レンタルボート店の桟橋は人間交差点。イヨシコーラを差し上げるので、人生の話を聞かせてください! 2026年2月、亀山湖・のむらボートにお邪魔して、早上がりの釣り人に声をかけた。

文と写真◎Basser編集部
1986年に日本初のバスフィッシング専門誌として創刊された『Basser』の編集部。バスフィッシングのテクニックだけでなく、日本や本場アメリカのトーナメントシーン、ムーブメントを伝え続けてきた。
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亀山湖で出会った荷物が少ないバスアングラー・市原さん
湖にはさまざまな人がいる。レンタルボート桟橋で会ったアングラーに釣りの話、人生の話を聞かせてもらうのがこの企画である。お礼はイヨシコーラ1本だ。2月13日(金)、亀山湖・のむらボートにお邪魔した。13時30分、早上がりして片付け中の釣り人に遭遇。硬派な雰囲気の男前である。
名前は市原さん。39歳、千葉県木更津市在住で工場に勤務している。
ホームフィールドは亀山湖。ここでロクマルを釣るのが釣り人生の野望だという。釣りのスタイルは広く、幅広いルアーを使いこなせるようになりたいと日々練習中。今日は「浮いたバスを釣る」をテーマにノーシンカーの表層首振りとブレードアラバマ系ルアーで挑んだがノーバイトだった。ちなみに初バスは高滝湖での初釣りで捕獲済み。鳥居前のメタルバイブでキャッチした。

子どもが帰る前に帰りたい。だから荷物は最小限にする
気になったのは荷物の少なさ。電動カートに楽々収まっている。魚探とハイデッキなし、ロッドは2本!
市原「土日は仕事もしくは家族と過ごすので釣りは平日に行っています。小学生と中学生の子どもが帰ってくる前に帰宅したくていつもこの時間に上がるんですよ。だから準備・片づけを素早くやるために最低限の荷物だけ積んでいます。あと、我が家は僕が釣りに行った日は『釣れたら外食』というルーティンがあるんです。釣りに行ったら家族に釣れたかどうか聞いてもらいたいじゃないですか。だから釣果を聞かれるためにこのルーティンを作ったんです(笑)。みんな外食は喜びますし、僕も釣りのことを聞かれて嬉しい。WINWINなわけです。ノーフィッシュでも、早めに帰ればご飯の準備は間に合います」
イヨシコーラを飲んだ感想は?「イヨシコーラはのむらボートやスーパー銭湯でたまに飲んでたんです。Basserの広告を見て存在を知ったのがキッカケですね。ゆっくり飲むというより、風呂上がりとかに一気に飲む感じです。最初は『コーラじゃない!』って思いましたね(笑)。ちょっと変わった複雑な味で、それがクセになる感じでした。ただ、逆さにして10秒待つと美味しくなるというのは今日はじめて知ったので試してみます」
22歳で急に思い立ったバイクひとり旅と日本一周
市原さんがバス釣りをはじめたのは小学4年生のとき。当時はバスブームど真ん中だった。中学生までは近所の池でのバス釣りを楽しんでいたが、高校からバスケットボールをはじめて釣りからはいったん離れる。深夜にテレビで見たNBAの試合でアレン・アイバーソンのプレーを見て衝撃を受けたのだ。プレーオフのシクサーズvsレイカーズ戦だった。
高校卒業後はスポーツ関係の専門学校へ。バスケ部でトレーニングを教えてくれたトレーナーがいて、自分もそういう仕事をやってみたいと思った。この5年間は一日も釣りに行っていない。専門学校卒業後はスポーツジムに就職。楽しく働いていたのだが、ここで転機が訪れる。22歳だった。
市原「急に旅に出たくなったんです。どうしてもバイクでひとり旅に行きたくなった」
唐突である。キッカケは思い出せない、というかとくになかったという。仕事を辞め、貯金は80万円ほどあったので、そのお金で中型免許をとり、フォルツァというビッグスクーターを購入。そう、思い立ったときにはバイクも免許も持っていなかったのだ。当時交際していた女性に旅立ちを告げると驚かれたが受け入れてくれたという。親は反対したが市原さんは譲らなかった。
日本一周で得た「多少のことは何とかなる」という感覚
そして市原さんは5月から年内いっぱいまで日本一周の旅に出た。まずは千葉県を出て茨城県のほうから日本海側を北上。当時はスマホもないため、マップルなどの地図を見ながらの旅だった。
市原「楽しいというか辛かったですね(笑)。『日本一周すると決めたからする』という変な使命感がありました。ネットカフェとかに泊まるつもりだったんですけど、当時の東北にはまだそういう場所はなくて、とにかく寒かったです。防寒も甘かった。あるとき、ビニール袋に入った土に囲まれて寝るとすごく暖かいことに気付いてよくお世話になってましたね(笑)。行く先々の人たちと交流するのは楽しかったです。銭湯の休憩スペースで雑魚寝しているときに炉端焼きのお店のおじさんと仲良くなって、泊めてもらったりご飯を食べさせてもらったりしたのを強烈に覚えています。旅のあとも年賀状の交換がありました」
その後中国地方や四国、九州も周って千葉県に帰った市原さん。この旅で得た「多少のことは何とかなる」という感覚は今も人生のベースになっているという。
釣りがあるから仕事を頑張れる
釣りを再開したのはこのタイミングだった。次の仕事を探す間に実家で時間があったため、「暇だし釣りでも行くか」という感覚になったという。昔の釣り仲間とふたたび釣りに行くようになった。
そしてふたたびスポーツ関係の仕事に就いた市原さんだったが、結婚を機に収入を上げる必要が出たため転職。以来10年以上、今の工場で働き続けている。30歳のころからボートでの釣りもするようになった。
バス釣りのペースは月2回。「釣りがあるから仕事を頑張れる」という日常に欠かせない存在だという。
「子どもが日本一周すると言ったら止めますね」家族への愛
最後に「子どもが成人したあと仕事を辞めて日本一周すると言ったらどうしますか?」と聞いてみた。
市原「止めますね。僕は親の言うことは聞かずに旅に出ちゃいましたし、個人主義なところがあって親に迷惑をかけた感覚があるんですが、子どもが同じことをやるって言ったら止めるかもしれません。自分が親になってはじめてあのときの親の感覚が理解できた部分があるんですよ。旅のことだけじゃなくて、自転車で池に釣りに行くときに危ないって言われたのも同じです。今ならわかりますけど、やっぱり心配ですよね」
釣行スタイルや言葉の端々から家族への愛が伝わってきた。市原家に幸あれ!
原材料:コーラシロップ[有機粗糖、ライム、レモン、シナモン、クローブ、カルダモン、コラの実、ナツメグ、コリアンダー、バニラビーンズ、黒胡椒、高麗人参、霊芝、混合香辛料]、炭酸
※このページは『Basser 2026年4月号』に掲載した記事を再編集したものです。



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