ビギナー歓迎のドーム船だが、突き詰めると奥が深い。各フィールドでの事例に挙げながらベテランのドーム船攻略法を見てみよう。今回は山中湖編です。
空中戦から底ベタの釣りまで。オールラウンドな力が求められる
安藤隆弘=解説、丸山 剛、安藤隆弘=写真
ビギナー歓迎のドーム船だが、突き詰めると奥が深い。各フィールドでの事例に挙げながらベテランのドーム船攻略法を見てみよう。今回は山中湖編です。
中層の群れをいかに捉えるか
山中湖は9月に解禁を迎え、翌年の6月までロングランでワカサギ釣りが楽しめる。東京から高速を利用すれば1時間半程度で行けることもあり、シーズンが始まると土日はどこのドーム船も満員御礼だ。
シーズン初期の9月~10月中旬にかけては、高水温ゆえに、ワカサギの回遊スピードも速く、中層を回遊する群れが多い。このワカサギを効率的に釣るためには、ロングハリス仕掛けに7.5~12gのオモリの組み合わせが有効となる。この時期は群れの回遊に釣果が左右されることは否めないが、大きな群れに当たれば、10束も夢ではない。
解禁初期の9月の釣果。群れの足が速い初期は、群れが入ってきた時にいかに手返しよく多点できるかがカギだ
10月下旬頃からは水温が低下し、ワカサギはしだいにボトム付近を回遊し始める。そうすると釣果も安定し、平均200~300尾の釣果は期待できる。この時期からは、底釣りが中心となってくるので、仕掛けの全長も60~80㎝のもので充分だ。オモリは7.5gをメインに使う。
繊細な釣りを心掛ける
そして、1月下旬から2月にかけては、ワカサギが抱卵期に入るため、一気に活性が低下し、平均釣果は100尾程度になる。そして、この時期のワカサギはいつも以上に警戒心が高まり、大きな誘いやオモリで底を叩くような誘いをしてしまうと、すぐに散ってしまうことがある。そのため、この時期のタックルは、小さなアタリが取りやすいセッティングにする必要がある。勘のいい読者の方はお気づきかもしれないが、12月の桧原湖セッティングに近いものであり、下バリの釣りも有効である。ただし、山中湖では7.5g前後のオモリが主流であり、極端に軽いオモリを1人だけ使うと、オマツリの原因となるため、オモリは軽くしても6g程度までにしておく。
「富士山を見ながらのんびりと……」と行きたいところだが、いつも釣りに夢中になってしまう
3月に入ると、水温も少しずつ上がり始め、ワカサギの活性も上がってくる。特に3月下旬になると、産卵後の荒食いが始まり、連日船中トップが10束を超えるような状況になることもあり、平均釣果も300~400尾期待できる。この時期はシーズン初期同様に、多点掛けを意識したセッティングにするとよいだろう。ただし、釣れるワカサギのサイズは大小さまざまなので、活性が高いとはいえ、エサのカットは少し小さめにしておいたほうがワカサギのハリ掛かりはよくなる。
そして5月の連休明け頃になると、水温も高くなり、ワカサギの回遊スピードが上がっていく。シーズン初期と同様の攻略法が有効になるものの、初期とは異なり、大きな群れに当たることがほとんどない時期だ。そのため、1つの群れでどれだけ効率よく釣ることができるかが釣果の分かれ目である。そこで筆者がおすすめしたいのが、胴調子にロングハリスだ。これにより、群れが船下を通過する際に、多点掛けをねらうことができ、効率的に数を伸ばせる。平均釣果は100~200尾になる。
釣れない時のアドバイス
山中湖の傾向として、誘いは大きめのほうがアタリは出やすく、また、魚探に映るが口を使わないような状況においては、一度仕掛けを5mほど巻き上げ、タナまで落とし込むとアタリが出ることが多い。
なお、この時に、棚まで落とし込んで、空合わせをすることも有効な手段だ。落とし込んだ瞬間にエサをくわえていることも多々ある。
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