ルアーを作っていると、特定の機能やアイデアが本人も想像しない形で降ってくる瞬間があるという。大きな羽、ジョイントボディ、特徴的なテール……。今回紹介するクローラーベイト「オッタークローラー」も、そうした複雑なパーツの組み合わせが生み出す強烈なアピール力で、唯一無二の存在感を放つルアーだ。本記事では、このユニークなルアーの誕生に隠された開発秘話をお届けする。
ルアーを作っていると、特定の機能やアイデアが本人も想像しない形で降ってくる瞬間があるという。今回紹介する、誰でも操作しやすいビッグベイト「ラフィン170」も、そうした閃きから生まれたルアーの一つだ。このルアーを最も特徴付けているのが、そのごく短いリップである。本記事では、このルアーの誕生に隠された開発秘話をお届けする。
写真と文◎Basser編集部
ラフィン170:自分の爪を見て「こんなリップ、アリだな」
ラフィンをはじめとする「ラグゼ・アベンジ」シリーズを手掛けるのは、赤松拓磨さん。地元・兵庫のふとん店で趣味でルアーを売っていたというおじいさんにルアー作りを教わり、ヒューマンフィッシングカレッジ大阪校のルアービルダー専攻へ。
卒業後は大手ルアーメーカーで開発のイロハを学び、現在はがまかつでルアーデザイナーとして腕を振るっている。オールドルアーやアメリカのルアーに明るく、好きなのはACミノー。そういた知識も現在のルアー開発に生かされているという。
さて、赤松さんが手がけたラフィンの特徴は、そのごく短いリップ。これにはどんな意図があるのか。
赤松「そもそも、アベンジシリーズは誰にでも扱いやすく、基本性能が高いルアーという方向性で開発しています。ビッグベイトを作るとなったときにまず考えたのが、やはり『誰でも簡単に首振りなどの操作ができる』ことでした。ここ数年トレンドとなっているビッグベイトの水中ドッグウォークですが、正しいロッドワークとラインスラックのコントロールができないと、短い移動距離でキビキビとルアーを首振りさせるのは難しい。そこをいかに簡単にできるかが課題でした」

アクションの自由度を高めそして適度に抑制する
最初に赤松さんが考えたのが、ボディーのジョイントをシングル(一点)にするということ。するとジョイントの可動域が左右だけでなくなり、上下やねじれ方向に対しても自由度が上がる。こうすることで、入力の力や方向が一定でなくともボディーが動きやすくなるのだ。
赤松「ただ、ジョイントの自由度を上げたことで、次は『動きすぎ問題』が出てきました。たとえば、首振りさせやすい反面、180度以上テーブルターンしてしまうとか。これをある程度抑えてコントロールする必要があるなと。リップを付けるのが一番手っ取り早いんですが、リップは移動距離を抑えたり水押しを強くする効果がある反面、動きがカクカクになってしまってきれいに泳がなくなる……」
ブレイクスルーは自分の足の爪を切っているときだった。
赤松「この爪くらいの、小さいリップを付けたらどうなる?とふと思いました。試してみるとこれがいい感じ。大きいリップほど動きがぎくしゃくしないし、リップレスよりはラフィンのじゃじゃ馬っぷりが抑制できていた。小さいリップによるちょっとした抵抗が、バランスを取ってくれました。僕はルアーを作るときだけでなく、普段の生活の中でも常に開発に生かせるヒントがないかを探すクセがついています。それが今回のような発想に繋がることもあるので」


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※このページは『Basser 2025年8月号』を再編集したものです。