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つり人編集部2026年7月9日

中禅寺湖レイクトラウト攻略|縦の釣りで攻略するスプーン選びと実践テクニック

4月1日から岸釣りの解禁を迎えた栃木県中禅寺湖。ルアーフィッシングとフライフィッシングが盛んなこの湖では何といってもレイクトラウトが有名だ。今年で本流サクラマス釣り歴33年を迎えた筆者だが、日光の雄大な自然に囲まれたこの山上湖にビッグトラウトの新境地を探し求めている──

著者:佐藤文紀(プロアングラー)

写真と文◎佐藤文紀

シマノフィールドテスター。国内外のロックフィッシュゲーム全般およびサーモン・トラウトフィッシングの双方に精通。ロックフィッシュにおいては黎明期からシーン最前線で活躍するパイオニアで、世界記録・日本記録も多数保持する。トラウトは渓流・本流・湖・海まで幅広く、なかでもライフワークでもあるサクラマス釣りは歴30年を超える。

憧れ続けた中禅寺湖|日本一標高の高いトラウトフィールド

中禅寺湖を含む栃木県日光は、修学旅行先として、また近年はインバウンド観光客の人気スポットとしても全国的に名が知れ渡る観光地だ。中禅寺という寺院のほとりにある湖であることが名称の由来。近くに雄大な男体山がそびえ、釣りができる湖としては日本で最も標高が高い位置に存在する。

なぜレイクトラウトが繁栄するのか

麓の宇都宮市街地と中禅寺湖は同じ栃木県内でも気温差がまるで別物。湖内環境も長きにわたり冷水が保たれ、低温環境に適したレイクトラウトが繁栄する。サクラマスに適した水温は一般に8~12℃とされるが、レイクトラウトの適水温は4~10℃。この低めの温度環境が中禅寺湖で保たれてきたことで、日本への導入から60年近くが経過してもレイクトラウトが代々この湖に適応を重ねてきたのだろう。

中禅寺湖

トラウトフィッシングの聖地「中禅寺湖」

中禅寺湖にはレイクトラウトのほか、レインボートラウト・ブラウントラウト・ブルックトラウト・イワナ・ホンマス・ヒメマスの計7種のサケ科魚類の生息が確認されている。同一の湖に7種ものサケマスが生息する事例は北海道を含め日本で他に例を見ないほど珍しく、「トラウトフィッシングの聖地」と称される所以だ。レイクトラウトは魚の属性でいうとイワナの仲間で、元がヤマメであるサクラマスとは釣り方が異なる別物だと認識している。サクラマス歴が長い自分は根底の解釈がサクラマスベースだったため、当初はレイクトラウトならではの特性に釣り方を合わせられずにいた。

しかし岸近くまで回遊するレイクトラウトを観察するうちに見えてきたのは、意外にも海のロックフィッシュ、アカハタやアイナメ釣りで馴染んだ「縦軌道の釣り」が突破口になるということだった。

レイクトラウト攻略の鍵は"縦の釣り"

一般的にイワナの仲間や北海道のイトウは夜目が利くことで知られる。夜間でも獲物が見え、暗闇でも捕食できるということだ。

対してサクラマス(ヤマメ)は陽の光に敏感で、太陽光の有無や差す角度が行動に影響し釣果を左右する。この違いは大きく、イワナ系のレイクトラウトは朝イチの光量が少ない時間帯こそ水面直下で積極的に小魚を追い、ボイルやライズも見られるが、朝の時合が終わると泳層がボトムへ下がりヒットレンジも下がっていく傾向がある。

朝一はただ巻き主体の横の動き(一定速度でルアーを横に引く釣り)、日中はスプーンやメタルジグでラインを縦に入れる釣りが効果的だ。

マスケグ桜鱒SP20gでヒットしたレイクトラウト
マスケグ桜鱒SP20gのPO-6カラーのただ巻きにヒットしたレイクトラウト。横に一直線に引ける、ただ巻きでのアクションが得意なスプーンだ

スプーン選びのコツ

スプーンも、河川のサクラマス釣りで多用されるクロスに投げてダウンクロスからU字ターンで泳ぎきるタイプだけでなく、独特のスライド幅で真横にズレてフォールするスライドスプーン系やリールを半回転させる「デジ巻き」メソッドが中禅寺湖では普及している。これらは本流ビッグトラウトでは使われない概念で、エリアトラウト発祥のメソッドが湖(止水環境)のネイティブフィールドにもうまく適合した稀有な例といえる。

スプーンやメタルジグを使う場合でも、本流サクラマスや同湖のホンマス・レインボートラウトと違い、レイクトラウトは横方向のただ巻き一辺倒では反応させられる条件や間合いが短い

通常、本流サクラマスや渓流のヤマメは自分の目線より下に入ったルアーをわざわざ拾い食いすることはほぼなく、むしろ見切って避ける傾向がある。ヒット時は下方から上方へ食い上げて反転する形のバイトになるからだ。

ところがレイクトラウトは鱒でありながら、海の根魚アイナメのように目線を下にしてボトムのエサをついばむようにして捕食することも珍しくない。この点が日本の他のサケ科魚類と異なり、レイクトラウトならではの釣り味と釣りの趣につながっていると思う。

宙層にワカサギの群れが浮いていれば話は別だが、それとは別にボトムべったりや底石の隙間に潜むゴリなどのハゼ科ベイトフィッシュやエビをねらって回遊するレイクトラウトも少なくない。ハゼ科もエビも長距離を泳ぐ生物ではないため、縦の壁際に追い込んで捕食したり、上方から下方についばむようにして捕食することもある。

"コツン"と来る繊細なアタリ

このため、スプーンやメタルジグを段階的にホップさせてからのフォール、ボトムバンプ、ジャーク&フォールやリフト&フォール、デジ巻きの最中にもアタリが訪れる。表層・中層を回遊する他のビッグトラウトのように手もとにガツンと衝撃が伝わるアタリではなく、ロッドティップにコツンと来る細かいアタリがレイクトラウトでは多い。こうした縦軌道の釣りはナイロンラインだと伸びがあってアタリが取りづらいので、低気温による凍結の問題さえクリアできるならPEラインのほうが取りやすい。

こうした独特のバイトの仕方は普段釣り慣れたサクラマスや他のトラウトには見られない特徴で、極めて低水温下を適合環境とするレイクトラウトが独自に進化させた捕食形態と解釈してもよいだろう。

捕食のレパートリーが広い点も他の大型トラウトには見られない特徴で、釣り方を考察するうえで大きな魅力だ。

中禅寺湖攻略の実践テクニック

中禅寺湖は水深が深く、岸から届く範囲でもカウント30~40のポイントはザラにある。着底までのフォール時間が長い分、魚にルアーを見せてアピールする時間も長くとれる。

岸から投げる場合、深さのあるポイントでも15~25mくらいまでがねらいやすい。

深場から釣りあげる際の注意点

深い水深から一気に釣りあげると浮袋が空気で膨らんでしまう可能性があるため、トラウトフィッシングとはいえエアー抜きのハリは魚を取り扱ううえでのマナーとしてこの湖ではぜひ携行したい

遊漁券・エリア情報

遊漁期間と遊漁エリアは季節によって規則が決められているので、遊漁券販売所の位置も含め釣行前に事前に下調べしておきたい。詳しくは中禅寺湖漁協を確認してほしい。

2024年は5月と6月に釣行し、自身は国道側のみで釣果に恵まれた。アクセスのよい国道側は入りやすい分、常に釣り人が多い。対して国道側の向かいにあたる通称「山側」は遊歩道からの傾斜を降りていく釣り場で、奥に行くほど歩く時間も要する。荷物を背負い山林を歩くことになるため、体力に自信があり人の少ない場所で釣りたい人向けのエリアだ。クマ対策も欠かせない。

中禅寺湖

レイクトラウトだけじゃない多彩なターゲット

初夏まではレイクトラウトのみならず、レインボートラウトとブラウントラウトの姿も岸沿いで見かけることが多い。いずれも型はよいが、追うエサの種類や捕食スピードが違うため、それぞれ異なる釣り方を楽しめる

夕方はブラウン狙い

中禅寺湖では夕方の時合になると、岸沿いの中層をブラウントラウトがブレイクのショルダーに沿って回遊する。このときは中層をスプーンでただ巻きするとヒットしやすい。

河川の障害物周りに居着くブラウントラウトに比べ、湖の中層を回遊する個体は銀毛が強く、同じ魚種ながら発色の趣もやや違って見える点も注目に値する。国道側は観光施設や食事処も多いので、観光地のアクティビティーとしても春~初夏の中禅寺湖釣行はおすすめだ。4月から解禁になり、5~6月にピークが訪れる

中禅寺湖

※このページは月刊つり人を再編集したものです。

ニジマス 栃木 魚種別釣りガイド ブラウントラウト レイクトラウト 中禅寺湖

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列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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