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編集部2019年9月17日

木村建太のセントラルオープン最終戦/グランドレイク

Basser バス釣り 米国バストーナメント

想定外だったイヴォーク4.0勝負の舞台裏 バス釣りの専門誌バサーが、バス釣りのテクニックから道具、試合の最新情報、初心者のバス釣り入門までバスフィッシングのすべてを公開しています。

想定外だったイヴォーク4.0勝負の舞台裏

サイト・ビー=まとめ

B.A.S.S.セントラルオープン最終戦@グランドレイクにて、
初日・2日目と試合をリードした木村建太選手。
初日に20Lbオーバーを叩き出した原動力はマグナムクランク・イヴォーク4.0でした。
試合後のインタビューをもとに
パターンの詳細や試合展開についてお届けします。
(以下、木村選手談)


急きょ浮上したマグナムクランクパターン


ポイントは気にせず一発カマしたい。そう考えて臨んだのがグランドレイクでのセントラル最終戦でした。オクラホマ州のグランドレイクはアメリカで一番釣りをしている湖。秋のこのタイミングは変化が激しく難しいことは知っていました。

試合前の状況を見ると表水温が高すぎて秋になりきっていない。シャローの魚が多かったですけど、日に日に水位が下がっていっていましたし、試合のころには魚が抜けているだろうと読んでいました。オフショアの釣りにビッグウエイトの可能性を感じていました。

プラで沖の釣りを試してみると、普段のグランドレイクではよく釣れる3Lb台の魚が混じってこない。2Lb台が多くて、次は4Lbまでサイズが上がる。さらに、10inくらいのバスを釣ったときに4Lb級が食いにくるという出来事もありました。中間サイズのバスが減っていることを感じ、小バスがエサになっていることを確信しました。

この状態だと、ワームではなかなか騙せない。デカくて賢い魚ほどこの傾向は強い。そこで試したのがイヴォーク4.0でした。そしたらその場所にいるデカい魚から順に釣っていくことができた。勝ちパターンになると思いました。

ただ、グランドレイクでマグナムの出番があるとはあまり思っていなかったので、イヴォーク4.0の手持ちがあまりなかった。デプスから送ってもらうと航空便でもすでに間に合わないタイミング。急きょ、日本で購入してもらったり、昭和電機の柏木(健作)さんに手持ちをいただいたりして、取材のため渡米するAbemaTVプロデューサーに持ってきてもらう作戦をお願いしました。色はボトムアップの草深(幸範)さんに急きょ塗ってもらいました。秋のシャッドレイクではパール系の色が効くので、白ベースのセクシーシャッドが使いたかったんです。皆様のおかげでなんとか試合に必要な分を揃えることができました。

kimken-3
マグナムクランクで釣っていたのはオフショアの石積み的なスポット。ぱっと見は砂底なんですけど、よく見ると石だらけのゾーンがあるんです。石畳のような場所。水が減ったとき魚が入りやすいエリアです。メインパターンはここでのクランキング、バックアップでボートドックのいいところだけを撃つことにして初日を迎えました。

最高の風が運んできた20Lbオーバー


kimken-6
初日は最高の風が吹いていました。この風が明日以降も吹いてくれるとは思っていません。「イワすだけイワさな……」とスタートしました。

イヴォーク4.0の高速巻きが最高にハマってくれて朝8時30分にはリミットメイク。推定ウエイトは18Lb。

ここで止めてもいいくらいのウエイトですけど、明日は違う風が吹く。釣れるだけ釣って入れ替えを繰り返し、最後はボートドックの中層で浮いている4Lbを3/8ozフットボールヘッド+キングテールで釣って20Lb超えすることができました。

結果、20Lb6ozで首位スタートです。ちなみにこの日はイヴォーク4.0で4.5Lbと5Lb級のバラシもあった壮絶な1日でした……。

kimken-7

フットボールヘッドのスローロールに切り替えた2日目


2日目は初日のスポットに入ってくる選手が増えました。目立つ場所だったので。風向きも変わり、マグナムは不発。ということで、5/8ozフットボールヘッド+パワーフラッターによるスローロールに切り替えてキーパーを獲っていきました。これは親友でありグランドレイクのローカルでもあるトビーから学んだ釣り。

スローロール……といっても、スピードが大事です。僕の感覚ではグランドレイクは琵琶湖よりもプレッシャーがかかっているので、ある程度のハイスピードじゃなきゃ魚にスイッチを入れられない。水深2mないくらいのエリアでしたけど、5/8ozという重めのウエイトを合わせたのはそのためです。3/4ozでもいいくらいでした。それくらいスピードはうまく使わなきゃいけない。デカい魚を釣るならウエイトは重く。これは鉄則です。

周りを観察してみても、ボトムを転がすような釣りをしている選手はダメ。ズル引きだと食わなくて、逃がすような動かし方を入れてあげることが大事でした。これまでグランドレイクで学んだことが生きた2日目だったと思います。

ただ巻きでコンッと岩に当て、抜いて……の繰り返しで釣っていって2日目もリミットメイク。14Lb4ozとウエイトは落ちましたが首位はキープしました。

kimken-2 左から
イヴォーク4.0
■タックル
ロッド:TGC-70HR/GPフェルデランス
リール:レボ・ウインチ+TFL110ハンドル
ライン:オルトロスフロロ20Lb

フットボールヘッド3/8oz+インフィニ♯4/0+キングテール8in
■タックル
ロッド:プロトタイプ70MH
リール:レボALC-IB7+DFL100ハンドル
ライン:オルトロスフロロ20Lb

フットボールヘッド5/8oz+インフィニ♯4/0+パワーフラッター4in
■タックル
ロッド:プロトタイプ70XH
リール:レボ・エリート8+DFL100ハンドル
ライン:オルトロスフロロ20Lb


勝ち切るために必要なこと


そして最終日。手堅く釣って逃げ切れるほど甘くないことは知っています。この日もオフショアへ。

風が吹いてラッシュがかかることに期待しましたが、自分はフットボールヘッドで釣ったキーパー3尾で止まってしまいました。釣れはするけどサイズが小さいしノンキーも混じる……。風は吹いてはいるけど、湖流が止まってしまっていることが原因かもしれません。

こういうとき、コアングラーに後ろで釣られがち。精度が高い釣りをしちゃうとダメで、ある程度適当に釣っているからこそ食う魚が増える。この日もコアングラーにいい魚を抜かれました。

試合終了間際、ラスト5分でウインディーサイドのバンクに入ったんですよ。普段は釣れない場所なんですけど。そこで、自分よりもシャロークランクを遠投してほとんど水がないようなシャローを通したコアングラーがイイ魚を獲った。要は、風が当たるドシャローが機能してたってことです。風が生んだチャンスを生かし切れていなかったことが敗因のひとつです。

「初日のリーダーは勝てない」というのはトーナメントではよく言われることです。尻上がりの試合をしなきゃダメ。今回、自分は「惜しかった」とは思っていません。勝てる試合ではなかった。結局、最後の最後の詰めが甘い。まだまだ進化しないといけないですね。

(▲ここまで木村選手談)

kimken-5
これからも木村選手の戦いは続きます。10月26・27日には日本でバサーオールスタークラシックに出場。そして、来年もB.A.S.S.オープンに参戦する予定です。まだスケジュールが出ていないのでどのシリーズに出場するかは決めていないが、今年と同じく2シリーズあるのであれば両方に出場する可能性もあると木村選手。これからも走り続ける木村選手を応援したいと思います!



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そうならざるを得なかった、というのが偽りのない事実。
そこに至った僕の経験と過程をこの本で伝えられたらいいな、と思っています。
●カメラマン・木村建太の写真も多数収録!

定価:本体1,800円+税
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2019/9/17

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