フロートは難しい……。ジグ単が手軽すぎるゆえにそんなイメージが強いフロートリグ。 しかし、使ってみればフィールドは広がり、魚のサイズもよくなる。そんな素晴らしい仕掛けをもっと多くの人に使ってアジングを楽しんでほしい。その一心で開発されたのがジャッカルの「LGフロート」だ。生粋のフロートフリークであり、LGフロートの開発者でもある佐々木平磨さんに、そのコンセプトと攻略のキモを聞いた。
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解説◎佐々木 平磨
1985年生まれ。LGフロートの開発者であり、アジング歴は約10年。福井、三重のサーフを中心に大型ねらいでフロートでのアジングを楽しんできた。
フロートデビューに最適なジャッカル「LGフロート」完成仕掛け
――ジャッカルから2025年12月にリリースされたフロートリグの完成仕掛けはフロートの見た目が特徴的ですね。どんなスペックなのか教えてください。
佐々木 LGフロートといいます。サイズはS、M、Lの3種類で、それぞれフローティング、シンキングモデルがあり、合計6種類のラインナップです。カラーはグローのみ。
フロートからジグヘッドまでのリグが完成された状態となっていて、Oリングにメインラインを結ぶだけでフロートの釣りが楽しめます。収まりのよい専用仕掛け巻きも付いているので、収納も楽です。
――フロートは慣れていないとリグを組むのに少し時間が掛かってしまいますが、メインラインを結ぶだけでできるのは便利ですね。
佐々木 そうなんです。フロートリグは遠投が利くことでよく釣れる仕掛けです。でも、アジングで最もポピュラーなジグ単と比べてしまうと、やや複雑でリグるのが面倒という人も多いです。それならば完成仕掛けという形にして誰でもすぐに使えるようにしようと思い立って開発しました。
サーフや磯だけじゃない!フロートが活躍する場所
――フロートが活躍するフィールドはサーフや磯だけですか?
佐々木 フロートがよく使われるサーフや磯場はもちろんですが、堤防などジグ単の釣り場でも沖にあるブイやイケス周りにアジが付いていることもあるので、フロートの出番はどこでもありますね。
最近はジグ単で届く範囲に魚が少なくなってきているように感じています。ジグ単がダメな日でも、フロートで遠投したら連発、なんてことも多いです。
エギングロッドなどの流用もOK!フロートリグのタックルの選び方
――タックルはフロート専用を用意しないと難しいですか?
佐々木 フロート専用タックルをいきなり用意するのはハードルがあると思いますが、アジングをする人はエギングタックルを持っている人も多いですよね。LGフロートはエギングタックルでも使いやすい重量設定にしたので、タックルの流用が可能です。
Sサイズなら6フィート台のジグ単タックルで問題なくできるので、今まで敬遠していた方もぜひフロートの釣りを始めてほしいです。
レンジキープしやすい「独自の形状」と構造
――ジグ単タックルでできるのはいいですね。独特の形状をしていますが、既存のフロートと何が違いますか?
佐々木 フロートというと楕円状の円錐ウキのような形のものばかりでした。こういった形状では流れの抵抗を受けると簡単に浮き上がります。LGフロートはダーツの矢のようになっていて4つのフィンが付いています。これによってスイム姿勢が安定し、レンジキープしやすいのが特徴です。
フロートの操作に慣れていない初心者にありがちなのが、想像しているレンジよりも上を通していたり、せっかく沈めてもどんどん浮き上がってレンジキープができていないことです。そうなるとなかなか釣れません。LGフロートはレンジキープしやすい形状でアングラーを支えてくれます。
また、丸型では強めにアクションを加えたり、少し早くリトリーブをした際にブルブルと暴れますが、LGフロートはそういった暴れもなく、潮流変化も感じ取りやすいので、ベテランの方が使っても「おっ、これは一味違うな」と感じてもらえるような仕上がりになっています。
従来のフロートシステムだとリーダーの端イトを使って結んで遊びを作っていました。これがアジのアタリをダイレクトに伝わりやすくしていた部分でもあり、手間でもありました。LGフロートはフロート本体からシャフトが伸びています。それが端イトの代わりとなるため、アジの食い込みを阻害しません。
フロートリグを使いこなすコツ
――初めて使う人に向けて、フロートを使いこなすためのコツがあれば教えてください。
佐々木 まずはレンジが固定されるフローティングタイプから使うことをおすすめします。一番簡単なのはキャストしたらゆっくりただ巻き。これだけで反応があるはずです。リトリーブスピードで反応が変わるので、フロートの釣れるスピード感を覚えてください。
フロートの扱いに慣れてきたら、全層探れるシンキングタイプを使いこなせるようになってほしいですね。ジグ単のようにカウントダウンしてレンジを探っていきます。チョンチョンと時折ロッドアクションを加えるのも効果的ですが、リグが浮き上がるのでレンジキープするにはジグ単の時よりも待って沈める意識を忘れないでください。
フォールやスピードが緩んだ時にバイトが集中します。明るいうちに練習してフォール速度を掴んでおくのがベストです。
フロートの釣りは飛ばしたほうが釣れやすいですが、ジグ単では届かないような常夜灯の沖側の明暗をねらうなら、ジグ単タックルでも扱えるSサイズ。MとLはサーフや磯などで飛距離重視の釣りで、タックルバランスによってサイズを使い分けてください。
本気仕様の付属ジグヘッド&ワーム選び
――付属のジグヘッドは0.2gとかなり軽いものが付いていて初心者にも釣ってほしいという気概を感じます。ちなみにフロートの釣りに適したジグヘッドというのはあるんでしょうか?
佐々木 完成仕掛けには0.2gのLGヘッドタイプスイムがセットされていますが、実はフロートのサイズでフックの仕様が少し違っています。Sサイズは掛かり重視の細軸オープンゲイブ。MとLはLGヘッドタイプスイムの太軸かつストレートポイントとなっていて、尺~ギガアジにも対応しています。
ウエイトはもっと重い1g前後を使うこともありますが、アクション後のフォールでフワッとさせるのがキモだと考えているので基本的にはなるべく軽いほうがよいと考えています。ヘッド形状はラウンド型だとフォール時に変なアクションが入らないので魚の反応もよいです。LGヘッドはラウンド型をベースに側面が少しフラットになっていてつまみやすくてワームも差しやすいので、ジグ単だけでなくフロートにも使いやすいジグヘッドです。
ワームはジグ単で使っているものがそのまま使えます。具体例を挙げるなら定番のペケリング各サイズ、大型ねらいならメロウリング、アミ食いをねらうならアミアミの3種類があればOKです。
フロートの釣りができるようになると、今までアジング釣り場と思っていなかった場所でアジがねらえるようになります。そういった場所はジグ単の釣り場よりもサイズがいいことが多いです。ぜひLGフロートでフロートアジングを始めてみてください。
※このページは『つり人 2026年1月号』の記事を再編集したものです。



