秋が色濃くなって知多半島の釣りシーズンも終盤戦に突入した。全体に浅い知多半島は水温の低下が早く、特に西岸は冷たい季節風が吹き始めるとアイナメなどの根魚と入れ替わるように多くの魚が深場に落ちていく。
晩秋の知多半島で欲張りプラン
伊藤 巧◎文・写真
伊藤 巧
昭和44年生まれ。愛知県在住。美味い魚を求めて東奔西走。クロダイかかり釣りとアオリイカのヤエン釣り、ビワマスのレイクトロウリングが大好き。今年はサーフの尺アジ釣りに燃える予定。下手釣り集団チーム白馬車&江戸前なめろう隊所属
この記事は『つり人』2016年12月号に掲載したものを再編集しています。
チョイ投げを楽しみつつ脇で呑ませ釣りを展開
秋が色濃くなって知多半島の釣りシーズンも終盤戦に突入した。全体に浅い知多半島は水温の低下が早く、特に西岸は冷たい季節風が吹き始めるとアイナメなどの根魚と入れ替わるように多くの魚が深場に落ちていく。ゆえに11月は大チャンス。落ちを間近に控えた魚たちが活発にエサを口にする。クロダイやメジナといった上物からシロギスにキュウセン、マゴチなど、釣り方しだいでさまざまな魚を拝むことができる。あえて魚種を絞らず、エギングとチョイ投げ、投げ釣りに呑ませ釣りといったぐあいに、本命と片手間にできる釣りを組み合わせて手広くねらったり、潮や時間に合わせてターゲットを変えるリレー釣りがおすすめ。そんな欲張りプランが楽しめるフィールドが、美浜町の冨具崎漁港だ。
冨具崎漁港は知多半島西岸の中ほどに造られた中規模な漁港。ちょうど知多半島が折れ曲がるように突き出た場所に位置しているので潮通しは抜群。広い駐車スペースにトイレ、芝生広場と設備もよく、行楽日和に恵まれたならばお弁当を用意してファミリーやカップルで出かけたい。
のんびり派には埋立地岸壁からのチョイ投げが手堅い。前方に砂地が広がっており15~20㎝のシロギスがコンスタントに食ってくる。タイミング的には干潮からの上げ潮がよい。6~8号のテンビンオモリにチョイ投げ用の2本バリ仕掛けをセットして軽くキャストする。
11月ともなれば連掛けが期待できる時期ではないので、アタリがあったら1尾ずつ慎重に取り込んでいくこと。また、呑ませ釣りのタックルをセットしておき、チョイ投げの外道にヒイラギなどの小魚が食ってきたら、背掛けにしてブッ込んでおけばマゴチが食ってくる。ちなみにエギングタックルでチョイ投げしておけば、いつでもアオリイカねらいに転進できる。
アオリイカの実績場は西堤の付け根角。野間灯台との間に生い茂るアマモエリアをねらいたい。少し離れているので直接は届かないが、下げのタイミングをねらって潮に乗せれば藻場に餌木を送り込める。潮をしっかりボディーに受ける4号の餌木がおすすめ。晩秋なので4号でも普通に抱いてくる。また、アオリイカは西堤の沖向きにも頻繁に回遊してくるようだ。
日中はクロダイをねらい夕方からタチウオに転進
クロダイを手にしたければ西堤からの紀州釣りが鉄板。10 月上旬の時点で30㎝程度と型は小さめだが、数は多いので高確率で釣果が得られる。
11月に入って水温の低下が進めば40㎝級も顔を出すはず。釣りやすいのは上げ潮だ。ダンゴのアンコにアミエビを使って集魚効果を高めるのが秘訣。
また、日が沈んで辺りが暗くなると指3~4本幅のタチウオが回遊してくるので、紀州釣りから電気ウキ釣りの専用仕掛けに交換する。エサは冷凍キビナゴかサンマの切り身。群れの回遊は日没直後の1時間程度と短いことが多いので、時合を逃さないよう集中すること。回遊が頻繁にある場合は夕方になると大勢のタチウオファンが西堤に並ぶので好不調は分かりやすい。
なお、冨具崎漁港への釣行に関して、ちょうど木曽三川から流れ出る川水を正面から受けるので雨後は避けたほうがよい。特に下げ潮はきつい二枚潮が生じやすいので注意。これからの1ヵ月、大いに晩秋の知多半島で楽しんでいただきたい。
小ものの主役はシロギス。落ちを控えて食いも活発。夕飯のオカズにできる程度は釣れるはず。エサは入手できるならチロリがよい
問合先●イシグロ半田店(℡0569・26・1496)
2017/10/26