投げ釣りの人気ターゲット「キス(シロギス)」。特に浅場に接岸する夏から初秋にかけてのハイシーズンなら、初心者でも気軽に狙える魚だが、釣果を伸ばすには「時間帯」を意識することも重要になる。この記事では、「キス釣りは昼間と夜、どちらが良いのか?」「何時ごろが釣りやすいのか?」といった疑問に回答。キス釣りの時間帯ごとの特徴と、それぞれの攻略法を詳しく解説する。
投げ釣りの人気ターゲット「キス(シロギス)」。特に浅場に接岸する夏から初秋にかけてのハイシーズンなら、初心者でも気軽に狙える魚だが、釣果を伸ばすには「時間帯」を意識することも重要になる。この記事では、「キス釣りは昼間と夜、どちらが良いのか?」「何時ごろが釣りやすいのか?」といった疑問に回答。キス釣りの時間帯ごとの特徴と、それぞれの攻略法を詳しく解説する。
まとめ◎編集部
キス釣りの時間帯は「昼間」が基本
キス(シロギス)は、明るい時間帯に活発に活動する昼行性の魚だ。そのため、昼と夜のどちらがキスを釣りやすいかと問われれば、答えは明確に「昼間」となる。
日中のキスは餌を求めて群れで広範囲を回遊しているため、この「群れ」の居場所をいかに効率よく探し当てるかが、釣果を大きく左右する鍵となる。そこで基本となるのが、仕掛けをキャストし、海底を引きずるように探る「引き釣り」だ。
この釣り方は、移動する群れを効率的に探すのに適している。特に、海底の地形が変化するブレイクライン(カケアガリ)はキスの通り道となりやすいため、重点的に攻めたい。うまく群れを直撃できれば、一度に複数匹が連なって掛かる、多点掛けが狙える点も、昼の釣りの大きな魅力である。

マズメ時もチャンス大
キス釣りにおいて、一日の中で特に釣果を上げやすいのが、朝夕の薄暗い時間帯の「マズメ時」。
この時間帯は、キスのエサの活動が活発化し、それを捕食するためにキス自身の活性も上がる。そのため、「数釣り」を楽しむなら、日中をメインにマズメ時を絡めて釣行計画を立てることで、より一層釣果アップが期待できるだろう。
夜のキス釣りは大物が狙える
一方、日中の数釣りとは全く異なる魅力を持つのが、夜のキス釣りだ。夜は数は望めない代わりに、大型キスとの遭遇率が格段に高まる特徴がある。
夜釣りで大型キスの実績が高いのには、理由がある。それは、大型になるほど、日中に釣れる小型のキスとは異なる、警戒心の強い行動パターンへと変化するためだ。
例えば、大型のキスは少ない群れや単独で行動することが多く、日中は外敵を避け、海藻や沈み根、消波ブロックなどの物陰にじっと身を潜めている。そして、周囲が暗くなり、安全を確保できる夜間に、ようやく本格的な捕食活動を始めることが多い。

夜釣りでは狙い方が変わる
日中のキス釣りが、活発に回遊する群れを「引き釣り」で広範囲に探すスタイルであるのに対し、夜は狙い方が大きく変わる。
まず重要になるのがポイント選び。日中に釣果が上がるような開けた砂浜よりも、海藻や沈み根が点在する場所や、堤防の消波ブロックの際といった障害物周りが絶好のポイントになる。こうした場所は大型のキスが日中に身を潜める「隠れ家」であり、エサも豊富なため夜の捕食活動の「拠点」にもなるためだ。そもそも、外敵から身を隠しやすい障害物が多いポイントは、大型が育ちやすい環境だという側面もあるだろう。
釣り方も、有望な障害物周りをピンポイントで狙い撃つ「置き竿」スタイルが主体となる。仕掛けを投入した後は、リールのドラグを緩め、大物の豪快なアタリをじっくりと待つのが基本だ。
潮の動きも重要
昼と夜の時間帯の比較に加え、キス釣りの釣果を左右する、もう一つの重要な要素が「潮の動き」。
魚の活性は潮の流れと密接に連動しており、潮が動いている時間帯にアタリは集中する。反対に、満潮や干潮の前後で流れが止まる「潮止まり」には、食いがぱったりと止まることも少なくない。釣行前には必ず潮見表を確認し、潮が動く時間帯を狙うのがセオリーだ。
では、上げ潮と下げ潮のどちらが良いのか。これは釣り場にもよるため一概には言えないが、一般的には、潮が満ちてくる「上げ潮」の時間帯に釣果が上がりやすいとされる。潮に乗ってキスが浅場へと接岸し、活発に餌を探し始めるためだ。
キス釣りの時間帯まとめ
最後にこれまでの情報を元に、キス釣りの時間帯選びの要点をまとめた。
釣りのスタイルで選ぶ基本の時間帯
昼間: 活発な群れに当たりやすく、数釣りを楽しむのに最適。
夜: 数は期待できないが、警戒心の強い大ギスを狙う絶好のチャンス。
釣果をブーストする2大要素
マズメ時: 朝夕の薄暗い時間帯は、魚の活性が上がるゴールデンタイム。昼と夜どちらの時間帯でもマズメ時を絡めるのがおすすめ。
潮の動き: 潮が流れている時間帯(上げ潮・下げ潮)は、アタリが集中する。潮の動く時間をメインに釣行計画を立てるといいだろう。
また、上記の要素を組み合わせ「マズメ」と「潮が動く時間」が重なるタイミングを狙うのも非常に有効。キス釣りの釣行計画を立てる上で、参考にしてみて欲しい。