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編集部2017年1月18日

青木大介が実践するフィネス・ビッグベイティング :第5回(全5回)

Basser バス釣り

ビッグベイトはその強烈な個性とアピール力から、バスの活性が高いハイシーズン用と思われがちだ。
しかし、青木大介さんは水温がひと桁台となる極寒の時期に投入し、驚くべき実績を残している。
この記事では相模湖を舞台に冬のビッグベイト使用法を解説してもらった。

冬の相模湖でもビッグバスをキャッチ

Basser編集部=写真と文

ビッグベイトはその強烈な個性とアピール力から、バスの活性が高いハイシーズン用と思われがちだ。
しかし、青木大介さんは水温がひと桁台となる極寒の時期に投入し、驚くべき実績を残している。
この記事では相模湖を舞台に冬のビッグベイト使用法を解説してもらった。


この記事はBasser2010年4月号に掲載されたものを再編集しています。

相模湖でも通用したフィネス・ビッグベイティング!


 リザーバーである相模湖は基本的に急深なバンクが多く、シャローフラットは少ない。しかも取材当日(2010年1月下旬)は上流で工事をしていたらしく、水質は思いのほか悪かった。早朝の水温は本湖で6℃後半。ボートをレンタルした柴田ボートの情報によると年始の大寒波の影響が色濃く残り、バスはもちろんワカサギも不調だという。また本湖よりも勝瀬橋から上流の川筋のほうが水温は高いという情報を元に、青木さんは「むやみにエリアを広げても時間のムダ」という理由から勝瀬橋から秋山川とのインターセクションまでの区間を徹底的にチェックすることにした。

no220_aoki-big-009 この取材時は、相模湖で釣りをするのは2度目だったという青木さん。限られた時間で効率よく釣りをするため、水温が高い勝瀬橋から秋山川とインターセクションまでの区間にエリアを絞り込んだ

no220_aoki-big-002 早朝の気温は氷点下……。「ガイドとリールのラインガイドが凍って釣りにならないんですけど(苦笑)」

 勝瀬橋をくぐると水温は7℃台に上昇。ただし、気温は氷点下でキャストするとトップガイドとリールのラインガイド周辺がすぐに凍りつく状態だった。そこで水温が下がりきっている時間帯はエリアのチェックに費やし、水温が上昇する午後から本格的に勝負することにした。

 しかし、5時間かけて念入りにチェックするもバイトはおろか、シャローでバスの姿を1度も確認することができない。あまりの生命感の薄さにさすがの青木さんも困惑気味だったが、昼食前に何気なく寄った”揚げ沢”でようやくチャンスを得た。マウス部周辺にあるブッシュと杭が絡む小さなワンドにボートを寄せると、さっと身を屈めて近寄ろうとする取材艇に向かって手を上げて近寄らないように制した。そしてジョインテッドクローをピッチングで投入した数十秒後、これまでの苦労がウソだったようにあっさりと青木さんのロッドが弧を描いた。その曲がり具合から、かなりのサイズであることが容易にわかる。ブッシュに巻かれないように沖へ誘導すると慎重にバスとの距離を縮めていき、最後は抱えるようにランディング。デッキにバスを置くと緊張から一気に開放された青木さんは破顔一笑した。やや痩せてはいたが、49cm、1500gのナイスフィッシュである。

no220_aoki-big-011a 周囲に比べて水温が高い”揚げ沢”のマウス部にあるブッシュで初めてバスを視認。一撃でバイトに持ち込んだ! 

no220_aoki-big-011d no220_aoki-big-011e ヨッシャ~~~!!!!


「最初は枝かと思いながらも、近くに落とすとブッシュに根掛かってしまいます。そこで、離れたスポット(約5m)に静かに着水させてステイするとルアーの存在に気づいて動き出したので、そこで初めてバスだと確信しました。でも、警戒しているのかなかなか距離が縮まらなかった。軽くトゥイッチしたら”ビクッ”と反応はしたんですけどバイトには至りませんでした。それならと、そのまま超ゆっくりただ巻きしてフラフラ泳がせたら、再度ルアーに付いてくるのが見えたので、そこでステイさせたんです。そうしたら一気にガブっとバイトしました」

「この一連のやりとりは河口湖とまったく同じでした。ゆっくりとルアーに近寄ってくるんですけど、食う瞬間だけまるで高活性時のように大きく口を開けて激しくバイトするんです。冬にビッグベイトと聞いてびっくりする人も多いでしょうけど、バイトの瞬間を見たらもっと驚きますよ。反転しながら横からかっさらうように大口を開けてバイトしてきますから、バラシもかなり少ないです。それよりもバスがデカすぎてラインを切られることが多いですね」

 フィネス・ビッグベイティングは、水温がひと桁台まで有効で、冬を引きずりつつもスポーニングを意識してシャローに上がってくるバスが増えてくる3月がもっともバスと出会う確率が高くなる。ぜひ大興奮必至のビッグゲームを楽しんでほしい。

no220_aoki-big-012 フィネス・ビッグベイティングの威力を魅せつけると同時に、河口湖以外でもこのパターンが有効なことを証明した49cm、1500gのビッグフィッシュ! 結局当日にバスを視認したのはこの1尾だけ。ワンチャンスをモノにする青木さんの引きの強さに脱帽だ

no220_aoki-big-shop 柴田ボート
今回レンタルボートを借りた柴田ボート。ローボートは一人乗り3000円、二人乗り4500円、エンジン付きボートは7000円~(馬力、人数により異なる)。また併設されている食事処のトンカツ定食はオススメ!
〒229-0203 神奈川県相模原市藤野町吉野54 
●アクセス
自動車の場合
中央自動車道相模湖インターチェンジ出口を右折してすぐ。
電車・バスの場合
JR中央線藤野駅もしくは相模湖駅から神奈川中央交通「勝瀬橋」停留所下車徒歩1分




 Basser2月号の巻頭記事では、宮廣祥大さんが琵琶湖で62cmをキャッチ。マグナムクランクベイトの真価とは? 並木敏成さんが相模湖をモデルケースとして季節に応じたリザーバーの釣りを解説する「リザーバー・マネジメント」も好評連載中!


  
 

 

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2017/01/18

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