釣りを仕事にしたい——そう考える若者は少なくないが、そこへ至る道筋が示されている機会は多くない。人気ルアーメーカー「issei」(滋賀県大津市)が2026年からスタートした、釣りを仕事にしたいアングラーを育成する取り組み「壱釣塾(いっちょうじゅく)」は、まさにその入口をつくろうというものだ。同社はこのほど、一期生3名が決定したことを発表した。

まとめ◎つり人オンライン編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
釣りの技術だけでなく、「仕事にする」ために必要なものを学ぶ
壱釣塾は、釣りを仕事にしたいアングラーを育成することを目的とした取り組みだ。特徴的なのは、その対象が釣りの技術に限定されていない点にある。
同社によれば、釣りを仕事にしていくために必要な考え方や発信力、知識力などを身につけ、将来的に釣り業界で活躍できるアングラーを育てることが狙いだという。実際、一期生を対象としたオリエンテーションではコンプライアンスやマナーに関する講習が行なわれた。釣りが上手いだけでは業界で活動できない、という現実を踏まえた内容といえる。
一期生の募集には多くの応募が寄せられ、応募者それぞれの想いや目標をもとに、塾長の村上晴彦さんをはじめ、赤松健さん、大橋正義さんらスタッフによる選考が行なわれた。
選ばれた一期生3名
一期生に選ばれたのは、二ノ宮優さん、神田夏輝さん、星野就太さんの3名。得意とする釣りも、目指す将来像もそれぞれ異なる。
二ノ宮 優(にのみや ゆう)

2025年から関東を中心にバス釣りを始め、同時にYouTubeチャンネル「ユニツリ」を開設。釣行動画を中心に毎週更新を続けている。釣果だけでなく「なぜこのルアーを選んだのか」「なぜこのセッティングにしたのか」といった自身の考えを伝える発信に取り組んでおり、壱釣塾ではプロアングラーの考え方や伝え方を学び、釣りの楽しさをより多くの人へ届けられる発信者になることを目標としている。
神田 夏輝(かんだ なつき)

広島県と山口県の県境にあるダムをホームフィールドとする高校2年生。3歳頃に初めて釣りを経験し、ブラックバスを自分でキャストして釣る楽しさに夢中になったという。現在の目標は、琵琶湖でのバスガイドを生業とすること。釣りの技術だけでなく、文章を書く力や人前で話す力といった釣り以外の能力も身につけ、釣りの魅力を多くの人に伝えられるアングラーを目指す。
星野 就太(ほしの しゅうた)

魚に特化した専門学校で、調理、飼育、養殖、釣り実習、市場、水族館など、魚に関わる幅広い分野を学んでいる。普段はライトゲームからライトショアジギング、エサ釣りまで幅広く楽しみ、なかでもアジングやメバリングを得意とする。将来の夢は自ら釣具メーカーを立ち上げること。単に釣れるルアーを作るのではなく、夕暮れの漁港や朝一の磯など、釣り人が感じる景色や時間、ワクワクまで届けられるメーカーを目指しているという。
8月1日にオリエンテーションを実施
2026年8月1日、issei社屋にて壱釣塾のオリエンテーションが実施された。当日は一期生の二ノ宮さんと神田さんが参加。あわせて、現在isseiのフィールドスタッフとして活動する佐藤リョーキさん、白水和雅さんも「0期生」として参加している。
内容は、各メンバーの自己紹介に始まり、プロアングラーとして活動するために必要なコンプライアンスやマナーに関する講習、今後の活動に向けた目標や課題を共有する個人面談、一期生とisseiマーケティング部による質疑応答など。最後には赤松健さん、大橋正義さん、そして塾長の村上晴彦さんから、それぞれの経験をもとにしたメッセージが贈られた。
同社は今後も、釣りの技術だけでなく発信力や考える力、プロとして活動するための知識など、釣りを仕事にしていくために必要な学びを提供していくとしている。一期生3名がどのような経験を重ね、どんなアングラーへと成長していくのか。その過程そのものが、釣りを仕事にしたいと考える若者にとっての道標になるかもしれない。



