釣りの朝や合間に食べる、コンビニの菓子パンとエナジードリンク。釣り人なら誰もが覚えのあるそんな食生活が、実は釣りの集中力を奪っているとしたら。
全米のバストーナメントを戦うトッププロ・伊藤巧の体験と、その相棒となったプロテイン「E-NA(イーナ)」を通して、釣り人のための食事術を考える。

文と写真◎Basser編集部
1986年に日本初のバスフィッシング専門誌として創刊された『Basser』の編集部。バスフィッシングのテクニックだけでなく、日本や本場アメリカのトーナメントシーン、ムーブメントを伝え続けてきた。
あくびは負けのサイン|伊藤巧が食生活を見直した理由
B.A.S.S.エリートプロとして全米を転戦する伊藤巧さん。ここ2年で大きく変えたことがある。食生活だ。
伊藤「正直、昔は何でもよかったんです」
渡米後、ファストフードと冷凍食品だけで生活した時期もあった。船の上では甘いプロテインバーをかじり、陸ではコンビニで買えるものを胃に詰め込んで一日を終える。空腹になれば食べ、疲れればエナジードリンクを飲む。それが伊藤さんにとって当たり前の食生活だった。
しかし、アメリカ最高峰のトーナメントを転戦するなかでその「当たり前」が揺らぐ。最初は漠然とした違和感だった。身体が重い。パワーが出ない。集中力が続かない。
伊藤「試合中って極限状態なんです。だから、ちょっとした違いでも身体が教えてくれるんですよ。とくにあくびが出る試合はもう絶対にダメですね。そういう負けのサインが出る試合が増えている実感があった」
自炊と野菜で体調は変わった。それでも残った船上食の課題
やがて伊藤さんはその違和感の元が食生活にあることに気付く。単に食べればいいわけではないことは早々に気付いた。
伊藤「むしろ食べすぎた日は集中力が切れてましたね。試合中にやたらと腹が減るようなときもダメ」
食生活の見直しは当然の対策だった。ファストフードと冷凍食品を控え、夕食は自炊するようにした。野菜を欠かさないようにしてステーキや魚を焼いて食べる。効果は抜群だった。
伊藤「それだけで体調が全然変わりましたね。僕は疲れると吹き出物が出やすくなるんですけど、露骨に少なくなった」
ただ、まだ完璧からは遠い。一日の大半を過ごす船上での食事は変えがたいものがあった。日没の21時までプラをして23時に寝て4時に起きる生活なのだ。座って朝食を食べたり翌日の弁当を作ったりするならば睡眠時間にあてたい。
伊藤「船の上では朝ベーグルを食べて、昼もベーグルを食べて、途中でプロテインバーを食べて……と、そんな感じでした」
しかし、途中で腹が減ったり、逆に食べ過ぎて集中力が落ちたりすることがあった。
プロテイン「E-NA」との出会いで変わったコンディション
そんな悩みの日々のなか転機があった。プロテイン「E-NA」を作る春山将慶さんとの出会いだ。帰国してオールスタークラシックのプラをしているときに駐艇場でたまたま話したのがキッカケだった。
伊藤「ちょうど食生活に困っていたときでした。アメリカだけじゃなくて、日本でも釣りのときにコンビニで買えるものばかりに頼る生活に疑問を感じていたんですよね。スポンサー契約以前に、春山さんに一回試させてくださいってお願いしたんです」
効果は明確に実感できるレベルだった。伊藤さんは毎日E-NAをシェーカーで牛乳に溶かし、バナナやベーグルとともにボートへ積み込んでいる。湖に向かう車や船上でE-NAを飲むことで目に見えて身体の状態が上がってきたという。
伊藤「これまで悩んでいた釣り中の集中力低下や身体のキレのなさ、肌荒れなどが目に見えて少なくなりました。あと、食べる量は昔より圧倒的に減りました。でも、その方が調子がいいんです。車やボートの運転中にサッと飲めるのも嬉しい。その分睡眠や釣りに時間を使えるってことですから。今は『E-NA』がなくなったとしたら不安ですね」
開発者が語る「E-NA」が体調に作用する理由
春山さんは、「E-NA」が体調に作用する理由を栄養学の視点から説明する。
春山「一般的なプロテインはタンパク質を効率よく摂ることが目的ですが、E-NAは食事を補うという考え方で設計しています。筋肉をつけるイメージがあるかもしれませんが、E-NAは日常の健康に重きをおいています。なのでタンパク質だけでなく、ビタミン類や糖質、野菜由来成分なども組み合わせ、日々の栄養バランスを支えるようにしています。あくまでも補助食品で、基本はきちんと食事をしていただきたい。伊藤さんの場合、話を聞くととくにビタミンが足りていない印象がありました。長時間の船上という特殊な環境で不足しがちな栄養を補い、食べ過ぎを防ぐことが、長時間の集中力を維持することに繋がっているのだと思います」
E-NAとは?身体全体のコンディションを整えるためのプロテイン
一般的なプロテインはタンパク質を補うことを主目的としているが、E-NAは身体全体のコンディションを整えることに重きをおいて作られている。粉末状で水や牛乳、豆乳などでとかして飲む。もとは春山さんがバレーボールのトレーナーを務めているとき、運動のサポートをプロテインの必要を感じて完成させた。
成長期の子どもが毎日飲んでも安心な素材を採用し、体内に入れるだけでなく、その後の吸収・分解過程まで考えた設計。いつ飲んでもいいように吸収時間に差がある3種類のタンパク質を入れ、日常生活で不足しやすい11種類のビタミンと、7種類のミネラルを配合している。国内製造で保存料と着色料不使用。
右)E-NA ユーブイレイズ/リンゴ味。糖質とエネルギーがプレミアムより多めでスポーツや屋外活動でのエネルギー補給向き
サンデーアングラーの船上食|釣行日の食事で気をつけたいこと
続けて春山さんに聞いた。日本のサンデーアングラーが釣行日の食事で気を使うべきことはあるのだろうか?朝が極めて早い釣りの場合、食事はどうしてもコンビニに頼ることになる。アメリカでの伊藤さんと同じく、我々にとっても睡眠時間を削って弁当を作るハードルは高い。ボートフィッシングの場合、朝にコンビニで菓子パンやオニギリと一緒にエナジードリンクを買い、帰り道にラーメンを食べるー。そんなパターンが王道である。
春山さん曰く「船上の食事」を見直すだけでも一日の疲労度や集中力は大きく変わるという。
まずは起床後。空腹のまま本格的な活動をするのはベターではない。朝食を抜くと体温が上がりにくく、身体だけでなく頭も充分に働かない。だからといって、いきなり糖質を詰め込めばいいわけでもない。
春山「最初にプロテインを飲んで、15~30分ほどしてから、おにぎりやバナナを食べるのが理想です」
その理由はタンパク質を先に摂ることで糖質の吸収速度が穏やかになり、食後血糖値の上昇が穏やかになることが報告されているから。結果として、長時間にわたって集中力を維持しやすい。
食べ過ぎないことと、食べる順番が集中力を左右する
また「食べ過ぎないこと」も同じくらい重要だと春山さんは話す。朝ならE-NA100mlとおにぎり1個、あるいはバナナ1本程度で充分。昼食も満腹を目指す必要はなく、E-NA200mlとおにぎり1~2個程度でも問題ないという。むしろ食べ過ぎると消化にエネルギーを使い、のちに眠気や集中力の低下を招きやすくなる。
食べ物の種類も重要だ。たとえばコンビニで買う場合、菓子パンや焼肉弁当のように糖質と脂質に偏ったものではなく、オニギリやバナナ、ゆで卵、サラダなどを組み合わせる。弁当なら、おかずの種類が多い幕の内弁当のようなものが望ましいという。
春山「食事は量よりもバランスです。あと、釣りのあとにラーメンを食べるときは、餃子や野菜などのタンパク質や脂質、食物繊維を先に摂ることで、糖質を先に摂取したときと比べて食後血糖値の上昇が穏やかになることが報告されています。食べる順番が大事ですね」
エナジードリンクは飲み方次第。勝負所に合わせて使う
釣り人に愛飲者が多いエナジードリンクについてもアドバイスがあった。
春山「エナジードリンクを朝から何本も飲み続けるのは避けたほうがいいです。習慣的に飲むと耐性が生じて効果を感じにくくなります。飲んだあと30~60分くらいで血中濃度が高まると言われているので、そこを計算して勝負所に合わせて取り入れたらいかがでしょうか」
夏の釣りの熱中症対策に使えるアイテムと冷やし方のコツ
熱中症対策についても聞いた。春山さんのオススメアイテムはポカリスウエットICE SLURRY。凍らせた状態でクーラーボックス(氷入り)で釣り場に持ち込む。手で揉んでシャーベッド状にしてから飲む。揉むことも重要で、手のひらを冷やすことで効率よく熱を逃がせる。夏の建設現場や国スポでも活用されている商品だ。
首に氷を当てる対策がよく言われるが、身体が「寒い」と判断して逆に熱を上げてしまう場合がある。
※このページは『Basser 2026年9月号』に掲載した記事を再編集したものです。


