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つり人編集部2026年5月1日

魚が一番釣れる時間帯「マヅメ」の秘密。活性が上がる理由と例外の釣りとは?

釣り初心者が釣果を上げる最短ルートは「釣れる時間帯」を知ることだ。魚が活発にエサを追う朝夕のマヅメ時がなぜ有利なのか、光量と警戒心という生態的メカニズムから紐解く。また、食欲に依存しないタイラバやアユ釣りといった例外の仕組みまで、月刊つり人元編集長でつり人社代表の山根和明が解説する。

著者:つり人オンライン編集部

文◎山根和明(株式会社つり人社代表)

つり人社代表取締役社長。日本釣振興会理事。大学在学中にアルバイトとしてつり人社に入り、卒業後に入社。1946年創刊の月刊「つり人」編集部に配属される。
2006年に同誌編集長、2015年に代表取締役社長に就任。釣りメディア一筋で、企画・編集・事業開発までを一貫して手がけてきた。また、釣り文化の普及と次世代育成にも力を注いでいる。著書に『カッパのいない川で子どもが育つか』がある。

連載 「釣りの疑問に全部答える」 について

― 創刊80周年。釣り専門メディア社長が語る「本質」―

つり人社は2026年7月、創刊80周年を迎える。本連載では、釣り専門出版社の社長として、また長年の編集者として釣り人を見続けてきた山根和明が、釣りにまつわる疑問に正面から答える。毎週更新。

魚が一番釣れる時間帯はマヅメ時

魚が一番釣れる時間帯は「朝マヅメ」と「夕マヅメ」だ。釣りでよく言われる「マヅメ」とは、朝マヅメが日の出前後の1〜2時間、夕マヅメが日没前後の1〜2時間を指す。

理由はシンプルで、魚の活性が最も上がる時間帯だからだ。多くの魚は日中こそ警戒して動きが鈍くなるが、夜や薄暗い時間になると活発にエサを追うという性質を持っている。

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アジなどは昼間は深場で外敵から身を隠し、暗くなると浅場に回遊する「日周鉛直移動」を行うことが知られている

光量が少ない時間帯は安心してエサを食べられる

魚は平時、常に外敵から身を守ることに意識を注いでいる。しかし、エサを食べる時は食事に集中しなければ思うように食べられない。魚はたいてい群れで行動するため、食事のときにのんびりしていると仲間にエサを奪われてしまうためだ。だから、この時ばかりは外敵よりもエサへ意識を向ける。

フィッシュイーターは当然、魚のそうした習性を知っている。エサに夢中になっている小魚へ襲いかかるのだ。食事中の仲間が大きな魚に食われてしまう場面を何度も経験して育った魚は、エサを食べるときも慎重になる。

朝と夕方は光量が少ない。これは外敵から自分の存在を消しやすい条件だ。つまり、比較的安心してエサを食べられる時間帯なのである。

20〜30代の頃、伊豆大島へメジナを釣りによく行った。日中は期待できない浅場のポイントへ、夕方になると良型のオナガメジナが回遊してくる。

ウキ下1ヒロ(約1.5m)の仕掛けを足元のサラシに入れると、サオごと引ったくるような強烈なアタリが連発した。まさに日没前後の2時間。これが「釣れる時間帯」の典型例だ。

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伊豆大島の浅場で夕マヅメにこのクラスのオナガメジナが連続ヒットする

例外も存在。真っ昼間に大型マダイが釣れる理由

ただし、すべての釣りにマヅメの法則が当てはまるわけではない。

ひとつテンヤというマダイの釣り方がある。エビを付けたテンヤ仕掛けでねらうエサ釣りだ。この釣りには明確な時合いがあり、誰かが釣ると船中で連続ヒットする。しかし長くは続かず、アタリが急にパタリと止まり、その後はカサゴやホウボウなどしか食ってこないなんてことが多々ある。マダイが捕食スイッチを入れている時間は、大型になるほど短くなると感じている。

一方、タイラバというルアーでマダイをねらうと、まったく違うことが起きる。私自身、エサ釣りで3kg超のマダイを手にした経験は数回しかないが、タイラバでは何度も釣り上げている。自己記録の8.7kgを仕留めたのも、真昼間のことだった。

その理由は、タイラバがエサではなく、擬似餌なことにある。マダイはこれを食べようとして口を使うのではなく、興味を惹かれて追いかけたり、反射的に攻撃したりする。いわゆるリアクションバイトだ。

捕食スイッチとは別のスイッチが入るので、時合いに左右されない。また、警戒心の高い大型マダイほど、エサには慎重でもルアーには反応することがある。

アユの友釣りも同じ理屈だ。友釣りとは、縄張りを持つアユが侵入者を追い払おうとする習性を利用した日本の伝統釣法だ。エサに訴える釣りではないから、朝マヅメの恩恵を受けにくい。むしろ気温が上がり、アユが活発に動き回る日中のほうが釣れることが多い。

マヅメが効く釣りと効かない釣りがある。その違いは、「魚の食欲に訴えているかどうか」だ。

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自己記録の8.7kgマダイ。タイラバはテンヤに比べて、時合いに左右されにくい

初心者はマヅメ時に釣行しよう

このように例外も存在はするが、これから釣りを始める人は「朝マヅメ」や「夕マヅメ」に行くだけでも、釣れる確率は大きく上がる。逆に言えば、昼間だけで釣ろうとするのはかなり不利だ。まずはこの基本を徹底することが、上達への近道になる。

また、マヅメ時は周囲が暗いため、視界の悪さをカバーする道具選びも重要になる。見やすいラインや感度の良いロッド、扱いやすいリールなどタックルに少しこだわると釣果向上に繋がるだろう。

ライトも重要で、特にヘッドライトは必携アイテムと言える。朝夕は足場が見えにくい。安全のためにも必ず携帯してほしい。

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マヅメ時の釣行は、薄暗い時間帯での釣りとなるので安全対策も万全に

魚種別釣りガイド 釣りの疑問に全部答える

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列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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