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North Angler’s編集部2025年8月14日

【サケ(アキアジ)釣り】ウキルアーの基本:エキスパートが教えるタックル・仕掛け・ルアー・釣り方

釣って、焼いて、味わう。北海道のアユ釣り旅は、キャンプと組み合わせるのが最高の贅沢!釣ったばかりの新鮮なアユを炭火で味わい、時間を気にせず釣り三昧。そんな至福の「アユ釣りキャンプ」の魅力と、道内のアユ釣り河川情報をお届け。

北海道の秋の風物詩といえば、サケ(アキアジ)釣りだ。一度はその強烈な引きを味わってみたいと願うアングラーも多いだろう。そこで本記事では、ウキルアーでのサケ釣りに焦点を当て、エキスパート・古川慎也さんに、タックルやルアーの選び方から実釣でのアクションまで、釣果に直結する基本を詳細に解説いただいた。これを読めば、憧れのサケをその手にするための最短ルートが見えてくるはずだ。

写真・文=古川慎也(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

ウキルアーでのサケ釣り

北海道における秋の風物詩といえば、やはり代表格はサケ釣りだろう。毎年、道内はもとより道外からもたくさんのアングラーが訪れてにぎわいを見せる。道東オホーツク海沿岸の町で生まれ育った私にとって、幼少期から祖父に連れられて親しんできたなじみ深い釣り。

しかし、ルアーフィッシングにどっぷりとハマっていくにつれ、サケ釣りから離れた時期もあった。その理由は明快。ウキ+ルアー+タコベイト+エサという定番仕掛けの(ちょっと語弊があるかもしれないが)「全部つけちゃえ!」的なスタンスに若干の違和感を抱いたため(笑)。サケ釣りを再開したのは10年ほど前から。

これまでのルアーフィッシングの経験をとおし、ウキルアーシステムが理に敵っていることに気づいた。何より70cmを超える魚と対峙するのだから楽しくないわけがない。この釣りには「ウキルアー」、「投げ(ブッコミ)」、「フカセ」といろいろな釣法がある。フィールドや時期などにより釣果は異なるが、それぞれに奥深さがあると感じる。私は投げもフカセもするが、今回はウキルアーをテーマに進めていきたい。

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ウキルアーのタックル

私のサケシーズンはおおむね9月に入ってから。近年のお気に入りスタイルは、アングラーの少ないポイントでのブッコミ&ウキルアーという二刀流。横目でブッコミのタックルがブンブンしないか気にしながらのウキルアーはワクワク度も二倍だ。

基本的には混み合うことの少ないサーフでのんびりマイペースに釣るが、たまにゴロタ場に入る。そのため、双方のフィールドに対応すべく2タックルを用意する。

サーフでは強引なファイトより、やりとりを満喫することに重きを置く。ゴロタ場は岩とラインの干渉を避けるべく、魚に主導権を与えないようヘビー寄りのタックルを選ぶ。いずれにしてもロッドのレングスは10~12フィート、MAXルアーウエイト50~60gが基準になる。

・サーフ
ロッド:Gクラフト『モンスターサーフMSS-1092-TR
リール:ダイワ『レグザLT5000-CXH
ライン:山豊テグス『ファメルPEレジンシェラーオレンジ』2号

・ゴロタ
ロッド:ダイワ『モアザンブランジーノAGS119M/MH』
リール:ダイワ『セルテートHD4000H』
ライン:山豊テグス『ファメルPEレジンシェラーオレンジ』2号

ゴロタでのタックル-1
ゴロタでの使用タックル

リールは強度重視

大型魚に分類されるサケとのファイトは想像以上の負荷を強いられる。リールは4000~5000番で、かつエサによる汚れを気にせずにガシガシ使えるモデルを選びたい。近年はエントリーモデルでもかなりハイスペックで強度も高い。こうした背景からサケでハイエンドモデルは滅多に使わないものの問題なく釣りができている。

ラインには飛距離と強度のバランスを

ラインは、飛距離と強度のバランスがベストだと感じてPE2号を巻いている。ただし混み合うフィールドで、周囲のアングラーへの迷惑を回避するのに強引なファイトが求められるなら2.5~3号を推奨する。なお、強度を重視するサケ釣りは4本撚りがおすすめ。8本撚りと比較して張りやコシがあって扱いやすく、一本一本の原糸が太い構造のためスレに強いのもよい。

仕掛けは固定式を愛用

仕掛けは、ウキ止メによる可動域ありの固定式。サケのタナに対して的確にアジャストできるよう、こまめに長さを変えている。遊動式を選択しない理由は、手もとまでしっかりと一定レンジを引きたいため。海の状況により違いはあるものの、遊動式の場合、近くなるにつれフロートが水圧に負けて押し下がっていき、ルアーとの距離が詰まってしまう。こうなるとフロートに課せられたレンジキープという役割を果たせない。

仕掛け用のアイテム
仕掛けに使うアイテム

リーダーは40lb

使用しているリーダーは、ナイロンながらスレに強い、山豊テグス『ファメル耐摩耗ショックリーダー』40lb。リーダーの長さについては、水深や手返しのよし悪しから、サーフは1.6m前後、ゴロタ場は1m以下にしている。

フロートのサイズはSとMを使い分け

フロートサイズは私の場合、サケからのコンタクトをフロートの浮き沈みで判断せず、レンジキープの役割さえ果たしてくれればよいと考えている。視認性は二の次で、飛距離を優先。そうすると可能な限り小さなサイズがよく、現在はSとMサイズを波などにより使い分けている。使用しているアイテムはダイワ『アキアジクルセイダーフロート』。40gのルアーをセットしてリトリーブしないと沈み気味になるが、飛距離を重視すると小型サイズに分がある。

ウキ止めは7mmほどのゴム製、適合ライン4~8号タイプをフロート上下に2~3個ずつ付ける。上下1個だとキャストや水圧で動いてしまう。

ウキに付ける化学発光体は、ルミカ『デンケミⅡ37』(全長46mm)。暗い時間帯はレッドが見やすいが、薄明るくなってきたらグリーンのほうが視認性は高い。

ルアーの選び方と、エサやイカベイトなどのセッティング

ルアーは、基本的にカップがあり水噛みのよいものを好む。スローリトリーブがメインゆえ、たとえ潮流が弱くてもしっかりと泳いでくれるのが大前提。また、ゴロタや磯場での実釣時は塗装強度も重要なファクター。ウエイトは45gを使用する場面が多い。

カラーはメーカー各社、さまざまなラインナップがある。どれも実績があり、正直なところ飛び抜けて釣れるカラーはないと感じる。個人的にはオールシーズン、ブルー系での釣果がよく最も信頼を置いている。シーズン早期はピンクやチャートといったド派手なアピール系、終盤に近づくにつれブラックなどシックなカラーに分がある。

ブルー系カラーのルアーで釣ったサケ
ルアーのカラーは昔からレッドやピンクが定番になっているが、シーズンを通じてブルー系で実績が高い

タコベイトは市販の2号がメイン。ただ、シーズン後半の食い渋る状況ではサイズを落として1.5号に。カラーはピンクまたはレッドの2択だが、グローやケイムラなど一工夫されたものを選ぶことが多い。

フックには段差タイプを使っているが、エサは必ずフック2本にチョン掛けすること。片方だけに刺すとエサの付いていないフックが暴れてエビになりやすい。

エサは市販の短冊カット済みの塩ニンニク味カツオ。1.5cm角程度に切って使用。エサは臭いを付ける要素が強く、ルアーの動きの妨げにならない小さなサイズにしている。フックに付ける際は、身崩れ防止のため皮から刺す。なるべく指先を汚したくない私は、ダイソー『ミニ先細ペンチ』をエサつかみとして利用。全長15cmとコンパクトな反面、くわえ部(材料をつかむ先端部のこと)が長く、3cm程度しっかりと開いてくれて使いやすい。

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ルアー周りのセッティング例

よく使うルアー3選

岡クラフト『サーモンコンタクト』45g

カラーはクリアブルー、ピンクシルバーBP、ブルーピンクBG。最大の特徴は対応リトリーブスピードのレンジが広く、超低速でもしっかりとゆらめいてアピール度が高いこと。魚がスレている場面で有効。ただ遠投性はそれほど高くなく、塗装も強くない。

サーモンコンタクト
岡クラフト『サーモンコンタクト』45g

フィールドハンター『ノースXシェル』45g

カラーはS.グローケイムラ/ピンピン、S.ケイムラクリアブルー、S.ブルー/ピンク。同社の各種スプーンは、よく飛んでよく泳ぎ、ポピュラーな形状でオールマイティーに使用できるのがよい。アワビバージョンは塗装が守られ強度が高いうえ、独特の輝きでサケを魅了する。

ノースXシェル
フィールドハンター『ノースXシェル』45g

ブレイクスルアーズ『ジアキア45SC』45g

カラーはハーフブルーパッションピンク、バックグローブルー。ルアーズケミスト『ジアキアノーススタイル45LSG』45g(写真右)ブルーピンク。塗装強度の高さが魅力。さらにグローカラーの光量や持続性の高さに加え、カラーバリエーションが豊富なのもうれしい。

ジアキア45SC
ブレイクスルアーズ『ジアキア45SC』45g

釣り方はレンジキープを意識

ウキルアー最大の武器は、何といっても広範囲を容易に探れること。ブッコミやフカセは着水したポイントで点の釣りになる一方、ウキルアーは着水点からピックアップまで線の釣りになる。前者は待ちの釣り、後者は攻めの釣りといえるだろう。

ウキルアーでの一尾への近道は「ブレないレンジ」であると思っており、無駄なロッドアクションは違和感を与えるだけなので不要。このことからナチュラルに漂わせられるフカセがよく釣れるのもうなずける。

フィールドにおける具体的なレンジキープの方法だが、凪の条件下であったとしても必ず波や潮流は存在する。物理的に押し波でルアーは下がり、逆に引き波だと水面近くまで押し上げられる。これを繰り返してしまうと、たとえサケがルアーをロックオンしていたとしてもバイトのタイミングを失って見切られやすい。これを回避するには2つの手がある。

まずはリトリーブスピードの変化。引き波のタイミングで通常より巻きを低速もしくは瞬間的に止めて間をつくることで、ルアーの自重により押し上げを抑制できる。もう一つは、波に同調させたロッド操作。押し波ではロッドティップを徐々に立てていき、反対に引き波では寝かせていく。要は前記したリトリーブの強弱をロッドワークで補うような動作。とくに波のある条件では、一定のレンジをキープしているつもりでもルアーは上下移動を繰り返しているので注意が必要だ。

そもそもサケのウキルアー釣りは、デッドスローのタダ巻きがセオリー。有効なタクティクスを見出しにくいと思われがちだが、文字どおりただ巻いているのか、潮流を感じながらアジャストしているのかがカギを握る。細かな部分ではあるものの、釣果に大きな差が出る要素だ。

サケ 2
ブレないレンジとリトリーブが一尾との距離を詰める

近年、海の変化は著しく、道東オホーツク海も例外ではない。青ものやヒラメといった以前は回遊してこなかった魚種が数多く出現している。アングラーとして新たなジャンルに心躍ることもあるが、一方で古くから地域の一次産業を支えてきたサケ、カラフトマスの未来が心配である。

そして斜里町、小清水町、網走市の海岸では、2024年から1人「サオ3本、3尾まで」というルールが設定されたように、各自治体によりさまざまなルールが設けられている昨今、我々アングラーはサケ釣りを見直す時期に差しかかっている。多くの方が毎シーズン待ちわびるサケ釣りを今後も続けていくため、ルールやモラルの遵守を徹底し、大自然に感謝しつつ楽しみたい。

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