<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
つり人編集部2026年5月6日

マダイはなぜタイラバに食う?ジグとの違いは?年間200日船に乗る名手の結論

タイラバかジグか。マダイはタイラバを何と思ってバイトするのか。マダイねらいの永遠のテーマに、年間150~200日船に乗るライズジャパンの植田マスオさんが全国での実釣経験をもとに答える。地域によるドテラ流しとバーチカルの釣り方の違いから、マダイの習性まで、釣れるヒントが満載だ。

著者:植田マスオ

解説◎植田マスオ

まとめ◎月刊つり人編集部

1977年生まれ。大分県出身。本名は益生。小学生に上がる前から父と磯釣りや小型のポータブルボートで湾内のカカリ釣りを楽しむ。大学進学後はブラックバス釣りに没頭。就職後、大手釣具メーカーへの転職を経て2019年からライズジャパンのブランドディレクターとして活躍。

地域によるドテラ流しとスパンカー流しの違い

ボクが本格的にタイラバをやり始めたのは、前職である大手釣具メーカーでルアー担当をしていたときですね。ボクは特にヒラマサをはじめとする青物の釣りが好きで、地元が青物の本場ということもあり、九州での活動が増えていきました。当時は今みたいにSLJ(スーパーライトジギング)スタイルはありませんでしたから、マダイは青物をねらっていてたまにまじる程度の感覚でした。

その頃、固定式タイラバから遊動式が主流になるタイミングでしたね。ボクも固定式の時代からタイラバは経験していましたが、この頃から一気に遊動式が主流になり、また、九州でも一気にタイラバが人気になりました。

当時、タイラバ人気が最も高かったのは香川県の高松エリアで、瀬戸大橋の下の潮が速い海域ですから、スパンカーを立てたエンジン流しによるバーチカルな釣りになります。

涙型で微波動の「なみだま」。抵抗を逃がしやすいデザインで、ドテラ流しの海域で高い実績を誇る
ドテラ流し向けに引き抵抗の小ささにこだわった、ライズジャパンの「なみだま」。マスオさんが持参したものは使用感バリバリ

ドテラ流しを想定したタイラバ「なみだま」を開発

こうして四国や九州を行き来しながらタイラバやジギングの理解を深めたのち、2019年にライズジャパンがスタート。その活動拠点の中心である九州はドテラ流しがメイン。バーチカルの釣りとドテラの釣りって全く違う釣りで、ドテラだと平気で200m以上もラインが出てしまうわけです。これは正直、身体がしんどく、巻くだけでも大変ですし、魚が掛かるとさらに大変。だから、うちの看板商品である最初のタイラバの「なみだま」を作るときに真っ先に考えたのは、沈むのが速いことと巻き抵抗が軽いことの2点でした。

抵抗を軽くするには真っすぐに泳ぐヘッドがよいので、ボディーは球体ではなく、ティアドロップといわれる涙型にしました。参考にしたのは新幹線の顔です。流体力学的にも一番抵抗を逃がしやすいデザインなので。

抵抗の少ない微波動ヘッドの「なみだま」はドテラ流しを想定して作りましたから、ドテラ流しの海域で非常に高い実績を挙げています。それだけではなく、バーチカルの海域でも潮がぶっ飛んでいる状況やディープなエリアで結果を出しています。

タイラバでキャッチした大ダイ
ドテラ流しが多い日本海にてスーパーディープでキャッチした8kg近い大ダイ。ヒットルアーは『なみだま』175g。こうしたディープでは目立たせることが大事

バーチカルではゆっくり巻けるタイラバが効果的

年間150~200日は船に乗っています。自慢ではありませんが、これほどの頻度で、それも九州から東北までの海沿いのほとんどの県でタイラバをしている人はまずいないでしょう。

船長さんや常連さんの中にはもっと釣行回数が多い方もいるかもしれませんが、青森から鹿児島に移動したり、日本海から瀬戸内、常磐とハシゴしてタイラバをやっている人はまずいないと思います。それは釣行動画をYouTubeにアップにする目的もあるからできることなんですけど。

その土地ごとに名人がいます。そんな方たちはその海域の癖や傾向を熟知していますから積極的に話しかけて、いろいろな情報を吸収しながら勉強させてもらっています。

日本中でタイラバをしている経験からいえば、九州と日本海側、太平洋外海エリアはドテラ流しの船が多いですね。逆に大きな湾でフェリー航路になっているような海域は潮が速くてパラシュートアンカーも使えませんからスパンカー流しが多いですね。瀬戸内しかり、伊勢湾もそう、東京湾は半々で青森はパラシュートという感じですね。

対して、「なみだま」は引き抵抗の弱さを売りにしているので、やっぱり九州や日本海などのドテラ流しの海域で支持されています。

ただ、世の中に万能のルアーが存在しないように、その個性が発揮される対極の状況も存在します。つまり、バーチカルな釣りでは巻き抵抗が強くゆっくり巻きやすいタイラバが欲しい。だから作ったのが「なみだまMEDAMA」です。まさに「なみだま」の対極にある究極の二択。つまり、めちゃめちゃ波動が強い。

涙型で微波動の「なみだま」に対して球体の「なみだまMEDAMA」は強波動。そのままだとお尻を振り過ぎてしまうので直進性を持たせるフィンがセットされている
涙型で微波動の「なみだま」に対して球体の「なみだまMEDAMA」は強波動。そのままだとお尻を振り過ぎてしまうので直進性を持たせるフィンがセットされている

強波動で誘う「なみだまMEDAMA」

真ん丸の球体ボディーを低重心にして、目玉の上にまぶたの突起を付けることで抵抗を増やし、そのままだとお尻を振り過ぎてしまうので直進性を持たせるために舵の役目をするフィンを後部に付けました。

ヘッドが強波動なので、後ろにあるネクタイもより魅力的に動きます。ヘッドの波動があってこそのネクタイの動きなんです。また、なみだまシリーズは普通のラバーではなく極太ラバーを使っています。巻き速度や潮の変化で広がりやすく、着底時もパっとフレアするからなんです。

「なみだまMEDAMA」を使った東京湾のキャスラバでキャッチ。ちなみに全国のマダイを釣って食べたが、東京湾のマダイの旨さはピカ一とマスオさんも絶賛
「なみだまMEDAMA」を使った東京湾のキャスラバでキャッチ。ちなみに全国のマダイを釣って食べたが、東京湾のマダイの旨さはピカ一とマスオさんも絶賛

マダイはタイラバを何と思っているのか

この質問をこれまで数えきれないほどされました。対して「エサのような何かです」と答えるようにしています。

ちなみにボクは今日お昼になったら焼きそばを食べるつもりですが、自然界にいるマダイは、「今日はイワシの気分」とか「エビを食べたい」とか決められません。その証拠に、イカを食っているマダイのお腹にカマスが入っていることもあれば、ジグで釣ったマダイのお腹に貝類がたくさん入っていることもある。

基本、雑食というのもありますが、タイラバもジグも、いま食べられそうなエサっぽい何かでしかないというのが持論です。ましてやタイラバがイワシに見えるとかイカに見えるとかはないし、メタルジグだって小魚に見えているのか分かりません。さらに言えばマダイはタイラバもジグもちゃんと見えていないと思っています。

マダイの視力と側線によるエサの探し方

なぜなら、太陽光が届く深さは一般的に50~60mと言われていて、日本海側のものすごく水が澄んだ栄養素の少ない海域でも100mがマックスと言われています。山口県の瀬戸内側でゴープロを沈めたとき、水深30mでの視界は真っ暗でした。つまり、リアルな模様やカラーのジグでも、それをリアルだと感じるのは太陽なり電灯なりの光が届くところで見ているからで、光が届きにくい自然界ではこんなリアルに見えているわけがない。目がいいと言われるイカだって判別できるのは濃淡程度で色別まではできないと言われています。だから魚は視力に頼らず発達した側線でエサを探しているわけです。

そのことがタイラバの釣れる理由であり、タイラバは何かという話の本質だと思います。つまり、タイラバとはヘッドの波動+ネクタイの波動の組み合わせで存在を気づかせて食わせるルアーなんですよね。

スーパーディープのマダイがタイラバに一発で食う理由

海女さんによれば、水深10mほどの浅場にもマダイはいて、海底の岩を叩いてアワビとかを獲っていると興味を持ってマダイが寄って来て、放った貝も食べるそうです。マダイは大型になると食物連鎖の頂点にいる魚ですから敵もあまりいないですし人を見ても全然ビビらないし逃げない。さらに音によく反応して好奇心が旺盛だと。

ボク自身、水深10mより浅いスーパーシャローでのタイラバもやりますが、どちらかといえば水深100m超えのスーパーディープタイラバを好んでやります。ちなみに水深10mと100mにいるマダイのどっちがタイラバによく反応すると思います? これは経験則で言い切れるんですが、答えはスーパーディープで、いれば一発で食ってきます。

シャローの魚は光が届いてルアーが見える分、見切りやすいのかもしれません。一方、光が届きにくいスーパーディープではそもそもエサが少ないうえに見つけにくいから、デカいタイラバにデカいユニットの組み合わせで、とにかく気づかせることが大事です。だから「なみだまTG滾」の250gとか300gにゲソカーリージャンボをセットした派手派手な組み合わせが効いて、そんなデカいヘッドを丸呑みにする激しいバイトでリーダーごと噛み切っていきます。この食い物を逃がしてなるものかと必死に食らいついている感じですね。

「大ダイにはデカいルアーが効きます!」が持論のマスオさんの自信作がゲソカーリージャンボ
「大ダイにはデカいルアーが効きます!」が持論のマスオさんの自信作がゲソカーリージャンボ。2つの大型カーリーテール採用し、大型ターゲットに対応するLLサイズのフック仕様。下はイカ墨を模した黒カーリーを組み合わせている

タイラバとSLJジグはどっちがマダイに効くのか

この質問もこれまで何度もされました。一昔前までのボクならある意見を力説していたんですが、今はしません(笑)。全国のあちこちで釣りをしすぎるうちに、断言できない病にかかってしまったからです(笑)。

ちなみに、普段のロケは同船者がタイラバを使うのかジグを使うのかは任せています。そして以前のボクは船上でよく「今日はタイラバの日だね」とか「今日はジグが正解」と言っていたんですが、最近は「どっちも釣れちゃう」というのが実感です。強いて言えば、何となくの傾向はあるよね、くらいかな。

タイラバとジグの出しどころを語るマスオさん。右手にSLJジグ、左手になみだまヘッドを持つ
タイラバとジグの出しどころを語るマスオさん。右手にSLJジグ、左手になみだまヘッドを持つ

SLJジグによるマダイねらいの巻き方と誘い方

ジグでいえばタイジグとも呼べるSLJがよく釣れ、うちからはリアバランスの太めと細め、フラット、リアバランスのTGと4つのSLJを出していますのでどれが効く泳ぎなのか試せます。

SLJのマダイねらいではジグをシャクらず巻いています。でも、巻きっぱなしではなく、5回巻いて止めたり、10回巻いて止めたり。あと、巻き速度の変化で誘うことも多いです。

水深100mまででウエイトが150gまでならどっちも釣れるけど、それより深いなら断然タイラバのほうが楽だし釣れます。200gとか300gのロングジグを落として釣るのは大変だし食わせるのも難しいです。でも、ブリジギングの外道としてマダイが釣れることもよくあります。もうね、あまりにもたくさんの海域で釣りをしたせいで何がセオリーか断言できなくなっています(笑)。

タイラバ釣行の際、当たり前のようにSLJ系のジグを持参するのは、いつでもどこでも出番があるから
タイラバ釣行の際、当たり前のようにSLJ系のジグを持参するのは、いつでもどこでも出番があるから

各地を釣り歩いた経験から見るマダイの地域差

たとえば宮城県の仙台湾はタイラバでもジグでもマダイがよく釣れるんですが、どちらもボトムのズル引きが効きます。おそらくカニやエビが主食でマダイの目線が下を向いているんでしょう。まず浮くことがない。根掛かりもあんまりしないからボトムをズル引く。アタリは同じ感じで出ます。

また、高松ではジグではマダイは釣れないと言われていましたが、SLJの大会を高松で開催したら普通に釣れたし、ボクも4尾釣りました。

こんな経験を各地でするうちに、どっちも釣れるんだって。じゃあ、楽しいほうでよくない?って思うようになりました。シャクって操作がしたいならジグを使えばいい。だってタイラバはシャクらない巻く釣りだから。タイラバで一番ダメなのはハリにラインとかネクタイが絡んで釣れない状況にすることだから。

あと最後に言いたいのは「マダイはエサを噛む魚」だということ。これは青物や根魚とは違う特性で、だからタイラバのあのじれったいコツコツという前アタリが続くわけです。このマダイ特有の噛むアタリこそこの釣りの趣ですので、やっぱりタイラバは外せませんね~。

SLJジグでキャッチしたマダイ。タイラバ釣行でもジグの出番は多い
「ライズジグSLJ TG」や「ライズジグFLAT」の巻く釣りでキャッチ

※このページは『つり人 2026年4月号』に掲載した記事を再編集したものです。

マダイ 船の釣り 魚種別釣りガイド オフショアルアー タイラバ・一つテンヤ

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

記事検索

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

×
拡大画像