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つり人編集部2026年2月14日

【エリアトラウト】「お助け系」改め魔道系?初心者向けルアーのガチ勢的使い方

初心者でも簡単に釣れることから、かつては「お助け系」や「反則系」と呼ばれていたセニョールトルネードやXスティックなどのルアーたち。 しかし近年、エリアトラウトのトーナメント界隈では、これらを「魔道系ルアー」と呼び、大会に出場するような選手たちが本気で使い込むようになっている。 単なる初心者救済アイテムではなく、勝つための武器としてどう使うのか。3人のエキスパートたちに、その応用的なメソッドを聞いた。

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写真と文◎塚田 智

解説:
伊藤良
:東京都武蔵野市のルアーショップ「吉や」スタッフ。エリアトラウトはもちろん、バスをはじめさまざまなルアーフィッシングに深い造詣を持つ。
朝生龍也:同じく吉やスタッフ。エリアトラウト歴20年超のベテランで、トーナメントにもアツい。
バヤシ:YouTube「バヤシフィッシングch」にてエリアトラウトに関する情報全般を発信する。群馬県在住で、今回お世話になった釣り場「HOOK」の非常勤スタッフでもある。

目次

    「魔道系」とは何か?お助けルアーとは異なる?

    「釣れすぎる」ことを理由に、釣り場によっては使用禁止となっているルアーがある。今号の読者ならご存じかもしれないが、それらは「お助け系」とか「反則系」なんて呼ばれており、時には特定のルアーが名指しで禁止されることも……。そして近年、明確な定義こそないが、そうしたルアーを「魔道系」と呼ぶ風潮が、一部のあいだで広まりつつある。

    いったいなにが「魔道」でなにが「お助け」なのか?釣りにまつわるあらゆるテクニックやその語源、そしてルアーのカテゴライズの議論というのは時に不毛でもあるが、その言葉を使う以上、その発端には迫っておきたい。

    ということで、昨今のエリアトラウトシーンに明るい3人に話を聞いた。いずれもシーンの最前線にいるお三方であり、「魔道」という言葉へのそれぞれの所感は非常にリアルで興味深かった。変に定義づけを試みるよりも、それをそのまま誌面に残すことのほうが有意義で、今後のためにもなるかもしれない。まずは3人との会談からお届けする。

    「魔道系」ざっくり会談

    ――恥ずかしながら今回の取材で「魔道系」という言葉を初めて聞いたのですが……いつごろから広まっている言葉なのでしょうか?

    バヤシ:まだ全国区ではないですよね。僕が運営に携わる「Freex」という新しいエリアトーナメントの団体があるのですが、今年(2025年)の試合中にとある選手が「魔道」という言葉を多用していました。それがどのくらいの影響力があったかはさておき、そこから少しずつ広まっている感があります。たしか、それ以前から松本幸雄さんとかは使っていたと思います。

    ――それまで、魔道に代わる言葉といえばなんだったんですか?

    朝生:僕は「お助け系」ですかね。
    伊藤:そう、「お助け」だよね。僕も今でもお助けルアーって呼んでます。
    バヤシ:そうですね。でも、大会に出るような人たちからすれば、「お助け」っていう言葉の響きを好まない人もいたんだと思います。そこで、これは僕の推測に過ぎないのですが、「王道」の対義語として生まれたのが「魔道」だったんじゃないかなと思っています。

    ――「邪道」とかじゃないんですね。

    バヤシ:それだとさすがにカドが立ちすぎるんじゃないかなと……(笑)。

    ――たしかに。大変失礼しました。

    朝生:でも、バヤシ君の推測はあながち間違っていないような気もしますね。「お助け」って、「初心者向け」とか、「エンジョイルアー」とはちょっと意味合いが違うから、「お助け」と呼んでいるフシがある。で、トーナメンターになると、それが「魔道」になるみたいな。

    ――なるほど!

    バヤシ:初心者向けにつくられたルアーが、大会に出るような人たちのなかでも使われる時代になってきたのかなと思います。

    ――つまり、一般的にはよく釣れる「お助け」だけど、ガチで使い込んでこそ「魔道」みたいなことでしょうか?

    伊藤:そういう感じかもしれませんね。エリアトラウトの世界は、出し抜こうとしている人たちの戦いなんで(笑)。
    朝生:クリアアルフ(※アルフレッド社が開発した1g前後の樹脂製スプーン)だって、今や魔道かもしれないけれど、もとはエンジョイルアーじゃないですか。
    伊藤:そうそう。ガチで使い出す人が出てきて、もう大会のウイニングルアーにもなってますから。

    ということで、ざっくりとだが魔道の輪郭も見えてきた。次に、代表的な魔道系ルアーの使い方、そして応用方法などを紹介する。

    mado-lure (1)

    代表的な4ルアーの基本と応用テクニック

    ここから紹介するのは、そのまま使ってもよく釣れるルアーだが、ひとつアレンジを加えることでまた違うねらいを演出できる、といったもの。

    セニョールトルネード(ザクトクラフト)

    SenorTornado (2)
    自分なりの「釣れるらせん」を見つけるべし

    セニョールトルネードは一定に巻くだけで釣れるし、向こうアワセ的にハリ掛かりする、さらにタックルも選ばないという、初心者にもうってつけのルアーだ。試合では禁止になっていることがほとんどだが、釣り場として禁止されることはあまりない。

    ヒットするたびに真っ直ぐ伸びてしまうので、その都度自分で巻き直すことになるのだが、その巻き方は千差万別。キツめに巻けば回転の波動が細かくなり、緩めに巻けば太い波動になる。

    伊藤:アイとフックをセンターに持ってくる人と、ちょっとずらす人がいますよね。僕はセンター派で、フックのブレを少なくしたいタイプです。ボディーも一定で規則正しい回転になって、それがアピールになっているはず。どんなアレンジでも、一定にルアーを巻くことを覚えるのに非常にいいルアーです。

    SenorTornado (3)
    センターラインを出すと、フックが暴れず綺麗に泳いでくる

    バヤシ:僕は指が太いので小指で2周半くらい巻きます。伊藤さんよりちょっとキツめですかね?でも、センターを出すのは一緒です。ちなみにこれの超デカいやつをつくったことがあって、伸ばして70cm、巻いて40cmっていうやつなんですけど、それでも釣れるんですよ(笑)。

    SenorTornado (4)

    朝生:僕は、“フックを回転させるのが重要”と教わったことがあるので、中心に持ってこないタイプです。子どもたち向けのスクールでもよくそのセッティングで使ってもらいます。ちなみにフックは若干ネムリ形状をした、クラッチフック6番(ロデオクラフト)というのが間違いないです。向こうアワセ的に掛かるので飽きやすい子どもにもおすすめです。

    SenorTornado (1)
    朝生さんはセンターを出さず、フックが回転するように巻いている。「僕のホームの師匠であり、エリア界のレジェンド、高田達也さんの教えです!」。なお、スイベル付きなのでイトヨレもそこまで気にならない

    Xスティックルアー(リセント)

    mado-lure (9)
    色褪せない「点理論」で爆釣に導く

    使い方をしっかりマスターすれば爆釣に持っていけるXスティックルアー。発売当初から提唱されている「斜め45度キープで一定に巻く」が基本にして、最重要項目。すると、斜め後ろから追尾した魚から
    はペレットのようなただの点にしか見えず、食わせ能力を格段に引き上げるのだ。引き抵抗がないので慣れは必要だが、ゆっくり引けるというのが大きなメリット。限られた釣り座を有効利用できるルアーである。

    X-Stick
    バヤシさんいわく、赤バリであることもかなり重要だという。「赤バリにしないと、まじで釣果半減します。これはヴァンフックのワンタッチフックという製品が付いているのですが、スプリットリングを付けると重くなっちゃうので、ハンガータイプというのもマストです」

    パンチ(ロブルアー)

    Punch (2)
    3つのアイの意味を知れば釣果向上

    いわゆる「魚卵系ルアー」よりも大振りで、禁止されることも少ないロブルアーの「パンチ」。手にすると意外と質量があり、マス類の口内には収まりづらいサイズ感だ。3つのアイのフックを付ける「位置」と「向き」を使い分けることで、さまざまな状況に対応することができる。

    バヤシ:パンチは登場したころ、“バイトは多いけど掛からないルアー”だったんです。そこでフックの大小や形状、位置などを工夫すると、飛躍的にフッキング率が向上しました。僕も試合のときは同色、フックセッティング違いで2タックルは用意しています。リフト&フォールとズル引き用ですね。

    伊藤:息子にも『ボトムズル引きでいいよ』と言ってよく使わせるんですけど、気が散って手が止まっても釣れます。偶然デジ巻きのストップみたいになって、勝手にアピールになってるんですよね(笑)。

    朝生:パンチは強めのカラーがメインなので、リフト&フォールが効いてくるんですよね。広範囲から寄せられます。ズル引きの場合、上下でフックを変えたり、下のフックはなくてもいいっていう人もいます。その辺りはまだまだ開拓されていないところかもしれません

    Punch (3)
    どのアイに、どの向きでフックを付けるかが重要。また、伊藤さんはより球体に見えるようにアイの着色を削っている。フックサイズは、絡み防止の意図から3人とも#9、#10 といった小さめのセレクトだった

    スプラッシュトップ(フィッシングエリア帝釈)

    SplashTop
    管釣りナブラ強制スイッチ

    「丸い」ルアーにはトップ、ボトムに関わらず威力がある。深めのカップがしっかり水を噛み、強い入力を与えても水面を滑りづらい。連続スプラッシュで魚の活性を強制的に上げる。

    伊藤さんはスプラッシュトップの目を取っている。「ペレットって目はないじゃないですか。まあどこまで効果があるかはわかりませんけど(笑)」

    SplashTop2
    いわゆる「当たり個体」はスプラッシュを扇状に出す(発泡ウレタン製なので個体差がある)。水面を滑らないようにさせるためには、PE+ ナイロンリーダーというラインシステムが◎。また、浮き姿勢の微妙なバランスを崩してしまうため、フックは購入時のものを使うほうがよい

    プロトルアーもある意味で「魔道」?

    mado-lure (15)

    新作ルアーや、工夫を凝らしたチューンドルアーも、魔道的釣果を生む。たとえばハンクルのザッガー50B1。吉やのオリジナルチューンで、ガラスラトルを5つ内蔵した、「RI」(ラトルいっぱい)モデル。伊藤「1~ 4 個も試したんですが、内部構造的に、ラトルが動いてどこかに挟まっちゃうんですよね。5個なら挟まらないので、ボトムをついばみつつ音でもアピールしながら使えるザッガーB1になりました。既存ルアーでも、今までになかったアピール力があればアタリを持続させる強いルアーになり得ますね」

    エキスパートの魔導系ルアー用タックルセッティング

    項目 伊藤さん バヤシさん 朝生さん
    ロッド キメラ 603L-e
    (ロデオクラフト)
    ワイルドジョーカー RPG 511 LM-st
    (リチャーズ)
    プレッソ-LTD AGS 510UL
    (ダイワ)
    リール 22イグジスト LT2000S-P
    (ダイワ)
    23ヴァンキッシュ C2000S
    (シマノ)
    21プレッソ 1000
    (ダイワ)
    ハンドル ファンネル 40mm
    (リヴァイブ)
    ファンネル 45mm
    (リヴァイブ)
    エアーステア 33mm
    (ドライブ)
    ライン スーパートラウトES2 0.35号
    (バリバス)
    エステルライン 0.4号
    (プロト/シーガー)
    RCマイスターエステル 0.25号
    (ロデオクラフト)
    リーダー グランドマックスFX 0.5号
    (シーガー)
    グランドマックスFX 0.8号
    (シーガー)
    グランドマックスFX 0.5号
    (シーガー)

    使用前にレギュレーションを要確認!

    シングルフック、バーブレスという全ルアーに共通のレギュレーションに加え、いわゆる「釣れすぎる」ルアーは釣り場によって禁止されることも多いので要確認だ。判断に迷ったら釣り場スタッフに聞くのがいちばん。本記事で紹介しているルアーも、禁止となっている釣り場もある。秩序を乱さぬよう、ルールを守って釣りを楽しもう。

    mado-lure (3)
    今回お世話になった前橋市の「HOOK」のレギュレーション。場を荒らしてしまう(≒釣果を独占してしまう)ルアーは、どこの釣り場でも禁止とされる傾向にある

    ※このページは『つり人 2026年2月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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