<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
つり人編集部2026年6月15日

【有明海アジング】最大6mの干満差をどう釣る?気難しいアジを攻略したアプローチ術

最大6mの干満差が生じる天草の海で、「もっこすアジ」と呼ばれる気難しいアジをどう攻略するか。本記事ではクリアブルー代表の本岡利將氏に密着。有明海のポイントの見極め方から、ジグ単だけでなくスプリットショットも駆使してボトムの群れに口を使わせるなど、現場の状況に即した実践的なアプローチを紐解く。

motooka

解説◎本岡利將

写真と文◎月刊つり人編集部

クリアブルー代表として日本各地を飛び回るアジングフリーク。感度にとことんこだわるアジングのスタイルが製品にも一貫して反映されている。

有明海のアジングで大きな干満差をどう攻略するか

熊本市内から天草へは、宇土半島を経て車でおよそ2時間。国道57号を西進していくと、宇土半島に差し掛かったところで有明海が視界に広がる。ここで目に飛び込んでくるのが、長部田海床路だ。沖の海苔養殖網へと続くコンクリート製の道が、干潮時に長いその姿を現わし、満潮時には電信柱だけが何本も海から突き出て見える。近年「インスタ映え」スポットとしても知名度を上げたこの景観は、有明海の大きな干満差を実感させてくれる場所でもある。

有明海は日本でも有数の干満差の大きな海として知られる。大潮には最大で約6mもの潮位差が生じる海域もあるというから驚きだ。宇土半島からその先の天草上島までの北側から佐賀まで広がるのがこの有明海で、潮位差の大きさでは天草エリアの南側、九州本土との間にある八代海においても同様の傾向である。アジングファンならずとも、このエリアを訪れるアングラーにとって、この潮位差はまず頭に入れておくべき前提だと言っていいだろう。

宇土半島の付け根に位置する観光名所、長部田海床路。干満差の大きさが一目瞭然
宇土半島の付け根に位置する観光名所、長部田海床路。干満差の大きさが一目瞭然

干潮でもねらえるポイントの見極め方

このようにダイナミックに潮が動くエリアではどのようにポイントを絞っていけばいいのか。今回案内してくれた熊本在住のフィールドスタッフ下本昂平さんはこう話す。

「大潮の干潮は釣りができないイメージがどこでもあると思いますけど、水深があるエリアなら干潮でもやれます。島と島を繋ぐ橋の下とか、ミオ筋に面したポイントは干潮でもねらえます。天草一帯では、上げよりも満潮からの下げが熱いポイントが多いんですけど、上げ潮で浅場へ差してきたアジをねらって結果が出ることもあります。ミオ筋もそうですし、岩盤質の海底にある溝のような他よりも水深があるところに沿って回遊してくるイメージです。干潮のときにそういったスポットに目星をつけておくといいですよ」

よりマクロな目で見たときのポイントの探し方として水通しに注目するとよい。厳寒期でも活性の高いアジがアングラーの射程に入りやすいのは、潮の流れが当たりやすいエリアである可能性が高い。

たとえば、天草上島と下島の間には「本渡瀬戸」と呼ばれる運河状の海峡があり、有明海と八代海を繋げている。こういった地形は水の動きを生む。その影響下にあるエリアで、沖堤防が絡むポイントであればさらに有利で、そこを起点に差してくるアジの動線を読みやすい。

ベイトパターンと風向きによるエリア選択

もうひとつ、下本さんが重視するのがベイトの状況だ。天草のアジは、一年を通じてアミを捕食しているケースが多い。ただし、秋には橋の下や流れのある場所でキビナゴやイワシを追う30~40cmクラスのアジが出ることもあり、春にもシケ後に湾内へキビナゴが入ってきたタイミングで大型が反応することがあるものの、やはりこの日の状況は「アミを食べているアジがメイン。20cm前後が中心になるでしょう」という見立てだった。

天草のアジは日によって居着く場所がコロコロ変わる傾向が強く、「ラン&ガンしながら探すことが多い」と下本さんは言う。さらに天草の海は、上島・下島をはじめとする島々と複雑な地形が組み合わさることで、季節や風向きによって有望なエリアがガラリと変わる。「夏は南風、冬は北風が吹きやすいので、その都度やりやすい場所が変わってくる」と下本さん。今回のように北風が強い日は、南側に面したポイントが風裏となり、繊細なアジングが展開しやすい。逆に、強風がベイトを湾内へ押し込む状況では、あえて風が当たるポイントを選ぶという判断も成立する。天草エリアでは風裏の候補が複数存在するため、風向きを軸にした選択肢の幅は広い。今回は事前に状況のいいエリアを絞り込んでおり、アジの存在を確認済みのポイントへ向かった。

最初に入ったのは上島南側、本渡瀬戸に近いポイント。沖堤防が目の前に見え、手前にはミオ筋が走っている。常夜灯が水面を照らすなか、2人はキャストを始めた。本岡さんにとっては初めてサオをだす場所でもある。

「初めて釣る場所なので楽しみですね」と本岡さん。

最初のポイントは常夜灯の効くミオ筋をねらうシチュエーション
最初のポイントは常夜灯の効くミオ筋をねらうシチュエーション

気難しいアジ「もっこすアジ」攻略にはカラーローテーションが必須

本岡さんが最初に選んだのは、新作ワームの「ミゾーン」を0.6gのサイコロヘッドにセットしたジグ単。ミゾーンは一般的なピンテール系に近いワームだが、ボディーのサイドに溝が入っているのが特徴だ。この溝に水流が通ることで抵抗感を生み出し操作性が向上し、同時に曲がりやすくなることでバイト時の吸い込みやすさにも貢献している。

するとキャスト1投目でいきなりアジがヒット。下本さんのポイントセレクトの答えが早速返ってきた。

「表層でふわふわ漂わせていて、ロッドティップを下げて泳ぎに変化をつけたときに『ココン』とアジらしいアタリが出ました」と本岡さん。

アジの胃の中にはアミがぎっしり。天草のアジは一年を通じてアミを捕食しているケースが多い
現在開発中の新作ワームのミゾーン2in。ボディーに沿って設けられた溝が特徴で、引き抵抗を増やしてくれるとともに、折れ曲がりやすくなることで食い込みのよさも確保

ワームもローテーションして反応を引き出す

しかし、この1尾をキャッチした後にアタリがぱたりと止まった。天草のアジを知る下本さんはこうアドバイス。

「天草のアジはグルメなので、カラーなどのローテーションは必要ですよ。地元では頑固者を意味する『もっこす』にかけて、『もっこすアジ』なんて呼ばれています

「マジで?普通は同じワームとカラーで2~3匹は釣れてくるのに。群れがグルグル回ってるのも関係あるのかな」と本岡さん。

ここで本岡さんはワームを「セクシーBスーパーソフト」にチェンジ。カラーは「ミドキンアミスター」を選んだ。ミゾーンのようなリブ系ワームは水噛みによる存在感が強く、アジの活性が高いときに有効だ。対してボディー表面がつるんとしたセクシーBは、活性が落ちたときや反応が渋くなってきたタイミングでも口を使わせやすい。「ミドキンアミスター」は内部の粒が橙色に発光するのが特徴で、アミを捕食しているアジに対する有効性がとくに高いという。

「アミは青やオレンジに光りますから、こういった点で発光するカラーがアミ食いパターンのときにはかなり効きますよ」と本岡さん。

ワームはセクシーBスーパーソフトにチェンジ。マテリアルが軟らかいため、難しい状況でバイトを引き出してくれる。ツブツブが光る「ミドキンアミスター」カラーはアミ食いのアジに特効があるという
ワームはセクシーBスーパーソフトにチェンジ。マテリアルが軟らかいため、難しい状況でバイトを引き出してくれる。ツブツブが光る「ミドキンアミスター」カラーはアミ食いのアジに特効があるという

スプリット×ロングリーダー×ボトムでヒット連発

リグもジグ単からスプリットショットリグへ変更した。1gのTGパラソルシンカーに、0.4gの鉛ウエイトのジグヘッド(サイコロヘッドJr.)の組み合わせだ。

「風もないし軽いほうがいいかな」という判断から、ジグヘッドは最軽量に近い設定とし、シンカーで飛距離を確保する構成だ。リーダーは通常約20cmのところ、40cmのロングリーダーに変更した。ワームをよりふわりと漂わせ、フォール中の吸い込みやすさを高めるためのセッティングだ。

ターゲットレンジもボトム付近に変えた。先行者が対岸で釣り続けているのを見て、アジのレンジが徐々に下がっていると読んだのだ。

テンションフォール中にシンカーを落とすヒットパターン

ここからヒットが連続し始める。本岡さんが実践したのは次のパターンだ。

テンションフォール中に後ろからアジが追ってきているのを意識して、バイトのトリガーとなるアクションを与える。具体的には、サオ先を素早く5cmほど下げる。これによってシンカーが「トン」と真下に落ち、ワームの動きに不規則な変化が加わる。アジはその乱れた動きに口を使う。

上方向の動きが出てしまうとアジが散ってしまうので、引くのではなく落とすのがミソです。これはよくやるテクニックで、こちらで仕掛けて食うきっかけを作っていくので、バイトに集中して微妙なアタリもアワせられることが強みです」と本岡さん。

下本さんもスプリットショットでヒット。ワームはフワリー1.8in
快調に数を伸ばしていく本岡さん。対岸のアングラーもヒットを重ねていたためレンジを下げてねらったことが釣果を持続させていた

上げ潮のタイミングでダブルヒットも飛び出す

このパターンがはまり、下本さんとのダブルヒットも飛び出した。時刻は夜9時を回ったところ。上げ潮がよく利いているタイミングで、堤防先端から常夜灯の効くミオ筋へキャストするロケーション。下本さんが言った「水深のある通り道」に沿ってアジの群れが差してきている状況が、リグとアクションにぴたりとはまっていた。

アタリがひと段落したところで、サイズアップを目指してポイントを移動。有望ポイントを数ヵ所回ったが、追加のヒットは得られないまま終了となった。潮止まりのタイミングに差し掛かったこともあるが、本渡瀬戸から離れる方向へポイントを移動していたことも影響しているかもしれない。

サイズこそ20cm前後がメインだったが読みが当たった展開に「釣り味的にもとても楽しめた」と本岡さん
サイズこそ20cm前後がメインだったが読みが当たった展開に「釣り味的にもとても楽しめた」と本岡さん

フィールドを正確に読めばアジは応えてくれる

「この時期(※取材時期は2月下旬)の天草は例年かなり渋いですが、その中でアジが微笑んでくれたような展開でした。とくにスプリットのロングリーダーにしたことによって、テンションフォールでワームを長く見せられ、なかなか掛からないアタリにも吸い込みやすさで対応できていた感触です」と下本さん。

本岡さんも「最終的にはボトム近くでアタっていましたが、ジグ単からスプリットまで、いろいろなパターンが楽しめました。釣り味としては面白かった」と振り返った。フィールドを正確に読んでアプローチを絞り込めば、天草のもっこすアジも応えてくれる。

エリア全体をマクロな目で見てポイントを絞っていくことの重要性を深く理解できた取材となった。

本岡さんのタックルセッティング

最後に、本岡さんが今回の釣行で使用したタックルセッティングを紹介する。クリアブルーから2026年秋に発売予定の新作ロッドを、状況に合わせて巧みに使い分けた。

ジグ単用

ロッド:クリスター58FLEX
リール:イグジスト2000S-P(ダイワ)
ライン:エステル0.3号
リーダー:フロロ0.8号
ジグヘッド:サイコロヘッドACE TG EX 0.6~0.8g

「クリスター58FLEX」は、0.2gのジグ単から5g前後のスプリット、さらに7gのメタルジグまで対応できる汎用性の高いショートロッド。細身でありながらカーボンを厚く巻いたパワフルなブランクが特徴で、風を切ってロッドを振り抜けるためキャスタビリティーが高い(2026年9月発売予定)

ジグ単用のクリスター58FLEXとイグジスト2000S-Pの組み合わせ
ジグ単用のクリスター58FLEXとイグジスト2000S-Pの組み合わせ

ジグ単重め用

ロッド:クリスターT-ACT X2
リール:イグジスト 2000S-P(ダイワ)
ライン:エステル0.3号
リーダー:フロロ0.8号
ジグヘッド:サイコロヘッドJr.TG 1.5g

「クリスターT-ACT X2」はチューブラーティップを採用したモデル。ティップ側・バット側ともにM40Xをベース素材に使い、バット部にはM46Xも組み合わせることで全体にパリッとした張りのある仕上がり。ソリッドティップが水圧に負けて入りっぱなしになりやすいような状況、たとえば深場をねらうときや、潮が速く払い出している場面で、ワンテンポ早くフッキングパワーを伝えてアジを積極的に掛けにいける(2026年10月発売予定)

スプリットショット用

ロッド:クリスター65EXCITER
リール:エアリティLT2000S-H(ダイワ)
ライン:エステル0.3号
リーダー:フロロ0.8号
シンカー:TGパラソルシンカー1g
ジグヘッド:サイコロヘッドJr.0.4g

「リスター65EXCITER」は0.2gのジグ単から10gのウエイトまで背負える、さらに幅広い対応力を持つロッド。長めのレングスで比較的しなやかな味付けのため、ふわりとワームを浮かせてテンションフォールさせる操作や、潮に乗せてナチュラルに流す釣りを得意とする。素早いアクションでリアクションバイトを誘うより、アジに口を使わせるフォールの間を作り出すことに長けたモデルで、今回の「ロングリーダー×ボトム付近」のパターンにもベストマッチだった(2026年9月発売予定)

※ロッド、シンカー、ジグヘッドはクリアブルー

左からジグ単重め用のクリスターT-ACT X2、ジグ単用のクリスター58FLEX、スプリットショット用のクリスター65EXCITER
左からジグ単重め用のクリスターT-ACT X2、スプリットショット用のクリスター65EXCITER

※このページは『つり人2026年5月号』を再編集したものです。

アジ 海の岸釣り 全国おすすめ釣り場 熊本 アジング ショアソルトルアー

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

記事検索

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

×
拡大画像