道内では冬に盛期を迎える湖のトラウトフィッシング。超のつく大ものに出会える夢あるフィールドだがアタリは少なく、極寒のなかで苦戦を強いられる場面が多い。それでも千載一遇のチャンスをつかむためには、とにかくキープキャスティングが大切。そんな湖の釣りならではの防寒対策とは?『コルソ札幌』ご協力のもと、防寒アイテムの選択術をうかがった。
解説◎吉田広哉(よしだ・こうや)
主に淡水ルアーを担当。普段は渓流メインだが、10月後半~11月の晩秋、3~4月の春先は支笏湖に通う。メーター級の魚がショアでねらえる同湖に魅了され、そんなメモリアルフィッシュを手にしたいという気持ちが釣りの原動力。
湖の釣りの防寒対策はレイヤリングが要
まず、一番下に身に着ける肌着(ベースレイヤー)は吸水速乾性にすぐれたものを選びます。シマノの『アクティブウォームアンダーシャツ』と同タイツは保温・吸湿・放湿性のあるメリノウール100%製で、汗冷えを防ぎつつ保温性も高いです。
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その上にミッドレイヤーとして、薄手のダウンやフリースなどを合わせます。 アウターは撥水性のあるレインウエアがおすすめ。湖の釣りでは、頻繁にポイント移動する方が多いと思います。このとき、アウター単体を防寒仕様にすると体温調節が難しい……。よって私の場合「移動時は快適だけど動かなくても寒くない」を基準に、ミッドレイヤーで調整するようにしています。
リトルプレゼンツの『DTサーマルWDジャケット』は立ち込み時に最適な、透湿防水素材を採用したセミショート丈のジャケット。取り外し可能な中綿入りのインナーベストが付属しているので、レイヤリングの幅が広がります。また、前面ポケット(左右2ヵ所)にはMEIHO『VS-3010』シリーズ同等のルアーケースが収納可能。ベストがなくても収納に困らず、なにより身軽な点が魅力です。
ベストを着用しない代わりに、大きめのバックパックを背負うことができます。これに軽食や飲み物、予備のインナーなどを入れておくのです。ちなみにリトルプレゼンツのバックパック『防水バックパックM30』は防水仕様なので、いざというときの浮力体にもなります。
ウエーダーと靴も〝素材〞を意識
ウエーダーに関しては膝下がクロロプレン、膝上は透湿素材のハイブリッドタイプがよいでしょう。全体がクロロプレンのウエーダーは確かに寒さに強いですが、移動時の発汗などによる蒸れが気になります。湖の場合、腰まで水に浸かる場面はあまりないと思いますし、そういった面でもハイブリッドタイプのほうが快適なはずです。
シューズはラバーソールのものがおすすめです。フェルトだと雪上を歩く際、靴底に雪が付着して積み重なり、歩きづらくなります。リトルプレゼンツの『ミッドストリームWDシューズIIラバーソール』は後付け可能なスタッド(鋲)が付属。必要に応じてねじ込めば、滑りやすい岩盤エリアなどにも対応可能です。
なおシューズ選びで気を付けるべきは、あまりにもぴったりなサイズにしないこと。とくに冬場は厚手の靴下を履くので、普段より一段大きいくらいがよいでしょう。足先が窮屈だと血行が悪くなり、冷えを促してしまいます。
グローブは完全防水
手もと(とくに指先)が冷えると集中力を保てないので、グローブは必須です。リトルプレゼンツの『UGウインタードライグローブ』は、完全防水の防寒グローブ。人差し指には高強度素材のプロテクターを搭載し、キャスト時の負荷も気になりません。
また、防寒グローブとは思えないほどフィット感もよく、釣りに集中できます。そして、なんといっても完全防水である点が重要。湖は魚のランディングやリリース、写真撮影の際などを除いてもウエーディングの釣りゆえ、水に触れる機会が多いからです。 できれば、このほかにも予備のグローブを持って行きたいところ。細かい作業をするときのフィンガーカットモデル(防寒のもの)や、休憩時に使うフリース素材の暖かいグローブがあればベストです。
※当記事は『North Angler’s(ノースアングラーズ)』2023年12月号に掲載したものを再編集しております。同時期に『コルソ札幌』ご在籍のスタッフが解説してくださいました。また、掲載商品のなかにはモデルチェンジしているアイテムがあるかもしれません。参考としてお読みいただけると幸いです。

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