岐阜県長良川はひるがの高原を源流に太平洋にそそぐ160㎞の長大な川だ。上流域の郡上漁協管内には長良川源流をはじめ代表的な支流として吉田川、牛道川、亀尾島川がある。
郡上長良の源流域はテンカラ向きでアクセス至便。今年も行きたいベスト渓谷
文◎石垣尚男
いしがき・ひさお愛知県豊田市在住。テンカラ歴40 年。北海道の60cm オーバーのニジマスをテンカラで釣るのが夢。著書に「超明快レベルラインテンカラ」がある
この記事は『つり人』2017年3月号に掲載したものを再編集しています。
アマゴとイワナの混生域
岐阜県長良川はひるがの高原を源流に太平洋にそそぐ160㎞の長大な川だ。上流域の郡上漁協管内には長良川源流をはじめ代表的な支流として吉田川、牛道川、亀尾島川がある。いずれもアマゴとイワナの混生域で、源流部はイワナが多い。
私が今年も行きたい渓流は長良川本流と牛道川。何よりアクセスがよい。本流は東海北陸自動車道の高鷲ICから、牛道川は白鳥IC から至近。いずれもテンカラ向きの渓相なのも魅力といえる。
本流は毛バリまで6~7mの仕掛けが必要な場所もあり、毛バリをのびのびと振ることができる。牛道川の上流部は毛バリまで4m程度のコンパクトな仕掛けでポイントを丁寧にねらえる。広い川や狭い谷のさまざまなバリエーションを楽しめ、アマゴとイワナの混生域で魚の反応は早い。
高鷲ICから5分の「湯の平温泉」の上流部に大堰堤があり、ここからが私のお気に入りである。左岸から鷲見川が合流する付近はいくつか広いプールがあり、ここには良型のアマゴが潜む。ここのアマゴは5月ごろが盛期。季節が進むとしだいに上流がよくなる。時期を間違うと反応が乏しい。支流の鷲見川はザラ瀬が続きボサが多くテンカラ向きではない。鷲見川との合流点から上流はR156から離れ、また道路との落差が大きくなるので入渓点はわずかである。一旦入ると上流で右岸から合流する中村川の合流点までは退渓しにくい。ここまで概ね4~5時間。途中に入渓点がないため、先行者がいなければよい釣りが期待できる。落差が少なくポイントのはっきりした渓相が続く。アマゴとイワナを比べるとイワナのほうが多い。サイズはアマゴで25㎝、イワナで28㎝が最大クラス。
牛道川は短ザオと短めの仕掛けで挑む
右岸から合流する中村川の魚影も濃いが川幅が狭いので、短ザオはもちろん毛バリまで3.5m程度の仕掛けでないと毛バリがいくらあっても足りない。さらに上流にはR156から中村川沿いに下りたところに本流をまたぐ橋がある。この辺りはこれが本流? と思うほどの里川になる。川は開けていて毛バリを振りやすいが、容易に車で降りることができるので釣り人は多い。大型は期待できないが9月には尺イワナの実績もある。アマゴは叺谷の合流点まで。これより上流はイワナ域となる。
牛道川は道の駅の上流で阿あ たぎ多岐川と合流している。本流に比べ渓相はよい。高速道路の下流でも釣りになるが入りやすいので魚影は少ないうえ、季節が進むとカワムツばかりになる。野添付近までは護岸が続くが、六ノ里あたりからは段落ちの連続する渓相になる。六ノ里に善勝寺という寺があり、ここの桜は見事だ。昨年は満開少し前に訪れたが、テンカラはこの頃からがベストシーズン。
さらに上流の栃洞が最後の集落である。この辺りはポイントが明確な渓相でテンカラ向きであるが、狭くなるので慎重なアプローチが必要。アマゴとイワナの混生で大ものは期待できない。アマゴで23㎝、イワナで25㎝どまりである。ここより上流でサオをだしたことはないが、ところどころヤブがかぶるものの、短い仕掛けなら釣りになる。白鳥には平田つり具(℡0575・82・5359)がある。店主の平田さんはテンカラ名手なので最新情報を教えてもらえる。
長良川流域には渓流釣りファンが多く、サオ抜けを考慮してメリハリのある釣りを心掛けよう
朱点が鮮やかな盛期のアマゴ
タックルデータ
サオ:長良川本流部はシマノ「渓流テンカラZL」の3.4 m -3.8 mズームを3.8 m。
ライン:フジノ「ストレートライン」3号4m、ハリス0.6 ~ 0.8 号1m
毛バリ:バーコードステルス♯ 14、スレている時は# 16
●管轄漁協:郡上漁協(℡ 0575・65・2562)サオ:長良川本流部はシマノ「渓流テンカラZL」の3.4 m -3.8 mズームを3.8 m。
ライン:フジノ「ストレートライン」3号4m、ハリス0.6 ~ 0.8 号1m
毛バリ:バーコードステルス♯ 14、スレている時は# 16
●交通:本流は東海北陸自動車道の高鷲IC から県道45 号でアクセス、牛道川は白鳥IC を降りてすぐ
2018/2/8