたが予想以上にスパイシー!酒で割って飲んでみたいと思いました」

その夜、バーのドアが開いた

音楽の仕事が増えつつあった時期、もうひとつ大きな出来事があった。27歳のころだ。妻との出会いである。友人の紹介だった。とんとん拍子で付き合うことになったが、一度衝突があり別れることに。別れた2ヵ月後の夜に転機が訪れた。

扇谷「当時僕はあるバーに通っていました。いわゆるオーセンティックバーです。その店は妻と一緒に行ったこともあった。ある夜僕がひとりで飲んでいたら、ガチャってドアが後ろで開いた音がしたんですけど、すぐ閉まった。そしたらマスターが神妙な顔で3分くらい考えてから、『今の〇〇ちゃんだよ』って言うんです。あとで知ったんですが、妻も僕と別れたあとにこの店にたまに行っていたみたいで。すぐ追いかけましたよね。彼女の家の方に向かって走って、ちょうど半分くらいのところで追いついた。名前を呼んで、とりあえず店に戻って飲もうとお願いしたんです」

その後紆余曲折を経てヨリを戻すことに。そして30歳のころ結婚の話が出る。当時の扇谷さんはサポートミュージシャンの仕事とバイトで食いつないでいたが、彼女のリクエストは安定した職だった。数ヵ月の就職活動ののち、建設系の技術者の施工管理や設計に携わる派遣会社の営業職につく。これまで打ち込んできた音楽とはまるで違う道に思える。

扇谷「『人当たりがいいし年長者と付き合うのがうまいから人材系の会社がいいよ』と妻に言われたんです。手に職がある人を相手にするのは面白そうだなと思って人材系の会社に決めたんです。音楽をやっていたときに『この人いいミュージシャンなのにもったいないな』と思うことがたくさんあった。人それぞれの適材適所を探したい気持ちがもともとあったので、人材派遣は自分に合っていたかもしれません」

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釣りへの情熱再び!バス釣り熱の再燃と今後の目標

就職後一年で結婚。それから8年たつが、結婚生活も仕事も順調だ。

そしてコロナ禍のとき、しばらくご無沙汰だったバス釣り熱が再燃。自転車で荒川に通えるところに住んでいたので、少年時代のアクシス(シマノ)やトライフォース(ダイワ)を持って通うように。最初に釣れてくれた30cmのバスが本当に嬉しかった。そこから道具を一気に買い揃え、現在は土日は妻と犬と過ごし、月に一度の有給のときに釣りに行く生活が続いている。

最後に、これからの人生でふたたび音楽と深く関わる時期がくると思うかどうかを聞かせてもらった。

扇谷「仕事じゃないとしても、あると思います。なんらかの形で音楽に恩返ししなきゃな、と思っています」

伊良コーラ IYOSHI COLA コーラ小林さんによるクラフトコーラ。スパイス、柑橘、生薬など自然由来の原材料を用い、漢方職人の祖父から引きついた漢方のレシピを応用して作られている。イラストがカワセミなのは、常識にとらわれず違う世界に飛び込む存在だから
伊良コーラ(IYOSHI COLA):コーラ小林さんによるクラフトコーラ。スパイス、柑橘、生薬など自然由来の原材料を用い、漢方職人の祖父から引きついた漢方のレシピを応用して作られている。イラストがカワセミなのは、常識にとらわれず違う世界に飛び込む存在だから
原材料:コーラシロップ[有機粗糖、ライム、レモン、シナモン、クローブ、カルダモン、コラの実、ナツメグ、コリアンダー、バニラビーンズ、黒胡椒、高麗人参、霊芝、混合香辛料]、炭酸

※このページは『Basser 2026年5月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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