道内各地のフライフィッシャーに実績パターンを紹介してもらうコーナー。初夏に活躍するイチオシフライの使い方、タイイングのポイント、思いだのエピソードを2人に紹介していただく。
道内各地のフライフィッシャーに実績パターンを紹介してもらうコーナー。初夏に活躍するイチオシフライの使い方、タイイングのポイント、思いだのエピソードを2人に紹介していただく。
札幌市在住 平野 直樹さんおすすめのフライは、朱鞠内湖のイトウで実績があるフライ ワカサギマチックだ。
目次
平野さんのおすすめのイトウ用フライのワカサギマチック
冬は海のアメマス、支笏湖など、厳しいフィールドでの釣りが続く。そして、草木の芽が顔を出す頃、北国の長い冬が終わり、いよいよ本格的なシーズンインとなる。朱鞠内湖の解氷状況を気にしながら、このフライの量産体制に入る。
初めて訪れたとき、まるで外国に来たかのような景色に感動し、すっかり魅了され、以来できる限り足を運んでいる。まだ通い始めたばかりだが、行くたびに小型ながら数尾のイトウをキャッチすることができた。
スリット状の水の流れがない場所で、着水後、水になじみ、ゆっくり沈んでいくフライにアタックしてきたときの光景は、今でも鮮明に覚えている。
湖ではシングル&ダブルハンドのオーバーヘッド・キャストのスタイルで釣っている。バックスペースが限られた場所が多く、枝や湖底の倒木、切り株などにフライが掛かり、相当数をロストしてきた。そこで、極力簡単に巻けるフライを……と考えてできたのがこのパターン。
マテリアルは安価で入手しやすく、タイイングに時間が掛からず、大量に巻くことができる。このため、同様のパターンを使っている方も多いのではないかと思う。そんなお手軽フライながら、無風、鏡状態でのスローリトリーブ、荒れて波が高いときでも水中姿勢がよく、条件を選ばない。
タイイングのポイント
タイイングについては、絡み防止のため、テールの根もとに、フロスやダビング材でコブを作っている。テール &ウイングはスードヘアの量をあまり多くせず、細身にドレッシングしたほうが、魚の反応はよい気がする。
ボディーはUV ポーラーシェニールの回転数でボリュームを調整する。強く引っ張りながら、1回転ごとにファイバーを後方に倒し、指でなじませる。リブを巻く際は、ファイバーを巻き込まないように注意。巻き込んでしまったら、ニードルで丁寧にかき出しておく。
よりアピールさせたい場所は、一度ファイバーをアイ側へ集め、指でつまんで揉み込んでいる。これによりファイバーが縮れ、ボリュームや反射を調整できる。ファイバーを後ろへ戻すときには、ハリ先に要注意。
ボディーやウイング、シェニールのカラーを黒やオリーブなどに変え、さまざまなバリエーションを用意。水の色や天候を意識し、使い分けている。
朱鞠内湖はバーブレスフックの使用が規則。さらに、リリースには細心の注意を払いたい。この素晴らしいフィールドで、いつかメーター級に出会ってみたい。そんな釣りが楽しめるフィールドを、後世に伝えていきたいもの。
ワカサギマチックのマテリアルデータ
フック
バリバス2500V-SE
引用:Amazon
スレッド
ヴィーヴァス8/0・ホワイト
引用:http://www.kamiiida.co.jp/F1/fly_atsukai-tying_material_thread.htm
テール
スードヘア・ホワイト
引用:https://www.dorllyvarden.com/product/1684
ボディー
アイスダブ・UVパール
引用:https://item.rakuten.co.jp/la-graine/x13vujwypb4olf25/
UVポーラーシェニール・UVパール
引用:https://www.tiemco.co.jp/products/groups/view/206
リブ
オーバルティンセル・ファイン・シルバー
引用:https://flyshop-online.net/spec/spmater/tinsel2.htm
アンダーウイング
クリスタルフラッシュ・グリーン
引用:https://www.parrmark.co.jp/fly/shop_item_2.asp?id=1715
ウイング
スードヘア・ホワイト、オリーブ
スロート
ティールフェザー
引用:http://kencube.net/shopdetail/000000001448/
サイド
ジャングルコックアイ・ダイドレッド
引用:http://kencube.net/shopdetail/000000000575/
朱鞠内湖イトウのストリーマーのタックルデータ
【ロッド】9フィート5インチ#9
引用:Amazon
軽量かつシャープに仕上がったブランクスによりキャストスピードが飛躍的に高まった。大型ミノーやキャスティングジグの操作性はもちろん、取り回しがよく快適な使用感を実現。
【ライン】DST(SAWADA) #9 インターミディエイト~タイプ2
引用:https://aucfree.com/items/u206674184
オーバーヘッドキャスティングによる遠投用に設計された。
【リーダー】フロロカーボン01X 9フィート
【ティペット】フロロカーボン0~1X 2m 前後
まとめ
フライ一つ作るのにも工夫と試行錯誤があり、釣果に繋がるのがみてとれるだろう。
北海道の釣り情報誌ノースアングラーズでは北海道の海、川、湖で楽しめる様々な釣りを提案している。
入門者向けの情報も掲載しているので、これから始めたい方、始めて間もない方にはそちらをおすすめする。
2021/07/31