川虫はどこにいるの? 保存方法は?名手はどんな風に使い分けているの……?魚に食べてもらうエサは、釣りにおいてとても重要なもの。エサにまつわるQ&Aをまとめてみた
サカナに近付くための、エサQ&A
まとめ◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2019年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
川虫はどこにいるの? 保存方法は?名手はどんな風に使い分けているの……?魚に食べてもらうエサは、釣りにおいてとても重要なもの。エサにまつわるQ&Aをまとめてみた
目次
Q.03:川虫の保存方法
Q.川虫の保存方法を教えてください。
A.水気を切ったミズゴケや川砂を使って保存します。
ミズゴケを使う
園芸用品店などに売られているミズゴケは、川虫を生かしておくのに便利。手軽に入手できるのがありがたい。水の中にいる虫だから、エサ箱に水を入れて保存したくなるが、それはNG。一度湿らせたミズゴケをきつく絞り、それをほぐしてエサ箱に敷き、川虫を入れる。野菜室などに保管して、時おりチェックしておけば、1 週間くらいは保存可能。
川砂を使う場合
ヒラタを長く保存する場合は、川砂を使う。ほんのわずかに湿らせたくらいの川砂を敷き、そこにヒラタを入れておく。ただし、このままでエサ箱に入れると、砂でこすれて脚などが取れてしまう。釣りの時にはやはりミズゴケを使うとよい。
Q.04:エサの使い分け
Q.エサの使い分けについて教えてください。
A.4人の名手に、普段使っているエサの種類を聞いてみた。それぞれのエサを使う時期、状況など、その使い分けについても教えてもらったので、参考にしてほしい。
井上聡さんの回答
春先はイクラとブドウムシは冷蔵庫に常に保管している。ミミズは大きい天然ものが採取できる牛舎へ出かけて、発泡スチロールの箱に入れ、夜は逃走しないようにフタをしている。川虫の少ない時期だが、キンパクは日持ちがよいので、ミズゴケに入れて保管する。
エサは、魚の活性によって使い分けている。4月以降の渓流ではヒラタも使う。雪代の時にはミミズを多用して、澄んでいるようならブドウムシを使う。秋はコオロギやバッタなどがいるので、イワナの場合はこれらも使用する。
高橋宗久さんの回答
普段はキヂ(ミミズ)がメインで、ブドウムシもたいてい携行している。また、キンパク(春)、ヒラタやピンチョロ(初夏以降)、クロカワムシ(夏)、オニチョロを必要に応じて使う。
ニゴリが入れば、ほぼキヂだけ。雪代が澄んだころから梅雨時までは川虫をメインに使うことが多い。また大場所で大型のイワナをねらう時は、大型のドバミミズが特効エサになることもある。
ヤマメの大型ねらいでは、ほぼキヂを使う。ただし目先を変える意味で、クロカワムシやブドウムシも使う。ちなみにクロカワムシやブドウムシは、サクラマスでも実績がある。
季節や場所によってはそのエサ以外は反応しないというくらいの選り好みをすることもあるので、好ポイントなのにアタリがない時はいろいろなエサを試す。あとはアマガエル、バッタ、トンボなどでもよく釣れることがある。アタリやアワセのタイミングなどが独特で面白い。
千島克也さんの回答
普段使うエサはキンパク、ピンチョロ、クロカワムシ、ブドウムシ、ミミズになる。
初期によく使うエサはキンパク、ピンチョロ、クロカワムシ、ブドウムシ。渓流でも本流でも使用している。キンパクは、水温が低い時(解禁から1ヵ月)によく使用する。キンパクが採れなくなるタイミングでピンチョロが採れるようになる。ピンチョロが採れない河川ではクロカワムシを使うことが多い。どちらも採れない場合のために、予備エサとしてブドウムシを使っている。
水温が上がり、水が少し色づきだしたらミミズに変える。ミミズは基本、市販されている大きめのものを使用している。渓流の場合は小さめのミミズを選んでいる。
どのエサについても、クリアウオーターならエサは小さめにして、ニゴリがあるなら大きめにしている。また、水量が少ない場合は小さなエサ。増水等で多い時は大きめのエサを使う。これはシルエットを考えてのことだ。
あと、本流では朝はミミズで日中はクロカワムシを使うケースが多い。日差しにより、水中での色は変化すると思う。赤系に見えるミミズも、日中は逆光になれば黒い物体にしか見えていない気がしている。そんな時は小さいシルエットのクロカワムシのほうが警戒心を与えないような気がするからだ。あくまでも想像の世界ではあるが……。
白滝治郎さんの回答
僕が使うエサの種類は、川虫がメインだ。それもその時期その川で生息する種類を中心に使用している。
長良川の場合だと、シーズン初期はキンパクとヒラタ(オコシムシ)、その後3月中旬ごろからはヒラタ(ナデムシ)がメインになる。本流域を中心にクロカワムシは年中使用するし、オニチョロを使うこともある。川虫以外では予備エサや大もの用としてミミズを使用する程度だ。
エサは鮮度が命。特に気温が高くなってからは、その扱いにも注意を払う。エサ箱は保冷効果のあるクールベイトに保冷財を入れたりもするし、川虫の脚がもげたりするのを防ぐため、エサ箱自体も大きく揺らしたり衝撃を与えたりしないなど、細心の注意を払って取り扱う。
その他、サツキマスなどの大もの釣りの場合は朝夕のマヅメ時にはミミズを使用し、日中はクロカワムシを使用するなど、釣り場の条件に応じて魚の目先を変えたりもする。
また、エサの大きさに応じたハリのサイズをチョイスすることも重要だ。大バリに小さなヒラタというのはアンバランスである。
同じような意味で、エサが小さいからといって2匹刺しなどしてはいけない。自然界では川虫が2匹くっついて流れるなどということはあまりない現象で、かえって不自然になる。渓魚の視覚はよいので、小さな川虫の1匹掛けでも充分見つけて反応してくれる。
逆に、魚の反応はあるがハリに乗らない時などは同じ種類のエサで、サイズを落としてやることによってハリ掛かりしてくることがある。
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