今も昔も変わらない野山の人気昆虫がカブトムシとクワガタ。採集方法は多くあるが、ここでは中でも効果の高い方法の1つである、バナナトラップを使った夜間の採集法を紹介する。アユ釣りや渓流釣りで出掛ける山里には、カブトやクワガタも多く生息する。昼は釣り、夜は昆虫採集という二刀流の釣りファンも実はけっこういるのだ。
注意:自治体の条例等でトラップ設置が禁止されている場所があります。事前に必ず確認してください。また、トラップの放置は不法投棄になります。必ず全て持ち帰りましょう。

まとめ◎月刊つり人編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りや自然に関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
目次
カブトムシ・クワガタの採集場所
カブトやクワガタの生息する代表的な場所は雑木林。中でもクヌギやコナラといったドングリが成る木が混じる雑木林が有望な採集場所になる。これらはカブトやクワガタの好む樹液を出す。
そうした雑木林を見つけたら、安全確保も含めて昼間に一度下見を行なう。そして、ざっと林を見回し、コブがあったり不自然な凹凸がある木を捜しておく。樹液が染み出すのは木が傷ついたような箇所だからだ。
樹液を出す木の見つけ方
樹液が出る木の特徴は以下の通り。ヤナギの仲間については、細長い葉っぱのシダレヤナギのイメージが強いかもしれない。しかし、ヤナギの仲間は実は種類が多く、野外で正確に判別するのは難しい。そのため、まずは特徴が分かりやすいコナラとクヌギを探すのがおすすめだ。
コナラ
樹皮は縦に溝が走りゴツゴツとしている。なお若い木は溝が浅く色も明るいことが多い。葉は幅広く突起(鋸葉)がある。
クヌギ

クヌギは、コナラと同じように溝が走りゴツゴツしている。葉はコナラに比べると細長い。こうした木がたくさんあればチャンス。
ヤナギの仲間

渓流沿いなどの川岸に生えるヤナギの仲間もカブトやクワガタが好む樹液が出るので虫が集まりやすい。
他の虫の存在もヒントに
樹液を吸っている種類のチョウが飛び回っていれば、その付近はカブトムシのエサ場である可能性が高い。ほかにもカナブンが群がっていたり、スズメバチがとまっている場所(近づかないこと)も有望スポットになる。
樹液が染み出した木を見つけておけば、夜はそこを回るだけでもよいが、そのほかにトラップを仕掛けてより積極的にカブトやクワガタをおびき出す方法がある。それがバナナトラップだ。
バナナトラップの作り方と仕掛け方
バナナトラップの作り方は簡単。バナナを焼酎に漬けるだけ。バナナの皮はむいても、むかなくてもよい。焼酎はコップ1杯で充分。発酵させるのが目的なので冷蔵庫ではなく、室内に置いておく。1~2日でバナナが黒ずんで柔らかくなるので、それをビニール袋やタッパーなどに入れて雑木林に持参する。
発酵したバナナはドロドロになっているが、明るいうちに女性用のストッキングに入れて木に縛り付ける。あとは虫たちが集まってくるのを待つ。カブトムシやクワガタムシは、日没1時間後くらいから活動的になるので、その頃を目安に見回りに出掛けるとよい。仕掛けたトラップは、最後にきちんと回収する。
作り方の手順
外灯周りもチェックしよう
夜に採集に出掛けるなら、もう1つ見逃せないのが外灯周り。カブトやクワガタは光に集まる習性を持つので、明かりの周りにたくさん虫が飛んでいれば、地面でカブトムシなどが歩いている可能性が高い。
その際、外灯付近は明るいが、影になった部分にいることも多いので、地面を懐中電灯などで照らして捜す。コンビニやスーパーの看板や自動販売機も同じように採集スポットになる。トラップを見にいく道中にこうした明かりがあったら、ついでによく観察してみよう。
夜間採集に必要な装備
運動靴を履くのは当然として、夜は気温がかなり下がるので、薄手のジャケットやレインウェアもあるとよい。懐中電灯は必須アイテムだが、予備のもう1本か予備電池をしっかり用意しておくこと。捕まえた虫を入れる虫カゴも忘れない。網もあったほうが何かと便利だ。
捕まえたカブトムシ・クワガタの飼育方法
捕まえたカブトやクワガタを飼う場合は、虫が潜ることができるくらいに、おがくずなどを敷いておく。木の枝も入れておくと、引っくり返った時に虫がつかまることができ、下に身を隠すこともできる。おがくずは虫のフンなどで汚れるので、時おり取り換える。
エサは水分が多いと弱ってしまうことがあり、果物ならリンゴやバナナがおすすめ。あるいは市販のカブト用エサを使う。いずれもホームセンターなどに行けば、飼育セットとして一式そろえられる。
飼育場所は日陰であまり気温が上がらない所を選ぶ。室内で飼う場合は蚊取り線香や防虫剤、殺虫剤などを近くで使用しないこと。たいていはひと夏しか生きられないが、上手くすると越冬することもある。また、カブトムシはおがくずの中に卵を産んでいることがあるので、繁殖に挑戦する場合は注意深く捜してみるとよい。
※このページは『つり人 2017年9月号』に掲載した記事を再編集したものです。
日曜日の狩猟採集生活
子どもたちがカブトムシを捕まえたり、魚釣りに夢中になるのは、かつて狩猟採集が生きる手段だったころのことが、心のどこかに刻まれているからではないか……。 本書は「狩猟採集」とは謳っていますが、別にライフルが出てきたり、ワナを使って獣を獲るような、いわゆるオトナのための狩猟採集指南ではありません。昆虫採集や魚釣りなど、むしろ子どもが日曜日に野山に出掛けて楽しむような、遊びの案内です。 山菜採りやキノコ狩り。渓流のヤマメ&イワナ釣りやカジカ釣り。さらには海の潮干狩りや、素潜りの漁体験などを掲載。ちょっとマニアックだけどタガメ採り、ハチの子採り、ホタルイカすくいなども、すべて実際に体験した筆者が紹介しています。 週末、ほんの1日で味わえるプチ冒険指南書の登場です。


