魚の王様・マダイ。大型ねらいは船釣りのイメージが強いが、投げ釣りでも60〜70cmを手にすることも夢ではない。今回は、ポイント選定、特効エサの使い分けから、釣果を左右する潮読みまで、実践ノウハウをベテランキャスターが徹底解説。

解説◎山崎憲二
編集◎月刊つり人編集部
様々な魚種を投げ釣りで狙うベテランキャスター。釣り雑誌編集者として40年以上のキャリアをもち、投げ釣り専門誌に携わった経験も。著書に「投げ釣りパーフェクト教書」。
投げ釣りターゲットとしてのマダイ
美しさ、フォルム、色合いのどれをとっても魚の王様と呼ぶにふさわしいマダイ。一般的には沖釣りでねらうことが多い。
というのは、20〜25cmのいわゆるチャリコ、小ダイクラスなら沿岸部の浅場でよく釣れるが、50cm以上の大型になると水深のあるエリアに移動してしまうからだ。同じタイ系のクロダイは河口部、防波堤周り、やや水深のあるサーフなどどこにでも生息しているが、マダイは水深10m以上のエリアをねらわなければいけない。
また、潮流が速い所を好むため投げ釣りで大型を釣りあげるのはハードルが高い。しかし、それだけにキャッチした時のうれしさはひとしおだ。60〜70cmの大型も期待できるが、まずは50cmオーバーを目指そう。
釣り場は水深があって潮流も速いエリア
投げマダイで実績が高いのは瀬戸内海や宇和海、日本海の隠岐島、和歌山の磯場やサーフ、三重の湾内など、いずれも水深があって潮流も速いエリアだ。中でも瀬戸内海の島しょ部は高実績を残しており、40〜50cmが高確率で釣れている。60〜70cmの大型も充分に期待でき、80cmオーバーの超大型も年に数尾は記録されている。
釣り場の特徴としては、海藻帯や沈み根が入り混じった砂地底がねらい目となる。マダイを狙う際は根周りに仕掛けを入れるのが基本だが、障害物が多すぎたり、底がゴツゴツと荒れすぎたりしている場所は根掛かりが多発するため避けたほうが無難だ。
時期は春~初夏が大型をねらいやすい
4月後半から釣期に入り、10月までねらうことができる。基本的に4〜5月の乗っ込みシーズンは大型が多く、夏から秋は少しサイズが落ちる。大型を目指すなら春~初夏がねらいめだ。
時間帯は夜釣りがメイン
マダイをねらう投げ釣りでは夜釣りがメインになる。夜のほうが警戒心が薄れて果敢に食ってくるからだ。ただし、夜釣りは危険が伴うのでライト、ライフジャケットなどの装備はしっかりとしておき、必ず複数で出かけてほしい。
マダイの投げ釣りで使うタックルと仕掛け
タックルは4mほどの投げザオに、ドラグ機能付きの投げ釣り専用リールを組み合わせる。ミチイトはナイロン3~5号、またはPE2~3号。食いのよさを優先させるならナイロンラインがよい。
仕掛けは食い込みのよい遊動タイプのテンビンに、6~8号のハリスをセット。ハリは、がまかつの「ユムシコウジ」や「丸せいごサーフ」、オーナーばりの「ビッグサーフ」などが適している。1本バリ仕様にし、チモトに夜光玉を入れるのが効果的だ。
なお、ハリ先は絶えずチェックし、少しでも刺さりが悪くなった時はすぐに新しいものへ交換してほしい。さもないと、いざ本命が掛かった際にすっぽ抜けて、悔しい思いをすることになる。
釣り場に適したエサ選びと刺し方
マダイねらいではエサ選びも重要。マダイの投げ釣りで有効なエサを紹介する。
ユムシ
マダイをねらった投げ釣りで、使われることが多いのが「ユムシ」。関西では鳴門周辺や和歌山、三重方面、宮津湾での実績エサだ。エサ取りに強く食いもよいのが特徴。ユムシや本コウジは必ず写真(下)のように刺すこと。食いがいい時はハリ先を途中から出しても口に掛かるが、食いが渋い時は先だけをくわえている状態。これでは口に掛からない。ちょっとしたことだがフッキング率がかなり変わる。
本コウジ
本コウジはユムシに似たエサで、ユムシに比べると身が厚く飛距離も出るほか、ニオイでもアピールする。特に瀬戸内海の島しょ部では群を抜いた実績を誇る。「本コウジがないと行かない」という人もいるほどだが、真夏になると入荷が減るのが難点だ。
タイムシ
イワイソメよりひと回り太く長くしたような虫エサ。名前の通りマダイの特効エサで、こちらも瀬戸内海の島しょ部で強い。
チロリなどの虫エサ
チロリもマダイ釣りでは定番のエサとなる。タイムシも含めた虫エサはユムシよりも飛距離が出るのが特徴で、遠浅のサーフなど、遠投が要求される場面に強い。
他では、匂いの強いイワイソメ(マムシ)と動きでアピールするアオイソメのミックス刺しなども有効だ。釣り場の形態やその日の状況に合わせて、房掛けや通し刺しといった刺し方もしっかりと使い分けるようにしたい。
釣果は潮読みで決まる。重要なポイント選定

どんな釣りでも潮読みが大事だが、特にマダイねらいでは顕著である。潮読みで釣果が決まるといっても過言ではない。図にポイント選びの目安を示しているように、防波堤、磯場とも当て潮になるとよくない。というより、釣りにならない。逆に出潮や後方から押してくる時は釣りやすく、いい感じで釣ることができる。
そのような潮では仕掛けを投入すると自然とポイントに落ち着いてくれる。潮時をしっかりと調べておき、潮に合ったポイントを選ぶことが重要。マダイは潮目や潮筋の下に寄っていることが多いから、潮目などが現われたら新鮮なエサに付け替えて打ち返す。瀬戸内海ではワイ潮といって潮が湧き上がるような現象が起きる。こんな時は絶好のチャンスなので、その付近を集中して探る。
比較的潮流が緩いエリアでは潮がよく動く大潮回りがよい。潮の動き始めには潮目などができるから、見逃さないようにしたい。
投げマダイの釣り方。ドラグフリーで待つのがおすすめ
基本的な釣り方としては、サオを3、4本出し、沈み根の周りを探るように遠・中・近と投げ分けてアタリを待つ。この時、魚がエサを食って走り出した際に「ジジジーッ」とラインが引き出されるよう、ドラグを緩めておくのが基本だ。
ドラグロックでも構わないが、魚がサオ先の抵抗を感じてエサを放してしまう恐れがある。確実に食い込ませるためには、やはりドラグフリーをおすすめしたい。
また、海底が荒いポイントでは仕掛けを動かさないほうが無難だが、根掛かりの少ない所では積極的に誘いをかけたり、カケアガリに仕掛けを這わせたりするのがコツだ。
アタリの出方は、ドラグを鳴らしてラインが一気に引き出されることもあれば、穂先が「ちょんちょん」と揺れるだけのケースもある。いずれの場合も慌ててアワセを入れず、ラインを2~3mほど送り込んでからアワセるのが確実。早アワセはすっぽ抜けやバラシに繋がるため要注意である。
※このページは『つり人 2020年6月号』に掲載した記事を情報更新・再編集したものです。


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