ミドストやホバストといったクリアレイクでのフィネスフィッシングを十八番とする山岡選手。しかし、オールスターでメインに据えたのはなんと180㎜クラスのビッグベイトでした。
オカッパリ&レンタルボートでも真似できる出場選手のメインパターン
2022年10月29~30日にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。トーナメントの釣りには、オカッパリやレンタルボートの釣りに生かせるヒントが詰まっています。今回は山岡計文選手の釣りを紹介します。
◎まとめ:編集部 ◎写真とフットステップレポート:DAY1プレス/堀川海都 DAY2プレス/加藤雅也
山岡計文選手のプロフィール
山岡 計文(やまおか・かずふみ )
1981年生まれ
主な戦歴:
2012年 JBトップ50 早明浦戦 優勝
2017年 エリート5 霞ヶ浦戦 優勝
2021年 JBトップ50 5戦七色ダム戦 優勝
ボラ食いのキッカーに照準を絞ったビッグベイティング
山岡選手のメインルアー
■火蓮プロトモデル(O.S.P)
■O.S.P ジグ ゼロワン 5g(O.S.P)+ブラックアウトクロー(ティムコ)
■ドライブクローラー5.5in(O.S.P)+タリズマン #2(リューギ)※自作ガード付き +TGネイルシンカー 1/16oz(レイン)
■ロベルタスイムジグ(ティムコ)+ドライブシャッド4.5in(O.S.P)
ミドストやホバストといったクリアレイクでのフィネスフィッシングを十八番とする山岡選手。しかし、オールスターでメインに据えたのはなんと180㎜クラスのビッグベイトでした。
山岡「優勝を目指し、なおかつリミット3尾というレギュレーションから、必然的にキーパーで揃えるのではなくキッカーを入れていかないといけない。ということで、キロクラス以上の魚を探すプラクティスをしました」
その結果、山岡選手がたどり着いたのがカレン(O.S.Pのプロトタイプビッグベイト)でボラ食いのデカバスをねらうプラン。ねらったのは鉄杭やヘラ台など、沖目の縦ストラクチャーに着くバス。こういったスポットにボラの群れが回ってきたタイミングでフィーディングが起きることに気づきました。
山岡「岸にもバスをストックするアシがあって、その沖に縦ストがあって、それにブレイクが絡んでる。こういうスポットを多く有しているのが、メインとした北利根~常陸利根川エリアでした」
ビッグベイト勝負というとどこがギャンブルめいた響きもありますが、プラでは狙い通り1~1.5kgのバスを複数尾キャッチする日もあったようです。しかし本番では常陸利根川下流の水門を開けて水を流した影響か、水が入れ替わって釣れない水になっておりバイトが激減。同じようにこのエリアの沖の縦ストをクランキングでねらっていた福島選手もノーフィッシュに終わっています。準優勝の早野選手が北利根川のカバーをスモラバで撃って連発した際、自身がねらっている魚を「風裏のアシのポケットに避難している魚」とコメントしていたのも、山岡選手の仮説を裏付けていると言えます。
山岡「早野選手がカバーのスローな釣りでリミットメイクしたように、なんとなくアウトサイドで食わすのは厳しくなっている感覚はありました。でも、ルアーが見えるレンジで操るビッグベイトの釣りって純粋にすごく楽しくて、ついついやり切っちゃうんですよね(苦笑)」
カレンの操作はロッドワーク(トゥイッチ)によるヒラ打ちを伴ったドッグウォークがメイン。リールをグリグリッと巻いてからストップさせ、浮上アクションでバイトをねらったりもしました(カレンはフローティング)。
山岡「カレンのいいところは、リップ付きで移動距離を抑えたアピールができつつ、ボディー下半分がソフトなので軟らかい水押しでも誘えるところ。何より、リアフックがPEラインを介してソフトボディーにセットされているので、フッキングした際にバレにくいんですよ」
霞ヶ浦で有効な釣りとルアーの条件
山岡「沖の縦ストやアシ際などはカレンをメインに、ややこしいブッシュにはカバージグ(ジグスト)やスイムジグ(ただ巻き)を入れていきました。抑えとして、ドライブクローラーのネコリグ。これをカバーに撃ってから横方向にスイミングさせて使いました」
プレスアングラーのメモを見ていると、山岡選手のメインルアーがすべて「横方向」に使うものだと気づきました。霞ヶ浦水系の定番である「撃って、落とす」ような釣りはしないのでしょうか。
山岡「まったくしないわけじゃないですが、少ないですね。もちろんアシ際だけを集中して撃つなら落とすだけでいいですが、僕の経験としては、霞水系ってちょっと沖の沈みモノとか、なんなら何にもないようなところを結構バスがフラフラ泳いでるんですよ。だから、ただ撃つだけじゃなく基本は横にも引いてそういうバスも釣っていきたい。ここ数年、ワーミングでも『●●スト』みたいなテクニックが効いてるのはそういうことだと思います。また、霞ヶ浦水系で釣れるルアーにも共通項があると思っています。それは『トラブルレスで、効率よく、リズムを崩さずに使えるルアー』ということ。つまり、人間側の都合で使いやすいルアーです。近年のスレ具合だと例外も増えてきましたが、この水系のバスってルアーの動きやアクションにそこまでシビアじゃない。あくまでハイプレッシャーなクリアフィールドと比べれば、ですよ。となると、ルアーの動きにこだわるよりも、とにかく根掛からない、どこにでも撃ち込める、リズムが作れる。そんなルアーが結局一番釣れるんですよ。そのいい典型が野良ネズミですよね。よほどミスをしない限り、ほとんどのキャストが『ナイスキャスト』になってくれる。しかも根掛からないし、カバー際から沖の表層までをある程度スピーディーに探れる。そりゃ釣れるよねっていうことです。限られた立ち位置やワンスポットからバスを絞り出すオカッパリスタイルとかだと話がまた違うかもしれませんが、そういう目線でルアーチョイスをしてみるのもオススメですよ」
[タックル]
■火蓮プロトモデル用
ロッド:エイシス65CMH プロトモデル(フェンウィック)
リール:カルカッタコンクエスト201HG(シマノ)
ライン:エクスレッド20Lb(東レ・モノフィラメント)
■O.S.P ジグ ゼロワン 5g用
ロッド:スーパーテクナ C S-TAV610CMHP+J TZ(ティムコ)
リール:スティーズ AIR (ダイワ)K.T.F.チューン
ライン:エクスレッド16Lb(東レ・モノフィラメント)
■ドライブクローラー5.5in用
ロッド:ゴールデンウィング GW C GW68CMLP+J(ティムコ)
リール:アルファスCT(ダイワ)K.T.F.チューン
ライン:エクスレッド12Lb
■ロベルタスイムジグ用
ロッド:スーパーテクナ C S-TAV610CMHP+J TZ(ティムコ)
リール:スティーズCT(ダイワ)K.T.F.チューン
ライン:ルアーPE 4号(東レ・フィッシング)
山岡選手のフットステップ
DAY1
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▼スタート前~直後
6:30
「常陸利根川に向かいます」
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▼利根川・小見川閘門
6:42
閘門を抜け常陸利根川へ。
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▼常陸利根川
7:03
アシやそれに絡むヘラ台、沖の鉄杭をカレンで撃ち、水面下のドッグウォークで誘う。常陸利根川と外浪逆浦、洲の野原をメインに同様の釣りを中心に押し通す。
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▼霞ヶ浦・妙技水道~洲の野原
9:49
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▼北利根川
11:37
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▼外浪逆浦
12:21
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▼小見川閘門
13:21
DAY2
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▼スタート前~直後
小見川閘門に向かう。
6:46
閘門を通過
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▼常陸利根川
7:02
昨日同様、カレンで縦ストを中心にねらう。
「ストップさせたほうがバイトは出るんだけど、その分見切られやすくなって食いが浅くなる感覚がある。バイトは減るけど、出るときはただ巻きでもドーンと出るから、そこがジレンマ」
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▼北浦・神宮橋
8:12
2日目は北浦もチェック。常陸利根川よりも根掛かりやすいカバーが増えたため、スイムジグやカバージグを撃ち込むシーンが増える。前者はスイミング、後者はジグストで、いずれも横の誘い。
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▼北浦・蔵川ワンド
8:38
ワンド内をルアーローテーションして探る。前述の釣りに加えてカバーにバックスライド、石積みや囲み杭の際をスピナーベイトで引いたりと、アプローチの種類を増やす。
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▼北浦・北浦大橋東岸付近
9:35
ジャカゴに沿ってスピナーベイトを引く。杭にはカレンを通す。
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▼北浦・神宮橋
10:00
沖の杭をジグストでチェックしているとビッグバイト。しかし2kgクラスのキャットフィッシュ。
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▼常陸利根川
11:39
エレキのダンパーが折れるアクシデントに見舞われたが、その場で自力修理し、釣再開。
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▼利根川・鹿島線上流
12:20
利根川へ移動。シャローをクランクで巻き、ブッシュカバーにはスイムジグを奥の奥まで一発で打ち込んでいく。キャスト精度は極めて高い。
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▼利根川・水郷大橋上流
13:05
消波ブロックのうわっ面をカレンのデジ巻きで誘う。
「ボラは入ってる」
13:25
ストップフィッシング。
YouTube配信のアーカイブはこちらからご覧ください↓↓↓
Basser Allstar Classic2022 最終成績表