【バサクラ2022に学ぶ】藤田京弥選手／オールスターで使用した独創的なルアー「ダブルパイン」とは

オカッパリ＆レンタルボートでも真似できる出場選手のメインパターン

2022年10月29～30日にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。トーナメントの釣りには、オカッパリやレンタルボートの釣りに生かせるヒントが詰まっています。今回は藤田京弥選手の釣りを紹介します。

◎まとめ：編集部　◎写真とフットステップレポート：DAY1プレス／水藤友基　DAY2プレス／新倉裕司

藤田京弥選手のプロフィール

藤田京弥（ふじた・きょうや ）
1996年生まれ

主な戦歴：
2019年 JB TOP50 旧吉野川戦 優勝
2019年 JB TOP50 年間優勝
2021年 JB TOP50 桧原湖戦 優勝
2021年 JBマスターズ 津風呂湖戦 優勝
2021年 JB TOP50 年間優勝
2021年 JB マスターズ 年間優勝
2022年 JB TOP50遠賀川戦 優勝
2022年 バスマスターノーザンオープン年間2位　

みんながパワーフィネスをやる時代で釣るために

藤田選手のメインルアー

■ダブルパイン ※パインシュリンプ3.5in（ジャッカル）をチューンしたもの　＋ヘビーガードタリズマン #3（リューギ）＋バザーズワームシンカーTG ペアーリング 1/8oz（ダイワ）

■パインシュリンプ4.5in（ジャッカル）※寸詰めチューン＋ワームフック LDマスター #3/0（がまかつ）＋バザーズワームシンカーTG ペアーリング 1/4oz（ダイワ）

　試合前日、藤田選手に話を聞く機会がありました。

藤田「16℃以上あった水温が今週一気に14℃台まで落ちました。上に被さるものがあるカバーのなかで縮こまっているバスが多いんじゃないかと思っています。だからたとえばミズヒマワリやブッシュを撃ちたい。ルアーは悩んでいます。パインシュリンプを細くカットして使うとかアリかも……

　そのルアーこそが初日に２尾をキャッチした「ダブルパイン」でした。今回のオールスターで藤田選手がもっとも投げたルアーです。

　ソフトベイトはパインシュリンプ3.5inARカスタムの「アーム＋ヒゲ２対」を合体させたもの。リグも特殊で、ダウンショット用シンカーのアイ部分をワームに埋め込んでそこにガード付きマスバリを通すというセッティングです。リーダーレスダウンショット的な要素もありつつ、ワッキーでもある。フタのあるカバーの下で縮こまっているバスをロングシェイクで食わせるためのアイデアです。藤田選手は柔軟な発想をもとに独特なリグやワーム（カットしたりくっつけたりしたもの）をよく使うイメージがありますが、それを地で行くメインルアーでした。試合では、どのような意図でダブルパインを使ったのでしょうか。

藤田「今はみんながパワーフィネスをやる時代。普通のスモラバやネコリグにスレている魚も増えていると思います。また、霞水系のような濁りが入ったフィールドは、見えているバスのそばにルアーを落としても、魚がルアーに気付かないことが多々あります。ダブルパインは全長にしておよそ3inと小さいサイズ感ですが、アームやヒゲが水を押すことにより、濁った水系でもしっかりとバスにアピールすることができるんです。使い方はスモラバやカバーネコと同じで、ブッシュに入れてシェイクさせながら使いました」

　ダブルパインと同様にメインで使ったルアーが、パインシュリンプARカスタム4.5in（※寸詰めチューン）の7ｇリーダーレスダウンショットリグでした。

藤田「パインシュリンプARカスタム4.5inの、水を動かすアクションがとても気に入っています。大きいアームがしっかりと水を動かしてアピールして、フラスカートの部分が水を受けて抵抗になるため、スイミングで使ったときに手前に寄ってきづらい。強いアクションでゆっくりと誘うことができます。昔に発売されていたパインシュリンプより素材が軟らかくなっていて、ワームがよくしなるのでポークみたいな動きが出るんです。4.5inの大きさそのままでもいいんですがサイズ感を霞水系に合わせて寸詰めしました。リーダーレスダウンショットリグにセットして、ブッシュカバーに入れて落としたり、落とした後にスイミングさせて使いました。ジグストとまではいかないのですが、ルアーをフワフワと動かしながら泳がせるイメージです。リーダーレスダウンショットリグは下に重心がくるので安定した姿勢でスイミングさせることができます」

　藤田選手は先述したダブルパインをパワーフィネスタックルに合わせ、北利根川で2尾・1300ｇをキャッチして初日を折り返します。北利根川にリミットメイクの可能性を感じていた藤田選手でしたが、２日目は東浦・山王川でビッグバスを当てにいく戦略を採ります。

藤田「この時期の東浦には、恋瀬川や山王川系のバスが落ちてくる傾向があって、釣れる魚がマッチョなんです。ダブルパインやパインシュリンプのリーダーレスダウンショットリグに加えて、クランクベイトやスピナーベイトの巻きの釣りを交ぜてビッグフィッシュをねらいにいきました。山王川ではサイトフィッシングで1.5kgと2kgクラスを掛けることができたのですが惜しくもキャッチできず。2日目はゼロ覚悟で勝負しにいきましたが、冒険しすぎたかもしれません。もし次に出るチャンスがあったら、2日間しっかり釣って観客の皆さんに魚を見せたいなと思います！」

藤田選手が掛けた2kgクラスの動画はコチラです↓↓↓

［タックル］

■ダブルパイン用 

ロッド：プロトモデル

リール：イグジストLT2500S-XH（ダイワ）

ライン：UVF メガセンサー12ブレイドEX＋Si 1.2号（ダイワ）＋フロロカーボン3.5号

■パインシュリンプ4.5in用

ロッド：スティーズ リアルコントロール　C73H-SV･ST（ダイワ）

リール：ジリオンSV TW 1000XHL（ダイワ）

ライン：レッドスプール16Lb（ジャッカル）

藤田選手のフットステップ

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▼スタート前～スタート直後

11番スタート

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▼常陸利根川

6：45

萩原閘門に1番で到着。門が開くまでスピナーベイトを投げる。（以下、すべてスーパーイラプションJr. 3/8oz）

7:02

ほかの選手が通過する中、ブッシュ撃ち開始。ダブルパイン（パインシュリンプ3.5in ARカスタムのアーム2対を合体させたもの）のマスバリを使ったリーダーレスダウンショット風のリグを撃つ。

3日前くらいに冷え込んで水温が16～17℃から14℃台に下がっていた。バスが縮こまっているのではないかと想定。

「昨日は暖かかったのでなんともいえませんが水温低下がどう響いているのかが気になります。晴れているので巻き物って感じでもないし。でも、秋は巻き物で横に探った途端に食いだすことも」

キンチャクにはスピナーベイトを投げる。

7：18

外浪逆浦の沈船ワンド・通称「ナサチン」

沖のウッドカバーをダブルパインで撃ち、岬にはスピナーベイトを通す。

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▼北利根川

7：30

左岸。レイダウンをスピナーベイトで探る。パインシュリンプ4.5inARカスタム（ボディーは寸詰めチューン）の7ｇリーダーレスダウンショットリグにローテーションして探る。

7：51

右岸に移動して、ミズヒマワリの周りをスピナーベイトで探る。「多く巻きすぎた」とスピナーベイトのリールからラインを抜く。木曜日のプラではバスかどうかあやしい3バイトのみだったという。

7：58

北利根川　右岸（夜越川対岸）のブッシュ

「誰もやってない。釣れる気しかしない」

マスターズやTOP50と比べて出場人数が少ないため、極端にプレッシャーが少ないのが楽しくて仕方がないようす。朝から麻生エリアに走ってもよかったのだが、いいところが空いていたし、江口選手が麻生方面に船を走らせたのを見て、北利根川から始めた。

「北利根の水がいい」

8：02

360ｇのノンキーパーサイズがヒット。ワームはダブルパイン。アシの根元にミズヒマワリの群生があるスポット。バイトはほぼ出なかった。

「この釣りが合っている証拠。上に被さるものがあるところのボトムでじっとしている感じじゃないか」

8：10

水中から生えた柳の木で750ｇをキャッチ。ルアーはダブルパイン。外側をかなり細かく撃って、中に入れた瞬間に食った。先ほどと同様、明確なバイトは出なかった。

「水深のあるカバー、こういうところだな。浅いところにはいる感じがしない」

プラでは水温がほかより高いところも探したが、バスの反応は同じだったため、スローにやるしかないと判断。北浦方面には被さっているブッシュがあまりないという。

8：40

風が吹きはじめる。上流から北利根川を吹き抜ける方向。

8：55

北利根川右岸・横利根川合流点の岬

スピナーベイトを巻き、岬に寄ってダブルパインを撃つ。

9：02

北利根川・北利根橋上流の水門周り

レイダウンを探るが反応はなく、移動を決意。

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▼霞ヶ浦東岸・麻生エリア

9：12

石積みの外面に沈むウッドカバーでヒット。550ｇ。ダブルパインの1投目でがっつり食った。

「さっきよりも明確にバイトが出た。ファイトも元気」

「インサイドは水がきれいになっている」

9：28

麻生エリアの少し北側へ移動。インサイド側のウッドカバーを撃つ。

「マスターズならこの木ひとつにつきひとり浮いているようなスポットです」

ベジテーションのマットを撃つとキリがないので木を重点的に探る。

石積みではＤビルシャッド55MRを巻く。

10：00

船小川合流地点の北部にあるレイダウンを撃つ。

「2本釣れたからデカいのをねらいに。東浦方面にはマッチョがいる」

10：10

霞ヶ浦東岸・玉造エリア

石積みのインサイドを探る。浅いのでエレキのマウントにフェンダーをかます。生中継しているかをしばしば確認する。

「中継中に釣るのって難しいですね」

「みんな釣ってると思います。これだけ人が少なくてうまい人たちがやっていたら3本は揃う」

ブッシュでギルバイト？　パインシュリンプ4.5inのリーダーレスダウンショットリグですっぽ抜け。片腕が取られた。フォローで入れたビークにもアタリが出たがすっぽ抜け。

11：08

東浦へ移動（玉造の湯の近く）。パインシュリンプ4.5inの7ｇリーダーレスダウンショットリグで撃っていく。

「冷えてサカナが抜けた？　わからない。さっきからパインシュリンプ4.5inのリーダーレスダウンショットリグで撃っているのは東岸のインサイドが濁っているから」

「山王川には河口湖みたいなゴーマルが5本いるんですけどね」

11：25

ブッシュ奥でビッグバイト。ガチファイトしていたがキャットフィッシュだった。

「途中まで1800ｇくらいのバスだと思っていた」

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▼霞ヶ浦・古渡エリア

11：54

大移動して古渡へ。飯出にある船溜まり横のブッシュをねらう。風が当たっているエリアの風裏になるスポット。

12：10

古渡の入口寄りの石積みインサイドに移動。入ろうと思ったところに小島選手の姿が見える。

「めっちゃピンポイントやってる。まじか」

その西側に入って、ブッシュをリーダーレスダウンショットリグで撃つ。

「今日は浅いところではノーバイト。しかもすこし落としてから反応している。魚のレンジ自体が深い感じ」

12：24

小島選手が移動したのでそのあとに入る。インサイドのウッドカバーや石積みをシャッドで探る。

「もうこんな時間か。あっという間だ」

「冒険しすぎたかな？　そんなもんです（笑）」

麻生に寄り道しようとしたが、遠回りになるのでやめる。利根川方面へ向かう。

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▼利根川

12：57

萩原閘門

パイルシートをスピナーベイトでチェックして、閘門をくぐり利根川へ向かう。

13：38

利根川・小見川大橋上流　右岸の水門

水門周りをダブルパインで撃つ。外側の護岸のレイダウンもチェック。

13：42

少し上流に移動。ドック周りをスピナーベイトで探り、そのままアシを流していく。帰着のためにボートを走らせる。帰着2分前に会場に到着。

「意外と遠かった（汗）」

DAY2

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▼スタート直前～直後

14番スタート。萩原閘門を目指して走行。スピードは時速約100㎞。閘門手前で奥村選手に追い越される。

「100㎞出して抜かれるとは思わなかった」

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▼常陸利根川

6：19

萩原閘門着。今江選手、江口選手、奥村選手、山岡選手と一緒に通過。

6：32

萩原閘門の常陸利根川マウス部にあるブッシュで釣り開始。スピナーベイトで探る。水温は15℃。2、3投で移動。

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▼北利根川・夜越川合流部対岸のブッシュ

6：52

北利根川のブッシュに移動。ダブルパインをキャスト。アクションはシェイク。

「なんでこんなに濁ってるんだろう」

6：58

「北利根川のバスはスレ気味。それに比べて本湖のバスはフレッシュだが数が少ない」

7：14

北利根川・北利根橋上流の水門　

本湖側のブッシュにスピナーベイトをキャスト。ダブルパインでアシを撃つ。

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▼霞ヶ浦・麻生エリア

7：27

麻生エリアの石積みエリアに移動。ストレージからクランクベイトの付いたタックルを取り出す。ルアーはDT6。

7：30

昨日魚をキャッチしたブッシュへ移動。ダブルパインを撃ち、細かくシェイクして探る。

7：33

DT6で石積みを探る。

7：50

上流に移動しながら石積みにはDT6、ブッシュにはダブルパインをキャスト。

8：00

スピナーベイトやスモラバもローテーションに加えながら探る。

8：44

DT6に魚らしきアタリが出る。

「多分キャットですよ」

8：56

ドックの外側をDT6で平行にトレース。移動を決意する。

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▼霞ヶ浦・山王川

9：12

ハドルトラウトをストレージから出してフックチェンジ。シンカーでウエイトを調整する。山王川ではサイトの釣りを中心に展開していく。

9：25

ダブルパインをブッシュに入れてシェイク。

9：34

ハドルトラウトでブッシュ際を探る。

9：40

スピナーベイトでアシ際を探る。

10：04

サイコロラバーをブッシュに入れる。

10：36

「やばい。0になってしまうかも」

10：59

パインシュリンプのリーダーレスダウンショットリグをブッシュにキャスト。推定2㎏フィッシュがバイト。3Lbラインで慎重にやり取りするが枝にラインが絡まってしまいラインブレイク。「しょうがない」と話すが、かなり悔しそう。

11：03

パインシュリンプのリーダーレスダウンショットリグを結び直して釣り再開。ダブルパインやゾーイにルアーをローテーションさせながら探る。

11：24

サイコロラバーにルアーをローテーション。

11：29

バイトがあるもフックアップせず。推定1500～1600ｇ。

11：31

サイコロラバーをのタックルをPEにチェンジ。

11：47

ビーク＋パインシュリンプ3.5inにルアーをローテーション。

11：57

濁りが入ってきたため、移動。

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▼霞ヶ浦・麻生エリア

12：19

ブッシュにダブルパインをキャスト。シェイクして誘う。

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▼北利根川・夜越川合流地点対岸のブッシュ（右岸）

ブッシュにダブルパインをキャスト。シェイクして探る。

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▼外浪逆浦の沈船ワンド「ナサチン」

12：37

アシにスピナーベイトをキャスト。

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▼利根川

12：49

萩原閘門に移動。江口選手といっしょに閘門を通過する。

13：09

利根川・小見川大橋上流（千葉県側）に移動。鉄杭＋ブッシュをダブルパインで探る。

13：12

上流に移動しながらダブルパインをキャスト。スピナーベイトにルアーをローテーションしながら探る。

13：30

帰着。

YouTube配信のアーカイブはこちらからご覧ください↓↓↓

Basser Allstar Classic2022 最終成績表