アカムツといえば誰もが知る高級魚。東北エリアでは例年ゴールデンウイークごろに釣りのシーズンが開幕するが、水温の上がる6~7月は数釣りも期待できるようになる。今回はスロージギングでねらう山形県酒田沖のアカムツゲームを紹介する。
海中のルビーを掘り当てよ!
協力◎樋口隼人
アカムツといえば誰もが知る高級魚。東北エリアでは例年ゴールデンウイークごろに釣りのシーズンが開幕するが、水温の上がる6~7月は数釣りも期待できるようになる。今回はスロージギングでねらう山形県酒田沖のアカムツゲームを紹介する。
東北屈指のアカムツフィールド
東北のアカムツフィールドで有名なのは青森の日本海側とこの山形県酒田沖。水深は主に140~200mで、根脇の泥場や砂地がポイントとなり、海中の底からだいたい0.5~2m上に群れることが多い。
酒田沖でのアベレージサイズは25~35㎝で、たまに40㎝オーバー(1㎏オーバー)も釣れる。アカムツの他にはウスメバル、オニカサゴ、ムシガレイなどのゲストフィッシュが釣れる。
2018年の5月7日に良型を釣ったお客さん
アカムツは例年であれば5月のゴールデンウイーク頃から釣れ始める。6~7月は水温の上昇とともにサイズがじゃっかん落ちるものの群れるようになり、数釣りが期待できる。
Always船長の樋口さん。自身もアカムツジギングのエキスパート
フォールが決め手
スロージギングとは、スローにシャクることではない。あくまでフォールがスローなことを指す。基本的にこのフォールで魚に口を使わせるのだが、この時のラインテンションをどうするかによって釣果に差が出る。ジグの重みを完全にロッドに乗せるのか、張らず緩めずに保つのか、完全にたるませるのか、一瞬たるませてからテンションをかけるのか……など。いずれにせよ、ジグの特性を把握したうえではるか200m下での動きを正確にイメージして、いかに食わせるかが大事だ。
シャクリよりもフォールが大事なのがアカムツジギングだ
アカムツのタナは底から1m程度なので、リールを巻かずにシャクリとフォールを繰り返す。もしくは、たまにハンドルを4分の1程度巻きながら底から2mほど浮かせてから再度着底させる、止める時間を一瞬から2秒程度まで変えてみるなど狭い範囲で誘いに変化を与えよう。反応がなければ、いったん10mほど巻き上げてアカムツの視界から消す、動きを大きく変化させるのも有効だ。
6~7月のねらい方は、活性が高い時はロングジグを使用し、割と大きなシャクリでアピールする。低活性時は、ショートジグを使用し、小刻みに動かし同じレンジにメタルジグをホバリングさせるイメージで使うとよいだろう。
その日のヒットパターンなど、同船者と積極的に情報を共有し釣果を伸ばしたい
アタリはシャクり終えた直後、フォール途中、動きを止めた時に出やすい。アタリを感じたらそのままロッドをスーッと立てていくか、いったんロッドを下げて掛かっていないフックまで魚体に絡ませてからロッドを立てて合わせる。
ガツガツ、ガガガガと暴れるアタリがアカムツの特徴で、最後まで抵抗を見せる。とにかく口が軟らかくバレやすい魚なので慌てずにテンションを一定に保つようにゆっくり巻き上げる。1尾の価値が高いだけにそのバレそうな緊張感もこのアカムツジギングの魅力だ。水面にあの鮮やかな赤色が見えた時のうれしさは格別。
アカムツはバレやすいので慎重に巻き上げたい
そして、運良く釣って持ち帰ることができれば家でも至福の時が待っている。刺身や煮つけにすれば、高級料亭真っ青の究極の家庭料理が味わえる。
メタルジグはスロー用の180~230gを使用
シーフロアコントロール『アロー』 群れがまとまり競争して捕食するようになったらお勧め。アピールが強いぶん、結果が早く出る。使い方は大きめにリフトし、ゆっくりとジグの姿勢をイメージしながらフォールさせるとよい。
貴重な魚だけに1尾でも満足度は高い
「今日は3本目です!」と好調のお客さん
ゲストでヒットしたムシガレイ
皮を炙った極上の刺身。釣り人の特権だ
遊漁船Always 住所=山形県酒田市大浜1丁目3番24号
停船場所=酒田小型船舶安全協会第1PBS
問合先=℡090・1493・8385
アカムツジギング=乗合1万1000円~
交通●日本海沿岸東北自動車道・酒田ICから県道59号線とR112を経由し、車で7.6km、約12分
協力◎樋口隼人
酒田港遊漁船「Always」の船長。東北ではいち早くアカムツジギングに取り組み、近年はほぼ専門船として知られている
この記事はつり人2018年7月号でも読むことができます
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2019/6/6