がまかつからリリースされる新しいアユザオ、「がま鮎パワーR」は大アユねらいを誰でも気兼ねなく楽しめるように作られた。田嶋剛さんがその実力を試すべく訪れたのは鬼怒川だ。
がまかつからリリースされる新しいアユザオ、「がま鮎パワーR」は大アユねらいを誰でも気兼ねなく楽しめるように作られた。田嶋剛さんがその実力を試すべく訪れたのは鬼怒川だ。
写真と文◎編集部
関東屈指の大アユ河川「鬼怒川」でがま鮎パワーRを試す
栃木県が誇る大アユ釣り場として、ここ数年注目されているのが鬼怒川。数も型も楽しめ、首都圏からも遠くないこの川は好調が続き、アユ釣りファンを魅了している。天然遡上個体の汲み上げ放流やカワウ対策を積極的に行なう鬼怒川漁協の影響も大きいだろう。
鬼怒川における大アユ釣りのメインフィールドは岩盤が露出したエリアが点在している。岩盤は大石と同様に大水が出ても垢が残りやすく、サオ抜けになっていることも多いため、アユが大きく育つ。なお、鬼怒川の岩盤は粘土質で、非常に滑りやすい。スパイクピン付きのソールがあると安心。
大アユハンターとして全国各地の川を巡る田嶋剛さんが、すでに29cmが釣れているという話を聞き、足を運んだのは2024年の8月下旬だった。
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がま鮎パワーRは誰でも扱える高強度
この日用意したサオはがま鮎パワーR(がまかつ)。このサオは尺アユを引き抜けるパワースペシャルから受け継がれた調子と張り、力強さに加えてサオそのものの耐久性が大幅にパワーアップされている。
大アユ釣りはダイナミックで強烈な引きが楽しめる一方でサオの破損リスクも高い。その理由の多くは引き抜きの失敗による過度なねじれだ。また、普段立たない強い流れに立ち込むため転倒などのアクシデントも起こりやすい。
「このサオはかなり丈夫なんですよ。ちょっとのねじれではそう簡単に折れません。引き抜いたアユを空中で回したって折れませんからね。サオの扱いに臆することなく大アユ釣りを楽しんでみたいという方にはうってつけです」
パワーRは高強度の次世代カーボンであるM40Xをサオ先に採用、元や元上付近を肉厚化することで充分な強度を確保している。サブロッドとしてはもちろん、大アユ釣りデビューの最初の一本として使ってほしいと田嶋さんは話す。
がまかつ:がま鮎 パワーRの番手
ラインナップは引抜早瀬が80、引抜急瀬が80、85、90、93、引抜荒瀬が90と細かい。その理由は全国各地のさまざまなシチュエーションに対応するため。引抜早瀬90は細身で軽量のため誰でも扱いやすく、パワーゲーム入門に特におすすめ。引抜急瀬80は強風時でも快適に釣りがしたいと釣り人からの要望が多かったショート系パワーロッドだ。
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大アユザオに珍しい短めの8.5m
鬼怒川のほとりに店を構える「かとう釣具店」で話を聞くと、前夜の雨で増水しているが、西鬼怒合流点などの大アユねらいの定番ポイントは午後には水が引いて釣りができるはずという。田嶋さんは上平橋上流へ入川。風が強く吹いているため、少し短めで取り回しのよい引抜急瀬85を田嶋さんは選んだ。

使用する仕掛けはアーマードRF+プロ大鮎パーフェクト仕掛(がまかつ)で、水中イトは0.2号。ハリは3本イカリもしくは2本ヤナギで大鮎要やメガ要の10~12号を使用。流心で白波を立たせる石周りを丁寧に探っていくと、23cm前後の良型アユが何度もサオを曲げていた。
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水が引いたため西鬼怒合流点へ向かう。まだ水量はあるが、ポイントである流心の岩盤になんとか届きそうだ。オトリは大きいほど思い通りに泳がせるのが難しい。オトリが動かなければ野アユは追わないのだが、張りのないサオだとオトリが底にべったりと張り付いて動かなくなることもある。しかし、パワーRならシャキッとした張り感でオトリも管理しやすい。
「来たよ!」田嶋さんは立ち位置を変えることなくサオを大きくしならせて下流へ一気に突っ走るアユを止める。サオを岸側へ向けてアユを流れから徐々に引き離す。8.5mだと短さゆえに突っ張ってしまうように思えるが、パワーRはしっかり曲がり込んで溜めが効く。鮮やかな返し抜きで取り込んだのは午前中よりも一回り大きい25cmオーバーだった。
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オトリに居心地のよさを聞くような操作
さらに下流へ移動し、岡本頭首工の下流の瀬をねらう。ここも岩盤帯であり、大アユの実績が高い。ここでは引抜急瀬93を選択。
ここではオモリも活用して一番強い流れの中へオトリを入れていく。田嶋さんが使うオモリはがっちり鮎オモリ(がまかつ)。一般的なオモリとは対照的な凹型の号数表示はつぶれにくく、その名のとおり一度挟めばがっちりと固定されるため、急流でもズレにくいハードユース仕様のオモリだ。
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田嶋さんはオトリに居心地のよさを伺うかのようにサオで聞いてテンションを加減する。ちょうどよい塩梅にテンションを掛けられるとオトリは自発的に動いて最低限の体力消費で野アユに存在をアピールするようになる。
釣り下りながらオトリを循環させていくと、瀬の真ん中で目印が飛び、一段と強い引きがサオを絞り込んだ。田嶋さんは踏ん張りの効く下流まで流れに乗りながら下り、豪快に引き抜いたのはこの日最大の26.5cmだった。
「パワーRは大アユの強烈な引きをぜひ多くの人に味わってほしいと思って作りました。がま鮎史上最高クラスの耐久性だと思います。大アユビギナーも破損の心配をせずに振り回して楽しんでほしいですね」
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※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。