全国おすすめ釣り場ガイド　関東・千葉県・銚子市／海鹿島の磯　クロダイ

銚子の乗っ込みクロダイを求めて

レポート◎石毛 卓

この記事は『つり人』2020年6月号に掲載したものを再編集しています。

石毛 卓
飯岡港からほど近い「プロショップケイズ旭店」の店長。ハゼからクロダイと付近の陸っぱりターゲットに幅広く精通。さらに一つテンヤマダイなども得意としている。クロダイに関しては犬吠埼周辺のポイントについて詳しい

乗っ込み本番

銚子周辺の釣況に精通している「プロショップ・ケイズ　旭店」の石毛店長より連絡が入る。

「釣れていますよ！　乗っ込み本番です！　クロダイ釣りに行きましょうよ！」とのラブコール。これに乗らない手はない。

銚子地区で乗っ込みは例年２月中旬からポツポツ聞かれ始め、３月上旬に本格化する。寒流の影響を受ける場所柄ゆえシーズンは長く、５月まで釣果が望めるものの、エサ取りの活性が激しくなるのがシーズンオフの目安だ。

そんな銚子地区で、石毛さんが「鉄板！」とイチオシする釣り場が犬吠埼の下に広がる地磯。比較的足場はよいものの、外洋に面しているので、少しのウネリでも被ってしまい危険。なかなか条件の厳しい釣り場なのだが、入れれば高確率で釣果を手にできるという。

３月初頭、午前６時にお店で待ち合わせ。今回は石毛さんと、助っ人の２人で釣果を出していただく算段。その助っ人は大原在住で、一つテンヤマダイの沖釣りで知り合い、お店の常連となった女良圭佑くん21歳の若者ながら、外房の磯でメジナを数多く釣っている強者。クロダイを専門にねらったことは少ない。

まず向かったのは、鉄板の犬吠埼。だが、前日から吹き続けている南風で、本命場所としてねらいをつけていた南側の磯は全滅。

そこで、石毛さんが向かったのは、犬吠埼の灯台の建つ駐車場へ向かうも、大波でアウト！

南寄りの風を避けられる犬若の磯。張り出した銚子地区の北側にあり、南風の逃げ場となる。ここでも今シーズンすでに50㎝オーバーが出ているとのこと。

あちこち探ってみるが、一向にアタリが出ない。時おり、スパッとウキを消し込むのはフグ。アタリがないまま、ハリだけ消失することもしばしば。

「ここは下げ潮がねらいめ。正午までチャンスがあるはず」と粘るものの、クロダイの気配は薄い。午後１時過ぎに、釣り場の移動を決心。

転戦先でイブシ銀

常連のお客さんから「ちょっといい型をバラシちゃった！」との情報を得ていた海あ しか 鹿島の磯へ向かう。ここは海鹿島海水浴場の脇に広がる磯で、比較的入りやすい。昔は磯伝いにポールが立っていて（現在は喪失している）、ポール下の磯と呼ばれていたところ。

磯の先端側に圭佑くん、その手前に石毛さんが釣り座を構える。磯伝いに海藻が茂り、その海藻帯に沿ってウキを流す。水深は１ヒロ前後と浅く、根掛かりも頻発するものの、時おり付けエサのオキアミが取られてくる。

配合エサは『チヌパワーＶ10 白チヌ』『チヌパワーダッシュ』などクロダイ専用の重めのエサにオキアミを混ぜ合わせる

時刻は午後３時。先にサオを曲げたのは石毛さんのご子息の圭佑くんだった。海藻帯に沿って走る魚は、なかなかの引きを見せている。しかし、石毛さんが玉網を手に駆け付けると同時にサオの曲りが戻る「なんで……!?」と茫然自失の圭佑くんに、「まだいるよ！　集中して！　ミチイトを出したら海藻帯に突っ込まれてアウトだよ。強引でもいいからサオを溜めて！」と石毛さんのアドバイスが飛ぶ。

そしてふたたび圭佑くんのサオが曲がる。今度はアドバイスどおり、サオで溜めて、魚を寄せる。海面下にギラリとヒラを打つのは本命のクロダイだ。34㎝と少々小振りながら、石毛さんの差し出すタモに納まる。

初めて銚子でクロダイを釣った圭佑くんは破顔一笑

日暮れ間近となった午後５時近くに石毛さんにヒット。タモに収めたのは35㎝。乗っ込みの大型とはいかなかったが、それでも本命を手にできてフッと一息。

35㎝と小ぶりながら本命を手にニッコリ

その後、夕マヅメの一発に期待したものの、エサ取りの猛攻が始まりジ・エンド。それでも銀ピカのクロダイを２尾手にできた。銚子のクロダイは、他の地域では見られない魚体の美しさが自慢。食味も脂が乗っていて絶品というから、アフターフィッシングも楽しみだ。

２人揃っての釣果に、喜びもひとしお

イチオシギア

サンライン『磯スペシャルマスラードⅡ』

磯際や沈み根際をタイトに攻める石毛さんが今回使用したのがこのライン。特徴は撥水部と親水部が１本のミチイトに交互に存在していること。高い撥水部分は水キレがよくラインの操作性を向上させ、潮馴染みのよい親水部分は強風時にも仕掛けを安定させることができる

ショップ

プロショップ・ケイズ　旭店

住所＝千葉県旭市ニ3278-1

営業時間＝10〜20時（土日祭日は9時開店、年中無休）

連絡先＝☎0479・64・1707

『一生幸せになれる料理147 お魚イラストレシピ大百科』

アジやマダイ、タチウオ、カワハギなど、19魚種の147レシピをかわいらしいイラストと写真でご紹介。さばき方から盛りつけのコツまでをわかりやすくお伝えします。作者は大垣友紀惠さん。12歳のときにANA「マリンジャンボ」をデザインした天才少女です。釣魚料理を愛する彼女が情熱で描き上げた一冊です。

『つり人2022年5月号』

今月の特集はチニングとエギング。どちらも的確に状況を読むことが重要となる奥深い釣りだが、基本が分かれば釣果への道のりは案外短いものです。チニングはワームの基本からプラッギングまで。エギングはカラー選びからチューニング。さらに、渓流スピナーの使い方やGWに楽しめる伊豆諸島ガイド、魚を美味しく食べるための薬味＆調味料などあらゆる魅力満載の一冊です。