渓流~源流でヤマメ、アマゴ、イワナ、ニジマスをねらうルアーゲームの基礎を風間俊春さんに教わった。「まずは45mmシンキングミノーの連続トゥイッチから覚えましょう」と風間さん。チェイスとバイトがすべて見えるって素晴らしい!

解説◎風間俊春(かざま・としはる)
写真・文◎月刊つり人編集部
埼玉県秩父郡在住で荒川水系がホームフィールド。本流の大型ヤマメやニジマスから源流のイワナまで、あらゆる渓流魚を相手にしたルアーフィッシングを愛している。ルアースクールなどで講師を務めることも多い。
目次
渓流ルアー釣りの魅力!チェイスが見える至近距離の駆け引き
渓流ルアー釣りの魅力は何なのか? その答えが端的にわかるシーンがあったので紹介しよう。話は風間さんのひと言からはじまる。
「釣りの最中の姿勢はできるだけ直立に近いほうが疲れにくいですよ」
そう教えてくれた風間さんだったが、その張本人が釣りに集中すればするほど前傾姿勢になっている。いったいなぜ?
「腰が疲れるのでよくないんですけど、気付いたら前かがみになっちゃう。まず、流れのなかに魚影がないか探すので前のめりになって、チェイスがあったらさらに前に傾く。『あと10cmでバイト』という駆け引き中はもっと顔が前に出ちゃう。流れとか魚に吸い込まれる感覚です。これだけ澄んだ水で、しかも至近距離で魚と駆け引きするルアーゲームはほかにありません。疲れるとわかってはいるけど、前かがみになっちゃうのは仕方ない(笑)。醍醐味ですね」
風間さんは45mm前後のシンキングミノーを表層でトゥイッチして魚を誘っていたので、基本的にルアーはずっと目視できる。チェイスやバイトもマル見えでドキドキ度は非常に高い。「食べて~」や「見切っちゃうか~」とひとり言を漏らしながら身体を傾ける風間さんは、まるでボディーランゲージでヤマメと会話しているようだった。

初心者におすすめの釣り場と必須装備
釣り場は渓流から源流までどこでもOKだが、入門にオススメなのは「C&R(キャッチ&リリース)区間」がある河川。「C&R区間」は魚体数維持の観点から設置されており、多くの場合、釣り方がルアーとフライ、テンカラに限定されている(釣行時は現地のレギュレーションを確認しよう)。魚の数が多く、また足場も整っていることが多いため釣りに集中しやすい。
キャッチ&リリース(C&R)区間で感覚を身につける
この日風間さんが釣ったのは山梨県・小菅川のC&R区間。奥多摩湖のバックウォーターからほうれんぼうの森キャンプ場までの2kmがC&Rになっており、ニジマスとヤマメが数多く生息している。源流域まで足をのばせばイワナをねらうことも可能だ。近くには小菅川の一部を管理釣り場化した「小菅川フィッシングビレッジ」がある。ニジマスとヤマメ、イワナが放流されているので、ここで魚を釣って感覚を身につけるのもオススメだ。
ウェーダーや偏光グラスなど渓流ルアーの基本装備
渓流ルアー入門には「45mmシンキングミノー」がおすすめ
風間さん自身の釣りで使用頻度が最も高く、入門者にもオススメなのが45mm前後のシンキングミノーだ。理由は3つ。
1. 重いので投げやすい
風間さんが9割の時間で投げていたのは「アレキサンドラAX-43HW」。43mm、3.3gのシンキングミノーだ。
「シンキングミノーは重くて投げやすい。シンプルな理由ですが、キャスティングの難易度が高い渓流では非常に重要なメリットです」。50mmにすればさらに投げやすくなるが、平均してバイトが多いのは45mm前後のミノーだという。
2. 表層からボトムまでレンジを刻みやすい
ロッドを立ててトゥイッチすれば表層を引くことができ、ボトムまで沈めてからアクションさせれば底を小突くことが可能。全レンジをねらいやすい。
3. トゥイッチでヒラ打ちさせることができる
ここまで2つについては同じくシンキングのスプーンやスピナーにも当てはまるが、ミノーはトゥイッチでヒラを打たせられるメリットがある。基本的にフィッシュイーターはヒラ打ちに本能を刺激されやすい。また、左右にダートさせることで、短い距離で数多くアクションさせることが可能だ。
3つの理由から、風間さんは渓流のルアー釣りを45mm前後のシンキングミノーで覚えることを推奨している。
スプーンやスピナーの使い所
渓流ルアーは45mmシンキングミノーだけでも充分楽しめるが、スプーン&スピナーもあれば万全。ミノーに反応がない日は2~3gのスピナーをただ巻きする。虫がハッチしているときや渇水気味のときに効く印象があるという。対してスプーンは増水傾向で流れの押しが強いときが出番。流れのなかでも安定してアクションしてくれるからだ。3.5g前後のものをただ巻きで使う。
基本のアクションは「連続トゥイッチ」
使い方はシンプル。ポーズを入れずに連続トゥイッチすればOK。風間さんの場合、ほとんどのポイントは表層(水面下20cmほど)だけを探っていた。
「基本的には表層で釣りたいんです。すべてが見えるのでドキドキしますし、表層を意識している魚ほどヤル気があるので釣りやすいからです」
同じコースに2投以上して、表層以外のレンジを探っていたのは魚が見えたときと、チェイスがあったとき。表層ではバイトまで至らなくても、中層を引けば食ってきたり、ボトムを叩くと急にスイッチが入ることが多々あるという。
リズムの変化で魚の闘争心に火をつけるトゥイッチのコツ
チョン!とロッドを煽ったらすぐに手首を返しティップを元の位置に戻すことを意識する。こうすることでラインスラックが適度に生まれ、ミノーがより生き生きとヒラを打ちやすくなる。トゥイッチのリズムは必ずしも一定でなくても大丈夫。テンポの変化が魚の闘争心に火をつけ、「あと10cm」が詰まることも多い。
渓流魚をねらうタックルセッティング
ロッドはトラウト用の5~5ft3inのウルトラライト(UL)パワーが使いやすい。ラインについては、風間さんは強度に優れるPEを使っているが、最初はナイロン4Lbがオススメ。しなやかでトラブルが少なくキャストもしやすい。入門にはスピニングをオススメしているが、ベイトフィネスタックルを扱ったことがある人はベイトフィネスでもOKだと風間さん 。
ロッド:エゲリアネイティブパフォーマンスETNS-53UL(パームス)
リール:ヴァンキッシュFW1000S(シマノ)
メインライン:スーパートラウトアドバンスダブルクロスPE0.6号(バリバス)
リーダー:トラウトショックリーダー4Lb(バリバス)40cm/電車結びで結束
スナップ:#0(ルアーが大きい場合は#2まで使用)/クリンチノットで結束
渓流でのポイント選びとアプローチ方法
落ち込みや反転流、大きな岩のエグレなどの大場所は風間さんも大好き。ただし、それ以外の何の変哲もない流れにも必ずルアーを通していた。
ねらうポイントは「すべて」!変化のない平場も探る
「変化がない小砂利のチャラ瀬でもルアーを通すべきです。移動中の魚がいることがありますし、魚は意外なところに隠れていたりしますから」
実際、釣行日は落ち込みなどのわかりやすい場所では一度もヒットがなく、釣れたのは小さな岩の周りや平場だけだった。風間さんによるとこれは決して珍しいことではなく、先行者がいたり、普段から人が多かったりする釣り場ほどこの傾向が強いという。
なので、渓流ルアーを覚える際は「魚はこういう場所にいる」という知識を一度忘れてみて、すべて撃ってみる感覚で釣ってみると面白い。
コース取りはアップクロス~クロスキャストが基本
※この記事は月刊『つり人』2021年7月号に掲載したものを再編集しています



