渓流アングラーにはシングルフック化を検討している人も多いだろう。しかし、既製品だと選択肢が少ないのが現状だ。自作するならどんなハリがいいのか?ヒット率は落ちるのか?シングルフックを愛用している黒神さんに話を聞いた。
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解説◎黒神樹(くろかみ・いつき)
1999年生まれ、明石市在住。釣り好きが高じてがまかつに入社、商品開発課にて釣具の企画開発に携わる。源流域でのイワナ釣りと釣り旅が特に好きで全国各地を巡っている。
渓流ルアーの「シングルフック化」を検討すべき理由
昨シーズン使ったルアーにフックがそのまま付いているのであればそのハリ先を触ってみてください。硬い岩に当たり続けた先端は鈍っていると思います。シングル、トレブルの話以前に、これでは口の硬いマス族の口にハリを刺すことはできません。ハリ先の鋭いフックへ交換してください。市販の渓流ミノーに付いているフックの大半はトレブルフックですが、私はシングルフックに交換して使っています。
私は源流~本流まで全てのトラウトルアーにシングルフックをセットしています。シングルフックには金属アイのものと編みイトなどでアイが作られたスイミングフックの2種類があります。ただ、市販の渓流用シングルフックはあまり種類がなく、バレにくさ重視のものばかりです。そこで自分の好みの形状をしたハリを使うためにスイミングフックを自作するようになりました。
シングルフックを選ぶ3つのメリット
私がシングルフックを使う理由は大きく3つあります。
魚に余計なダメージを与えないため
たとえばランディングにクレモナネットを使った時、ネットインした魚がローリングしてひどく絡む時がありますよね。また、ハリ先が三つとも口の中に刺さってしまうこともあります。それを避けたい。せっかく綺麗な魚をねらっているのに、顔周りがフックの傷でズタズタだと心が痛みます。
根掛かりが少ない
ボトムをネチネチと誘う時に落ち葉なども拾いにくいです。ワンキャストで勝負が決まってしまう源流域では大切なことです。また、ねらった魚以外がバイトして来た時にあえて掛けないということもできるので場荒れを防げます。
フックの持ちとコスパがいい
マス類の口周りはかなり硬いです。そこに刺し込むには鋭いハリ先が必要です。トレブルフックを使っていた頃は1日に2~3パックほどフック交換をしていました。正直お財布的にも苦しかったです。シングルフックに変えると、岩とハリ先の余計なコンタクトを避けられます。1日に数回の交換で済むほど交換回数は減りました。しかも1本当たりの単価も安いのでコスパもよし。
自作するならどんなハリ?理想のフック形状と選び方
シングルフックを自作するにあたり、どんなハリを使うのがいいのか。数あるハリの中から、ミノー用やスプーン用に適した形状を探し出すことも自作の楽しみの一つです。
ストレートポイント・ショートシャンク・ワイドゲイプが理想
私の理想のミノー用のフック形状は、ストレートポイント・ショートシャンク・ワイドゲイプです。そして絡まない範囲内でなるべく大きいもの。いろいろと試しましたが、今はがまかつのナノグレや桜幻カスタムフックスーパークイックを使っています。本当は軸がもっと細いほうがいいのですが、これらはナノスムースコートの滑りのよさで刺さりをフォローしてくれます。
びっくりするほどハリ先の持ちがいいのは、硬いT・G・Wが使われているものです。ナノグレだと1日持たないですが、T・G・Wのスーパークイックは2釣行いけます。ちなみにスプーン用にはナノヤマメ(がまかつ)がおすすめです。
フックアップ率の低下を防ぐ「掛けにいく」ロッド選び
シングルのデメリットはフックアップ率の低下です。トレブルからシングルに換装して最初に感じるデメリットだと思いますが、欠点はこれだけです。しかも、釣り方を変えればフックアップ率は改善します。
じゃれついてきた魚を絡めて乗せていくような釣り方はトレブルの釣り方です。シングルを使うなら積極的に掛けにいくスタイルです。
乗せ調子が多いトラウトロッドですが、正反対な先調子のロッドがシングルには必須。アタリを感じ取ってハリをこちらから掛けるという意識が大切です。張りが強く高感度のロッドだとダイレクトでパワフルな引きという、曲げて楽しむとは別のベクトルでファイトも楽しめますよ。
渓流用シングルフックの作り方と必要な道具
使用するもの
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・バイス
・ハサミ
・スレッド(伸びのあるナイロン製がおすすめ)
・フロロカーボン3号
・接着剤(ゼリータイプはNG)
・ハリ
作り方の手順
※このページは『つり人 2026年3月号』に掲載した記事を再編集したものです。
