東京周辺、そして東京都内に、次々と新たなクロダイフィールドが誕生している。品川区内の京浜運河は古くから釣り人に親しまれているが、以前とは違う新たな表情で楽しませてくれている。
東京では2015年ごろからクロダイの魚影が濃くなった
写真と文◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年9月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
東京周辺、そして東京都内に、次々と新たなクロダイフィールドが誕生している。品川区内の京浜運河は古くから釣り人に親しまれているが、以前とは違う新たな表情で楽しませてくれている。
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元を正せば…
「京浜運河でクロダイ、キビレが増えだしたのは5年くらい前からですかね。投げ釣りの外道でチンチン、カイズクラスが目立つようになり、今では京浜運河のみならず、この界隈のどこでも良型クロダイが釣れています。ただし、ヘチ釣りとなると、できる場所はごくわずかですから緑道公園の新しい遊歩道はとても魅力的ですね」
そう話すのは、京浜運河そばの大森北に店を構える昭和15年創業の老舗大倉屋釣具店(現在は閉業)で店主をしていたの二代目店主・鈴木幸一さんだ。
ハゼなどの小物釣り用品からシーバスルアー、沖釣り用品など各ジャンルの釣り具が勢ぞろいする店内にあって、ヘチ釣り用品の充実度は群を抜いている。特に欅や花梨、紫檀や黒檀など30種類以上もの銘木を材料にしたタイコリールの品揃えは圧巻で、初めて足を踏み入れた郡さんは「いや、びっくりした。異空間だね……」と感嘆のため息を漏らしていた。
売り場とは別の“秘密の小部屋”にも入れてもらった。和の釣り道具が好きな方にはたまらない店だ
クロダイは2015年ごろから急速に増えた
「この界隈にクロダイが増えたのはここ4~5年で、緑道公園のヘチ釣り場は完成してまだ1年足らずですが、もとを正せば昔あった大森防波堤はカイズ釣りの名所でした」
鈴木さんがそう言うと、「なんか同じような話を前回も月島の老舗釣具店で聞いたような(笑)」と郡さん。昔は都内でクロダイは釣れなかったが、大昔は釣れていたのである。
「この菊の御紋のようなデザインのタイコリールは初めて見たよ。クジラの骨が素材のタイコリールとか珍しいものだらけ!」と興奮気味の郡さん。山岸さんも以前ここで銘木リールを購入している