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編集部2025年6月2日

春の風物詩!手賀沼ホソで楽しむマブナの乗っ込み

マブナ 魚種別釣りガイド

都心からほど近い水辺でも味わえる旬の釣りがある。マブナの乗っ込みは、足で探すことで出会える春の楽しみだ。ホソを巡ってのどかな釣りを満喫しよう

写真と文◎編集部

騒がしい水辺にフナを追う

春の釣りと言われて連想するのは何だろう。解禁を迎えた渓流釣り、春告魚とも呼ばれるメバル、春イカ……いろいろあるが、やはりマブナの乗っ込みは春を代表する釣りと言えるだろう。乗っ込みというのは産卵のために魚が浅場に入り込んでくることを指す。幅1mもない細い水路でフナやコイがバシャバシャと水面を騒ぎ立てるようすは春の風物詩でもある。

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魚の反応を追い求めてホソと呼ばれる小さな水路を巡る時間は、春の陽気と相まって格別の趣がある。難しい道具立ては不要で子どもでも楽しめる。
さらに釣り場は市街地からも遠くないというのもこの釣りの魅力だ。
そんな手軽なマブナ釣りをはじめとした淡水の小物釣りに長年親しみ、釣り専門出版社のつり人社刊行の人気釣り場ガイドであるキラキラ釣り場シリーズを執筆してきたのが坂本和久さん。3月下旬、寒の戻りのタイミングではあったが、坂本さんは手賀沼周辺のホソへ今年のようすを伺いに足を運んだ。都心から1時間ほどでアクセスできる位置にある手賀沼は周辺に多数の水路が張り巡らされている。かつては広大な湿地帯だったが、明治以降、周辺の新田開発に伴い農業用水として活用されてきた。昭和に入ると干拓が進み、沼の面積は縮小。日本一汚い湖沼と呼ばれていた時期もあったが、下水処理施設の整備や浄化事業、環境保全活動などが展開されたことで近年は水質が回復傾向にあり、魚影も戻りつつある。マブナ以外にもヘラブナやタナゴ釣りファンも多い都市近郊の人気釣り場だ。
JR成田線の湖北駅、新木駅を利用すれば釣り場まで歩いて行けるため、坂本さんは電車釣行することも多いという。
「手賀沼のホソのベストシーズンはGW明けです。GW中はちょうど田植えのタイミングと重なることが多く、濁りがきついとなかなか難しい釣りになります。釣果は日によってばらつきますが、それもまた春のフナ釣りの面白いところです」すでに乗っ込みは始まっているようで、数日前に訪れた時はホソで18㎝程度の中ブナを10尾ほど釣ったとのこと。しかし、前日に冷たい雨が降ったため同じように釣れるかは分からないと坂本さん。
最初に向かったのは手賀沼から流れ出す手賀川に掛かる浅間橋付近のホソ。
本流に繋がる水門近くの水路が十文字状に分岐したポイントを丁寧に探っていく。
「十字になっているところは周辺よりも深く掘れていることが多く、本流から入ってきた魚が留まる一級ポイントになります。まずはアカムシで釣ってみます」
坂本さんはシモリ仕掛けを使い、ウキの沈み具合でカケアガリを確認していく。水中にあったウキがわずかに揺れたのを見逃さずにアワセを入れるとサオが絞り込まれた。しかし、掛かったのはコイ。
50㎝近いがなんとかタモ入れしてすぐにリリースした。

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最初に掛かったのはコイ。君じゃないんだよと肩を落とす坂本さん

 

釣り荒れたので水路沿いに少し歩いて橋の陰、アシやオダの際など細かく仕掛けを投げ入れて探っていくがアタリはない。
土手を越えて本流側を探るもののこちらも反応なし。
「雨で魚が動いたのかな。この前まで入っていた魚は産卵を終えてホソから抜けちゃったみたいだから場所を変えましょう」移動した先は手賀川に並行して流れる新木水路。ヘラブナ釣りを楽しむ人たちで賑わっている。ここは中央に向かってなだらかに深くなっていく地形で目立った変化は多くないそうだ。水の動くところがねらいめだという。水路や機場、パイプからの落ち込みは有望ポイントなので必ずチェックしたい。

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道の駅しょうなん近くにあるホソも行ってみたがハズレ


この日坂本さんが用意したのは2.8~3.6mほどの渓流用振り出しザオ。
サオの長さを変えられるズーム機能が搭載されているものだと何かと便利だ。
仕掛けには7つのウキを付けており、着底までの時間も魚にエサの存在をアピールできるように、なるべくゆっくりシモるよう調整してある。ウキ止メゴムで挟んだ丸カンに上バリを付けた2本バリ仕掛けが坂本さんのこだわり。
上バリを遊動にすることでハリスの長さが変わってもエサの位置を調節できるようになっている。エサはアカムシとミミズを用意しており、坂本さんの経験上、ミミズだとコイが掛かりにくいそうだ。 この日は目に見えるほど水路からの水の流入はないが、水路の合流点に仕掛けを振り込む。反応がなくてもすぐに打ち直さず、底を這わせるようにして徐々に手前に寄せてくる。すると明確な食い上げアタリ! 間髪を入れずに合わせるとサオは大きな弧を描いた。サオをため続けて魚を浮かせる坂本さんだが、なかなか水面まで浮き上がってこない。空気を吸わせてようやくおとなしくなった魚は、見事な体躯をした尺ブナである。

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「一度モジリがあったのですがアタリがなく、アピール重視でエサをミミズに変えてもう一度同じポイントを探ったら来ました。ここは回遊するフナが少し足を止める場所なので少し粘って正解でした」
会心の一尾に坂本さんも満足そうだ。
その後、新木水路をひととおり回ったが、フナの反応はなく納竿とした。
この釣りはすぐに反応が出る釣りなので、アタリがなければ移動して広く探っていくことが釣果を伸ばすコツになる。小誌発売の頃はより魚の動きが活発になっていて浅場を泳ぎ回る魚の姿が見えるはず。これもポイント選びのひとつになるはずなので手賀沼一帯の水路を探索してみてはいかがだろうか。

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