沢村選手は2日間を通して、利根川にある冠水ブッシュをメインにランガンします。〝40~50か所ほどピンスポットを持っている〟と当日のライブ中継で語った沢村選手。ピンスポットに対してワンナップスピン(サワムラ)、ファットイカ(スミス)のノーシンカーリグ、スイミーバレット(サワムラ)のネコリグをローテーションして探りました。
オカッパリ&レンタルボートでも真似できる出場選手のメインパターン
2022年10月29~30日にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。トーナメントの釣りには、オカッパリやレンタルボートの釣りに生かせるヒントが詰まっています。今回は4位の沢村幸弘選手の釣りをご紹介します。
◎まとめ:編集部 ◎写真とフットステップレポート:DAY1&DAY2プレス/奥津直樹
沢村幸弘選手のプロフィール
沢村幸弘(さわむら・ゆきひろ)
1960年生まれ
主な戦歴:
1993年JBTA年間優勝
1994年ジャパンスーパーバスクラシック優勝
1996年JBジャパン年間優勝
JB TOP50通算3勝
1988年Basser Allstar Classic優勝
沢村選手のメインルアー
■ワンナップスピン 1/4oz(サワムラ)
+トレーラーフック #2(がまかつ)
■ファットイカ(スミス)
+ワーム316#5/0(がまかつ)
■スイミーバレット3.8in(サワムラ)
+ワンナップシンカー1/32oz
+ワイルドモスキート#1(ノガレス)
利根川にはショアラインの立ち木や、大水などで漂着した沖のウッドカバーが点在しており、バスの着き場になっています。(以下、冠水ブッシュと表現します)
沢村選手は2日間を通して、利根川にある冠水ブッシュをメインにランガンします。〝40~50か所ほどピンスポットを持っている〟と当日のライブ中継で語った沢村選手。ピンスポットに対してワンナップスピン(サワムラ)、ファットイカ(スミス)のノーシンカーリグ、スイミーバレット(サワムラ)のネコリグをローテーションして探りました。
そのなかでもメインに使っていたのはファットイカ。逆刺し(バックスライドセッティング)で使うことによってルアーの移動距離を抑え、木の枝に絡めるようにして丁寧に誘いました。
ショートバイトが増えた2日目にはルアーローテーション術が光ります。ファットイカへのミスバイト直後、スイミーバレット3.8inのネコリグを入れてよりスローに誘うと再びバイト。浮かび上がった1800gクラスのスーパーキッカーをキャッチすることはできませんでしたが、ルアーローテーションによって魚に口を使わせた瞬間でした。
沢村選手は2日間合計で4尾3350gをスコア。4位でBasser Allstar Classic2022を終えました。
[タックル]
■ワンナップスピン 1/4oz(サワムラ)
+トレーラーフック #2(がまかつ)用
ロッド:6ft6in MLパワー
リール:スティーズCT SV TW(ダイワ)K.T.F.チューン
ライン:レッドスプールBFスペック12Lb(ジャッカル)
■ファットイカ(スミス)
+ワーム316#5/0(がまかつ)用
ロッド:6ft6in MHパワー
リール:スティーズCT SV TW(ダイワ)K.T.F.チューン
ライン:レッドスプールBFスペック12Lb(ジャッカル)
■スイミーバレット3.8in(サワムラ)
+ワンナップシンカー1/32oz
+ワイルドモスキート#1(ノガレス)用
ロッド:6ft MLパワー
リール:スティーズCT SV TW(ダイワ)K.T.F.チューン
ライン:レッドスプールBFスペック10Lb(ジャッカル)
沢村幸弘選手のフットステップ
DAY1
_____
▼スタート前~直後
「プラは先週の水曜日から9日間。感触は悪くないが大幅な減水の影響が気になる」
「今日は利根川しか行かない。最初のスポットは走ってすぐのところ」
「沖田選手や伊藤選手の動きが気になる」
19番スタート
6:30
競技開始
_____
▼利根川
6:35
横利根川との合流部で釣り開始。
「プラでもいい感触だったスポット。絶対にここには着いているはず」
冠水ブッシュをファットイカのノーシンカーで丁寧に探っていくが反応がない。上流に向け走っていく選手を横目でチェック。
本命とも言えるスポットで魚を手にできなかったことで沢村選手の表情もかなり厳しい。ピリピリとした緊張感を感じる。
6:55
少し移動。冠水ブッシュにファットイカをキャスト。
6:57
数投したところでヒット。700gをキャッチ。
「次はサイズアップしたいね」
早めの時間帯にファーストフィッシュをキャッチしたことで沢村選手の表情も一気に和らぐ。
その後、上流側に少しずつ移動し1回バラシ。
「1尾目と同じで、明確なバイトがあった!」
「自分のプランに確信が持てたよ!」
7:39
水郷大橋の上流(右岸)に移動。
冠水ブッシュにファットイカをキャスト。
7:45
数投したところでヒット。サイズは1尾目より大きく900g。
「プラと全く一緒だよ!」
沢村選手の表情も明るい。船上でグータッチ。
8:09
一気に上流側に移動。
新利根川橋の下流側(左岸)へ。冠水ブッシュにファットイカをキャスト。
8:45
長豊橋の下流(右岸)に移動。
杭周りにファットイカをキャスト。
「いままでの場所はかなり濁っていたけど、上流に行くほど水がクリアになっている」
朝の水位はプラのときよりもかなり低めだったという。下流の清水選手が撃っているのか巻いているのかを気にする。
9:02
小移動を繰り返し少しずつ上流側へ。杭周りにファットイカとスピナーベイトをキャスト。
「恐らくこのスポットは上流に向かった選手は皆撃っているんだろうな……それでもやらない手はない」
9:39
長豊橋の上流(右岸)に移動。冠水ブッシュにファットイカとスピナーベイトをキャスト。少しずつ上流側へ移動。
9:44
久しぶりのバイトがあったがバラシてしまう。
「たぶんすぐに吐き出したと思う」
「水位は低いけど、水はまあまあ流れている」
スピナーベイトにローテーションするがノーバイト。
10:10
若草大橋の下流(右岸)に移動。
プラでは釣れていない場所とのこと。
「この場所で1尾釣りたいなぁ」
少しずつ上流側へ移動中、この付近で2回バラシ。いずれもキャットフィッシュだと思われる。
冠水ブッシュが集中しているスポットでは「ここも100人いたら100人全員がやるよなぁ……」とポツリ。
11:05
小移動を繰り返すもなかなか反応を得られず。
スイミーバレット3.8inのネコリグにローテーション。
何投したかわからないくらい粘り、3尾目をキャッチしてリミットメイク。
サイズは870g。グータッチを交わす。
このあと、少し上流側に動いたところで再びバイト。タイミング悪く、魚探を触っているときだったためフッキング前に吐き出されてしまった。
「確実に反応があることも分かった。パターン的には間違っていない。入れ替えをねらうよ」
12:35
利根緑地運動公園付近(左岸)まで移動。
ここでも縦ストラクチャーをねらっていくが反応は得られず。
上流に向かって走っていく選手が数名見える。
「これより上流側は水が変わるから、釣り方も変わってくる」
ここで折り返し、いままでのスポットに再び入りながら下流側に移動していく。
13:33
1尾目を釣ったスポットに移動。反応は得られない。
13:41
少し下流側に移動し、消波ブロック周りをチェックしていくものの、反応はない。下流には奥村選手が見える。
13:52
スタート地点より下流側(右岸)に移動。冠水ブッシュにファットイカをキャストするも反応なし。
13:57
ここでストップフィッシング。帰着。
感触的に悪くはないが、リミット後に入れ替えできなかったことが少し悔しい様子。
DAY2
_____
▼スタート前~直後
「今日も昨日のパターンを継続し、利根川で同じ攻め方をする。最初に入るスポットも同じ」初日も話していたが、沖田選手や伊藤選手とバッティングしないか心配していた。ただ、3位とよい位置につけており、トップの清水選手とは差が1445g開いているものの感触は悪くないとのことで朝から表情も明るい。
6番スタート
6:00
競技開始
_____
▼利根川
6:10
最初のスポットに向かってバスボートを走らせると五十嵐選手とバッティング。少し上流の次のスポットに移動。
6:11
利根川(左岸)を少し上流側に走ったところで釣り開始。初日に1尾目をキャッチした場所。
ファットイカのノーシンカーで冠水ブッシュを撃つ。小移動しながらファットイカとスピナーベイトをローテーションしていく。上流にバスボートを走らせる選手のチェックをしており、他の選手(とくに沖田選手や伊藤選手のように利根川を知り尽くしている選手)の動向を気にしている。
「皆、上流に行くなあ……」
6:34
水郷大橋付近のエリアに移動。
スピナーベイトとファットイカをローテーションして探る。
水温が14度台まで下がっており、ここまでの水温低下はプラでもなかったという。
沖田選手が上流に向かっていき、バッティングを気にする。
6:44
水郷大橋の上流(右岸)に移動。初日に2尾目を釣っている場所。冠水ブッシュにファットイカをキャスト。
下流では沖田選手が釣りをしており、バッティングが避けられたことで胸をなでおろす。
「沖田とはこのあとも場所が被りそうだなあ……」
6:48
ファットイカにアタリがあるものの痛恨のバラシ。悔しがる沢村選手。初日よりもショートバイトになっているとのこと。
スイミーバレット3.8inのネコリグにルアーを替えてよりスローな釣りへとシフトしていく。
6:54
スイミーバレットのネコリグを数投したところでヒット。
右舷後方でハンドランディングしようとするも落水してしまう。
魚は痛恨のバラシ。1800gくらいはあったとのこと。
落水した沢村選手はプレスアングラーとカメラマンにより船尾から左舷後方へと誘導され、ハシゴを使用してなんとか乗船。無事が確認された。
ライブカメラで中継をつなぎ、沢村選手の無事を報告。
7:01
本部と連絡を取り、一時帰着の指示を受ける。
7:10
会場に一旦帰着し桟橋に停泊。
沢村選手が着替え等、試合の復帰に向けた準備を進める。
7:22
ライブ中継で、沢村選手が落水時の状況と試合復帰に向けた意気込みを報告し出船準備を進める。
7:24
ギャラリーの声援を受け、試合に復帰。
7:32
先程キッカーフィッシュをかけた同じスポットにて試合を再開。
スイミーバレットのネコリグで繰り返しねらうも、反応はない。
7:37
少し上流側に移動。
ルアーをローテーションしながら、冠水ブッシュ周りをサーチしていく。キャストを繰り返し丁寧に探るが、なかなか反応が得られない。
7:59
長豊橋の上流(右岸)まで一気に移動。
移動の途中で釣りをしている沖田選手や五十嵐選手を追い抜いており、今日は両選手と場所選びが被っている。
8:14
若草大橋の下流(右岸)に移動。
ここでもルアーをローテーションしていくものの、なかなか反応を得られない。小移動を繰り返し、少しずつ上流側へ上っていく。上流には伊藤選手を確認。
8:27
沖田選手が上流のスポットに入る。
この後入ろうとしていたスポットだったようで沢村選手は悔しがる。
「沖田はここの主みたいなもんだから、知らないところはないよねぇ」とつぶやく沢村選手。
9:03
利根緑地運動公園付近(左岸)まで移動。ここでも反応はない
「ここなんか伊藤くんのやった後にやってるんじゃないか?」
とエリアバッティングを気にする。
9:10
上流側に小移動したところでキャストを繰り返すも、全く反応無く下流へと折り返す。
9:23
若草大橋の上流(右岸)まで移動。
「今日は厳しい展開だなあ……」とつぶやく沢村選手。小移動を繰り返しながら、徐々に下流へ移動する。
10:17
新利根川橋の上流(右岸)に移動。
更に小移動を繰り返し、新利根川橋の下流(左岸)まで下っていく。
ここでも数キャストで次のスポットへの移動を決断する。
「いないねぇ、ひたすらいないねぇ……」
10:28
神崎大橋の上流(右岸)に移動。
10:44
水郷大橋の上流(右岸)に移動。
これまで比較的反応を得られたこのスポットでも全く反応が無い。
「いて食わないのではなく、むしろいない」
10:52
キャストを繰り返しながら少しずつ下っていくものの、やはり反応は得られない。
11:23
10時44分に水郷大橋の上流に移動して以降、このエリアにはこれまで以上に時間をかけている。ここではじめて野良ネズミをキャスト。
11:29
朝イチに五十嵐選手とバッティングした横利根川との合流部に移動。
この辺りの水はだいぶ濁っている。冠水ブッシュ周りにキャストを繰り返すが、反応は得られない。
11:55
利根川(左岸)を少し上流側に走ったところに移動。
スイミーバレットのネコリグをキャストする。
11:58
粘りに粘って待望の1尾目をキャッチ。880g。
船上の3人でグータッチを交わし、沢村選手は更なる追加を目指す。
ここでネコリグのシンカーを1/32ozから1/42ozに変更。
「めちゃめちゃスローだって、今の魚が教えてくれた!」
「木があれば魚がいるワケじゃない!木がカケアガリにあるような複合的な条件が重要なんだよ!」
12:26
少し上流側に移動し水郷大橋付近でヒットするも、ノンキーパー。
沖田選手が上流に向けフルスロットルでバスボートを走らせる。
「沖田選手の動きから目が離せないよ」
12:56
少しずつ上流側へ移動し、朝にバイトのあったスポットへ。
「レンギョが魚探にたくさん映っている」
13:00
小移動で少し上流側へ移動。
まとまった冠水ブッシュにキャストするも反応無し。
13:09
残り20分となり、再び横利根川との合流部に移動。
ショートキャストを繰り返し手早く誘っていく。
13:16
スタート地点の上流(右岸)すぐのところにあるグラウンド付近へ移動。
ここでも数投しただけで、再び移動。
13:22
スタート地点より下流に向かって走るが、冠水ブッシュのあるスポットに五十嵐選手が入っている。
少し手前の沖で数投するものの、反応なし。
13:27
帰着
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Basser Allstar Classic2022 成績表