釣り人オンライン https://web.tsuribito.co.jp/ 1946年創立の釣り専門出版社・つり人社が運営する総合釣り情報サイトです。 Mon, 18 Aug 2025 03:30:57 +0000 【アユルアー】伝説的ルアー“ジョインテッドクロー”が、アユの世界に殴り込み!その名も「邪神」 https://web.tsuribito.co.jp/news/ayulure-joiclaw つり人編集部 trend 194375624322 Sun, 17 Aug 2025 02:00:00 +0900

アユルアー(アユイング)がジャンルとして定着しつつある今、ルアーフィッシング界の伝説的スイムベイトが新たな選択肢に名乗りを上げた。アユ用に専用設計されたその名は「ジョインテッドクローシフト113邪神」。ミノーでもバイブでもない"邪神"誕生の舞台裏を効果的なふたつの使い方とともに深掘りする。

アユルアー(アユイング)がジャンルとして定着しつつある今、ルアーフィッシング界の伝説的スイムベイトが新たな選択肢に名乗りを上げた。アユ用に専用設計されたその名は「ジョインテッドクローシフト113邪神」。ミノーでもバイブでもない"邪神"誕生の舞台裏を効果的なふたつの使い方とともに深掘りする。

写真と文◎可児宗元

アユルアー専用「ジョインテッドクローシフト113邪神」誕生

和歌山・三重・奈良をまたぎ、熊野灘へと注ぐ清流・熊野川。太古の自然を残すこの流れに立ち、ひとつのルアーがキャストされた。着水したルアーは流れをとらえてゆっくりと泳ぎ出す──そのボディーは、まるで本物のアユのようにしなやかに揺れ、石の際でヒラリと身をくねらせた。

「これが『邪神』の動きなんですよ」と笑顔で話すのは、ジョインテッドクローシリーズの開発者であり、ガンクラフト代表の平岩孝典さん。新たに開発された「ジョインテッドクローシフト113邪神」のテストを兼ね、友釣りのトーナメンターであり中学時代の釣りの師匠である喜多幅武さんとともに訪れた熊野川で、その性能を自ら披露してくれた。

平岩さん

ジョインテッドクローが変えたルアーの常識

「バス用として長年信頼されてきたジョイクロを、今度はアユの世界で本気で使えるようにした。それがこの邪神なんです」

アユルアー界に新風を吹き込もうとしている「ジョインテッドクローシフト113邪神」。そのルーツを語る上で、外せない存在がオリジナルの「ジョインテッドクロー」だ。

このルアーがバスフィッシング界に登場したのは2004年。当時、ミノーやクランクベイトといった直線的なアクションのルアーしか存在しなかったなかで、滑らかに蛇行するS字軌道で泳ぐビッグベイトという全く新しいルアーとして衝撃を与えた。ただ巻くだけで、まるで本物の魚のように水を切りながらスイーッと泳ぎ、時に流れを受けてふらつき、揺らめくボディー。

このS字系スイムベイトがなぜ魚に効くのか?ただ一直線に泳ぐのではなく、常に進行方向が変化する蛇行軌道は、ルアーの先にアングラーの気配を察知されづらい。まるで意志をもつ魚のような動きが警戒心の強いフィッシュイーターに効いた。

それでいてアングラーの意志を機敏に表現する芸達者ぶりも併せ持つ。たとえば、流れに乗せて漂わせたところからリールを一気に巻いて急加速させれば、天敵に気づいて逃げるベイトフィッシュに。ラインスラックを利用して軽くトゥイッチを入れれば、左右にグリンッと急旋回。弱ってヒラを打つ魚を演出することもできる。ジョイクロが多くのアングラーのタックルボックスに常駐するようになっても、使い手次第で千差万別の顔を見せるこのルアーの釣果が衰えることは無かった。

加えて、リアルで美しいシェイプとカラーリングも、アングラーの感性に強く訴えかけた。ビッグベイトというサイズ感を感じさせないナチュラルな外観は、バスのみならずトラウトやシーバス、果ては海外の大型淡水魚までをもターゲットにできるスーパールアーへと進化していった。

ジョイクロ113をベースにアユ用にカスタム

ジョイクロとアユの縁は現在のアユルアーシーンより以前から既にあった。

「ジョイクロでバス釣りをしていて、バックウォーター(ダム湖上流の流れ込み)でアユが反応することって結構あるんですよ。見た目がそもそもアユに似せて作ってるわけだし、動きも本物のアユそのもの。だからユーザーからも『アユ釣れますよね?』って声は以前から多かったんです」

そう語る平岩さんが、ならば本気でアユ専用に作ろうと着手したのがジョインテッドクロー邪神。ジョイクロシフト113をベースに、腹部にシンカー用のアイ、リアにハリス止めを追加し、フックセッティングと姿勢調整の自由度を高めた専用設計だ。

1/2ozクラスのウエイトは、アユルアー用ML〜Mクラスのスピニングタックルで扱える絶妙なバランス。通常のミノーよりやや重みがあるぶん、流れの強い瀬でも姿勢を崩しにくく、底付近を通しやすいというメリットもある。ラインはフロロ6〜8Lb、もしくはPE0.6〜0.8号+リーダー8〜12Lbが推奨だ。

ジョイクロ邪神のヘッド
フロントにはシンカー用のアイを装備。流れの強い場所ではシンカーをセットして沈める。底を這わせるように泳がせたいときにも有効
ジョイクロ邪神のボディ
従来のフックアイはオミットされ、ハリス止メが装着された専用設計。後ろ側のジョイントはエラストマー素材によって接続される「ROM ダンパー」機構を搭載し、流れの強さによって変化するアクションを演出する

アユよりもアユらしく

邪神最大の特徴は「アユらしく、しかしアユ以上に」水中でリアルな挙動を見せることにある。ポイントは、リップレスであることと2ヵ所のジョイント構造。

「普通のアユ用ルアーは、常に頭が上流を向くように設計されていて、流れの中でも姿勢が安定してる。それに対してジョイクロ邪神は、流れに乗せるとちゃんと頭を下流に向けてナチュラルに下っていくし、横泳ぎ、ターン、イレギュラーなヒラ打ちも自在。まるで自分の意思で泳いでる魚みたいに見えるんです」

後方のテールジョイントには、ダンパー機構が搭載されており、受ける流れの強さでアクションが変化(シフト)する設計だ。弱い流れでは腹部ジョイントだけが動いて「悠然とした泳ぎ」を、強い流れでは尾ビレも連動して「必死に泳ぐ挙動」を自然と演出できる。つまり、状況に応じて勝手にアクションが変わる生き物仕様になっているわけだ。

ジョイクロ邪神の泳ぎ
流れに対して横を向かせたり旋回させたりと、自由自在に泳がせることができるのはジョイクロならでは

ジョイクロ邪神の基本の使い方

1.スイミングで魅せて、スイッチを入れる

ジョイクロ邪神のメインアプローチとなるのが、この「スイミングによるアプローチ」。流れの中に送り込んだルアーを、ナチュラルドリフト気味に流しながら、ときには軽くテンションをかけて泳がせる。要は、ジョイクロ特有のイレギュラーで柔らかい蛇行アクションを流れに乗せて再現するイメージだ。まるで本物のアユがフラつきながら泳いでいるような挙動が、ナワバリアユやリアクション気味に反応する魚のスイッチを一気に入れる。

この使い方は、とくに瀬尻やヨレの中で魚の姿が見えているのに追わない場面に強く、アタックのタイミングをこちらから作れるのが魅力だ。

ジョイクロ邪神の泳ぎ2
流れに乗せれば下流へ頭を向けるのも邪神ならではの挙動で、すべてのアクションが不自然ではないのが驚異的

2.石まわりでヒラを打たせる「食み」演出

邪神が持つもうひとつの強力な武器が、リアルなヒラ打ちモーション。「流れの中で石の下流に差しかかったとき、ラインを軽くチョンチョンと弾くと、ジョイクロがクイッと体を横に倒してヒラを打つんです。アユが石についたコケを食んでるように見える動きで、ナワバリ意識の強いアユには強烈な刺激になる」
この「食み」演出は、石周りにいる居着きのアユに対して非常に有効。アユが実際にテリトリーを持っているような状況では、ヒラ打ちで見せた瞬間に迷いなくアタックしてくるケースも多い。

ジョイクロ邪神のヒラ打ち
トゥイッチするとボディーが横に倒れてヒラを打つ。生きたアユが石に付いたコケを食んでいるかのような、生々しいアクションが演出できる

ジョインテッドクローシフト113邪神は、これまでのアユルアーの常識からは外れた存在かもしれない。アユルアーの釣りがさらなる発展を見せつつある今、この革命児を手にする価値は、きっとある。

※このページは『つり人 2025年9月号』を再編集したものです。

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【アユルアー(アユイング)】水中観察で見る“ヒットの瞬間” 野アユを掛けるためのルアーローテーション術 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/ayulure-underwater つり人編集部 trend 194372246690 Sat, 16 Aug 2025 08:00:00 +0900

アユがアユルアーの掛けバリにフッキングするメカニズムは複雑である。ドンっと体当たりすれば掛かるのか。それとも身を絡めるように交差したときに掛かるのか。あくまでもこの日の一例であるが、人気の牧田川でルアーをアユにフッキングさせるまでの過程と、その瞬間を水中観察した。

アユがアユルアーの掛けバリにフッキングするメカニズムは複雑である。ドンっと体当たりすれば掛かるのか。それとも身を絡めるように交差したときに掛かるのか。あくまでもこの日の一例であるが、人気の牧田川でルアーをアユにフッキングさせるまでの過程と、その瞬間を水中観察した。

写真と文◎編集部

人気のアユルアー河川・牧田川へ

アユの名川ひしめく岐阜県にあって、牧田川は知る人ぞ知る存在だった。岐阜の名水50選に入るほど水質はよく、天然遡上も多く、アユの味もよさでも定評があるという。しかし、友釣りファンの高齢化等に伴い遊漁券の売り上げは減り続け、周辺のオトリ販売店も減る悪循環にあったが、周辺河川の中ではいち早くアユルアー解禁へ踏み切って好転した川としても知られる。

牧田川漁協の理事を務め、上石津町でおとりのますお屋を営む小山内伸晃さんによれば、アユルアーを解禁してからの年券の売り上げは以前の3倍にまで増加しており、従来の友釣りファンのために友釣り専用区をしっかり残したうえで現在はアユルアーも楽しめる釣り専用区を設け、ますますアユルアーファンが増加中という。

もともと名神高速・関ヶ原ICと養老SAスマートICのどちらからでもアクセス至便で、川の勾配も緩くてビギナーに優しい川であったことも人気が高まった理由であるが、もうひとつ忘れてはならないのはダイワが主催するアユイングバトルの試合会場になっている点だ。

滋賀県安曇川、神奈川県相模川とここ岐阜県牧田川で開催されるアユイングバトルだが、定員に達する早さは牧田川が最速といわれ、それだけアユルアーファンが多いことを物語っている。

「自分も全会場に足を運んでいますが、牧田川さんはアユルアーへの本気度をひしひしと感じます」

そう語るのは木森直樹さん。自身、勤め人でありながら夏前から週末の休みはアユルアーに関連したイベントや取材が目白押しで、全国津々浦々のアユルアー河川を駆け回るアユルアーの伝道師だ。実は今回の取材の前日もアユイングバトルin安曇川が開催され、ゲストとして会場の盛り上げ役として一肌脱いでいた。

その会場へ視察に訪れていたのが牧田川の漁業組合員の有志たち。8月に控えるアユイングバトルin牧田川を成功させるために他会場の大会運営の方法などを学びに来たという。

「そういう姿勢が素晴らしい。だからボクとしても応援したくなる川です」

と言いつつ、木森さん自身は大会ゲストで何かと忙しく、牧田川でしっかり釣りをしたことがなかったこともあり、安曇川大会の翌日に牧田川へ。

向かったのはアユルアーファンが最も多いという岩崎堰堤から和田橋にかけて。堰堤下流の左岸には釣り人専用の広い駐車場があることから、アユイングバトルの本部になるところだ。

「大会じゃなくても普段からアユルアーファンがたくさんいるんですね。親子連れもたくさんいますね」

そう言うと木森さんはイベントのときと同じように親子連れに声を掛けてアドバイスを送るのだった。

牧田川の様子
釣り専用区(昨年まではアユルアー優先区)になっている岩崎堰堤下流は多くのアユルアーファンと友釣りファンで賑わっていた

野アユに近づくためのルアーローテーション術

まずは岩崎堰堤(堰堤上下20mは禁漁区)から和田橋にかけての釣り専用区と、支流の藤古川下流でサオをだした木森さんは「支流の藤古川が景観も石の色もよかったですね」とすっかり気に入ったようす。

そんななかで時間を割いたのが釣り専用区の最上流にあたる岩崎堰堤下流の右岸。ここにナワバリを張ったアユがいるとの情報を得て、水中カメラの前でルアーを操作してもらった。

牧田川・岩崎堰堤下流
岩崎堰堤下流の左岸には釣り人専用駐車場があり、ダイワアユイングバトルの会場にもなっている。今回水中を撮影したのは右岸寄りの消波ブロックの前の流れ

ルアーへの反応はあるがフッキングせず

「堰堤下の禁漁区のプールから落ちてきた流れが、ここでぶつかって割れる場所だったので、とにかくルアーをボトム付近で落ち着かせることを心掛けました」

流れは強く、水深も腰程度まであることから最初にチョイスしたルアーはシンキングタイプのアユイングジョイント110S(LIギラギラアユ)。フックはアユイングフックSSのキープ7.5号をセット。

流れが速いため、2つのアイのうち直進性を高くする前方のアイを選択(大きくボディーを動かしたい時は後方のアイを選択)。すると苦もなく強い流れの底にルアーを送り込むことに成功。時折ジョイントボディーがくねるたびに3Dマルチ反射構造によるフラッシングで強烈アピール。一等地に陣取っていたナワバリアユは気になって仕方がないといったようすで終始ルアーのそばを旋回したり、時にはルアーとボトムのわずかな隙間に潜り込むなどして追い出そうと必死のようす。

アユイングジョイント110
最初にチョイスしたアユイングジョイント110S(LIギラギラアユ)。レーザーの反射は確実にナワバリアユへのインパクトが大と感じた
ルアーを追い払うアユ
自分のナワバリに居座られるのが相当にイヤなようで、体格の違いを見せつけるかのようにルアーとボトムの隙間に割り込んでいく

カラーチェンジでも反応が変わる

次の一手はカラーチェンジ。同じくアユイングジョイント110Sのまま、見た目のインパクトがさらに強めのLI縄張りアユカラーにチェンジ。さらに浮き上がり防止のためのアユイングシンカーで一番重い3gをセット。

このねらいは的中し、シンカー効果による一点シェイクでギラギラアユ以上に苛つかせているのが見て取れる。実際、何度か体当たりもしていたように見え、木森さんの手もとにもケラレとなってロッドからのシグナルが伝わっている。

シンカーに体当りするアユ
黄色いシンカーが気になるのか体全体で追い払っている。アタリがない状況でも実は水中でこんな光景が繰り広げられているのかもしれない

かなりヒットに近づいているように思えたが、次の一手はアユイングミノー94SFにフックはキープ7号。これまたリップ裏のアイに3gのシンカーをセット。たまたまかもしれないが、ナワバリアユを威嚇するというよりも群れアユの中に馴染んでおり、一度は群れアユの側面にフックが触っているようにも見えたが、それだけではフッキングにはなかなか至らないようだ。

群れアユに囲まれるルアー-1
たまたまこのタイミングで群れが通過しただけかもしれないが群れアユに囲まれてしまった。体当たりではないものの、これでフッキングすることもあるだろう

追い気があれば正解は必ずある

「流れが強く水深があるとついついシンカーに頼ってしまいますが、シンカーがルアーの動きを制御してしまっているのかも……」

そう言うと、今度はシンカーを外して2025年の新作ルアーであるアユイングミノーフラット110SF110SFをスナップに繋いだ。ショートワイドリップが流れの緩いポイントでもしっかり水を掴み、フラットサイドボディーによる平打ちアクションはいかにもアカを食むアユの動きを再現する。

「浅場用ではありますが、複雑な流れの中のヨレの弱い流れに入れるとスッとボトムまで送り込めて、ロッドアクションに対してレスポンスもいいなあと思っていたらドンッと来ました」

縄張りアユカラーで、フックはキープ7号。ボトムまで送り込んだ瞬間からナワバリアユは今日一番の不機嫌モードになり、何度もガンを飛ばすように間近で威嚇行動を見せた。さらにフラット110SFが底のアカを食むような動作を見せると、その背後でアカを食みながら凝視。そしてついに我慢の限界を超えたのか、背後から回り込んで下腹部に頭を入れて反転した直後にフッキングが決まったのだった。

アユがルアーにフッキングする瞬間
背後に回り込んでテール付近に攻撃を加えたように見えた瞬間。ハリ先が魚の肌の上で立てばここで初めて釣り人に衝撃が伝わるのだろう
ルアーに掛かったアユとのやり取り
魚が反転したり頭を振ることでより深くフックが刺さり込む

「110cmのルアーが小さく見えるくらい迫力のある魚体ですね。追い星も尻ビレも真っ黄色な追い気の強いナワバリアユですよ」

アユルアーの釣りは粘るか見切るかがとても重要で、追い気のないアユを相手に粘るのは禁物だが、このように追い気満々のナワバリアユが相手なら、ルアーのタイプを変える、サイズを変える、カラーを変える、フックを変える、シンカーを変える、あるいは流す筋を変えることで、こうして掛からなかった1尾を手にすることができる。

28rr (カスタム)
木森さんのタックル(すべてダイワ)
・ロッド:AYUING EX 99MLB-SMT
・リール:アルファスSV TW 800S-XHL
・ライン: UVF PEデュラセンサーX8EX+Si3ライムグリーンマーキング0.5号
・リーダー: フロロショックリーダーXの3Lbを1.5m
ダイワのアユルアー
写真上から(すべてダイワ)
アユイングジョイント110S(LIギラギラアユ)※実際はシンカーなし
アユイングミノー94SF(メッキギラギラアユ)
アユイングジョイント110S(LI縄張りアユ)※実際にシンカーをセットしたのはこちら
アユイングミノーフラット110SF(縄張りアユ)

※このページは『つり人 2025年9月号』を再編集したものです。

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【アユルアー】“追うけど掛からない”を解決!DUOスタッフが実践する「4つの引き出し」とは?【富山・小矢部川】 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/ayulure-koyabe つり人編集部 trend 194312686666 Sat, 16 Aug 2025 02:00:00 +0900

萩原徹さんは全国のアユ河川を釣り巡って分かったことがある。アユの追い方はその日、その時、その川によって、ルアーの通し方やルアーカラーの違いでも変わることだ。初挑戦となる富山県小矢部川ではどんなパターンがハマったのか?

萩原徹さんは全国のアユ河川を釣り巡って分かったことがある。アユの追い方はその日、その時、その川によって、ルアーの通し方やルアーカラーの違いでも変わることだ。初挑戦となる富山県小矢部川ではどんなパターンがハマったのか?

写真と文◎編集部

追わせて体当たりさせる新鮮なルアーフィッシング「アユルアー」

DUO開発スタッフの萩原徹さんはアジングを筆頭にライトゲームやオフショアのSWフィッシングにも精通するマルチなエキスパートである。アユルアーを始めて4年。夏を満喫する釣りとしてズブズブにのめり込み、群馬県の利根川に始まり長野県の天竜川、神奈川県の相模川や酒匂川、岐阜県の飛騨川、白川、揖斐川、三重県の宮川、大内山川、中村川、広島県の太田川というぐあいに軽快なフットワークで多彩な河川を釣り歩いてきた。

「アユルアーはどんな川に行っても発見の連続。未知な世界にハマっていく新鮮さがあります。これまで経験した釣りの中で強いて似た釣りを挙げるとすれば、シーバスの明暗撃ちでしょうか。明暗の境目や暗部の食わせのスポットにルアーをどう通すかというアプローチは、アユのナワバリにルアーを侵入させる操作と感覚が近いようにも感じます。といってもルアーを食わせるのと追わせて体当たりさせて掛ける原理は全く違いますけどね。純粋に新鮮なんですよ」

そう話す萩原さんが7月8日に訪れたのは富山県の小矢部川だ。今夏DUO主催の「流鮎・擬鮎ルアー鮎大会」が開催される会場でもある。この大会は2023年から萩原さんが中心になって運営し、釣り具メーカー主催のアユルアー大会として先陣を切ったことでも注目を集めた。3年目となる今年はこれまでの会場だった利根川に小矢部川が加わった格好になる。なぜ小矢部川が選ばれたかといえばDUOの代表取締役社長、安達政弘さんが応援したいと惚れ込む川なのだ。

安達さんはルアービルダーでありながら神通川や九頭竜川の北陸河川の急流で瀬釣りを楽しむガチの友釣りマンでもある。アユという魚、友釣りをよく知っていて、そのノウハウを注入して作られたのが「流鮎」や「擬鮎」といったDUOのアユルアーである。そして北陸河川の中でも川の規模やアユの多さから、ルアーで釣るなら絶対に楽しい川として小矢部川を推している。

「めちゃくちゃ釣れるというのは社長に聞いています。私が本格的に釣るのは今日が初めて。楽しみです」

DUO安達政弘社長と小矢部川漁協副組合長の大西正芳さん
小矢部川でアユルアーを盛り上げることに尽力しているDUO 安達政弘社長と小矢部川漁協副組合長の大西正芳さん

小矢部川のアユルアー

萩原さんを案内してくれたのは安達さんと懇意にする小矢部川漁協の副組合長、大西正芳さんだ。小矢部川でアユルアーが認可されたのは2023年と最近のこと。この川で唯一のオトリ店を営む大西さんは、遊漁者減少を憂慮してアユルアーの認可に尽力してきた。

「ルアーの認可エリアは小矢部大堰より上流です。支流の旅川、山田川、大井川、明神川でもルアーはできます。今年は遡上が多いのですが、渇水でアユの活性がいまひとつ上がりません。それでも友釣りでは午後の数時間で30尾、40尾と掛かっている場所もあります」

小矢部川は堰堤が連なるものの魚道は整備されており、上流までかなりの数の天然遡上がある。そのうえ湖産アユの放流も行なわれているから魚の密度は濃い。また他の北陸河川に比べると谷筋が深くないことから水温の上昇も早くアユが大型化しやすいのも魅力のひとつ。毎年9月上旬には尺アユの釣果も聞こえてくる。

支流の山田川を「流鮎ディープ」で探る

萩原さんが最初に入川したのは支流の山田川である。小堰堤から浅瀬、深瀬が連続しており大西さんいわく瀬落ちに良型が付いている。

山田川
田園地帯を流れる山田川はいかにも里川という風情。川幅は狭くルアーで探りやすい

萩原さんが手にするのは3ピース・10フィートのベイトロッド(プロトモデル)。リールはシマノ「カルカッタコンクエストBFS」。ラインはPE0.4号、リーダーはフロロカーボン6ポンドを2ヒロというセッティング。

「ロッド全長は10フィート以上あると攻略範囲がだいぶ広がります。僕の場合スピニングを使うことはありません。片手でラインの出し入れができること、軽快な操作を考えると断然ベイトロッドがやりやすい」

萩原さんは瀬落ちの深みから探ろうと「流鮎ディープ」をセットする。カラーは今夏リリースされた「橙だいだいあゆ鮎」。ヘッドと尾ビレの背面にオレンジのラインが施され視認性に優れる。

ポイントの上流に立ち、ダウンクロスで流心から投げ入れたルアーを瀬脇の大石周りに当てるように通す。いきなりガツンと反応が出るものの掛からない。食んでいるアユが見える石の側に長い青藻が生えていてルアーを石に当てると根掛かりしてしまう。アユが見えても反応しない、上手くルアーを通せない場所なら萩原さんの見切りは早い。

「じっとしている釣りが嫌いです。少しでも動き回りたいんでテンポよくランガンしましょう。アユはそこら中にいますからね!」

そう言って堰堤直下の浅瀬に立つ。左右に走る2本の流心の合わさる辺りでゴツンという手応え。小気味よい引きを楽しんで抜き上げると100mmの「流鮎ディープ」よりは少し大きな天然アユが躍り上がった。

アユルアー
今夏リリースされたニューカラーの橙鮎。サイトで探るならルアーの視認性は高いほうがいい。ヘッドとテールの背面にあるオレンジは実によく見える

追われても掛からないそんな時は?

「まだまだ可愛いサイズです。次いってみましょう!」

今度は車で上流へ。桜橋上流の堰堤下に入る。橋上から見ると瀬落ちの深みのカケアガリに良型が付いている。流れが通って深いので萩原さんは「流鮎バイブ」をセットした。

流鮎バイブは強い流れの中でも暴れにくく飛び出しにくい。安定した水平姿勢を保ってくれます。ミノーでは見向きもしなかったアユがバイブを使うと途端に追われるケースも多いです。もちろんその逆もありなのでローテーションは効果があります」

何度かルアーを通すうちにルアーにまとわりついてくるアユが見えた。しかし深くは追ってこない。アユはルアーを見切る。同じルアーを何度も通していれば見向きもされなくなる。萩原さんの経験に基づく持論であり、追っても掛からないアユがいる時には次のようなことを試す。

1.ナワバリアユの付いた石に対してルアーの進入角度を変える。沖から手前に通す、手前から沖に通す、ポイントの真上から直下に潜らせるなどルアーの通し方を変える。

2.ルアーを交換。ミノーからバイブ、もしくはその逆という風にしてアクションに変化を付ける。

3.カラーチェンジ。光沢系、マッド系、金系などルアーの色を替えて反応を見る。

4.ハリ先をチェック。鈍っていれば即交換。

アユルアー掛針
ハリはがまかつ「管付きチラシ狐型」9号。ハリス長は20cm ほどを目安にセット。アタリがあるのに掛からない時はまずハリを替えることも多いそうだ

このポイントでは沖から手前に向かうクロスの動きで追われたが掛からない。そこで「流鮎ディープ」のカラーを「橙鮎」から「塗り鮎」に交換した。するとルアーをすっ飛ばすような横っ飛びの当たりが出てロッドがグイグイと引き込まれた。パワフルな引きをいなして抜き上げたのは20cm超の良型。ようやく萩原さんの目尻が下がった。

「広島県の太田川を釣った時にもなぜか"塗り鮎"のカラーばかり反応が多かったんです。深く追いやすい状況に合ったカラーというのが確実にあると思うんですが、"塗り鮎"には助けられることが多いです」
このエリアでは塗り鮎カラーでさらに1尾を追加して移動した。

流鮎
左から浅瀬を探りやすい「流鮎110F」、深場やトロ場も探れる「流鮎ディープ」、押しの強い瀬でも飛び出ず安定した姿勢で泳ぐ「流鮎VIB」。この3つのルアーがあればどんな流れでもコンプリートできるという。カラーも光沢系、マッド系と数種をローテーションしてみると掛からないアユが反応することも多いと萩原さんは言う

ルアーだから釣りやすい狭小な流れの筋

午後からは小矢部川本流へ。福吉橋から福光橋周辺を探ってみることに。本流は山田川より水質がクリアで川底の石も全体的に磨かれている。何よりアユの姿が随所に見え、アユが濃密なのは一目瞭然である。

堰堤が連続している。萩原さんはブロック帯の狭間や堰堤の落ち口の水通しのよいスポットをねらい撃ちする作戦を敢行。浅場も引きやすい「流鮎110F」をセットし、堰堤の狭小部を探っていくと、さっそく体当たりをかますアユがいた。

その後も友釣りや投網ではねらいにくい狭い流れの筋を転々と探って数を伸ばすも小型ばかり。また流れの絞り込まれた流心部では掛からず、瀬肩となる落ち口で反応は出た。

小矢部川のブロック帯
本流では堰堤の間を流れる水通しのよいスポットにルアーを通して数を出した

「ルアーが追われやすい場所は水況によって変わりますが、今日は瀬の中よりは瀬肩がいいように感じました。まだ本格的にナワバリを張る魚が少ない。追いが立つのは8月に入ってからでしょう。その頃にはアユも成長してさらに楽しい釣りが楽しめそうです。尺アユの時期にまた本格的に釣り込みに来ますよ!」

そう言って萩原さんは17時にはサオをたたんだ。

※このページは『つり人 2025年9月号』を再編集したものです。

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【東京湾エギタコ】釣果に差がつく3つのコツ!エキスパート三石忍が教える、ワンランク上の攻略法 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/egitako-tips つり人編集部 trend 194377447955 Fri, 15 Aug 2025 08:00:00 +0900

東京湾で旬のマダコを釣ろう!今主流の「エギタコ」釣りは、海底をトントン小突き、「ムニュッ」と乗ったら合わせるだけのシンプルな釣法で初心者にも最適。エキスパートの三石忍さんが、基本の釣り方から釣果アップの秘訣まで、分かりやすく手ほどき。

東京湾で旬のマダコを釣ろう!今主流の「エギタコ」釣りは、海底をトントン小突き、「ムニュッ」と乗ったら合わせるだけのシンプルな釣法で初心者にも最適。エキスパートの三石忍さんが、基本の釣り方から釣果アップの秘訣まで、分かりやすく手ほどき。

写真と文◎編集部
協力◎マルキユー

追わせて体当たりさせる新鮮なルアーフィッシング「アユルアー」

今年は東京湾のマダコが絶好調。多くの場所で自主解禁となる6月以降、各所で好釣果が聞かれている。晴天で蒸し暑くなった6月下旬、三石さんは千葉県袖ケ浦市の長浦港から出る「こなや丸」にやって来た。

東京湾のマダコ釣りといえば、サオを使わず、カニを縛った重いテンヤを船べりから下ろして、太い渋イトを手で持ってトントンと海底を小突くという手釣りが定番だった。しかし、オモリとエギを組み合わせ、サオで操作する関西流のエギタコ釣りが導入されると、わずかな過渡期ですっかり釣り方の主役が交代した。

現在はその「エギタコ釣りブーム」がバージョンアップして継続中という状況になっている。とはいえ、この釣りの基本は非常にシンプル。海底でこまめにテンヤやエギを動かし続け、その存在をマダコにアピール。エサだと思ったマダコが覆いかぶさって来たら、ムニュッという感触を感知できるので、あとは「よいしょ」と大きくアワセを入れれば、最高に美味しい軟体系ターゲットを捕獲できる。

タコ
夏を祝う元気なマダコをカニ型ワームでキャッチ!どうやって食べても美味しい最高の食材系ターゲットだ

エギタコ釣りの基本と釣果UPテクニック3選

出船は朝6時。釣り場となるのは、岸壁を離れて沖に出たらすぐのポイントだ。水深は6~12m。周囲は工場地帯の岸壁や突堤が広がっているが、マダコはその壁際の消波ブロックや基礎の周辺にいたり、あるいは壁際から離れて障害物がなくなった平らな砂地にもいる。船長はアタリの数を見ながら、よさそうなポイントに船を入れては、少しずつ流したり、なるべくポイントに留めるように操船。「どうぞ」の合図がありしだい、乗船者がいっせいに仕掛けを下ろして釣り開始となる。

「最近はエギのほかにワームタイプのものも登場したり、好奇心旺盛なマダコの興味を引くアイテムがとにかくたくさん登場しています。どれを使ってもよいのですが、その時によく釣れる当たりカラーはやっぱりありますね。もちろん、色は関係なく釣れる時もありますが、よく釣れている人のカラーはやっぱり参考にしたほうがよいです」と三石さん。

エギの定番カラーは、白、黄色、緑、オレンジなど。迷ったらまずはこれらをそろえておきたい。

三石忍
釣り場は港を出てすぐの港湾地帯。朝イチには一荷のヒットも出て今期の好調ぶりを実感する

エサの代わりに手軽にスタンプ

そしてもうひと手間かけたいのが、エギやワームにマダコが好む誘引成分を塗布しておくことだ。エギタコ釣りでは、地域によって薄い豚バラ肉や豚の脂身をエギに巻き付ける工夫も行なわれる。それらももちろんよいのだが、やはり巻き付ける手間がかかるし、使い終わったエギも汚れやすい。

そこで今や定番となったアイテムが『ノリノリタコライダースタンプ』だ。マダコが好む甲殻テイストの抽出物を、ポンポンとハンコのように塗布できるアイテムで、三石さんもエギタコ釣りでは常用。塗った直後にマダコが乗ることもよくあり、釣り中や船の移動中に手軽に利用できる。この日、左ミヨシで釣っていた三石さんの釣り座の反対側には、サオ頭常連のお客さんがいらしたのだが、「私もいつも使ってますよ~」と見せてくれた。

ノリノリタコライダースタンプ
ノリノリタコライダースタンプ』はエギやワームにマダコが好む甲殻テイストの抽出物を塗布できるお手軽アイテム。キャップを外したらハンコのように使って、中の液を塗布すればOK

キャストで広範囲をねらうのも効果的

もう一点、人気が高まって乗船者が多い今シーズンのマダコ釣りにおいて、意識しておきたいのがキャスト。お客さんの多い船の上で無理にキャストし、トラブルを起こしてしまうことは避けたいが、慣れてきたら船の直下に仕掛けを下ろすだけでなく、アンダーハンドで無理のない範囲で、エギをキャストしてなるべく広範囲を小突くとやはりアタリを得られるチャンスが増える。

「キャストについては、無理は絶対にしないで欲しいですが、根掛かりの心配がない沖の砂地などを釣る場合は、やっぱり活用したほうが釣れますね。その際は、船がOKな範囲で少しオモリを軽めにするのもありです。そのほうがキャストもしやすく安全に投げられます」と三石さん。

もちろん、船釣りには船宿のオモリ指定があるので、そのルールは守るが、今回のこなや丸の小沢一滋船長も「基本は30号指定でやっていますが、扱える方は自分で調整していただいても大丈夫です」とのこと。

こなや丸船長
三石さんが「おざりん」と親しみを込めて呼ぶ小澤船長。水深やポイントの形状をこまめにアナウンスしてくれる

「あとはやっぱり根掛かりを回避することと、リールのドラグをしっかり締めておくこと、アワセを大きく入れることがコツかな。特に岸壁沿いのポイントでは、エギを底に置きっぱなしにしないこと。こまめに底を取り直して、危うい時はすぐに巻き上げましょう。その際、PEは3号以上、リーダーは10〜14号くらいで、軽い根掛かりであればカンナを伸ばして回収できるくらい、しっかりしたラインシステムにしておくことも大切です。いざ大ダコが掛かった時もチャンスを逃さないし、根掛かりの際に高切れするトラブルも減らせます」

「そしてマダコが乗った感触があったら、あせらず誘い続けながらリールを巻いてサオ先を下げて行き、ラインを張った状態で充分なストロークを確保したところで大きくスイープアワセ。この準備動作とアワセが不十分だと、フッキングが弱くなってマダコが途中でバレてしまいますよ」といった点を意識したい。

マダコ釣り場-1
こうしたガチャガチャしたポイントは根掛かりに注意。無理なキャストはせず船下をていねいに小突く。ただし反対側の釣り座にいるならキャストが効果的だ

マダコはワームがお好き?

この日、三石さんがもう一つ試していたのが、カニの形をした大きめのワーム。近年、プラスチック製のエギの代わりに、ワームとカンナのセットもマダコ仕掛けとしてよく使われている。ワームはマダコにとっても触り心地がいいのか、通常のエギで渋い時に乗りがよくなるといった効果もあるようだ。ちなみにこれらワームタイプのものにも、前出の『ノリノリタコライダースタンプ』は使える。

三石さんも、1日の釣りの中では、通常のエギだけの組み合わせで釣ってみたり、スッテとワームの組み合わせを試してみたり、マダコを飽きさせないことも意識して、仕掛けは頻繁に取り変えていた。それにより終始アタリも継続。こういう目先を変えられるアイテムを用意しておくことも、マダコ釣りで釣果を伸ばすには有効な手だ。

今年はマダコの湧きがよく8月も継続して出船している船宿も多い。ぜひ出かけてみてはいかがだろう?

パワークラブ
パワークラブ』はおなじみのパワーイソメの素材をカニのフォルムに成形したもの。市販されているワームタイプのマダコ仕掛けの金具などを流用して使う。三石さんは結束バンドを購入しておき、金具に固定するといった取り付け方もしていた

※このページは『つり人 2025年9月号』を再編集したものです。

東京湾の餌木タコ(エギタコ)釣り超入門│船の乗り方・道具解説・釣り方など解説 【マダコ釣り】根掛かりを回避しながらタコを釣る方法 前編 空調服は真夏の釣りの救世主?編集部で実際に使ってみたら「釣行後の疲労感のなさ」が衝撃的だった 【2025年】釣り用偏光サングラスおすすめ16選 釣りのプロ達は“水中”を見ている なぜ、釣りの記憶は"一生"残るのか?「親子で楽しむ、初めての釣り入門」
【アユルアー(アユイング)おすすめ河川6選】チャレンジ可能な釣り場が拡大中?盛夏に有望なフィールドを厳選紹介! https://web.tsuribito.co.jp/suburb/ayulure つり人編集部 trend 194393757865 Fri, 15 Aug 2025 02:00:00 +0900

近年、ますます注目度が高まっている、ルアーでアユを釣る「アユルアー(アユイング)」。以前はルアーでのアユ釣りができる河川は限られていたが、最近ではルアー専用区が設けられるなど、挑戦できる場所が全国的に増えてきた。そこでこの記事では、特に盛夏に有望なアユルアーの釣り場を厳選して紹介する。※書籍『鮎ルアー釣り場BEST100』から内容を抜粋

北は北海道から南は九州まで。アユルアー(アユイング)釣りが楽しめる100河川をピックアップしてその河川の特徴やアユルアー釣りのルールなどを解説した『鮎ルアー釣り場BEST100』が発売になった。今回はその中から盛夏に有望な6河川をご紹介。

まとめ◎ムラヤマオサム

静岡県:河津川(かわづがわ)

東伊豆の人気河川もアユルアー解禁!7~8月に追加放流、天然は雨に期待!

アユルアー解禁初年度の河津川。解禁当初の好調は一段落したものの、7月上旬現在、遡上は多数確認できるが渇水のためにまだ群れアユが多い。ひと雨ごとに好転するので今後の雨に期待したい。

また漁協によると、7月と8月にも追加放流があり、まだまだ楽しめるとのこと。アユルアーは全区域でOK、リールも使用可能。掛けバリはイカリが1段4本まで、チラシは3本まで。

河津川
調整池河原下流や消防署裏が解禁から好調

河津川の河川情報

・解禁日:6月1日
・管轄:河津川非出資漁協(TEL:0558-34-0316)
・入漁料:日券1000円、年券6000円
・交通:伊豆縦貫自動車道
・終点を降りR414を南下。河津川沿いの県道14号で各ポイントへ

河津川のアユ
沼津市在住でつり人本誌でもおなじみの新保明弘さんは解禁から通ってこの釣果

岩手県:雫石川(しずくいしがわ)・葛根田川(かっこんだがわ)

7~8月は葛根田川で数釣り!9月1日の全域解禁後は本流で落ちアユ!

昨年、試験的に雫石川上流の竜川(道の駅雫石あねっこ南川〜下赤橋)と支流の葛根田川(矢筈橋〜石仏橋)にアユルアー専用エリアを設定。アユルアー講習会などを開くと盛況だったこともあり、今年からエリアを拡大。支流の葛根田川が7月5日に解禁。エリアも葛根田橋から上流に拡大された。

なかでもおすすめは石仏橋から葛根田橋にかけて。さらに、9月1日以降は雫石川本流と支流の全域でアユルアーが解禁になる。リールの使用もOKだ。

葛根田川
葛根田川の石仏橋より下流を望む。葛根田川の周りは駐車スペースも多い

釣具店によれば、7月上旬現在、葛根田川ではアユルアーではなく友釣りが好調とのこと。今後はアユルアーでの釣果も期待できる。雫石川本流もまだアユルアーが解禁されていないので友釣りの情報になるが、昨年よりアユの成長は順調、魚影も濃く、平均15〜20尾の釣果。この状況なら後半も期待ができる。

お盆過ぎにはアユが降り始め、全域でアユルアーが解禁される頃にはアユルアー可能エリアに落ちアユが溜まる。葛根田川合流から下流の御所湖までがおすすめポイントだ。9月中頃から10月初旬まで抱卵した良型アユの重量感ある引きが楽しめそうだ。

雫石川合流地点
葛根田橋より雫石川合流を望む。落ちアユはここから下流が有望で9月以降は本流から御所湖までで楽しめる

雫石川・葛根田川の河川情報

・解禁日:7月5日(ルアーは葛根田川のみ。9月1日より雫石川本流支流全域でルアーOK)
・管轄:雫石川漁協(TEL:019-692-0569)
・入漁料:日券2000円、現場売り4000円、年券1万2000円
・交通:東北自動車道の盛岡ICを降りR46を西進して各ポイントへ
・釣況問合先:つり具の上州屋新盛岡店(TEL:019-637-1130)

雫石川
雫石川本流のアユルアー解禁は9月1日から

福島県:鮫川(さめがわ)・入遠野川(いりとおのがわ)・四時川(しどきがわ)

7月上旬現在、数、型ともに好調!本流、支流ともにポイント選びが重要

福島県鮫川村を源流とし、古殿町、いわき市と流れ、入遠野川や四時川などいくつかの支流が合流し、太平洋に注ぐ全長65㎞の鮫川。四時ダム、高柴ダムの完成により天然遡上が減少したため、汲み上げ放流が行なわれている。

アユルアーは全域で可能、リールの使用もOKだ。鮫川はダム上の竜神橋より上流、皿貝地区と才鉢地区。入遠野川は折松川出合付近が良型の実績あり。四時川なら漁協付近から四時ダムまで釣れる。各河川とも駐車スペースが少なく、釣行の際は1台での乗り合わせを心掛け、駐車の際も配慮が必要。

釣具店によれば、7月上旬現在、アユルアーでは、上級者含む複数名で午後から入川し、17~18cm平均で5~6尾、多い人で2桁の釣果。良型は20cmまで出る。周囲で友釣りを楽しんでいる方はコンスタントに掛けているとのこと。まだまだ鮫川のアユの魚影は濃く、今からがベストシーズン。終盤には25cmほどに成長するだろう。

鮫川や支流のアユルアーのことは上州屋いわき泉店が詳しい。釣行前に立ち寄れば好調なポイントやヒットルアーなど最新情報が入手できるだろう。

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7月上旬で17cm平均。8月になれば25cmクラスも出る

鮫川・入遠野川・四時川の河川情報

・解禁日:6月8日
・管轄:鮫川漁協(TEL:0246-65-6758)
・入漁料:日券2000円、現場売り3000円、年券8000円
・交通:常磐自動車道のいわき勿来ICを降り左折。最初の信号を右折、直進すると四時川。
鮫川や入遠野川は、いわき湯本ICを降り県道20号が近い
・釣況問合先:つり具の上州屋いわき泉店(TEL:0246-56-8500)

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追い星がキレイな良型アユが背掛かり

愛知県:豊川(とよかわ)・宇利川(うりがわ)

天然遡上は順調で心配は渇水のみ。数、型ともに9月いっぱいねらえる!

愛知県豊川市を流れ三河湾に注ぐ豊川。人工産アユの放流に加え、三河湾からの天然遡上アユも順調で、汲み上げ放流も行なわれている。

アユルアーは昨年までノベザオ限定だったが、今年からリールの使用も許可された。アユルアー可能エリアは、豊川が江島橋から賀茂橋まで、支流の宇利川は今水橋から八名橋まで。

漁協に近況を尋ねると、アユルアーを楽しむ人はキャスティング、ノベザオともにいて、解禁直後は増水中にアユルアーで最高68尾、ほかにも23尾の釣果、その後もアユルアーで15〜70尾と好調が続いた。

豊川の解禁直後の釣果
今年、解禁直後のアユルアーの釣果

7月上旬現在は渇水気味で、豊川はポイントを選べば10〜20尾ほどの釣果が見込めそう。宇利川はさらに渇水が酷いが、豊川が増水した時はぜひ試してほしいとのこと。

豊川、宇利川ともに水量が増えれば好転する。まだ多数の群れアユを確認していることから、9月いっぱいは楽しめそう。終盤はアユが降ってくるため、豊川のアユルアーエリアが好ポイントになる。今はまとまった雨を待っているとのことだ。まだまだアユルアーシーズンは続く、雨後の後半戦に期待したい。

豊川本流
豊川本流、江島橋下流にある瀬の雰囲気

豊川・宇利川の河川情報

・解禁日:6月15日
・管轄:豊川上漁協(TEL:0536-22-2116)
・入漁料:日券2000円、年券1万3000円
・交通:東名高速道路・豊川ICを降りR151を約5km北上すると江島橋、そこから各ポイントへ

山口県:粟野川(あわのがわ)

今年は天然遡上アユの当たり年!公園前は家族や女性におすすめ!

勇山から南へ伸びる丘陵部に源を発し、いくつかの支流が合流して「粟野川」となる。流量は多いが源流部から河口に至るまで高低差が少なく、流れは緩やか。県道269号が並行して通り、川の状況を確認しながら入川するポイントを探すことができる。

一昨年の豪雨災害で粟野川河川公園上流の堰堤が決壊。遡上に影響があると懸念されていたが、その心配はなく堰堤の上流でも多数の遡上と釣果が確認された。しかし1級ポイントは天然遡上アユが溜まりやすい粟野川河川公園前から下流。約1kmの区間がアクセスもよくおすすめで、今年は遡上数も多く、お盆頃までは数釣り、その後は良型ねらいで10月初旬まで楽しめるだろう。

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粟野川河川公園の堰堤には遡上するアユが溜まりやすい

粟野川河川公園には駐車場とトイレ、キャンプ場があり、ファミリーやカップルでアユルアーを楽しむ方に最適なロケーション。アングラーは増えつつあるがまだアユルアーの釣果やポイント情報が少なく、これから開拓される釣り場という。懸念材料だった決壊した堰堤は今年調査が始まり、対策が行なわれるそうだ。今後はメジャーなアユルアー河川になるはずだ。

粟野川
公園には施設が充実、ファミリーでのキャンプ&フィッシングにも最適

粟野川の河川情報

・解禁日:6月1日
・管轄:粟野川漁協(TEL:090-4894-8935)
遊漁料:日券1000円、年券5000円
・交通:中国自動車道・美弥ICを降りR435、県道39号を長門方面へ約3kmで粟野川

愛知県:男川(おとがわ)・乙川(おとがわ)

両河川で約7kmがアユルアーエリア!お盆ぐらいまでがねらい目!

昨年からアユルアー解禁の河川。どちらも新東名高速から釣り場が始まり、東名高速に近い岡崎市漁協管区との境まで、合わせて約7kmの区間でアユルアーでの釣りが可能。

今年は両河川でアユルアーのアングラーが増加しているが、平均4〜5尾の釣果が見込める。ポイントは男川なら新東名高速から御所戸橋下流の瀬。乙川は平成大橋や秦梨大橋(上流に禁漁区あり)の瀬がよい。リールの使用も可能である。

男川
男川も乙川もアユルアー可能エリアの基点は新東名高速道路。男川と乙川は合わさり東名高速手前で岡崎市漁協の管区になる

男川・乙川の河川情報

・解禁日:6月28日
・管轄:男川漁協(TEL:0564-82-3636)
・入漁料:日券2500円、現場売り3800円、年券15000円
・交通:新東名高速道路の岡崎東ICを降りR473、県道37号へ。そこから各ポイントへ
・釣況問合先:フィッシング遊岡崎店(TEL:0564-84-5541)

 

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【サケ(アキアジ)釣り】ウキルアーの基本:エキスパートが教えるタックル・仕掛け・ルアー・釣り方 https://web.tsuribito.co.jp/north/sake-howto North Angler’s編集部 trend 194292259508 Thu, 14 Aug 2025 02:00:00 +0900

釣って、焼いて、味わう。北海道のアユ釣り旅は、キャンプと組み合わせるのが最高の贅沢!釣ったばかりの新鮮なアユを炭火で味わい、時間を気にせず釣り三昧。そんな至福の「アユ釣りキャンプ」の魅力と、道内のアユ釣り河川情報をお届け。

北海道の秋の風物詩といえば、サケ(アキアジ)釣りだ。一度はその強烈な引きを味わってみたいと願うアングラーも多いだろう。そこで本記事では、ウキルアーでのサケ釣りに焦点を当て、エキスパート・古川慎也さんに、タックルやルアーの選び方から実釣でのアクションまで、釣果に直結する基本を詳細に解説いただいた。これを読めば、憧れのサケをその手にするための最短ルートが見えてくるはずだ。

写真・文=古川慎也(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

ウキルアーでのサケ釣り

北海道における秋の風物詩といえば、やはり代表格はサケ釣りだろう。毎年、道内はもとより道外からもたくさんのアングラーが訪れてにぎわいを見せる。道東オホーツク海沿岸の町で生まれ育った私にとって、幼少期から祖父に連れられて親しんできたなじみ深い釣り。

しかし、ルアーフィッシングにどっぷりとハマっていくにつれ、サケ釣りから離れた時期もあった。その理由は明快。ウキ+ルアー+タコベイト+エサという定番仕掛けの(ちょっと語弊があるかもしれないが)「全部つけちゃえ!」的なスタンスに若干の違和感を抱いたため(笑)。サケ釣りを再開したのは10年ほど前から。

これまでのルアーフィッシングの経験をとおし、ウキルアーシステムが理に敵っていることに気づいた。何より70cmを超える魚と対峙するのだから楽しくないわけがない。この釣りには「ウキルアー」、「投げ(ブッコミ)」、「フカセ」といろいろな釣法がある。フィールドや時期などにより釣果は異なるが、それぞれに奥深さがあると感じる。私は投げもフカセもするが、今回はウキルアーをテーマに進めていきたい。

P020-023-06 (カスタム)

ウキルアーのタックル

私のサケシーズンはおおむね9月に入ってから。近年のお気に入りスタイルは、アングラーの少ないポイントでのブッコミ&ウキルアーという二刀流。横目でブッコミのタックルがブンブンしないか気にしながらのウキルアーはワクワク度も二倍だ。

基本的には混み合うことの少ないサーフでのんびりマイペースに釣るが、たまにゴロタ場に入る。そのため、双方のフィールドに対応すべく2タックルを用意する。

サーフでは強引なファイトより、やりとりを満喫することに重きを置く。ゴロタ場は岩とラインの干渉を避けるべく、魚に主導権を与えないようヘビー寄りのタックルを選ぶ。いずれにしてもロッドのレングスは10~12フィート、MAXルアーウエイト50~60gが基準になる。

・サーフ
ロッド:Gクラフト『モンスターサーフMSS-1092-TR
リール:ダイワ『レグザLT5000-CXH
ライン:山豊テグス『ファメルPEレジンシェラーオレンジ』2号

・ゴロタ
ロッド:ダイワ『モアザンブランジーノAGS119M/MH』
リール:ダイワ『セルテートHD4000H』
ライン:山豊テグス『ファメルPEレジンシェラーオレンジ』2号

ゴロタでのタックル-1
ゴロタでの使用タックル

リールは強度重視

大型魚に分類されるサケとのファイトは想像以上の負荷を強いられる。リールは4000~5000番で、かつエサによる汚れを気にせずにガシガシ使えるモデルを選びたい。近年はエントリーモデルでもかなりハイスペックで強度も高い。こうした背景からサケでハイエンドモデルは滅多に使わないものの問題なく釣りができている。

ラインには飛距離と強度のバランスを

ラインは、飛距離と強度のバランスがベストだと感じてPE2号を巻いている。ただし混み合うフィールドで、周囲のアングラーへの迷惑を回避するのに強引なファイトが求められるなら2.5~3号を推奨する。なお、強度を重視するサケ釣りは4本撚りがおすすめ。8本撚りと比較して張りやコシがあって扱いやすく、一本一本の原糸が太い構造のためスレに強いのもよい。

仕掛けは固定式を愛用

仕掛けは、ウキ止メによる可動域ありの固定式。サケのタナに対して的確にアジャストできるよう、こまめに長さを変えている。遊動式を選択しない理由は、手もとまでしっかりと一定レンジを引きたいため。海の状況により違いはあるものの、遊動式の場合、近くなるにつれフロートが水圧に負けて押し下がっていき、ルアーとの距離が詰まってしまう。こうなるとフロートに課せられたレンジキープという役割を果たせない。

仕掛け用のアイテム
仕掛けに使うアイテム

リーダーは40lb

使用しているリーダーは、ナイロンながらスレに強い、山豊テグス『ファメル耐摩耗ショックリーダー』40lb。リーダーの長さについては、水深や手返しのよし悪しから、サーフは1.6m前後、ゴロタ場は1m以下にしている。

フロートのサイズはSとMを使い分け

フロートサイズは私の場合、サケからのコンタクトをフロートの浮き沈みで判断せず、レンジキープの役割さえ果たしてくれればよいと考えている。視認性は二の次で、飛距離を優先。そうすると可能な限り小さなサイズがよく、現在はSとMサイズを波などにより使い分けている。使用しているアイテムはダイワ『アキアジクルセイダーフロート』。40gのルアーをセットしてリトリーブしないと沈み気味になるが、飛距離を重視すると小型サイズに分がある。

ウキ止めは7mmほどのゴム製、適合ライン4~8号タイプをフロート上下に2~3個ずつ付ける。上下1個だとキャストや水圧で動いてしまう。

ウキに付ける化学発光体は、ルミカ『デンケミⅡ37』(全長46mm)。暗い時間帯はレッドが見やすいが、薄明るくなってきたらグリーンのほうが視認性は高い。

ルアーの選び方と、エサやイカベイトなどのセッティング

ルアーは、基本的にカップがあり水噛みのよいものを好む。スローリトリーブがメインゆえ、たとえ潮流が弱くてもしっかりと泳いでくれるのが大前提。また、ゴロタや磯場での実釣時は塗装強度も重要なファクター。ウエイトは45gを使用する場面が多い。

カラーはメーカー各社、さまざまなラインナップがある。どれも実績があり、正直なところ飛び抜けて釣れるカラーはないと感じる。個人的にはオールシーズン、ブルー系での釣果がよく最も信頼を置いている。シーズン早期はピンクやチャートといったド派手なアピール系、終盤に近づくにつれブラックなどシックなカラーに分がある。

ブルー系カラーのルアーで釣ったサケ
ルアーのカラーは昔からレッドやピンクが定番になっているが、シーズンを通じてブルー系で実績が高い

タコベイトは市販の2号がメイン。ただ、シーズン後半の食い渋る状況ではサイズを落として1.5号に。カラーはピンクまたはレッドの2択だが、グローやケイムラなど一工夫されたものを選ぶことが多い。

フックには段差タイプを使っているが、エサは必ずフック2本にチョン掛けすること。片方だけに刺すとエサの付いていないフックが暴れてエビになりやすい。

エサは市販の短冊カット済みの塩ニンニク味カツオ。1.5cm角程度に切って使用。エサは臭いを付ける要素が強く、ルアーの動きの妨げにならない小さなサイズにしている。フックに付ける際は、身崩れ防止のため皮から刺す。なるべく指先を汚したくない私は、ダイソー『ミニ先細ペンチ』をエサつかみとして利用。全長15cmとコンパクトな反面、くわえ部(材料をつかむ先端部のこと)が長く、3cm程度しっかりと開いてくれて使いやすい。

P020-023-09 (カスタム) (1)
ルアー周りのセッティング例

よく使うルアー3選

岡クラフト『サーモンコンタクト』45g

カラーはクリアブルー、ピンクシルバーBP、ブルーピンクBG。最大の特徴は対応リトリーブスピードのレンジが広く、超低速でもしっかりとゆらめいてアピール度が高いこと。魚がスレている場面で有効。ただ遠投性はそれほど高くなく、塗装も強くない。

サーモンコンタクト
岡クラフト『サーモンコンタクト』45g

フィールドハンター『ノースXシェル』45g

カラーはS.グローケイムラ/ピンピン、S.ケイムラクリアブルー、S.ブルー/ピンク。同社の各種スプーンは、よく飛んでよく泳ぎ、ポピュラーな形状でオールマイティーに使用できるのがよい。アワビバージョンは塗装が守られ強度が高いうえ、独特の輝きでサケを魅了する。

ノースXシェル
フィールドハンター『ノースXシェル』45g

ブレイクスルアーズ『ジアキア45SC』45g

カラーはハーフブルーパッションピンク、バックグローブルー。ルアーズケミスト『ジアキアノーススタイル45LSG』45g(写真右)ブルーピンク。塗装強度の高さが魅力。さらにグローカラーの光量や持続性の高さに加え、カラーバリエーションが豊富なのもうれしい。

ジアキア45SC
ブレイクスルアーズ『ジアキア45SC』45g

釣り方はレンジキープを意識

ウキルアー最大の武器は、何といっても広範囲を容易に探れること。ブッコミやフカセは着水したポイントで点の釣りになる一方、ウキルアーは着水点からピックアップまで線の釣りになる。前者は待ちの釣り、後者は攻めの釣りといえるだろう。

ウキルアーでの一尾への近道は「ブレないレンジ」であると思っており、無駄なロッドアクションは違和感を与えるだけなので不要。このことからナチュラルに漂わせられるフカセがよく釣れるのもうなずける。

フィールドにおける具体的なレンジキープの方法だが、凪の条件下であったとしても必ず波や潮流は存在する。物理的に押し波でルアーは下がり、逆に引き波だと水面近くまで押し上げられる。これを繰り返してしまうと、たとえサケがルアーをロックオンしていたとしてもバイトのタイミングを失って見切られやすい。これを回避するには2つの手がある。

まずはリトリーブスピードの変化。引き波のタイミングで通常より巻きを低速もしくは瞬間的に止めて間をつくることで、ルアーの自重により押し上げを抑制できる。もう一つは、波に同調させたロッド操作。押し波ではロッドティップを徐々に立てていき、反対に引き波では寝かせていく。要は前記したリトリーブの強弱をロッドワークで補うような動作。とくに波のある条件では、一定のレンジをキープしているつもりでもルアーは上下移動を繰り返しているので注意が必要だ。

そもそもサケのウキルアー釣りは、デッドスローのタダ巻きがセオリー。有効なタクティクスを見出しにくいと思われがちだが、文字どおりただ巻いているのか、潮流を感じながらアジャストしているのかがカギを握る。細かな部分ではあるものの、釣果に大きな差が出る要素だ。

サケ 2
ブレないレンジとリトリーブが一尾との距離を詰める

近年、海の変化は著しく、道東オホーツク海も例外ではない。青ものやヒラメといった以前は回遊してこなかった魚種が数多く出現している。アングラーとして新たなジャンルに心躍ることもあるが、一方で古くから地域の一次産業を支えてきたサケ、カラフトマスの未来が心配である。

そして斜里町、小清水町、網走市の海岸では、2024年から1人「サオ3本、3尾まで」というルールが設定されたように、各自治体によりさまざまなルールが設けられている昨今、我々アングラーはサケ釣りを見直す時期に差しかかっている。多くの方が毎シーズン待ちわびるサケ釣りを今後も続けていくため、ルールやモラルの遵守を徹底し、大自然に感謝しつつ楽しみたい。

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スルメイカ狙いのイカメタル:基本の釣り方&釣果を伸ばす裏ワザ5選【北海道】 https://web.tsuribito.co.jp/north/ikametal-surume North Angler’s編集部 trend 194311690563 Wed, 13 Aug 2025 03:50:00 +0900

釣って、焼いて、味わう。北海道のアユ釣り旅は、キャンプと組み合わせるのが最高の贅沢!釣ったばかりの新鮮なアユを炭火で味わい、時間を気にせず釣り三昧。そんな至福の「アユ釣りキャンプ」の魅力と、道内のアユ釣り河川情報をお届け。

北海道のイカメタルは、主にスルメイカがターゲット。そのため、特有の釣り方やタックル選びが重要である。これを提唱しているのが、イカメタルのリーディングメーカーとしておなじみのクレイジーオーシャンだ。北海道サポーターの山本智也さんが、スルメねらいの基本を解説。

写真・文=山本智也(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

北海道・イカメタルの釣期について

近年、全国各地で人気が高まっているイカメタルだが、北海道では主にスルメイカ(地方名:マイカ)がターゲットになる。6月下旬の積丹半島を皮切りにシーズンが始まり、序盤は「麦イカ」と呼ばれる小型が多い。しかし夏を過ぎる頃からビール大瓶サイズの型ものが釣れるようになり、トルクのある力強い引き味が楽しめる。また、多くの釣り場は港から近いため、初心者にも挑戦しやすい。そして何といっても、スルメイカは食べて美味しい絶好のターゲットである。

北海道イカメタルのタックルセレクト

タックルにはスピニングとベイトの両方が用いられる。スピニングは本州でケンサキイカを昼間にねらう場合に便利で、主にボトムを釣るときに手返しが早いのがメリット。一方、北海道のイカメタルは夜釣りがメインとなる。船の集魚灯が点灯すると、イカが小魚を追って中層まで上がってくるため、カウンター付きのベイトリールでタナを合わせて釣ったほうが効率がよい。

タックル例は以下の通り。

タックル (2)

(写真左)
ロッド:クレイジーオーシャン『オーシャンスピアSG47CP』
リール:ダイワ『ソルティガIC100H-DH』
ライン:バリバス『アバニイカメタルマックスパワーPEX9マーキング』0.6号
リーダー:バリバス『アバニイカメタルショックリーダーエステル』3~4号を1~1.5m

(写真右)
ロッド:クレイジーオーシャン『オーシャンウィップイカメタルOWIM-B59P』
リール:シマノ『バルケッタFカスタム150RIGHT』
ライン:バリバス『アバニイカメタルマックスパワーPEX9マーキング』0.6号
リーダー:バリバス『アバニイカメタルショックリーダーエステル』3~4号を1~1.5m

ロッド

イカメタルでは、イカの小さなシグナルをサオ先の変化でとらえることが重要だ。タイラバロッドやライトジギングロッドでも流用できるが、どちらもティップでアタリを取るのに特化したサオではない。できれば各社から発売されているイカメタル専用のロッドを推奨したい。

ただし、冒頭で述べたように、メインターゲットがスルメイカであることに配慮すべき。本州のケンサキイカねらいとは全く異なるタックルセレクトが必要になってくるのである。

クレイジーオーシャンの『オーシャンスピアSG47CP』は4.7フィートと短く、船上での取り回しがよい。超高感度の形状記憶チタンティップ(テクニカルティップ)を搭載しており、スルメイカのファーストコンタクトを感知しやすい設計だ。対応ウエイトは50号(200g)までで、まさに"北海道専用モデル"といっても過言ではない。

また、エントリーモデルに『オーシャンウィップイカメタルOWIM-B59P』が50号対応として新しくラインナップされており、初めてのイカメタルにぴったりである。

リール

カウンター付きのベイトリールが有利。PEライン0.6号を200mほど巻ける番手を選ぶ。北海道では最大50号の鉛スッテを使用し、ときにはダブルやトリプルのヒットもあるので、剛性の高いリールが望ましい。ちなみに私は、ダイワ『ソルティガIC100』シリーズをメインに使っている。

ライン

ミチイトはPEラインの0.6号を使用。細いほうが潮に流されにくく、アタリも取りやすいが、イトをスプールの溝に絡ませないよう注意する。また、船によっては号数を指定される場合もあるので、船長の指示に従うこと。太いラインだとアタリが取りにくいのはもちろん、潮に流されやすいためオマツリなどのトラブルが起こりやすい。

そこでおすすめしたいのが、今年6月にバリバスがリリースした『アバニイカメタルマックスパワーPEX9』だ。耐久性、直進性、低伸縮性を兼ね備えたイカメタル専用のラインで、スルメイカの微細なタッチを明確に感知できる。

なおショックリーダーは耐摩耗性重視で、フロロカーボンやエステル素材の3〜4号を1〜1・5m結束する。

仕掛け

完成品が各社から発売されているが、スルメイカは捕食スピードが速いため、枝スが長い仕掛けだとタッチが穂先まで伝わりにくい。ゆえに枝スの短い仕掛けを選ぶ必要がある。

クレイジーオーシャンの『COイカメタル仕掛けハイテンション・2段』は、浮きスッテが水流に対してフレキシブルに回転するよう、接続部にガラズビーズを使用している。また、接続部の隙間を極限までなくし、枝スは1.5cmの長さに設計されているため、イカのタッチを大きく感じ取ることができる。さらに仕掛けは円形スプールに収納されていて、イトグセがつきにくいのも利点だ。

ライン同様、仕掛けも船によって枝スの本数が指定されていることがある。こちらも事前に確認しておきたい。またオマツリや外道のヒットなどによるライントラブルが予想されるため、あらかじめ複数の仕掛けを用意しておくと安心。

イカメタルの仕掛け-2
ライン号数はもとより、仕掛けも船によっては枝スの本数が指定されていることがある。北海道の基本は2段仕様。

メタルスッテ

基本的には仕掛けをなるべく「立てる」ことのできる重さを選択する。仕掛けが水中で斜めに寝てしまうと潮に流されてオマツリが増えるだけでなく、浮きスッテが本線に干渉してイカのタッチも減ってしまう。潮の速さに応じてメタルスッテの重さを調整したい。

私がよく行く積丹半島周辺の海域では、主に50〜70mのタナをねらうことが多い。ここではクレイジーオーシャンの『メタラー』や『同TG』の各号数を使う。なかでも使用頻度が高いのは30号(約113g)、40号(約150g)、50号(約188g・鉛タイプのみ)。

とはいえ集魚灯が点灯してからは、船の真下にイカが溜まってくることもしばしば。そんな状況に対応すべく、8号(30g)や10号(38g)といった軽めのメタルスッテもタックルボックスに忍ばせておきたい。
カラーに関しては、ことスルメイカはグロー系(蛍光色)を好む傾向があるため、これらを中心にローテーションを組み立てていく。ただ、ヒットカラーは一日のうちに何度も変わるので、こまめな交換が必要だ。

メタルスッテ-2
メタルスッテの素材は鉛とタングステンがある。当日のベイトサイズに近づけるために使い分けが有効。写真は『メタラー』40号(上)と『同TG』40号(下)。同じ重さでもこんなに大きさが違う

ドロッパー

クレイジーオーシャンの浮きスッテ『サンドバッカー』と専用エギ『ハードパンチャー』は、低重心でスローフォールし、水によくなじんでイカが抱きやすい設計。グロー、ケイムラ、ブルーグローのベースカラーに、実績のある各色のクロスが巻かれている。鉛スッテ同様に複数のカラーを用意し、どんどんローテーションさせてヒットカラーを見つけるのがよい。

ちなみに表面がクロス仕上げになっているのは、イカが触手でアタックした際に吸盤先端の角質リングが引っ掛かるようにするため。これで少なからず釣れる確率が上がるとされている。

スッテとドロッパー-1
写真左列のメタルスッテは『メタラー』30~50号、中央の餌木は『ハードパンチャー』1.8号と2.2号。右列の浮きスッテは『サンドバッカー』7cm2段バリ

その他

私は仕掛けとリーダーの結束部に、2cmほどのゴム管(ウキ止メ)を通している。こうすることで、仕掛けをトップガイドに巻き込んでしまったとしてもクッションとなり、ロッドティップの破損を防ぐことができる。

ゴム管
山本さんは仕掛けとリーダーの結束部に2cmほどのゴム管(ウキ止メ)を通している。こうすることで、仕掛けをトップガイドに巻き込んでしまったとしてもクッションとなり、ロッドティップの破損を防ぐことができる

釣り方の流れ:夕マヅメはボトムねらい

投入から誘いの間、ベイトリールを使う場合、リールを持つ手は"パーミング"で固定する。パーミングとは、手のひらでリールを包むように持つことを指す。初心者がよくやる持ち方、俗にいう"初心者持ち"だとサオがブレて仕掛けが揺れ、イカに違和感を与えてしまう。また、イカを触って手にヌルがついた状態だと、ロッドを落とす恐れもある。基本的にはパーミングで握ることをおすすめする。

タックルの持ち方

また、釣る姿勢としては、両足をしっかり床につけ、足を船べりに当てて固定することでロッドのブレが少なくなる。船は揺れるので、できる限り身体全体を船に固定するように意識したい。

周囲が暗くなるまでは、イカはボトムから5m前後に群れているので、そのレンジを重点的に探る。着底後すぐに1mほど巻き上げて根がかりを回避し、そこからワンピッチジャークで約10m巻き上げる。一般的なローギアのベイトリールでハンドル1回転60cmとすると、5回転で3m。よって3セットで約10m仕掛けが上がる。この繰り返しを行なう。

明るいうちに限っては、底から10mくらいとストライクゾーンが狭いので、ワンピッチジャークにアタリがなければ、ステイ中にその場でシェイクして誘いをかけるのも有効だ。ただし、シェイクのあとはピタッと止めることが重要で、「動」と「静」、「緩」と「急」のメリハリを意識する。集魚灯の点灯後1時間くらいまではこの繰り返しで釣る。

しっかりとレンジをねらうために底を取り直し、自分の仕掛けの位置を修正することも大切だ。だいたいはワンピッチの最中か短いステイ中にアタリが出るので、ヒットしたら即アワセで掛ける。活性が高いときはフォール時にもアタリがある。

イカメタルの様子-2
周囲が暗くなるまで(夕マヅメ)は、イカはボトムから5m前後に群れているので、底近くを重点的に探る

レンジをとらえて釣果UP!アタリの出方でタナを探る

点灯後1時間を過ぎると、光にプランクトンが集まり、そこに小魚が集まってくる。光に集まってきたスルメイカはそれらのベイトを捕食し始め、ときには食物連鎖の縮図が船下に発生することも。スルメイカは青もののように速い遊泳スピードでベイトを追い回すため、いかにそのレンジを早くとらえられるかが、釣果を伸ばすカギになる。

集魚灯

まずは点灯前と同じ動作でボトムからサーチ。明るいときと違うのは、再度ボトムまで落とすのではなく、ヒット後はその水深を覚えておき、さらにワンピッチの3〜5m刻みで仕掛けを巻き上げながらレンジを探っていく点。ワンピッチも連続で誘い続けるパターンと、途中に若干の"間"を入れたパターンを試し、その時間帯に合ったアクションを見つける。とくにスルメイカはパターンが変わりやすいので、アタリが減ったら誘い方を変えることも重要だ。

なお、中層でアタリが出た際、主に次の3つのパターンがある。これがイカのヒットダナの目安になる。

グーンと引き込むようなアタリ

イカが下から引っ張っている(イカのタナが下)可能性がある。その水深をカウンターで確認し、次の投入で少し下のタナから探る。

スッテを抱いて口にくわえるようなモゾモゾしたアタリ

タナがイカと合っている可能性が高いため、その水深付近を集中的にねらう

フワッと曲がっていたサオ先が真っすぐに戻るアタリ

イカが上から引っ張っている(イカのタナが上=食い上げ)かもしれない。この場合、探るタナを少し上げる。

このようにしてイカの泳層を探り、ヒットした水深を船中でシェアすると、そのときのヒットダナが見えてくる。しかし、スルメイカは釣行中に頻繁にレンジが変わるので、あくまで一時的な目安とし、アタリが減ったら探り直すことが大切だ。

スルメイカ
スルメイカはヒットパターンが変わりやすい

裏ワザ的な釣り方5選

アタリがないときや、特殊な状況下で有効な裏技的な釣り方も紹介しよう。

アタリ(イカパンチ)があるのに乗らない場合

イカが当たっても乗らなかったときは、一旦1mほどフォールさせて、イカの視界から仕掛けを消す。そしてその場でシェイク&ステイさせることで、乗らなかったイカが再び抱いてくる場合がある。

船の真下にはイカが集まる

イカを掛けて巻き上げると、ほかのイカもついてきて、船の真下5〜15mの影に溜まる。イカは光に集まる性質があるが、強い光は嫌いで影を好む。また、光の明暗の境界では、ときおりスルメイカがベイトを追い回しているのが目視できる。そのときに浅いレンジを意識的に探ると入れ食いになることがある。

浅ダナを探る際は、捕食されているであろう小魚に近い8〜15号の軽い鉛スッテが有効で手返しも早い。昨年はシーズン初期の麦イカねらいで軽いメタルスッテを使い、クイックなアクションで逃げ惑うベイトを演出する釣り方で何度か爆釣を経験した。ただし仕掛けが軽いため、乗船者が多い場合はオマツリの心配がある。潮があまり流れていないときに限っての"奥の手"にしたい。

減灯は"蛍の光"でなく最後のチャンスタイム

船の明かりで海中が照らされ続けると、イカが外敵から見えやすくなるためか、活性が下がってアタリが減る場合がある。その際、再び活性を上げるために船長がわざと船の集魚灯を弱めることがある。「そろそろ釣り終了かな」と片付け始める人がいるが、これは最後のチャンスタイム。諦めず、根気よくねらうのが釣果アップの秘訣だ。

エサ巻きスッテを使用する

ドロッパーをエサ巻きスッテにすると、活性の低いイカに効果的な場合がある。この際の注意点は、エサをあまり大きくつけないこと。ササミの場合は薄くスライスする。あるいはペット用のジャーキーなども手が汚れにくくおすすめだ。できるだけスマートにセットして水の抵抗を減らし、浮きスッテの動きを損ねないようにしたい。エサが小さくても釣果は変わらないと思う。ただし、エサ巻きスッテには外道を寄せるので、フグ等が多くいる場合は使用しないほうがよい。

バインドアッパー
奥の手として、ドロッパーをエサ巻きスッテにすると、活性の低いイカに効果的な場合がある。写真はクレイジーオーシャン『バインドアッパー』(プロトタイプ)

メタルスッテとドロッパーは丁寧に扱う

メタルスッテや浮きスッテのボディーが汚れていると、イカの乗りが著しく悪くなる。墨やヌルが付いた場合は、使い古しの歯ブラシなどで汚れを落とすことが肝心。それでも汚れが落ちないようなら、新しいスッテに交換する。こまめなメンテナンスが釣果を伸ばすコツだ。

以前、鹿児島県のイカ漁師から、「餌木のボディーに人間の手やタバコの匂いがつくと乗りが悪くなるので、カンナしか持ってはいけない」という話を聞いたことがある。それほどイカが直接触れる部分(メタルスッテ、ドロッパー)はデリケートに扱うべきなのだ。

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メタルスッテや浮きスッテのボディーが汚れていると、イカの乗りが著しく悪くなる。墨やヌルが付いた場合は、使い古しの歯ブラシなどで汚れを落としたい

食味こそイカの醍醐味

釣ったイカを美味しくいただけるのはアングラーの特権だ。持ち帰る際にはクーラーボックスの中に綺麗に並べ、専用トレイで効率よく冷やしたい。

釣ったばかりのイカでしか作れない「沖漬け」も、出来合いのタレが釣具店で販売されているので試しやすい。冷凍での長期保存が可能なイカは、家庭はもちろん知人にプレゼントしても喜ばれる。料理のレパートリーも多く、やはり最高のターゲットだと思う。

スルメイカと夏野菜の彩りペペロンチーノ
スルメイカはどう調理しても美味しく、やはり最高の釣りものだと思う。写真はスルメイカと夏野菜の彩りペペロンチーノ。その味は最高の一言!
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手軽さと奥深さから、初心者からベテランまで多くの釣り人に愛されるハゼ釣り。しかし、ハゼの釣果は「時期」に大きく左右されることをご存知でしょうか。今回はこのハゼ釣りの時期について詳しく解説します。

復興庁が主催の、人気釣りイベント「親子ヒラメ釣り大会in浜通り」が、2025年9月21日(日)に福島県相馬市・新地町で実施されます。

舞台となる相馬沖は、全国の釣り人から注目されるヒラメの好漁場。初心者や子どもでも、驚くような大物を釣り上げるチャンスが十分にあります。さらに当日は、ゲストとしてタレントのつるの剛士さんも参加。親子で最高の思い出になること間違いなしのスペシャルなイベントです。

まとめ◎編集部

「親子ヒラメ釣り大会in浜通り」が2025年も開催!

親子ヒラメ釣り大会in浜通り」は、福島の海の豊かさや海産物の美味しさ・安全性を、実際の釣り体験を通して発信する目的で、毎年開催されている人気のイベントです。

イベントの舞台となる福島の沖合は、親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかる「潮目の海」。栄養豊富なこの海で育った魚介類は「常磐もの」と呼ばれ、かつての築地市場でも高く評価されてきた一級品です。その豊かな海はヒラメの魚影も濃く、大型が多いことで知られています。

そんな夢のあるヒラメ釣りに、親子で気軽にチャレンジできるのが本イベントの最大の魅力です。釣具一式はレンタル可能で、経験豊富なインストラクターも乗船するため、船釣りが初めての親子でも安心して楽しめます。昨年の大会では、参加者のほとんどが初心者だったにも関わらず、大型のヒラメが次々と登場。中には全長90cmの大物も釣り上げられました。

さらに、釣り体験の後には、福島の復興の現状を親子で学ぶ視察ツアーも組まれており、貴重な学びの機会にもなります。

01-arakawa-90r
昨年はこんな大型のヒラメも登場
08-kikuchir (カスタム)
初心者の参加者も次々と良型ヒラメをキャッチ!
25-watanaber
釣りがはじめてでも安心して参加できる

ゲストはつるの剛士さん

今年のイベントには、スペシャルゲストとして、タレントのつるの剛士さんが登場!

5児の父として知られるつるのさんは、俳優や歌手として幅広く活躍する一方、幼稚園教諭・保育士の資格を持つなど、子どもたちへの深い理解でも知られています。さらに、趣味の釣りはもはやプロ級の腕前。釣り番組でMCを務めるなど、その楽しさを多くの人々へ伝え続けています。

当日は、そんなつるのさんと一緒に釣りができる、またとないチャンスです。子どもたちにとって、最高の思い出となる、忘れられない一日になることでしょう。

「親子ヒラメ釣り大会in浜通り」イベント概要

イベントの概要は、以下の通りです。親子での特別な思い出作りに、ぜひ応募を検討してみてください。

イベント内容

親子ヒラメ釣り大会、震災学習・復興視察ツアー

日時

2025年9月21日(日)

開催場所

福島県相馬市・新地町

集合場所

相馬港アンフィニー乗合所(〒976-0021 福島県相馬市原釜大津)

募集人数

25組50名程度 ※応募多数の場合は抽選

募集対象

親⼦で参加(⾃家⽤⾞で参加可能な⽅・⼦どもは⼩学3年⽣以上)

タイムスケジュール

6:00…集合・受付開始(相馬港 アンフィニー乗合所)
6:20…開会式・記念撮影
6:45…乗船開始・出港(移動40~45分、準備が整い次第、釣り開始)
12:00…帰港
12:50…昼食(新地発電所内/わくわくランド)
13:30…釣り大会表彰式・記念撮影(新地発電所内/わくわくランド)
14:00…復興視察ツアー(相馬市観光協会による解説を聞きながら相馬港周辺の施設をバスの車窓から見学)※バス乗車30分程
14:50…解散
※港から出航後、釣り場まで約45分ほどかかります。
※荒天時は釣り大会は中止となり代替イベントになる可能性があります。

服装・持ち物

【主催側で⽤意するもの】
竿、リール、仕掛け、餌、氷、ライフジャケット

【参加者様でご準備いただきたいもの】
釣り用の服、雨天対策用品、魚を持ち帰るためのクーラーボックスや発泡箱
※50cm~80cmの魚が入るもの。

【参加者様でご準備いただくと便利なもの】
フィッシュグリップ、偏光サングラス

【当⽇の服装例】
・アウトドア⽤のレインウェア(上下)
・早朝の港でも寒くない長袖・長ズボン
・速乾性のある下着
・⻑靴(レインシューズやサンダル等ではなく、すねを隠せるくらいの丈の長靴がおすすめ。)
・日差しを防げる帽子
・濡れても問題ない釣り⽤⼿袋

応募締切

2025年8月24日(日)

応募方法

復興庁の特設サイト「福島の今」内の応募ページから申し込みが可能。

注意事項

(1)イベント当日は、主催者、運営が写真及び動画の撮影を行います。取材時に撮影した写真及び動画は、主催者、運営が報道・広報活動のために使用しますので予めご了承ください。

(2)主催者に故意または重過失があった場合を除き、大会中の事故、傷害等安全管理については自己責任であることを十分認識してご応募・ご参加をお願いします。また、お子様については保護者の方が責任を持って監督していただきますようお願いします。

(3)地元漁協の取り決めにより、50cm未満のヒラメは採捕禁止となっているため、速やかにリリースしていただきます。50cmを超えるヒラメは各自お持ち帰りいただけます。

問い合わせ

イベント事務局(event@tsuribito.co.jp)

07-syussen (カスタム)
昨年のイベントの様子
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ヤマメを狙うなら“瀬”を撃つ!ニジマスと釣り分ける、尺ヤマメへの近道【北海道・十勝の渓流釣り】 https://web.tsuribito.co.jp/north/tokachi-yamame North Angler’s編集部 trend 194027097998 Sat, 09 Aug 2025 02:00:00 +0900

夏は大型のヤマメが期待できる絶好機。9月は産卵態勢に入る個体が多いので、一年で一番のチャンスは8月だ。夏の十勝といえば川のニジマスと海サクラのイメージが強いが、近年はヤマメを追う人も見られる。ニジマスだけじゃない!

夏は大型のヤマメが期待できる絶好機。9月は産卵態勢に入る個体が多いので、一年で一番のチャンスは8月だ。夏の十勝といえば川のニジマスと海サクラのイメージが強いが、近年はヤマメを追う人も見られる。ニジマスだけじゃない!

Photo & Text by Hiroki Hirasawa(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

北海道・十勝のヤマメ釣り

2007年に十勝川本流の千代田堰堤右岸に造られた千代田新水路により、サクラマスの遡上が増え十勝南部は海サクラのメッカとも呼ばれている。しかし近年は、釣れ始めるのが遅くなっているだけでなく、海況が悪く低迷気味の期間も多い。

そんな状況にやきもきしているソルトアングラーの中には、川に目を向ける人が出てきている。7月上旬に61cm&62cmという大型の海サクラを2尾釣った帯広市の熊谷陽介さんもそのひとり。熊谷さんは7月10日の夕方、自宅近くの川に入り、短時間の釣行で25cm級を頭に数尾のヤマメ(地方名:ヤマベ)をキャッチ。「十勝は昔に比べると、随分とヤマメが釣れるようになったと感じます」と話す。

ニジマス河川として人気の音更川や然別川でもヤマメのヒット率が上がっていると言う。その背景にあるのは千代田新水路と考えられるが、十勝川支流の札内川では中札内村が『ピョウタンの滝やまべ放流祭』というイベントを長きにわたって開催している他、広尾町などでも放流が盛ん。十勝は全国的にニジマスが知られるが、実はヤマメ釣りのフィールドとしても面白いエリアだ。

千代田堰堤のサクラマス
幕別町にある『魚道観察室ととろーど』ではサクラマスが元気に遡上していた

ヤマメとニジマス、釣り分けもできる?

7月16日、熊谷さんと芽室町の長谷部吉彦さんに同行し、帯広市内の川を釣り歩いた。この川をチョイスした熊谷さんによると「昔、ほとんどヤマメは見られなかったのですが、2016年の連続台風で魚道のない下流の堰堤が決壊してから徐々に釣れるようになりました。魚影は濃くないものの、サイズがいいのが魅力。友人が先週、27~28cmを釣っています」とのこと。

熊谷さんも長谷部さんも海で“二尺ヤマメ„を射止めている海サクラのエキスパートだが、最近は川の尺ヤマメにも興味津々(一尺は30.3cm)。2人ともベイトフィネスのスタイルで、熊谷さんは4フィート10インチのウルトラライト・ロッドを手に持つ。長谷部さんはヤマメ用に4フィート8インチを導入する予定が、この日に間に合わず残念そう。

霧雨が降る中、午前5時半から入川して釣り上がる。「1日だけ晴れ間がのぞきましたが、あとは1週間、ずっとこんな天気が続いています」と熊谷さん。通常より5~10cm水位が高いと言うが、アピール力で勝負するルアーにとっては好条件といえそうだ。

が、あちこちに比較的新しい釣り人の痕跡。「海がダメなら川。皆考えていることは一緒ですね」と長谷部さんは苦笑い。それでも開始早々、長谷部さんが小型のニジマスをヒット。ヤマメとニジマス、どちらも生息しているのは十勝らしい。

ニジマス-1
大型ニジマスもいる川だが、取材時にロッドを絞ったのは25cm前後

ニジマスは40~50cm級も釣れるようだが、「活性の高い小型は瀬にいることもあっても、良型は流れが緩く深い淵にいることが多い。ある程度釣り分けることが可能です」と熊谷さん。一方、ヤマメは瀬に入っていると言う。ところが、肝心のヤマメが釣れない。「入川した橋の前後は先行者が釣った後なのかも……。もう少し釣り上がったら大丈夫だと思いますが」と話しつつも、熊谷さんはこの日の天気のように表情を曇らせる。

十勝の渓流
ヤマメとニジマスが生息している場合、比較的流れが緩く、水深のあるポイントにはニジマスが潜んでいることが多い

ヤマメは瀬の中にいる

その後は結果から言うと、見事な良型ヤマメのショーだった。熊谷さんの読みどおり、ある区間から魚の反応が急に増え、最初に顔を見せたのは23cm。ホッとする熊谷さんに続いたのは長谷部さんで、何と25cmを連発。負けじと熊谷さんが23cm&25cmをゲット。その間にも20cm級が数尾、さらに小型のニジマスも混じり、あっと言う間に正午を過ぎて終了予定の橋までたどり着いた。

ヤマメが好む早い瀬
遮るものが何もない早瀬に真っすぐアップでキャストし、トン・トン・トンとトゥイッチを加えてヒットさせた。このポイントでは小型のニジマスもきた

もちろん釣った魚はすべてリリース。この日の釣りを振り返り、2人が感じたこと。それはやはりヤマメは瀬の中にいること。かなり速い瀬にも入っていた。次に、流心に対してアップのキャストがよいこと。熊谷さんはクロスでキャストすることも多かったが、断然アップのほうがヤマメのヒット率は高かった。

上記をふまえて、アップでもアピール度の高いルアーを選ぶのが重要と実感。2人とも5gのスプーンをメインに使ったが、ボディーが薄く、アクションの大きいタイプに反応がよかった。その中でも長谷部さんが多用した、アップのアプローチに特化したスプーン『ド・アップ』は抜群に効いた。

ド・アップで釣ったヤマメ
背中の黒点の多さが特徴的な25cm。『ド・アップ』5gの蛍光ピンクヤマメを食ってきた。このスプーンに替えてから長谷部さんは絶好調モードに突入

7~8月は海でも川でもヤマメが狙える

最後に「ヤマメは今、中流域に多くいるはずですが、これからサクラマスが遡上してくると、それを迎えにいくように下流域へ移動します。そして、サクラマスと一緒に少しずつ上流域へ遡上します」とは熊谷さん。

ヤマメ釣りでは時季に応じたエリアの選択も釣果のカギを握る。熊谷さんは秋、ニジマスねらいで30cmを超えるヤマメを釣ったことがある。が、魚体にはサビが入り、そのときはあくまでも“外道„だったため喜びは半減。しかしヤマメに照準を定め、サビていないピカピカの魚体を、繊細なタックルで釣ったらどうか。海の二尺ヤマメと同じように感動すると思っている。

熊谷さんも長谷部さんも、今後はよりヤマメを意識したタックルを検討している。道東のヤマメの解禁日は7月1日。一日の釣行で、海でサクラマス、川でヤマメという二刀流のプランを組めるのも十勝の魅力といえるだろう。海が荒れて釣りが難しくても川なら楽しめることは少なくない。十勝に遠征を考えているなら海と川のタックルを用意して損はない。海で二尺、川で尺に出会えれば最高の思い出になるのは間違いない。

タックル
使用タックル:写真上は長谷部さん。ロッドはフィッシュマン『ビームス ローワー6.2L』、リールはダイワ『アルファスAIR TW 8.6L』、ラインシステムはPE1号+ナイロン14ポンド。

下は熊谷さん。ロッドはメジャークラフト『トラパラ ネイティブ ベイトモデルTXSB4102UL』、リールはシマノ『SLX BFS RIGHT』、ラインシステムはPE0.6号+ナイロン10ポンド
ルアー
当日のヒットルアー:写真左から。強く重い流れの中でも浮き上がりにくく、水深のある場所にも適している『デベロップ・シェル』(40mm5g・G.チャート/グリーン)。フックはヴァンフック『ドリフトフックDRB-56F』#8で自作。

メタル素材のテールを備え、独特なキレのある泳ぎを披露する『マニア』(50mm5g・G.レッド/オレンジ)。ボディーはワイドなウォブロールアクション、テールはキビキビとしたアップ&ダウンでアピール。フックはヴァンフック『スプーンエキスパートフックSP-41MB』#6。

ネーミングどおり直線的なアップストリームで釣るために開発されたスプーン。テストを重ね、この長さ・幅・板厚・カーブ形状を採用し、ド派手な泳ぎでアピール度が高い『ド・アップ』(50mm5g・蛍光ピンクヤマメ)。フックは丸セイゴ15号で自作

※このページは『ノースアングラーズ2022年9月号』を再編集したものです。

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7月中旬、最盛期を迎えた京丹後エリアのイカメタルに「つり人オンライン」編集部・ワタナベが初挑戦。乗船したのは京都府・浅茂川港から出船する遊漁船『萌愛丸(もあまる)』だ。お世話になった萌愛丸船長の岡山俊雄氏は、かつてルアーメーカーのスタッフを務めていたほどの生粋のアングラー。船長としてだけでなく、一人の釣り人としてもイカメタルを深く探求している。そんな岡山船長に「釣れる人・釣れない人の差」など、釣果が伸びない人やこれからイカメタルにチャレンジしたい人向けにアドバイスを伺うことができたので紹介する。

7月中旬、最盛期を迎えた京丹後エリアのイカメタルに「つり人オンライン」編集部・ワタナベが初挑戦。乗船したのは京都府・浅茂川港から出船する遊漁船『萌愛丸(もあまる)』だ。

お世話になった萌愛丸船長の岡山俊雄氏は、かつてルアーメーカーのスタッフを務めていたほどの生粋のアングラー。船長としてだけでなく、一人の釣り人としてもイカメタルを深く探求している。そんな岡山船長に「釣れる人・釣れない人の差」など、釣果が伸びない人やこれからイカメタルにチャレンジしたい人向けにアドバイスを伺うことができたので紹介する。

写真と文◎編集部

イカメタルで釣れる人と釣れない人の差

岡山船長が語る、釣果を伸ばす人の共通点は以下の通り。

1. 積極的に誘い、タナを探る

「よく誘ってタナ(イカのいる層)を探る人が、やはり一番釣りますね。釣れない方のほとんどは、サオがあまり動いておらず、誘っていない人がほとんどです」岡山船長は、釣果を分ける核心の部分をそう語る。

イカメタルは、ただ仕掛けを投入して待つだけの釣りではない。積極的にロッドを操作して多彩な誘いを試し、その時々のヒットパターンを見つけ出すことが釣果への鍵となる。そのため、たとえアタリが遠のいた時間帯でも、集中力を切らさずに誘い続ける人ほど釣果を伸ばしやすいそうだ。

特に初心者のうちは、どう誘えばいいか分からず、つい手が止まってしまいがち。まずは釣行前に動画などで基本的な誘い方をいくつか学んでおくと、自信を持ってチャレンジできるだろう。また、低活性時に有効な実践的な誘いも船長から教わったので後半の実釣レポートで紹介する。

イカメタルの誘いの様子
イカメタルは誘いが重要な釣り

2. スッテやドロッパーのカラーローテーションを怠らない

イカメタルの基本仕掛けは、一番下に鉛製の「メタルスッテ」を付け、その上のリーダー(枝ス)に「ドロッパー」と呼ばれるエギや浮きスッテを接続したものだ。そして、これらルアーの選択、特にカラー選択が釣果を大きく左右すると岡山船長は語る。

「スッテやドロッパーのカラー選択も、釣果を大きく左右する重要な要因です。アタリが遠のいたら、こまめにローテーションを行い、その時の“正解カラー”を探すことが重要になります。そして、その試行錯誤の幅を決めるのが、手持ちのドロッパーやスッテのカラーバリエーションの豊富さ。これが最終的な釣果を分けることも少なくありません。」

イカの活性や潮の色、時間帯によって、イカメタルのヒットカラーは刻一刻と変化する。当日の釣りでも、誘い方は同じでもカラーを変えた途端にヒットが連発する場面があった。反応がなければ、どんどんカラーチェンジを試すのが有効なので、初心者でもスッテやドロッパーは十分なカラーバリエーションを揃えてチャレンジしたいところだ。

また、当日は釣行前に宮津市の「フィッシングナカジマ」で最近の実績カラーをリサーチして挑んだが、その“鉄板カラー”にヒットが集中した。釣果を伸ばす上では事前の情報収集も重要になる。

ドロッパーとスッテ
様々なカラーのスッテとドロッパーを用意しておきたい

3. 釣れている人を真似る

「イカメタルは、その日のヒットパターンを見つけ出す釣りです。だから、船中で釣れている人がいたら、まずはその誘いやカラーを真似してみるのが釣果への一番の近道です」岡山船長は、そうアドバイスする。

周りが釣れているのに、自分だけ釣れない……。そんな時は、自分の誘いや使っているスッテなどがその時のパターンからズレている可能性が高い。これは初心者だけでなく、自分のスタイルが確立している中級者でも陥りがちなこと。まずは釣れている人のロッドアクションや誘いのリズム、スッテのカラーまで観察し、真似してみると釣果に繋がるはずだ。

さらに岡山船長は、同船者との情報共有の重要性も説く。釣れたタナ(水深)やヒットカラー、誘い方といった情報を積極的に交換し合うことで、より早く、より正確にヒットパターンを絞り込める。仲間内はもちろん、乗り合いでも周りの人と積極的にコミュニケーションを取ってみるのがいいだろう。

4.オモリグはリーダーの長さが重要

「オモリグ」とは、スッテの代わりにオモリを使い、長いリーダーの先でエギをナチュラルに漂わせる吹き流し式の仕掛けだ。速い潮の流れでも仕掛けをコントロールしやすい操作性に加え、スローに誘えるので、通常のイカメタルリグではアタリが出ないような厳しい状況を打開する切り札にもなる。

釣果を伸ばしたいならぜひ用意しておきたい仕掛けだが、このオモリグを使いこなす上で、釣果を大きく左右するポイントがあると岡山船長は語る。

「オモリグで特に気にしてほしいのが、リーダー(ハリス)の長さです。たった10cm違うだけで、釣果に差がでることもありますよ」

オモリグでは、このリーダーの長さがエギの水中での「漂い方」を決め、イカへのアピールが大きく変わる。そのため、その日のイカの活性や潮の速さに合わせ、最適な長さを調整することが求められる。

オモリグを試しても釣れないときには、この「リーダーの長さ」も意識したい。

京丹後イカメタル釣行レポート

ここからは実際の釣行レポートを元に、船長から聞いたテクニックを紹介していく。

明るいうちは体力温存もアリ

当日は夕方に出船したものの、明るい内は船中アタリなし。夕暮れ時でも強い日差しが体力を容赦なく奪っていくタフコンディションだった。

そんな中、船長からこんなアドバイスが。「イカメタルは、日没後に集魚灯が効きはじめ、船の周りにイカの餌が集まりだしてからが本番。もちろん、明るいうちからしっかり誘う人が釣果を出すのも事実ですが、それで変わる釣果は1、2杯という日も多いです。周りも釣れていない状況なら、暗くなるまでは食事休憩をしたり、デッキの日陰で休みつつ釣りをするなど、体力を温存しておくのも賢い選択ですよ。一番大事な“時合”で集中力を切らさないほうが、結果的に釣果を伸ばせます」

船長の言葉通り、実際にイカが釣れ出したのは日が沈んでから。この日は35度を超える猛暑日だったが、日没後は日中の暑さが嘘のように、心地よい潮風の中で快適に過ごせた。暑さの中で誘い続けるのはかなり体力を消耗するので、日が落ちてからの本番に備えるという戦略も有効だと感じた。

夕日-1
日が沈んで集魚灯が効くまではアタリが出づらい

低活性時に意識したいこと

太陽が沈むと、待望の本命であるケンサキイカが釣れ出し、筆者もイカメタルでの初キャッチに成功。事前に予習して来た誘いを色々試すと、シャクってステイからの、フリーフォール後のステイというパターンでドロッパーに乗ってくることが多く、順調に桶にイカが溜まっていく。

しかし、時合は1時間ほどで終了。その後は、忘れたころにアタリが出る修行タイムに突入。アタリは海底付近から3m以内に集中しており、長めのステイに反応が良いものの、明確なヒットパターンはつかめない状況が続く。そんな中、ドロッパーのカラーをこまめに替えることで、なんとか拾い釣りを展開。カラーローテーションの重要性を改めて実感させられた。

また、誘いの方法についても船長にアドバイスを求めると、イカの活性が低い状況ではヒットパターンが刻々と変わることも珍しくなく、誘いの“引き出し”は多いほど有利だと教えてくれた。

例えば、イカの活性が低く、「スッテやドロッパーが動きすぎるのを嫌う」と感じる時がある。そんな状況では、基本となるシャクリやフォール、シェイクといった動きとは違うアプローチが必要だ。そこで有効なのが、ナチュラルにエギを漂わせることができる「オモリグ」への変更である。

通常のメタルスッテの釣りでも、ただ上下に誘うだけでなく、軽くキャストして手前にカーブフォールで引いてきたり、足元でサオを水平に動かしてドロッパーを横方向にスライドさせるなど、縦の誘いだけでなく横の誘いも意識しながら工夫すると効果的だそうだ。

実際、アドバイスを参考に、横の誘いも織り交ぜながら誘うことで、ヒットするペースが早くなり数を伸ばせた。

時合でヒットパターンを見つけ連釣

終盤に入ってもなかなか渋い状況が続いたが、終了間際に再び時合が到来した。筆者が「細かいピッチのジャーク&ステイ」でヒットさせたことを仲間に共有すると、しばらくして「細かいジャークで誘い上げた後、一度底までフォールさせてからステイさせる」と、高確率でヒットするとの情報が返ってきた。

早速試してみると、面白いようにヒットが続く。イカメタルらしい、じっくりとイカを焦らしてステイで乗せる、という醍醐味を存分に味わうことができた。刻々と変わる状況のなか、仲間と協力して正解のパターンを見つけ出していくプロセスも、イカメタルの大きな魅力と言えるだろう。

ケンサキイカ-3
同船者にダブル。後半の時合は船中でヒットが連発した

この日の釣果は、竿頭36杯に対し、筆者は30杯。釣行日前後の釣果では50~80杯近く上がっていたことを考えれば、決して簡単な日ではなかった。しかし、イカメタル初心者ながら、テクニカルな展開を岡山船長のアドバイスのおかげで最後まで楽しむことができた。

なお、今年のケンサキイカはシーズン開幕が遅れたぶん、盛夏を迎えたこれからが本番。7月末には、100杯超えの釣果も聞かれるようになっている。

駆け引きのゲーム性が高く、食味も抜群なイカメタル。この夏、ぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。

萌愛丸の岡山船長
萌愛丸』の岡山船長。インスタグラムでも釣果を発信中
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【北海道アユ釣りキャンプのススメ】釣って、焼いて、味わう、最高に贅沢な夏の過ごし方 https://web.tsuribito.co.jp/north/ayu-camp North Angler’s編集部 trend 193958877838 Thu, 07 Aug 2025 02:00:00 +0900

釣って、焼いて、味わう。北海道のアユ釣り旅は、キャンプと組み合わせるのが最高の贅沢!釣ったばかりの新鮮なアユを炭火で味わい、時間を気にせず釣り三昧。そんな至福の「アユ釣りキャンプ」の魅力と、道内のアユ釣り河川情報をお届け。

北海道のアユ釣り旅は、キャンプと組み合わせるのが最高の贅沢!釣ったばかりの新鮮なアユを炭火で味わい、時間を気にせず釣り三昧。そんな至福の「アユ釣りキャンプ」の魅力と、道内のアユ釣り河川情報をお届け。

Text by Ryo Kobayashi
Photo by Hiroki Hirasawa
North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

北海道内アユ釣り事情

本州、四国、九州を問わず、夏の釣りものではトップクラスに人気のあるアユの友釣りだが、じつは北海道ではどちらかといえばマイナーなジャンルだ。これは全道的に海釣り人気が高いことに加え、淡水ではアメマス、ニジマス、ヤマメ、オショロコマ、イトウ、ブラウントラウト、ヒメマスなどのトラウト類をねらえる魅力的なフィールドがそこかしこにあるからだろう。アユの魚影が多い河川は、そのほとんどが道南と道央エリアということもあり、「北海道にアユはいない」と誤解している道産子も結構いる。

ただし、北海道がアユ釣りファンにとって魅力のない環境というわけでは決してない。素晴らしい川があり、釣果は数、サイズのどちらも本州の名川と比べても遜色ない。短い夏に急成長すべく、石に付着した藻類を懸命に食むのでヘラブナやカラフトマスのような背中が盛り上がった幅広の体形になる個体も見られる。そして、そんな魚たちは良質の藻類が付いた石をナワバリとして守る習性も特に強いので、ナワバリ争いを利用する友釣りの最高のターゲットになるわけだ。

また、釣れるアユの食味も総じてレベルが高く、朱太川が2016年の『清流めぐり利き鮎会』でグランプリを獲得したのは記憶に新しい。その証拠に近年は、アユ釣りを始める人がジワジワと増えていると感じる。

朱太川
朱太川は札幌から約2時間半とアクセスも比較的よく、オトリ販売店もあり、天然遡上魚が多いので人気が高い

北海道でのアユ釣りシーズン

北海道では内水面漁業調整規則により、アユ釣りができる期間は7月1日から9月15日に定められている(禁止期間は4月1日〜6月30日、9月16日〜10月31日)。関東以南には5月に開幕し、10~11月までロングランで楽しめる川もあるので、それらと比較すると北海道のアユ釣りシーズンは半分にも満たない。とはいえ、短い夏に集中してサオをだすのも季節限定のプレミア感があり、1回の釣行を大切にする分、中身が濃いものになる。自分はシーズン終了後、しばし気が抜けたような状態、いわば「アユロス」になる(笑)。

季節ごとにいろいろな釣りを楽しむが、そんなふうになるのはアユ釣りだけだ。なお、7月1日から好釣果を期待できる川が多いが、水温が低い一部の河川や流程が長い中~大河川の上流域などは、シーズン序盤はまだ魚影が少なかったり、魚が育ちきってなかったりして厳しいときもある。また、その年、川によっても異なるが、北海道のアユはお盆過ぎから魚体にサビが入り、早い個体は8月20日前後から落ち始める。それゆえ、本来の最盛期は真夏の一番暑い時季、7月中旬~8月中旬だ。

ヒグマのフン-1
手前にあるブツはヒグマの糞。後志利別川の川辺近くにあるビート畑にあった。アユ釣りではクマ除けの鈴を携帯したい。また、ゴミの放置はヒグマを誘引するので絶対にNGだ

近年人気のアユ釣り河川

道内でアユ釣り人気が高いのは津軽海峡や日本海に注ぐ河川だ。そして、北海道は管理漁協のない川が多いが下記の河川、余市川、朱太川、後志利別川、馬場川、太櫓川、二俣川、濁川、遊楽部川はアユの漁業権を設定している。また、厚沢部川、天の川、知内川は地元有志が資源増殖や釣り場造成を行なっていて、協賛金や協力金という形で任意の遊漁券を販売している。

近年、特に人気がある河川は朱太川、後志利別川、厚沢部川、天の川。いずれも魚影の濃さは甲乙付け難く、解禁当初や最盛期の絶好調な日なら束釣りも充分ねらえる。アユの北限地とされる北海道は夏が短く、冬の海水温も低いのでアユにとって厳しい環境と推測されるが、ここ数年人気河川の多くは好調が続いている。秋に台風や爆弾低気圧による大きな出水がなく、孵化や稚魚の成長が順調で、冬も暖冬傾向。温暖化がプラスに作用しているのかもしれない。

後志利別川-1
良型のアユをねらうなら後志利別川が最右翼だろう。長ザオを存分に振れるフィールドだ

また、アユ釣りの名川として古くから知名度が高い道南の知内川、道央の尻別川はかつて不調に陥っていたが、どちらもここ数年は復調、往年の活気が戻ってきている。尻別川は札幌から約2時間とアクセスがよく、河川規模が大きい。良型を豪快にねらえるフィールドは北海道では貴重なのでうれしい限りだ。

アユ釣り人口が少ないので、いずれの川も本州の人気河川に比べたら釣り場は空いている。本州では空いている釣り場の表現として「一人一瀬」という言葉があるが、北海道では1人で瀬を3つ4つ探れることもよくある。

管理漁協のない小河川も面白い。メジャー河川と異なり手付かずのポイントが多いので、細流で思い掛けず入れ掛かりになることも珍しくない。必然的に7m以下の短ザオでの釣りになるが、大河川の速く太い流れに立ち込むのが厳しくなったシニア、女性や子どものほか、ビギナーのデビュー戦の場としてもちょうどいいと思う。北海道は情報が少ない分、新しい釣り場を開拓する楽しみもある。ただ、その際は北海道には魚種、時期を問わず通年禁漁の保護水面があるので確認しておきたい。

なお、アユの友釣りで必要なオトリは私が知る限り、札幌、余市、黒松内、厚沢部、上ノ国に販売店があるが、川によっては立ち寄るのに不便だったりする。また、苦労して用意した虎の子の1尾を逃がしてしまったり、開始早々にマス類に食われてしまったり、不測の事態も起こりえる。

海辺の小河川
こんな小河川の河口から最初の瀬で入れ掛かりになることも……

北海道アユ釣りキャンプのススメ

私は札幌に住んでいるので、道南の川に遠征するときはアユ釣りとキャンプを組み合わせて楽しむことが多い。魅力はいろいろあるが、キャンプをする一番大きな理由は「美味しくアユを食べたい!」から。アユは鮮度が落ちやすいので、釣れたその日に食べるのがベター。しかしながら、たとえば道南で1泊2日の釣行なら、帰宅して夕飯の食卓に並べるべく逆算すると、最終日は昼過ぎには納竿することになる。片道3~5時間掛けて道南まで行き、1日半しかサオをだせないのはあまりにももったいないと感じる。しかも、北海道の川は水温が低く、水温が上がる午後のほうがよく釣れる傾向がある。一番いい時間帯を捨てて帰路に就くのは、ナンセンスな行為だろう。

ちなみに、友釣りはハリ掛かりする場所がまちまちで、腹、頭、エラなどに掛かった個体は死ぬ確率が高い。すぐに食べてしまったほうがいい魚が一定数出るので、キャンプで食べるのは合理的でもある。しかも、キャンプなら炭火で焼ける。私はマンション住まいで炭火が困難なので、この点にも強く惹かれる。アユはやっぱり炭火でじっくりと時間を掛けて焼き、頭から丸ごといただくのが旨い。

鮎の塩焼き
キャンプで食べるアユの塩焼きが一番旨いと思う。なお、串は竹製の平串だと、焼きぐあいをみて魚の向きを変えるときに串だけ空回りしにくくてよい

また、初日に釣れたアユは食べる分をのぞきオトリ缶や引き舟に生かしておくのだが、川に沈めておくと夜中に増水して流されたり、盗難などのリスクがある。その点、場内に小川や池などの生かしておける水場があるキャンプ場も結構あって便利だ。

車中泊することもあるが、アユ釣りの遠征は道具が多く、濡れたウエア類なども車中にある。寝苦しいくらい暑い日もあるので、テントを設営するほうが自分はぐっすり眠れる。ただ、設営と撤収にできるだけ時間を掛けたくないので、ワンタッチテントを愛用している。

北海道は無料、または格安のキャンプ場が充実していて、最低限の設備があればOKな私のような釣りキャンプ好きには最高の環境だ。低価格で利用できるバンガローやロッジを備えるキャンプ場もあるので、いろいろなスタイルで楽しめるのもいい。

キャンプ
シンプルに最低限のギアで楽しむキャンプスタイル。いろいろ用意しても、釣りで疲れているからすぐ寝てしまう……
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釣りは、自然の中で手軽に楽しめる絶好のアクティビティです。普段とは違う体験は、きっと忘れられない夏の思い出になるでしょう。さらに、使うエサを工夫したり、釣れた魚を観察して魚拓を取ったりすれば、そのまま夏休みの自由研究にもつなげられます。この記事では、初心者や親子で気軽に楽しめる釣りを厳選して4つご紹介します。必要な道具や注意点も解説しますので、ぜひ参考にして、この夏は釣りデビューしてみましょう!

釣りは、自然の中で手軽に楽しめる絶好のアクティビティです。普段とは違う体験は、きっと忘れられない夏の思い出になるでしょう。さらに、使うエサを工夫したり、釣れた魚を観察して魚拓を取ったりすれば、そのまま夏休みの自由研究にもつなげられます。

この記事では、初心者や親子で気軽に楽しめる釣りを厳選して4つご紹介します。必要な道具や注意点も解説しますので、ぜひ参考にして、この夏は釣りデビューしてみましょう!

まとめ◎編集部

夏休みに釣りにチャレンジ!

まずは、釣りを楽しむために必要な基本的な道具と、安全に関わる大切な注意点を確認しましょう。

必要な道具

釣具店に行くとたくさんの道具があって迷ってしまいますが、まずはシンプルな装備で大丈夫。今回ご紹介する釣りは、以下の道具があれば楽しめます。

・サオ: 2〜3mほどの淡水小物向けの「のべ竿」か、初心者向けの2m前後の「リールタックル(サオとリール、道糸のセット)」を用意しましょう。安価なものなら1000~2000円程度で手に入ります。
・仕掛け:作るのが難しそうなイメージもある釣りの仕掛けですが、狙う魚に対応した完成品の仕掛けが売られています。基本的にはのべ竿なら竿先に、リールタックルなら道糸の先に結べば釣りができます。
・クーラーボックスと氷:釣れた魚を持ち帰る場合は、新鮮に保つために必須です。飲み物も冷やすことができます。
・ハサミ: 糸を切ったり、袋を開けたりと何かと便利です。
・タオル: 魚を掴んだり、手を拭いたりするのに使います。
・ライフジャケット: 万が一の落水に備え、必ず用意しましょう。

また、海にはハオコゼやゴンズイといった毒を持つ魚が釣れることもあります。安全のために、魚を直接触らずに針から外せる「フィッシュグリップ」があるとさらに安心です。

夏の釣りの注意点

水辺での遊びは、危険も伴います。以下の注意点を必ず守り、安全に釣りを楽しみましょう。

・ライフジャケットの着用: 水辺ではいつ落水するかわかりません。万が一に備え、大人も子供も必ずライフジャケットを着用してください。

・滑りにくい靴を履く: 場所によっては地面が濡れていたり、コケが生えていたりして滑りやすいことがあります。サンダルではなく、滑りにくいスニーカーや長靴を履きましょう。

・雷に注意: 夏は急な雷雨が発生しやすい季節です。釣りのサオはカーボンなど電気を通しやすい素材でできていることが多く、周りに高い建物がない水辺では非常に危険です。予報も事前に確認し、遠くで雷の音が聞こえたり、空が暗くなってきたら、すぐに釣りを中断して安全な場所に避難してください。

・熱中症対策は必須: 夏の釣りでは、熱中症対策が欠かせません。特に気温が35度を超えるような猛暑日の日中に、長時間の釣りは命に関わる危険があるため、避けましょう。比較的涼しく、魚の活性も高まる朝夕のマズメ時に釣行時間を絞るのがおすすめです。熱中症のリスクを減らせるだけでなく、釣果アップも期待できます。釣行の際は、帽子の着用、こまめな水分や塩分の補給、日陰での定期的な休憩を徹底し、万全の対策で臨んでください。

夏に気軽に楽しめる釣り4選

身近な水辺で、気軽に楽しめる釣りを4つ厳選しました。それぞれの魅力と楽しみ方をご紹介します。

ハゼ釣り

ハゼは、日本各地の汽水域や沿岸部に生息する、釣りの入門に最適な魚です。天ぷらや唐揚げにして食べると絶品!東京ではスカイツリーの真下を流れる北十間川など、意外な都心部でも釣れるので、お出かけついでに楽しむこともできます。

・釣り方

夏休みシーズンなら足元の浅瀬にハゼが居着いてるので「ミャク釣り」がおすすめです。ミャク釣りは、リールを使わない「のべ竿」に、オモリとハリだけのシンプルな仕掛けを付け、目の前のポイントを探るスタイル。アタリがダイレクトに伝わる面白さがあります。釣り方は底に仕掛けを置いて、ブルッといったハゼのアタリを感じたら、軽く竿を持ち上げてアワセをいれましょう。

・エサ

アオイソメやジャリメなどの虫エサが定番ですが、ベビーホタテでもよく釣れるので、虫が苦手な方でも安心です。他にもスーパーやコンビニで手に入るエビやイカの切り身など、タンパク質系のエサに貪欲に反応します。「どのエサが一番釣れるか?」をテーマに自由研究をしてみるのも面白いでしょう。

ハゼ
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テナガエビ釣り

テナガエビは、その名の通り長い手が特徴のエビで、からあげにすると香ばしくて非常に美味しいターゲットです。湖や川などの淡水域から、都市部を流れる大きな川の汽水域まで、身近な場所に生息しています。トップシーズンは6月上旬から7月上旬ですが、9月ごろまで楽しめます。

・釣り方

のべ竿を使い、「ウキ釣り」か「ミャク釣り」で狙うのが基本です。仕掛けは非常にシンプルで、ミャク釣りなら竿の先に結ぶ道糸に、ガン玉(オモリ)とハリス付きの針を付けるだけで完成します。ウキ釣りの場合は、道糸にウキ止めと小さな玉ウキを追加するだけです。

釣り方は、エビが潜んでいそうな岩や消波ブロックの陰を丁寧に狙いましょう。釣果を伸ばすコツは「早アワセは禁物」ということ。エビはエサをすぐにその場で食べず、一度巣穴に持ち帰ってから食事をする習性があります。そのため、反応があっても少し待ってから、ゆっくりと様子を伺うように竿を上げるのが釣果アップの鍵です。

・エサ

虫エサのアカムシやサシなどが釣りやすいですが、ハゼと同様にタンパク質性のエサが大好きなので、色々なエサを試して反応の違いを観察するのも自由研究におすすめです。

テナガエビ
テナガエビも身近な水辺に生息する好ターゲット
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サビキ釣り

「サビキ釣り」は、魚の皮やビニール片などが付いた「サビキ」と呼ばれる疑似餌の仕掛けを使って、堤防からアジ、イワシ、サバといった美味しい魚を手軽に狙える人気の釣りです。一度にたくさんの魚が釣れることもあり、子供も大人も夢中になれます。本格的に数を狙うなら、魚の活性が上がる朝方(朝マズメ)や夕方(夕マズメ)の時間帯を狙い、小さなアミエビなどのコマセエサも併用すると良いでしょう。他にも小さなメジナやカンパチの幼魚、ネンブツダイなど、色々な魚が釣れるのも楽しみの一つです。

・釣り方

タックルはリールタックルがおすすめで、サビキ仕掛けを道糸の先に結んで使います。夏休みの時期はアジやサバの稚魚、イワシなど小さい魚が回遊してくることが多いので、小アジ用などと書かれた小さなハリを使用した仕掛けがおすすめです。基本の釣り方は足元に仕掛けを落としてアタリを待つだけ。周りで魚が釣れているのに自分だけ釣れないときは、仕掛けのある水深が、魚が泳いでいる水深と合っていないことがあるので、底から上層まで探ってみましょう。

アジ
サビキ釣りではアジやイワシ、サバなど美味しい魚が狙える
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キス釣り

透き通るような美しい姿をしたシロギスは、「砂浜の女王」とも呼ばれ、上品な白身は天ぷらなどにすると格別の美味しさです。夏になると産卵のために浅瀬にやってくるため、砂地の堤防や砂浜から気軽に狙えます。キス以外にもメゴチやハゼの仲間など、様々な魚が釣れるのも魅力です。海水浴場にもいる魚なので、海水浴とセットで楽しむこともできます。ただし、人が泳いでいる場所で釣りをするのは絶対にやめましょう。朝方の人がいない時間帯や、海水浴場の隣の砂浜などで楽しむようにしてください。

・釣り方

リールタックルを使った「チョイ投げ」で狙います。仕掛けはオモリが付いた天秤を道糸の先に結んで、天秤の腕の先にキス専用の2~3本仕掛けを付けます。釣り方は少し沖に向かって仕掛けを投げて、リールなどでゆっくり引いてくるのが基本です。仕掛けを投げる際は、安全のため周りに人がいないことを確認してからなげましょう。

・エサ

アオイソメやジャリメなどの虫エサが定番です。虫が苦手な人なら、釣果は劣るものの虫エサに似せた人工エサや細長いイカの塩辛などでも釣ることができます。

シロギス
夏は天ぷらだねとして人気なシロギスも狙いやすい
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なぜ、釣りの記憶は

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上州屋「那珂川鮎バトル2025」が開催!渇水の激戦を制した優勝者の釣果は? https://web.tsuribito.co.jp/news/johshuya-ayubattle つり人編集部 trend 193620378395 Tue, 05 Aug 2025 07:00:00 +0900

解禁初期の日高川でG杯を制した下田成人さんに密着。我慢の釣りを強いられがちな状況を打開するチャンピオンの技術を探った。

2025年7月13日(日)、鮎釣りの名所として知られる栃木県那珂川の小川地区にて、釣具販売大手の「上州屋」主催による「那珂川鮎バトル2025」が盛大に開催されました。当日は腕に覚えのある75名の鮎釣りファンが集結。夏の那珂川を舞台に、熱い戦いが繰り広げられました。

報◎上州屋
まとめ◎編集部

上州屋「那珂川鮎バトル2025」開催!タフな状況を制したのは?

大会当日は晴天に恵まれたものの、川は渇水気味で「青ノロ」が発生するという、アングラーにとっては非常に厳しいコンディション。釣果が伸び悩むことが予想される中での競技スタートとなりました。

しかし、そんなタフな状況をものともしないのが、この日のために集まった腕自慢たち。3時間という短い競技時間を終え、検量所には次々と見事な良型の鮎が持ち込まれました。

厳しい状況下で上位3名は10尾を超える釣果を記録。そして、見事16尾(オトリ2尾を含む)を釣り上げた齋藤巧選手が、激戦を制し優勝の栄冠を手にしました。

【最終結果】

優勝:齋藤 巧(サイトウ タクミ)16匹   
準優勝:小池 章人(コイケ アキヒト)11匹
3位:阿部 謙心(アベ ケンシン)10匹

表彰風景CIMG8053r

和やかな雰囲気と、地域との一体感が大会を彩る

今回の大会では2名の女性アングラーも参加し、華を添えました。大会側も「レディース賞」を設けるなど、性別を問わず誰もが楽しめる配慮がなされています。

さらに、地元のオトリ店「那珂川釣荘」からは「オトリ鮎年間フリーパスポート」という豪華景品が提供されるなど、参加者と地元が一体となった交流が見られました。

また、釣り上げられた鮎は、地域貢献活動として「医療法人 杏仁会 デイサービスにらがわ」へ寄贈。参加者たちの熱戦の成果が、地域の笑顔に繋がるという心温まる取り組みも行われました。

表彰式の後には、参加者全員を対象としたお楽しみ抽選会も開催され、最後まで大きな盛り上がりを見せたまま、大会は成功裏にその幕を閉じました。

抽選会風景

大会概要まとめ

大会名:上州屋鮎釣り大会・那珂川鮎バトル2025
開催日:2025年7月13日(日)
場所:栃木県那珂川 小川地区
競技時間:8:00~11:00(3時間)
審査方法 :3時間で釣り上げた鮎の匹数で競技(オトリ2匹を含む)

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ハイアールの「マイナス50度冷凍庫」で釣果を美味しくストック!長期の鮮度維持&完璧なアニサキス対策が可能! https://web.tsuribito.co.jp/north/reitouko North Angler’s編集部 trend 193904771350 Tue, 05 Aug 2025 04:30:00 +0900

釣った魚を美味しさそのままに保存したい——そんな釣り人の理想を叶えるのが、ハイアールの超低温冷凍庫『JF-TMNC150A』だ。一般的な家庭用冷凍庫をはるかに上回るマイナス50度の冷却性能で、鮮度の維持はもちろん、アニサキス対策やエサの保管にも対応。釣果を無駄にせず、安全・確実にストックしておける一台として注目されている。

釣った魚を美味しさそのままに保存したい——そんな釣り人の理想を叶えるのが、ハイアールの超低温冷凍庫『JF-TMNC150A』だ。一般的な家庭用冷凍庫をはるかに上回るマイナス50度の冷却性能で、鮮度の維持はもちろん、アニサキス対策やエサの保管にも対応。釣果を無駄にせず、安全・確実にストックしておける一台として注目されている。

Photo & Text by North Angler’s編集部

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

超低温冷凍庫は長期保存が可能&アニサキス対策にも

ハイアールの150L上開き式冷凍庫『JF-TMNC150A』は、釣り人にとって“夢の冷凍庫”といえる。一般的な家庭用冷凍庫の温度がマイナス18度程度であるのに対し、同モデルはマイナス50度まで設定できる(設定範囲はマイナス50度~マイナス15度、1度単位で設定可能)。これにより、釣ってきた魚を凍らせたときの酵素反応やタンパク質の変性(メト化)を抑え、味や見た目をほぼ変えることなく長期保存が可能。

新鮮さを長持ちさせる以外にも大きなメリットがある。ずばり、魚の生食時におけるアニサキス中毒対策だ。厚生労働省によれば、アニサキスはマイナス20度で24時間冷凍保存すれば死滅する。しかし先述のとおり、家庭用冷凍庫の温度定義はマイナス18度。これでは対策を講じたことにはならない。その点『JF-TMNC150A』の冷却力であれば心配無用。釣った魚を刺し身で美味しくいただく=“釣り人の特権”を存分に享受できるだろう。

アニサキス
アニサキスがいたサバの切り身。アニサキスはマイナス20度以下で24時間冷凍すれば死ぬため、生食も一度冷凍するのが安心

庫内容量150Lという大容量ながら、外形寸法は幅940×奥行565×高さ880mm、重量約50kgと比較的設置しやすいサイズで、ガレージやベランダ、軒下にも収まりやすい。70cmクラスの大もの(たとえばブリやサケなど)もそのまま収納可能な横長形状なので、釣った魚を処理せず丸ごと入れられる利点もある。

また、『JF-TMNC150A』は直冷式(ファン非搭載)を採用しており、無風で冷却するため食材が乾燥しにくく、冷凍焼けを防ぐ。水分を逃さずドリップを抑え、しっとりと美味しさをキープできる点も、保存性能を高める重要な機能だ。

冷凍前のブリ
70cmのブリを『JF-TMNC150A』で丸ごと凍らせてみる
冷凍後のブリ
約4時間で魚体内部がマイナス5度に達した

保存品質をより高めるために

冷凍保存で肝心なのは、空気との接触を減らす工夫だ。真空パックに入れるのがベストで、使用するフリーザーバッグにも気を遣いたい。「ナイロンポリ」など、酸素透過度の低い製品がおすすめで、魚を入れて空気を抜き、シーラーを使って密封すれば完璧。

さらには魚を重ね置きしないこと。こうすると冷凍済みの魚の温度が上昇してしまう。急な温度上昇は食材の水分が溶け、気化(昇華)が生じる。その水分が再び凍るときには霜が付いて冷凍焼けの原因にもなる。小分けにしてタッパーなどに入れて保存するのも手だ。

真空パックして冷凍した魚
酸素透過度の低い真空パックで保存すると風味が逃げず冷凍焼けもしにくい

エサの保存にも最適

超低温冷凍庫を生エサの保存に使うニーズは多い。凍るまでに時間のかかったエサは解凍後も身がグズグズになりがち。それが超低温冷凍なら身が締まった状態でしっかりと保存される。いままさに盛期を迎えようとしている北海道のサケ釣りでも、エサの鮮度は非常に重要。余ったサンマやカツオ、紅イカなどの保存にも大活躍してくれるだろう。

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写真はサケ釣り用のカットカツオ。余ったエサの保存にも大活躍してくれるだろう
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【千葉県のハゼ釣り場おすすめ5選】夏の数釣りも、秋の落ちハゼも満喫できる好ポイントが揃い踏み! https://web.tsuribito.co.jp/suburb/zenkoku-hazetsuri-osusume-point2110-02 つり人編集部 trend 83749741738 Mon, 04 Aug 2025 04:00:00 +0900

千葉県には、シーズンを通してハゼ釣りを楽しめる釣り場が多い。夏の数釣りはもちろん、晩秋の良型「落ちハゼ」まで狙える懐の深さが魅力だ。そこで今回は、編集部や地元の釣具店が厳選した、千葉県の特におすすめなハゼ釣り場を大公開!初心者でも安心な足場の良い場所から、電車で手軽に行けるポイントまで、具体的な攻略法とあわせて紹介していく。

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まとめ◎編集部

千葉県のおすすめハゼ釣り場5選

千葉は高水温期だけでなく、落ちハゼシーズンも楽しめる釣り場が多い。ここではそんな千葉のおすすめのハゼ釣り場を紹介していく。

江戸川放水路

東京メトロ東西線・妙典駅を最寄りとする「江戸川放水路」。周辺には有料駐車場やコンビニ、ショッピングモールも揃っており、家族連れでも快適に釣りが楽しめる人気のフィールドだ。

フィールドは基本的に遠浅の干潟で、所々に牡蠣殻や岩が点在する。ハゼの魚影は非常に濃く、ハイシーズンとなる夏から初秋にかけては、ごく浅い場所に群れている姿も見えるほどだ。この時期はミャク釣りやウキ釣り、ハゼクラ(ハゼ用クランクベイト)などで、初心者でも数釣りを満喫できるだろう。ただし、干潮時に干潟へ立ち入る場合は、牡蠣殻などでの怪我を防ぐためのウェーダーや長靴が必須となる。

川沿いにはボート店が多く立ち並び、有料で桟橋を利用させてくれる店もある。手ぶらで訪れても、エサの購入や釣り具のレンタルができるので非常に便利だ。また、水温が下がる秋以降は、深場に落ちた良型をチョイ投げで狙うのも面白い。ボートを借りて、じっくりと「落ちハゼ」を攻めてみるのもまた一興だ。

江戸川放水路
江戸川放水路は関東ハゼ釣りの有名ポイント
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木更津・潮見運河

木更津港周辺はハゼの好ポイントが多いが、中でも特におすすめなのが「潮見運河」である。近隣に駐車場はあるものの、そこから釣り場までは20分ほど歩く。JR木更津駅からも徒歩圏内のため、電車での釣行も可能だ。

地元の釣具店「キャスティング木更津店」によると、イチオシは潮見緑地公園の南角。運河との合流点付近が特に有望だという。このポイントは川の中心部が航路になっており、水深が他より深い。そこにハゼが溜まるため、狙うべきはまさにこの中心部だ。岸から3mほど投げられれば十分なので、短いコンパクトロッドでのチョイ投げが最適だろう。

おすすめのエサは、意外にもスーパーで手に入るボイルベビーホタテだ。貝柱の繊維に沿って細く裂き、ハリにチョン掛けするのがコツ。この場所ではアオイソメなどの虫エサよりも反応が良く、手軽に入手できる点も魅力である。ハリについては、キス用などの小さいものだとハゼが飲み込んでしまったり、すっぽ抜けたりしがちだ。リリースを前提とするなら、口元にしっかり掛かるよう、ハゼバリ6号や袖バリ6~7号といった少し大きめのサイズを選ぶとよい。

この釣り方なら、初心者でも時速6~7尾の釣果は十分に期待できる。さらに釣果を伸ばす鍵は、ハゼがエサを吐き出す前にアタリを捉え、的確にアワセ(フッキング)を入れること。これが決まれば、時速20~30尾というハイペースな釣りも夢ではない。

潮見運河
木更津の運河一帯はハゼが多く潜む

海老川河口(船橋港)

都心からもアクセスしやすい、「船橋港」と、その最奥部に位置する「海老川河口」も、ハゼ釣りの好ポイントだ。京成本線・大神宮下駅から徒歩圏内とアクセスも良く、公衆トイレも完備。近くには大型ショッピングモールもあるため、家族連れでも楽しめる。

港内は全体的に水深があるものの、ハイシーズンになるとスロープ状になった浅瀬にハゼがびっしりと溜まる。そのため、手軽なミャク釣りやウキ釣り、ハゼクラで、初心者でも数釣りを満喫できるだろう。

ただし、この釣り場の要となるスロープは、コケで滑りやすいため最大限の注意が必要だ。転倒事故を防ぐためにも、グリップ力の高い滑りにくい靴を必ず着用し、安全第一で楽しみたい。

海老川河口(船橋港)
夏場はスロープ沿いにハゼが溜まる

利根川河口

日本最大級の河川・利根川は、ハゼ釣りの一級フィールドだ。夏場だけでなく、年末年始まで大型が狙えるポイントとして注目されている。河口から2~3km上流までが主な釣り場となり、点在するポイントの数も多い。

このような大河川では、岸から少し離れた場所にハゼが集まっていることも多い。そのため、竿下を直接探るミャク釣りよりも、少し投げて広範囲を探れるチョイ投げがおすすめのスタイルとなる。

数あるポイントの中でも、特に人気なのが銚子市豊里地区にある「桜井町公園」だ。無料駐車場、公衆トイレ、芝生の広場が完備されており、家族連れでも安心して楽しめる。

ここは、特に晩秋から冬にかけての「落ちハゼ」狙いの名所として知られている。基本のチョイ投げで深みを探るもよし、あるいは護岸のブロックの隙間に潜む大物を穴釣りで引きずり出すもよし。多彩な攻め方で大型ハゼとの駆け引きを堪能できる。

利根川河口
落ちハゼ釣り場としても有名な利根川河口

一宮川河口

千葉県・外房エリアを流れる「一宮川」の河口も、ハゼの魚影が濃い一級ポイント。数釣りと良型狙いの両方が楽しめるのも魅力だ。

おすすめのポイントは「新一宮大橋」の周辺。干潮時には干潟が現れ、その中に点在する岩などがハゼの絶好の隠れ家となる。地形は遠浅なため、広範囲を効率よく探れるチョイ投げが主な釣り方だ。ただし、浅場にハゼが集まる高水温期ならウェーダーなどで水に立ち込み、ハゼの付き場をミャク釣りで直接狙うのも面白い。遠浅なのでハゼクラにも向いた釣り場と言えるだろう。

また、全体的にハゼの型が良いのも特徴で、秋以降には「落ちハゼ」の実績も高い釣り場だ。チョイ投げで船道となっているカケサガリ(水深が深くなっていく斜面)を狙えば20cmを超える「デカハゼ」が狙える。

なお、大原方面の川岸は、護岸されていて足場が良いため、手軽に楽しみたい場合や、秋のチョイ投げシーズンにおすすめだ。

一宮川
一宮川は良型のハゼが多い

※このページは月刊『つり人』の過去の記事を情報更新・再編集したものです。

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なぜG杯王者は「ソリッド穂先+メタルライン+背バリ」を使い続けるのか?下田成人の“引き釣り”を支えるタックル論【和歌山・日高川】 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/ayu-ryujin つり人編集部 trend 193369537042 Sun, 03 Aug 2025 02:00:00 +0900

解禁初期の日高川でG杯を制した下田成人さんに密着。我慢の釣りを強いられがちな状況を打開するチャンピオンの技術を探った。

解禁初期の日高川でG杯を制した下田成人さんに密着。我慢の釣りを強いられがちな状況を打開するチャンピオンの技術を探った。

写真と文◎編集部

ソリッド+メタルライン+背バリの引き釣りスタイル

昨年8月、岐阜県・馬瀬川で開催された第47回G杯争奪全日本アユ釣り選手権を制したのが和歌山県・有田川をホームとする下田成人さんだ。決勝では得意とする引き釣りがハマり入れ掛かり。勝負を忘れて釣りを楽しむと優勝の結果は後からついてきた。友釣りは20代前半から本格的に始めた。最初のころは泳がせで上飛ばしばかりを練習した。

有田川やその隣の日高川は、玉砂利ののっぺりした流れも多いが、盛夏のアカぐされ時にはそういった場所が好ポイントになる。泳がせの有効性が大きい河川なのだ。

そんな下田さんのスタイルが引き釣り主体に転換したきっかけはやはりトーナメントだった。あるとき、神通川での試合で小澤剛さんと当たった。瀬釣りで圧倒的な強さを見せて勝つのを見て引き釣りを覚えることを決心。練習に精を出した。

現在、下田さんはソリッドトップの穂先に、水中イトはメタルライン、背バリを打つスタイルで約8割の釣りをこなしている。

ソリッドトップ穂先は強めのテンションをかけてもオトリが弱りにくく、底を切って動かしたいときにもオトリが底で粘り、動くまいと尾ビレを振ってくれるのが自身の釣りに合っているという。がまかつからS2ソリッドトップ穂先を搭載したサオが登場した10年ほど前に初めて使って釣果が明確に変わったのを実感し、それ以来なくてはならない存在になっている。

がま鮎競技GTI2 硬中硬85(がまかつ)
この日のサオはがま鮎競技GTI2 硬中硬85がまかつ)。風が強くなる予報だったため短ザオを選択。

メタルラインに求めているのは感度が第一。例えば、引き釣りの名手たちは追い気のある野アユの存在をオトリの挙動で察知する。ゴソゴソといった前アタリや、オトリがねらった筋から外れたり、ねらった石のまわりを嫌がったりする動きを感じることで精度高くスピーディーな探りが可能となる。チューブラーほどの鋭敏さはないソリッド穂先からの情報量を補う意味でも下田さんにとってメタルラインは欠かせない。

ハイテンションワイヤー
水中イトはハイテンションワイヤー0. 06号(サンライン)。流れが湧き上がっているような岩盤沿いではがっちり鮎オモリ0.5 号(がまかつ)を打つこともあった。

それらと同じくこだわりがあるのが背バリ。下田さんはどんなときも背バリを使う。オトリの潜行能力を高め弱りにくくする効能もさることながら、姿勢を安定させる効果を重視している。オトリが傾いて泳いでしまうと野アユの反応が悪くなるのを実感しているからだ。これは目視できる野アユをねらってみたり、友人に自分のオトリの泳ぎを見てもらったりした経験からも明らかだという。だからここぞという場所で自信をもって待てる。

背バリを打てばオトリは前傾姿勢となりそれが潜らせやすいメリットを生むが、前傾姿勢になりすぎても反応が悪くなるため、なるべく水平に近い姿勢で引きたい。そのためテンションを掛けたときに、ハナカンと背バリが直角になる位置に打つのが下田流だ。正中線上に打つのが基本だが、それでも傾いてしまうオトリもいる。その場合は、姿勢が立つ位置を探って打ち直す。ルアーフィッシングのトゥルーチューンにも通じるコツだ。

背バリ
どんなときも背バリを使うのが下田流。背バリのハリスを含む後端までの長さは2.5cm。ハナカンと直角になる位置に打つことで前傾姿勢になりすぎないようにしている
アユ釣りの針
ハリは4本イカリで、この日出番があったのは、T1 刻6.5 号、T1 競技SP OF(速攻)7 号、T1 要R7.5 号(すべてがまかつ)。T1 刻は掛かりと根掛かり回避のバランスがよくどのポイントでもパイロット的に使用。T1 競技SP OF(速攻)はハリ先がストレートで刺さりが早い。岩盤での縦の釣りと泳がせを試すときに登板。初期特有の若アユの身切れ対策には太軸のT1 要Rの7.5 号へスイッチ

苦しい状況を打開するG杯王者のアユ釣りテクニック

そんな下田さんは解禁初期にはどんな釣りを見せてくれるのか。5月31日、一般解禁から10日が経過した和歌山県・日高川の龍神地区を訪れた。ホームである有田川の南隣の河川で、龍神街道に沿って流れたのち紀伊水道に注ぐ。アユ釣りで人気の龍神地区は日本三美人の湯として名高い龍神温泉の一帯で、大岩は少なく小石と岩盤が特徴的だ。下流に椿山ダムがあるため人工産と汲み上げ放流のアユが対象となる。
取材日は一日中曇りの予報で水温上昇があまり期待できない状況。さらに先日と前々日は天気がぐずついて雨の影響も心配だ。まだ追い気の弱い初期、さらに水温が上がりづらい状況で、G杯チャンプはどうアユを掛けていくのか?

「有田川でもそうですが、初期はきっちりオトリを止める釣りのほうが掛かります。ですが私の得意のスタイルが引き釣りですから、初期は苦手意識があり、いつも悩みながら釣りをしています。それでも解禁直後に来たときは、午前と午後にそれぞれ2時間やって約40尾、時速10尾ペースで釣れましたからアユの魚影は豊富です。先日の雨でアカが飛んでしまったので、岸際の大きめの石や岩盤など残りアカをピンポイントでテンポよく探っていきます」と下田さん。

朝9時、龍神温泉より1kmほど上流の道の駅周辺からスタート。すると1投目で幸先よく掛かった。その後も3尾追加したものの、下田さんは怪訝な表情。

「一番いいところで掛からないんです。今も流れ込みの水当たりのいいところにオトリを入れていますが反応がない。まだ水が冷たくて流れが速いところでは追ってくれないのか。それか、ここは人気ポイントなので大きいサイズは抜かれてしまっているのか……。解禁初期は、ここぞというポイントでは10〜15秒はオトリを止めて、時おり穂先を上げてテンションを加え、尾ビレを振らせる誘いを入れます。掛からなくても反応が出たところや石色がいいところでは入れる筋を変えてみます。水温の変化でアユが動くこともあるので、時間を空けて入りなおしてもいいでしょう」

アユ釣り (2)
下田さんのスタイルは引き釣りだが、解禁初期はテンションの掛け方も弱め。盛期にはさらに穂先を曲げ込んでオトリを引く。サオを寝かせるのと同時に掛かるのが理想だという。

岩盤を「縦に釣る」

下田さんが次に目をつけたのは、淵状に流れが緩くなっている、水深のある岩盤だ。岩盤の際は60度くらいの斜面になっていて、川底は水深2mほど。まずは川底でオトリをなじませ、ベタザオで底を釣る。反応がなければサオを立ててオトリを浮かせる。岩盤の段差や起伏の上にオトリが乗って落ち着く場所を下から上へと段階的に探るのだ。そのどこかに野アユがついていることを想定した操作だ。

「岩盤が多い龍神では基本のテクニックで、みんな『縦に釣る』と言ってやっていますよ」と下田さん。
この方法で岩盤の上流側から探っていくとねらいどおりアユが掛かった。

入れ掛かりこそしないものの、ひとつの岩盤から3尾ほど手にできるペースに。岩盤から岩盤への移動の合間には瀬もねらってみる。川の中央付近の石はまだ白いが、流心から離れたところにはアカも見える。そういった場所へオトリを入れて、長めに止めることを意識すると、ペースは遅いもののポツポツと掛かってくる。ただ、瀬尻側の流れが緩い場所で口掛かりが多かった。曇天で水温が上がらず追いしぶっている印象だ。

「あと1〜2週間もすれば白い石も赤茶けてきて釣れ始まると思います。さらに季節が進んで盛夏のアカぐされになると、今度は玉砂利底か小石のチャラ瀬で掛かるようになるのが龍神地区の特徴です」

午前中は27尾を手にした。なかなか理想の掛かり方をしてくれず、首をかしげながらの釣りとなったが、それでも時速10尾に迫る釣果だ。

アユ釣り3
この日反応がよかったのは水深があり流れが緩む岩盤。川底へオトリを入れたら、岩盤の斜面にある起伏や段差にオトリを乗せていくように縦方向へ探る

泳がせ釣りに変えて追釣

午後は温泉周辺を探ったのち、さらに上流側へ2kmほど走ったポイントの岩盤に入った。しかしここからアユ釣りの難しさを噛みしめる展開に。午前と比べても極端に追いが悪くなっているのだ。長く止めていると反応を得られる場所もあるものの、当たりが弱く掛かっても逆バリが切れない状況に。そのまま抜き上げるとバレの原因となるためサオの弾力を生かして切れるまで待つのだが、悩ましい状況だ。オトリが小さなアユの群れについて泳ぎまわってしまう場面も。変化と言えば流下してくる落ち葉がちらほら目に入るようになったくらいだが、そういったちょっとした変化でピタリと反応が途切れてしまうのが難しさだ。

苦肉の策で泳がせ釣りを試すと追加に成功。「僕の釣りじゃないんだけどなぁ……」とやや不満げな下田さんだが、引き出しに多彩な技を持っているからこその対応力を見せてもらった。

昨年、自身初のG杯チャンプの座に輝いた下田さんは「運も味方してくれて、自分の順番が回って来てくれたのかな」と謙遜するが、勝負どころで幸運を呼び込むためにはその舞台に立つまでの対応力が必要で、幸運を結果につなげるためには他人よりも秀でた技術が必要だ。そんな下田さんの実力を垣間見た取材となった。

アユ (2)
午後は我慢の釣りとなったが、一日終わってみれば35尾の釣果

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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ジギングは地域や対象魚、釣り方で大きくタックルが変わることもある。青物ジギングが盛んな外房エリアのタックル事情を知れば、関東近郊の近海ジギングは概ね同じタックルで楽しめる。

ジギングは地域や対象魚、釣り方で大きくタックルが変わることもある。青物ジギングが盛んな外房エリアのタックル事情を知れば、関東近郊の近海ジギングは概ね同じタックルで楽しめる。

写真と文◎編集部

外房ジギングの特徴

関東エリアでねらえる近海ジギングのターゲットはヒラマサやブリといった青物が中心。千葉県の外房を中心として、茨城県の波崎や日立などからも乗合船が出ている。外房エリアというとジギング激戦区のイメージが強い。初心者には敷居が高く感じられる頃もあったが、今ではどの船も仲乗りがいて、根掛かりやオマツリなどのトラブルに素早く対応してくれるため、むしろジギングデビュー戦でも心強いと話すのは外房をホームとしてジギングに精通している三輪雄紀さん。外房でジギングが行なわれる水深は30~40m程度と他地域のジギングと比べてシャロー帯を探るのが特徴とも話す。

ジグ
ネイチャーボーイズスタッフで大のジギング好きの三輪さんと、ジギング用品を取りそろえている専門店・海吉の岡本さんに話をうかがった

船の流し方で必要なタックルが変わる

ジギングのタックル購入を考えるうえで知っておきたいのが船の流し方。乗船予約した船宿がドテラ流しなのか、タテ釣りなのかで適正なタックルはやや異なる。関東近郊だと、外房や日立はドテラ流し、銚子~波崎はスパンカーを立てるタテ釣りも状況に応じて行なわれる。

ドテラ流し

風によって流されることで広範囲を探ったり、ポイントを通過する船の流し方。ラインは斜めに入るようになる。

風に対して船は必ず横を向き、右舷、左舷で込み(巻き込み)の釣りと払いの釣りの2通りが同時に行なわれることになる。

タテ釣り

スパンカーを立てて風に対して船が正面に向く状態にすることで風によって流されることなく潮の流れに船を同調させる流し方。ジグは真下に沈んでいく。

外房ジギングのタックル選び

外房のジギングでは2タックルを用意するのが基本と三輪さんは言う。払いの釣り用と込みの釣り用だ。主な違いはリールのギア比(巻き取り長)。ジギングでは「8000番のハイギア(8000HG)」が標準となる。ただし、込みの釣りでは手前にジグが寄ってくるため、払いの釣りよりもジャーク時のスラックが出やすい。船の移動速度が速いと8000HGでは巻き取りが間に合わずジグを動かすのが難しくなることもある。その場合は8000XGや10000XGなどを使うと快適にできる。

ジギングではラインの太さでタックルのパワークラスを表現されることが多く、関東での近海ジギングのスタンダードはPE3号が目安となる。ロッドは表記されているスペックの範疇に使うラインの太さやジグの重さが収まるものを選ぶことが大切。ジャークした際のロッドの曲がり具合や反発スピードなどが合っていないとジグが動かなくなってしまうからだ。

ジギング向けのリール
リールは「払いの釣り」と「込みの釣り」用の2台を用意できると快適

2タックルを用意するのがベスト

また、激戦区でもある外房では太いライン、重いジグ、キレのある動きを魚が嫌う傾向もある。近年、従来よりも繊細なフィネスタックルを使う人も増えてきており、反応もよいため、スタンダードとフィネスのパワー違いで2タックル用意するのもおすすめと三輪さん。食わせる、掛けることを優先させたフィネスタックルでも10kg程度まではキャッチできるそうだ。

スタンダードで2タックル例

・払いの釣り用
ロッド:PE3号クラスのジギング用6フィート前半
リール:8000HG
ライン:PE3号
リーダー:フロロカーボン10~12号3ヒロ

・込みの釣り用
ロッド:PE3号クラスのジギング用6フィート前半
リール:10000XG
ライン:PE3号
リーダー:フロロカーボン10~12号3ヒロ

パワー違いで2タックル例

・スタンダードタックル
ロッド:PE3号クラスのジギング用6フィート前半
リール:8000HG
ライン:PE3号
リーダー:フロロカーボン10~12号3ヒロ

・フィネスタックル
ロッド:PE2号クラスのジギング用6フィート前半
リール:8000HG
ライン:PE2号(2.5号でも可)
リーダー:フロロカーボン8号3ヒロ

フィネスタックルのおすすめロッド

アイアンフリック"スピンドライブ"IFLB-631SD+(ネイチャーボーイズ):ティップの繊細さと強靭なバットパワーを併せ持つ近海ジギング用ロッド。631SD+は、バッドパワーを上げ、リアグリップの長さを1inch長くしたことで、ブリ・ヒラマサ等の青物ねらいでのワンピッチジャークも快適に行なえる。
タフコンディションでも魚を引き出せると近年外房エリアで人気が出てきている。

  • 適合ジグ:MAX200g
  • 適合PE:1.5~2.5号
  • 自重:126g

スタンダードタックルのおすすめロッド

アイアンレンジ“クイックドライブ”IRNB-683QDネイチャーボーイズ):比較的反発のあるファストテーパーで細かいアクションを掛けることができるテクニカルなジギングロッド。北海道~東北のブリ、外房~茨城方面のヒラマサ、日本海側のブリ、ヒラマサ、九州玄界灘のブリ、ヒラマサと日本近海をカバーできる1本。

  • 適合ジグ:100~200g
  • 適合PE:2~4号
  • 自重:208g
ジギングロッド

ジグ・カラーの揃え方は潮に合わせて3種類・3色で概ねカバー

ジグはスタンダードな3号タックルだと125~175gが主に使われる。フィネスタックルの場合はラインの抵抗も減るため少し軽くなり、100~150gがよく使われる。

ジグの形状

用意しておきたいジグの形状は最低3種類。潮が速い時用、反対に緩い時用、中間でその日のようすを探れるパイロットジグがあれば大抵の状況に対応できるはずと三輪さんは言う。この3種類を20g程度の刻みで段階的に用意しておけばOKで、三輪さんのおすすめジグはパイロットとしてスイムライダーショート、潮が緩い時にはウイグルライダー、速い時にはスイムライダー(いずれもネイチャーボーイズ)だ。また、込みの釣りでジャークがうまくできない人は、ただ巻きでも動くようなジグを持っておくとよいだろう。

ジグ-1
上から潮が早い時用のスイムライダースイムライダーショートウイグルライダー

ジグのカラー

ジグにもさまざまなカラーがラインナップされているが、まずはシルバー、グロー、ピンクの3系統を用意しておけばよい。基本はベイトフィッシュをイメージしたシルバーベース。反射しないグロー系はイカをイメージ。その日何を捕食しているかで色に対する反応は変わる。ピンク系はジギングの定番色で、アピールを強くしたいときに使うとよい。

07_DSC_4082 (カスタム)
カラーはシルバーベース、グロー、ピンクの3系統あればOK

浮遊感が出しやすい「鉄」製のジグ

ジグのアクションで大切なのが、ジャークの合間に一瞬できる滞空時間。ジグを魚に見せる時間であり、食わせの間でもある。その瞬間はふわっとした浮遊感を出すのが効果的であることが多い。一般的なジグは鉛でできているものが大半だが、ネイチャーボーイズのジグは鉄製。鉄の比重は7.85(鉛は11)と小さいため、ジャーク時の引き抵抗は軽く、浮遊感のある動きが出しやすいのが特徴だ。潮が緩い時でもメリハリのあるアクションを出しやすいとあって人気が高い。

また、鉄製のジグは長く使い続けていると錆びてしまうが、言い換えれば自然に分解されているということでもある。錆が出た状態でも釣れるが、ネイチャーボーイズへ送れば有償でリペイントもしてくれる。もし根掛かりでロストしても、環境汚染が問題視されている鉛と比べて海に優しいという点も根周りをねらうジギングという釣りの性質上、見逃せない長所と言えるだろう。

ネイチャーボーイの紙製パッケージ
自然環境への配慮を意識しており、パッケージも紙製

アシストフックやスイベルの選び方

青物ジギングではアシストフックをフロントアイに付けるのが基本。アシストフックには1本バリのシングルと2本バリのツインの2種類がある。どちらがよいかは考え方次第だが、シングルは掛かりが少し悪いが掛かればバレにくいこと、ツインは掛かりやすいものの変な場所に掛かることもあってリリースには不向きというのがそれぞれの特徴である。

フックサイズはタックルのパワーバランスやジグの大きさと相談することになるため、一概には言い難いが、三輪さんの目安としては目の辺りにフックポイントがくるようにすることで、PE3号タックルなら3/0~5/0、フィネスな2号タックルなら1/0前後となるそうだ。

アシストフックの位置は目の部分
アシストフックの長さは目の位置にハリが来るようにするのが目安

フィネスタックルの場合、ロッドが軟らかいためフックの軸の太さがフッキングに影響しやすい。3/0~5/0を使うと掛からないため要注意。アシストラインの部分は長いと絡みやすくなるため短めがいいそうだ。

ジグとフックを繋ぐスプリットリングやリーダーを結ぶソリッドリングは#5~7くらいが目安となるが、ジグの動きを妨げないためにもなるべく小さいものにしたほうがよいというのが三輪さんの考え。また、スイベルはジグによるイトヨレを防ぐためにも基本的には入れたいところだが、フィネスタックルの場合はジグの動き優先で使わないという。

ジグのセッティング
3号タックルの場合(右)はヨレを防ぐためにスイベルを使いたい。フィネスタックルの場合は動き優先で、リーダーをアシストフックのリングに結ぶことでリングを一つ減らすのもよい
スタンダードタックルでのリング、フックの一例
リーダー10号クラス、スイベル#3、スプリットリング#6.5、アシストフックはシングルの3/0
フィネスタックルでのリング、フックの一例
リーダー8号クラス、スプリットリング#6.5、アシストフックはツインの1/0(スイベルはなし)

取材場所の海吉はジギング製品豊富

今回の取材場所の海吉は、オフショア、ショアのビッグゲーム用品を中心に取り扱うプロショップ。今回紹介したネイチャーボーイズ製品はもちろん、各種ジグやハンドメイドプラグなども豊富に取り揃えている。他にもロッドやライン、フックの他、ウエア類まで幅広い品揃えとなっていて、スタッフ同行の釣行会も開催している。

海吉の店主岡本さん

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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箱メガネで水中観察!親子で楽しむ「川カジカ」釣り入門【夏休みの自由研究にも最適?】 https://web.tsuribito.co.jp/north/river-kajika North Angler’s編集部 trend 193567567711 Fri, 01 Aug 2025 02:00:00 +0900

北海道上川郡上川町に位置する『層雲峡オートキャンプ場』。すぐそばを石狩川が流れ、大雪湖もほど近いこの場所は、釣りキャンプにも最適な環境だ。この記事では、このキャンプ場の魅力を紹介する。

夏休みの川遊びに「カジカの見釣り」はいかが?箱メガネで水中を覗き、石に化けた魚を探し出す冒険は、子どもも大人も夢中になること間違いなし!北海道のきれいな川を舞台に、親子で楽しめる、夏の思い出作りに最適な釣りを紹介。

Photo & Text by Hiroki Hirasawa(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

川でのカジカの見釣り

道民ならカジカといえば海を連想するが、川にもカジカは棲んでいる。頭デッカチで口が大きく、唇が厚いという、どこか愛嬌を感じる風貌は変わらない。道内の川に生息するのは、主にハナカジカ、エゾハナカジカ、カンキョウカジカ、カジカの4種。カジカは水のきれいな流れを好む魚であり、平瀬の石礫底に潜んでいる。豊かな自然環境が残っていることを象徴する魚でもある。

道内で川のカジカ釣りは一般的ではないが、栃木県などでは人気があり、漁協が管理して遊漁券が必要な川もある。片や、道内ではカジカを漁業権の対象魚種にしている川はなく、誰もが気軽に釣りを楽しめる。本格的な釣りは難しい、家族キャンプでの遊びとしてもピッタリだ。

カジカの住む川
こうした自然豊かな渓流が、カジカにとって最高の住処。とはいえ、市街地を流れる川のブロック付近にも姿は見られる

カジカ釣りで用意する物

カジカの見釣りをするにあたり、用意するものは以下の通り。

箱メガネ&サオ

写真の箱メガネの商品名は『たこめがね』。サオは1m前後が最適。左は不要になったルアーロッドのトップセクション部で、トップガイド以外を取り外した物。右はノベザオの穂先と第2節を抜いた物。硬めのほうが操作性は高い

箱メガネと竿

ハリス付きハリ

仕掛けは最初からハリスが付いているハリが手軽。写真の渓流やヤマメ、マスのほか、ハゼ用のハリも使える。サイズは6~7号がベター下/ハリスの長さは5~15cm。底のほうにエサを届けやすいよう、B~2Bのガン玉を付けるのもアリ。実釣時は穂先ごと水中に差し入れ、カジカの近くにエサを置けばOK。

仕掛け
ハリス付きのハリを穂先に結べば仕掛けは完成

エサ

イクラは硬めのハードタイプだとエサ持ちがよい。カジカの食いがよいだけでなく、赤色だけに水中で目立ち、エサのある場所が分かりやすいのが利点。ミミズは細めがベター。

エサ
エサはミミズやイクラ

カジカの釣り方

8月、カジカ釣りにチャレンジしたのは、札幌市の山辺孝彦さん、航太郎くん親子。お父さんはウエーダー、航太郎くんはスキューバで使っているウエットスーツにライフジャケットを着用して臨んだ。2人が目指したのは、山間にある砂防ダムの上流域。透明度の高い平瀬が続き、水深は深いところで大人の膝くらい。

ポイントの目安はサッカーボール大の岩

ポイントを探す際は、サッカーボール大の石が目安になる。その周辺でカジカが隠れていそうな石の隙間や穴を、箱メガネを通して覗いてみよう。もし箱メガネが用意できないなら、透明なプラスチック製の虫かごを代用する。

カジカのポイント (3)
石も大事だが、沈木周りも好ポイント。何より水通しがよい場所であることが重要だ

さっそく、お父さんが箱メガネで水中を凝視すると、対岸のササヤブが覆う深場で「いたいた、カジカ!」と興奮気味に声を上げた。体の色も形も石とそっくり。“石化け"しているが、間違いなくカジカだ。魚を発見するや、箱メガネを息子に渡してサオを持たせる。

「うわー、でっかい!」と航太郎くんも魚を確認できたよう。石と石の間から、愛嬌のある顔だけを出してようすをうかがっている。サオを静かに水中に差し入れ、イクラを魚の前に投入。まさに“見釣り"。すると突然、大きな口を開けてパクッ!「ヤッター!」航太郎くんの歓喜の声が渓に響き、15cmほどのカジカが水面に躍り出た。

カジカの見釣り
石の隙間から顔だけを出しているカジカの前に、エサのイクラを静かに届ける。この後、躊躇することなく大口を開けてパクッと食い付き、航太郎くんの歓声が響いた

カジカ以外の魚も狙える

幸先よくヒットさせたが、この後は少々苦戦。よさそうな石の周りを覗くも、カジカの姿は見当たらない。

「この石の隙間にはいるでしょ」そう思った場所では、姿がなくてもエサを入れてみる。しかし魚からの反応はない。この釣りはやはり、カジカを探してねらう見釣りがよいようだ。そんななか、航太郎くんが「あっ、カジカだ!」と声を上げる。サッカーボールよりずっと小さな石の周りだが、たしかにいた。この魚も航太郎くんは見事ゲット。

少し上流に歩くと、いかにも魚が溜まっていそうな淵があった。じっくり観察していた航太郎くんが、「でっかい!ヒゲがあるけど」と驚いた表情で言う。ドジョウだろう。ターゲットはカジカだけではなく、川によっては数種の魚に出会える。

次に倒木が横たわる深場をチェックすると数尾のカジカがいた。この頃にはすっかり、お父さんも夢中。真剣な面持ちで魚を探しながら、「童心に帰りますね」と笑顔を浮かべる。このポイントでは良型を3尾キャッチした。

カジカ (2)
箱メガネを覗きながら真剣な表情でねらい良型をダブルヒット。夏のよい思い出になる

航太郎くんはよほどうれしかったのか、「持ち帰って飼いたい!」と駄々をこねる。それを「可哀そうだから逃がしてあげよう」と諭す父。河川改修などが原因で、カジカの個体数は減少傾向にある。最後は航太郎くんも納得して川に放すと、カジカは尻をフリフリ泳ぎだし、すぐに石と同化して見えなくなった。きっと大人も夢中になるカジカの見釣り。箱メガネを片手に親子で楽しもう。

釣果 (2)
実釣2時間半程度で、この釣果。プラスチック製の容器は魚を一時的に入れ、鑑賞するのに便利。箱メガネの代わりにもなる
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【テンカラ釣り入門】毛バリは3秒流せばOK!最初の1匹を釣るための、名手の仕掛けと釣り方 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tenkara-howto つり人編集部 trend 193627329804 Thu, 31 Jul 2025 03:00:00 +0900

シンプルな道具と釣り方で、ヤマメやイワナといった美しい渓流魚と対峙する「テンカラ釣り」。その簡素さとは裏腹に、非常に奥深い世界が広がっている。本記事では、この魅力的な釣りを始めたい人に向けて、テンカラの第一人者・石垣尚男氏のメソッドに基づき、仕掛けや釣り方といった基礎知識を徹底解説する。

シンプルな道具と釣り方で、ヤマメやイワナといった美しい渓流魚と対峙する「テンカラ釣り」。その簡素さとは裏腹に、非常に奥深い世界が広がっている。本記事では、この魅力的な釣りを始めたい人に向けて、テンカラの第一人者・石垣尚男氏のメソッドに基づき、仕掛けや釣り方といった基礎知識を徹底解説する。

解説◎石垣尚男
まとめ◎編集部

テンカラ釣りの特徴と魅力

渓流魚を毛バリで釣る方法には、代表的なものとして「テンカラ」と「フライフィッシング」がある。どちらも人気だが、近年はフライフィッシングの本場である海外でも、日本の伝統釣法であるテンカラが注目を集めている。その魅力は、竿、ライン、毛バリというシンプルな道具立てで魚との対話に集中できる、その簡素さにある。釣り方も、狙ったポイントに毛バリを打ち込み、自然に流すという簡単なもので、初心者でも挑戦しやすい。

そして、テンカラ最大の面白さは、水面を流れる毛バリに襲いかかる魚を“見て掛ける”サイトフィッシングの興奮にあると言えるだろう。警戒心の強い俊敏な渓魚が、一瞬の油断を見せて「ガバッ!」と毛バリに襲いかかる。その視覚的なインパクトとスリルは、他の釣りでは味わえない格別なものだ。

テンカラの対象魚

テンカラの対象魚は、主にヤマメ、アマゴ、イワナであるが、ニジマスも対象となる。特にこれから始めたいという人なら、まずは魚が多くいてその姿も見える渓流の管理釣り場がオススメだ。そこでニジマスを対象に、振り込み(キャスティング)を含めてテンカラの道具の扱いに慣れるといい。魚が釣れる感覚や毛バリにヒットしたあとの取り込みもひととおり覚えてから、渓流でヤマメやイワナをねらうとスムーズだろう。

テンカラ釣りの時期

テンカラを楽しめる期間は、全国の多くの渓流が解禁する3月頃から、禁漁となる9月頃までである。ただし、解禁直後の低水温期はエサ釣りに分があり、テンカラが本領を発揮するのは、渓魚たちが水面を意識し始めてからだ。具体的には、カゲロウやカワゲラといった水生昆虫(川虫)の羽化が活発になるタイミングが、本格的なシーズンの幕開けとなる。

その時期は、おおよそ5月の大型連休頃から。山里の風景にヤマブキの黄色い花が咲き始めると徐々にシーズンインし、紫のフジの花があちこちで目につくようになれば盛期と言える。水生昆虫の羽化は梅雨明けには一段落するが、夏以降は入れ替わるようにアリや甲虫といった陸生昆虫が水面に落下するため、渓魚たちはシーズン終盤まで毛バリに好反応を示してくれる。

これらのことから、テンカラのベストシーズンは、5月から9月頃までと言えるだろう。

テンカラ釣りのフィールド
開けて日当たりがよく、勾配のきつすぎない山里近くの渓流は、川虫も多く特にテンカラの好フィールドだ

テンカラ釣りの竿と仕掛け

基本的なタックルは下図のとおりだが、サオは3.3~3.9mが一般的。迷ったら3.6mを基準にするとよい。調子は合わせるラインによって異なるが、一般的な渓流を釣るなら後述のレベルラインがよく、それには軟らかめが向く。

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テンカラ釣りの仕掛け図

レベルラインは均一な太さのラインでフロロカーボンが主な素材。テーパーが付いていないので振り込みにコツがいるが、その分、キャストしたあとの毛バリが手前に引かれたりせず、自然に流しやすい。レベルラインはサオの長さにカットして使用する。

その先のハリスはフロロカーボン0.8号。テンカラではハリスもキャスト性能に関係しており、ナイロンより張りがあるフロロカーボンを使うほうが毛バリの直進性がよく、さらに水切れがよいので扱いが楽だ。長さは1mにする。

なお、その他のアイテムではウエーダー、フィッシングベスト、偏光グラスは必需品だ。偏光グラスは水面直下の魚の動きを察知するのに欠かせない。また、底石の状態を確認できることで、川を渡る際もより安全になる。

フィッシングベスト
仕掛けなどを効率よく収納できるフィッシングベストはぜひ用意したい

使う毛バリは半沈みタイプ

テンカラで毛バリを使う上で、フライフィッシングと大きく異なるのが、毛バリを完全に浮かせるのではなく「半沈み」の状態で流す点だ。フライフィッシングでは、ドライフライを浮力剤(フロータント)まで使って水面に浮かせるが、テンカラの毛バリは、水面直下を漂うように半沈みタイプを使うのが基本となる。

毛バリが半沈みでも、魚が水面近くまで捕食しにくれば、その姿や気配は十分に捉えることができる。その一瞬の変化を捉えてアワセることで、きちんと魚を手にできるのだ。また、ドライフライのように定期的に乾かす手間が不要な点も、テンカラならではの魅力と言える。

テンカラ用の毛バリは市販品もあるが、自作するのもまた一興だ。自分で作れれば、いつでも手軽に補充できて費用も抑えられる。そして何より、「自分で巻いた毛バリで魚が釣れる」という体験には、格別の充足感がある。

また、フライフィッシングでは大小さまざまな毛バリを使うが、テンカラなら小さすぎない1種類の毛バリがあればまずは十分だ。サイズはフライフックの#11や#12クラスが使いやすい。テンカラバリの5号クラスもだいたい同じ大きさになる。

テンカラ釣りの毛鉤
毛バリは胴にハックルを巻いただけの半沈みパターンが基本
テンカラ釣りの毛バリ自作方法【材料や巻き方を画像で詳細に解説】

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名手が教える釣り方の基本

テンカラのキャスティングに力は必要なく、サオの弾力を活かすのがコツになる。キャストは投げたい方向に対して、サオを前後にまっすぐに振るのが基本。その振り幅はバックキャストで12時、フォワードキャストで10時(もしくは2時)のイメージだ。サオの振り幅はかなり狭い。キャスト後は手前のラインが流れに取られないよう、腕を持ち上げてサオ先をある程度の高い位置に保ちながら釣りをする。

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キャスティングのコツ

毛バリは3秒を基準に流す

次に毛バリは自然に流すのが基本。その際、水面直下を流すので、ラインとハリスの結び目が水面に付くか、わずかに5~10cm水面上にあるようにする。こうすることで毛バリは水面下5~10cmを流れ、魚がくわえやすく、かつアワセやすい状態になる。

立つ位置は魚が毛バリに出る場所の真横が理想。毛バリを自然に流しやすいことと、魚が毛バリをくわえるのを目視しやすいためだ。ただし、後ろに木が茂って真横に立てない場合は、ポイントの斜め下流が多くなる。

テンカラ釣りの立ち位置
毛バリを流す時の基本ポジション。横に立つことで水面直下で起きる変化に気付きやすい

1ヵ所につき3秒、3回同じところを流して反応(アタリや魚の動き)がなければ、魚がいないか食い気がないと判断して違うポイントをねらう。テンカラは手返し重視の釣り。ポイントは無数にあるので、ダメなところで粘らず、どんどん新しいポイントをねらっていくほうが魚も釣れる。

ただし、下流や横から流れなりに毛バリを流して魚が出なかった場合、今度は上流から下流に向かって誘いを掛けて(毛バリが水面から飛び出さない程度にチョンチョンと引くなど)同じポイントをねらうと魚が出る場合がある。

アワセは一呼吸が大切

テンカラのアワセは遅アワセ。毛バリが流れていると想定する場所の周囲を目で追い(毛バリそのものを見ようとする必要はない)、バシャッと魚が出たり、スーッと水面近くに黒い影が浮かんできたり、ギラリと水面下が白くなったり(エサを食った魚が反転している)、なにか違和感を覚えたら、「よし」と一呼吸おいてサオをあおりアワセを入れる。

慌ててアワセると掛からなかったり、毛バリをくわえる寸前の魚を脅かして引き返させてしまうことが多い。この感覚は当然ながら、魚が実際に釣れるほど蓄積できる。魚が掛かったらサオを倒して肩に掛け、寄せたラインを掴み、ハリスをたぐってタモに取り込む。

渓流釣り/テンカラ釣りデビューのための準備と実践 実践編 ポイント選びとアワセのコツ

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※このページは『つり人 2021年5月号』を情報更新・再編集したものです。

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【北海道・キャンプ場ガイド】渓流釣り場と温泉がすぐ近く!「層雲峡オートキャンプ場」 https://web.tsuribito.co.jp/north/camp-sounkyo North Angler’s編集部 trend 193496899638 Thu, 31 Jul 2025 02:00:00 +0900

北海道上川郡上川町に位置する『層雲峡オートキャンプ場』。すぐそばを石狩川が流れ、大雪湖もほど近いこの場所は、釣りキャンプにも最適な環境だ。この記事では、このキャンプ場の魅力を紹介する。

北海道上川郡上川町に位置する『層雲峡オートキャンプ場』。すぐそばを石狩川が流れ、大雪湖もほど近いこの場所は、釣りキャンプにも最適な環境だ。この記事では、このキャンプ場の魅力を紹介する。

Photo & Text by Hiroki Hirasawa(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

釣りキャンプに最適な『層雲峡オートキャンプ場』

釣りがメインの旅では、「テントを設営したり、火をおこすのは面倒……」という人が少なくないかも。でも、「せっかくだからキャンプ気分を味わいたい!」なら、バンガローやコテージを利用しては?複数人ならビジネスホテルに泊まるより割安なのもメリット。温泉が近いキャンプ場なら最高だ。

層雲峡オートキャンプ場フリーサイト
フリーサイト

上川郡上川町字清川にある『層雲峡オートキャンプ場』は、徒歩数分で石狩川に行けるので、渓流釣りのベース地としても最適なロケーション。温泉『層雲峡黒岳の湯』(入浴料:大人600円)も近く、車で約5分。アフターフィッシングの楽しみも万全だ。

宿泊施設と料金

宿泊施設は、利用スタイルに合わせてテントサイト、コテージ、バンガローから選べる。1泊の料金は以下の通り。

テントサイト

フリーサイト:1張 500円
オートサイト:1区画(車1台) 1,500円

コテージ(2種類)

・通年コテージ
通常料金:1棟1泊6,500円
7~9月特別料金:1棟1泊8,000円
冬季料金:1棟1泊7,500円

・週末移住コテージ
通常料金:1棟1泊7,500円
7~9月特別料金:1棟1泊9,000円
冬季料金:1棟1泊8,500円

バンガロー

1棟1泊4,000円

※ご利用の際は、事前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

取材時には週末移住コテージに宿泊したが、落ち着いたウッディーな室内で、2段ベッドに冷蔵庫もあり、非常に快適に過ごせた。

層雲峡オートキャンプ場の週末移住コテージ室内
週末移住コテージの室内

キャンプ場内にはガス台や冷蔵庫、テーブルに椅子まで設置されたキッチンも併設されている。料理をするのが楽しくなりそうな、清潔感漂う快適なキッチンには、食器用洗剤まで常備され、至れり尽くせり。現地のスーパーで手に入れた地の食材で料理を楽しめば、仲間との釣り談義にも一層花が咲くだろう。

層雲峡オートキャンプ場-2
写真手前はコテージ。奥はキッチン
週末移住コテージ室内のキッチン
清潔感のあるキッチン

キャンプ場で楽しめる釣り

夏のキャンプシーズンと合わせて楽しめるのが、キャンプ場のすぐそばを流れる石狩川や、ほど近い場所にある大雪湖での釣り。主なターゲットは、力強い引きが魅力のアメマスやヤマメ。さらに、北海道ならではのターゲットであり、「渓の宝石」と称される美しい渓魚、オショロコマも狙うことができる。

大雪湖
大雪湖は夏でも釣果が期待できる。アメマスがメインターゲット
【北海道の渓流釣り】“渓の宝石”オショロコマを求めて 夏の石狩川水系を行く

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【北海道の渓流釣り】“渓の宝石”オショロコマを求めて 夏の石狩川水系を行く https://web.tsuribito.co.jp/north/osyorokoma-isikari North Angler’s編集部 trend 193496258842 Thu, 31 Jul 2025 02:00:00 +0900

渓流を遡行するのが好きなアングラーなら、夏は上流域のオショロコマをねらってみるとよい。独特の斑紋が美しいイワナの仲間は、北海道でしか見ることができない。「渓の宝石」と呼ぶにふさわしい魚と、夏の逢瀬を楽しみたい。

渓流を遡行するのが好きなアングラーなら、夏は上流域のオショロコマをねらってみるとよい。独特の斑紋が美しいイワナの仲間は、北海道でしか見ることができない。「渓の宝石」と呼ぶにふさわしい魚と、夏の逢瀬を楽しみたい。

Photo & Text by Hiroki Hirasawa(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

夏の渓流ターゲット「オショロコマ」の魅力

雪代が落ち着き、道央と道南でヤマメの解禁を迎える6月から道内の渓流釣りは本格化する。漁業権のある一部河川を除き、初雪が降る頃まで渓流釣りは可能とはいえ、それはニジマスがメインターゲットになる場合。秋、産卵行動に入るヤマメやイワナ属(エゾイワナ、オショロコマ)が多く生息する渓流では、良識あるアングラーは9月以降ねらって釣ることを控えている。そのため、夏がヤマメやエゾイワナ、オショロコマ釣りのシーズンになる。

渓流でもエゾイワナ(アメマス)は50cm以上に育つ一方、ヤマメやオショロコマは30cmを超えたら見事な大もの。大もの志向が強い道内アングラーの注目度は低そうに感じるが、ベテランになるほどヤマメとオショロコマのファンは多い。フィールドは小~中規模の渓流。そんな流れで繊細なタックルを使い、小技を駆使して釣るのが楽しいようだ。

全国的にポピュラーな渓魚であるヤマメに対し、オショロコマの分布は道内のみ。イトウと並んで北海道が誇るサケ科魚類である。オショロコマの魅力は、何といってもきれいな魚体。“渓映え"する魚だと思うのは、道民アングラーの色眼鏡だろうか。宝石のような朱点が散りばめられた魚体を見ると、渓の妖精に会った気分になる。

オショロコマの朱点
朱点が散りばめられた魚体は、宝石にたとえられる。ずっと大切にしたい、素晴らしい魚だ

オショロコマの釣り場

オショロコマの主なフィールドとして、知床半島の河川が知られる。上流部はもちろん、河口からすぐの流れで釣れることも珍しくない。もうひとつオショロコマの楽園を挙げるなら、標高2291mで道内最高峰の旭岳を擁する大雪山系を源とする渓流群。流域面積14330.3平方kmで道内最大(全国2位)の石狩川と、同じく道内2位の十勝川が代表的だが、今回はルアーとフライで前者を釣った。

石狩川水系の山岳渓流を釣り上がる

石狩川上流部には1975年にできた大雪湖がある。ダム完成以前からイワナ属の魚が生息し、メインターゲットはアメマス。オショロコマも釣れるとはいえ、専門にねらうなら大雪湖の上流、もしくは同湖に流れ込む川が有望だ。一般的に湖の好シーズンは5~6月だが、標高807.5mの大雪湖は春の訪れが遅く、本格的なシーズンを迎えるのは6月以降。7~8月でも元気なイワナ属に出会える。大雪湖の状況を見た後、手始めに西側の沢を遡行する。

落差のある流れはいかにも山岳渓流といった雰囲気。涼を感じる夏にピッタリの釣り場だ。流速が速い場所をあまり好まないとされるオショロコマは、白泡の脇の緩流部に付いている。しかし、緩流部は狭く、正確なキャストが求められる。少しでもルアー&フライの投入位置がズレると白泡の餌食になり、瞬く間に下流に流されてしまう。

オショロコマのポイント
赤点で示した流心の脇の緩流帯がねらいめ

湖からすぐの大場所で、いきなり反応があった。緩流部にシンキングミノーをフォール中、ひったくられるようなバイト。ズンと感じた重さから、「いきなり尺クラスか!?」と驚いたが、現われたのは35cmのアメマス。湖から遡上した魚なのか見事なコンディションが目をひいた。

アメマス
44mmのシンキングミノーでアメマスが釣れた

その後はオショロコマのラッシュ。ここぞというポイントからは15cm前後のかわいいサイズが顔を見せる。ここはルアーよりドライフライが有利で、面白いようにフライが吸い込まれた。

オショロコマ
沢を遡行すると小型のオショロコマがよく釣れた

オショロコマ釣りのタックル

ニジマスも視野に入れるとルアーはライトクラス以上、フライは4番以上のロッドを手にしたくなるが、ヤマメやオショロコマを専門にねらうなら、小気味よい引きを堪能できるウルトラライトと3番以下を片腕にしたい。ルアーのラインはナイロン4~5ポンドで充分。またルアーもフライもバーブレスフックを使用したい。

大雪湖
大雪湖は夏でも釣果が期待できる。湖でロッドを振るのもいい。湖の西側は川沿いに国道が走り、アクセスしやすい。アメマスがメインターゲット

ルアーはキラキラ光るスピナーで

次に向かったのは大雪湖の南側、石狩川バックウオーター付近。高原大橋から上流を見ると、玉石の河原を滑るように流れる本流域が続いている。オショロコマの魚影が多くなるのは、魚道のない砂防堰堤から上流のようだ。

上流部とはいえ石狩川本流、その流れはダイナミックで少し長めのロッドが欲しくなる。流速は速く、水は冷たい。水温を計ると11℃。水中撮影をすると冷たさが身に染みるものの、オショロコマにとっては適水温に違いない。

適度に蛇行を繰り返し、オショロコマが付きそうな緩流帯がある。そこにねらいを定める。先ほどの沢よりもポイントの規模が大きいので、ルアーは5g前後のスピナーを選ぶ。そして倒木の際を沿うようにリトリーブすると、いきなりロッドが絞り込まれた。掛かったのは24cmのオショロコマ。沢で釣った魚は濃い体色が印象的だったが、こちらは淡い色合い。然別湖のミヤベイワナを彷彿とさせる。

リリースして同じポイントをトレースすると、またもやバイト。やはり24cmの良型だ。川の規模が大きいとエサが豊富だからサイズがよくなるのか。その後も20cm以上のサイズが数尾ヒットした。絶好調のルアーをよそに、沢で圧倒したドライフライにはまったく反応がない。水中のエサが多く、危険を冒してまで水面に出てくる必要がないのだろうか。魚に聞いてみないと分からないが、スピナーに対する反応は素晴らしかった。特に金や銀などキラキラ輝くブレードカラーが効果的だった。

最大魚は25cm。沢で釣った魚は無邪気な表情に癒されたが、25cmを超えてくると顔付きが鋭くなりたくましさを感じる。まだ日は高かったものの、充分満たされた。道内では尺上のオショロコマを釣った話も聞くが、大型ニジマスやアメマス、ブラウントラウトを何尾も手にしているベテランでも心臓がバクバクしたという。スケールでは測れない魅力がオショロコマにはあるのだ。7~8月のほぼ2ヵ月限定の釣りになるが、夏の強い日差しを浴びた宝石は一段と美しく輝く。北の宝石探しの旅に出かけよう。

スピナーで釣れたオショロコマ
25cmのオショロコマ。やはり規模の大きな流れには大ものが潜むのか

なお、今回の釣行では、『層雲峡オートキャンプ場』を拠点にした。このキャンプ場は、清潔で快適な施設、目と鼻の先に石狩川のポイント、そして車ですぐの距離に温泉と、三拍子揃った好条件の場所。夏のキャンプシーズンはオショロコマ釣りの盛期とも重なるため、キャンプと組み合わせて楽しむのもおすすめだ。

層雲峡オートキャンプ場
層雲峡オートキャンプ場
【北海道・キャンプ場ガイド】渓流釣り場と温泉がすぐ近く!「層雲峡オートキャンプ場」

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DUELの人気エギ4種にダウンサイズモデルが登場!秋エギング攻略に最適! https://web.tsuribito.co.jp/news/duel-egi4 つり人編集部 trend 192172375659 Tue, 29 Jul 2025 02:00:00 +0900

>DUEL(デュエル)の人気エギ4種に、待望の3.0号モデルが登場!秋のハイシーズンを前に、スレイカに効くスロー系から正統派モデルまで、その特徴と威力をいち早くチェック。強力な武器を手に、秋イカシーズンを迎えよう。

DUEL(デュエル)の人気エギ4種に、待望の3.0号モデルが登場!秋のハイシーズンを前に、スレイカに効くスロー系から正統派モデルまで、その特徴と威力をいち早くチェック。強力な武器を手に、秋イカシーズンを迎えよう。

写真と文◎編集部

DUELのエギ4種に3.0号のダウンサイズモデルが登場

秋は、エギンガーにとって待望の「新子アオリイカ」シーズン。そんなハイシーズンを控えて、人気エギメーカーDUEL(デュエル)から、ダウンサイズモデル登場のニュースが飛び込んできました。

今回追加されるのは、秋イカに最適な3.0号モデル。特に、警戒心が強く手強い「スレイカ」の攻略で威力を発揮する、評価の高いスロー系モデル3種に、この新サイズが加わります。エギを追尾はするものの、なかなか抱きつかない…そんなもどかしい状況を打破する、強力な武器となることは間違いないでしょう。

さらに、バランスに優れた正統派新作エギ「EQ(Egiオリジナル)」にも、待望の3.0号がラインナップに加わります。

2025年8月上旬に発売が予定されている、これらの注目アイテム。本記事では、その特徴を詳しく紹介していきます!

【アオリーQ スロー】王道シリーズのスローフォールモデル

数々の実績を誇る名作「アオリーQ」。その優れた操作性を受け継ぎつつ、スローフォールに特化したチューニングが施されたモデルが、この「アオリーQ スロー」です。

最大の特徴は、約5.5秒/mという絶妙な沈下速度にあります。クイックなダートアクションでイカにアピールした後は、水平姿勢を保ったまま、ゆったりとフォール。この安定したフォール姿勢と沈下速度が、まだ遊泳力の弱い秋の新子に対して、安心してエギを抱きしめるための「間」を生み出します。

新たに追加された3.0号のコンパクトボディは、秋イカ攻略の心強い相棒となるでしょう。

アオリーQスロー3.0号

【イージーQ キャスト 喰わせ スロー】フォールでのアピールがスレイカに効く

イージーQ キャスト 喰わせ」は非常に高い食わせ性能を誇るモデル。このエギはダートアクション自体はマイルドに設計されていますが、その真価はフォールのアピール力にあります。わずかな水流でもエビの足を模したリアルな振動を生む「パタパタフット」と、生命感あふれる波動を出す「ウェーブモーションボディ」。この2つの相乗効果により、フォール中に強烈にイカへアピールし続けます。

の「食わせのフォール」をさらにスローダウンさせ、タフな状況に対応するのが「イージーQ キャスト 喰わせスロー」です。

約6.0秒/mという沈下速度は、イカにエギをじっくりと見せつける時間を長く確保できるほか、藻場や岩礁が点在するシャローエリアを丁寧に攻略することも可能にします。今回追加される3.0号のコンパクトなサイズ感と相まって、秋のハイプレッシャー下にいるスレイカ攻略において、強力な切り札となるでしょう。

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【イージーQ ダートマスター SS】緩急でイカに強烈アピール

イージーQ ダートマスター SS」はキレのあるダートアクションで人気の「ダートマスター」に、スローシンキング(SS)性能をプラスした戦略的モデル。こちらにも待望の3.0号が登場です。

特筆すべきは、約8.0秒/mという驚異的な沈下速度。シンカーの重心を後方に配置することで、ボディ全体で水の抵抗を受け、超スローフォールを実現しています。

しかし、ただ沈むのが遅いだけではありません。水噛みの良いボディとシンカーのバランスにより、スローシンキングでありながら水面から飛び出すことなく、キレのあるダートアクションを繰り出せます。

「素早いダートでイカを興奮させ、超スローフォールでじっくり抱かせる」という緩急をつけた誘いは、高活性時はもちろん、スレイカにも絶大な効果を発揮します。

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【EQ(Egiオリジナル)】操作性を極めた正統派エギ

シャクリ、ダート、フォールといったエギの基本動作をとことん突き詰め、アングラーの意のままに操る楽しさを体現した正統派モデル。DUELが長年培ってきたノウハウが凝縮された2025年登場の「EQ(Egiオリジナル)」にも、待望の3.0号が加わりました。

計算され尽くしたボディとシンカー形状が生み出すのは、キレ味鋭いダートアクション。アクション後にはピタッとブレーキが掛かり、素早く安定したフォール姿勢に移行します。

さらに、フォールへの移行と同時にボディ側面の「パタパタ フィンワイド」が波動を発生させ、イカの捕食本能を刺激。アクションのキレと波動によるアピール力で、広範囲からイカを呼び寄せます。あらゆる状況に対応できる、秋イカ攻略の軸として使いたい1本です。

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【敦賀沖イカメタル】激シブ攻略のヒントとは?釣り方とカラー選択で釣果に差 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tsurugaikametal つり人編集部 trend 192383967753 Mon, 28 Jul 2025 02:00:00 +0900

釣り人たるもの、新製品は気になるに決まっている。ましてや新作シリーズとなればなおさらだ。論より証拠というように、どんな説明よりもこの釣果がすべてを物語る。

関西で人気の遊漁船『エフバイエフキックス』の船長を務める田中亜衣さんは、タイラバゲームの黎明期よりシーンを牽引するエキスパートアングラー。イカメタルゲームにも造詣が深く、シーズンが始まるとケンサキイカを求めて日本海へ釣行する。今回は連日の海荒れが治まった6月2日、敦賀港の『一美丸』に乗り込んだ。

写真と文◎伊藤巧

深場での流し釣りにスルメイカがヒット

午後6時前に出港して1時間ほど敦賀沖を北上し、スルメイカが好調に釣れている水深100mほどのエリアに入った。

潮が利いていたので船長はパラシュートアンカーを投入し、25号のスッテを使うようアナウンス。夕日を眺めながら流し釣りがスタート。ミヨシに釣り座を構えた田中さんは、さまざまな状況に対応するためタックルを4セット用意。空が明るいこともあって、まずはオモリグタックルを手に取った。

「まだ明るいので釣れるとしたらボトムです。イカメタルで縦に釣るよりも、キャストしてボトムを線で探ったほうが効率的なのでオモリグから始めます」田中さんはオモリグを潮上にキャスト。

ワンピッチで5回巻き上げてはロングステイを繰り返して船下まで寄せ、そのまま3mずつ刻みながらボトムから20~30mを探っては打ち返した。この日の主役はスルメイカ。底から中層まで広く散らばっており、入れ掛かりとはいかないまでもポツポツと上がっている。

オモリグ用ドロッパーの選択方法

オモリグの鍵はドロッパーエギ。場面ごとに釣れるドロッパーエギを選択できるか否かで明暗が分かれる。イカの反応を伺いながらローテーションさせていくことが極めて重要。カラーローテーションは多くのアングラーが実践しているが、フォールの“速度"や“姿勢"を選択肢に加えることで、より幅広い対応が可能になる。

田中さんは汎用性に優れる「ゲキダキドロッパー」に加え、「ゲキダキドロッパーゴーマルフォール」と「ゲキダキドロッパードリフト」を持参。ノーマルは15度の姿勢で5秒/mでフォールする。ゴーマルは50度の姿勢で7秒/m、ドリフトが水平姿勢で10秒/mでフォールする。このゴーマルやドリフトでしか釣れない局面がある。半夜便でも船上が沈黙する時間帯が何度か訪れるが、そんな場面でこそ積極的にドロッパーエギを交換して、渋ったイカの反応を引き出したい。

ゲキダキドロッパー
フォールの姿勢と沈下速度が異なる3種類のゲキダキドロッパー。潮の流れ具合やイカの活性に応じて使い分ける

田中さんのお気に入りはゴーマル。「ゴーマルは極端な前方重心に設定しているので、潮が緩い状況下でのロングステイでも上に引っ張られてテールが垂れず、じっくりと誘うことができます。ドロッパーの近くにイカの気配を感じながらも抱いてこないときや、イカパンチはあるけれど掛からない場面で、瞬間的にサオ先を下げてテンションを抜いてやると、潮に乗って水平姿勢をキープしているゴーマルが一瞬下を向いて再び水平姿勢に戻ります。このリアクションに訴えるメソッドは、イカの活性が低い場面で抜群の威力を発揮します。同じようにドリフトも、じっくりイカにフォールを見せることができるので、潮が流れていない局面や活性が低いと感じたときに結びます。どちらのドロッパーエギが有効なのかは、実際に現場で試して確認してください」

また、リーダーの長さを調整することでもイカの反応は変わる。「ゲキダキイカメタルリーダーオモリグ」は、リーダーが150cmと長めの設定なので、イカの活性や掛かり具合に応じて短くカットして使うと効果的とのことだ。

ゲキダキイカメタルリーダ
4タイプのゲキダキイカメタルリーダー。地域ごとのルールに則って使いたい。オモリグのリーダーが長めなのでカットして使うこともできる

イカメタルタックルに切り替え、ケンサキねらい

午後7時を回って辺りが暗くなって集魚灯が効いてくると、上層でもスルメイカが釣れだした。単発的なケンサキイカも含めて船中ではドロッパーを付けたイカメタルリグで釣果が上がっていたので、田中さんもイカメタルタックルに持ち替える。そして、ほどなく穂先が大きく入って待望のヒット。オモリグと同じようにボトムから3m刻みで巻き上げてはロングステイでアタリを待っていたところ、ボトムから10mほど上でドロッパーに乗ってきた。ボトムでのヒットだったのでケンサキイカを期待したが、顔を出したのはスルメイカだった。

イカメタルで釣れたスルメイカ
今シーズンの福井沖はスルメイカが好調に釣れている。

グラスのソリッド穂先が仕掛けを安定させる

イカメタルゲームにおいて釣果を伸ばす秘訣は釣れている人を真似ることだが、田中さんはあえて周囲と合わさずボトムを中心にスローな釣りを展開してケンサキイカをねらった。ケンサキイカねらいの鉄則は、貪欲なスルメイカに気付かれないようこっそり釣ること。大きく仕掛けを動かさず、ロングステイでアタリを待つ。仕掛けは動いていなくても、潮に乗ったドロッパーはフワフワとケンサキイカを誘い続ける。そんな繊細な釣りには、船が揺れても仕掛けが暴れないしなやかなロッドがマッチする。

今回田中さんがメインで使った「ゲキダキシャフトエクストロGDX-C68UL」は、サオ先がグラスソリッド、ベリーからバットがカーボンソリッドというハイブリッドなフルソリッドロッド。長めのグラス部分が余分な動きを吸収して仕掛けの安定に大きく貢献する。

波やウネリで船が揺れる日やミヨシに釣り座を構えたときでも仕掛けを安定させやすく、アタリの回数も増える。身切れも軽減する。

「最大の魅力は海が荒れて仕掛けのコントロールが困難な状況下でも、サオ先が揺れを吸収して仕掛けを安定させてくれること。自分の技術ではどうにもならない場面で持っていると重宝します」

今回のように重いメタルスッテを背負うとサオ先が大きく曲がり込んで水面に対して垂直に立つので、サオ先の塗装部分をウキに見立ててアタリを捉えることができる。たとえ不透明なアタリでも荷重変化がカーボンソリッドを通して手元に伝わってくるので手感度も上々とのこと。また、6ft9inと長いのでストロークが大きく、サオ全体を使った誘い上げや送り込み、鋭いフッキングなど、メリハリの効いたゲームが楽しめる。

ゲキダキシャフトエクストロ
田中さんはあらゆる局面を想定してゲキダキシャフト4セット持ち込んだ。上から順に
ゲキダキシャフトGDS-S65M-OMO/しなやかに曲がってキャストをフォローするライトオモリグスピニングロッド。目感度に優れる
ゲキダキシャフトGDS-C510MH / 30~40号の重いメタルスッテをストレスなく操作できるベイトロッド
ゲキダキシャフトGDS-C510ML /全国的に使用頻度の高い20~30号のメタルスッテを軽快に操作できるベイトロッド
ゲキダキシャフトエクストロGDX-C68UL /船が揺れる状況下でも10~ 30号のスッテをストレスなく操作できるフルソリッドロッド

ケンサキねらいは厳しい状況

「ケンサキイカを釣りたいので、イカメタルもオモリグと同じようにボトムから30mまで誘っては落とすを繰り返します。中層でスルメイカが釣れ盛っているならタナを合わせていきますが、そこまでの勢いで釣れていないですし広く散らばっている雰囲気なので、ケンサキイカが期待できるボトムを中心にネチネチと探っていきます」と、ボトムを意識して打ち返したが、それでもヒットするのはスルメイカだった。

「どうやら今夜はケンサキイカが極端に少ないようなので、ある程度で見切りを付けてスルメイカねらいに切り替えるつもりですが、100mの水深で上から下まで散らばっているので、なかなか釣りづらい局面ですね…」

明確な攻略パターンが見えないので、切り替えのタイミングをつかめないまま時間が流れていった。

広範囲に散らばるスルメの攻略法

ボトム付近の釣りに徹していた田中さんだが、上から30mでケンサキイカが釣れたとアナウンスが流れたのをきっかけにボトムを見切り、残2時間は中層の釣りに切り替えた。

「今からスルメイカをねらいますが、広範囲に散らばっているので釣りとしては非常に難しい状況です。浅場ならボトムから広く探っても苦になりませんが、さすがに100m超えともなると効率が悪い。そこで上から10mずつ刻みながら下に探っていきます」

70mにイカをねらう大型魚が回遊しているので、20mから60mまで探っていくとのこと。この上層から下に刻みながら探っていくスタイルが見事にハマり、仕掛けを止めた直後に穂先に明確なアタリが連発。手返しよく上層で次々とスルメイカをキャッチした。

イカメタルで釣れたスルメイカ2
沈黙するケンサキイカの穴を埋めるに充分なサイズのスルメイカが次々と釣れた

上層から探る釣り方の手順

この釣り方の手順は次のとおり。

  1. サオ先を下げた状態でリールをフリーにして仕掛けを10m落とす(近くのスルメイカが反応して仕掛けを追いかける)
  2. 10m落としたところで、すぐに大きくサオを目一杯シャクり上げる(目の前からスッテが消えてスルメイカにスイッチが入る)
  3. サオ先にスッテの負荷を感じながらゆっくりテンションフォール(フォール中にテンションが抜けたら即アワセ)
  4. サオ先を下げたところでステイ。仕掛けを止めた直後にアタリが出るので穂先の変化に集中する
  5. 5秒ほど待って反応がなければ1に戻る(ケンサキイカも釣れる状況なら、ステイの時間を長くする)
イカメタルの誘い-1
サオいっぱいのシャクリからテンションフォール。仕掛けを止めた瞬間にアタリが出る

カラーローテーションも意識

さらにスルメイカを意識したメタルスッテとドロッパーのカラーローテーションも連続ヒットを演出した。田中さんは2回打ち返して反応がなければ手早くドロッパーやメタルスッテを交換していた。

イカを強く刺激するケイムラの紫や赤でようすを伺い、蛍光オレンジ、ピンクと、次々とローテーションさせてヒットカラーを探った。今回は黄色のドロッパーに黒のメタルスッテ、ピンクのドロッパーにケイムラ紫のメタルスッテの組み合わせで連続ヒットとなった。カラーが合わなかったり、同じカラーを使い続けると、すぐにスルメイカがスレてアタリが途切れがちになり、反応があっても掛かりが悪くなるのでこまめにローテーションすることが肝要とのこと。

田中亜衣さん
この日はケイムラ紫のメタルスッテにピンクのドロッパーの組み合わせが抜群によかった

最後にケンサキイカも登場

そして、午後11時30分の沖上がり直前に小さく穂先が入り、最後の最後に切望していたケンサキイカがヒット。田中さんは「完全に諦めていたのに、本当に釣りって分からないものですね」と笑顔でサオを置いた。イカメタルはゲーム性に富んでいる。イカの行動を予測しながら自分なりに試行錯誤することでより多くのアタリを引き出すことができる。自分でヒットパターンを見つける楽しさを味わったら、きっと魅了される。

ケンサキイカ-2
最後にケンサキイカが登場。この日は渋かったものの7月以降に期待

見事に反応が変わるスッテのカラー選択

イカメタルゲームの要となるメタルスッテとドロッパーは、なるべく多くの種類を用意しておきたい。田中さんは10~40号の「ゲキダキスッテメタル」と「ゲキダキスッテ」の75と90を用意。

ゲキダキスッテメタル
ゲキダキスッテメタルは10~40号の13カラー。ケンサキなら地味な緑や黄緑、スルメには赤やケイムラ紫、黒が効く

ドロッパーとメタルスッテのカラーセッティングについては同系色を避け、どちらに反応するのかを見ながらローテーションさせていく。カラーの選び方は、強→中→弱を意識すると分かりやすい。強いカラーは赤と紫、そしてシルエットがはっきり出る黒。弱いカラーが緑や黄緑。中間に位置するのが白や黄が混ざったピンクにチャート。いずれもケイムラやグローが加わると一段強くなる。

強いカラーからようすを見て、反応が今ひとつならば徐々に弱くしていくのがセオリー。日没直後から深夜に向かって光量は変化していくので、いつまでも同じカラーで通さないこと。周囲に気を配って全体に釣れているカラーに合わせ、さらにケイムラやグローでアレンジするとアタリが多くなる。ただし、スルメイカをかわしてケンサキイカを釣りたいのであれば、目立たせないよう弱いカラーのなかでローテーションさせるとよい。

今回ケンサキイカは厳しそうと考えた田中さんは、中盤からスルメイカが好む黒(クロオレゼブラ)と紫(パープルヘッドイレグイケイムラ)のメタルスッテを多用して釣果を伸ばした。ドロッパーは黄(レッドヘッドイレグイイエロー)を筆頭にイレグイピンクやイレグイブルー、アオハラミカンがよかった。

ゲキダキスッテ
ゲキダキスッテは75mmと90mmの2サイズで13カラー。ゼロ浮力設定なので潮乗りは抜群で、巻き上げを止めるとぴたりと止まる

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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【三重・南伊勢】ソルティガシリーズで楽しむ、夏のジギングリレー 魚種多彩な“ジギング天国”で五目釣り https://web.tsuribito.co.jp/beginner/saltiga-jigging つり人編集部 trend 192841174309 Sun, 27 Jul 2025 02:00:00 +0900

住澤直樹さんが35年ほど前から通いこんでいるという南伊勢の海は魚種が豊富。スーパーライトジギングのシーズンの走りという6月中旬に、ライトジギングと併せたリレー釣行で魚種を選ばない五目釣りが楽しめる。

住澤直樹さんが35年ほど前から通いこんでいるという南伊勢の海は魚種が豊富。スーパーライトジギングのシーズンの走りの初夏に、ライトジギングと併せたリレー釣行で魚種を選ばない五目釣りが楽しめた。

写真と文◎編集部

魚種豊富な南伊勢のジギング

三重県南東部に位置する南伊勢町、志摩市、鳥羽市といった外洋に面したエリアは、英虞(あご)湾をはじめとする複雑に入り組んだ地形が特徴的だ。志摩半島を境に鳥羽方面(北側)は島が多く潮の流れが複雑で青物ジギングが盛ん。南伊勢方面(南側)は青物の他にもマダイやイサキ、根魚がSLJ(スーパーライトジギング)やLJ(ライトジギング)で楽しめ、冬になればトンジギと呼ばれるビンチョウマグロねらいのジギングも盛り上がる。

南伊勢町では7、8月にSLJのハイシーズンを迎える。6月中旬、三重県伊賀市在住の住澤直樹さんはSLJとLJのタックルを用意して南伊勢町の礫浦港から出船する三吉丸に乗り込んだ。住澤さんはまだSLJと名前が付いていない35年ほど前から三重県でこの釣りを楽しんでいるエキスパートだ。

マダイ-2
この日の取材では船中で多彩な魚種が登場した

SLJをイサキが奥深くする

SLJを住澤さんはPE0.6〜1号で15〜80gまでのジグを使う釣りだと定義づけしている。「SLJのターゲットは多彩です。根魚はもちろん、青物やマダイもねらえます。中でもねらって面白いのがイサキですね。意外とテクニカルで釣果に差がつくことも多いです。SLJだと30cm以下はまず掛からないので引き味もいいんですよ」

マダイ以上に叩き、時には鋭く突っ込むような引きは極細タックルではなかなかにスリリング。しかしながら口が小さく弱いためバラシも多い。SLJは五目釣りであり、釣りやすい根魚がメインターゲットになりがちだが、一度でもイサキを釣ったことがある人はその虜になってしまうそうだ。

「イサキをねらうならスピニング一択。なぜならジギングといえどキャストが必要だからです」

マダイや根魚と比べてタナが上層になることが多いイサキは、船の陰やエンジン音に警戒心を抱きやすいと住澤さんは話す。投げる方向は込み側、なるべく遠くへキャストすることで反応はぐんと増えるという。

この日はSLJ用にPE0.8号と0.6号の2タックルを用意。五目釣りなら0.8号だが、イサキねらいなら15〜30gのジグが基本となるため、操作性のよい0.6号が断然おすすめとのこと。ジグは同じ重量でもシルエットを小さくできるタングステン合金製が有利なことが多い。

TGベイト-1
SLJ でおすすめのジグはTGベイト(ダイワ)。30gが基本で、スローなフォールに反応がよければ15g、風が強い時などは45gを使う
イサキ狙いのフック
イサキねらいならフッキング率向上とバラシ低減のためにツインのアシストフックを前後につけたい。表層から探るので根掛かりの心配はほとんどない。ティンセルや魚皮は釣果に差が出るためマスト

住澤さんのSLJタックル

ロッド:ソルティガ SLJ 64MLS-SMT
リール:イグジスト PC LT3000-XH
ライン:PE デュラセンサー×12EX+Si3 5c 0.8 号
リーダー:ソルティガ フロロリーダー X’LINK(クロスリンク) 16lb

ロッド:ソルティガ SLJ 60LS-SMT
リール:イグジスト PC LT2500
ライン:PE デュラセンサー×12EX+Si3 5c 0.6 号
リーダー:ソルティガ フロロリーダー X’LINK(クロスリンク) 16lb
※全てダイワ製品

SLJタックル-1

反応が悪い時は、早巻き+フォールが◎

出船して程なく五ヶ所沖にある水深20mほどのシャロー帯に到着。ベイトの群れに付いているイサキをねらい、タングステン合金製のジグであるTGベイトの15gをキャストする。時折水面を割るイサキの姿が見えて期待は高まるが、ジグへの反応は悪い。同船した他の人も時折アカハタなどの根魚が釣れる程度だ。

「多分、ベイトには付いているけど捕食はあまりしていないんでしょうね。基本的なフワフワしたゆっくりなワンピッチジャークでは反応がありません。こういった状況では早巻き+フォールでリアクション気味に口を使わせる釣り方が効きます」

船長のアナウンスではベイトの反応が全層に出ているそうだ。この場合は着水後すぐに巻き出したほうがよい。というのも、活性の高いイサキは上ずっているためだ。反応がなければ5カウントずつ沈めていくなどしてアジングのようにレンジを刻むことが釣果アップのコツとなる。住澤さんは早巻き+一瞬のフリーフォール+カーブフォールの組み合わせでバイトを引き出し、ヒットまで持ち込んだが、痛恨のバラシ。

「釣れないとどうしてもボトムまで沈めてしまいがちで、そうすると根魚が釣れます。するとついそっちをねらいたくなるんですが、イサキの反応は遠のきます。グッと堪えて表層からレンジを刻んでいき、アタリを捉えたときはきっとイサキの面白さに目覚めるはずです」

イサキ-3
ジグで釣れるイサキはみな30cm以上の良型ばかり。時には40cmオーバーも

誰でもできるのがLJの魅力

ベイトの群れを追ってキャストを繰り返したが、日が高くなるにつれてアタリは遠のく一方。LJに移行して仕切り直すことになった。

40分ほど沖に船を走らせて到着したポイントは水深140m地点。そこから20m付近まで反応が出ていると船長。さっそくジグを落としていく。ジグは沈下の速いTGベイトの180gを選び、流され具合と魚の反応を見てみる。ラインはPE1.5号、ロッドはソルティガLJEX61XHBTG、リールはソルティガ300だ。住澤さんは、PE1〜2号で100〜200gのジグを扱うのがLJとしている。ねらう水深は50〜150m前後のことが多い。

「LJは誰でも疲れず、釣れることが大切だと考えています。ガチな青物ジギングのようなスピニングタックルでのワンピッチジャークは意外と難しくてできない人も多いんですが、そういう人でもベイトだとうまくできたりするのでベイトタックルがおすすめですね。今年発売されたソルティガ300は負荷が掛かった状態でもかなり軽く巻くことができます。今日みたいにラインが150m近く出るような場所でも疲労が少ないです」

TGベイト
LJ でもフォール速度の速いTGベイト(ダイワ)は欠かせない140mほどの水深では1投でなるべく数多く誘いたいため180gを使用。反応が悪ければ150gに軽くすることも考えていたがこの日は変える必要がないほど好反応だった
LJのジグ
LJではロングジグやショート、スリムなど状況やベイトに応じてさまざまな物を用意しておきたい

住澤さんのLJタックル

ロッド:ソルティガLJ EX 62XHB-S
リール:ソルティガIC300
ライン:PE デュラセンサー×12EX+Si3 5c 1.2 号
リーダー:ソルティガ フロロリーダー X’LINK(クロスリンク) 25lb

ロッド:ソルティガLJ EX 61XHBTG
リール:ソルティガ300
ライン:PE デュラセンサー×12EX+Si3 5c 1.5 号
リーダー:ソルティガ フロロリーダー X’LINK(クロスリンク) 30lb
※全てダイワ製品

LJタックル-2

ご当地ターゲットも登場

着底したらジャカジャカ巻きを5回してからワンピッチジャークに移行するのが住澤さんの基本的な釣り方だ。緩急をつけるのがコツで、スピードが変わったタイミングでバイトしてくることが多いという。
すると一流し目からヒットし、ロッドが根本から絞り込まれる。さらに立て続けに同船者全員がヒット。上がってきたのは真っ赤な深海魚ルックスのハチビキだ。

「ハチビキを釣ったのは2回目ですね。釣れるところが限られているらしく、この辺りでは志摩や南伊勢ならではの魚なんじゃないかなと思います。青物のようなパワーはありませんが、60cmを超すサイズになれば結構引いて楽しいですね」

この日はハチビキの活性が高く、流すたびにヒットする。かといって強引なファイトをすると口が弱いためバレやすい。決してイージーな魚ではないため、LJのターゲットとしては申し分ない魚だろう。このポイントでは他にもメダイやクロムツの他、青物やマダイも混じるそうだが、この日は不発だった。

ハチビキ2南伊勢のご当地ターゲットとも言える(?)、ハチビキ。この日は同行の柴田利夫さんとのダブルヒットも連発した

ハチビキを多数釣って満足したところで沖上がりとなった。7月に入るとベイトが一層シャロー帯に集まり、イサキがねらいやすくなる。アカハタなどの根魚も水温が上がるほうが好反応となりSLJのハイシーズンとなる。LJの釣果も上向いてくるそう。

また、夜のバチコンやイカメタルも盛り上がる頃合いだ。豊富な魚種をねらえるSLJ&LJで南伊勢の夏を満喫してみてはいかがだろうか。

クエ同船したアングラーもハマチ、マダイ、クエなどいろいろな魚種を釣っていた

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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ボトムから誘い上げて食わす快感!最先端のジギングメソッド「スピネギ」とは? https://web.tsuribito.co.jp/beginner/spinegi つり人編集部 trend 192833863845 Sat, 26 Jul 2025 02:00:00 +0900

ボトム界隈の魚を誘い上げて食わす。それが「スピネギ」という最先端のジギングである。ヒットする魚種の顔ぶれは多彩。不意の大物との遭遇もある。全国の海域で試してみたい釣り方の基本を、スピネギを生んだ磯見政斗船長に聞いた。

ボトム界隈の魚を誘い上げて食わす。それが「スピネギ」という最先端のジギングである。ヒットする魚種の顔ぶれは多彩。不意の大物との遭遇もある。全国の海域で試してみたい釣り方の基本を、スピネギを生んだ磯見政斗船長に聞いた。

写真と文◎編集部

誘い上げるジギング「スピネギ」の爆発力と道具立て

根魚ねらいのジギングを通称「ネギング」と言い、山陰地方で流行しているのがスピニングタックルを使った「スピネギ(スピニングネギング)」である。

この釣り方を命名し、盛り上げているのが島根県・瀬崎港にある船宿「龍勢丸」の磯見政斗船長だ。幼少期からウキフカセ、バス、ロックフィッシュ、エギングとさまざまな釣りを楽しみ、オフショアのルアーフィッシングを本格的に始めるとジギングに熱中。2014年から遊漁船をスタートした。

スピネギの操作の基本は10~15mジグを投げ、着底後は15~20m上のタナまで一定のピッチで誘い上げる。アタリがなければ頻繁に回収をして打ち直すことも大事である。ジグを誘い上げることで上のレンジの青物との遭遇率も高い。また根から離した位置で掛けることでキャッチ率も高まる。

磯見船長が「上げの釣り」と言うこの操作は、10年ほど前まで小馬鹿にされていたという。「私が遊漁船を始めたころはスロージギングが隆盛でした。スローは一定レンジをゆっくりと探り、さまざまなジャークを織り交ぜながらフォールで食わせる釣り方です。ボトムから離して斜めに引き上げる釣りなんか根魚が釣れるわけがないと常連さんにはずいぶん馬鹿にされたんです」

龍勢丸の磯見政斗船長が釣ったアマダイ
龍勢丸の磯見政斗船長が手にするのはスピネギの本命魚といえるアマダイ

スピネギのタックルとジグ

ではなぜスピニングタックルが有効なのか。ジギングファンにはベイトの愛用者が多い。重いジグが扱いやすく、着底感度が高いのと巻き上げのパワーもある。またフォール時のスラック(イトフケ)が少なく、バイトをとらえやすいからだ。しかし磯見船長はスピニングタックルのほうが「軽快でテンポのよい釣りができる」ことに気付いた。

「スピニングはフォールがスピーディーです。キャストして沖に着底させるのも落とし直すのも早い。それと私の場合はベイトよりスピニングのほうが巻き上げは楽でジャークのテンポも取りやすいと感じています」そう話す磯見船長の推奨するスピネギの道具立てとは?

ロッド

専用ロッドはロンググリップが特徴だ。脇に挟んで操作をしやすくロッドを寝かせ気味にする綱引きファイトも行ないやすい。磯見船長が愛用するのはUroco「エアコロスピネギカスタム」。全長6フィート6インチ、適合PEライン2号、マックスジグウエイトが160gのロッドである。

Urocoのエアコロスピネギカスタム
Uroco・エアコロスピネギカスタム

リール

スピニングリール4000番のXG(シマノ)もしくはXH(ダイワ)が好適。

ライン

スピネギはあくまでアマダイや根魚をねらう釣り方だが、不意の大物に備える意味と、ジグロストの軽減をするためにも船長はPEライン2号を推奨している。

リーダー

船長が推奨するのはナイロン10号、長さ3ヒロ(約4.5m)のリーダー。これも不意の大物に備えるため。ナイロンは伸びる。ライン負荷が大きくかかる綱引きファイトでもラインの破断やフックが伸ばされるのを防いでくれる。

メタルジグ

軽い入力で動くずんぐりとしたフォルムの「ショートジグ」がよく120~150gが基本になる。磯見船長が愛用するのは「Urocoジグショート」で「軽いジャークでもフラッシングをしてロールもする。移動距離の短いジグがいいんです」と話す。なおカラーセレクトも重要だ。「根魚はとにかくグローが大好き」と言い、必ず携帯して欲しいとのこと。

Urocoジグショート
Urocoジグショート。スピネギ専用のメタルジグではないがスイミングしやすく軽めのワンピッチでも動かしやすい。

フック

リアのアシストラインはエビ防止のため1cm、フロントのアシストラインは2cm。ジグが跳ねた時にリアのアシストラインが長いとリーダーに絡みやすい。またフロントフックのアシストラインは魚の歯が当たると傷つきやすくリーダーを守るために2cmと長めに取る。フックサイズは1/0が基本。寒ブリの時期や大物が多くゴリゴリ巻きで取る時は2/0と太軸にする。

スピネギで使うジグのフックセッティング

以上のような道具を使うが、あくまで船長目線のタックルバランスである。

「根魚をねらうスピネギですが不意に大型のヒラマサやブリが食ってきます。私のこれまでの実績は20kgが最大で数100尾のヒラマサを取ってきました。こうした大物もお客さんが取ってくれたほうが船長としては助かる。細いラインでも取れなくはないですが、ファイトにどうしても時間がかかる。そうなると周囲のお客さんを待たせることにもなるので、バランスのよい道具を使って欲しいのです」

スピネギで釣れる魚種

出雲周辺海域は豊穣の漁場であり、スピネギをすると多彩な魚種がヒットする。

「探る海域は概ね70~90mの水深です。このくらいの水深がスピネギはやりやすい。お客さんは特定のターゲットをねらいに来てはおらず、だいたい10魚種は釣って帰ります。特に喜ばれるのはアマダイ。根魚ではないですがスピネギの本命魚といってもよいです。砂地の微妙な変化を探り1~3月の低水温期以外は周年ねらえます。根周りをねらえばキジハタ、チカメキントキ、マハタ、クエ、イサキ。このほか砂地でも根周りでもレンコダイ、マダイ、アオハタ、ヒラメ、マトウダイ、マアジ、ブリ、ヒラマサといろんな魚が釣れます」

龍勢丸は定員8人の船である。最大で左右4人ずつ両舷に並ぶ。スロージギングや昔ながらのジギングでは、ジグを重くして底に留めていく釣りをするが、スピネギはジグをまめに回収することがキモだという。

「魚の目の前からジグをリセットする意味でも回収したほうがいいんです。あと根魚にはグローのジグが効くんですが、10分、15分と海中にあったままではグローの効力が落ちてしまう。特に落としてすぐに釣れる時はグローに反応している魚が多いんです。周囲の釣果を見てこんな状況であれば回収はマメに行なってください」

キジハタ
スピネギは根魚をベースにねらう釣り

スピネギの釣り方は一定のリズムを刻むのがコツ

スピネギの釣り方の手順は以下の通り。

1.10~15m沖にキャスト
2.着底後、一定リズムの1/2ピッチジャークで15~20mほど誘い上げる
3.タナまで誘い上げたら、ジグを落とし直して再度誘い上げる

操作のキモとなるのはジャークのリズム。「1ピッチ、1/3ピッチとさまざまなジャークを試してきましたが、最適なのは1/2ピッチです。ティップを斜めに下げ、ジグを小刻みに跳ねさせる。その時に水面付近のラインが"チョンチョン"と音が出る。このリズムが特徴です。このピッチだと根魚も釣れるし、大型魚も誘えます。この釣り方をスピネギと名付ける前は"チョンチョン釣り"と呼んでいたくらいです(笑)」

スピネギの誘い
ロッドの角度を斜め下に向け、大きくシャクらず1/2ピッチで一定のジャークを行なう

ハンドルを1/2回転につき1ジャークをするのが1/2ピッチである。チョンチョンと鳴るのはスラックを作ってそれを引っ張る音。この音がしないとなかなか釣果を出せないそうだ。頭で分かってもいざやろうとすると手もとがぎこちない人は多いというが、1日やれば様になるそうだ。

ジャークの際のグリップの握り方
ソフトにしなやかにジャークを行なうために磯見船長はグリップをこのように握る

前アタリを感じられる面白さ

磯見船長はかつて周囲の先輩から「根魚は底から3mまでが勝負。15m、20mも食い上がってくるわけがない」と言われていたそうだ。ところがスピネギでねらう根魚はかなり上のタナまでジグに追従してくるし、そのジャレ付く感触まで分かるのだ。

「ジャークの中で一瞬テンションを抜きますが基本的にラインは張り気味。だからバイトが伝わりやすいのだと思います。慣れてくるとジグにジャレ付く感触が分かります。それも釣っている本人だけでなく、隣で見ていても分かるくらいにはっきりとした反応が出る。一定のリズムで誘い続けるからこそ、変化も分かりやすいのだと思います。来るぞ、来るぞ、と思う感触があって、そのうち"ゴッ"とロッドが入る。この前アタリを感じられるのがスピネギの面白さと言ってもいいです」

ジグは海中でどんなイメージで動いているのだろうか?「リアが小刻みに跳ね上がるイメージです。上手くリズムが取れないとリーダーを拾ってエビになってしまいますが、そうなる前に次のジャークを入れる。上手くいくとブルッ、ブルッという感触がきます。これを一定のリズムで行なうシンプルな釣りです」

バイトが出ているのに乗らなかった場合や浅掛かりでバレてしまった場合は、その場で即座にジグを落とし直すとヒットの確率が高まる。「マダイとか青物とかレンコダイなどの遊泳力がある魚は、当たってもシャクり続けていれば食ってきます。けど根魚の場合は高確率で根に戻ります。だから落とし直しが効率的で私はベールを返す癖が身に付いています。しかも同じ所に何尾かが固まっていることが多く、当たった魚が釣れなくてもほかの魚がアタックする可能性もある。次の誘いはまるで弱った魚が落ちてきたようにゆっくりとした速度でジャークを行なうと食いやすくなります」

カサゴ
根魚も宙層までジグを追ってくる

やり取りはハンドドラグを活用

スピネギの道具立てで大型ヒラマサを何尾も釣ってきた磯見船長はファイトのやり方も一家言がある。

「ロッドをしっかり曲げて取ろうと思っても、スピネギ専用ロッドではバットパワーが足りません。ロッドは曲げるほどドラグの滑りが悪くなります。ドラグは締めない。イメージとしては満月ではなく三日月くらいの曲げ加減をキープしてハンドドラグを活用してください」

ハンドドラグ
ハンドドラグを多用するのもやり取りのキモ

スピネギはまだ山陰地方の一部のエリアでしか盛んではないが、全国の海域で通用するポテンシャルを秘めている。ジグにジャレ付く魚の感触を味わいながらヒットに導く釣趣はスリリングであり、アマダイをはじめとする多彩な美味魚も釣りやすい。ジギングの可能性を大いに広げてくれるだろう。

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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大物トラウトは“水面”を見ている トップウォータープラグでの渓流「虫パターン」攻略法【北海道】 https://web.tsuribito.co.jp/north/topwater-trout North Angler’s編集部 trend 192934695045 Fri, 25 Jul 2025 07:05:00 +0900

湖から始まったトップルアーの釣りは、川や渓流でも威力を発揮し、とくに昆虫を模した「虫パターン」の人気は高まるばかり。しかし、ルアー操作や流し方しだいでは「全く出ない……」というのもこの釣り。入門者向けに一尾に近づくコツを解説。

湖から始まったトップルアーの釣りは、川や渓流でも威力を発揮し、とくに昆虫を模した「虫パターン」の人気は高まるばかり。しかし、ルアー操作や流し方しだいでは「全く出ない……」というのもこの釣り。入門者向けに一尾に近づくコツを解説。

文と写真◎North Angler’s編集部

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

トップルアーを使った「虫パターン」のネイティブトラウト

支笏湖などの湖から始まったトップウォータープラグ(以下、トップ)の釣りが、川でも試されるようになったのは自然な流れだろう。北海道ではフィールドを問わずルアーとフライの両方を楽しむ人が少なくないが、川の定番は浮くタイプのドライフライ。川に生息しているトラウトも湖と同じように昆虫類を捕食している。だとしたら川でもトップが効くのは当然だ。

クスサン
すすきのでも見られて話題になった大型のガ、クスサン。釣り場では実際にいる昆虫を意識してルアーを選びたい

しかし、意外にも川トップの効果が広く知られるまでには時間がかかった。その背景には川の必携ルアーとして古くから親しまれるシンキングミノーの存在があるだろう。重さを活かして飛距離が稼げ、かつ各レンジを自在に探れ、トゥイッチを入れて操作する面白さ。まさに万能で使いやすく、「釣った感」もあり、今でも一番人気があるのはうなずける。

そんななか、トップが注目されるようになったのは、ヤマメとイワナが中心になる本州と違って、北海道は良型のニジマスとブラウンがねらえることが大きい。ヤマメやイワナ(アメマス)はターン(ルアーが流れを横切って反転する際の動き)に反応しやすい一方、ニジマスとブラウンは元気印の小~中型サイズはヒットしても、大きくなると追って食うことは少ない。良型は楽に捕食できるボトムの底生生物、もしくは水面を流れる昆虫類にねらいを定めているようだ。

魚にとって水面は鳥類などの外敵に襲われる危険性があるが、立派な体躯を誇る良型はリスクと食欲を天秤にかけても後者を選ぶのか。ここ数年で川もトップが脚光を浴びているのは「良型がねらって釣れる」ことにあるだろう。

ブラウントラウト
ニジマスとブラウントラウトは北海道が誇るトップの二大好敵手。このサイズが水面のルアーを襲うシーンを目の当たりにすると、もう止められなくなる

最適なタックルシステム

川トップにおける操作は、「自然に流すこと(=ナチュラルドリフト)」に尽きる。ターン後の回収中など逆引き状態で食ってくることもあるが、あくまで流れと同調させるナチュラルドリフトが基本と考えたい。

となると、ロッドは長いほうが操作しやすい。小規模河川で真っすぐ上流に撃てるポイントが多いなら問題なくても、流れをまたいで対岸をクロスで釣る場合、ナチュラルドリフトを演出するのにラインを上流側に打ち返す操作(=メンディング)が必要になる。これを行なうには長めのロッドが断然有利。具体的には中規模程度の川なら6フィート6インチ程度はあるとよいだろう。そして、ティップのしなやかなロッドがトップに向いている。

使用するルアーのウエイトにもよるが、小型のトップなら2g未満。腕に覚えがあるベイトタックル愛好者ならよいかもしれないが、キャストに自信のない入門者はスピニングタイプが適している。浮くトップの釣りでは、ラインはナイロンとPEの二択になるが、どちらを選ぶかは好みによるところが大きい。ただ、小型軽量のトップをある程度遠投したいならPEに分があるのは明らか。小規模な川でも大ものが潜んでいる北海道では、倒木など障害物に干渉してもブレイクしないよう0.8号前後が一般的。ナイロン及びリーダーは川の規模と釣れる魚のサイズにより6~10ポンドが妥当だろう。

開けた規模が大きめの河川-1
このように開けた規模が大きめの河川の場合、ロッドは6フィート6インチ以上あると軽量ルアーでも遠投しやすく、メンディングの操作も行ないやすい

ルアーは35~40mm3g前後がメイン

肝心要のルアーについては、圧倒的に種類が多いのはセミを模したタイプとはいえ、バッタやカメムシ、カナブンをイメージした形状のトップもある。「コレで釣りたい!」というルアーを使うのもよいが、まずはフィールドを広く観察してみよう。

周囲の森から「ジーッ」とコエゾゼミの大合唱が響いていたらセミルアー、河原にイナゴが飛び交っていたらバッタルアーというように、そのときのメインディッシュと目される捕食物に似せたルアーを選ぶ(=マッチング・ザ・ベイト)のがフライフィッシングにも共通する考え方。また、地域や時期によってはカメムシやガなどが大量発生していることもある。そんな情報にもアンテナを張っておきたい。

とはいえ、川で50mm前後のシンキングミノーが主流であるように、「使いやすいサイズ」というものがある。この点をふまえて、飛距離と見やすさの観点から35~40mm3g前後をパイロット的に使う人が多いようだ。

虫系トップルアー-1
主な虫系トップルアー。写真上から、D-3カスタムルアーズ『バッタえびせんmp』(40mm2.5g)、タックルハウス『エルフィン クリケット』(37mm2g/『同 改』は2.1g)、バスデイ『こぶん』(20mm1.3g)。ユニークかつ可愛いらしい見た目で、キャストしているだけで楽しくなる

「見やすさ」はトップの釣りで重要な要素。湖なら波ザブでない限り見失うことは少ないと思うが、流れのある川ではそうはいかない。ミスキャストして着水地点を把握できないと、いつの間にか下流に流されていた……なんてことも。

魚が出た瞬間が分からないとヒット率は大きく落ちるばかりか、何よりトップの釣りが面白くなくなる。視認性が高いのは背中が派手なカラー。それでもルアーのサイズが小さいと流れに揉まれると見失いやすい。そこで出番となるのがマーカーだ。ルアーの背中に貼ることで視認性が抜群によくなる。ルアーの造形が崩れるのを嫌う向きもあるが、最終手段として用意しておくことをすすめたい。

ルアーインディケーター
ルアーの存在を見失うようなら、ティムコ『ルアーインディケーター』を背中に貼り付けてみよう。蛍光カラーで視認性は抜群によくなる。虫の脚に見立てられるラバーレッグを間に挟むのも有効だ

スナップの有無について

スムーズにルアーをローテーションするのに不可欠なアイテムだが、ドラッグがかかる原因になりやすく、アワセを入れた際にタイムラグが生じてフッキングに影響することも。使用する場合はなるべく小さいサイズを選びたい。

トップルアーでの釣り方

貴重な一尾を導くために、いくつか要点を挙げたい。まず、ポイントでの1投目はトップを使うこと。最初にシンキングミノーなどの沈むタイプを投じると、水中にいる魚に警戒心を与え、場を荒らしてしまいかねない。沈むタイプのルアーを使うのは、トップで数投して反応がなく、「ここに魚がいるかどうか」をたしかめたいときにしたい。

リフトをベースにするが、ときおり軽くシェイクを入れて波紋を出すと効果的な場合もある。とくに水深のあるプールは魚が水面のエサに気づいて出てくるまで時間がかかりやすい。こんな場面で波紋を出すと魚にルアーの存在をアピールできる。また、同様の理由で流れの速い瀬もアクションを与えるとよい場合がある。

キャストの方向は自然に流しやすいアップをメインにしたい。対岸を撃つときはアップクロスになるが、メンディングを数回行ないつつ、余分なラインを巻き取りながら自然に流していく。メンディングしてもルアーが流れとズレて不自然な動き(=ドラッグ)をするようになったら回収、再アプローチする。

トップでクロス~ダウンのアプローチはセオリーに反するが、たとえば両岸をボサに覆われた小規模な川で立ち位置が限られるときは、、ボサ際ぎりぎりにルアーを落とし、ラインを出しながら下流に流していくのも手。アップもダウンも真っすぐならナチュラルドリフトを演出しやすい。魚がルアーに気づきにくいと思われる深場や速い瀬は、1~2投であきらめずに数投するのもヒット率を上げるコツ。

また、いかにもという深場は散々叩かれてスレていると考えられ、魚はルアーをうかがいながら本物か偽物かを見定めているかもしれない。そんな状況下では、キャストしてすぐにピックアップすると警戒される恐れがある。ときには辛抱強くルアーを浮かべおくのも大事だ。

この釣りで最大の関門はフッキング。魚が出たのにハリ掛かりしないことはよくある。「バシャ!」と出てすぐに合わせると乗らないことが多く、一呼吸おいてからフッキングの動作に移るのが賢明だ。

釣れないときの攻略法3選

それでも「釣れない……」と言う人にアドバイスをいくつか。

ルアーサイズの変更

魚が出ても乗らないことが多いのが気になるようなら、ルアーのサイズを一回り小さくするのも一つの方法だ。

35~40mm3g前後がパイロット的に使えるサイズと前述したが、20~30mmにチェンジしてみよう。重さは1g台になると思われ、飛距離は出にくくなるものの、単純に小さくなると魚はくわえやすいのかフッキングがよくなる。また、サイズが小さく羽根などのパーツ類が少ないと、複雑な流れでも比較的ドラッグがかかりにくいのも利点だ。

しかし、一方で50mm以上の大型サイズを投入するのも状況しだいで有効な手段。フライだと真似できない存在感はルアーならではといえ、アピールの大きさが釣果につながることもある。とくに大型のベイトが食われていれば、使う価値は充分だろう。

ただし、流れが緩いポイントほど着水音には気を遣いたい。じっくりと水面を凝視している魚に対し、違和感を与えるのは得策ではなく、あくまで本物をイメージしてプレゼントする。叩きつけるように「バチャ!」と落とすのではなく、ソフトに「パシャ……」と着水させよう。

シェード
ここは奥のシェード部にルアーを入れたくなるが、ミスキャストしてしまうと場を荒らしかねない。やる気のある魚は赤線で示した手前まで出てくることもある。自信がなければ確実に落とせるスポットに投じるべき

キャストするポイントを工夫

トップの好ポイントとして本物の虫が落下しやすいボサ周りやオーバーハングが挙げられるが、水深のある護岸際も見逃せない。いずれも注目すべきは泡の筋(=バブルライン)。落下物が集中して流れる筋になり、このラインを自然に流せることができれば釣れる可能性はかなり高くなる。ルアーアングラーからするとバブルラインは聞き慣れない言葉かもしれないが、フィールドではキャストする前に必ずチェックしたい。

バブルライン
赤線で示したのが泡の筋、通称・バブルライン。これに沿ってルアーを自然に流すことができれば、もう釣れたも同然!?それくらいトレースするラインは重要だ

静かにアプローチする

最後に、トップの釣りに限ったことではないが、川の規模が小さいほどアプローチには細心の注意を払うべき。無闇に水の中には入らず、闇雲に遠投するのも避けるべき。飛距離を伸ばすほど魚に警戒されないとしても、自然に流すのに関門が多く、出たとしてもバラシてしまう危険性は高くなる。トロ瀬などある程度区間の長いポイントは、いくつかのブロックに区切り、手前側から探っていくことを心がけたい。

「虫パターン」の効果は秋が深まる時期まで続く。一般的にタフコンディションとされる真夏の渇水期でも、虫トップは打開策の一つとなる。この夏~秋、川の一番手として使ってみよう!

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ハゼの魚影が非常に濃く、関東ハゼ釣りの代表的な釣り場「江戸川放水路」。陸っぱり、桟橋、ボート…多彩なスタイルで楽しめるこの釣り場の魅力を徹底解説する。初心者からベテランまで、自分に合った楽しみ方で、江戸前のハゼ釣りを満喫しよう。

ハゼの魚影が非常に濃く、関東ハゼ釣りの代表的な釣り場「江戸川放水路」。陸っぱり、桟橋、ボート…多彩なスタイルで楽しめるこの釣り場の魅力を徹底解説する。初心者からベテランまで、自分に合った楽しみ方で、江戸前のハゼ釣りを満喫しよう。

まとめ◎編集部

ハゼの魚影が濃い「江戸川放水路」

千葉県市川市にある江戸川放水路は、その名の通り、江戸川の洪水防止を目的として1919年に造られた放水路。平常時は江戸川本流とは水門で仕切られており、広大な人工の干潟として機能している。しかし、増水時には水門が開かれて江戸川の濁流を受け入れる。その際に本流から栄養分を多く含んだ土砂が運び込まれることで、豊かで多様な生態系が育まれているのが特徴だ。

ハゼにとってもいい環境で、魚影も非常に濃い釣り場だ。都心からもほど近く、電車でも妙典駅から徒歩でアクセスできる。

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江戸川放水路マップ

ポイントごとの攻略法

ハゼは放水路の全域で狙うことができるが、各ポイントごとに特徴があるので詳しく解説しよう。

干潟・護岸(陸っぱり)

この釣り場の大きな特徴である広大な干潟は、特に夏場のメインステージとなる。この時期、水温の上がる浅場にハゼが活発に集まるため、ウキ釣りやミャク釣り、ちょい投げ、ルアーで狙うハゼクラまで、実に多彩な釣法でハゼ釣りを楽しむことが可能だ。ただし、遠浅の地形ゆえに干潮時は水際まで干潟を立ち入る必要があり、カキ殻や岩も多いため、足元を保護する長靴やウェーダーは必須の装備といえる。

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夏は浅場でハゼが狙える

こうした立ち込みのリスクや手間を考えると、この釣り場では潮が満ちてくる満潮前後が、最も安全かつ効率的に釣りを楽しめる時間帯となる。ハゼも潮に乗って浅場へ差してくるため、釣果も上がりやすい。

場所によっては満潮前後のタイミングであれば、干潟に立ち込まずとも、整備された護岸から手軽に竿を出すことも可能だ。具体的なポイントとしては、妙典側に位置する東西線の鉄橋の下流エリアなどは満潮時の足場も良く魚影も濃い。行徳橋下の行徳可動堰横にも一部フェンス付きの護岸がある。

また、季節が秋へと移り水温が低下すると、ハゼが越冬のために水深のある場所へ移動するため、のべ竿が届く範囲の釣果は著しく低下する。しかし、この釣り場はそれで終わりではない。陸っぱりからでも、仕掛けを遠投する「ちょい投げ」で沖の深みを狙えば、良型の落ちハゼを釣ることができるポテンシャルを秘めている。

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東西線鉄橋の下流エリア

桟橋

江戸川放水路の岸辺には多くの船宿が軒を連ねており、その桟橋をハゼ釣り専用の釣り場として有料で開放している場所も少なくない。これらの船宿は釣具のレンタルや、アオイソメなどの餌、仕掛け、飲み物などもその場で購入できるため、持ち帰り用のクーラーボックスのみ持参すればハゼ釣りに挑戦できる。

さらに、水深のある沖合を直接狙えるという、釣果に繋がるメリットもある。利用料はかかるものの、その手軽さと釣りのしやすさを考えれば、特に初心者や家族連れにとっては、おすすめの釣り場といえるだろう。

桟橋での釣り方は、足元にいるハゼを直接狙うミャク釣りが基本となる。竿は満潮時には水深が2m程度になることもあるため、2.5m前後の長さののべ竿や、糸を出し入れして深場を探れる2m以下のリール付きの竿(アジングロッドなど繊細なアタリが分かるものがオススメ)、手バネ竿などが扱いやすいだろう。

桟橋でのハゼ釣りのコツとしては、ただ仕掛けを垂らすだけでなく、ボートを係留する杭の根元や、カキ殻が堆積している場所など、ハゼが身を寄せる障害物の際を丁寧に探ることが釣果を伸ばすポイントだ。また、ハゼが集まる水深も時期や潮位によって変わるので、アタリがなければ桟橋内を移動して広く探ろう。

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船宿では桟橋やボートを借りてハゼ釣りが楽しめる。仕掛けやエサも購入が可能

ボート釣り

江戸川放水路の名物ともいえるのが、船宿で手漕ぎボートを借りて楽しむボートハゼ釣りだ。波のない穏やかな水路を自分のペースで気ままに移動しながら竿を出せる魅力に加え、岸からでは届かないポイントを狙えるため、数釣りや大型の落ちハゼが狙いやすいという大きな利点もある。桟橋同様に必要なタックルは船宿でレンタルできるため、手ぶらで気軽に挑戦したい初心者にも最適な選択肢だ。

ボート釣りは初夏から楽しめるが、季節によって狙う水深とタックルが変わる。シーズン初期から夏にかけては、ハゼは水深1〜2mの浅場に多いため、2〜3mのシンプルな「のべ竿」でも十分に対応可能だ。しかし、秋が深まるにつれてハゼが水深のある場所へ移動すると、のべ竿では届かなくなる。その時期は、深場を探れるリール付きの竿や、手バネ竿などが有利となる。

また、釣れるポイントは潮によっても刻々と変化する。まずは船宿に聞いたポイントから始めるのがベストだが、教わったポイントでアタリが遠のいたら移動しながら狙う水深をこまめに変えてみよう。

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ボートハゼ釣りも非常に盛んな江戸川放水路
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ジギングブランド「&ビート」を背負う大橋正義さんがベタ凪&潮が動かないタフな日のイサキに挑む。釣行日を選べないサンデーアングラー必見のバイトを引き出す一手とは?

ジギングブランド「&ビート」を背負う大橋正義さんがベタ凪&潮が動かないタフな日のイサキに挑む。
釣行日を選べないサンデーアングラー必見のバイトを引き出す一手とは?

写真と文◎編集部

大橋正義(おおはし・まさよし)プロフィール:1985年生まれ、大阪府出身。20代前半からジギングにのめり込み、その熱意と実力を大貝俊也さんに買われ、約20年にわたってbeatスタッフとしての道を歩む。現在は&beat製品の開発・製造を担いながら、製品テスト、イベント、ロケなど忙しい毎日を送っている。

真下だけじゃない、横にも広がるジギングの世界

オフショアのジギングと言えば真下にジグを沈めてバーチカルに誘い上げてくる釣り方がまず思い浮かぶが、キャストして中層を横方向に誘ってくるのがメインになるターゲットもいる。

近年よく耳にするSLJ=スーパーライトジギングの代表的な対象魚であるイサキがそのひとつだ。水深が浅い海域で、中層より上のレンジで捕食する状況が多いイサキをねらうときは縦より横にジグを操作したほうが広く探れ、反応があるレンジを長く通せるからチャンスが大きくなる。

今回そんなイサキのSLJを楽しみに玄界灘にやってきたのは、ジギングブランド「&ビート」プロスタッフの大橋正義さんと蒼井さやさん。

&ビートとは?

&ビートはジギングへの深い洞察と経験をもち数々の名作ジグを生み出した故・大貝俊也さんのものづくり意思を受け継いだブランドで、もともと他社のジグの開発やOEM生産を手がけていた大貝さんが自社ブランドとして立ち上げたのが、&の付かない「ビート」だった。2012年発売の大ヒット作「ブースF」はいまなお多くのジギングファンに愛用され、2021年には村上晴彦さん率いるISSEIとの共同開発ロッドをリリース。

しかし、さらなる期待が膨らんだ矢先、大貝さんはこの世を去ってしまう。ブランド存続の危機に手を差し伸べたのが村上さんだった。大貝さんの遺志を受け継ぎ、村上さんと大橋さんとのタッグで再始動したのが「&ビート(&beat)」だ。

20代の頃からブランドを裏方で支え、「妥協せず後世まで残せるよりよい製品を」という姿勢を学んだという大橋さんは「現在の態勢になったことで今年から再び製品を送り出すことができました。長年のお客様からも『帰ってきてくれた』と喜びの声をいただき、感謝とともにますます気持ちが引き締まります」と、ブランドを受け継ぐ思いを語る。

70cmの特大イサキも登場する海域

2025年は春先から不順な天候に見舞われる週末が多く、アングラーをやきもきさせたまま梅雨に突入した日本列島。6月初旬の土曜日、雨予報の合間を縫うように北九州市に集合したロケ班が利用するのは若松区から出船する光生丸だ。

PE0.8号を巻いたSLJのタックルで、水深30~40mの海域を釣る。メインのターゲットはイサキで、マハタ、キジハタ、マダイなどもヒットする。

サングラスが似合う気さくな船長・花島文夫さんによると、2週間前に57cmのイサキがキャッチされているほか、70cmの特大イサキを水揚げした漁師さんもいるというから驚きだ。5~8月の産卵期になるとより浅いレンジで捕食するようになり、上のレンジで食ってくる魚ほどサイズがよいという。よって最盛期はその時期に絡む初夏なのだが「今年のイサキは季節の進行が遅れていますね。釣れるイサキはまだ腹が膨らんでおらず産卵に絡んでいません。ベイトは入ってきてますから、もうそろそろだとは思います」花島船長。

さらにこの日の海況はベタ凪の予測。流れてくるジャコやイワシなどのベイトを表層から中層で捕食するイサキは適度に波のある状況でないと食いが立たず、ベタ凪は最悪だという。

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強面ながら気さく且つ親切にアドバイスをくれる花島船長

ベタ凪に大苦戦

出航後、約40分走って最初のポイントに到着した。ドテラで船を流しながら水深30mの瀬を探っていくコース取りだ。

大橋さんが最初に手にしたジグはベビージグレイ45g。まずはフレッシュな魚をねらうため流される船の進行方向側へ30mほどキャスト。底をとったらロッドの振り幅が10~20度ほどの細かいジャークを連続で入れながら、リーリングを止めずに巻き上げてくる。ジグはすぐ手前に寄ってくるので、ピックアップして再キャストする。キャストごとにリーリングスピードを変えたり、ボトムをとらずにカウントダウンで水深の半分まで沈めてから巻き始めたりと、スピードとレンジを広く探るアプローチで反応をうかがう。

「イサキを反応させるために重要なことが3つあります。それは速度感、レンジ、タイミングで、どれも等しく重要です」と大橋さんは断言する。

その時々でイサキが反応するジグの速度があり、レンジも同じ。その速度をいち早く探りあて、そのレンジをいかに長く引けるかで釣果が変わってくる。操作の上では潮の抵抗(潮上に投げるか、払い出すほうへ投げるか)によってもジグの動きは変わるから、それを勘案してジグのウエイトと巻きスピードで調節していくのだ。

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キャストして斜めに巻き上げる軌道でイサキが反応するスピードとレンジを探る釣りだ

またイサキもほかの魚と同じく、潮が変化したタイミング、ベイトの群れとリンクしたタイミングなど口を使い始めるきっかけがある。これを逃さないように速度とレンジをアジャストしていく集中力も大事だという。

ジグをよりスリムでアクションが大人しく速度を上げやすいカエリ40gにチェンジしたり、キャストを潮が払い出す方向へ変えたり、操作にワンピッチジャークを織り交ぜたりといろいろ試すものの、なかなか本命からの反応が得られない時間が続く。

「まだ食いが立っていないんです。食うとしたら潮が利き始めるときでしょう。いまは0.4ノットですからほとんど流れていません。これだとハタ類など底物は食いますけど、中層にいる魚はもっと流れてくれないとキツいです。他の船もサオを曲げている人が見えません」と大橋さん。

多彩な根魚に交ざり本命イサキが登場

ここからは移動のたびに潮の速さを気にする展開になった。9時を回り、あまりに反応が遠いため、一度フォール主体の釣りを試してみることに。ジグはカエリ60gに、タックルはベイトに持ち替えた。フォール中のアタリを掛けるにはベール操作が必要ないベイトリールが有利だ。

潮が払い出す向きへ15mほどキャストし、スローピッチジャークでねらう。リールを巻かずにロッドを立ててジグをリフトしたら、ロッドを倒すのに合わせてリールを1回転。このときのフォールで食わせる釣り方だ。リフトの幅は45度ほどだが、ゆっくり真上までロッドを立てるときもあった。すると根魚たちが順調に釣れ始める。

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根魚は快調に釣れた

蒼井さんのキジハタを皮切りに、マハタやカサゴが混ざる。そのなかでウリボウサイズではあるが蒼井さんが本命をキャッチ。潮が完全に止まったタイミングだったが「底付近でフォールの動きに反応しました」と蒼井さん。一般のお客さんにもポツリポツリではあるがイサキが掛かり始め、ここから状況が好転するかに思えたものの、その後反応は途絶えてしまった。

イサキ
さぁやの愛称でお馴染みの蒼井さやさんが本命をキャッチ。ヒットルアーはベビージグレイ65g村上シャッドイワシゴールド

スローな状況へアジャストした隠し玉

お昼を前にして、花島船長の「もっと潮が動きやすい所へ行こうか」という声で大きく移動。ここでは0.5ノットで潮が流れていて、表層までベイトの反応があり時折目視でもそのきらめきを確認できる。

ミヨシに立ったお客さんが13~15cmのサバをヒットさせており、これが捕食されているのかもと思った矢先、蒼井さんのロッド・グーステクニカルエスが大きな弧を描いた。ティップが水面に刺さるようなダッシュを何度も受け止め、バットパワーで浮かせたのは64cmのマダイだった。

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この日船中一番の大物をキャッチ!カエリ40gを底付近でフォールさせると食ってきた

本命ではないとは言え、こんな魚に出会えるチャンスがあるのがSLJなのだ。楽しくないはずがない。
午後2時過ぎに再び大移動。水深34mの瀬をねらう流しだ。大橋さんはフォールの誘いをメインに据えて、カエリベビージグレイをローテーション。どちらも水平姿勢でフォールするタイプだが、カエリはスライドを繰り返しながら沈んでいくのに対して、ベビージグレイはボディーをパタパタさせてフォールする。その違いで反応を探っていく。

ここで長らく沈黙していたイサキがほかのお客さんにヒットし始めた。反応のあったジグを聞いてみると21gのブレードタイプだという。ここまで大橋さんは40g以上のジグを使ってきたが、予想以上にスローなスピード感のようだ。

そこで大橋さんが取り出したのは、プロトタイプでまだ色も塗っていないベビージグレイの18g。イサキが表層でベイトを追う状況を想定して作ってきたサンプルだ。この日は中層からボトム付近でヒットしているので用法は合っていないが、スピード感をアジャストするにはこれしかない。根気よくボトムまで沈めてからの巻き上げでハンドル14回転ほどさせたとき、リアにセットしていたフックがついにイサキの口を捉えた。そこまでの大物とは言えないものの、待望の本命に歓喜の笑顔が輝いた。

動画や雑誌で見るSLJはカンタンに多くの魚を手にしているように見えるが、それも状況次第。釣行日を選べない一般のアングラーならなおさらだ。今回特別タフな状況に挑むことになった大橋さんのジグセレクトとスピードとレンジのアジャスト術を参考にしてもらえたら幸いだ。

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スピードとレンジのアジャストで口を使わせた

この日活躍したジグ

ジグ

右:ベビージグレイ30g&40g(&beat)。水噛みがよくリトリーブでも強めのアクションが出る。フォールは水平姿勢のパタパタ系

左上2つ:カエリ60g&80g(&beat)。細身のため速めのリトリーブに対応。フォールは水平姿勢のスライド系

左下:ポットベリー75g(&beat)。中層のバイトが遠いときに根魚をねらってみるため底付近のスロージャークで使用

フックはジガーライト早掛(オーナーばり)、アバニオーシャンワークスSLJリトルモンスター(バリバス)など。サイズは#1/0。

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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リチウム全盛の今、なぜあえて「鉛バッテリー」を選ぶのか?バス釣り専門誌「Basser」の編集部員が、価格以外の理由でボイジャーを愛用し続けるワケを告白。発表された新モデル「ボイジャーM31MF-EP」の情報と合わせ、鉛バッテリーの価値を再考する。ボイジャーを販売するACデルコよりプレゼント企画もあり!

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写真と文◎編集部

鉛バッテリーのボイジャーを選んだ理由

Basser編集部谷川です。普段は房総や利根川・霞ヶ浦周辺のレンタルボートフィールドでバスフィッシングを楽しんでいます。エレキはモーターガイドの24Vモデルを長く愛用していて、バッテリーはボイジャーの定番「M27MF」×2を直列で使用しておりました。数年使ってややパワー不足を感じたので、昨年(2024年)秋にバッテリーの入れ替えを決意。迷った結果……ボイジャー2発を新品で再購入しました。

リチウムという選択肢も当然ありました。ちょっとした臨時収入があったので多少値が張っても買うこと自体はできましたし、正直中華リチウムなら鉛バッテリー2発の金額と大差ありません。では、僕がこういった価格以外の理由で鉛バッテリーを選ぶ理由は何か。

メンテナンスが楽

まずは扱いやメンテナンスの楽さ。リチウムも鉛バッテリーもそれぞれ取り扱いには気を付ける必要がありますが、防水性やある程度ラフに扱える堅牢性などはやはり鉛に分があると思います。僕はお世辞にも道具の扱いがこまめで丁寧な人間ではないのでここは本当に大きい。

パワーダウンが段階的

次に使用時のパワーダウンが段階的なことです。リチウムは一定の電圧を下回るとシャットダウンして動かなくなってしまいますが、ボイジャーをはじめとした鉛バッテリーは徐々に弱まってくるので、「いきなり落ちて航行不能」ということがありません。

重さがあるのでボートのバランスが取りやすい

最後は「重さ」です。2発で合せて50kgの重量が、レンタルボートの浮き姿勢のバランスをしっかり取ってくれます。極軽量なリチウムでは前傾してしまいますし、そのために新たにオモリとなるもの(ポリタンクなど)を用意するのは本末転倒に感じてしまいます。何より、僕は筋トレが趣味なので重いバッテリーを運ぶのがあまり苦ではないんですよね。

そんなこんなで今もボイジャーを愛用している僕なのですが、この度ボイジャーバッテリーを扱うACデルコから、"31"と呼ばれる大容量タイプの新モデル「ボイジャーM31MF-EP」が発売になるそう。容量アップに加えて保証も1.5倍の18ヵ月に延びたようです(業務用を除く)。

ますますリチウムが勢いを増す昨今のバッテリー界隈ですが、手軽な鉛バッテリーはやはり安心して使えて、現在も自分にとってはなくてはならないものだと感じています。バッテリーの買い替えを検討している方はぜひ選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

M27MF
谷川は現在も12VのM27MFモデルを直列(24V)にして使用。職務上リチウムも何種類か使ったことがありますが、やっぱり僕はこれが一番安心します。超ランガンスタイルでバッテリー消費が激しい人やスピードを求めたい人、とにかく重いものを運ぶのが苦痛な人にはやはりリチウムがベストかもしれません

ボイジャーM31MF-EP(ACデルコ

ボイジャーM31MF-EP」は主にマリンやキャンプなどのレジャーで使うことを前提に作られた、ボイジャーM31MFの性能強化モデル。旧モデルに対して容量、始動性に優れ、保証期間も18ヶ月と従来の1.5倍に(業務用を除く)。Amazon専売商品として品質管理とクレーム対応を徹底し、ボイジャーバッテリーのプレミアム商品として取扱い。リチウムバッテリーの安全性に不安のある方におすすめ。

ボイジャーM31MF-EP
ボイジャーM31MF-EP

「ボイジャーフローティングキーホルダー」を20名様にプレゼント!

鍵や貴重品に付ければ万が一落水させても安心!なボイジャーのオリジナルフローティングキーホルダーを20名様にプレゼント!件名を「Basserプレゼント」とし、「お名前」「住所」「電話番号」を明記のうえ「tsuribito@tsuribito.co.jp」までメールをお願い致します。締め切りは2025年8月31日(日)です。

ボイジャーフローティングキーホルダー
ボイジャーフローティングキーホルダー
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フィールドの拡大に伴いますます入門者が増えていきそうなイカメタル。船からのイカ釣りは電動タックルと長い多点仕掛けが大きな障壁になっていたが、この2点を解消したイカメタルなら誰もが手軽に挑戦しやすい。今回は首都圏からもアクセスしやすい沼津でイカメタルに挑戦。当日はあいにくの雨模様となったが、シップスマストの完全防水ウェアに身を包み、ムギイカ(スルメイカの若イカ)の攻略に挑んだ。

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写真と文◎編集部

首都圏至近のイカメタルフィールド沼津

関東では東京都、千葉県、神奈川県の三県で集魚灯を使用した夜釣りができない代わりに日中のマルイカ船が人気だ。夜のイカメタル船を楽しむなら、首都圏から最寄りの釣り場は静岡県沼津になるだろう。

沼津周辺では古くからケンサキイカのことを「ジンドウイカ」と呼んでいた。いわゆる地方名であるが、これとは別に釣り人から「ヒイカ」と呼ばれる小型のイカの正式和名もジンドウイカであることから紛らわしい。

「そうなんですよ。お客さんからの問い合わせで小さいヒイカと勘違いされることもあるし、正式和名はケンサキイカと言っても通じない。そこで近年はマルイカと呼ぶようになりました」とは沼津市江梨港・真正丸の小林大介船長だ。

真正丸の小林大介船長
小林船長

たしかにケンサキイカにはシロイカ(山陰)、アカイカ(伊豆諸島)、ヤリイカ(九州)など地方名が実に豊富で混同しやすいので今回の記事ではマルイカで統一したい。

当日のメインターゲットはムギイカ!

今回の取材メンバーはシップスマストの山口英樹さん、秋山明日香さん、そして静岡県在住の三浦愛さんがゲスト参加で駆け付けてくれた。

シップスマストの山口英樹さん、秋山明日香さんとゲストの三浦愛さん

「実は私も秋山もイカメタルは初心者でして。でも7月に本場・福井県で弊社とヤマシタさんでイカメタル入門体験会を共催することから、その前に予習できるとあって今日は楽しみにしています」と山口さん。秋山さんもイカメタルタックルを新調して燃えている。

「私は電動タックルにプラヅノ7本のドウヅキ仕掛けでのスルメイカ釣りの経験しかないです。でも以前に真正丸さんでスルメイカをイカメタルで釣った経験はあります」と三浦さんが言うと、「今回もそれです!」と小林船長。聞けば、6月に入ると例年なら水深30m前後の浅場でマルイカねらいに切り替わるタイミングなのだが、今年は4月から始まったムギイカ(スルメイカの新仔)が今なお絶好調のため、まだマルイカに切り替えていないという。

同船では11~3月はマルイカ、4月と5月はムギイカにシフトするものの、ここ何年もムギイカは不調が続いていた。ところが、今年は8年ぶりにムギイカが大当たりで連日人気を集め、6月になってもまだまだ盛り上がっているという。

ちなみに同船ではムギイカもマルイカも釣り人の仕掛けは自由で、プラヅノや浮きスッテのドウヅキ仕掛けでもいいしイカメタルでもいい。場所柄、三重からの釣り人も多く、イカメタルを楽しむ人は10年ほど前からいるという。「ウサギとカメというと語弊があるかもしれませんが、ツノ数の多い仕掛けを電動タックルでねらう方は多点掛けで一気に数を伸ばします。その横でイカメタルのお客さんはツノ数2本で1パイ1パイ丁寧に掛けていく。で、終わってみるとイカメタルのほうが釣っているということも少なくありません。浅場のマルイカは特にその傾向が顕著ですが、深場のムギイカでもイカメタルで竿頭になる人も少なくありません」とは興味深いコメントだ。

とはいえ、水深30m前後をねらうマルイカに対して、ムギイカの水深は100m前後と深いが、「実際に仕掛けを落とすのは中層まで。今日は90mなんで40~50mより上だけを探るのでそれほど大きな差はないです」とのこと。ただし沖合のため潮が速いとオモリ兼用のメタルスッテは40号(約150g)が必要になるという。

ムギイカ(スルメイカ)
ムギイカ(スルメイカの新仔)

雨でも集中!濡れない・汚れないレインウェア

取材当日は雨。午後まで1時間に4~5mmの本降りで、集合時間の17時近くになって1mm程度になったものの止むことはなく、メンバー全員が雨対策を万全に施していた。

スルメイカは雨の日によく釣れる。そんな格言もあるようだが、どちらかというとそれは日中の釣りにあてはまることのようで、もともと夜になると活性が高まるイカだけに、雨の日は昼間でも水中が暗いことから食い気が長続きしやすいという。

6月とはいえ夜の沖は肌寒い。まして雨で身体まで濡れてしまったら震えるほどの寒さであり、逆に暑い日であれば不快なことこのうえない。

「もともと沖釣りは雨だけじゃなくて波しぶきを被ったり、海水循環シャワーもあるし、イカの潮鉄砲や墨鉄砲を浴びたり、サバの血などで汚れることもあるので、絶対に濡れないことと汚れをサッと落とせることが私のウエア選びの基準です。まして夜釣りで身体まで濡れてしまったら釣りに集中できず楽しめません」

そう語る三浦さんがこの日着用したのはShipsmastで不動の人気を誇るマリンジャケット&マリンサロペットの組み合わせだ(カラーはジャケット=オレンジ×イエロー、サロペット=オレンジ)。耐水性の高いPVC素材でありながら通常よりも薄い0.3mm厚のため非常に軽く、女性の身体に合った裁断が施されているため動きやすい。そして耐久性と防汚性に優れており、特に梅雨時をはじめとする雨の日の釣りには欠かせない一着とあって、秋山さんも同じ組み合わせ(カラーは秋に発売予定の15周年の特別カラー)。

マリンジャケット&マリンサロペット
「薄手なんでとっても軽く、女性の身体にフィットする機能的なデザインがいい。絶対に濡れたくない人はこれでしょう」と三浦さん

そして山口さんはより多くの方のボディラインにフィットする男女兼用のユニセックス形状に進化したSHIPSMAST.UのPVCジャケットとPVCサロペット(カラーはジャケット=ネイビー×ホワイト、サロペット=ネイビー)を着用。いずれも完全防水仕様のため、じわっと沁み込むこともない。

ちなみに明日は晴れ予報だったが、風が強いことから風が弱い今日を取材日に選んだわけだが、これが大正解だった。

まず、雨に関しては誰も気にしていない。全員が深いフードの下に透湿防水素材のハットやキャップを被ったことで二重の雨対策を施し、また、頭部の不快な蒸れもなく、小さなアタリを察知して掛けアワセを入れていくイカメタルの釣りに全集中できた。

透湿防水キャップ
SHIPSMAST.U透湿防水ハット。UVカット率99%・UPF50+のナイロンストレッチ素材を使用している

後半に爆釣!イカメタルでムギイカが連発

ここ数日、乗り始めが20時過ぎと遅くなっているとの情報どおり前半戦は三浦さんの良型マルイカで盛り上がったほかは1時間に1パイペースと静かすぎる展開だったが、後半、思い切ってさらなる深場に移動した船長判断がズバリ当たった。右舷でも左舷でもミヨシでもトモでもメタルでもプラヅノでもムギイカが乗り乗り!

ムギイカをキャッチ
後半は雨が強まったもののムギイカの反応もよくなって船上は活気にあふれていた

船長が言っていたとおり、右舷のプラヅノ組が安定して数を伸ばしたものの、その中でひとりイカメタルを貫いた鈴木翔也さんが43バイでサオ頭!三浦さん、山口さん、秋山さんのイカメタルメンバーも後半は目を輝かせて「また来た!」「イカメタル楽しい!」と釣果を重ねた。相当な数の潮鉄砲、墨鉄砲を浴びているはずだが、水でサッと洗い流せば落ちるので出船前と見た目の違いはない。唯一の違いはクーラーボックスの中身がイカと氷に満たされて重くなったことくらいだろう。

トリプルヒットも
3人並びのトリプルヒットも達成

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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なぜ、釣りの記憶は"一生"残るのか?「親子で楽しむ、初めての釣り入門」 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/oyako01 つり人編集部 trend 193230953583 Wed, 23 Jul 2025 08:00:00 +0900

イカメタルロッドを選ぶ際は感度がよく、誘いやアワセの操作がしやすいことが基準になる。その点で、目感度よし、手感度よし、そしてハイレスポンスなこのラグゼ「スピードメタルSS」シリーズはイカメタルへのエントリーモデルとして申し分ないだろう。

令和の子どもたちは、さまざまな理由から、自然の中で遊ぶ機会を失いつつあります。そんな子どもたちに、釣りを通じて自然に親しんでもらいたい――。その想いから、半年間にわたり、雑誌×Web×SNS連動型企画をスタートします。「つり人オンライン」では特設ページを公開中。SNSでは「#つり人親子釣りコンテスト2025」も始まりました。釣りという本能に訴えるシンプルな体験が、子どもたちの心と体に、安らぎと自信を育んでくれるはずです。

レポート◎山根和明(株式会社つり人社代表)

協力◎株式会社龍角散宇津救命丸株式会社樋屋製薬株式会社

自然とのふれあいの重要性

「皆さんは、幼少期に体験した自然とのふれあいをどれくらい鮮明に覚えていますか?」私は釣り雑誌の編集者として長年仕事をしてきました。日本全国の釣り場に出かけ、写真を撮り記事を書く――釣り好きにとっては夢のような仕事です。一方で「趣味を仕事にするのは大変でしょう?」ともよく聞かれましたが、その度に私は笑って答えてきました。「実は、楽しくて仕方ないんです。申し訳ないくらい楽しみながら仕事をしています」と。

北はオホーツクの秋鮭、奥尻島のマダラ。西は対馬・五島列島のヒラマサ。南は奄美群島、トカラ列島のカンパチ、伊良部島のキハダ。川や湖にもよく行きました。十和田湖のヒメマス、裏磐梯桧原湖のワカサギ、中禅寺湖のホンマス、奥琵琶湖の野ゴイ、長良川のアマゴ、四万十川の天然アユ、水郷柳川のカゼトゲタナゴ――釣りファン憧れのポイントにはほとんど足を運べたと思います。こんな仕事に巡り合えたことに、日々感謝しています。

そんな私ですが、ふとした瞬間に鮮やかによみがえる釣りの光景があります。それは、幼少期に小川でフナを釣った記憶なのです。田んぼ脇を流れる幅2mほどの用水路。深緑色の水面に浮かべたウキが2、3度小さく上下し、波紋を残して水中に消えていった――。あの瞬間を今でも鮮明に覚えています。

これは私に限った話ではありません。これまで多くの釣りのエキスパートに取材してきましたが、幼少期の釣り体験を鮮明に覚えているという人ばかりでした。大人になってから釣りを始めた人でも、よくよく聞けば子どもの頃に何度か釣り経験がある場合がほとんどです。ある時ふと子どもの頃の記憶が蘇り、「またやってみようかな」と再開する――釣りにはそんな不思議な魅力があるようです。

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子どもの頃に自然の中で遊んだ記憶は、脳の奥深くに刻み込まれます。野鳥のさえずり、カエルの合唱、林に響くセミしぐれ、入梅の草いきれ、死んだ魚のにおい、陽光に照り返す銀鱗……。

たとえテクノロジーが進歩して生活がどれほど便利になっても、人類は結局地球上の生物の一種に過ぎません。だからこそ幼少期の釣りの記憶は、脳にとって何物にも代え難い大切な体験として残るのだと思います。自宅近くの小さな都市河川だって、子どもにとっては立派な自然です。小さな緑地や水辺でも、そこで遊んだ経験は貴重なのでしょう。釣りを通じて幼少期に自然の中で遊ぶことが、子どもの成長にとってどれほど重要か計り知れません。

幼い頃に川でフナを釣ったあの日から幾星霜。気がつけば私は、釣りに携わる仕事を生業とし、自然と共に生きてきました。この項では、私自身の体験を通じて、「釣り」という行為が子どもたちにもたらす情操教育、自然環境への気づき、そして食育の大切さなどについて綴っていきたいと思います。釣りの初心者の方や、子育て中の親御さん、自然教育に関心のある方にも楽しんでいただけるよう、専門用語は避けて平易な文章で書きました。読み終えたとき、皆さんが釣りを通じて命や自然、子育ての本質に少しでも触れ、「生き方の本」として何か持ち帰っていただければ幸いです。ではまず、釣りの基本から話を始めましょう。

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産卵期になると鮮やかな婚姻色が浮かび上がるオイカワのオス。オスとメスでこれだけ見た目が変わってくるということも、子どもにはとても新鮮です

釣りの基本知識

釣りを始めるには、まず基本的な知識を押さえておくことが重要です。とはいえ、何も難しく考える必要はありません。

昔は「海釣り」か「川釣り」くらい大雑把な分類でしたが、最近ではフライフィッシング、バスフィッシング、ソルトルアー、テンカラ、船釣り、磯釣り……とジャンルが細分化されています。そしてそれぞれに専用の道具があり、極端に言えば魚の種類ごとに専用タックルが存在します。そのため「何から始めればいいの?」と迷う人も少なくありません。しかし、本来、釣りはシンプルな遊びなのです。来年80周年を迎える『つり人』の創刊号の詞にも、こう書かれています。

「釣りは、人類の原始時代から、我々と深い因縁を持っているらしい。子供は、すべて釣りを好む。我らの遠い祖先のような無心の姿で、子供は釣っている。釣ろう。無心の姿で。釣りするために釣ろうではないか。」

この一節は、釣りの原始的な魅力を端的に表しています。子どもが無心で釣りに夢中になるのは、遠い祖先から受け継いだ本能だからなのでしょう。難しく理屈付けせずとも、まずは純粋に釣りを楽しむ――それが基本なのだと創刊者の佐藤垢石は言っています。私自身、初めて手にした釣りザオは祖父が庭で切って乾かした竹ザオ(布袋竹)でした。

私は現在、公益財団法人日本釣振興会の理事も務めています。日本釣振興会では子ども向けの釣りイベントも多く開催しています。その中に釣りの環境学習というものがあり、私は神奈川県川崎市の平間小学校で何度か釣りの授業をしました。

平間小学校での教室のようす
平間小学校での釣りの環境学習の座学。森から海に続く多摩川の生態系について10mのアユザオを手に私が解説しました

座学と実技があり、実技では校庭裏の竹林で子どもたち自身が刈った竹をサオに使います。長さは1mほど。その先にイトを結び、イトの先にハリと小さなオモリをつけ、エサをセットするだけという原始的な道具立てですが、ハゼやテナガエビがちゃんと釣れるのです。

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日本釣振興会の釣り環境授業の一環として川崎市の平間小学校で毎年、釣り授業を実施しています。写真の竹ザオは校庭に生えていた竹を生徒が各自刈って作りました。これでも魚はちゃんと釣れます

道具の選び方についても少し触れておきましょう。釣り道具は大きく2種類、リール付きの「リールタックル」と、リールのない「ノベザオ」に分かれます。最初は扱いが簡単なノベザオがおすすめです。ノベザオといっても、50cmほどの短ザオからアユ釣り用の10m近いものまで様々ですが、小学生くらいの子どもが扱えるのはせいぜい3mくらいまででしょう。私が子どもたちに教えるときは、2~3mのサオで手軽に楽しめるハゼ釣り、テナガエビ釣り、クチボソ(モツゴ)釣り、フナ釣り、そして1mほどのサオとイトとハリだけを用いたピストン釣りなどを中心にしています。

釣りの世界に足を踏み入れると、最初はたくさんの専門用語や道具に圧倒されるかもしれません。でも心配はいりません。釣りの基本はシンプルなのです。簡単な仕掛けでも魚は釣れますし、むしろ初めはそのほうが魚との駆け引きを存分に味わえます。凝った道具立ては大人になってからいくらでも楽しめますから、子どもにはまず身近なサオと仕掛けで魚と触れ合ってもらいたいです。

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日本釣振興会で実施している多摩川フィッシングフェスティバル。上流部の青梅エリアでは、川に立ち込んでピストン釣りを楽しみます

これだけは知っておきたい釣り場のマナー

釣り場では他の釣り人や自然環境への配慮が欠かせません。ゴミは持ち帰る、静かにする、釣った魚を丁寧に扱うなど、基本的なマナーを守りましょう。特にコロナ禍で釣りブームになった際には、漁港でのゴミ放置や迷惑駐車が大きな問題となりました。こうしたマナー違反が原因で釣り禁止になってしまった場所も少なくありません。

釣り場を守るためにも、「来たときよりも美しく」を心掛けたいですね。そして意外と大事なのがあいさつです。釣り人同士、見知らぬ人でも挨拶を交わせば気持ちよく過ごせますし、情報交換ができることもあります。

実は釣り人には不思議な心理があります。学校や職場で釣り好きに出会うと旧知の友のように感じるのに、釣り場で突然知らない人が隣に来ると「自分のポイントに入ってきたな」と敵意を抱きがちなのです。同じ釣り好きなのに、この差はなんなのでしょう?

これはおそらく、人類の狩猟採集本能と関係しています。200万年の人類史の中で農耕牧畜が始まったのはほんの1万年前、それ以前の199万年間は狩猟採集生活だったと言われます。つまり釣りという行為は、人の奥底に刻まれた狩猟採集本能を直接刺激する趣味なのです。釣った魚を持ち帰るか逃がすかに関わらず、釣り場にいる魚は無意識のうちに「自分の獲物」と感じてしまうのでしょう。だからこそ、自分の縄張りに他人が入ってくると感じると、つい警戒してしまう。

しかし、そこで笑顔で「おはようございます。釣れていますか?ここでご一緒していいですか?」と声をかけられれば印象は大きく変わります。最初の一言で、お互い気持ちよく釣りを楽しめるかが決まると言っても過言ではありません。釣り人には「同じ趣味を愛する仲間」という連帯感があります。ですから、マナーとあいさつを大切にして、釣り場では気持ちの良いコミュニケーションを心掛けたいですね。

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子どもと一緒に釣りをする際の安全対策

子どもと釣りに出かけるときは、安全対策を万全にしなくてはなりません。以下のポイントを押さえて、楽しく安全に釣りを楽しみましょう。

天候の確認

出発前に必ず天気予報を確認します。雷・強風・大雨などの予報が出ている場合は無理をしないことが肝心です。山間部の川では、現地が晴れていても上流で大雨が降ると急に増水することがあります。数日前の雨でまだ増水している場合もありますので、国土交通省の「川の水位情報」なども前日までにチェックすると安心です。

適切な服装と装備

季節と釣り場の環境に合わせた服装を選びます。夏場は帽子やサングラスで直射日光を避け、冬場は防寒対策をしっかりと。阪神タイガース現監督の藤川球児さんは大の釣り好きですが、少年時代にお父さんに磯釣りに連れて行ってもらった際、とても寒い思いをしたため、今でも磯釣りだけは行きたくないそうです。また、子どもには必ずライフジャケットを着せましょう。ライフジャケットは万一水に落ちたとき命を守ります。大小様々な子ども用が市販されているので、釣りの際は忘れずに持参します。

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ライフジャケットは必ず着用しましょう

子どもから目を離さない

特に10歳未満の子は予測不能な行動をすることがあります。水辺はちょっとした油断が重大な事故につながりかねません。親が自分の釣りに夢中になっている間に子どもが川に落ちてしまった――そんな体験をした人を私は知っています。実際、会社の同僚にも「子どもの頃、親が釣りに夢中になり、自分が川に流された」という人がいます。

釣り船でも、10歳未満の子は予期せぬ行動をとる恐れがあるため乗船不可にしているところがあるほどです。小さな子どもを連れていると、自分の釣りに集中するのは難しいかもしれません。しかし、子どもが自然の中で安全に遊ぶためには、大人の見守りが不可欠です。「良い子は川に近づかない」ではなく、「川は楽しいけど危険もあるから気を付けよう」と伝えるのが大人の役割だと私は思います。実際に危険に近づかないためのルールを教えつつ、子どもの冒険心と好奇心は大切にしてあげたいですね。

親子釣りフォトコンテストを開催中

Instagramと特設サイトで親子釣りの写真投稿を募集しています。投稿時に指定ハッシュタグ「#つり人親子釣りコンテスト2025」を必ずつけてください。投稿作品の中から優れた作品を、つり人オンライン特設ページへ掲載(紹介文や編集部コメント付き)。毎月3名に子ども用ライフジャケットまたはAmazon ギフト券をプレゼントします。さらに2026年1月16〜18日「釣りフェスティバルin パシフィコ横浜」つり人社ブースにて、投稿の中から選ばれた優秀作品を展示いたします。

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釣りで心が整う?英国調査が示した意外な相関関係 空調服は真夏の釣りの救世主?編集部で実際に使ってみたら「釣行後の疲労感のなさ」が衝撃的だった サビキ釣りとは|時期や餌、仕掛け・釣り方のコツを初心者向け解説 キス釣り入門決定版!【道具・エサ・仕掛け・釣り方・ポイント】をまるごと解説 ハゼ釣りYouTuber398が伝授!ハゼの仕掛けやエサ、釣り方など解説!最強の釣り方がわかります!
なぜ、イカメタルには複数のロッドが必要なのか?名手の状況別タックルセレクト術 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/ikametal-battlewhip つり人編集部 trend 192437218209 Wed, 23 Jul 2025 02:00:00 +0900

釣り人たるもの、新製品は気になるに決まっている。ましてや新作シリーズとなればなおさらだ。論より証拠というように、どんな説明よりもこの釣果がすべてを物語る。

刻々と変わる水深、潮の速さなど…イカメタル&オモリグで、そんな「変化」をどう攻略する?ヤマガブランクスの新ロッド「バトルウィップ」と共に、状況に応じたタックル選択と活用術を実釣解説。

写真と文◎加来智徳(YAMAGA Blanks

変化を味方につけるためのイカメタル&オモリグロッド

ここ数年、人気と勢いを見せているオフショアゲームのひとつが、夏から秋にかけて盛期を迎えるイカメタルおよびオモリグである。その人気の背景には「タックルがシンプル」「ゲーム性の高さ」「食味のよさ」、そして「酷暑の日中を避けて楽しめるナイトゲーム」といった魅力がある。ライトタックルで気軽に始められる一方で、タナ取りや誘いのテクニック、潮流変化への対応力といった奥深さも併せ持ち、年々ファン層は拡大傾向にある。

筆者の地元・九州エリアでも、玄界灘をはじめ、鹿児島県・枕崎沖や甑島周辺、長崎県・アジ曽根など、各地でこのゲームを楽しむことができる。出船する遊漁船も多く、イカメタル・オモリグは夏の風物詩となっている。

今回は、ヤマガブランクス・フィールドスタッフの船津さんとともに2024年9月に行なった釣行の模様を通じて、「バトルウィップIM/OR」に新たに加わったイカメタル&オモリグモデルの活用術を紹介していきたい。

ベイトタックルから始める理由

アジ曽根は世界遺産・軍艦島から南西へ約37kmに位置する一級の漁場で、ジギングや泳がせ釣りによるカンパチや大型根魚ねらいをはじめ、カツオのキャスティングゲーム、中深海ジギングまで、実に多彩なオフショアゲームが展開されている。イカメタルの好ポイントとしても知られ、夏場になると長崎・熊本の両県から多くの遊漁船が集結する。

この日は日没前にポイントへ到着。水深90m前後のエリアにパラシュートアンカーを投入し、広大な瀬を広く探っていく展開となった。黒潮の分流の影響を受けるため、日によって潮が激流になることもあれば、まったく動かない日もある。刻々と変化する潮の状況に応じてイカメタルとオモリグの使い分け、仕掛けのウエイト調整、そしてロッドの選択が重要になる。

アジ曽根
夕暮れ前、アジ曽根に到着。海面に沈む夕日を眺めながら、準備を進める。

この日、序盤は潮の動きが読めない状況だったため、船津さんはベイトモデルのバトルウィップIM511/Bを手に取った。ベイトタックルの大きな利点のひとつは、カウンター付きリールを使用することで水深を正確に把握できること。イカメタルゲームでは「その日のアタリ水深をいかに早く見つけるか」、そして「刻々と変化するレンジを正確に探り続けられるか」といった要素が、釣果を大きく左右する。もちろん誘いのパターンやスッテのカラー選択も重要なファクターではあるが、まずは正確な「レンジ攻略」がゲームの軸となる。そうした意味でも、とくに水深の深いポイントでは、まずはベイトタックル投入がセオリーだ。

実際、日没後に集魚灯の効果が出始めたタイミングで、船津さんはボトムから徐々にレンジを刻みながら誘いを入れ、45m付近でファーストヒットを得た。サイズこそ小ぶりではあったが、以降も終始そのレンジでアタリを捉え続け、安定して釣果を積み重ねていった。

イカメタルのベイトタックル-1
ベイトタックルでレンジを丹念に刻みアタリが連発

イカメタルロッドに求められる本質的な性能

ここで序盤から感じていた二枚潮の影響が顕著に現われ始めた。上潮と底潮が異なる方向に流れる二枚潮の状況が強まると、ラインが大きく膨らみ、アタリが極端に取りづらくなる。加えてスッテ同士が絡むなど、イカメタルゲームにおいては最悪の状況のひとつだ。

これは全国どのエリアでも発生し得る状況であり、対処方法としてアングラーが最初に試すべきは、スッテのウエイトを重くすることだ。こうしたタフな状況下で頼りになるのが、高い感度と幅広いウエイトへの対応力を兼ね備えたロッドだ。新機種開発にあたってまず突き詰めたのは「イカメタルロッドに求められる本質的な性能とは何か?」という問い。

その答えとして真っ先に挙がったのが「感度」である。これは多くのアングラーにとって最も共感していただける要素ではないだろうか。今回新たに加わった追加機種でも感度を最重視して設計を進めた。

ロッド全体の「スピード感」にもフォーカスした。レングスは5フィート後半のショートレングス設定とし、微細なアタリも即座に察知して掛けにいけるロッドを目指した。

そのうえでさらに求めたのがタフな状況下でも釣りを成立させる「状況対応力」だ。IM511/Bは、15〜50号という幅広いスッテに対応。取り回しのよさに加え、強い反発力を活かし、ヘビースッテも軽快かつ機敏にアクションできる操作性も併せ持っている。

中にはタイラバロッドなどで代用しているアングラーも見かけるが、潮流の変化やアタリを正確に捉えることが難しくなる。アタリが極小になりがちな二枚潮下では、適度な張りと明確な手感度を持つ専用ロッドの重要性が際立ってくる。

IM511Bで釣ったケンサキイカ
IM511Bは、状況が厳しくなるほどに真価を発揮する1本。

浅場ではスピニングタックルが活躍

二枚潮に苦戦し、さらにイカも小型サイズが多かったこの日のアジ曽根。釣行中盤に差しかかると、イカのアタリ水深がさらに浅くなり、10〜35mのレンジでヒットするようになってきた。

そこで船津さんは、スピニングモデルのバトルウィップIM511/Sにチェンジ。キャストで広範囲を探りつつ、35mまでの水深をテンポよく探っていく作戦に切り替えた。浅場にイカが浮いた状況や、ボトムを探る機会が多いデイイカメタルでは、スピニングモデルが優位となる場面も多い。とくにキャストによって広範囲を探れ、シェイキングなど多彩な誘いを軽快にこなせるショートレングスのスピニングタックルは、1本持っていると明確なアドバンテージとなる。

IM511/Sも状況対応力を備えつつ、さらに感度を特化させた設計となっている。自重80gという軽さで微細なアタリを明確に感じ取り、フッキングまでのレスポンスも極めてシャープ。ティップには他モデル同様にカーボンソリッドティップを採用。目感度と手感度の両立によって、極小のアタリもしっかりとアングラーに伝えてくれる仕様だ。

イカメタルのスピニングタックル-1
IM511Sは2500番クラスの軽量スピニングとのバランスが抜群で、繊細な操作も思いのまま

イカメタルで手に負えないならオモリグの出番

イカメタルと並び、近年その存在感を増しているオモリグの強みは、なんと言っても「シンカーの重さを柔軟に調整できること」、そして「長い枝スによってエギを安定させられること」にある。これが最大限に活きるのは、メタルスッテではもはや対応しきれない速い潮流や二枚潮だ。

たとえば山陰エリアのように激流かつアンカリングスタイルの釣りや、今回のような深場で二枚潮がきつい状況では、明らかにオモリグのほうが釣果に繋がりやすいと感じた。とくにラインが大きく斜めに払い出されるような場面では、枝スの長さが生むエギの安定感が大きなアドバンテージとなる。また、荒天による船の揺れがエギに伝わりにくい点も、長い枝スならではの強み。

オモリグのエギとシンカー
激流攻略の切り札「オモリグ」。長めの枝スと重めのシンカーが、激流下でもエギをしっかり泳がせる

そして釣行も終盤、さらに二枚潮がきつくなり、水深75〜80m付近でアタリが出始めたタイミングで、船津さんが投入したのがベイトオモリグ専用ロッドバトルウィップOR60B/C。オモリグと言えばスピニングタックルが主流だが、このOR60B/Cは次に書くようなベイトタックルの特性を活かした設計により、さらに戦略の幅が広がった。

ベイトオモリグの主なメリットは、

  • ヒットレンジを正確にキープできること
  • 巻き上げ力が高く、長時間の釣りでも集中力を維持しやすいこと
  • 重めのシンカーを楽にキャストでき、広範囲を効率よく探れること

OR60B/Cは、ショートレングス&オールチューブラー設計によって、微細なアタリや違和感をダイレクトに伝える感度を実現している。釣行の終盤、アングラーの集中力が試される時間帯でも、船津さんはこのロッドでボトムに張り付く良型のイカを見事に釣りあげていた。

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潮流の変化に即応しながら、オモリグの強みを最大限に引き出すベイトタックル

こうして、序盤・中盤・終盤と刻々と変化する状況に対応しながら、確実に釣果を積み上げ、2024年のイカメタルシーズンを見事に締めくくる釣行となった。

イカメタルゲームで筆者が最も面白いと感じるのは「状況の変化に対応し、その結果として釣果に繋がった瞬間」だ。そのためには経験値はもちろん、状況に応じたタックルの選択がカギになると思う。2025年のイカメタルシーズンも、ぜひ変化を味方につけながら、新たなスタイルにチャレンジしてほしい。それが、イカメタルの世界をより深く、より楽しくしてくれるはずだ。

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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“釣った感”がスゴイ!高感度なエントリーモデル、ラグゼ「スピードメタルSS」でイカメタルを始めよう https://web.tsuribito.co.jp/news/speedmetal-ss つり人編集部 trend 192062736819 Tue, 22 Jul 2025 02:00:00 +0900

イカメタルロッドを選ぶ際は感度がよく、誘いやアワセの操作がしやすいことが基準になる。その点で、目感度よし、手感度よし、そしてハイレスポンスなこのラグゼ「スピードメタルSS」シリーズはイカメタルへのエントリーモデルとして申し分ないだろう。

イカメタルロッドを選ぶ際は感度がよく、誘いやアワセの操作がしやすいことが基準になる。その点で、目感度よし、手感度よし、そしてハイレスポンスなこのラグゼ「スピードメタルSS」シリーズはイカメタルへのエントリーモデルとして申し分ないだろう。

文◎編集部

ラグゼ「スピードメタルSS」は高感度なエントリー機種

イカメタル人気が止まらない。これから秋口にかけてロングランで楽しめるとあって日本各地で盛り上がり、その勢いは東北や関東周辺にまで広がっている。となると、これからこの釣りに入門する方も多いジャンルと言え、実際どのロッドを購入しようかと迷っている人もかなり多いだろう。

そんな方におすすめのロッドがラグゼの『スピードメタルSS』シリーズだ。大好評だった前作の『スピードメタルS』シリーズ同様の強靭さに加えて、繊細なアタリを見極めることが可能なセンシティブトップと、レスポンスのよい調子設定のため、積極的に誘い、掛けにいくスタイルでゲーム性の高いケンサキイカゲームを楽しめるスタンダードなシリーズである。

目感度だけでも手感度だけでもなく、両方を兼ね備えているため、イカの触りを瞬時に察知して掛けていけることから「釣れちゃった」ではなく「釣った」感がスゴいと評判だ。

同シリーズには最高峰のX、全9機種で細かなシチューエーションごとのスペシャルな1本を集めたRがあるなか、このSSは買いやすい価格帯のエントリーモデルでありながら、この釣りの面白さを存分に味わえる機能と、末永く使えるクオリティーの高さを備えている。

しかも、この価格帯であれば、シリーズの中から浅場用、深場用、遠投用と状況にマッチした1本を揃えて万全の布陣を組むことも可能になるだろう。

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ラグゼハイスピードメタルSS(ダブルエス)の概要と番手

「積極的に掛けて楽しみたい」がコンセプトのイカメタル専用のエントリーモデル。オモリグ用スピニングモデル2機種、イカメタル用ベイトモデル3機種の計5機種。価格は2万2000~2万4000円+税。

SPEEDMETAL_SS_sub1 (カスタム)

B66M-solid

10~20号をメインにMAX25号まで使えるベイトモデル。軽量スッテをキビキビ動かしたいときやレスポンスを優先したい場合に最適。

B66MH-solid

12~25号をメインにMAX30号まで使えるベイトモデル。シリーズコンセプトでもあるハイレスポンスを体現しつつ、オールラウンド性に優れたモデル。

B66H-solid

15~30号をメインにMAX40号まで使えるベイトモデル。急潮流状況でも使いやすいハイパワー仕様。ハイレスポンスな攻撃的なスタイルにマッチ。

S610M-solid

15~25号をメインにMAX30号まで使えるオモリグモデル。しなやかなティップ部が仕掛けの跳ねを抑え、細かなアタリを表現する。

S610MH-solid

20~30号をメインにMAX40号まで使えるオモリグモデル。急潮流下でもハイレスポンスかつ遠投性とパワーを備えたスタンダードスペック。

SPEEDMETAL_SS_sub4 (カスタム)

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

 

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萩沖のジギングと聞けば、多くの方は見島周辺での青物を思い浮かべるかもしれない。しかし、萩近海100m以下の水深でも非常に面白いジギングが楽しめるので紹介しよう。

萩沖のジギングと聞けば、多くの方は見島周辺での青物を思い浮かべるかもしれない。しかし、萩近海100m以下の水深でも非常に面白いジギングが楽しめるので紹介しよう。

写真と文◎藤原武史

萩沖のジギング

本州の南端にある山口県。その日本海側に面した位置に萩市はある。萩周辺の海域には島が多く、それらの島の間には流れがあり、島そのものが巨大なストラクチャーとなっており、ベイトも溜まりやすい。

「大きな流れは萩の50km沖にある見島周辺を流れています。そのためヒラマサなどの青物はそちらがポイントになります。今回向かうのは萩近海のちょっとワンドになったところで、比較的穏やかな流れです。ただ海底は起伏があって魚種も豊富です。所々に砂泥底があり、そこがアマダイの生息域になっています」とは、お世話になった『翔陽丸』の伊藤翔平船長。この辺りの島は水深100mくらいから急激に立ち上がってくる地形で、海底にもかなりの起伏があり、高低差のある複雑な地形をしている。そのような海域でジギングに挑むのはDUOの萩原徹さん。

「このエリアではアマダイが人気なのでメインターゲットと考えていますが、もちろんマダイも釣りたいですね。まあ、ここではターゲットを絞り込まず多彩な魚を楽しむのもアリです」

山口といえば下関のフグが有名だが、実は萩もアマダイの有数の漁場として知られている。

萩沖の風景
萩のすぐ沖合には多くの島が点在する。島の多くは切り立った崖に囲まれている

SLJとは

SLJ(スーパー・ライト・ジギングの略)と聞けば、普通は10g台から40g程度のジグを使った浅場でのジギングを思い浮かべるだろう。ところが現在、100gくらいのジグを使って水深100mくらいの水深で釣っているスタイルもSLJとされている。

不思議に思い萩原さんに聞いたところ、「現在、ジグの重さでのくくりとはなっていないですね。初期はたしかに軽いジグで始まった釣りでしたが、その後はむしろライトなロッド、細いラインというタックルセッティングでのジギングの有益性が注目され、ジグの重さや水深は関係なく、そのスタイルでのジギングをSLJと呼んでいます。特にタイなどをターゲットとしたジギングではSLJスタイルが非常に有効です。なので、今日もタックルはライトなものを使いジグだけ水深に合わせます」

具体的には、ロッドはULまたはL、ラインはPE0.6~1号。これがSLJの一応の定義。軟らかいロッドが、ジグの動き(下から上への跳ね上がり)を吸収してくれるためラインスラックも最小限になり、1アクションでの巻き取り量も少なくなるため、ボトムから20mほどの間をじっくり誘えるという。つまり、しっかりアピールできて、確実にバイトに持っていくためのスタイルといえよう。

「マダイやアマダイに関しては特にこの動かしすぎないことが釣果に大きく影響してきます」と萩原さん。タイのジギングはかなりテクニカルな釣りで、食わせるまでの行程が多いのでやればやるほど楽しくなっていくそうだ。

当日すべての魚を釣ったメインタックル

ヴィガーはカーボンフルソリッドで柔軟なワンピースロッド。リールは巻き取り量を少なくしたいためノーマルギア。ラインは青物対策で1号を選択。リーダーは2ヒロで傷が入ればどんどん切って使っていく。

SLJタックル
しなやかなティップでジグを暴れさせず、張りのあるベリーでフッキングの確実性を上げているヴィガーS600UL。リフトパワーと急な突っ込みに対応する粘りも兼ね備えている
ドラッグメタルフォース
当日メインで使ったドラッグメタルフォースDUO)。左右非対称でロッドアクションに対して非常にキビキビと反応。セミロングタイプもある。

マダイねらいSLJのコツ

朝日と共に出航した船は、港から1時間ほどの海域で、まずはマダイねらいから始めた。萩原さんはスピニングタックルを手に取り、120gのジグを投入した。水深は89m、流れはあまりないので風を使ったドテラ流し。本来はパラシュートで流すという。

昨日は午後から流れが出て食いが立ったそうだが、今日はどうであろうか。この釣りのコツを話してもらいながら釣っていただいた。

フックセッティング
フックセッティングはフロントとリアにセットし、スイベルで接続

着底の瞬間を逃さない

「ジグを落す時は、最初の20mほどはフェザリングやサミングで少し抵抗を加えてあげるとジグがバタバタせずにスムーズに落とせます。着底したら速やかにリールを巻いてシャクリ始めます。速やかに巻き始めることが大切で、フォール中にジグがヒラヒラすることで周辺の魚を誘っている場合が多いので着底後に間を空けるとせっかく寄ってきた魚が離れてしまいます」

つまり、着底前から着底、そこから2~3mの巻き上げが重要だということだ。フォールの時に周辺の魚を寄せることを考えれば、ただフリーに落とせばいいわけでないことが理解できるだろう。

サバ-1
一投目のサバのダブルに始まり、イトヨリダイ、アオハタ、マアジ、レンコダイという文字通りの五目釣りからスタート。船中では良型マハタも登場

シャクリ方とアワセ

マダイねらいでは1mに4シャクリもしくは2シャクリのスピードで巻き取っていく。ジグは左右に頭を振るくらいのイメージでシャクリを入れ、とにかくジグを動かし続けることが重要。リールは、イトフケを巻き取るものというイメージで、巻き上げるためのものではないという。アタリがあったらどうすべきか。

「たいていマダイは前アタリや違和感といったものを先に感じます。このあとにバイトに持ち込むまでの魚との駆け引きが面白い!シャクリのスピードを変えたりリールの巻きスピードを変えたり、もしくは何も変えずに巻き続けるか。それでもバイトしてこなければジグの色や重さを変更します。アングラーと魚の駆け引き。それがこの釣りの最も面白い部分です」

前アタリからそのままバイトに持ち込める場合もあるが、バイトしてこなくても、もう一度ジグを落としてみるなど試すことができる。前アタリからバイトまでのワクワク感がたまらないという。

「バイトがあっても慌ててアワセをしないでください。バイトが出たということはジグには食っていますから、まずは流れなどで弛んでしまったラインをしっかり巻き取ってからしっかりと大きくアワセを入れてください。私が使っているULのロッドは柔軟なため軽いアワセではしっかり掛かってくれませんから」

フルソリッドロッドでのアワセ
フルソリッドの柔軟なロッドでは、ラインスラックを充分に巻き取ってから大きくアワセを入れること

ラインの弛みがあるとフッキングパワーが伝達しにくい。よくバラす人は注意してほしい。逆にいえば、そこまで柔軟なロッドだから細いラインでデカい魚が獲れるのだ。その特性を理解すれば、誘いも変わるしアワセも変わる。本当に少しの工夫だが、それを実行するとしないとでは釣果に大きく影響する。

従来とは異なるライトパワーで柔軟なジギングロッドにすることでジグの動きやラインスラックが抑制されているが、柔軟な分だけアワセ前にラインをしっかり巻き取ることを実行してほしい。それだけで劇的な変化を体験できるかもしれない。

やり取り
フルソリッドのヴィガーはファイトの最初はポンピングしてもいいですが、その後はなるべく水平もしくは水平よりちょっと立て気味に構えて、リールで巻き取っていくほうがバラしにくいです

後半はアマダイねらい

日の出から釣り始め、昼近くになるまでバイトは皆無だったが、潮止まりから潮が動き出したタイミングでいきなりいいサイズのマダイが食ってきた。前述の落ち着いた手順でバイトを確実にフッキングに導き、2尾を手にしたところで砂泥底でのアマダイねらいへ。

マダイ-1
ドラッグメタルフォースの120gで手にした4kg

タックルは同じ。誘いも同じだが、アマダイはあまり長く追ってくる魚ではないので、ボトムから5m以内を誘った。ジグが着底するときに砂煙が立つように意識して、ボトム付近でジグをフワフワさせるイメージで誘い、2尾の本命をキャッチした。

アマダイ-1
萩沖ジギングの新たな顔になりつつあるアマダイ

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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DUOの新イカメタルブランド「烏賊枕」その実力は?ローリングと明滅効果で勝負する新機軸メタルスッテでヒット連発【山口県・萩沖】 https://web.tsuribito.co.jp/news/ikamakura つり人編集部 trend 192378342478 Sun, 20 Jul 2025 02:00:00 +0900

釣り人たるもの、新製品は気になるに決まっている。ましてや新作シリーズとなればなおさらだ。論より証拠というように、どんな説明よりもこの釣果がすべてを物語る。

釣り人たるもの、新製品は気になるに決まっている。ましてや新作シリーズとなればなおさらだ。人気ルアーメーカーのDUOが、満を持してイカメタルの世界に参入し、新ブランド『烏賊枕』(いかまくら)を立ち上げた。論より証拠というように、どんな説明よりも釣果がすべてを物語る。山口県萩沖の実釣でその性能を確かめた。

写真と文◎藤原武史

DUOからイカメタルブランド「烏賊枕」が誕生

ルアーメーカーとしておなじみのDUOで新たにイカメタルブランドが立ち上がった。そのブランド名は烏賊枕。この春に、鉛スッテの烏賊枕メタルとドロッパーの烏賊枕スッテ90が同時にリリースされた。

アジングからアユルアーまで幅広い釣りをこなすDUOの萩原徹さんによれば、今回のイカメタル関連は若手開発陣が手掛けたプロジェクトなのだとか。

「そう。これまでのDUOのラインナップにはないジャンルを一から積み上げて釣れる製品作りに挑戦してみたわけです。もちろんルアーメーカーとして積み重ねてきたノウハウがありますし、メーカーとしての矜持がありますからクオリティーの高さは妥協していません」

実際、イカメタルの分野には、多くのメーカーがすでに参入しており、サイズやカラーを揃えていかなければならない釣りなので後発メーカーには不利な面もある。それでもあえて後発で挑んだのは、これまでにない「売り」があるからだろう。

「それは当然です。後発のメリットもありますから、この釣りで蓄積されたノウハウはしっかり反映させつつ、かといってそれま常識となっていていたことには囚われすぎない自由な発想で完成させています」

烏賊枕メタルと烏賊枕スッテ
同時発売になったばかりの烏賊枕メタル(左)と烏賊枕スッテ。DUOのルアーケースにぴったり収納できる。

烏賊枕メタル・烏賊枕スッテの特徴とは

烏賊枕メタルは、見た目からDUOらしさを感じるオリジナリティーあふれるデザイン。ボディーは正五角形で、面ごとに色を変えていたり、その面は塗装かと思いきや布が貼ってあるなど斬新だ。目立つアイも目を引く。

このスッテの最大の特徴は断面が正五角形のボディー。海中で流れを受けたりロッドアクションを加えると回転する。従来の鉛スッテは上面と下面、あるいは前面と後面というツートンカラーが採用されてきたが、烏賊枕メタルは五面すべてでカラーが異なり、なおかつ前後でもカラーを組み合わせているので激しい明滅効果でイカの興味を引くわけだ。

回転することが前提となっているので、ラインアイにはボールベアリングスイベルを採用してイトヨレを軽減してくれる。バランスはフロントヘビーで、シャクったあとには一瞬バランスを崩したのち水平を保ったフォール姿勢になるためイカが抱きやすい。

烏賊枕メタル
DUOらしさを感じる顔つき。正五角形の特徴的なボディーの烏賊枕メタル

それに合わせるドロッパーの烏賊枕スッテは、一見すると普通のエギの形状だが、よく見るとシンカーが外に出ていない。実際、エギのように前傾姿勢でスローに沈下するのではなく、安定した水平姿勢を保ったままスローフローティングする。カンナまで含むボディーサイズは90mm。

実釣で見えてきたこと

山口県萩沖もイカメタルで人気のエリアだ。今回お世話になったのは玉江浦の『翔陽丸』。夕方から出航すると、走ること数十分で水深50mほどのポイントに到着。船首からアンカーを下ろして船を固定する。
「もう少ししたら潮が変わって流れが出ると思います。ただ、今日のピークは23時頃と遅いかも知れません。この辺りは、干満と流れに時差があり、その強さもまちまちなので確実なことはその日にならないと分からないです」と伊藤翔平船長。

7人のアングラーが右舷と左舷に分かれる。萩原さんはミヨシの左舷に入り、その横に山口県在住のフィールドスタッフであるじゅんちゃんが並ぶ。

まだ明るい時間帯から皆一斉に仕掛けを落とす。「鉛スッテは30号から始めます。ドロッパーはUV発光のものを使います。本番は暗くなってからでしょうね」とはこのエリアに詳しいじゅんちゃん。ボトムを取ってから巻きジャクリで少し浮かせアタリを待つ。数秒ごとにシャクリやシェイクを入れる。基本的なロッド操作や誘いは他のイカメタルと同様のようだ。

激流の中、烏賊枕メタルにヒット連発

日が暮れ、船上に集魚灯が灯る。その頃から単発でイカが釣れ始め、潮の流れは21時頃から強く流れ始めた。群れが入ってきたのか単発だったアタリが連続するようになってきた。

スルメイカを釣るじゅんちゃん
手慣れた感じで次々にイカを釣っていくじゅんちゃん

流れはかなり激しく、潮を受けた仕掛けを入れているだけでもイカが抱いてきている感じだ。しかも、烏賊枕メタルに高確率で抱きにきている。一般的には、どちらかと言えば、動きが緩やかなドロッパーのほうに当たってくることが多いが、烏賊枕シリーズではしっかりメタルにイカがアタックしてきていることがわかる。流れを受けた鉛スッテが回転したり明滅効果でイカを刺激しているのだろう。

烏賊枕メタルで釣れたケンサキイカ2
後半は烏賊枕メタルだけをジギングのように操作してヒットを重ねていた

もちろん烏賊枕スッテもしっかり抱かれている。この激流の中でも姿勢のよさが釣果に結び付いているようだ。船長や他のアングラーもこの新シリーズには興味深々のようでかなり注目を浴びる。伊藤船長も「この五角形の断面はかなり効いている感じですね。面ごとに色が違うのもかなり有効だと思いますよ。実際よく釣れていましたし」と太鼓判を押した。

烏賊枕スッテはグローの種類もグリーン、レッド、ブルーと多彩だ。加えてUV発光と非常にラインナップが充実している。形状は似ているもののエギのような前傾姿勢でのフォールは重視されておらず、水平姿勢でのスローフローティングを重視している。たしかに、後発の強みと若い自由な感性が融合した面白いシリーズである。

烏賊枕スッテで釣れたケンサキイカ2-1
ドロッパーの烏賊枕スッテ90にヒットしてくることも多かった

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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【北海道のアユ釣り場4選】大型が期待できるオススメ河川 https://web.tsuribito.co.jp/north/ayu-tsuriba North Angler’s編集部 trend 192867321688 Sun, 20 Jul 2025 01:00:00 +0900

年々注目度が高くなっている北海道のアユ釣り。今夏こそ挑戦しようと思っている人に、シーズン後半に有望な大型アユが狙える4河川をガイド。例年8月いっぱいは楽しめる!

年々注目度が高くなっている北海道のアユ釣り。今夏こそ挑戦しようと思っている人に、シーズン後半に有望な大型アユが狙える4河川をガイド。例年8月いっぱいは楽しめる!

Photo & Text by Ryo Kobayashi(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

大型が狙える北海道のアユ釣り場

北海道でアユ釣りができる期間は、内水面漁業調整規則で7月1日~9月15日と定められている。9月に入ると婚姻色の入った魚が増え、追いも弱くなり、エキサイティングな釣りを楽しめるのはおおむね8月末まで。残暑が厳しかったり大きな出水がない年は、アユの落ちる時期が少し遅れるものの、それでも9月1週目くらいが納竿のタイミングになる。いずれにしてもシーズンは約2ヵ月と短い。5~6月に開幕し、10~11月に終了する本州に比べると釣期は半分以下。まさにあっという間に終わってしまう。

この記事掲載時点でも、今シーズンは半分ほど経過。「アユ釣りも面白そうだけど、今年も始められないかな……」と思っている人もいるかもしれないが、まだ半分も残っていると考えたい。

後半戦は支流や上流域などアユの生息範囲が広く、何といっても釣れる魚が大きいのが最大の魅力。強い引きを味わえるほか、オトリの泳ぎがよいため太仕掛けでも全く問題ない。多少強引なオトリ操作も許容してくれるはず。

トラウトの名流としても知られる尻別川は8月に本格化する。盛夏にデビューするのにうってつけのフィールドだ。アユ釣りに入門したくても、「2ヵ月だけの釣りに大金をかけられない」という話はよく聞く。しかし、すべてハイエンドモデルでそろえたりしない限り、ソルトルアーや氷上釣りと大差はない。そもそも、氷上釣りやサケ釣りも好期は2~3ヵ月。また、近年はアユ釣り人口の高齢化に伴い、引退した釣り人の中古品がネットオークションに出ることも増えているようだ。初期費用はそれほどかからない。次から後半戦に注目すべき4河川を紹介したい。

道産子アユ
道産子アユは背っぱり体形が特徴

道央の登竜門【朱太川】

札幌市街から約2時間半とアクセスがよく、川から近い黒松町内にオトリ店がある。近年は天然魚の遡上量が多く、安定して数釣りできる状況が続いていて、道央圏におけるビギナーの登竜門になっている。

黒松内町は道内屈指の豪雪地帯。同川は日本海の寿都湾に注ぐ河川でありながら、源流や上流部は太平洋に近いという地理的特徴がある。夏は朝霧が発生しやすく、午前中は小雨がパラつく日も多く渇水になりにくい。また、保水力の高い北限のブナ林を縫うように流れる恩恵で水温が上がりにくく、雨後の急な増水も起こりにくい。

朱太川
朱太川。マイルドな流れの中規模河川でオトリ店がある。各ポイントの入川口にノボリが立ち、誰でも挑戦しやすい

なお、同地のブナ林に湧く清水は『水彩の森』という名でミネラルウオーターとして販売されている。水質のよさは折り紙つき。食味のよいアユが釣れるのは、この良質な水が豊富に流れ、アユのエサとなる石のアカの状態が常によいからだと推測される。

釣り場は川幅の広い下流部、市街地に近く魚影の多い中流部、良型が期待できる上流部、いずれも面白い。支流の黒松内川、熱郛川などでサオをだす人もいる。山深い上流部でもイヨシロオビアブがほとんどいないのがうれしい。

ただし人気河川ゆえ、「いかにも」という好ポイントは釣られていることが多い。素通りしてしまいそうなヘチのチャラ瀬で良型が連発する場合もある。また、サオ抜けのポイントを探して広範囲を歩くほうが数釣りしやすいが、混雑するお盆などは移動しにくく、サオが入ったであろう場所で釣るしかない。そんなとき、先行者と同じ釣り方をしても反応は得にくく、アプローチを変えるのが賢明。たとえば、引き釣りでさんざん探って反応がなくなった場所でも、泳がせでねらうと何尾か絞りだせたりする。同じ引き釣りでもオモリと背バリで反応はまた違ってくる。

朱太川のアユ釣り情報

・遊漁券:1日2,000円、年券12,000円
・オトリ店:ホンダ菅原商会 TEL:0136-72-3547
・管轄漁協:朱太川漁業協同組合 TEL:0136-72-3231
・備考:アユルアー禁止

アユ塩焼き
アユはシンプルな塩焼きで美味しくいただけるので、おすそ分けしても喜ばれる

復活の古戦場【尻別川】

後志エリアのアユ河川で、昔から有名なのが尻別川。ダイワ主催『鮎マスターズ』全国決勝大会を始め、数々の大会が開催されてきた1級フィールドだ。同川は10~15年前、壊滅的といえるほどの不調に陥り、アユ釣りをする人の姿が一時消えた。それが、5~6年前から復調。近年は往年の活気が戻っている。

友釣りが成立しないほどアユが減り、資源回復に向けての動きが特段なかったのに復活したのは、天然魚が逞しかったからにほかならないだろう。こうした事例があると余市川、遊楽部川、太櫓川など、今は釣れなくなってしまったかつての名流のアユも、どこかで細々と命を紡いでいて、いつか復活するのではないかと希望が持てる。

かつて尻別川は漁協があったが、現在管轄漁協はなくアユルアーもOK。マスターズ決勝の舞台になるほどの規模と実績があるのに、無料でアユ釣りを楽しめるのは全国的にみても稀有なフィールドといえる。

シーズン開幕は遅めで、早くても7月中旬。おおむね8月に入ってからが本番。ほかの川が釣れ始める頃になってもアユの姿を確認できず、「今年はダメなのか?」と気をもむが、いつの間にかあちこちにいるというパターンが多い。

道南に比べると道央の川は初夏でも水温が低め。おそらく6~7月は比較的水温の高い下流部にいて、上昇したタイミングで中流部や支流に遡上するのではないだろうか。ポイントは蘭越町の豊国橋上下、湯山別橋周辺、支流の昆布川や目名川など。入る場所に迷ったら、激戦区とはいえ豊国橋周辺が無難。

なかでも橋の下流左岸、通称「ランラン公園前」がおすすめ。サオは9mクラス、水中イトは複合メタルのポピュラーなタックルを用意し、広い瀬をテンポよく探るのが王道だ。とはいえ、渋いときはヘチ、橋の下、バイカモ周りなどサオ抜けしやすいピンスポットを拾い釣りするのも有効な戦略。近隣にオトリ店はなく、黒松内町で入手するのが確実だが、ルアーを使って確保するのもよい。

尻別川アユ釣り情報

・備考:管轄漁協なし、無料

尻別川の豊国橋上流
尻別川の豊国橋上流。後志エリアの象徴といえる羊蹄山をバックに、アユザオを振れるのは実に気持ちがよい

豪快に楽しめる清流【後志利別川】

檜山エリア屈指の大河。檜山の川なのに後志と頭に付くのは、かつての地方制定である後志国に瀬棚界隈も含まれていたため。今金町、長万部町、島牧村という3町の境界辺りに端を発し、渡島半島を横断するように流れる。

同川は釣り番組のロケ、釣り具メーカー主催の大会が行なわれたこともあり、長ザオによる豪快な瀬釣りを満喫できるのが魅力。アユ釣りのキャリアを積むと、激流で知られる福井県の九頭竜川、熊本県の球磨川、岐阜県の長良川といった道外の釣り場にも遠征したくなる。そのための修練を積む場としてもピッタリだ。

後志利別川
後志利別川は豪快な瀬釣りを満喫でき、釣れるアユのアベレージサイズも大きい。写真のポイントは中里橋下流

ポイントは花石、中里、住吉、稲穂、田代の中~上流部に各所ある。ただし、石のある場所とない場所がはっきりしていて、どこにでも魚がいる感じではない。また、8月以降は渇水になる年が少なくない。「利別は水が詰まると追いが渋い」と話すベテランもいて、そんな状況では少しでも水量の多い中流部に入るとよいかもしれない。

流れのキツい瀬の1級スポットには、惚れ惚れするような背っぱり体形のアユがいる。ビギナーも臆せず挑戦したいが、大河に立ち込む際は細心の注意が必要。ウエーダーではなく水抜けのよいタイツ着用が必須。浮力材入りのアユベストやネックタイプのライフジャケットも併用したい。

連日釣行で川にオトリを活けておく場合、夜間にダム放水があるとオトリ缶が流されてしまう。支流に活けたり、引き舟を使いたい。なお、イヨシロオビアブはあまり見ないが、上流部はヒグマの気配が濃厚。複数人での釣行が望ましい。

後志利別川のアユ釣り情報

・遊漁券:1日2,000円、年券8,000円
・管轄漁協:瀬棚郡内水面漁業協同組合 TEL:0137-82-0032(永豊商店内)
・備考:遊漁券は佐久間旅館(今金町字今金100)、永豊商店(同178)で購入可能。周辺にオトリ店なし。漁協が管轄する河川は1.馬場川、2.後志利別川本支流、3.太櫓川・二俣川・濁川。1~3で遊漁券は異なる。アユルアー禁止

フェルトスパイクの磯シューズ
シューズ類はアユタビが一般的だが、フェルトスパイクの磯シューズも流用できる。写真はシマノ『カットラバーピンフェルトフィットシューズ』

ポイント豊富で魚影多し【天の川】

道南の人気河川。よい石が全域にあり、中規模ながら釣り場のキャパシティーは見た目より大きい。水が綺麗で魚の食味もよく、道央から遠征する人も多い。

天の川支流の上の沢川
天の川支流の上の沢川。同水系は遡上量が安定していて、ポイントも豊富。数釣りしやすいが、ヒグマに要注意

ポイントは下流部の中須田、中流部の小森や早瀬、上流部の宮越や湯ノ岱、支流の上の沢川など。ただし、中下流部は海風が強い日が多く、上流部や上の沢川は8月になるとイヨシロオビアブが大発生し、一帯はヒグマの気配も濃厚で要注意。とはいえ、アブの猛攻に耐えてサオをだすと、入れ掛かりになることもある。お盆を過ぎるとアブはしだいに減る。8月中旬以降の釣行がおすすめ。

鏡のようなトロ場では、野アユがオトリを追って掛かる一部始終を目視でき、上達を早めてくれる。強風下の下流部、川幅の狭い上流部、いずれも6~7mの短ザオが必需品。上流部は峡谷を流れる場所もあり、強雨後は水位が高くなりやすい。廃線となった江差線鉄橋の欄干に流木が挟まっているのがその証。アカの状態が悪いときは雨後に状況が好転しやすい。水が引くタイミングの見極めが難しいがチャンスだろう。管轄漁協はないが、地元の有志団体である『天ノ川鮎愛好会組合』が会員費を募っている。

天の川のアユ釣り情報

・会員費:1日券2,000円、年券8,000円
・オトリ店: 天ノ川鮎愛好会組合(上ノ国町上の沢川近く)
・備考:管轄漁協なし、オトリ1尾600円、アユルアー禁止を要請

ヒグマ対策の爆竹
ヒグマ対策の爆竹は、ライターと一緒にチャック付き袋に収納。ベストに入れておくと立ち込んでもシケにくい
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釣りの世界は日進月歩。常に新しいギアが開発され、新たなメソッドが誕生する。その意味ではスキッディングというメソッドはひと昔前の部類に入るのだろう。が、しかし、この爆発力の凄まじさはどうだ。いささかの衰えも感じないどころか、多くの愛用者たちによってますます円熟味が増している。

釣りの世界は日進月歩。常に新しいギアが開発され、新たなメソッドが誕生する。その意味ではスキッディングというメソッドはひと昔前の部類に入るのだろう。が、しかし、この爆発力の凄まじさはどうだ。いささかの衰えも感じないどころか、多くの愛用者たちによってますます円熟味が増している。

写真と文◎編集部

ジギングのメソッド・スキッディングとは

新潟県柏崎で遊漁船「アシストクラブ金進丸」を営む秋山進一さんといえば、摩擦系ノットの中でも最も簡単で強度も申し分ないと評判のSCノット(ショックアブソーブド・キャプテンノットの略)の考案者として知られ、乗客からも秋山キャプテンと呼ばれている。そんな秋山キャプテンのもうひとつの考案が激しくシャクらないオフショアジギングの「スキッディング」だ。

スキッディングとは、イカの動き=Squidと、滑るような泳ぎ=Skidを併せた造語。使用するのは船のような形状でサイドが直線ではなく曲線(R)を描いた専用ジグだ。このフォルムによって進行方向を切り替え(=スイッチバック)、左右にスライドしながら落ちていく(=スイッチフォール)。

スキッディングのやり方

手順はこうだ。

1.まず指示ダナまでジグを沈めたらプライマリーポジション(スイッチフォールを開始する位置)で一旦静止する。ジグは立っている

2.立てていたロッドを一気に寝かせることで、ラインテンションが抜けたジグはRに沿った動きで滑走

3.ロッドを水平近くまで上げながらラインをスプールから引き出し、再びロッドを下げるとジグがスイッチフォール

この3の動作を連続して行なうことでリズミカルにラインをスプールから引き出し、ジグが回転半径=振り子のようにスイッチバックからのスイッチフォールをする。

この動作を行なうための推奨スタイルは「逆サミング」。普通、右ハンドルのベイトリールであれば左手でパーミングしながら左手の親指でサミングをし、右手はハンドルノブを握るが、逆サミングでは左手でパーミングしながら右手でもパーミングして、サミングは右手の親指で行なう。このフォームにすることでスプールから引き出されたラインスラックがコントロールしやすくなり、バックラッシュを防げるのみならず直接ラインに触れることで感度も増す。

傍からは、ロッドを上下するアクションはジグをシャクリ上げているように見えるが、実際はスプールからラインを引き出すための動きで、ジグはスイッチフォールしている。

スキッディングの様子
スキッディングの動作がしやすいのはベイトタックル。「私が使用しているのは6ft3inのロッド。これより長いとアンダーでのキャストがしにくくなります」と佐藤さん
・ロッド:アブ・ガルシア/ソルティーステージ プロトタイプスロージギングXSPC-63-1.5-MAX150
・リール:アブ・ガルシア/ソルティーステージ コンセプトフリー
・ライン:バークレイ/スーパーファイヤーラインカラード1.0号
・リーダー:バークレイ/バニッシュレボリューション16ポンド

マダイ向けに考案も他魚種にも好反応

「マダイがジグで釣れること自体は日本各地でよくある現象ですし、うちの船でも長らく通常のジギングでねらっていましたが、実は着底着後のバイトは多いものの中層でのジャーキングでは青物のようには反応がよくありませんでした。むしろフォール中のほうが反応するんですけど、けど通常のジグだと沈下速度がマダイには速すぎました」

試行錯誤の末に完成させたのが「スキッディングメソッド」と「スキッディング専用メタルジグ」。まずは秋山キャプテン自身のルアーブランドであるネイティブデザインズから『ザ・スイッチバッグ』が誕生。その後、ハンドメイドゆえの生産数不足を解消するためアブ・ガルシアから同じ機能を持った『スキッドジグ』と『ショアスキッドジグ』がリリースされた(現在は20~60gのショアスキッドジグ』のみ販売中)。

ザ・スイッチバック(上)とショアスキッドジグ(下)
上はザ・スイッチバック(ネイティブデザインズ)、下はショアスキッドジグアブ・ガルシア

ハード(スキッドジグ)とソフト(スキッディング)の完成でマダイの反応は急激に上向いた。フォールでのヒットが増えたのみならず、ジャークしない中層ただ巻きでのヒットも倍増した。さらに、激しくシャクらないこのメソッドはマダイのみならずブリやカンパチなどの青物のほかロックフィッシュにも効果を発揮。ハイピッチでシャクり続ける体力勝負の釣りではないことから、初心者から年配者まで誰でも手軽にジギングを楽しめるようになったというわけだ。

実釣でスキッディングの威力を実感

5月下旬。早朝5時。12名のアングラーを乗せた金進丸は魚探掛けをしながらゆっくりと北上。15分ほど走ったところでスローダウンすると、ほぼ全員が手にしたロッドの先からはイカに似た扁平なシルエットのジグがぶら下がっていた。

「水深40m。上から20mにマダイの濃い反応が出てます。その下から底までイワシの反応がありますから、底まで落とさず20mより上を探ってみてください」

通常はボトムまで探ることも多いが、今回は水深もタナも浅いことから真下にジグを落とすのではなく、正面にロングキャストしたのちスイッチフォールさせ、指示ダナまで来たらゆっくりと斜め引きするという釣り方が有効だった。

ひと流し目からヒットはあったものの単発で、魚探の濃い反応のわりには全体的にはロッドが曲がらない静かなスタートになった。

そんななか、船中1尾目を釣った高橋さんはその後もブレードジグ(ライズジグブレード)でコンスタントに釣果を重ね、あっという間に3尾の良型マダイをキャッチ。

「金進丸さんはよく利用していますが、ここのいいところはルアーも含めて自由にやらせてくれるところです。ショアスキッドジグやザ・スイッチバックも推奨であって強制ではない。タイラバでやるのもOKなんです」

ただ、ブレードが効いていることを確認した数名のアングラーはスキッドジグやザ・スイッチバックにブレードを足していくなど臨機応変。静かなスタートだったが、マダイの活性は急上昇して、トモ側でもミヨシ側でも右舷でも左舷でもロッドが大きく曲がる。そのほとんどのルアーはショアスキッドジグかザ・スイッチバック。釣れるから使うのか、使うから釣れるのか。おそらくどちらも正解だろう。

ヒットシーン
時合に突入するとあちらこちらで同時ファイト

斜め引きに好反応

マダイは乗っ込みの時期であり、水深が浅いこともあってバーチカルではなく、右舷でも左舷でも真正面にロングキャストをする。投げやすさでいえばスピニングタックルが圧倒的にやりやすい。しかし逆サミングでのスイッチフォールのやりやすさはベイトタックルが圧倒的にやりやすい。というわけで両方のタックルを準備する人が大半。

さらにいえばこの日はマダイがベイトのカタクチイワシ(釣った直後に吐き出していた)を水面まで追い込んでボイルするほど活性が高く、スイッチバックせずともラインを張ったカーブフォール中でもガツガツと食ってきた。フォール中に食わなくても10~15m沈めてから斜め引きをすると、それを追い食い。左舷大ドモの柳澤さんは早々にツ抜けを達成。途中、違うお土産をねらってサビキ釣りに興じたりしながら良型ばかり13尾をキャッチ。

3尾、4尾とマダイをキャッチしたアングラーは3㎏オーバーの良型であってもリーダーを持ってそのまま船内に抜き上げていく。仲間にタモを頼みたくても仲間もファイト中だからだ。

マダイ
深紅に輝く見事な体躯の柏崎沖のマダイ。釣った直後にカタクチイワシを吐き出すことも多かった

すべてのジギング・タイラバフィールドが舞台

スキッディングはマダイに特化した釣りではない。その証拠に、この日も80cmクラスのブリ、40cm超えのマアジ、キジハタやホウボウやカサゴなどもヒット。13時帰港だが、早くも10時過ぎには大方のメンバーが満足げにまったりとしていたのが印象的だった。

アジ-2
ショアスキッドジグで40cmオーバーのマアジもキャッチ

当日も数名のスキッディングデビューのアングラーがいたが、秋山キャプテンのアドバイスで見事に本命や大アジをキャッチしていた。ジグは船上販売もしているので、まずは手軽にチャレンジしてみよう。なお、このメソッドは新潟限定、日本海限定ではない。秋山キャプテンほかアシストクラブのメンバーは太平洋や東シナ海などどこのジギング・タイラバフィールドでもこのメソッドで楽しんでいる。

取材当日のメンバー
乗り合わせた12人全員がマダイを複数尾キャッチ。前列中央が秋山キャプテン

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

【アシストフック完全ガイド】メーカー担当者に教わるジギングフックの選び方とセッティング SLJ(スーパーライトジギングロッド)おすすめ人気18選|価格・特徴比較 スーパーライトジギング(SLJ)入門! ロッド・リール・ライン・ジグの選び方 空調服は真夏の釣りの救世主?編集部で実際に使ってみたら「釣行後の疲労感のなさ」が衝撃的だった 【漫画】“ギャル”船長①/ゆかぴ船長の「今日も釣れっから!」第1話
【アシストフック完全ガイド】メーカー担当者に教わるジギングフックの選び方とセッティング https://web.tsuribito.co.jp/beginner/jigging-assist-hook つり人編集部 trend 192337090233 Sat, 19 Jul 2025 02:00:00 +0900

フィールドの拡大に伴いますます入門者が増えていきそうなイカメタル。船からのイカ釣りは電動タックルと長い多点仕掛けが大きな障壁になっていたが、この2点を解消したイカメタルなら誰もが手軽に挑戦しやすい。今回は首都圏からもアクセスしやすい沼津でイカメタルに挑戦。当日はあいにくの雨模様となったが、シップスマストの完全防水ウェアに身を包み、ムギイカ(スルメイカの若イカ)の攻略に挑んだ。

オフショア用のジグは通常フックなしで販売されており、釣りをするには別売りのアシストフックを用意する必要がある。どんなフックを選べばいいのか?その基本をフックメーカーのジギングフリークに訊いた。

解説◎藤岡裕樹(オーナーばり

アシストフックが刺さる仕組み

ひと口にジギングと言っても対象魚はいろいろですから、まずは基本となるイナダやワラサといった50~60cmクラスの青物をねらうケースを想定してジグとフック選びを説明しましょう。

このクラスの青物ねらいで一般的に使われるジグのサイズは150g前後です。ねらう海域の水深や潮の速さによっても変わりますからジグのサイズは船宿が指定してくれます。予約の際に確認して準備するのがいいでしょう。

ジギングでは普通のルアーフィッシングと違い、トレブルフックではなくアシストフックをセットします。アシストフックはシングルとダブルがあり、ジグのフロントかリア、または両方にいずれかをセットします。イナダやワラサであれば、シングルなら#4/0~5/0、ダブルなら#3/0~4/0のサイズがマッチします。

組みイト(アシストライン)でジグから離れているので一見フックアップしにくそうに見えますが、魚が食いつくときにジグより軽いフックが口に吸い込まれ、そのまま魚が泳ぎ続けるとフックがカンヌキ部分に刺さります。これが理想的なフックアップのメカニズムです。

ブリ

ジギングのスタイルごとに最適なアシストフックが変わる

フックのセット方法やフックの番手選びで考慮すべきファクターはさまざまありますが、前提としてジギングのスタイルの違いを押さえておくことが必要です。つまり、ワンピッチジャークなど、テンポの速いハイピッチなジャークで上方向に誘っていくスタイルなのか、スローピッチジャークなどフォールを主体として誘っていくスタイルか、です。その日の状況に応じて、どちらの反応がよいか探りながら試しましょう。バス釣りでいえば、巻き物で探るかワームで探るかという違いに似ています。

ハイピッチジャークは比較的水深が浅い海域でレンジを広く探るときにメインになり、水深80mくらいまでの沿岸海域の青物ねらいではこちらが基本になる場合が多いです。ジャーク時にジグがスライドするアクションで魚の興味を引き、その間で食わせるスタイルですから、ジグは滑走幅が大きくなるロングジグやセミロングタイプが適しています。ジグの重心が中央付近になるセンターバランスのセミロングジグならフォール時にもアクションするので、フォールを織り交ぜる誘いにも対応可能です。これから始める人はこのタイプを使うのがいいでしょう。

スローピッチジャークはジャークの合間にイトフケを作ってジグをフォールさせます。潮が複雑で、速いジャークではジグにアクションをつけにくい場面や、青物でもボトム付近の狭いレンジを好むカンパチねらいなどでメインになります。海域によってもこちらがメインになることがあって、たとえば私のホームの明石海峡は潮が非常に速く、流されるベイトを待ち構えるように捕食しているブリをねらうときにはフォールで食わせる釣り方が有効になります。センターバランスのセミロングジグのほか、幅広ボディーでイトフケを出すとヒラヒラとアクションするフォール特化型のジグなどが使われます。

小~中型青物までは細軸・大型魚なら太軸

青物ねらいではフロントにシングルまたはダブルでセットするのが基本となります。1.2~2号のPEラインでねらう60cmくらいまでの若魚なら、ファイトはそこまで強くありません。

「ジガーライト」シリーズなど、軽いぶん吸い込まれやすく、貫通力も高い細軸のフックがよいです。フックアップ率を高めるためにダブルで使われることが多いです。ハリ先が2本同時に掛かると2倍のフッキングパワーが必要になり刺さりきらないリスクが生まれますが、細軸であればそこまでデメリットになりません。

PE3~5号が必要な5~10㎏クラスの魚になると、細軸では伸ばされる不安が出てきますし、フックが軽いとアタックされたときにハリが飛ばされて口の中に入らないことも頻発するため、「ファイアフック」「ジガーミディアムチェイス」などある程度軸が太めのフックをシングルで使います。PE5号以上でねらう大型魚は「ジガーヘビー」などさらに強く太い軸のフックが必要となります。

誘い方で変わる取り付け位置

ジグのリア側にもフックを付ける場合もあります。例えばフォール主体の釣りをするとき。リア側に水の抵抗を受けるフックがあることで、ラインを緩めたときいち早くジグをフォールアクションが生まれる姿勢にしてくれます。

また、青物に限らずジャークよりもリトリーブでねらいたい状況、ドテラの払い出す潮でジグが流されてアクションの緩急が生まれないときや、ブレード付きのジグを使うときなどですが、こういったケースではチェイスして後ろからくわえるバイトも捕るためにリアにフックをセットします。

組イト(アシストライン)の長さ

組みイトを含めたアシストフックの全長は使用するジグの約1/3となるよう選ぶのが一般的です。ねらう魚のサイズに応じて、口先からフックを掛けたい場所(カンヌキ)までの長さも考慮するといいでしょう。

ジグとフック

また、ダブルタイプのアシストフックは組みイトの長さが揃っているものと段差になっているものがあります。同じ長さのものは2本同時に掛かったときにアワセが決まりにくいですが、魚の活性が高く、順調に釣れているときには釣果を伸ばしやすい傾向があります。段差タイプは片方ずつハリが刺さるので貫通させやすくバラシが少ないです。

アシストフック2

ここでは沿岸域のイナダやワラサを念頭にフック選びとセット方法の基本を解説してきましたが、もちろん対象魚によっても変わってきますし、フックの形状による効果の違いもあって奥が深い世界です。対象魚ごとのセッティング例も作ってみましたので、ぜひ参考にしてください。

ジギング用フック(ジガーライトシリーズ)の形状による特徴比較

ジガーライトシリーズの形状

(写真上・左から)

ジガーライトホールド:他のルアーと比べて重いジグは魚が暴れた際にハリが外れやすい。ベンドに角を設けて魚の口をしっかりホールドするための形状。スローな操作で繊細に食わせたい時に

ジガーライト早掛:ハリ先がストレートでやや開いており魚の口を捉えやすく激しい操作に。しっかり掛けるには強いアワセが必要なところ、抵抗が少ないロングテーパーのハリ先でそれを補っている

ジガーライトシワリ:アタリを感じてアワセを入れることが難しいフォール中のバイトに対応する形状。ハリ先がカーブしてチモトを向いているので、ジグの重さ程度の少ない力で刺さり込んでくれる

ジガーライトサーベルトリガー:サワラやタチウオなど歯が鋭い魚に組みイトを切られないためにシャンクが長い形状。早掛け性能も高い

対象魚ごとのセッティング例

(写真下・上から)

ブリ類・カンパチ・ヒラマサ用:センターバランスのセミロングジグ180g+ファイアツイン150g用(#5/0)。青物ねらいで汎用性が高いセッティング

スローピッチジャーク用:フォール対応センターバランスジグ200g+ジガーミディアムツインチェイサー#5/0。フォールで食わせるためのフロント&リアへのセット

ヒラマサ用:ロングジグ150g+ジガーミディアムブルーチェイサー#9/0。ワンピッチジャークで滑走幅を広くとれるロングジグに中太軸フロントシングルフック。大型魚に対応

ヒラメ・根魚用:フォール対応センターバランスジグ180g+ジガーライト段差早掛#3/0。ねらうレンジが狭くフォール主体の釣り。ストレートなハリ先と段差の組みイトによって触れたところに即掛かりしやすい

中深海アカムツ用:フォール特化型ジグ300g+レーシングスペックプロツイン#3.5/0。アワセが効きにくい150~400mの水深でもハリ掛かりしてくれる細軸フック。長距離を巻き上げてくるためバレにくく設計されたフック形状

ブレードジギング用:タングステンジグ100g+ブレードスピンダブル。マダイやサワラなどをリトリーブで誘う釣り方。あえて2本のハリを同時に掛けるための幅の狭いダブルフックで、そのねらいは強烈に流れる潮の抵抗を受けても身切れを防げるホールド力

対象魚ごとのアシストフックセッティング例

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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イカメタルの釣り方【3つのスタイルを名手が解説】メタルスッテ・ドロッパー・オモリグの使い分け https://web.tsuribito.co.jp/beginner/ikametal3style つり人編集部 trend 192324392473 Fri, 18 Jul 2025 02:00:00 +0900

積極的な誘いでケンサキイカやスルメイカを興奮させ、メタルスッテやドロッパーに触れた瞬間を掛けにいく。そんな極上の「釣った」が味わえるイカメタルゲーム。今回は釣果を左右する誘い方のコツ、3つのリグの使い分けといった実践テクニックをイカメタル伝道師の岩城透さんが解説してくれた。

積極的な誘いでケンサキイカやスルメイカを興奮させ、メタルスッテやドロッパーに触れた瞬間を掛けにいく。そんな極上の「釣った」が味わえるイカメタルゲーム。今回は釣果を左右する誘い方のコツ、3つのリグの使い分けといった実践テクニックをイカメタル伝道師の岩城透さんが解説してくれた。

写真◎伊藤巧
解説◎岩城透

イカメタルの基礎知識

5月30日、福井県美浜町早瀬漁港・新漁丸ザレイズの半夜便に乗り込んで開幕して間もないイカメタルゲームを楽しんできました。この日は立石沖の水深95mラインで流し釣り。天候が崩れる直前とあってウネリが大きく船を揺らし、ミヨシに釣り座を構えたこともあって釣りづらい状況でしたが、厳しいながらもスルメイカを数釣りつつコンスタントにケンサキイカをキャッチすることができました。当日の模様を振り返りつつ、今どきの釣り方を解説していきましょう。

イカメタルゲームとは夜焚きのツツイカ釣りです。船の上で高輝度の集魚灯を点灯して、船の下にイカを寄せながらメタルスッテやドロッパー(浮きスッテ)、エギ(ドロッパーエギ)を使って釣ります。タナを刻みつつ船の真下を縦に釣るのが基本ですが、状況を見ながらキャストして照明の外側を探ったりもします。

イカメタル船
新漁丸ザレイズ。イカメタルは夜焚き釣り

イカメタルのターゲット

イカメタルのターゲットとして黎明期はケンサキイカとヤリイカが主役でしたが、現在はフィールドが全国に広がったことで、スルメイカも同じように人気ターゲットになりました。ケンサキイカやヤリイカを興奮させられれば何度も触ってくるところにゲーム性を見い出して盛り上がっていたのが初期のイカメタルですが、見切りが早いスルメイカも併せてねらうようになり「最初のアタリをどうやって引き出すか」にコンセプトが変わってきました。

スルメイカのアタリを引き出せるかどうかは、タックルバランスや誘いのパターンに大きく左右されます。特に麦イカ(春に釣れる小型のスルメイカ)が浅ダナで数釣れる状況下では、タックルの違いが如実に現われます。

純粋なケンサキイカに対してスルメイカは狡猾です。掛け損なっても、すかさずタナを戻してメタルスッテを激しく動かせば、警戒していたケンサキイカは興奮して我を忘れ、止めた瞬間に抱いてきます。そんなイラつかせて抱かせるテクニックが、スルメイカには通用しません。最初のアタリで乗せられなければ、どこかへ消えてしまいます。激しく動いているものにアタックしてくる獰猛なスルメイカですが、見切りは驚くほど早いのです。

イカを取り込む様子
取材当日もスルメイカが登場

水深は50m前後の地域が多い

釣り場について、福井に関して以前は40mより浅い場所に船をかけていましたが、最近はケンサキイカが深場に群れることが多く80mより深い場所で釣るケースも増えてきました。パラシュートアンカーを入れて流したり、潮がよければかかり釣りになったりします。

全国的には50m前後のかかり釣りが多く、アンカーを下ろして潮の利き方に合わせてメタルスッテの重さを調整します。

釣り方は3つのスタイルがある

イカメタルの釣り方には3つのスタイルがあるので紹介します。

メタルスッテの単体リグ

まずはリーダーの先にメタルスッテを結んだシンプルなスタイル。メタルスッテを激しく動かしては止めるスピーディーでダイレクトな釣りです。基本は指示ダナにメタルスッテを入れたら、ロッドのストロークを活かして激しく誘い上げます。1、2回の段をつけて鋭く誘い上げるのが秘訣です。ピッピッとメタルスッテを飛ばすように動かして、頂点からテンションフォールさせてストップ。この動と静のメリハリが極めて重要です。メリハリを効かせられるほど釣れます。

誘い上げはいかに初速を出すかがキーです。1から10に向かって加速しながら誘い上げるのではなく、最初から10のスピードで誘い上げられれば、たまらずイカが飛びついてきます。フォルムがコンパクトなタングステンのメタルスッテを使うと違いを感じるかと思います。

また、活性の高いイカがフォールに反応する状況下で威力を発揮します。誘い上げからテンションをコントロールしながらフォールさせる途中で重みが一瞬でも抜けたらそれがアタリ。間髪入れずに合わせましょう。最初のタナに戻ったところで激しくスッテを動かしてピタリと止めるのも有効です。興奮したイカが抱いてきます。

メタルスッテ2
キビキビ動かせられるタングステンのスッテも有効。写真はダイワエメラルダス イカメタルスッテT

ドロッパーの釣り

単体リグのリーダー部分に枝スを設けてドロッパー(浮きスッテ)を装着した二段式のレイアウト。単体リグよりスローなフォールや誘いの演出が可能です。仕掛けが暴れないタックルの選択が重要です。スローが基本ではありますが、誘いのアクションはキビキビ動かしたほうがイカの反応が得られます。

サオ先を下げて構えたところから、ロッドのストロークを活かして仕掛けをキビキビ動かしながら誘い上げ、サオ先でコントロールしながらテンションフォール。サオ先を下げたところでピタリと止めてアタリに備えます。仕掛けは止まっていますが、潮に乗ったドロッパーがふわふわと漂ってイカを誘います。

オモリグ

専用のオモリを使用したエギの吹き流し仕掛けです。あまり細かいアクションを必要とせず、ゆったりとした誘いでイカを釣ります。仕掛けを安定させやすいので海況が悪いときにも有効。リーダーが長くてメタルスッテよりも効率が悪いように見えますが、イカの活性が低いとき、潮が速いとき、大きいイカをねらいたいときは絶大な効果を発揮します。

オモリの重さを自由に設定できることから仕掛けのコントロールが容易で、渋い状況を打開する力に特化しています。以前は同船者との仕掛けトラブルを避けるためにオモリグ禁止の遊漁船も見受けられましたが、釣り人の知識が深まって技術が向上したので、現在はほぼ全国の遊漁船でオモリグが楽しめます。

オモリグでキャッチしたケンサキイカ
オモリグはリーダーの長さやシンカーの重さを調整すれば、メタルスッテでは釣りにならない状況下でも安定してイカを誘える

イカメタルの釣りの流れと実践テクニック

釣り場に到着すると、最初に船長が近況や魚探に映ったベイトなどから、おおよそのタナをはじめ、メタルスッテやオモリグシンカーの重さなどを指示してくれるので、それに従ってタックルを準備します。今回お世話になった新漁丸ザレイズさんも、丁寧に釣り方や状況をアナウンスしてくれました。なお、仕掛けの重さを合わせないと同船者とオマツリするので、必ず船長の指示に従いましょう。今回は25号の指示がありました。

イカメタル船は多くの地域で半夜便と深夜便があり、半夜便の場合は夕方出船になるので、間もなく太陽が沈むタイミングでの実釣スタートとなります。明るい時間帯のイカは底に広く散らばっているので、辺りが暗くなって集魚灯の照明が効いてくるまでに釣り方の手順を練習しておきましょう。深夜便も照明が効くまでは半夜便と基本的に同じです。

明るい内は広範囲を探る

最初の数回はドロッパー仕掛けで船の真下をねらいました。まだイカを寄せてはいませんが、近くにいれば簡単に釣れます。反応がなかったので、メタルスッテをキャストしてボトムに沿ってリフト&フォールで探ってきます。最近はトラブルなく簡単に飛距離を稼げるスピニングタックルが人気です。オモリグでも同じ要領でボトムを探ることができるので好みで選んでください。そして船の下まで探ってきたらピックアップして再びキャストします。これを繰り返して広く探っていきました。

イカメタルの風景-1
船下で反応がなく、スピニングタックルに持ち替えて底を広範囲に探った

集魚灯が効いてきたら縦の釣り

辺りが暗くなって集魚灯が効いてきたので縦の釣り、いわゆるレンジの釣りに切り替えました。レンジの釣りに関してはどのスタイルでも楽しめます。いずれかのスタイルが秀でているわけではないので、海況や自分の好みで選んでください。

しなやかな穂先が仕掛けを安定させる

ロッドに関しては、仕掛けのコントロールが容易でイカの掛かりも抜群なグラスのロングソリッドモデルが厳しい状況下での釣りを可能にしてくれました。ねらい通り船の揺れをグラスソリッドが吸収してくれたので、スルメイカやケンサキイカがコンスタントにヒットしました。

イカメタルゲームでは穂先が明暗を分けます。穂先は角のないイカ特有のアタリを察知するために繊細でなければなりません。テンションのコントロールも繊細なソリッド穂先が向いています。安定したフォールもソリッド穂先なら可能です。張りの強い穂先では、ちょっとした船の揺れで仕掛けを跳ねさせてしまうなど制御が難しく、デメリットが大きくなります。穂先はしなやかでもベリーからバットにかけてしっかりと張りを持たせているので、瞬間的なスッテの加速も問題ありませんでした。

イカとのやり取り2
グラスソリッドの穂先が船の揺れを吸収してくれる。重いスッテをシャクる際はバットに手を添えるのが岩城さんのスタイル

タナや活性に応じて釣り方を変える

ケンサキイカが狭いタナで釣れ続くことがあります。このようにねらうタナが決まっているときは、ロッドのストロークだけで誘います。タナから外れてしまうのでリールは使いません。ロッドのストロークだけで誘い続けます。

たまに5〜10m巻き上げて入れ直すと効果的です。たとえば30mで釣れているときに20mまで巻き上げてから30mに入れ直すパターンで釣れるときもあれば、30mを通過させて35mまで沈めることで30mラインにいたイカが追いかけて乗ってくることもあります。誘い上げたら3~5m刻みで誘いを入れながら戻したり、いろいろなパターンを試してみてください。

指示されたタナの範囲が20~40mといった感じで広かった場合は、効率を考えて上から探っていきます。この場合は20mのすぐ上から刻みながら40mまで探り、反応がなければ20mまで誘い上げるの繰り返しです。刻む幅は3~5m。誘い上げはワンピッチで、誘い下げはリールのカウンターを見ながら行ないます。どちらも必ず誘いのアクションを入れることを忘れないようにしましょう。

イカメタルの風景2
ロッドで大きく誘い上げたら、穂先に集中しながらテンションをコントロールしてフォール

ステイの誘いの時間

仕掛けを止める時間は、単体リグなら3秒ぐらいで充分。ドロッパーの釣りの場合は20秒ほど待つこともあります。先述したようにロングステイしていてもドロッパーがイカを誘っています。これに対して単体リグはメタルスッテが止まった直後に乗らなければ、動いていないので見切られます。

活性が高いときは上から落ちてくるものに反応するので、上から誘っていくと手返しがよく、イカの活性も高くキープしたまま釣ることができます。最初に見えたものを追いかけて乗ってくるので、ドロッパーの釣りでも活性が高いときは下のメタルスッテに乗ってくる割合が増えます。単体リグでも充分釣りになる状況です。フォールの途中で抱いてくるとラインが止まって穂先から一瞬テンションが抜けるので即アワセしてください。

活性が低い時の釣り方

活性が低いときはじっくり見せられるドロッパーの釣りやオモリグが有効です。たとえ活性が低くても、止める前にしっかりメタルスッテを動かしてイカにアピールすることが大切です。

やる気のないイカにスイッチを入れるのはメタルスッテの役割です。メタルスッテを激しく動かしてイカを興奮させて、ナチュラルなドロッパーに乗せましょう。イカメタルで重要なのはメリハリです。激しく動かしてからピタリと止めることが肝要です。この止めている間に船が揺れると仕掛けが安定しません。なるべく仕掛けを暴れさせないようにするのが腕の見せどころといえます。

ケンサキイカ2
ドロッパーの釣りとオモリグにダブルヒット

掛からないときは目の前で焦らすこと

触ってくるばかりで掛からないときは、その後のフォローが重要です。まずは掛け損ねたところからテンションを抜かないよう素早く元の位置に戻します。そしてメタルスッテの単体リグの場合は、激しくスッテを動かしてイカを焦らすと止めた直後に乗ってきます。ドロッパーの釣りでもスッテを激しく動かして、充分に興奮させたところで少し仕掛けを下げてドロッパーを入れてやります。これでドロッパーに乗る可能性もありますし、メタルスッテを追いかけていって抱くこともあります。

いずれもタナがズレないようリールを巻かないことが大切です。今どきのリールはハイギアなので、数回ハンドルを回すとタナから大きく外れてしまいます。ルアーマンの方の多くはリーリングする癖がついているので要注意です。ここが明暗を分けます。

こうして午後10時半までドロッパーの釣りとオモリグで満足いく釣果を上げることができたので、ラスト1時間はメタルスッテの単体リグを楽しみました。グラスソリッド穂先のお陰で、単体リグでもコンスタントにスルメイカを掛けることができ、最後まで楽しんでロッドオフとしました。イカメタルは決して難しい釣りではありませんが、ゲーム性は抜群です。ぜひ興味を持たれた方は挑戦してみてください。

イカメタルの風景4
イカメタルゲームの基本コンセプトはケンサキイカを興奮させること。激しくメタルスッテを動かしてピタリと止める

イカメタルを始める際のアイテムの揃え方

最後に、これからイカメタルを始める人が最初のタックルを揃える上で、最低限押さえておくべきポイントを挙げてもらった。

ロッドの最初の1本は汎用性を重視

今回の釣行で岩城さんは、あらゆる局面に対応するためダイワエメラルダスMXシリーズを5セット用意した。K410LB-Sは、パワーを持たせつつ細かい誘いが入れられる超ショートロッド。どう動かしたらイカにスイッチが入るのかを追求して開発。短いながら深場でもきっちりメタルスッテを動かせる調子に仕上げてある。

K56ULB-GSとN65LB-GSはグラスソリッドトップの掛け調子と乗せ調子のロッド。汎用性に優れ、スッテの号数によって使い分ける。スピニングはK60LS-Sとオモリグ用のOR63MLS-S。K60LS-Sは20号までのスッテをキャストしたり、軽いスッテを使ったりするときに使用。

ただし、最初から複数のロッドを揃えるのは難しい。そのため、これからイカメタルを始めようという人には汎用性が高いモデルがおすすめだという。エメラルダスMXシリーズであれば汎用性が高く、操作性も抜群のN65LB-GSが最適だ。

イカメタルのベイトタックル
エメラルダスMXイカメタル。優れた実釣性能を誇るイカメタルゲームのベーシックモデル。ベイトロッドは好みで調子を掛けと乗せから選ぶ。上からK410LB-S、K56ULB-GS、N65LB-GS
イカメタルのスピニングタックル
エメラルダスMXイカメタルのスピニングモデル。上が20号までのメタルスッテを照明の外側にキャストできるK60LS-S と下がオモリグ用のOR63MLS-S

メタルスッテは20号を中心に揃える

メタルスッテは10~30号を用意したい。使用頻度が高いのは20号前後。スルメイカはケイムラ、蛍光を絡めた派手なカラーを好むので、ケンサキイカをねらうときは、逆にナチュラルで地味なカラーを選ぶ。

水深にもよるが、ナチュラルに見える代表格が赤緑と全赤。どこの釣り場でも安定して釣れるので絶対に持っておきたいカラーだ。また、明るい黄色オレンジやピンクなどを使えばスルメイカの確率が上がる。ドロッパーはジョイントがよく釣れるとのことだが、小振りのエギも用意しておきたい。

メタルスッテ-1
エメラルダス イカメタルスッテ。赤緑などの地味なカラーと、真逆のケイムラクレイジーグリーンなどの派手なカラーをそれぞれ持参したい。実釣では10 号から25号の使用頻度が高い
ドロッパー
エメラルダス イカメタルドロッパーエギタイプエメラルダス イカメタルドロッパージョイント。イカの活性を見ながらローテーションさせる
イカメタル用のリーダー
エメラルダス イカメタルリグSS は、ドロッパー仕掛け。枝スの直結仕掛けやキャスト用のショート仕掛け、ダブルドロッパー仕掛けなど、ドロッパー仕掛けだけでもバリエーションに富んでいる

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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投げ釣りの人気ターゲット「キス(シロギス)」。特に浅場に接岸する夏から初秋にかけてのハイシーズンなら、初心者でも気軽に狙える魚だが、釣果を伸ばすには「時間帯」を意識することも重要になる。この記事では、「キス釣りは昼間と夜、どちらが良いのか?」「何時ごろが釣りやすいのか?」といった疑問に回答。キス釣りの時間帯ごとの特徴と、それぞれの攻略法を詳しく解説する。

投げ釣りの人気ターゲット「キス(シロギス)」。特に浅場に接岸する夏から初秋にかけてのハイシーズンなら、初心者でも気軽に狙える魚だが、釣果を伸ばすには「時間帯」を意識することも重要になる。この記事では、「キス釣りは昼間と夜、どちらが良いのか?」「何時ごろが釣りやすいのか?」といった疑問に回答。キス釣りの時間帯ごとの特徴と、それぞれの攻略法を詳しく解説する。

まとめ◎編集部

キス釣りの時間帯は「昼間」が基本

キス(シロギス)は、明るい時間帯に活発に活動する昼行性の魚だ。そのため、昼と夜のどちらがキスを釣りやすいかと問われれば、答えは明確に「昼間」となる。

日中のキスは餌を求めて群れで広範囲を回遊しているため、この「群れ」の居場所をいかに効率よく探し当てるかが、釣果を大きく左右する鍵となる。そこで基本となるのが、仕掛けをキャストし、海底を引きずるように探る「引き釣り」だ。

この釣り方は、移動する群れを効率的に探すのに適している。特に、海底の地形が変化するブレイクライン(カケアガリ)はキスの通り道となりやすいため、重点的に攻めたい。うまく群れを直撃できれば、一度に複数匹が連なって掛かる、多点掛けが狙える点も、昼の釣りの大きな魅力である。

シロギスの釣り場
昼はキスの数釣りが狙いやすい時間帯

マズメ時もチャンス大

キス釣りにおいて、一日の中で特に釣果を上げやすいのが、朝夕の薄暗い時間帯の「マズメ時」。

この時間帯は、キスのエサの活動が活発化し、それを捕食するためにキス自身の活性も上がる。そのため、「数釣り」を楽しむなら、日中をメインにマズメ時を絡めて釣行計画を立てることで、より一層釣果アップが期待できるだろう。

夜のキス釣りは大物が狙える

一方、日中の数釣りとは全く異なる魅力を持つのが、夜のキス釣りだ。夜は数は望めない代わりに、大型キスとの遭遇率が格段に高まる特徴がある。

夜釣りで大型キスの実績が高いのには、理由がある。それは、大型になるほど、日中に釣れる小型のキスとは異なる、警戒心の強い行動パターンへと変化するためだ。

例えば、大型のキスは少ない群れや単独で行動することが多く、日中は外敵を避け、海藻や沈み根、消波ブロックなどの物陰にじっと身を潜めている。そして、周囲が暗くなり、安全を確保できる夜間に、ようやく本格的な捕食活動を始めることが多い。

夜に釣れた良型キス
夜は良型キスの捕食タイム

夜釣りでは狙い方が変わる

日中のキス釣りが、活発に回遊する群れを「引き釣り」で広範囲に探すスタイルであるのに対し、夜は狙い方が大きく変わる。

まず重要になるのがポイント選び。日中に釣果が上がるような開けた砂浜よりも、海藻や沈み根が点在する場所や、堤防の消波ブロックの際といった障害物周りが絶好のポイントになる。こうした場所は大型のキスが日中に身を潜める「隠れ家」であり、エサも豊富なため夜の捕食活動の「拠点」にもなるためだ。そもそも、外敵から身を隠しやすい障害物が多いポイントは、大型が育ちやすい環境だという側面もあるだろう。

釣り方も、有望な障害物周りをピンポイントで狙い撃つ「置き竿」スタイルが主体となる。仕掛けを投入した後は、リールのドラグを緩め、大物の豪快なアタリをじっくりと待つのが基本だ。

潮の動きも重要

昼と夜の時間帯の比較に加え、キス釣りの釣果を左右する、もう一つの重要な要素が「潮の動き」。

魚の活性は潮の流れと密接に連動しており、潮が動いている時間帯にアタリは集中する。反対に、満潮や干潮の前後で流れが止まる「潮止まり」には、食いがぱったりと止まることも少なくない。釣行前には必ず潮見表を確認し、潮が動く時間帯を狙うのがセオリーだ。

では、上げ潮と下げ潮のどちらが良いのか。これは釣り場にもよるため一概には言えないが、一般的には、潮が満ちてくる「上げ潮」の時間帯に釣果が上がりやすいとされる。潮に乗ってキスが浅場へと接岸し、活発に餌を探し始めるためだ。

キス釣りの時間帯まとめ

最後にこれまでの情報を元に、キス釣りの時間帯選びの要点をまとめた。

釣りのスタイルで選ぶ基本の時間帯

昼間: 活発な群れに当たりやすく、数釣りを楽しむのに最適。
夜: 数は期待できないが、警戒心の強い大ギスを狙う絶好のチャンス。

釣果をブーストする2大要素

マズメ時: 朝夕の薄暗い時間帯は、魚の活性が上がるゴールデンタイム。昼と夜どちらの時間帯でもマズメ時を絡めるのがおすすめ。
潮の動き: 潮が流れている時間帯(上げ潮・下げ潮)は、アタリが集中する。潮の動く時間をメインに釣行計画を立てるといいだろう。

また、上記の要素を組み合わせ「マズメ」と「潮が動く時間」が重なるタイミングを狙うのも非常に有効。キス釣りの釣行計画を立てる上で、参考にしてみて欲しい。

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フィールドの拡大に伴いますます入門者が増えていきそうなイカメタル。船からのイカ釣りは電動タックルと長い多点仕掛けが大きな障壁になっていたが、この2点を解消したイカメタルなら誰もが手軽に挑戦しやすい。今回は首都圏からもアクセスしやすい沼津でイカメタルに挑戦。当日はあいにくの雨模様となったが、シップスマストの完全防水ウェアに身を包み、ムギイカ(スルメイカの若イカ)の攻略に挑んだ。

魚が好き、釣りが好き、料理が好きな三浦愛さんが、釣ったばかりの新鮮なイカで作った箸が止まらなくなるレシピ5品をご紹介。ぜひお試しあれ!

写真と文◎三浦愛

三浦愛(みうら あい)プロフィール:海無し県出身。大学、大学院にて海洋生物学を専攻。卒業後は静岡県内の大手釣具チェーン店に就職。退職後イタリアに料理留学。海沿いのレストランにて魚料理を学ぶ。帰国後、焼津市地域おこし協力隊として活動。

調理師免許、小型船舶免許1級(特定有)、遊漁船業務主任者、海上無線、アマチュア無線、潜水士、危険物取扱免許乙種、防火管理者など多彩な資格を持つ。

レシピ本「サッと作れて本格派!鮮魚料理のすすめ とれたて魚で簡単ごちそうレシピ」が発売中。

イカの肝空揚げ

イカの空揚げも人気の定番料理ですが、こちらは肝のコクを活かしたお酒がすすむ一品で、やっぱりスルメイカがおすすめです。しっかりと漬け込むとバッチリ味が染みます!

イカの肝空揚げ

材料

  • イカ1~2ハイ
  • イカの肝1~2ハイ分
  • マヨネーズ大さじ3
  • 砂糖小さじ1

作り方の手順

1.イカの胴体は内臓を取り出し、輪切りにする。ゲソは食べやすい大きさに切ってボウルに入れる

カットしたイカ

2.肝はしごいて肝袋から出す

イカから肝を取り出す

3.ボウルに肝とマヨネーズ、砂糖、ニンニクを入れ、混ぜ合わせる

4.イカと和えたら、ラップをかけ、冷蔵庫で30分漬ける

唐揚げの材料と和えたイカ

5.ボウルに薄力粉を入れて和える

6.フライパンに揚げ油を注ぎ170℃に温めたら、からりとするまで揚げ、油切りをする

イタリア風イカのオーブン焼き

色鮮やかで食卓がパッと華やぎます。イタリアではヤリイカを使いますがケンサキイカやスルメイカでも美味しくいただけます!

イタリア風イカのオーブン焼き

材料

  • イカ1~2ハイ
  • ミニトマト5個
  • 種なし黒オリーブ6個分
  • パン粉20g
  • 粉チーズ8g
  • ニンニク1/4片
  • レモンの皮1/4個分
  • パセリ少々
  • オリーブオイル少々
  • 塩適量

作り方の手順

1.イカの胴体は内臓を取り出し、輪切りにする。ゲソは食べやすい大きさに切ってボウルに入れる
2.ミニトマトを4等分に切り、輪切りにしたオリーブと一緒に加える

材料をカット

3.粉チーズを加える

4.レモンの皮をすりおろし、刻んだパセリ、みじん切りにしたニンニクを加える

レモンの皮・パセリ・ニンニクを加える

5.パン粉を加え、オリーブオイルと塩を加え、よく混ぜ合わせる

パン粉・オリーブオイル・塩を加えて混ぜ合わせる

6.クッキングシートを敷いた天板にイカを並べ、仕上げにオリーブオイルをひと回しかけ、190℃のオーブンで20~25分焼く

イカのカクテルサラダ

あの安くて美味しいイタリアンの定番メニューをイカで再現しました!小さなイカの柔らかな食感を最大限楽しめるメニューです!

イカのカクテルサラダ

材料

  • イカ1~2ハイ
  • レタス100g(1/4程度)
  • ミニトマト3個
  • マヨネーズ大さじ2
  • ケチャップ大さじ2.5
  • 牛乳大さじ1/2
  • レモン汁小さじ1
  • ニンニクチューブ1cmくらい

作り方の手順

1.イカの胴体は内臓を取り出し、輪切りにする。ゲソは食べやすい大きさに切ってボウルに入れる

イカをカット

2.お湯を沸かしてイカを1分ほど茹でたら水で冷やして水気を切っておく

3.マヨネーズ、ケチャップ、牛乳、レモン汁、ニンニクチューブを合わせる

ドレッシングを作る

4.茹でたイカを入れて和える

5.レタスをちぎり、トマトを半分に切ってお皿に盛り付け。上からイカを盛り付ける。お好みでパプリカパウダーをかけるとさらにそれっぽくなります

イカの沖漬け

釣り人ならではのレシピ「沖漬け」も紹介。市販の沖漬けタレもありますが、タレを手作りするのもおすすめです。タレの材料は酒、醤油、みりん、砂糖の比率が1:1:1:0.5ならOKなので、たくさん作ったり少量にしたりアレンジしてみてください。

イカの沖漬け

材料

  • 酒1カップ(200cc)
  • 醤油1カップ(200cc)
  • みりん1カップ(200cc)
  • 砂糖0.5カップ
  • 釣りたての生きているイカ数ハイ

作り方の手順

1.酒とみりんを煮沸し、アルコールを飛ばしたら、醤油と砂糖を入れ、火を止める。

2.冷ましてから、冷蔵庫で冷やし、ペットボトルなどに入れてイカ釣りへ!

3.イカが釣れたらタレをタッパーやジップ付きビニール袋に入れ、イカが元気なうちに漬ける

4.帰宅する頃には味がしみ込んだ美味しい沖漬けになっていますので食べやすい大きさに輪切りにします。すぐに食べても数日漬けても美味しいですが、肝も一緒に食べる場合はアニサキスが心配なので一度冷凍します(マイナス20℃以下の温度で24時間以上冷凍することで死滅する)。冷凍した場合は半解凍の状態で切り分けましょう。

イカの沖漬け2

沖漬けイカの炊き込みご飯

ケンサキイカでも美味しいですが、スルメイカなら肝が美味しいので炊きあがりのご飯にバターと肝を混ぜるとアクセントとなります!今回は雑穀米使ってますが白米で美味しく仕上がります。

沖漬けイカの炊き込みご飯

材料

  • 沖漬けしたイカ1~2ハイ
  • 米2合
  • バター10g
  • 沖漬けのタレ大さじ1
  • 小ネギ適量

作り方の手順

1.沖漬けしたイカはツボ抜きして内臓を取り除き、胴は輪切り、ゲソは食べやすい大きさに分けておく

内蔵を取り除いたイカ

2.肝はしごいて肝袋から出す

3.お米を研いでお釜に入れ、沖漬けのタレを入れ、2合の目盛りまで水を入れる

4.切ったイカを入れ、炊飯する

炊飯器に材料をいれる

5.炊けたら肝とバターを加えて混ぜ合わせる

6.刻んだネギを乗せて完成

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

サッと作れて本格派!鮮魚料理のすすめ とれたて魚で簡単ごちそうレシピ

静岡県在住の釣りガールとして活躍する三浦愛さんは大学、大学院にて海洋生物学を専攻したほどの筋金入りの魚好き、釣り好き。そして大の料理好きとして知られます。料理好きが高じてイタリアに料理留学して特に魚料理を学びました。 そのため、とりわけイタリアンのレシピが豊富なうえに、和、洋、中、エスニックと多彩なバリエーションの鮮魚料理の数々を掲載。その多くが三浦さんのアイデアによるアレンジを加えたオリジナルレシピのため、「え、この魚がこんな料理に⁉」という驚きに満ちています。と同時に、アジのなめろう、シロギスの天ぷら、カワハギの肝和えといった定番レシピもしっかり紹介。また、テナガエビ、ワカサギ、管理釣り場のニジマスなど身近な淡水の魚も取り上げています。さらには、ゴンズイやアイゴ、ネンブツダイなど普通の料理本ではまず取り上げられないレアな魚たちのごちそうレシピも必見です。 そしてなんといっても本書ならではの特徴は、三浦さん直筆の色鮮やかなイラスト。全魚種のヒレや模様の特徴がわかるようにリアルに描かれているほか基本の魚の捌き方もイラストで分かりやすく解説。また、すべての魚の分布や生態、さらには詳しい釣り方、美味しく食べるための持ち帰り方までを網羅した、盛り沢山でお得な内容になっています。

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堤防釣りは竿1本で楽しめる!4つの仕掛けを使い分けて色々なターゲットをねらってみよう https://web.tsuribito.co.jp/seasonal/1tackle-teibou180701 つり人編集部 trend 12261050411 Thu, 17 Jul 2025 02:00:00 +0900

堤防釣りデビューに最適!人気のターゲットアジ、アオリイカ、キスを、タックルはそのままで狙ってみよう。この記事では、初心者でも分かりやすい仕掛けの選び方から、時間帯ごとの釣り方のコツまでを丁寧に解説。クーラー満タンのお土産も夢じゃないかも?

堤防釣りデビューに最適!人気のターゲットアジ、アオリイカ、キスを、タックルはそのままで狙ってみよう。この記事では、初心者でも分かりやすい仕掛けの選び方から、時間帯ごとの釣り方のコツまでを丁寧に解説。クーラー満タンのお土産も夢じゃないかも?

写真と文◎時田眞吉

堤防釣りのタックル

堤防釣りをはじめる際に用意するタックルだが、キャスティングが可能な3~4mのサオを選びたい。具体的にはエギングロッドやシーバスロッドが使いやすい。これにPEラインの1~1.5号が100mほど巻ける小中型スピニングリールをセットすればOK。フロロカーボンの1.5~2号を1mほどリーダーとして結ぶことをお忘れなく。

エギングタックル
エギングタックルなどがおすすめ

そして、必ずライフジャケットは着用するようにしたい。また、濡れていたり、ノリが付着している堤防も中にはある。そんな場所は非常に滑るため、滑り止めの靴(スパイク)が必要となる。ライフジャケット同様、釣り人の命を守るアイテムの1つだ。

気温の上昇する季節には帽子と偏光グラスは必需品。特に偏光グラスは目の保護だけではなく、海面の乱反射を防ぎ水中が見やすくなるため、ポイントを捜す場合にも役立つのだ。

そのほか、飲食物や釣れた魚を保冷しておくクーラーと氷、手を洗いたい時に海水を汲み上げるロープ付き水汲みバケツなどもあると便利だ。

堤防
手軽な堤防は海釣り入門にも最適。丸1日釣りを満喫しよう!

まずは初心者でも簡単なサビキ仕掛けでアジ狙い!

釣ってよし!食べてよし!の堤防フィッシングターゲットがアジ。GW頃から秋にかけて、関東沿岸に回遊してくる。もちろん、房総半島や伊豆半島など、潮通しのよい地域ならなおさら。東京湾内でも大黒海釣り施設や、本牧海釣り施設など、手軽な釣り場でも釣果が手にできるのだ。

ただし、いつ行っても必ず釣れるという訳でもない。アジは回遊魚。魚の群れが回ってこなければ、もちろん釣れない。いつ回遊してくるかは魚しだいなので、できるだけ回遊してくる確率の高い時間帯に釣行するのが肝心。その時間帯とは日の昇る直前と、沈む直前……そう朝夕のマヅメ時。回遊魚たちが一番活動的になる時間帯である。

投げサビキでアジをキャッチ
アジは回遊魚。群れが入ってくれば数釣りも可能

コマセなしの投げサビキで攻略

使用するのはサビキ仕掛け。一般的には寄せエサ(コマセ)を撒いてアジを寄せるが、1本の竿で様々な釣りを楽しむ今回のスタイルでは、準備の手間は最小限に抑えたい。そこで寄せエサ(コマセ)なしで投げて誘う「投げサビキ」を紹介する。そもそもサビキ仕掛けは、アミエビを模した疑似餌(ルアー)の一種であるため、コマセがなくても魚の食い気を誘い、釣果を上げることが可能なのである。

使用する仕掛けは市販品のアジねらい用でOK。ただし、注意したいのが幹イトの太さ。足元を狙う場合は細い幹イトでもいいが、投げサビキではキャスト時に切れてしまうのを防ぐため太い幹イトが望ましい。近ごろでは投げサビキ専用の仕掛けもリリースされているので、それを使うのがおすすめだ。アイテム的に魚皮とスキンをそれぞれ各1種類ずつ持参すると万全。また、市販のサビキ仕掛けはハリ数が6本前後と長いため、2~3本の枝バリをカットしたほうがキャストしやすくなるはずだ。

針のサイズは魚の大きさによって変えるほうが釣果が上がる。小アジ用の仕掛けなども持っておくといいだろう。

サビキ仕掛け
近ごろでは投げサビキ専用の市販仕掛けも手に入る

購入したサビキ仕掛けをミチイトに装着し、ナス型オモリの3~5号をセットすれば準備OK。ポイントは寄せエサを使用しないため、アジの魚影の濃い場所を捜すことが大切。基本的に潮通しがよく、水深があるところをねらう。水深のある堤防先端から外向き、コーナー部にかけては、潮の動きに変化のある1級ポイントだ。

釣り方は至極簡単。仕掛けをキャストして着水後ただ巻きするか、海底近くまで仕掛けを沈めてから、シャクって落として、シャクって落としてを繰り返して足もとまで探ってくる。基本的に、アジはサビキ仕掛けが落ちていくヒラヒラに反応して食いついてくるので、シャクってばかりではヒットは望めない。仕掛けがオモリに引っ張られて落ちる時間を与えてやることが大切だ。

アジ-1
投げて巻くだけでアジが食ってくる

アジが釣れたら、アオリイカ狙いのエギングに変更

陽が昇りアジの時合が一服したら、次のターゲットを狙う好機だ。サビキ仕掛けをエギ(餌木)に交換し、アオリイカを狙ってみよう。餌となるアジが回遊していたなら、それを捕食するアオリイカが近くに潜んでいる可能性は高い。

春から初夏にかけてターゲットになるのが、産卵を意識した大型のアオリイカだ。アオリイカは海藻に卵を産み付ける習性があるため、この時期は海藻のある場所、すなわち「藻場(もば)」が第一級のポイントとなる。四国地方でアオリイカが「モイカ(藻イカ)」と呼ばれることからも、その関係性の深さがうかがえる。偏光グラスを着用し、足元の海藻だけでなく、沖に点在する藻場まで見つけ出すことが、釣果への近道だ。

一方、盛夏には多くの地域で狙いにくくなるものの、夏の終わりから秋にかけては、その年に生まれた「新子」と呼ばれる小型のアオリイカが狙える。この時期のイカは、堤防の際や障害物周りに群れていることが多く見つけやすいうえ、好奇心旺盛なので餌木への反応もいい。サイトフィッシング(目視での釣り)で楽しめるのも魅力で初心者にもうってつけだ。

使用するエギは、2.5号から3.5号を状況に応じて使い分ける。大まかな目安として、大型が狙える春は3.5号、数釣りが楽しめる秋は2.5〜3号を主体にすると良い。カラーは、アピール力の高いピンクやオレンジといった定番色に加え、スレたイカに効くグリーンやブラウンなどのナチュラル系も揃えておくと万全だ。

エギ
エギのカラーは定番のピンク、オレンジのほか何色か用意していくとよい

エギングの釣り方

釣り方の基本は、エギが着底したのを確認してから、竿を大きく2〜3回しゃくり上げてエギを跳ねさせ、再び着底させる「リフト&フォール」の繰り返しだ。これを足元まで丁寧に探ってくる。ただし、秋なら表層に群れていることが多いので、誘い方は同じでいいが必ずしも着底させる必要はない。

一方、春の大型狙いで特に有効なのが、シャクリを入れない「ずる引き」だ。産卵を控えた大型は、海底付近をゆっくりと回遊していることが多いため、ボトム(海底)の形状をなめるようにエギを引いてくる。根がかりを防ぐため、着底後すぐに引き始めるのではなく、一度軽く竿を煽ってエギを少し浮かせ、その状態からリールをゆっくりと巻き始めるのがコツだ。ただし、海底の起伏が激しい場所では根がかりが多発するため、多用は禁物である。

アタリは、まるで海藻が引っ掛かったかのように、一瞬だけ竿先に重みが乗るのが典型的だ。シャープにアワセを入れると、生命感のある「グーングーン」というアオリイカ特有の引きが伝わってくるだろう。

アオリイカ
アオリイカのエギングはタイミングが合えば数も望める

日中は、テンビン仕掛けでシロギス狙い

さて、太陽が頭上近くになると回遊魚やイカたちの活性は低くなるが、活発にエサを食べる魚もいる、それがシロギス。特に夏から秋は数釣りが楽しめる絶好のシーズン。エギをテンビンオモリに付け替えるだけと準備も簡単だ。

しかし、本格的な重いテンビンオモリや、長さのある投げ釣り仕掛けは使えない。そこで登場するのが、釣具店に並ぶ「チョイ投げ仕掛けセット」。短めの2本バリ仕掛けに、5~8号のテンビンオモリも同封されていて、これひとつあれば、すぐにチョイ投げが楽しめる。

シロギス仕掛け
小型テンビンと仕掛けがセットになった市販仕掛けが便利

また、小型のテンビンと仕掛けを別で用意してもよい。仕掛けはシロギス専用で50本の枝バリが連結されたアイテムが使いやすい。ここから2、3本ほどのハリ数本をカットしてテンビンに結び付ければいいだけ。

キスの50連仕掛け
幹イトに50本の枝スが連結された市販仕掛け

エサはアオイソメやジャリメなどのイソメ類をハリ付けするのだが、生エサが苦手だったり、時間的に買い求められないようなら、「パワーイソメ」や「ガルプ」などの人工エサや、水で戻す乾燥イソメなども利用できる。エサの大きさはハリの大きさプラス1cmぐらい。あまり大きく付けすぎると、アタリはあるもののハリ掛かりしないので注意。

イソメ
ハリ付けするのはジャリメやアオイソメ

シロギスの釣り方

ポイントは堤防の上から海を見て判断したい。黒く見える藻場&岩礁帯と、白い&青い砂地がハッキリ見えるはず。アオリイカでは黒く見える海藻帯の際へキャストしていたが、シロギスを釣るなら、青白く見える砂地を狙うのだ。

青白く見える砂地へ向けて仕掛けを投入。スプールをフリーにしてオモリの着底を待つ。底に着けばイトの出が止まるのですぐに分かる。そこから、ゆっくりと仕掛けをサビいてくる。サビくとは底を感じながらテンビンオモリをズズッと引いてくること。リールを巻いて動かしてもいいが、サオ先でズズッ、スズッと動かしたい。こうすることで、海底のようすをサオ先で感じ取れる。

もし、ズズズッというテンビンの動き方が、ズーンと重くなったら、ヨブと呼ばれる砂浜の起伏がある証。そんな場所にシロギスたちは付いている。ヨブやカケアガリなどの変化のあるところを見つけたら30 秒ほど仕掛けを落ち着けて、魚の食う時間を作ってやるのも効果的。アタリがなければ、またズリズリとサオ先で仕掛けを動かす、この繰り返しだ。

アタリは明確で、サオ先を大きく震わせるがアワセは不要。掛かった時にテンビンの作用でハリ掛かりさせるからだ。何投かしてアタリが遠くなったら、左右にズレて探ってみると、またアタリが続くはず。

シロギス
高水温期のシロギスは数が楽しめる

そして夕マヅメのチャンスタイム到来となれば、投げサビキでアジをねらうもよし、じっくりエギングで大型アオリイカに挑むのもよし!タックル1つと、サビキ仕掛け、餌木、チョイ投げ仕掛けセット&イソメエサ……これだけで堤防フィッシングを1日堪能できるし、クーラーにはうれしいお土産も詰め込めるはず。ぜひ、お試しいただきたい。

堤防釣りの様子-1

なんでもいいから魚を釣りたいときは胴付き仕掛け!

アジも回遊せず、アオリイカの姿もない。どういうわけかシロギスも音沙汰なし。自然を相手にしているだけに、そんな場合もあり得るのだ。なんでもいいから魚を釣りたい!そんなオデコ逃れの術をお教えしよう。

まず、障害物などを隠れ家にするのが魚の習性。となれば、堤防自体が魚の付き場と考え、その周りをねらうのである。堤防の際には海草やエビ、カニなどの甲殻類、貝類などが付着している。それをエサとする魚たちは必然的に堤防の際へと集まってくる。堤防の際は、岩礁帯の海底と同じ役割を持っていると考えてよい。

そんな魚たちを手にする方法がイソメをエサにしたドウヅキ釣り。キツネバリ1~2号クラスの小バリを使ったカワハギ用の胴付き仕掛けをバッグに忍ばせておくとよい。

カワハギ仕掛け
市販されているカワハギ用のドウヅキ仕掛けがおすすめ

釣り方は、堤防の際に仕掛けを沿わせて上下のタナを探るだけ。底近くでアタリが出ることもあれば、中層でアタリが集中することもある。メジナやメバル、カワハギにカサゴなど多彩なターゲットが期待できる。

堤防際を探り釣り
堤防の際ギリギリに落とし込んで海底から宙層までを探ってみる

まとめ

今回は、エギングロッドやシーバスロッドといった竿1本と、わずかな仕掛けで手軽に楽しめる堤防釣りを紹介した。

  • 朝夕のマヅメ時は「投げサビキ」でアジを
  • アジの気配があれば「エギング」でアオリイカを
  • 日中は「チョイ投げ」でシロギスを
  • どうしても釣れない時は「胴付き仕掛け」で足元の魚を

このように、時間帯や海の状況に合わせて仕掛けを変えるだけで、1日中飽きることなく釣りを楽しめる。

もちろん、季節や訪れる堤防の特性によって狙いやすい魚は変わるため、必ずしもこの全てが釣れるわけではない。しかし、複数の仕掛けを使い分けることで、堤防釣りの楽しさと可能性は大きく広がるはずだ。安全対策を万全にしたうえで、クーラー満タンの釣果を目指してみてはいかがだろうか。

※この記事は『つり人』2018年7月号に掲載したものを情報更新・再編集しています。

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【2025年夏】シマノが電動リールのオーバーホールキャンペーンを実施!1,000円割引&先着でセーム革プレゼント https://web.tsuribito.co.jp/news/simano-overhaul2025 つり人編集部 trend 192730472285 Wed, 16 Jul 2025 04:00:00 +0900

シマノの電動リールユーザー必見!シマノが8月限定で『オーバーホールキャンペーン』を実施します。船釣りの頼れる相棒を、お得な価格でプロにメンテナンスしてもらうチャンス。期間や対象機種など、詳細をお届けします。

シマノの電動リールユーザー必見!シマノが8月限定で『オーバーホールキャンペーン』を実施します。船釣りの頼れる相棒を、お得な価格でプロにメンテナンスしてもらうチャンス。期間や対象機種など、詳細をお届けします。

文◎編集部

シマノが恒例のオーバーホールキャンペーン開催!

人気釣具メーカーの「シマノ」が、船釣りの頼れる相棒「電動リール」を対象とした、『オーバーホールキャンペーン』を期間限定で開催します。

キャンペーン期間は、2025年8月1日(金)から8月31日(日)まで。期間内に修理登録を完了したリールは、技術料が1,000円割引になるほか、先着2,000名様には、リールやロッドなど釣具のお手入れに最適な「純鹿セーム革クロス」がプレゼントされます。

また、キャンペーン期間開始前にシマノに到着したリールでも、申込書に「キャンペーン希望」と記載すれば、同様の特典が適用されるとのことです。

 

純鹿セーム革クロス

オーバーホールのメリット

リールは精密機械。目に見えない内部では、塩分や汚れが蓄積し、パーツが摩耗・腐食している可能性があります。

定期的なオーバーホールには、以下のようなメリットがあります。

  • 性能の維持・回復: 購入時のような滑らかな巻き心地や、リール本来の性能が蘇ります。
  • トラブルの未然防止: 釣行中の突然の故障リスクを大幅に減らせます。
  • 製品寿命の向上: 大切なリールを長く愛用できます。

プロによる分解・洗浄・グリスアップは、まさにリールの健康診断。ベストコンディションを保つためにも、この機会に愛機をリフレッシュさせてみてはいかがでしょうか?

シマノの電動リール

キャンペーン概要

期間:2025年8月1日(金)~2025年8月31日(日)期間内に修理登録を完了した修理品
・対象機種:電動リール(ワカサギ、ティアグラ、バッテリー、修理不能品は除く)
・キャンペーン特典1:オーバーホール技術料1,000円OFF(税抜)
・キャンペーン特典2:さらに先着2,000名様に限り純鹿セーム革クロス1枚をプレゼント
・シマノ製品取扱の釣具店様へのお預け、もしくはダイレクト修理サービスでのお預け
(期間内技術料はフルメンテナンスコース:4,400円(税込)/スタンダードコース:3,850円(税込))

シマノからの注意事項

・対象品が、キャンペーン希望をご記載の上、期間前に届いた場合、オーバーホールキャンペーン期間迄修理作業を保留させていただきます。

・対象品が、キャンペーン希望のご記載なく、期間内に届いた場合、キャンペーンのご依頼として受領させていただきます。

・期間外に届いた場合は、キャンペーン希望をご記載されていても通常オーバーホールのご依頼として受領させていただきます。

・キャンペーン対象品の修理に再生産できないパーツが必要な場合、未修理にてご返却させていただきます。また、この場合、特典はございません。

・キャンペーン対象外品で、キャンペーン希望をされた場合、通常オーバーホールのご依頼として受領させていただきます。

・期間中は、お申込みの集中が予想されます。修理用パーツ在庫の状況などにもよりますが、修理品のご返却迄多少のお時間をいただくことがございます。

・キャンペーン対象品であっても、本体のオーバーホールを伴わないご依頼(動作確認/スプール・ハンドルのみのオーバーホール)はキャンペーン対象とはなりません。

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山に入るとき、クマ対策はこれまでの知識で充分という慢心は危ない」。そう警鐘を鳴らすのは、秋田の源流を長年釣り歩き、地元のマタギとも深い交流を持つエキスパート、菅原徳蔵氏(あきた森づくり活動サポートセンター所長)だ。毎年のようにクマの出没が報じられる昨今、その生態は過去の常識が通用しないほど確かに変化しており、我々の認識も更新する必要がある。本記事では、その菅原氏の知見に基づき、現代のクマに起きている生態の変化とは何か、そして、その変化に対応するために我々が備えるべき対策と、万が一の切り札となるクマスプレーの有効性について、詳しく解説する。

「クマ対策はこれまでの知識で充分という慢心は危ない」。そう警鐘を鳴らすのは、秋田の源流を長年釣り歩き、地元のマタギとも深い交流を持つエキスパート、菅原徳蔵氏(あきた森づくり活動サポートセンター所長)だ。毎年のようにクマの出没が報じられる昨今、その生態は過去の常識が通用しないほど確かに変化しており、我々の認識も更新する必要がある。本記事では、その菅原氏の知見に基づき、現代のクマに起きている生態の変化とは何か、そして、その変化に対応するために我々が備えるべき対策と、万が一の切り札となるクマスプレーの有効性について、詳しく解説する。

菅原徳蔵◎文・写真

菅原徳蔵(すがわら・とくぞう)プロフィール:1952年秋田県平鹿郡十文字町生まれ。あきた森づくり活動サポートセンター所長。秋田・源流釣友会所属。イワナ釣り、山菜採り、キノコ採りなどに精通し、県民参加の森づくりを推進しながら、個人の体験に基づく「山釣り」の素晴らしさについてもウェブサイト:山釣り紀行/自然と人間と文化を考えるなどで情報を発信している

低下するクマへの抑止力

2016年5~6月にかけて秋田県鹿角市十和田大湯でタケノコ(チシマザサ・ネマガリタケ)採りの男女がツキノワグマに次々襲われ、4人が連続して遺体で発見される事件が発生した(十和利山熊襲撃事件)。6月10日に射殺されたクマの胃の内容物を調べた結果、タケノコに混じって人のものとみられる肉片や髪の毛が見つかった。第一犠牲者の遺体は、食害で損傷が激しく、遺族は警察から見ないほうがいいと言われたという。第二犠牲者から第四犠牲者は、人の味を覚えた「人食いグマ」に次々と襲われ食べられたとみられる。

秋田はマタギの本場であるが、その本場で起きた衝撃は大きかった。しかし「マタギはもう絶滅危惧種」といわれたのは、2001年に開催された「第12回マタギサミットin 阿仁」でのことだった。一般質問に移ると、意外にも会場からマタギの有害駆除に疑問を呈する発言が出た。その反論は、「かつて40万人もいたハンター(第1種銃猟)が、現在では17万人まで激減、その年齢構成は60歳以上が大半を占め、加速度的に高齢化が進行している。このまま推移すれば、10年後が恐ろしい。マタギこそ、絶滅危惧種だ。」……。

あれから長い年月が経過したが、ハンターはさらに半減し、高齢化が進行。クマに対する抑止力が大幅に低下していただけに、恐れていたことが現実になった感が強い。

クマの爪
人身被害の多くは、この強力な爪による裂傷である。馬の太い首を一撃でへし折るほどの能力がある

クマ被害増加の原因は?

全国的に相次ぐクマの異常出没、人身事故の多発。その背景は、単にブナの実やドングリの豊凶だけでは説明できない。農林業の急激な衰退、狩猟者の激減・高齢化、65歳以上が半数以上を占める限界集落の拡大、空家の増加・廃村化など人間側の急激な変化にあることを見逃してはならない。なかでも里山の荒廃と耕作放棄地の拡大、廃村化=「自然からの撤退」は、クマの生息適地の拡大に直結する。このことにいち早く気付いたマタギたちが、「人を恐れないクマが我々の生活圏に近づいている」と語る理由である。

そんな人を恐れない「新世代のクマ」が、奥山から里山へと生息域を拡大。その延長線上でツキノワグマによる4人連続殺害事件が起きたと考えられる。だからクマ対策を考える場合、「クマのほうが先に人間の存在を察知し逃げる」といった昔の話が通用しない時代に入ったといえる。だからといってクマを過度に恐れる必要はない。まずはツキノワグマの基本的な生態を知ることに加え、これまでより「積極的な被害防止対策」を講じさえすれば、充分共存できる。ご安心を。

クマの足跡
谷沿いに続く杣道を堂々と歩いているクマの足跡

クマの生態と四季の行動

クマが棲む森は、ブナ・ミズナラ等の落葉広葉樹で代表される冷温帯林の分布とほぼ一致。秋田県では、イワナの生息分布とクマの生息分布がほぼ重なっているので、イワナ釣りの場合はクマ対策が必須である。さらに日本クマネットワークなどの調査によると、里山の荒廃が進むにつれて、クマの生息分布域が奥山から里山へと拡大していることが明らかになっている。

白神山地の森
イワナはクマの棲む森にいる。充分な知識と準備によって釣りを楽しく安全なものにしたい(写真は白神山地)

冬~春

クマは、一般に11月中旬から4月下旬まで約5ヶ月間越冬する。穴から出るのは4月中旬~5月上旬頃。その年に出産したばかりの親子は一番遅く、山が新緑に包まれる5月下旬頃といわれている。穴から出ると、雪崩地に集まり、前年に落ちたブナの実やドングリ、雪崩にやられたカモシカの死骸などを食べる。

カモシカの毛が混ざったクマのフン
カモシカの毛が大量に入ったクマの糞

山中でクマがカモシカを食べた残骸を数例見たことがある。最初は内臓を食べ、草木を被せて隠しておく。そしてすべて食べ尽すまで何度もやってきて食べている。最後に残るのは、食べられない骨と皮、ヒヅメだけである。その周辺には、何度も来て食べた証として、カモシカの毛が入った糞が幾つも残っている。

クマに食べられたカモシカの食痕
クマに食べられたカモシカの食痕

肉が容易に手に入るのであれば、植物より肉がいかに好きであるかが分かる。なお、十和利山熊襲撃事件でも、クマが後で食べるために遺体を草木で隠していたという。食べ方は、カモシカも人間も同じであることが分かる。一方、1990年頃から20年ほどで「シカが日本の自然を食べ尽す」といわれるほど、ニホンジカが爆発的に増加している。

「マタギサミット」では、クマがシカを襲って食べるケースが増えていることが報告された。こうしたクマの肉食化が進めば、人を襲って食べることにもつながるのではないかと懸念されていた。もともと、ツキノワグマは、「食肉目クマ科」で、歯の構造、消化器系は肉食向けにできているからである。

ツキノワグマ-1
もともと「食肉目クマ科」で、歯の構造、消化器系は肉食向けにできている(写真は北秋田市阿仁クマ牧場くまくま園のツキノワグマ)

5月下旬頃からタケノコが生え出すと、クマは、1ヶ月余りにわたってタケノコを主食に食べ続ける。一方、タケノコ採りは、雪国で人気が高く、クマによる人身事故が最も多い。クマは好物を夢中で食べている時は、人の接近になかなか気づかない。さらに、繁殖期で気が立っているうえに、笹薮で遭遇すれば逃げ場を失い攻撃してくる可能性が高い。この時期の渓流釣りは、沢沿いのチシマザサ群落、エゾニュウ、フキ群落なども要注意。

たけのこを食べているクマのフン
100%タケノコを食べていたクマの糞

7~8月、タケノコのシーズンが終わると、クマたちは再び沢に集まる。エゾニュウやミズ、フキなどを食べる。特にエゾニュウが大好きで、この時期、沢を歩けば、あちこちで植物が倒れ、クマが食べた食痕や足跡、クマ道が至る所に出来ている。

エゾニュウのクマの食痕
夏、クマがエゾニュウを食べた食痕

さらにこの時期のクマの活動時間帯は、朝4時~7時、夕方5時~9時と朝夕に集中する。渓流釣りに山に入る人は朝夕が最も釣れる時間帯だけに、クマ対策は必須である。

エゾニュウ
エゾニュウの群生。秋田では「ニョウサク」と呼ばれ人気の高い山菜で、クマも非常に好んで食べる

秋はドングリ類とクリ。クマ棚は、ウワミズザクラ、ミズキ、オニグルミ、ミズナラ、クリなどの実を食べるときにできる。この時期、クマたちは、冬眠に備えて行動範囲が一気に広がる。それだけ、渓流釣りとキノコ採りは危険な親子グマに遭遇する確率も高くなるので、特に注意が必要である。

マタギサミットの様子

近年のクマの変容についても話題になったマタギサミット。発言しているのは、阿仁マタギの松橋吉太郎さん

木の実が豊作の翌年は親子グマに注意!

クマは、初夏の繁殖期に受精卵がすぐに着床しない。11月頃、脂肪を充分蓄えられると着床、妊娠する。凶作だと着床せず、流産する。これは冬眠中に母子が共倒れするのを防ぐためだといわれている。だから、ブナの実やドングリ類が大豊作の冬にはベビーラッシュになる。加えて木の実が豊作の翌年は、決まって凶作になる。

だから、豊作の翌年は親子グマの出没に注意しなければならない。母グマは、人と出会っても子グマを助けようと決して逃げない習性がある。特に母グマと子グマの間に入れば、攻撃される確率が高いので注意が必要だ。

基本となるクマ被害の防止策6選

一般的なクマ対策には、「山中でフンや足跡などの痕跡を見つけたらすぐ引き返す」とあるが、それができない状況ではどうすればいいのか。

以下は基本となるクマ被害の防止策だ。

1.一人ではなく複数で行動すること

2.音で自分の存在をアピールすること。クマ避け鈴や爆竹、笛などを持参

3.残飯や生ゴミは絶対に捨てないこと。穴を掘って埋めても掘り返されるので必ず持ち帰る。餌付いたクマは、人間に寄ってくるので危険

4.臭いでアピールすること。腰に下げる「蚊取線香」も有効。夏は虫よけとクマ避けの一挙両得のアイテムになる

5.危険なクマの出没警報が出されている周辺には、絶対に立ち入らないこと

6.「クマ撃退スプレー」を携帯すること。なぜなら1~5までは、クマとの遭遇を回避する対策だが、近年、そうした対策をとっていても、危険な親子グマや残飯などに餌付いたクマ、人を恐れなくなった新世代のクマと遭遇し、人身事故を起こすケースが増えているからである

クマ対策アイテム
左から爆竹、笛、クマ避け鈴、クマ撃退スプレー

クマ撃退スプレーは必須装備

クマの走る速度は、時速40km以上(100mを9秒)。逃げる者を追う習性がある。だから背を向けたり、走って逃げるのは自殺行為。何より、冷静さを保つことが第一である。そして慌てず、騒がず、クマと向き合ったまま静かに後ずさりして離れるのが基本中の基本である。

しかし頭では分かっていても、いざクマと遭遇すれば、武器なしに冷静な対応をとることは困難である。特に子グマを守ろうとする母グマの威嚇音は地鳴りがするほど凄まじい。その震え上がるほどの恐怖には、誰しも冷静さを失うであろう。だから山に入るときは、「クマ撃退スプレー」を持参するのをおすすめする。私は山釣りの際に、北海道のヒグマ対策はもちろん、北東北ではクマの異常出没が始まった2004年頃から常に腰に下げている。

クマ撃退スプレー
真ん中がストロンガータイプのクマ撃退スプレー、右が腰に下げるための専用ホルスター

実際にクマ撃退スプレーで撃退

私はこれまでヒグマに1回、ツキノワグマの親子グマに2回、オスの成獣に3回ほど遭遇しているが、いずれもクマ撃退スプレーを携帯していたお陰で、無用なトラブルを起こすことなく助かっている。知床財団では、ヒグマに対してクマ撃退スプレーを何度も使用し、効果的にヒグマを追い払っているという実績もある。今のところ、これに勝る武器はないだろう。

そして、万一クマが襲ってきたら、死んだふりはダメである。なぜなら、クマは「食肉目クマ科」。死んで腐った肉でも食べる習性があるからだ。ただし、クマが満腹の場合は助かるかもしれないが……。

先の尖った山刀などで応戦して助かった事例もあるが、一般的にはやはりクマ撃退スプレーが有効といわれている。唐辛子の成分で目や鼻、のどの粘膜を刺激し撃退する。

だからねらう場所はクマの顔である。ただし、噴射時間は約5秒、距離は風の具合にもよるが、約5~7m程度(もっと射程距離が長いタイプも売られている)。できるだけ引き付けて、正確に噴射するには、イメージトレーニングが必須である。なお、耐用年数が切れたら、実際に噴射してみることをおすすめしたい。その威力を実際に体感することが大切である。

クマ撃退スプレーの噴射シーン
クマ撃退スプレーは期限切れのもので実射テストしておくとよい

今や山に入る際は、クマとの無用なトラブルを避けるために。クマ避け鈴や笛で音を出すとともに、クマ撃退スプレーの携帯を心がけるべきである。

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近年のイカメタルフィールドで熱視線を集めている三陸。スルメやヤリに加えケンサキも回遊するようになった昨今、今シーズンはどうなるのか?釜石市の小白浜港「健勝丸」に通い込む宮城在住のエキスパート大槻辰也さんに3種のイカのメソッドと三陸の海の魅力を聞いた。

近年のイカメタルフィールドで熱視線を集めている三陸。スルメやヤリに加えケンサキも回遊するようになった昨今、今シーズンはどうなるのか?釜石市の小白浜港「健勝丸」に通い込む宮城在住のエキスパート大槻辰也さんに3種のイカのメソッドと三陸の海の魅力を聞いた。

写真と文◎編集部

三陸のイカメタル

親潮と黒潮の境目となる三陸沖は世界三大漁場のひとつといわれる。スルメイカ、ヤリイカの好漁場であり、近年は初夏から夏にケンサキイカも回遊している。大船渡から宮古にかけてはイカメタルを楽しめる船宿も多く、週末は満船の活況を呈す。釜石市小白浜港の遊漁船「健勝丸」の千葉健太郎船長は言う。

「私が遊漁船を始めたのは6年前です。その頃は春から初夏といえばサクラマスジギングがよく釣れていましたが、近年はサクラマスが低調で代わりにケンサキイカが湧いてきました。イカメタル人気も後押しして夕方からの便と深夜から明け方までの2便を出して営業するくらい賑わっています」

昨年はゴールデンウイークの終わり頃からケンサキイカが釣れ始めていたが、今年は6月半ばまで海水温が14℃台と低く不安定のまま推移。ケンサキの姿は確認できていないそうだ。要因として考えられるのは黒潮大蛇行の終息だという。

千葉船長によれば「今年の冬は水温がしっかり下がってワカメの生育もよく、ウニも多く獲れています。従来の三陸の海が戻ってきた感じもしますね。一方、これまで黒潮の影響で入ってきたケンサキイカの姿は見られません。今年の回遊がどうなるかまだ予測ができない状況です」と話す。

ケンサキイカはいなくとも三陸の海のポテンシャルは高い。6月上旬からムギイカ(小型のスルメイカ)の接岸は始まっている。例年7月以降になればスルメイカサイズが三桁超と凄まじい釣果が出る。

10月以降はヤリイカの本格シーズンを迎え、これまた奥深い釣趣が人気。そんな三陸のイカメタル事情に精通する宮城県在住のエキスパート、大槻辰也さんに当エリアの釣りの勘所を聞いた。

ケンサキイカ
昨年は5月からケンサキイカのシーズンが始まった

三陸イカメタルのタックルと仕掛け

大槻さんは八郎潟を中心にバス釣りを楽しみ、オフショアの三陸ロックフィッシュにも熱い。イカメタルを始めたのは6年前。ヤリイカの時期にスタートして「出ないアタリをいかに取るか」という繊細さに魅せられた。

「遊漁船の多い大船渡から宮古の船宿は概ね水深60~90mの湾内にアンカーリングして夜焚きをします。潮は概ね緩く8~30号まで用意しますが20号のメタルスッテが主力です」

ロッド

そう話す大槻さんは2本のタックルを用意する。20号のメタルスッテには柔軟性のあるロッド、25号のメタルスッテにはやや張りが強めのロッドである。大槻さんが今冬のヤリイカシーズンから愛用しているのはプロトロッドのエクリプス「アクシアトラックATIC-654M-S」。携帯性に優れた4ピースのモバイルロッドながらバットには張りがあり、操作性は高い。蛍光イエローのティップが見やすく目感度に優れる。

またケンサキ、ムギ・スルメのシーズンはキビキビとした操作がしやすいマルイカロッドの「KEINON TEUTHIDA N155」を活用。疲労感の少ない5フィート5インチのロッドで張りがしっかりありながら、ティップは繊細で軽快に使えるという。

アクシアトラックATIC-654M-S
最大の特徴は4ピースであること。イカメタルの釣り場は地方に集中しており、遠征ファンも少なくない。携帯性に優れつつバットに張りのある7:3調子は操作性が高く充分に使えるという

リールとライン

リールはカウンター付きの小型ベイトリール。PEラインは0.4号。リーダーはエステル3号を80~90cm取り、幹イトもエステル3号、ドロッパーの枝スはエステル4号で長さ5~7cm。伸びの少ないエステルを随所に組み込んでいるのは繊細なイカのタッチを感知するためである。

メタルスッテとドロッパー

基本はメタルスッテと浮きスッテの2段仕掛けで釣る。乗る色が定まっていない時や底潮が速く重いメタルを使いつつもゆっくりとフォールさせたい時は浮きスッテや小型のエギを2つ付けた3段仕掛けにする。

イカメタルの仕掛け
ドロッパーを2段にした仕掛け。メタルスッテから一段目の浮きスッテまでは70cm、2段目は50cm距離を取る

浮きスッテのドロッパーの枝スの長さも重要。潮がかっ飛んで速い時は長くし、ムギイカやスルメイカねらいでキビキビと動かしたい時は1cm以下に短くする。三陸の海で揃えておきたいスッテやエギのカラーを聞いてみると「ピンク、黄色、紫」とのことである。

UVカラーのスッテ
アピール度が足りない時はグローのスッテも試す

誘い方が異なる3種のイカ

続いて大槻さんの釣り方の概要をイカの種類別にまとめていく。

ムギイカ・スルメイカ

三陸では6~8月がシーズン。「スルメは縦に群れが散らばる」と言いボトムから水面下10mまでの全層を探ってアタリダナを見つける。

「ステイの時間は短く、ピッチの速いシャクリで追わせて追わせて乗せることが多いです。ロッドのリフト&フォールで探ることもありますが、リールをデジ巻きする小刻みな誘いもムギイカねらいでは多用します。疲れにくく効率的にタナを探れておすすめです」

イカメタルの誘い
リールを1/4回転ずつ巻くようなデジ巻きによるタナ探りもムギやスルメには効果的だ

スルメイカの性格は獰猛だ。穂先をグイと締め込むほど明確なアタリが出やすいため、ヤリやケンサキに比べタナを当てるのもイージーである。

「ムギイカはベイトに誘われ水面まで浮いてくる群れもいますが、見えているイカを乗せるのは難しい。乗るのは水面下10mくらいまで。時には仕掛けが落ちないくらい濃密な群れがいます。200パイという凄い釣果も出るイカで引きも強いので腕がパンパンになりますよ(笑)」

ムギイカ
ムギイカは6~ 7月の主役。速いピッチで全層を探りアタリダナを見つける

ケンサキイカ

三陸では6~7月がシーズン。全層を探るのはスルメイカと一緒だが、水面直下でも乗ってくる。スルメイカよりはピッチはゆっくり。上げのアクションで誘いフォールで乗せる。

「ゼロテンフォールを意識して織り交ぜ、10秒くらいのステイもよくします。抱かせの間をしっかり作ってやるのが重要です。スルメよりはおとなしめの誘いを心がけてください。時にはサイトフィッシングもできるのがケンサキです。浮いたイカを釣る時はメタルスッテを8号まで軽くしてチョイ投げし、カーブフォールで乗せます。胴長40cmのダイケンが水面直下で釣れたこともよくあります。ムギやスルメの泳層とケンサキの泳層は異なることが多く、日並によって群れの入り方も違います。私は2日連続で釣りをすることもありますが、スルメばかりだった日の翌日にケンサキしか釣れないことも多々あります。初夏から夏はどちらのイカが回遊するのか分かりません。ケンサキイカは突然入って突然消えます。私がイカメタルを始めた当初はポツポツと混じる程度だったのが、3年前から大量に乗るようになりました。今夏の回遊は水温の上がり方しだいで分かりません」

ヤリイカ

三陸では10~1月がシーズン。ボトムから離れにくくタッチも繊細なのが特徴だ。「ボトム中心に探ってタナは上げても底から6mないし10mまで。タナがとてもシビアでたとえば64mの水深で62mラインでしか乗らないこともあるんです。タナが数mズレただけでビタッとアタリが消えるくらい泳層が限定される。
12月以降の後半戦はパラソル級もよく混じり、強い引きが味わえます」

イカメタルで最重要項目はタナ合わせである。カウンター付きリールを活用し、ラインの水深マーカーを覚えておくのはもちろん、周囲との情報共有もするとよい。周囲とタナを合わせることで群れがバラつかず濃密になり釣果も持続しやすくなる。

「三陸沖ではどのイカも比較的ボトム付近で釣れやすいと感じます。タナが分かりやすいのでビギナーでも釣果を出しやすい。7月には水温も安定してイカの群れも安定します。シンプルで奥深い。美味しいイカがたっぷりと釣れる三陸の海をぜひとも味わって欲しいです」

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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漁火を焚いたイカ釣り漁船から、エギングタックルでの遊漁スタイルに移行する

漁火を焚いたイカ釣り漁船から、エギングタックルでの遊漁スタイルに移行する黎明期まで日本海でケンサキイカを追い続けていたのがイカ先生こと富所潤さん。今回はそんなイカ先生が、ケンサキイカというターゲットの魅力に始まり、人気の「イカメタル」における釣り方、タックル(ロッド・リール・仕掛け)、釣果を左右するドロッパーの選び方、そして近年注目の「オモリグ」との使い分けに至るまで、あらゆる疑問にQ&A形式で答える。

まとめ◎富所潤

富所潤(とみどころ じゅん)プロフィール:イカ先生の異名を持ち、イカ先生のYouTube『イカ先生チャンネル』ほか各種SNS で情報を発信中。医療×釣り×健康を掲げる株式会社メフィス代表。「より深い知識を得たい!直接質問したい!そんな方はイカ先生のオンラインサロン『イカ先生のフィッシングクリニック』へ」

Q1.ケンサキイカはどんなイカですか?

A.剣のような形状のイカです。

分布と生息環境

日本列島周辺(主に東北から九州)、東シナ海、朝鮮半島東岸などに広く分布します。温暖な海域を好み、適水温は15~25℃。生息環境は水深10~100m前後の沿岸から外洋にかけて。昼間は深場に潜み、夜間は表層近くに移動する昼夜深浅運動(学術的には日周鉛直移動と言う)を行ないます。

形態と特徴

体型は細長い流線型。オスのほうがやや大きくなります。成体の外套膜長はメスで20~30cm、オスで30~45cm程度。剣のような形状から「ケンサキイカ」と呼ばれます。ヤリイカに似ますが、ヤリイカより触腕は太くて長いです。

食性

肉食性で、小魚(イワシ、カタクチイワシなど)、甲殻類、プランクトンなどを捕食。鋭いクチバシと触腕を使って素早く獲物を捕まえます。

繁殖

産卵期は地域により異なりますが、主に春~初夏(4~6月)、潮通しのよい砂地に産卵します。南日本では冬にも産卵が見られます。寿命は他のイカ類同様に約1年と短く、産卵後に多くの個体が死にます。
行動と習性群れを作って泳ぐことが多く、夜間に活発に行動します。

ケンサキイカの活きづくり
美味イカとして知られているケンサキイカ

Q2.ケンサキイカ以外の呼び名はありますか?

A.全国でたくさんの呼び名があります。

ケンサキイカ(学名:Uroteuthisedulis)は日本各地で広く漁獲されており、地域によってさまざまな地方名で呼ばれています。

北海道:マイカ、シロイカ
東北:マイカ、シロイカ、ケンサキイカ
関東:マルイカ、ケンサキイカ、ジンドウイカ、アカイカ
北陸・東海:マイカ、アカイカ、シロイカ
近畿:シロイカ、ケンサキイカ
中国・四国:ケンサキイカ、ケンイカ
九州:ヤリイカ、アカイカ、ケンサキ、シロイカ

身近なイカゆえ、このほかにもまだ多くの呼び名があるので間違えないようにしなければいけません。例えば福井県ではマイカと呼ぶことも多いですが、関東でマイカと言えばスルメイカのこと。福岡県ではヤリイカと呼ぶ地域もあり、標準和名のヤリイカと混同しがちです(ちなみに福岡県では標準和名ヤリイカのことはササイカと呼びます)。

このほかアカだったりシロだったりと頭が混乱しがちですが、いずれも正式な標準和名は「ケンサキイカ」です。船宿に問い合わせるときは「それはケンサキイカのことですか?」と確認すると間違いないでしょう。

イカメタルで釣れたケンサキイカ1
釣りたては赤い色の個体もいる

Q3.イカメタルとはどんな釣りですか?

A.ツツイカ系のイカの繊細なアタリの見極めが楽しめる釣りです。

メタルスッテという金属製のイカヅノや、浮きスッテやエギなどを使って船からイカをねらう釣り方です。ケンサキイカのシーズンは地域にもよりますが5~11月で夏~初秋がケンサキイカ、ヤリイカ、スルメイカなどツツイカ目のピークです。

釣り座の決め方は予約順、船長指定、乗船時にくじ引きやじゃんけんなど船によって異なります。どこを選んだらいいかわからない方は船尾や中央を選ぶと、船長やスタッフのサポートを受けやすいでしょう。
釣りする時間は夕方~深夜(16~24時、場所によっては深夜2時まで)のため、夕暮れ前の16~18時に出港します。ポイントに到着したらアンカーで船を固定して集魚灯を点灯します(地域によってはパラシュートアンカーの場合もあり)。このように漁火を焚いてイカを寄せる漁法は古来からあり夜焚きとも呼ばれます。

魚群探知機でイカの反応(もしくはエサとなる小魚の反応)を確認した船長から「30mで反応あり」などのアナウンスがありますので、その指示ダナまで仕掛けを落とし、1m刻みで指示ダナを探ります。底付近にいることも多いため反応が悪ければ中層から底層を重点的に探りましょう。逆に、集魚灯に引き寄せられ、プランクトンや小魚を追って表層~中層に集まることも多いのが特徴です。かなり上下運動を繰り返すイカなので浅場から深場まであらゆるタナをねらうことが重要です。

釣れるピークは暗くなってイカが活発に捕食し始める19~22時のことが多く、釣果や客の希望に応じて23時~深夜に帰港するのが一般的です。

イカメタルの船
エリアや船によって集魚灯の種類は様々

Q4.夜焚きが効くメカニズムを教えてください

A.人工的に食物連鎖のピラミッドを作ります。

ケンサキイカは、昼間は水深50~100mの深場に潜んでいますが、夜になるとエサを求めて表層(水深10~50m)に上がる昼夜深浅運動をします。また、ケンサキイカは光に集まる性質(正の走光性)を持ちます。プランクトンや小魚が光に集まると、それを追ってケンサキイカも集まります。この2つの習性を上手に利用した釣りが夜焚きです。

ケンサキイカの夜釣りには強力な集魚灯(LEDやメタルハライドランプなど)を使って海面を照らします。これにより、まずプランクトンや小魚が集まり、その後にそれらをエサにするケンサキイカが集まってきます。つまり、船の周りに人工的に食物ピラミッドを作るイメージで、特に青白い光や緑色の光が効果的とされます。

ただしケンサキイカは夜になると表層・中層・底層などさまざまな層で捕食するため、その日、そのタイミングで適切な水深に仕掛けを送り込むことが重要。船の流し方・潮流・水深などに応じてオモリの重さを調整する必要があります。

魚探
集魚灯の効果で人工的に食物連鎖のピラミッドが完成

夜釣りの有利な点

イカの活性:夜間はケンサキイカの捕食活動が活発化します(夜行性)。
視覚的効果:暗闇で集魚灯がイカを引き寄せ、釣り人の仕掛けが目立ちやすくなります(満月回りの釣果が落ちやすいのは光が分散するため)。
競争の少なさ:昼間に比べ、他の魚種の干渉が減ります。

Q5.西日本の日本海側で盛んなイメージですが、東日本や太平洋側でも釣れますか?

A.日本全国で楽しめます!

地球温暖化の影響や黒潮の蛇行により親潮の影響が弱まり、一方で黒潮の勢いが強まったため東北の水温が著しく上がる現象が起きました。そのため以前は生息がほとんど確認されていなかった東北エリア(宮城県、岩手県、青森県)でもケンサキイカが確認されるようになりました。特に宮城県、岩手県では日本海エリアと同等、日によってはそれ以上の釣果が出ることもあり我々の想像以上の分布拡大が進んでいます。

東北

岩手県、宮城県を中心に分布が拡大。遊漁船の多いエリアでは釣果が見られるが、今後はさらに拡大されることが予想され、今最も注目を集めている地域。シーズンは6~9月。

主なポイント:岩手県=宮古から大船渡周辺。宮城県=南三陸町や石巻周辺。

関東

東京都、千葉県、神奈川県は規則により集魚灯を使用した夜釣りが禁止されているため、日中のマルイカ船はありますが夜のイカメタル船はありません。このため千葉県より北に位置する茨城県や、神奈川県の南に位置する静岡県で楽しむことになります。以前は茨城県ではスルメイカ、アカイカ(現地名:ムラサキイカ)、スジイカねらいが盛んでしたが、2021年頃よりケンサキイカがねらって釣れるようになりました。シーズンは6~9月(特に夏)。

主なポイント:茨城県:日立や鹿島、大洗沖。

北陸・東海

最も盛んなエリアのひとつ。特に福井県・石川県は日本海側有数のイカメタルスポット。シーズンは5~9月(日本海側は夏、富山は冬。太平洋側は秋も好調)。

主なポイント:福井県=敦賀、小浜、越前海岸、三国・鷹巣エリア。石川県=加賀・金沢~中能登能エリア。富山県=入善・富山市エリア。静岡県=伊豆半島西岸(沼津、土肥や戸田)、駿河湾全般。三重県=紀北町~尾鷲エリア周辺。

イカメタルの様子
関東周辺では茨城以外に駿河湾でもイカメタル船が出船している

近畿

日本海側で大型ケンサキイカがねらえます。太平洋側の和歌山県ではサイズはやや落ちるものの安定して釣果が出ます。シーズンは6~9月。

主なポイント:京都府=舞鶴、宮津、丹後半島沖。兵庫県=香住、浜坂沖。和歌山県=田辺~串本周辺、太地沖。

中国・四国

最も盛んなエリアのひとつ。特に鳥取県・島根県は船も多くファンも多い。シーズンは5~9月。

主なポイント:鳥取県・島根県=どちらもエリア全般どこでも釣れます。山口県=萩、宇部沖(日本海側)が盛ん。愛媛県=宇和島沖、松山沖、豊後水道に出る船も多い。高知県=未開拓ながら室戸岬、足摺岬沖でイカの生息は確認されておりこれから要注目のエリア。

九州

温暖な海域でケンサキイカが通年釣れる地域も。玄界灘や対馬海峡が有名。シーズンは5~11月(地域により冬も可)。

主なポイント:福岡県=玄界灘(壱岐、対馬沖)。佐賀県=唐津、呼子沖。長崎=五島列島、平戸沖。熊本県=天草沖。鹿児島県=日本海側全般、甑島。

Q6.マルイカ釣りとタックルや仕掛けが異なるのはなぜですか?

A.日中の深場と夜の浅場の違いです。

関東では日中にねらうマルイカ船が主流ですが、こちらはドウヅキスタイルです。対して今人気になっているイカメタルゲーム(メタルスッテゲーム)は同じドウヅキでも枝スは1~2本、オモリも軽めです。なぜ仕掛けが異なるのかと言うと、これは釣りの生い立ちの違いと時間帯の違いがあります。

関東でねらう昼のマルイカは、群れを見つけてそこに仕掛けを落とすスタイルで、群れが抜けたら再度船で探索します。このためオモリを重くする必要があり、群れに仕掛けを直撃させないと釣れません。イカメタルゲームのように沈下が遅い仕掛けは向かない傾向にあり、水深が深いほど仕掛けが到達する前に群れが抜けてしまいます。

一方、日本海側の夜のケンサキイカ釣りも以前はドウヅキ仕掛けが主流でした。そこにゲーム性を求めるようになり、タックルを簡略化(ツノ数を5~7本から1~2本へ)、誰でも手軽に楽しめるスタイルに変えていきました。

イカメタルゲームは集めたイカをどう釣るかが醍醐味ですので、早く仕掛けを落とす必要はなくじっくり誘うことが可能です。このため道具や仕掛けのバリエーションが多くなり、よりゲーム性が高くなったという歴史があります。

ロッド

マルイカ:マルイカ専用ロッド(4〜5フィート、UL~Lクラス)。
・特徴:深場の底付近を釣るため底立ちを正確に取れる感度。小型がメインでアタリが小さいため微妙なアタリを捉えることができる軟らかく繊細な穂先を備えて軽量であること。

ケンサキイカ:イカメタル専用ロッド(5~7フィート、ML~Mクラス)。
・特徴:ケンサキイカは大型で力強く、集魚灯下では表層~中層での素早い誘いが重要になるのでやや硬めで適度な張り。アクションを加えやすい操作性。

仕掛け

マルイカ:マルイカスッテ(3~7cmの小型スッテを3~7本、40~80号のオモリ)。
・特徴:軽量で浮力のあるプラスチック製の浮きスッテや沈みスッテを使用。多点掛けをねらうため仕掛け全長が長い。

ケンサキイカ:メタルスッテ(5~10cmで重さ10~30号の鉛製の疑似餌)。
・特徴:鉛スッテ単体またはドロッパーと呼ばれる小型の浮きスッテやエギを枝スに付けます。メタルスッテは重く、素早く沈むためオモリの役割を果たすと同時にエビや小魚を模した形状でケンサキイカの捕食本能を刺激します。

イカメタルで釣れたケンサキイカ3
メタルスッテで釣れたケンサキイカ

Q7.スピニングタックルとベイトタックルの使い分けを教えてください。

A.キャストと軽い仕掛けの扱いはスピニングが有利。

スピニングタックルのメリットは軽量で操作性がよいことと、バックラッシュの心配がなくキャストも容易なことです。集魚灯の光圏外などの広範囲に仕掛けを送り込む場合に有効で、10~15号の軽いスッテを使い、表層~中層(10~30m)をゆっくり誘う釣りに向いています。

オモリグ専用ロッドを用いれば30~50号のオモリも使用可能です。デメリットは深場(50m以上)や重いスッテ(30号以上)では持ち重りしやすいこと。ベイトタックルに比べ、巻き上げ速度やパワーがやや劣る点です。

ベイトロッドのメリットは穂先が繊細でも胴に張りがあり、重いスッテの操作に適する点。ベイトリールのメリットはカウンター付きモデルが多く、水深を正確に把握可能なこと。船の真下や集魚灯の光圏内への落とし込みやリフト&フォールに特化し、重いスッテ(20~30号)や深場(40~80m)や潮流の強いポイントでも巻き上げが楽。

デメリットはキャストの難易度が高くバックラッシュのリスクがあること。このため明かりの外側にいるイカにアプローチしにくく、特に軽いスッテ主体の釣りではスピニングのほうが扱いやすいといえます。

釣り座船首や広範囲を探る場合:スピニングタックル。光圏外や潮上をキャストでねらいます。
船尾や光圏内のピンポイントねらい:ベイトタックル。集魚灯直下で高感度な釣り。

ライン

スピニングリール(2500~3000番):PE0.4~0.8号(200m以上)+フロロカーボンリーダー3~5号を1~2m。

ベイトリール(150~300番):PE0.4~0.8号(200m以上)+フロロカーボンリーダー2~3号を1~2m。

スピニングタックルの一例

ロッド:シマノ/セフィアXRメタルスッテ(ML~M)
リール:シマノ/セフィアXRC3000SDH
ライン:PE0.6号+リーダー3号
仕掛け:メタルスッテ10~25号+ドロッパー(1.5~2.5号スッテ)
状況:浅場(20~40m)、高活性時に向く

イカメタルのタックル
まだ明るい時間帯はスピニングタックルで広い範囲をねらいたい

ベイトタックルの一例

ロッド:シマノ/セフィアXRメタルスッテ(M~MH)
リール:シマノ/バルケッタFカスタム150
ライン:PE0.6号+リーダー3号
仕掛け:メタルスッテ20~40号(単体またはドロッパー)
状況:敦賀の深場(50~80m)、低活性時や大型ねらい

ただしエリアや時期、活性によりタックルの組み合わせは異なります。

Q8.メタルスッテはどんな役割をしますか?

A.オモリとスッテの一人二役。重量は10号から30号以上まで。

メタルスッテは、その名のとおり金属製の重いスッテ(イカヅノ)で、主に次の2点が役割です。

1.指示されたタナを正確にキープし、イカの群れを探るためのオモリ。
2.イカが触腕で触れたり抱きついたアタリを高感度で伝え、カンナ(ハリ)でハリ掛かりさせるためのスッテ。

リーダーの先にメタルスッテを単体でセットするほか、リーダーから枝スを出し、ドロッパー(小型スッテやエギ)と組み合わせることで異なるタナや誘い方を同時に試すことができます。

メタルスッテには形状、重量、素材などのバリエーションがあり、状況に応じて使い分けます。カラーは赤緑、赤白、赤黄などがスタンダード。さらに個人の好み、エリアの流行、船長の指示などにより選択しましょう。

イカメタルのリーダー
シマノセフィアアシストリーダー。様々な種類がある

重量の目安

10~15号の用途:浅場(10~30m)や穏やかな潮流、表層でイカが浮いている場合。初心者でも軽快に操作でき、スピニングタックルを使えばキャストもしやすい。

20~25号の用途:中層~深場(30~60m)、標準的な潮流や幅広い水深に対応するイカメタルゲームの主力。ベイトタックルで高感度に探れる。

30号以上の用途::深場(60~80m)でも素早く底取りでき、強い潮流でも仕掛けが安定させられる。大型ケンサキイカねらいにも好適。

メタルスッテ
上段は漁具からの進化系のコロコロスッテ。下段はドロッパーとの組み合わせを最大限に活かすためのボディーデザインとウエイトバランスにこだわったノリノリスッテⅡ(ともにシマノ

Q9.ドロッパーはどんな役割をしますか?

A.メタルスッテよりもスローでナチュラルな誘いを複合的に演出します。

ドロッパーは、メタルスッテの上(枝スの長さは5~20cm)に接続し、次のような役割を担います。

1.多層探査:ドロッパーはメタルスッテの上に付いていることから、異なる動きで広く探ることができます(例:メタルスッテで30mを探り、ドロッパーで28~29mを誘う)。

2.誘引力の強化:メタルスッテのアクティブな動きとは異なり、ドロッパーは浮力のある、もしくはゆっくり沈むスッテやエギを使うことが多いため、ゆっくりとしたナチュラルな動きの誘いが警戒心の強いイカや低活性時に有効。

3.イカの視覚を刺激:蓄光やケイムラ素材を採用しているものが多く、集魚灯の光を反射・発光します。

イカメタルで釣れたケンサキイカ4
地域ごとに鉄板カラーがある

4.ヒット率の向上:ケンサキイカがメタルスッテに反応せず、触腕で軽く触るだけの時、ドロッパーが代替ターゲットとなり、抱きつく確率を上げてくれます。小型で動きが繊細なため、活性が低いイカや小型個体に効果的。

5.エサの多様性を演出:ドロッパーはエビや小魚を模し、メタルスッテとは異なるシルエットや動きでケンサキイカの食性を刺激し、自然な捕食シーンを再現。

そのほか、複数種類の疑似餌でイカの好奇心を引く。低活性時の対応。月明かりが強い夜やイカの食いが渋くメタルスッテの派手な動きでは反応が薄い場合、ドロッパーのスローな誘いが有効になります。

イカメタルのドロッパー-1
ドロッパーは浮力のある、もしくはゆっくり沈むスッテや小さめのエギを用いる

Q10.オモリグってなんですか?

A.メタルスッテでは攻略が厳しい状況を打破してくれるお助けリグですが取り扱いはチョイムズ。

重たいメタルスッテの単体や、メタルスッテの上に枝スを出してエギやスッテなどのドロッパーをセットするドウヅキ仕掛けと違って、オモリグはシンカー(オモリ10~40号)の先1mにエギを付けた吹き流しの仕掛けです。

シンカーはエギを遠くに飛ばしたり深場に届けるための役割(一人二役ではない)。オモリグの主役はエギです。ショートリーダーで扱うスッテは浮遊感で誘いますが、適度なウエイトでスローフォールするエギをロングリーダーで扱うことでよりナチュラルな動きでイカを誘います。

メタルスッテとシンカーの違いは大きくカンナの有無にあります。潮が速い時はメタルスッテに付いたカンナが抵抗になるため潮に流されやすくなるため重くする必要があります。その点、オモリグのシンカーはカンナがないため流されにくく、シンカーを重くすれば50~100mの深場も探れますし、急流でも仕掛けが立ちます。

オモリグ用のオモリ
オモリグ用のオモリ

イカメタル(メタルスッテ)とオモリグの比較

 

潮や水深

メタルスッテ:潮が緩い状況や30号程度までは操作性もよく扱いやすい。
オモリグ:潮が速く流されやすい時に有効。主に30号以上が必要な時。

活性

メタルスッテ:高活性時。ケンサキイカが集魚灯に集まり、積極的に捕食している時に、素早い誘いで連発ねらいができます。
オモリグ:低活性時や警戒心が強い場合。エギのスローフォールの動きやナチュラルなアクションで誘います。

釣り人のスキル

メタルスッテ:初心者~上級者向け。直下でシンプルな操作が多く扱いやすい。
オモリグ:中~上級者向け。キャストやライン管理、エギのアクションに慣れが必要。

オモリグのメリット

1.広範囲をカバー:遠投(10~30m以上)で光圏外や潮上もねらえるためイカが散らばっている時に有利。
2.ナチュラルな誘い:スッテのように浮かず、メタルスッテのように急速落下せず、エギならではのスローなフォールが警戒心の強いケンサキイカや低活性時に有効。大型も釣れやすい。
3.深場対応:シンカーを重くすることで30号のメタルスッテよりも深場に対応します。

オモリグのデメリット

1.感度が低い:長いリーダーを使うことからシンカーとエギが離れるため、アタリが伝わりにくい。慣れが必要。
2.操作が複雑:キャスト、ライン管理、シャクリのタイミングなど、テクニックが求められます。
3.トラブルが多い:長いリーダーが絡まりやすく、手前マツリに加えて隣の釣り人とのオマツリのリスクが高いことから慣れが必要です。

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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空調服は真夏の釣りの救世主?編集部で実際に使ってみたら「釣行後の疲労感のなさ」が衝撃的だった https://web.tsuribito.co.jp/news/kuchofuku つり人編集部 trend 192110832926 Mon, 14 Jul 2025 07:00:00 +0900

近年の猛暑で、アウトドアシーンでも注目を集めるようになった「空調服」。今回は実際に釣りでも使えるのか編集部で検証してみました。また、冷却効果を高める裏技もご紹介します。

近年の猛暑で、アウトドアシーンでも注目を集めるようになった「空調服」。今回は実際に釣りでも使えるのか編集部で検証してみました。また、冷却効果を高める裏技もご紹介します。

写真と文◎編集部

真夏の釣りは暑さ対策が必須

近年、夏の猛暑は年々厳しさを増しており、釣りを楽しむ方にとっても暑さ対策は欠かせないものとなっています。特に炎天下での長時間の釣りは、熱中症のリスクが高く、対策なしでは非常に危険。こまめな水分補給はもちろんのこと、日差しを避ける工夫や体を冷やすアイテムの活用が必須です。

そんな中、屋外での作業現場で普及している空調服が、釣りにおける新たな暑さ対策として注目を集めています。

ファンが付いたウェア

空調服は釣りに使える?

空調服とは、服に小型のファンが取り付けられており、外気を取り込んで服の中に風を送り込むことで、涼しさを保つことができるウェアです。汗を強制的に蒸発させ、その気化熱を利用して体温を下げる仕組みで、夏の炎天下でも涼しさを保つことができます。

もちろん、この機能は釣りでも非常に有効。ただし、注意点もあります。釣りは水辺のアクティビティであり、波しぶきや雨などでファン部分が濡れてしまうリスクが常に伴います。電動ファンは水に弱いため、故障や安全性の観点から、できるだけ防水仕様の製品を選ぶようにしましょう。

防水ファン付き空調服
防水仕様の製品もある

空調服を編集部で使ってみた

昨年、つり人社と株式会社空調服のコラボで、釣り人向けの防水空調服を開発。その実力を確かめるべく、実際の取材で一日着用してみました。

当日は最高気温が30度を超え、日差しを遮るものがないボート上というタフなコンディション。しかし、日焼け対策の長袖長ズボンにも関わらず、服の中を風が駆け巡り、ほとんど暑さを感じません。

そして、最も驚いたのが「帰宅後の疲労感のなさ」。これまでは日の出から日没まで釣りをすると、帰宅後は疲労困憊で倒れ込むように寝てしまうのが常でした。しかし、この日は帰宅後も頭がクリアで、普通に仕事ができたのです。暑さで消耗するはずだった体力が、温存されているのをはっきりと実感しました。

空調服を着た釣りの風景
暑い中で快適に釣りができた

一気にクールダウンする裏技も

近年、35度を超える「猛暑日」が当たり前となった日本の夏。空調服だけでも十分に効果的ですが、さらなる快適性を求めるなら、インナーにひと工夫加えるのがおすすめです。

例えば、水分で濡らすことで接触冷感効果を発揮するコンプレッションウェアなどを着込めば、汗の蒸発と合わせて気化熱効果がさらに高まります。これに冷感スプレーを組み合わせるのも涼しくておすすめです。

また、保冷剤ポケット付きのインナーベストも市販されており、これを着ることでファンが送る風が直接冷やされ、冷気が服の中を循環します。この「保冷剤活用術」は、釣りとの相性も抜群。釣りではクーラーボックスを持参する場面も多いため、予備の保冷剤を十分にストックしておけば、いつでも体を一気にクールダウンさせることができます。

空調服は、夏の釣りを快適にする強力な味方。この夏の釣行に向けて、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

冷感スプレー
ひと工夫加えることで猛暑でも更に快適に過ごせる

 

kuchoufuku

 

釣りに最適な虫除けアイテム6選【アングラーが実践する害虫対策も紹介】 【2025年】釣り用偏光サングラスおすすめ人気ランキング15選 【釣り人のためのヒグマ対策】絶対にやってはいけないNG行動&命を守るための4つの鉄則 知るなら今でしょ!釣り人のための新世代ツキノワグマ対策 【漫画】“ギャル”船長①/ゆかぴ船長の「今日も釣れっから!」第1話
7大学33名の学生が集結!「全日本学生釣魚連盟関西支部」主催のヘラブナ釣り大会が王仁公園で開催 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/gakuseitaikai20250705 つり人編集部 trend 192434732426 Thu, 10 Jul 2025 04:00:00 +0900

7月5日、関西の大学生によるヘラブナ釣り大会が開催され、7大学33名が熱戦を繰り広げました。当日の大会の様子をお届けします。

7月5日、関西の大学生によるヘラブナ釣り大会が開催され、7大学33名が熱戦を繰り広げました。当日の大会の様子をお届けします。

文◎編集部

王仁公園にて全日本学生釣魚連盟関西支部のヘラブナ大会が開催

2025年7月5日、大阪府枚方市にある王仁公園にて、関西圏の大学生によるヘラブナ釣り大会が開催されました。本大会は、釣りの楽しさを学生間で共有し、釣り文化の普及を目指す「全日本学生釣魚連盟関西支部」が主体となって企画・運営。当日は龍谷大学、近畿大学、同志社大学、大阪産業大学、京都府立大学、大阪学院大学、神戸学院大学の計7大学から33名の学生が集い、和やかな雰囲気の中で腕を競い合いました。

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大会は、釣りインストラクターの前山智孝氏や日本釣振興会の協力のもと、安全管理や熱中症対策が徹底された中で進行。また、マルキュー株式会社ラインシステム株式会社の2社が協賛し、提供された釣り用品や景品が大会を大いに盛り上げました。参加者たちは、自然の中で釣りに熱中しながら、大学の垣根を越えて楽しく交流する姿を見せていました。

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全日本学生釣魚連盟関西支部とは?

主催した「全日本学生釣魚連盟関西支部」は、関西の大学生によって構成される団体です。月に一度、高槻市内で定期例会を実施するなど、学生主体の釣り活動を通して、自然環境への理解や釣りマナーの向上にも積極的に取り組んでいます。

同連盟では、次回の活動として、2025年8月29日(金)に「とっとぱーく小島」(大阪府泉南郡)を貸切にしたイベントを予定しています。より多くの学生と交流を深めるため、現在、関西圏の大学に在籍する学生の参加を広く募集中です。

活動の詳細や参加希望については、Instagram(@gakuchouren_kansai)にて随時情報を発信中。釣り初心者も大歓迎とのことなので、興味のある学生はぜひチェックしてみてください。

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釣りに最適な虫除けアイテム6選【アングラーが実践する害虫対策も紹介】 【2025年】釣り用偏光サングラスおすすめ人気ランキング15選 釣り糸の結び方!簡単で最強な糸と糸の結びは?基本の結びを強度実験も交えて解説/釣り糸と釣り糸の結び方編 【ヘラブナ釣りの始め方】エサは1種類でOK!初心者のための超シンプルな釣りの流れ4ステップ 【漫画】“ギャル”船長①/ゆかぴ船長の「今日も釣れっから!」第1話
【マゴチのルアー釣り】最初の1匹を釣るための4つの基本:時間帯やヒット率を上げる釣り方まで https://web.tsuribito.co.jp/beginner/luremagochi つり人編集部 trend 192284541804 Wed, 09 Jul 2025 02:00:00 +0900

夏のサーフ(砂浜)で狙う、力強い引きと美味な身が魅力のターゲット、マゴチ。本記事では、この夏の好敵手をルアーで攻略するためのメソッドを、エキスパート・新保明弘氏の解説に基づいて紹介する。マゴチを釣るためのルアーアクションの秘訣、基本となるタックル、釣果に直結する時間帯の見極めなどを、初心者にも分かりやすく解説していく。

夏のサーフ(砂浜)で狙う、力強い引きと美味な身が魅力のターゲット「マゴチ」。本記事では、この夏の好敵手をルアーで攻略するためのメソッドを、エキスパート・新保明弘氏の解説に基づいて紹介する。マゴチを釣るためのルアーアクションの秘訣、基本となるタックル、釣果に直結する時間帯の見極めなどを、初心者にも分かりやすく解説していく。

写真&文◎新保明弘

ルアーでのマゴチ釣り

ヒラメと並び、サーフのルアーフィッシングの人気ターゲットにマゴチがいる。マゴチは「照りゴチ」といわれるほどに夏が旬とされる。ヒラメよりも高水温を好み、生息域は最深で30mほど。本州の中部以南に多く生息する。そのため、夏のサーフの「砂もの」の定番はマゴチ、冬から春先のターゲットはヒラメと大まかに区別される傾向にある。

砂地を好み、擬態し、目の前を通るベイトを捕食するのはヒラメと同じだが、ヒラメのように中層、表層のベイトフィッシュを浮き上がって捕食することは希であるため、底を中心としたゲームになってくる。

マゴチもヒラメと同様に、サーフに隣接した底が砂地の港や両岸が整備された河口部でねらうことができる。サーフよりも手軽な装備で臨めるのが魅力である。

ルアーマゴチ釣りの様子

マゴチ釣りのベストな時間帯

マゴチは暗い時間帯や夜間にヒットする確率がヒラメより高いため、より夜行性であるといえよう。特にマヅメ時が高確率だ。また、ヒラメよりも波に弱い傾向があり、穏やかな日和のほうがヒット率は高くなる。

河口部でねらう場合、マヅメ時がチャンスであることは変わりないが満月時は夜間でも活性が高い。潮回りとしては上げ潮時が流れも緩くなり、入り込んでくる海水に乗ってマゴチも活発に行動する。

マゴチ釣りのルアータックルを解説

サーフでのマゴチゲームに使用するタックルは9ftクラスのロッドに中型のスピニングリールを組み合わせ、メインラインにはPE0.8号程度を巻くのが標準的なセッティングだ。エギングタックルをそのまま流用することもできる。

ショックリーダーは底付近を重点的にねらうため、フロロカーボンの4号以上と若干太めにしておいたほうが無難である。ジグヘッドリグを使用していると50cmを超す良型のマゴチにリグを飲み込まれることがあるので、その点も安心である。

基本的な釣り方

サーフでねらうべきは、まず第一に「払い出し」と呼ばれる、沖へ向かう強い流れ(カレント)だ。この流れにはベイトフィッシュが集まりやすいため、マゴチも餌を求めて定位していることが多い。

港では常夜灯周りが夜間有望なポイントであり、昼間は船陰や港の出入り口の船道となる。

ルアーの種類とアクション

活性の高い状況でもヒラメのように水面近くのフローティングミノーに襲い掛かってくることは少ない。マゴチに絞ってねらうのであれば、シンキングミノー、バイブレーションプラグ、ジグヘッドリグを使用するのがいいだろう。

キャスト後、底を取ったらミディアムリトリーブ、ジグヘッドリグならばスローリトリーブする。ヒラメはそのまま巻き上げてねらってもバイトするが、マゴチは底を離れたがらないので、キャストした距離を3から5等分した目安でリトリーブを止め、カーブフォールさせて底を取るようにする。そうすることで、より底近くをねらうことができ、ヒット率も上がる。

もし、ヒラメと合わせてのヒットを期待し、フローティングタイプのルアーを使うのであれば、1m以上潜航能力のあるものを使用し、なるべく底近くをトレースしよう。その際、できれば波打ち際から10mほど沖でルアーが底に当たるようにねらうとよい。上を泳ぐルアーをマゴチが追尾してきて、底に触れる瞬間にバイトしてくることが多いからだ。そのため、波打ち際でルアーをピックアップする寸前にバイトして驚かされることもある。

港、河口部でのマゴチゲームは、ジグヘッドリグが使いやすい。水深にもよるが、ジグヘッドは7gから 28gでワームは3in前後を組み合わせる。また、ジグヘッドリグでは「ボトムワインド」といわれる釣り方も効果的で、ロッドをあおることで左右に激しく動くダート系のタイプを使用するのもおすすめだ。

ねらい方はサーフ同様にキャストしてから回収するまでに何回か底を取るようにする。ダート系のジグヘッドでねらう場合も小まめに底を取るようにし、底近くでアクションさせるように心がける。

マゴチ釣りに使うルアー

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投げ釣りでは釣りにくい魚のひとつだったマゴチだが、特エサの塩イワシの出現によってねらって釣れるようになった。ここでは釣り方からエサの作り方まで紹介する。

投げ釣りでは釣りにくい魚のひとつだったマゴチだが、特エサの塩イワシの出現によってねらって釣れるようになった。ここでは釣り方からエサの作り方まで紹介する。

解説◎山崎憲二

マゴチとは?

東北南部から九州まで広範囲に生息するマゴチ。低水温期は沖合の深場で過ごしているが、水温が上昇する初夏になると産卵のために接岸してくる。

盛期の6月ころにはエサとなるシロギスなどを追って水深3~4mの浅場にまで寄って来る。きれいな砂地底を好み、普段は砂地に潜って目だけを出している。近くをシロギスや小魚、エビなどが通りかかると一気に飛び出して襲いかかる。

いわゆるフィッシュイーター(魚食魚)で、見た目と同様にかなり獰猛な性質だ。ルアーでも釣れるゆえんでもある。

瀬戸内海や東京湾など内海にも生息するが、どちらかというと太平洋や日本海など外海に面したエリアのほうが数は多い。

それだけ遊泳能力が高い証拠。ゆえにハリ掛かりしてからのファイトも力強く、とても楽しい。また、見た目とは違って食味は抜群。刺身はもちろん、鍋物、煮つけ、空揚げとどのような料理でもおいしくいただける。

投げ釣りで狙うマゴチ

関東圏では沖釣りでねらうことが多い。その時のエサは生きたハゼやエビ、イワシ、小アジなどである。

フィッシュイーターなのだから当然だ。投げ釣りでも生きたアジでねらうことがあるが、エサの確保と持ち運びに苦労する。それでなくても荷物が多い投げ釣りに生かしバケツが加わると、それだけで嫌になってくる。

昔はイワイソメ(マムシ)やサバ、サンマの切り身で夜にねらっていたが、確率は非常に低かった。ねらって釣るというより偶然性のほうが高かった。

塩イワシで狙うスタイルが確立

それが、いつのころからかエサに塩イワシを使うようになった。そのおかげで偶然が必然へと変わることができた。今ではマゴチ釣りのエサといえば塩イワシが普通になった。

ちなみに塩イワシではマゴチ以外にヒラメ、クロダイ、カサゴ、サンバソウ(イシダイの小型)、ウシノシタ、ホウボウなども釣れるから面白いエサだ。

エサの塩イワシを準備をしよう

マゴチ釣りの特エサである塩イワシは販売されていない。自分で作る必要があるが、作り方はさほど難しくない。時間がある時にたくさん作っておき、冷凍庫で保存しておけば長期保存も可能。1年ぐらいは充分に持つ。エサがあればいつでも釣りに出かけられる。

塩イワシの作り方

生のイワシ
1.スーパーなどで生のイワシを買ってくる。釣り具店で売っている冷凍のイワシでもよい。
タッパーに塩をいれる
2.タッパーにキッチンペーパーを敷き、イワシをきれいに並べてから塩をたっぷりとかける。
イワシを塩に漬ける
3.このような状態で冷蔵庫に2日間入れておく。
2日塩に漬けたイワシ
4.2日経つと水分が染み出て底に溜まる。
イワシを干す
5.イワシを取り出し、さらに水分を取り除くため新聞紙の上に並べる。
完成した塩イワシ
6.ある程度水分が取れればタッパーに並べ、フタをして冷凍庫で保管する。

塩イワシを作る際の注意点

塩イワシを作る際に気を付けなければいけないのが硬さだ。基本的に少々硬くても食ってくるが、出汁を取る煮干しのようなカチカチではさすがに食いが悪い。かといって軟らか過ぎても投入時に身切れを起こしてしまう。指先でつまむと少しへこむぐらいがよい。めざしの一夜干しより少し硬めが理想。

イワシのサイズは12~13cmがよい。大きすぎると飛距離が落ちるし食い込みも悪くなる。小さいほうが使い勝手がよい。キャスト時の抵抗が下がって遠投がきくからだ。近年は遠投しやすいように小さい塩キビナゴを用いる人も増えている。釣り場の状況で使い分けるとよい。

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キビナゴは小粒なので遠投は利くが、食いという点では塩イワシに軍配が上がる

投げマゴチ釣りのタックル&仕掛け

タックルは、一般的な投げ釣り用のセットで対応可能だ。投げ竿に投げ釣り用リールを組み合わせ、道糸はナイロンなら3〜5号、PEラインなら3号程度が基準となる。遠投時の高切れを防ぐため、道糸の先には投げ釣り用の力糸(ちからいと)を接続する。

力糸の先には、遊動式のL字天秤などをセット。その先に接続する仕掛けは、根本に砂ずりを備えた全長2m程度のものが扱いやすい。ハリスはフロロカーボン8~10号程度だ。

投げマゴチ釣りのタックルと仕掛け
投げマゴチ釣りのタックルと仕掛け図

エサの塩イワシを刺す針は、1本針ではなく、2本の針を使った「2連バリ仕掛け」にセットするのが釣果を上げる鍵だ。1本バリでは、キャスト時や水中で安定せず、身切れを起こしやすい。2本の針でしっかりと固定することで、エサの姿勢を安定させ、ヒット率を格段に向上させることができる。

2連バリ仕掛け
2連バリ仕掛け。ハリとハリの間隔は5~7cm

使用するイワシのサイズによっては3連バリも有効。筆者が使用している針は丸セイゴがベースのがまかつ「ユムシコウジ」17~20号やオーナーばりの「丸貝専用」7号がメインだ。エサの刺し方については下記の写真を参考にしてほしい。

塩イワシの針への刺し方
塩イワシの針への刺し方。口掛かりをよくするために交互に刺す

投げ釣りでのマゴチの釣り方

シロギスがいるような砂浜の海岸や、イワシや小アジが回遊する防波堤などが釣り場となる。そのような所に仕掛けを投入してアタリを待つのだが、時々仕掛けを動かして誘いをかける。誘った直後に当たることが多いので、マメに誘うのが有効的。誘い方は、エサがフワリと落ちるようなリフトアンドフォールの誘いが基本。ほったらかしはよくない。

この釣りでは、フグなどのエサ取りとの戦いも重要になる。塩で締めたイワシでも、フグの猛攻に遭えばひとたまりもない。仕掛けを動かした際に感じる重みの変化で、エサの有無を常に把握するよう心掛けたい。もしエサが取られたと判断すれば、ターゲットが釣れる可能性はゼロになるため、すぐに仕掛けを回収し、新しいエサを付けて素早く打ち返す手返しの良さが求められる。

最大のチャンスタイムとなる時合は、やはり朝夕のマヅメだ。それに加え、潮が止まる直前や、再び動き出すタイミングも、魚の捕食スイッチが入る絶好の機会となる。いつ訪れるか分からない一瞬のチャンスを逃さないためにも、潮の動きには絶えず注意を払っておくべきである。

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40~50cmがアベレージだが、60cmオーバーの大型も期待できる
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日本の各地で広く釣れるマハゼ。多彩な釣り方はあるものの道具立てがシンプルで、すぐに始められるのが「ミャク釣り」だ。今回はミャク釣りの竿や仕掛け、釣り方といった基本的な情報から、浅場・深場・河口と特徴が異なる3つの釣り場の攻略法まで、釣り場ガイド本も執筆している淡水小物釣りフリークの坂本和久さんに解説していただく。

日本の各地で広く釣れるマハゼ。多彩な釣り方はあるものの道具立てがシンプルで、すぐに始められるのが「ミャク釣り」だ。今回はミャク釣りの竿や仕掛け、釣り方といった基本的な情報から、浅場・深場・河口と特徴が異なる3つの釣り場の攻略法まで、釣り場ガイド本も執筆している淡水小物釣りフリークの坂本和久さんに解説していただく。

写真と文◎編集部

ハゼのミャク釣りに使うのべ竿

竿の長さは、釣り場の規模や水深に応じて1.5mから4m程度のものを使い分ける。基本となるのは、「その場で対応できる最も短い竿を選ぶ」という考え方だ。短い竿ほど軽量で操作性に優れ、アワセの動作がもたつかないという利点がある。もし攻めたいポイントに届かないと感じた時に、改めて長い竿へ変更すれば良い。一本で長さを二段階、三段階と変えられるズーム機能付きの竿は、ポイントを移動した際や、状況の変化に素早く対応できるため非常に重宝する。

竿の素材も重要な選択基準となる。趣のある和竿も根強い人気だが、カーボン製の竿に比べて重量があるため、3.6mを超えるような長尺の竿では、軽量なカーボン製のマブナ竿や渓流竿に分があるだろう。

ハゼのミャク釣りの竿

ハゼのミャク釣り仕掛け

道糸はフロロカーボン1号が標準。ミャク釣りにはウキは使わずに、目印を使ってアタリを取る。視認性の良い渓流用の化繊タイプが適しており、水深の増減のたびに調整しなくて済むよう、5cm間隔で10個ほど付けておくのが坂本さんならではの工夫だ。

ハゼのミャク釣り仕掛け図
ハゼのミャク釣り仕掛け図

中通しオモリを使用した遊動仕掛け

ミャク釣りの仕掛けとしては、下オモリのすぐ上から枝バリを出す胴付きタイプや、小型のハゼ用天秤などの仕掛けも使われるが、坂本さんは遊動式の中通しオモリをセットした吹き流しタイプを使う。

中通しオモリを使用した遊動式の仕掛け

ミチイトはフロロの1号。「根ズレが多い釣りなので、フロロを使ってますね。ですが、正直ナイロンでも変わらない気がします(笑)」とのこと。オモリを即座に変更できないという欠点があるものの、仕掛け絡みが生じにくく、手返し良く釣りを続けられるのが利点だ。

オモリの重さは、水深が浅く着底を感じやすいところでは0.5号、深場で着底を感じにくかったり、流れがあったりするようなポイントは0.8号を使うとよい。さらに重量を追加したい場合にはガン玉を使って調整する。

オモリの色は釣果に直接関係はないが、浅いポイントでは目立つ色(赤や金)を使うと仕掛けの位置が分かるので便利。なおオモリの遊動幅は15cm。オモリ止メとして下にはビーズ、上にガン玉を使っている。どちらも中通しオモリの穴をすり抜けない大きさを使用する。

ガン玉はG1もしくはG2程度でガン玉の大きさによる釣果の違いはないとのこと。またビーズに関しても一応の集魚効果はあるかもしれないが、アピール度を高めるために付けるわけではなく中通しオモリが止まればなんでもよいそうだ。

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ガン玉で遊動幅を調整

ハリスと針

ハリスは0.6〜0.8号。ハリはエサを大きく見せられてハゼの吸い込みがいい、フトコロが狭く軸が長いタイプがおすすめ。坂本さんは袖バリの4号を基本に、ハゼバリなら5~6号、キスバリなら5号を目安に号数はハゼのサイズによって使い分ける。

ハゼ釣りのハリス付き針

ハゼのミャク釣りのエサ

エサはアオイソメが基本となる。ここで坂本氏がこだわるのは、一般的に使われるハリ持ちの良い「頭部」ではなく、食い込みを重視して「胴」の部分を使うことだ。

「ハリ持ちは若干落ちますが、食いは断然、胴がいい! 食ってくれなければ意味がありませんからね」

付け方のコツは、ハリの軸が隠れる程度の長さに留め、タラシ(垂らし)を長くしないこと。これにより、エサの端だけを突かれて取られてしまうのを防ぐ。

アオイソメやジャリメの付け方
アオイソメやジャリメの付け方

アオイソメの他にも、ハゼ釣りに有効なエサはいくつかある。細身で食い込みの良い「ジャリメ」も定番だ。また、近年はミャク釣りにおいて、エサ持ちが良く、手も汚れにくい「ベビーホタテ」も人気を集めている。

ミャク釣りの釣り方とアタリを倍増させるコツ

どんな釣り場でも共通しているのは、仕掛けを投入してオモリが底についてから5秒までが非常に重要であるということ。

「着底してから5秒間は最もアタリが出るタイミングです。でもこの間にアタリを取っていない方が非常に多い。これを取れるか取れないかで釣果が大きく変わってきます」と坂本さん。

常にハゼからのアタリがあると思って、いつでも合わせられるように体勢を整えておく。 オモリが着底してからの5秒間にアタリがない場合はそのまま10秒ほどアタリを待つ。それでもアタリが出ない場合は、空アワセをしてから回収し、少しポイント変えて振り込み直す。

一通り周囲を探り終えてもアタリが出ない場合にはオモリの着底から10秒待った後に誘いを入れよう。

アタリがなければ誘いを入れてみる

誘い方はトントントンとその場で仕掛けを1cmほど上下させる。その時ずっとトントンと動かすのではなく、ちょっと止めたりテンポを変えてみたりと変化をつけるとよい。

20秒くらい誘って、アタリが出なければ、空アワセをしてから仕掛けを回収し、投入ポイントを変える。サオが届く範囲をまんべんなく探ってもアタリがない場合には1、2歩移動する。 このように頻繁に投入地点を変えて、食い気のあるハゼを捜すことが肝要だ。

ハゼのミャク釣り・釣り方のコツ
釣り方のコツ

アタリとアワセ

アタリの出方はさまざまで、「コンッ」や「コツッ」といった手もとに来るアタリもあれば、目印が動くだけのアタリもある。さらに全くアタリを出さずハゼがエサをくわえているだけというパターンもある。そのため着底してから秒待った後や仕掛けの回収時には必ず空アワセをしよう。

ハゼが釣れる時のアタリは小さいことが多い。激しく「ブルブル」っとくるのはハゼがエサをくわえて逃げようとしている時のもの。この段階で合わせても掛からない場合が多い。「ブルブル」の前には必ず手もとに小さなアタリがあるか目印に変化が出るはず。神経を集中してアタリを拾っていこう。

一度でもアタリがあった場合、エサがずれていたり、取られていたりする。 エサがないのはもってのほかだが、ずれているだけでもハリ掛かりは大きく変わってくる。アタリがあったらこまめにエサをチェック。 アタリにならない違和感に合わせるというのも数を釣るうえでは大切なことだそう。

「ミャク釣りをやり込んでいくと、なんか食ってるなあとか、かじってるなあという感覚が分かるようになります。違和感があったら積極的に合わせましょう」。

もしバレてしまっても大丈夫。ハゼは一度ハリ掛かりしても再度食ってくることが多い。この場合、魚が少し移動するので、掛かったポイントの周囲に仕掛けを投入するとよい。

釣り場の特徴による攻略テクニック

浅場・深場・河口といった釣り場による攻略方法も、実釣を通して紹介する。

浅場は見釣りが可能

最初に向かったポイントは浅場の旧中川。この川は上下流部ともに荒川に接続しているが、いずれも水門が閉じてあり潮の干満の影響は受けない。そのため潮回りを気にせずに釣りをすることが可能。オススメのポイントは江東新橋の下流、右岸側にある島だ。 この島は周囲が浅くハゼが溜まりやすいためどこにサオをだしても釣果有望。

またこのような浅場の場合はハゼの姿が見えるので、どのようにエサに集まり、そして食いつくのかを観察しながら釣りをすることができる。まずはこのようなポイントで見釣りをして、水中でのハゼの動きをイメージできるようになろう。

仕掛けを投入する場所は捨て石などの障害物周りが基本だ。 水深が浅いので川底を見て沈んでいる石を捜しながらポイントを打っていく。旧中川は杭の少し手前からストンと深くなっている。 杭の周りではマハゼよりもダボハゼといわれる外道が釣れる場合が多いので手前の浅場をねらおう。

手前を釣るのでサオの長さは短いものがベスト。旧中川では2.1m程度がいい。長いサオは重いのでアワセが遅れたり、手返しが悪くなったりしてしまうので注意。

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浅場はハゼの姿を見ながら釣りができる

深場はハゼの着き場を探す

次に竿を出したのが小名木川。墨田川と旧中川を結ぶ河川で、垂直護岸されており水深が深いことが特徴だ。

坂本さんによると旧中川と同様に潮の干満の影響はほぼないそうだ。ただし、流れが生じるタイミングがあり、そのときにはオモリの重さを0.8号にするなどの対策が必要。川は全体的にほとんど変化がなく、ハゼはまんべんなく生息している。どこでも釣れる可能性がある。

小名木川や北十間川・横十間川のように水深がある河川で釣りする場合は、長ザオの3.6m程度のサオを用意するとよい。 水深が深く、底に沈んでいる障害物などが見えないため、まずは何も考えずに仕掛けを投入する。オモリが着底したらイトを張って待つ。

この時も着底してからの5秒間は全神経を集中してアタリを取る。深場での釣りの場合、目印よりもサオ先を見ていたほうがアタリを取りやすい。 誘ってみてもアタリがない場合は、一度仕掛けを回収し、そこから少し離した場所に再度仕掛けを投入する。このように投入し直したほうが魚の反応が得られる場合が多い。ハゼは密集してることが多く、もしアタリがあったならそのポイントを重点的に探るべし。

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壁際にもハゼが着いている可能性がある。沖から足もとまで丁寧に探ろう

河口は潮の満ち引きを意識

最後は多摩川の河口。先の2河川とは異なり、潮の影響を大きく受ける釣り場だ。干満の差が激しく、干潮時に釣りをするためには干潟を歩く必要があるためオススメしない。

満潮近くであれば、ハゼは足もとまで差してくる。ただし満潮のピーク、潮止まりだとやはり活性が落ちてしまう。 満潮の前後1、2時間、潮がよく動くタイミングをねらって釣りに行こう。

基本的なポイントは桟橋周り。ポイント的には旧中川と同じように浅いが、水が濁っており、底が若干見える程度。 桟橋周りの岩や根の周りをタイトに探っていくことが釣果をあげるコツ。干潮時にどこに岩が入っているかを確認しておこう。

根の周りを攻めるため、根掛かりが頻発する。仕掛けを多めに用意しておくと安心だ。 サオは2.4m程度がちょうどよい。

また多摩川のような大河川はハゼの密度が低く、アタリが出づらいことも。

このような場合にはアタリを待つか、もしくは誘いを掛ける時間を長くするとよい。混んでいるポイントだと移動がままならないので空いているポイントに入り、積極的に動いて魚がいる所を捜そう。

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桟橋のような障害物周りにはハゼが付きやすい

ハゼの持ち帰り方

最後に、公共交通機関での釣行が多いという坂本さんならではの、コンパクトで鮮度を保つハゼの持ち帰り方を紹介する。

坂本さん都内での釣行の場合、すべての道具を一つのバックパックに集約するのが基本スタイル。この術の核となるのが、「クリール(ビク)」「保冷バッグ」「木製のエサ箱」の活用である。

まず、釣りの最中に魚を保管するのが、渓流用の「クリール」だ。「クリール」とは釣った魚を入れておくビクで、これを肩から掛け、保冷剤代わりとなる冷凍ペットボトルを内部に入れておく。釣れたハゼは、その場で手返し良くクリールの中へ投入し、即座に氷締めにすることで鮮度を保つ。

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そして、ポイントを移動する際や帰り支度の際には、クリールの中のハゼをフリーザーバッグへ移し替え、バックパック内の「保冷バッグ」に収納する。この保冷バッグは、釣ったハゼだけでなく、イソメの鮮度保持や飲み物を低温に保つ役割も担う電車釣行の必需品といえる。

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エサの管理は、使用する分だけを「エサ箱」に移し、残りのイソメは鮮度維持のため保冷バッグで保管する。この際、エサ箱は断熱効果が高く内部の温度が上がりにくい木製を選ぶと、エサが長持ちするためオススメ。

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電車で気軽にアクセスできる、東京都の「鉄板」ハゼ釣りポイントを紹介する。今回取り上げるのは、地元の釣具店や上級者たちが太鼓判を押す、実績十分な釣り場。手軽な道具で楽しめる、まさに都会のオアシスともいえる場所を厳選した。単なる場所の紹介に留まらず、それぞれのポイントで釣果を伸ばすための具体的な攻略法もセットで詳しく解説。この記事を読めば、次の週末、すぐにでも江戸前の粋な釣りに出かけたくなるはずだ。

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まとめ◎編集部

東京都のハゼ釣り場おすすめ6選

ハゼは身近なターゲットであり、本格的な道具がなくても挑戦できるため、釣り初心者や家族連れにも最適な相手だ。ここでは、特にアクセスが良く、実績の高い釣り場を厳選した。

小名木川・クローバー橋付近

クローバー橋は小名木川と横十間川が交差する地点に架かる。周辺の水深は深くても約3.6m。泥地で根掛かりが少ない。どちらの川もよくハゼの釣れるポイントではあるが、横十間川の河川敷は工事が多いのと、足場が高くて釣りにくい。小名木川がおすすめだ。

小名木川・クローバー橋

ここではチョイ投げかミャク釣りがよい。ウキ釣りでも釣れるが、水深が深いため、釣りにくいためだ。ミャク釣りをするのなら、3.6m程度の渓流用ノベザオがよい。川の中心だけでなく足もとにもハゼがいる。底まで落として、横方向を丁寧に探れば簡単に釣れるはずだ。チョイ投げなら1.6~1.8m程度のコンパクトロッドに、ナイロン1号かPE0.6号ほどを巻いたリールを用意しよう。

仕掛けはミャク釣りならオモリは1号ほど、チョイ投げは3~5号程度のオモリを使う。ハリは5~7号のハゼバリを用意するとよい。時期としては10月までがトップシーズン。8月頃は10cm以下が多いが、10月には15cm近く成長した個体も混ざる。潮回りもシビアに考える必要はなく安定した釣果が得られる。

アクセスは近隣に有料駐車場がある。都営新宿線・半蔵門線の住吉駅から徒歩で約15分なので電車釣行も可能だ。釣具店もキャスティング住吉店が近くにある。

小名木川
クローバー橋から小名木川を望む。足場は低く釣りやすい

旧中川

都営新宿線の東大島駅から近い電車釣行に適したポイント。新宿駅から約25分で、トイレやコンビニもあり、ファミリー釣行にもおすすめ。東大島駅近くのコンビニではエサも販売されている。

旧中川

釣法は川幅が狭いのでミャク釣りがベスト。ハゼは底に生息しているため、タナ選びの難しいウキ釣りより簡単にねらえる。川幅が狭いため3m程度のノベザオを使う。0.5号のオモリが基準になるが、流れが強ければ2~3号を使用するとよい。ハリはハゼバリ5号か6号でよいだろう。よく目立つ赤い色のハリや発光玉の付いたハリを使用するとハゼが興味を持って近寄って来ることが多い。反応がよくない場合は逆に装飾の少ない仕掛けが効果的な場面もある。

手前にあるゴロタでもハゼは目視できる。そのハゼを見ながら釣りたい場合はタナゴザオを使った短い仕掛けでねらうのもよい。

キャスティング日本橋店によると、塩分濃度の変化や上流の荒川の水門が開いてしまう影響かこのポイントは雨後や雨の続いた日は釣果が伸ばしにくい。釣行日前の天気の確認が大切。数を伸ばしたい場合は小雨や曇りの時間に訪れることがおすすめだ。薄暗いほうがハゼはよく反応する。

旧中川の浅瀬
サイトフィッシングもできる

旧江戸川河口

旧江戸川は県境になっており、対岸は千葉県だ。このフィールドはシーバスやクロダイの釣り場としても人気が高く、近所に駐車場がありアクセスしやすい。

ハゼ釣りには舞浜大橋上流側の、コの字の石積みがあるエリアがおすすめ。フェンスもあるので転落防止にもなりファミリーでも安心である。

旧江戸川河口

キャスティング青戸店によると、ここではミャク釣りがおすすめ。中通しオモリの0.5号、軽い仕掛けに慣れていないなら1~1.5号を使用し、石積みの手前をねらう。底は牡蠣殻、岩、砂が混じっており、根掛かりが多いので注意。それほど動かす必要はない。エサはアオイソメがおすすめだが、アタリがない時にジャリメに変更すると急に釣れ始めることもある。エサは通し刺しにして1~2cm垂らす。これ以上垂らすとハリ掛かりが悪いが、短すぎるとせっかくの生きエサの動きが失われてしまう。ただ1、2度噛まれて少しボロボロなエサのほうが吸い込みはよく、釣果がアップすることもある。

ハリスの長さは10~15cmがよい。長すぎると潮の流れで浮いてしまいハゼのいる層から離れてしまう。ハリはがまかつ「糸付ファミリーキス・ハゼ(赤)」の6~7号がおすすめだ。

旧江戸川河口のハゼ釣り場
コの字型に石が組まれている周りにハゼが溜まりやすい

北十間川

東京都墨田区を流れる北十間川は、都心からのアクセスが抜群なハゼ釣り場だ。押上〈スカイツリー前〉駅から徒歩わずか5分という好立地に加え、護岸が整備されていて足場も良好。近隣にはコンビニや公衆トイレも完備されており、スカイツリーではショッピングも楽しめる。初心者や家族連れでも安心して楽しめる、都市型運河の好ポイントである。

中でも一級ポイントといえるのが、東京スカイツリーの麓に位置する東武橋周辺だ。このエリアは運河がせき止められているので餌が溜まりやすいことに加え、噴水設備による水の動きが常にハゼの活性を高めている。さらに、水底の地形にも変化に富んでおり、魚が集まる条件が揃っているのが特徴だ。これらの理由から、シーズンを通して安定した釣果が期待できる絶好の場所といえるだろう。

ハゼ釣りYouTuberとして活躍する398氏によれば、この釣り場は川幅が狭いため、繊細なアタリを取りながら効率よく探れる「ミャク釣り」が最も有効な攻略法だ。竿は、取り回しの良い2.1mの短竿を基本とし、対岸や沖の変化を狙う場合は2.7mの竿へと使い分ける。オモリは0.5号から1号までを用意し、場所による流れの強弱に応じてこまめに調整することが、釣果を伸ばす鍵となる。エサは近隣の老舗釣具店「竿辰本店」で購入可能。近くにスーパーも多いのでベビーホタテなども手に入りやすい。

北十間川
北十間川にある噴水。流れの変化と水底の変化があり安定した釣果が期待できる

多摩川河口

広大な多摩川のハゼ釣りにおいて、特に盛期に有望なのが、太子橋下流の船宿が並ぶエリアや、海老取川との合流点付近だ。これらの場所は桟橋などのストラクチャーが多く、ハゼが溜まる格好の付き場となっている。京急空港線・穴守稲荷駅から徒歩で約10分とアクセスも良好だ。

いずれのポイントでも、攻略の鍵を握るのが「潮」のタイミングだ。多摩川は干満差が激しく、干潮時は広大な干潟が現れて釣りにならない。ハゼが足元まで寄ってくる満潮の前後1〜2時間、潮が活発に動く時間帯を狙って釣行するのが鉄則である。潮が完全に止まる満潮のピーク時は、魚の活性も下がるため避けたい。

釣り方は、足元のストラクチャー周りを手返し良く探れる「ミャク釣り」が主体となる。桟橋の際や、点在する岩の周りをタイトに攻めることが釣果を上げるコツだ。可能であれば干潮時に訪れ、根の場所を事前に確認しておくと良いだろう。竿は取り回しの良い2.4m程度が最適である。

多摩川河口

隅田川

秋が深まり、冬の足音が聞こえ始めると、ハゼは越冬のために深場へ移動する「落ちハゼ」のシーズンを迎える。都心におけるその格好の狙い場が、隅田川だ。小名木川や佃堀といった運河筋からハゼが集まってくるため魚影が濃く、新大橋から清州橋の間など運河との合流点付近はハゼが溜まる一級ポイントとなる。ただし、隅田川は橋桁周りなど、投げ釣りが禁止されている場所も多い。釣行の際は、必ず現地の看板でルールを確認することが必須だ。

釣り方は「ちょい投げ」が基本となる。タックルは、3m前後のちょい投げ用ロッド(オモリ負荷10号程度)に、PEライン0.8号を巻いたスピニングリールを組み合わせる。PEラインの先には、リーダーとしてフロロカーボン2号を5mほど接続しておく。仕掛けはキス用のテンビンにオモリ10号をセットし、ハリは市販のキス用2本バリ仕掛けを用いるといい。エサはアオイソメを使用。3cmほどにカットしたものを2〜3本、ハリに房掛けにしてボリュームを持たせるのが効果的だ。

釣り方は、手前のカケアガリ(水深が急に変わる場所)を狙ってキャストする。イトフケを取って待っていると、着水直後に「ガガンッ」と明確なアタリが出ることが多い。川底は根がかりが非常に多いため、仕掛けは動かさないで待つほうが効率的。また、隅田川テラスは通行人も多いため、キャストの際は周囲の安全に十分配慮したい。

隅田川
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Basser本誌では、20年間アメリカのトーナメントシーンのトップを走り続ける「フカシン」こと深江真一さんが世界基準のフィッシングメソッドを毎月紹介している。今回は深江さんがアメリカのプロツアーで夏に多用するルアーを紹介してもらった。

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写真と文◎編集部

夏のアメリカ・プロツアーで多用するバスルアー

まず、アメリカの多くのフィールドに共通する夏のキーワードが「シャッドスポーン」と「沖」である。シャッドスポーンはおもに朝マヅメに起こるシャッド(ベイト)の群れの産卵行動で、バスがこれに乗じてフィーディングを起こす現象。また、アメリカでは日本のようにハイシーズンもシャローにバスが居残ることはあまりなく、産卵が終わり回復したバスはどんどんと沖に出るの特徴だ(日本でもワカサギレイクなどでは見られる現象)。

つまり、このシャッドスポーンを含めてフィーディング状態にある「ON」のバスを釣るためのルアーと、日中に沖の「OFF」のバスを釣るためのルアーが必要になるのだ。

フィーディングにはペンシルベイト

シャッドスポーンをはじめとしたフィーディング用のルアーとして深江さんが……というか多くのプロが使用する定番がペンシルベイト。何より求められる要素が、遠くで起きたボイルに対して確実に撃ち込むための「飛距離」だからだ。

ペンシルベイトは大きく分けて2タイプ。ひとつがスーパースプークに代表されるベーシックな大き目のペンシル。もうひとつが、お尻が膨らんでいてヘッドにかけてすぼまっていくペンシルポッパータイプだ。前者はアクション幅の調整ができ、『カコーンカコーン』という音を出しながらの足の長いスライドも可能。後者はよりドッグウォークに近いねちねち系で、音はスプラッシュ系。

深江「使い分けとして、基本はスーパースプーク系だけど、ブルーバックへリングがメインベイトのレイクではペンシルポッパー系が効く。カラーはスーパースプークならボーンカラー、ペンシルポッパーはクロームが絶対。なんでかって?そういうもんやねん。長年の経験から、このカラーが一番反応が良いということが、わかるやつはみんなわかってる。もちろんほかのカラーでも釣れないことはないと思うけど、僕はわざわざそれを使おうとは思わない。

もうひとつ大事なのは、ペンシルを結んだタックルは常に一番手に取りやすいところに置いておくこと。そのスポットについて、仮にワンキャストめが違うルアーであっても、ペンシルのタックルを準備OKにするのが先。ボイルがあったら1秒でも早くそこに撃ち込むことがキーやからね。とくに、スモールとかスポッツのボイルって本当に一瞬で終わるから、ペンシルのタックルはデッキに並べたロッドの一番内側。もしくはティップをボートの縁から少し外に出して、ルアーをたらして即座に投げられるようにしておく」

01 (カスタム)
スーパースプーク( ヘドン):写真は深江さんが長年シークレットにしてきたボーン素材のスーパースプーク。より高音なサウンドアピールができるソルトウォーター用を好んで使用。発見したら即購入がマスト
02 (カスタム)
シャワーブローズ( エバーグリーン):ペンシルポッパータイプではとくに飛距離が出るシャワーブローズがお気に入り
03 (カスタム)
ファットパパウォーカー( スプロ):ペンシルとペンシルポッパーのいいとこ取りがされている

沖のバスにはまずディープクランク

日が昇り、バスのフィーディングがひと段落したら我慢の時間が始まる。そこで、沖のニュートラルなバスにスイッチを入れるために投入するのがディープクランクだ。当連載の第1回で解説したように、深江さんにとってクランクはボトムに当ててリアクションで食わせるためのルアー。水深に合わせて潜行レンジが異なるクランクを用意し、高速巻きからのボトムノックでリアクションバイトをとる。

定番はストライクキングの5XD~10XDやラパラのDTシリーズ。近年ではO.S.Pのディープクランクも評価が高いという。

深江「夏以降、沖にスクーリングしたバスをねらうディープクランクの釣りはケビン・バンダムが得意にしたテクニック。沖のバスは、ライブスコープがなくてもサイドスキャンとかで見つけることができるからね。ちなみに、岬や沖のレッジにいるバスに高速クランキングなどでスイッチを入れる食わせ方を、アメリカでは『ファイヤードアップ』と表現する。

まずは反応しやすいバスをディープクランクで食わせて、そのあとビッグスプーンやフェザージグでフォローを入れてバイトを出し続けるのが定番のやり方。現在は魚探の進化でより精度高くバスをねらえるから、ジグヘッドミノーを用いたミドストも主流にはなってきてるけどね。

フッキングしたら、場を荒らさないようになるべく短いファイト時間で一気に抜きあげる。ただね、今のBPTのルールだと釣ったバスをライブウェルに入れないでその場で逃がすから、結局リリースしたバスにつられてほかの魚も警戒しちゃって、ワンスポットから連発するのが難しくなってきて困ってます(苦笑)

04 (カスタム)
10XD( ストライクキング):ケビン・バンダムの強さを支えた沖のディープクランキング。そのド定番中のド定番がXDシリーズだ
05 (カスタム)
DT10( ラパラ):DTシリーズもディープクランクの定番。シリーズを通してタイトなアクションで食わせ能力に長ける
06 (カスタム)
ブリッツMAX EX DR( O.S.P):キャスティングで10mを超える際立った潜行能力で、ツアープロも愛用者多数
07 (カスタム)
アウトサイダー( スプロ):スプロのアウトサイダーシリーズは飛距離に優れているのがお気に入りポイント

※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。

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初めてでも失敗しない「ハゼのさばき方」サイズ別で分かる下処理からの全手順 https://web.tsuribito.co.jp/cooking/howto-hazesabaki つり人編集部 trend 192049208429 Wed, 02 Jul 2025 04:00:00 +0900

初心者でも手軽に釣れて、食べても美味しいハゼ。しかし、その美味しさを最大限に引き出すには、適切な下処理とさばき方が欠かせない。そこでこの記事では、ハゼの下処理からさばき方までの全手順を、写真付きで分かりやすく徹底解説。さらに、ハゼはサイズによって最適な調理法やさばき方が異なるため、本記事では「小さいハゼ(唐揚げや南蛮漬けなど)」と「大きいハゼ(天ぷらなど)」の2パターンに分けて、それぞれの手順を詳しく紹介する。

初心者でも手軽に釣れて、食べても美味しいハゼ。しかし、その美味しさを最大限に引き出すには、適切な下処理とさばき方が欠かせない。そこでこの記事では、ハゼの下処理からさばき方までの全手順を、写真付きで分かりやすく徹底解説。

さらに、ハゼはサイズによって最適な調理法やさばき方が異なるため、本記事では「小さいハゼ(唐揚げや南蛮漬けなど)」と「大きいハゼ(天ぷらなど)」の2パターンに分けて、それぞれの手順を詳しく紹介する。

写真と文◎葛島一美

ハゼの下処理方法

砂泥底を好むハゼは魚体を覆うヌメリに泥を含んでいることが多い。ヌメリは臭みの元にもなるので、下処理としてまずはこのヌメリを取り除こう。

ヌメリの取り方の手順は以下の通り。

ハゼに塩を振る様子
1.ハゼをボウルなどに入れ、多めに粗塩を振る。
ハゼのヌメリを取り除く様子
2.指先で軽く揉むようにヌメリを取り除き、水洗いする。
ハゼからペーパータオルで水気を取る
3.塩揉みと水洗いを2〜3回繰り返した後、ペーパータオルなどで水気を取る。

小さいハゼのさばき方

体長10cmに満たないような小型のハゼは、無理に三枚におろしたり、開いたりする必要はない。骨が柔らかいため、加熱すれば頭から尾まで、まるごと美味しく食べられるからだ。

調理前の下処理は、ウロコを落とし、腹を小さく切開して内臓を取り出すだけで簡単に完了する。この状態で、唐揚げや南蛮漬けなどに活用するのが、手軽で最も美味しい食べ方といえるだろう。

さばき方の手順は以下の通り。

小型のハゼのウロコ取り
1.揚げるとウロコは気にならないが、気になる方はウロコを大まかに引き落とすとよい。包丁で処理するのが面倒な場合は、ヌメリを取るときにみかんなどが入っている網状のネットに入れて擦り洗いすると簡単に落ちる。
小型のハゼの尾びれから泥を取り除く
2.尾ビレに泥が残っていることがあるので、両面を刃先でさっと引く。
小型のハゼの頭を付けたまま調理する場合の内蔵の除去方法
3.頭を落とさずそのまま揚げる場合は腹を小さく割って、刃先で内臓をかき出す。
小型のハゼの頭を切り落とす
4.胴体だけ使う場合は胸ビレと腹ビレに沿って頭を切り落とす。
小型のハゼの頭を切り落として調理する場合の内蔵の除去方法
5.指先を腹から頭の切り口までスライドさせ、内臓を押し出して刃先で処理。最後に水洗いを数回行ない、水気をよくふき取る。

大きいハゼは背開きに

体長15cm近い良型のハゼは、小型とは異なり、中骨がしっかりとしていて硬い。そのため、まるごと調理するのではなく、「背開き」にしてから使うのがおすすめだ。

背開きにして中骨を取り除くことで、食べやすくなるのはもちろん、火の通りが均一になり、身がふっくらと仕上がる。定番の天ぷらやフライ、あるいは一夜干しなど、様々な料理に活用できる。

さばき方の手順は以下の通り。

大きいハゼのウロコ取り
1.まずはウロコをきれいに引き落とした後、尾ビレの汚れを引く。
大きいハゼの内蔵除去
2.続いて頭を切り落としたら、指先で内臓を押し出して刃先で処理。この時点で水洗いを行ない、水気をふき取っておく。刺し身にする場合は、ここから背開きではなく3枚におろす。
大きいハゼの背開きの様子
3.背開きにするなら、まずは頭の切り口から尾の付け根まで背身を切り開く。
大きいハゼの背開きの様子
4.刃先をスライドさせて腹身を切り開く。
大きいハゼの背開きの様子
5.次に反対側の身を中骨から切り離し、尾の付け根で中骨をカット。
背開きしたハゼから腹骨を切り落とす
6.これで背開きのできあがり。腹骨が気になる方は削ぎ落とそう。
背開きしたハゼ
7.黒い腹膜はペーパータオルでふき取る。

※この記事は『つり人』2013年10月号に掲載したものを情報更新・再編集しています。

 

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【バス釣り】霞ヶ浦の名手に学ぶカバー撃ちのコツ&おすすめワーム6選:釣果は“テンポ”で変わる? https://web.tsuribito.co.jp/basser/cover-uchi つり人編集部 trend 191957510006 Mon, 30 Jun 2025 03:00:00 +0900

カバー撃ちのコツは「ボトムまで落とさない」こと。霞ヶ浦のバストーナメントW.B.S.開幕戦を圧勝した坂田泰信さんが実践する、水面下60cmで勝負する釣り方とは?その理論に加え、この釣法で使うべきおすすめワームも詳しく紹介する。

カバー撃ちの引き出しのひとつは「ボトムまで落とさない」こと。霞ヶ浦のバストーナメントW.B.S.開幕戦を圧勝した坂田泰信さんが実践する、水面下60cmで勝負する釣り方とは?その理論に加え、この釣法で使うべきおすすめワームも詳しく紹介する。

写真と文◎編集部

バス釣り名手のカバー撃ちテクニック

いったいどんな釣りをしているのか?霞ヶ浦水系の手練れのなかに気になっているアングラーがいた。W.B.S.開幕戦を圧勝し、2戦終了時点でポイントランキングトップタイを走る坂田泰信さんだ。今年だけでなく、2022年には第2戦を5㎏超えで優勝しているし(しかも試合中に11匹釣ったらしい!)、さらにさかのぼるとアメリカンドリームでも勝ってアメリカに行っている。

坂田さんは、伊豆の下田市に生まれ、小学生のころからメッキなどをルアーで釣っていた。そのうち釣り入門本でブラックバスの存在を知り、一碧湖でバス釣りをはじめる。『釣りロマンを求めて』や『千夜釣行』をVHSが擦り切れるほど見て成長したという。大人になってからはアメリカのバスフィッシングへの憧れがどんどん強くなり、バスボートによるアメリカンな釣りができる霞ヶ浦のトーナメントに没頭。渡米してアラバマで釣り三昧の3ヵ月間をすごしたりB.A.S.S.オープンにコアングラーで出場したりした経験もある。

そんな坂田さんの釣りに同行させてもらえないか打診したところ、5月11日に53pickupのあとに出船するというので船に乗せてもらうことに。坂田さんの釣りを拝見すると「おお!」と唸らされるポイントがいくつもあったのでこの記事で紹介したい。とくに釣り方にリクエストはしなかったが、釣りはほぼ100%カバー撃ち(杭などの沖のストラクチャーも含む)。

ここからの内容は霞ヶ浦水系のバスボートの釣りに限らず、日本全国のレンタルボートフィールド、そしてオカッパリでも、カバーフィッシングであればシチュエーションを問わず参考になるはずだ。

バス釣りカバー撃ちの風景

着底させずにテンポよく探る

もっとも特徴的だったのは撃つテンポ感である。意外だったのは、リグをボトムまで落とすことがほぼなかったことだ。ちなみに、この日メインにしたのは、コイケシュリンプミディアムのネイルリグ(オフセットフック仕様で0.9gネイルを挿入)。

霞ヶ浦水系の5月、6月といえばノーシンカー系のカバー撃ちが定番だ。多くの場合リグを着水させたらボトムまでフォールさせ、場合によってはそこから1アクション、2アクション入れて再び落としてバイトを誘う。

坂田さんはその工程を大幅にカットしている。ほとんどの場合、水面から60cm前後フォールさせてからスーッと横に泳がせつつ回収し次のキャストに移っていた。

坂田「基本的には、上目線の魚を釣りたいんです。いいサイズが多い傾向があるので。もちろん、ボトム付近にバスの意識がいっていると感じるときは、着底させますよ。けど探りの段階ではこのテンポです」
着底させないことのメリットはほかにも多々あると感じた。まずシンプルにキャスト数が増える。もしくは1ストレッチにかかる時間が短縮できる。

たとえば小野川を釣っていたときのこと。「水が悪いけどいちおうチェックしてみるか」とある場所に入った坂田さんは、キャスト間隔を5mほどとり、しかもボトムまでは落とさない探りであっという間にそのストレッチのチェックを終えた。このテンポならかなりの範囲を一日で見ることができる。

もちろん、可能性を感じるストレッチではキャスト間隔を30cmにすることもあったし、ひとつのブッシュに5投することもあった。要は、常に一定のテンポ・リズムで釣りをしているのではなく、常に考えてテンポを最適化しているのだ。

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流すストレッチによってキャスト間隔やボートのスピードがまるで違ったのが印象に残った

ポイント選びのロジック

そして流すスポットの選定にも必ず理屈があった。「さっきは風裏を釣ったから次はウインディーサイド」「泥底の次はアシ際から深いエリア」「ハクがいるところ」などなど、さまざまな要素を1000本ノックでトライ&エラーしていく感じだ。

坂田「僕はバスのエサを軸にして魚探しをするように心がけています。しかも、できれば『走り』をとらえたい。たとえば霞ヶ浦は6月になると接岸するテナガエビが増えますが、早い時期から特定のエリアにだけ湧いていたりする。もちろんそういう場所はなかなか見つからないんですが、発見できればビッグフィッシュの固め釣りができる」なるほど……。すべてに筋が通っている。広大な霞ヶ浦水系では毎キャスト執拗な誘いをしていては魚に辿り着けないことも多い。

いいサイズのバスを探す意識が強いがゆえのハイテンポなのだ。坂田さんがW.B.S.を勝つときは必ずビッグウエイトを出していることも納得である。

03 (カスタム)-Jun-30-2025-02-30-16-6991-AM
ブッシュやウッドカバーではキャスト数が増える傾向があった

ポイントを絞ったら繊細に

ちなみに、釣るべき条件やエリアが絞れたあとは一気にペースを落とすことが多い。プラを経た試合では10cm刻みで徹底的に細かく撃ち絞り出す釣りを展開。ボトム付近でバイトが多ければきっちり着底させる。「探すためのカバー撃ち」ができるからこそのスローダウンだ。

この記事を読んだあと、カバー撃ちのテンポで少し悩むようになるかもしれない。「水面下60cmまでにしてテンポを速めよう」や「ここはボトムまで落とそう」など、ファーストフォールだけを切り取っても実は多彩な選択肢があるのだ。リズムを変えるだけで新しい出会いがある。そんなことを教わった霞ヶ浦の午後だった。

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この日は午後からの釣りでさくっと2匹をキャッチ

カバー撃ちおすすめワーム6選

霞ヶ浦水系の春から夏に出番が多いリグを紹介してもらった。いずれもボトムまで落とすのではなく水面下60cmまでのゾーンで勝負するのがメイン。注目したいのはいずれのルアーもすり抜け性能が高いこと。テンポよく釣って魚を探したい意図があるため、食わせ能力は高いが釣りの効率が落ちる系統のルアーは極力使わない。たとえばコイケ17mmのモリケンリグはすさまじいルアーパワーを感じるが、リズムが悪くなりがちなので先発にはしていない。

また、坂田さんがカバー撃ちの際にメインで使っているタックルは以下の通り。

ロッド:マッカHUMC-67MST(ハイドアップ)
リール:SSAIRTW8.5R(ダイワ)
ライン:フロロマイスター10Lb(クレハ)

ロッドはソリッドティップのMパワー。軽めの撃ちモノ全般を気持ちよく扱えるモデルだ。ネイルリグやネコリグはこのロッド。テキサスリグには67MHSTを合せている。

坂田さんタックル

コイケシュリンプミディアム(ハイドアップ)

フワフワ落ちるルアーに反応が増える5月以降のエース。ネイルシンカー0.9gをボディー真ん中に入れると1秒20cmのスピードでスローフォールする(もっと速く落としたいときは1.5gまで使う)。ボトムまで落としていてはテンポが極端に落ちるが、60cmまでと割り切れば気持ちよく使える。

一定の水深まで落としたらロッドワークでスーッと横に引いてから回収。これは「ゆるい逃がし」のイメージ。エビの水平スイムをイメージしてやってみよう。ハリのあるトゲが適度に水を押して魚を呼んでくれる。触角は気分でカットして使うことも。フックはCOフック#1/0(スーペリオ)。ビッグフィッシュねらいのときはコイケシュリンプビッグにローテーション。このサイズにバイトが集中することもあるという。

コイケシュリンプミディアム

ベイトフィネスジグ3.5g(ティムコ)+スタッガークロー3.3in(ハイドアップ)

ヘッドの先端ではなくスプリットリングにラインを結ぶ。つまりラバー付きのリーダーレスダウンショットリグとして使うのだ。これは平本直仁さんに教わった使い方。ブッシュや倒れたアシにラインを預けてシェイクし、ツメをせわしなくアクションさせる。天井裏でシェイクしてバイトがなければ次のキャストに移ることが多い。

スタッガークロー3.3in

コイケサンダー(ハイドアップ)3.5gテキサスリグ

ヘビーなブッシュに入れるためのセッティング。まずコイケサンダーは、マテリアルが硬く込み入った枝でもすり抜けがよい。リングを入れているのは回収時の「くるくる」を防ぐため。リングがあることでコイケサンダーが枝をかわすようなかたちで抜けてくるのだ。テキサスリグの場合もボトムまで落とさず中層で誘う。吊るし&シェイクで誘ってこの日もナイスフィッシュが食ってきた。

コイケサンダー

タッガー4g(O.S.P)+スタッガーワイドツインテール2.7in

雨が降ったりして湖岸にカエルが出たらまずコレを試す。1㎏アップのバイトが連発した経験あり。スパイラルフォールがカエルの泳ぎに見えるのかも。

スタッガーワイドツインテール2.7in

ベイトフィネスジグ3.5g(ティムコ)コイケサンダーL(ハイドアップ)

表~中層でスイミングさせるときの組み合わせ。ジグストの一種だ。

コイケサンダーL

3ピース4in(ハイドアップ)7gリーダーレスダウンショットリグ

水が濁っていたり魚のレンジが深いときが出番。吊るしてシェイクするとT字のボディーがボヨボヨ動いて下方向に強く水を押す。

3ピース4in

※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。

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奇才・濱田禎二の考えるナチュラルなルアーとは?リアルを超えるためにあえて“非リアル”を混ぜるルアーデザイン術 https://web.tsuribito.co.jp/basser/hamada つり人編集部 trend 191876532644 Sun, 29 Jun 2025 02:00:00 +0900

ルアーにおける「ナチュラル」とは何か?「ゾーイ」をはじめとしたリアル系ルアーでヒットを飛ばすT.H.タックルの濱田禎二さん。彼のルアーデザインにおける「紆余曲折」と、今なお追い求める「さらなるナチュラルへの挑戦」を覗いてみよう。

ルアーにおける「ナチュラル」とは何か?「ゾーイ」をはじめとしたリアル系ルアーでヒットを飛ばすT.H.タックルの濱田禎二さん。彼のルアーデザインにおける「紆余曲折」と、今なお追い求める「さらなるナチュラルへの挑戦」を覗いてみよう。

写真と文◎編集部

「ナチュラル」なルアーを追い求める濱田禎二

幼少期より釣りに親しんだ濱田少年の初バスは津久井湖。小もの釣りをしていると、練りエサでブラックバスが釣れた。

ルアーフィッシングに開眼したのは、年上のアングラーが投げていたオレンジのジョイントラパラを見たとき。水面をうねうねと泳ぐラパラに強く心惹かれた。

高校では釣りから離れたが、大学では林圭一さんや小野俊郎さんらを輩出した名門「チャートリュース」がある日本大学へ進学。活動のメインがバストーナメントであり、部員のスキルも高く、ここでバスフィッシングに一気にのめり込む。実はそれより前から、泉和摩さんによるハンドメイドルアーの本を読み、見様見真似でミノーを作ったりもしていた。

名作「ハマクル」で全国区へ

卒業後はダイワ精工(現グローブライド)に入社したが、妻の実家の釣具屋を継ぐために数年で退社。その後、加藤誠司さんと小野俊郎さんに声をかけられ、ジャッカルのスタッフとしてルアー開発を一部任されることに。そうして生まれたのが、名作「ハマクル」。

ハマクル
ハマクル(ジャッカル):濱田さんがイチから手がけ、初めて製品化したルアー。多連結のなまめかしい動きが特徴。従来のむき出しのヒートン同士のジョイントではなく、連結部が見えない構造だった

多連結構造で水面をヘビのように身をくねらせながら泳ぐさまは、まさにナチュラルそのものだった。

濱田「当時はバスバブルでして、釣りとは何の関係もない会社が業界に次々と参入してきてたんです。実はハマクルも新規参入の会社が立ち上げたルアー部門で発売するために作ったルアーなんですけど、製品化する前にその会社が急に業界から手を引いちゃいまして(苦笑)。行き場を失ったハマクルでしたが、ジャッカルさんに『ウチから出そうか?』と声をかけてもらって、無事日の目を見ることができました。初めて自分で手掛けたルアーがハマクルのようなジョイントタイプだったのは、すでにあるほかのルアーと差別化をしたかったから。それに、そのころはまだデキのいいジョイントルアーってほとんど世になかったんですよ。もしかしたら、子どものころに見たジョイントラパラの鮮烈な印象が脳裏にあったのかもしれません」

その後、フラットボーンクリッカーやマイキーなど、ジョイント系でヒットを連発。濱田禎二の名は一気に全国区になった。

フラットボーンクリッカー
フラットボーンクリッカー(ジャッカル):首振りやただ巻きはもちろん、デッドスティッキングでもよく釣れた名作ジョイントビッグベイト。近年、後継となる「ブラストボーン」が誕生

ウレタン樹脂へ活路を見出す

その後、濱田さんは勝負に出る。家業の釣具店を畳み、「T.H.タックル」の屋号でオリジナルルアーの制作をスタートしたのだ。処女作はジョイント構造のグライドベイト「セナー」。しかし、売れ行きは芳しくなかったうえ、切実な問題があった。

濱田「製作のコストですね。組み立てやパッケージングなどはすべて奥さんとやっていたのでいいとして、金型代がすごくかかる。ルアーを作っても、売れたらやっと金型代がペイできるような状態。
これはしんどいぞとなり、別の方法を模索する必要がありました」

そこで、濱田さんが目を付けたのがウレタン樹脂によるルアー製作だった。プラスチックのインジェクションと違い、金型ではなくシリコン型を用いるため金型代が大幅に節約でき、なにより「実際の魚からそのまま型が取れる」というメリットがあった。

濱田「フォルムを実際のエサそのものにできるというのはもちろん、鱗なんかの細かいディティールまで再現できるのがウレタン樹脂の強みです。こういった複雑な形状は、設計図をもとにしかデザインができないCADでのルアー製作では真似ができません。また、空気室を設けるためにボディーを厚めに……という機能上の制約からも解放されるため、実際のギルのように薄いボディーにできるんです。このシルエットの違いは、バスにルアーを食わせるうえで大きな差になると考えています」

ジョイントによるナチュラルの限界

濱田さんは子供と近所の野池で釣ったブルーギルから、サイズやフォルムがよい個体を厳選。それを型にとり、出来上がったルアーが多連結系のギル型ビッグベイト「ギルギル」だった。ジョイントルアーで一時代を築いた濱田さんらしいルアーだが……次第にその限界も見えてきた。

濱田「ジョイントルアーは、たしかにパッと見では魚みたいになまめかしく、ナチュラルに泳いでくれます。しかし、実際の魚の背骨はもっと細かく、途方もない数の関節(ジョイント)でできている。であるかぎり、ジョイント構造で表現できるナチュラルには限界があるんです。ルアーは、見た目のうえでは限りなくリアルに作ることは可能です。しかし、動きまで実際のベイトに似せるのは無理がある」

あえて動かさない「ゾーイ」が誕生

ならばどうするか。濱田さんが出した答えはこうだった。

「見た目はホンモノでもアクションさせるとニセモノだとバレてしまう。ならいっそ、動かさなければいい」そうして生まれたのが「ゾーイ」だ。ギルギルと同じく実際のブルーギルから型取ったルアーではあるが、こちらは放置&I字引きが基本。テール部のスカートや両サイドのフェザーフックも、パラシュートやスタビライザーのような効果でボディーが動きすぎるのを防ぐためのものだ。

濱田「見た目のリアルさの重要性を確信できる出来事もありました。いつかリザーバーで釣りをしているとき、ゾーイがオイルフェンスに根掛かりしてしまった。それを取りに行こうとボートを寄せている途中に、バスがゾーイにバイトしたんですよ。全く動いていないルアーなわけですから、リアルでないとただのゴミにしか映らないはず。それでも食われたということは、見た目さえリアルであれば全くアクションしなくてもバイトは引き出せるということです。

そして、ウレタン樹脂はこの『動かない』というアクションとも相性がいいんですよ。プラスチックのように『空気室+ウエイト』で比重を調整するルアーは、重心が1ヵ所に集中することによって、そこを支点にボディーが動きやすくなってしまうんですね。クランクベイトであればそれがキビキビした動きに繋がるわけですが、ボディー全体を均一な比重にできる樹脂なら、その逆のことが起きる。つまり、ボディーが動きづらくなるんです。比重の重いシダーウッドのクランクがキビキビではなくヌメヌメ泳ぐのと同じですね」

ゾーイ
ゾーイ(T.H.タックル):本物のブルーギルから型を取ったリアル系ビッグベイト。ゆっくりとしたただ巻きでも驚くべき集魚力を発揮。藤田京弥さんや梶原智寛さんらトッププロも愛用している。フェザーフック、ブレード、スカートなどのパーツにはすべてに意図があり、「リアル+余計に動かない+わずかなアピール」という濱田式ナチュラルの方程式を満たしたルアー

リアルを超える“もう一工夫”

見た目は徹底的にリアルに。反面、アクションには余計な動きを入れない……。しかし、ここで満足することなく、もうひとスパイスを加えるところが濱田さんの真骨頂だ。たとえば、ゾーイにセットされた小さい金属ブレード。

濱田「リアルな見た目に、動かないボディー。これだけでもバスの反応は良かったんですが、放置とかI字って、バスにバイトのキッカケは与えづらいんですよね。だから、ほんの一部だけ、バスに訴えかける要素を足したかったんです。リアルなマネキンの全身が動いたらニセモノだとすぐにわかるけど、指だけが少し動いたら生きていると錯覚しませんか?そんなイメージです。なので、あくまでブレードのサイズは極小さく、ボディーのアクションにも影響を与えない大きさにしました。

結果として、スカートやフェザーフック、ブレードなど、エサっぽさからは程遠いパーツを付けたほうが釣れるルアーになったということも大きな発見でした。つまり、究極のナチュラルのためにはリアルな見た目も重要だけど、それだけでは足りないということです」

藤田京弥さん
藤田京弥さんもかなりのゾーイ・フリーク。ボートデッキにゾーイを結んだタックルを常備している(写真は2021年の芦ノ湖)

ゾーイで得た知見を元に作られたのが、玄人の間でもシークレット的に使われている表層系ルアー「ボブルヘッド」だ。サイズごとに西湖と相模湖のワカサギからそれぞれ型取り。極めてリアルな表層を漂うワカサギを模しつつ、ヘッド付近にわずかに稼働するジョイントを持ってくることで、「静」のなかのわずかな「動」を表現。ジョイント部の内側は赤く塗り出血したエラを模すこだわりぶりだ。

ボブルヘッド
ボブルヘッド(T.H.タックル):ワカサギから型を取ったリアル表層系ルアー。基本は水面放置で使用。エラの位置にジョイントを設けることで、ステイ中にもわずかにアクションしてアピール。ジョイント部はエラのように赤く塗る手の込み方!

トレブルフックを用いない画期的なハードルアー

「なまめかしいジョイントアクション」に始まり、「リアルでほとんど動かさない」という形に至った濱田さんのナチュラル論。しかし近年、濱田さんはまた新たなナチュラルを模索している。それが、トレブルフックを用いないハードルアーの開発である。

濱田「見た目のリアルを追求すると、最終、どうしてもトレブルフックの存在がネックになる。ほかにもトレブルフックを避けたい理由があります。それは、軽量な表層系ルアーなどでは、背負えるフックのサイズに限界があること。デカいバスが来たときに、フックが華奢では伸ばされてしまう。そういう意味でもシングルフックで使えるハードルアーがほしかった。もちろん、ワーム禁止の芦ノ湖、河口湖、西湖などで使用できるというメリットもあります」

マスバリ&シングルフックの仕様を前提に生まれたのが「MFブライス」と「ジャケットミノー」だ。
前者はマスバリを通し刺しして表層で、後者はジグヘッドをセットしてミドストで使用する。

MFブライス
MFブライス(T.H.タックル):マスバリを通し刺しして使用できる表層系ルアー。トレブルフックを排除することで見た目のリアルさを極限まで高めるだけでなく、大型のバスにフックを伸ばされる心配もない。トレブルフックのルアーに比べてバスが警戒しないのか、バイトが深くなる傾向があるという

濱田「〝奇才〞なんて言われることもありますけど、自分としては奇をてらったものを作ろうという意識はないんですよね。純粋にどうすれば釣れるルアーができるのかを考えて、試行錯誤した結果として他にはないようなルアーが出来上がっているだけなんです」

ジャケットミノー
ジャケットミノー(T.H.タックル):ジグヘッドを装着してミドストで使用できるハードルアー。こちらもトレブルフックを排除することで見た目の違和感をなくすことができるほか、そもそもトレブルフックがぶら下がっていては実現できなかったロールアクションが可能になっている

※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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琵琶湖のボートバス釣りを変えたノーシンカーメソッドはオカッパリでも効果的!【元祖が教えるカバースキャット・ボトムジャーク】 https://web.tsuribito.co.jp/basser/cover-scat つり人編集部 trend 191878803105 Sat, 28 Jun 2025 02:00:00 +0900

ここ数年の琵琶湖における最大のムーブメントのひとつが、カバースキャットをはじめとしたノーシンカーのボトムジャークだろう。いつか琵琶湖を訪れた際、ほぼすべてのボートが沖の浚渫跡で船団となり、みな一心不乱にロッドを下さばきで操作していた光景は衝撃的だった。そして、今や琵琶湖を飛び出し全国に波及したこのテクニックを、開祖である冨本タケルさんはどのようにアップデートしているのだろうか。取材を快諾した冨本さんが「ぜひやってみたい」とリクエストしてきたのは、まさかのオカッパリだった。

ここ数年の琵琶湖バス釣りにおける最大のムーブメントのひとつが、カバースキャットをはじめとしたノーシンカーのボトムジャークだろう。いつか琵琶湖を訪れた際、ほぼすべてのボートが沖の浚渫跡で船団となり、みな一心不乱にロッドを下さばきで操作していた光景は衝撃的だった。そして、今や琵琶湖を飛び出し全国に波及したこのテクニックを、開祖である冨本タケルさんはどのようにアップデートしているのだろうか。取材を快諾した冨本さんが「ぜひやってみたい」とリクエストしてきたのは、まさかのオカッパリだった。

写真と文◎編集部

カバースキャットで琵琶湖のバス釣りを変えた「冨本タケル」

現在、琵琶湖でも指折りの人気ガイドとなった冨本タケルさん。しかし、バスプロとしてのキャリアは遅咲きと言える。プロのジェットスキーレーサーの道をあきらめ、琵琶湖ガイドを目指したのが30歳のころ。まずは数年間琵琶湖を徹底的に釣り込み、シーズナルや様々なパターンを自身に叩き込んだ。

30代半ばでプロガイドを開業したが、初年度の4月に来たゲストは2組(どちらも友人)だけだった。まだSNSも発達しておらず、ミクシィのコミュニティ機能で細々とゲストを募集。そこから約10年以上もの期間は、ひと月の半分がガイド予約で埋まるのが精いっぱいだった。

冨本「同じ時期にガイドを始めたキムケンとか、地元の後輩であるまっつん(松下雅幸さん)はパパっと売れっ子になってね(苦笑)。僕は琵琶湖のことが知りたくてガイドが入っていない日も必ず湖上に出ていたから、ガソリン代とかがバカにならない。本当にカツカツでした」

辛抱しながらも地道に、そして着実に実力を蓄えていった冨本さん。それが報われたのが2016年のこと。琵琶湖のトーナメント「BAIT(現MBFT)」にて、ロングワームを用いたパンチショットリグで当時のレコードウエイトである29835g(10匹)をマークし優勝したのだ。

冨本「やっと名前が売れ、お客さんがたくさん来てくれるようになりました。『Basser』の表紙にもしていただけましたね(笑)」

この時すでに47歳。長いトンネルを抜けて大器晩成、めでたしめでたし……と締めたいところだが、本当のブレイクスルーはそのあとだった。

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冨本タケル( とみもと・たける)1970年生まれ。愛知県出身・在住。琵琶湖プロガイド。28歳まではジェットスキーのプロとして全国をトレイルし、地元の市議会議員を3期(12年)全うするなど地域の発展にも尽力した。バスプロとしては30代半ばからガイドを開業し、当時の琵琶湖レコードとなる2日間・10匹で28935gを記録するなど活躍。サカマタシャッドやカバースキャットのボトムジャーク、リバウンドスティックのパンチショットリグなど、近年の琵琶湖における流行メソッドを次々と発信した。

カバースキャット・ボトムジャーク誕生秘話

2018年ごろ、ウイードが消滅してブルーギルが極端に減った琵琶湖は大転換期を迎えていた。既存のパターンは軒並みパワーダウンし、代わりに台頭したのがサカマタシャッドの表層ノーシンカージャーク。これを秘かにボトムで行なっていたのが冨本さんだった。最大サイズの8inをディープボトムでジャークさせると、モンスタークラスが面白いほど食ってきたという。2017年に発表されたウルトレックス(GPSを内蔵し、任意の座標でステイできるエレキ)の登場も、スローな釣りの精度向上に大きく貢献した。

冨本「2018年の冬だったかな。あるスポットでサカマタ8inだとバイトが出なくなって、サイズダウンしようかな……と思ってたところに、発売以来一回も使っていなかった未開封のカバースキャットのパックが目に入りました。初めて見たときは、その見た目も含めて『奥村(和正)さん、変わったモノつくったな』と思ってあまり使う気にならなかった(笑)。もともとは名前の通りカバー撃ちを想定して作られたワームだけど、比重も高そうだし、サカマタと同じようにディープで使ってみるかなと。そしたらもうボッコボコ。サカマタでバイトが止まったスポットから、50cmアップが10連発しました。もともとセンコー系やほかの高比重ノーシンカーをボトムでズル引いたり、放置してスローに使う釣りって、昔からありましたよね。でも僕はそっちの流れではなく、サカマタジャークの派生系として入っていった。しかもそれを誰もやっていない、やる気にもならないディープでやったから差を付けられたんだと思います」

その後しばらくは状況を問わずバイトが出続けたカバースキャット。エビやゴリ系などボトムのベイトが食われているときはもちろんテキメンだし、そうでなくても釣れた。試合や雑誌の対決企画などでも驚愕の釣果を連発した冨本さんは一躍琵琶湖の顔役となった。

04 (カスタム)-3
カバースキャット(デプス):塩含有率40%という極めて高比重なボディーで、ノーシンカーながらディープ攻略が可能。難易度は上がるが、冨本さんは15mまでが射程。後方重心のデザインで飛距離は抜群。そしてお尻を支点に首を振る移動距離を抑えた水中ドッグウォークもこの形状だからこそ可能だ。サイズは2.5~4inがラインナップ。長くオリジナルの3.5inがメインだったが、ハイプレッシャー化に伴って現在は写真の3in が先発になることが多い。フックは回収中のイトヨレを軽減させるスイベル内臓の「ワーム34R ハイドロール」。製造の難易度から一度は諦めかけたが、冨本さんががまかつに「どうしても欲しい」と熱いリクエストを送って製品化。3in には#4/0をセット

カバースキャット・ボトムジャークの基本動作おさらい

琵琶湖から全国に波及したカバースキャットのボトムジャーク。各社から多くのフォロワーが発表され、2021年にはJBTOP50遠賀川戦で武田栄喜さんがこのメソッドで優勝。もはや選手たちに絨毯爆撃を受けていたといっていい最上流エリアの船団のなか、極限のプレッシャーを釣り勝ったのが20Lbフロロを組んだカバースキャットだったことは大きな衝撃だった。

では、カバースキャット・ノーシンカーボトムジャークの使い方を簡単におさらいしよう。

1.ボートであれば基本はフルキャスト。ねらったスポットに対してなるべくロングディスタンスでアプローチする。これはバスのプレッシャー対策でもあり、水中でなるべくラインを寝かせるためでもある。

冨本「飛距離は大事です。とくに琵琶湖ではバスがライブスコープのビームやボートの存在に対してかなりナーバスになっています。近距離のバスにサイコロ系ワームを入れても食わないのに、ライブスコープのビームが届かない距離(およそ30m以上)からカバースキャットを入れたら食うということはよくあります」

2.ルアーが着底するまでフリーフォール。ノーシンカーは着底を感じにくいので、カバースキャットのシンクレートである「3秒で1mフォール(3.5in×20Lbフロロセッティングの場合)」を基準に、水深に合わせてカウントダウンするのがよい。つまり、南湖のベースとなる水深4mなら12秒。北湖の10ディープなら30秒を要する。

3.ルアーがボトムまで着底したら「2ジャーク&6秒ポーズ」を基本に操作。最初の数回は食わせるためというよりも、水中で上にアーチを描いている、沈みきる前のラインを素早く一直線にし、ボトムに近づけるための操作と思ってよい。冨本さんの感覚では、ディープレンジではラインがボトムべったりになるのに5〜6回の操作が必要で、バイトが出るのはほとんどそのあとのことだという。ラインをボトムに這わせることが、ナチュラルに食わせるための最重要事項だということだ。

冨本「慣れてくると、水中のラインの状態が抵抗感でわかるようになります。水中でフワフワしている状態より、ボトムべったりになった状態のほうがややアクション時に重たさを感じるはず。また、ティップから水面までのラインが斜めでなく真下のほうに向いてくるのも、ラインがしっかり沈んでる証拠です」

05 (カスタム)-3
スレンダースキャット(デプス):ボディーをロング化したカバースキャット。ディープ攻略はやや難しくなるがより柔らかいアクションが出せるうえ、オカッパリではフィルターユニットなどの隙間に入りづらくなり、根掛かりが減る

「ジャーク&ポーズ」アクションのコツ

操作がジャーク&ポーズなのにも理由がある。ゴリ系のベイトがエサを捕食する際の「ピュッ・フワ〜」という底から離れゆっくり着底する動きを模すことができ、バスにスイッチを入れやすい。

また、ズル引きのようにラインを張る時間が長い操作だと、せっかくボトムを這わせたラインが持ち上げられて浮いてしまい、バスの視界に入ってしまう。つまりバスを警戒させてしまうのだ。入力が瞬間的なジャークなら、ラインが浮くことはない。

ジャークは、ワームがその場でドッグウォークするくらい優しく、トゥイッチに近い感覚で「トントン」と鋭く短く行なう。また、操作中はロッドティップを水面に向ける(=ティップから水面までのラインの距離を短くする)ことで風などの影響を受けづらくなり、ラインが浮き上がりづらくなる。

冨本「6秒のポーズはラインをしっかり沈める意図もありますし、同時にバスにしらけさせずルアーに興味を持たせる絶妙な間だとも思っています。ルアーにバスが寄ってきて、ジーっと観察して、見切られる寸前でルアーがピュっと逃げて、スイッチが入る。バスと『だるまさんが転んだ』をやってるようなイメージです」以上の操作を正しく実践すると、フルキャストなら1投してルアーを手前に引ききるまで10分ほどかかる。それが正解だ。

カバースキャット・ボトムジャークの使い所

冨本「カバースキャットのボトムジャークはラインの存在感を消しつつノーシンカーで誘える究極の食わせだと思っています。しかし、1時間に6投しかできないということは、かなりリスキーな釣りでもある。『ここにはいるはず』という確信のスポットや、バスの回遊が期待できる場所で投入してください」

オカッパリでも有効なカバースキャット・ボトムジャーク

冨本さんがこのメソッドに開眼してから8年目を迎えた令和7年において、当の本人はどのようなアップデートを行なっているのか。

冨本「これまでと違った使い方をしているわけではありませんが、やるべきことをちゃんとやらないと食わないことが増えてきました。最初のうちはアバウトでも食ってきてくれたんですが、とくに琵琶湖に関してはみんながやりすぎてさすがにスレてきた。よりラインをしっかり沈めて、より短くキレがあってルアーが浮きすぎないダートをさせて、よりラインを緩めてバイトを待つ……。そして、これらすべてをより時間をかけて丁寧にやる。地道ですが、これが一番の近道です」

神経衰弱のような釣りだな、と思うかもしれない。だが、これらの精度を誰でも簡単に、飛躍的に高められる特効薬的な方法がある。

「オカッパリ」である。

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岸でも沖でも、基本的な操作は変わらない。ロッドを下にかまえ、短く鋭くジャーク(トゥイッチ)を加える。ロッドとラインの角度が90度になるとティップが曲がって入力が伝わりづらいので、ロッドとラインの角度を120度以上に開き、ティップを曲げずにベリーでルアーを動かすのが理想。シャローのアップヒルならディープの釣りと違ってラインが沈み込むのを長時間待つ必要がないので、この釣りの入門としてはオカッパリがベストかもしれない

オカッパリで釣れる理由

そもそも、この釣りは足元が安定していないと成立しづらい。荒れた湖面で上下するボートでは理想のラインテンションをキープしづらいし、ボートが流されるのは論外。風の影響を受けにくいリザーバーなどならまだしも、琵琶湖ではウルトレックスとの併用が前提となる釣りだ。しかし、オカッパリであるだけで、まずここがクリアできる。

いかにラインをしっかりと沈められるか、という点もオカッパリならイージーだ。フィールドによるが、ほとんどの場合で水深が浅いことに加え、「沖から岸」のアップヒルなアプローチになるため、ボートでのディープ攻略に比べて、素早くラインがボトムを這う状態になってくれる。

最後はプレッシャー対策。エントリーする場所が限られる、あるいはほかのアングラーが多く入りたいスポットに入れないオカッパリでは「限定された立ち位置から、いかにバイトを絞りだすか」ということが往々にして求められる。

お気づきのように、カバースキャットのボトムジャームが持つ性質はこれに見事に合致する。実際のところ、すでに多くのアングラーがこの釣りとオカッパリの相性の良さを見抜いて結果を出しているだろう。

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限られた立ち位置からバスを絞りだせるのもオカッパリで有効な理由のひとつ

激戦区フィールドで試す

冨本「取材の話をもらったとき、『オカッパリ、アリやな』と思ったんですよ。これまでボートで頑張って、辛抱しながらやってきたカバスキャの釣りが、たしかにオカッパリなら手軽だし、みんなやって釣っているという話も聞く。それに、琵琶湖以外のバスにこの釣りがどれくらい効くかも試してみたかったんです」

5月某日の土曜日、冨本さんが向かったのは岐阜県・五三川。近年低調な霞ヶ浦水系にとって代わり、今や全国的に見てもオカッパリの最激戦区と言っていいフィールドだ。実際、上流のプールエリアには目に見える範囲に12人ものオカッパリアングラーがひしめいていた。

冨本「ゴールデンウイークに下見に来たときは、もっとヤバかった(笑)。エントリーする場所がぜんぜんなかったです」

上流部の護岸際、カバースキャットをピッチングでショートキャストし、ボトムジャーク……ではなくズル引きすると、答えはすぐに帰ってきた。

冨本「ズル引きで食ってくれるなんて素直!人はめちゃくちゃ多いですが、水に濁りも入ってるから疑わずに食わせやすい」

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護岸沿いのボトムをズル引きするとバイト!

記者も試しに3inで釣りをさせてもらったが、足元が安定しているうえに水深は沖でもせいぜい1.5mの五三川。高比重なカバスキャならまったく苦も無くボトムを取れるし、明確なボトムコンタクトを感じながら操作できた。冨本さんが普段やっている「ボート×ディープ」での操作のほうが、よほど我慢が必要で難しいだろう(だからこそ差をつけられるのだが)。

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40cmクラス。琵琶湖のモンスターとは比べるまでもないサイズだが、新鮮なオカッパリでの釣果を心から喜んでいた

冨本「そうそう、明確に変わってきたことがひとつあります。それがカバースキャットの基準サイズ。琵琶湖では3.5inがメインでしたが、ダウンサイジングしたほうが結果が出やすくなっており、現在は3inから入ることが多いです。イトヨレがしづらいスイベル内蔵型の専用フックやこの釣りに最適化したロッドも監修したので、ベストなタックルバランスやルアーセッティングも必須ですね」

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TACKLE
[カバースキャット2.5~3in用]
ロッド:ゲインエレメント・ライト 、ジャーキングエレメント (プロトタイプ/デプス)
リール:アルデバランDC XG(シマノ)
ライン:オーバーテックス 14Lb (サンライン)
ロッドは小型ワームのノーシンカージャーク用に開発中のプロト。レングスは6ft7in、パワーはM+クラス。3.5inでは20Lb指定だったラインも、ダウンサイズに合わせて操作性を考慮し14Lbに。ラインをたるませた状態でバイトをとる釣りなので、オーバーテックスのようなハリのある硬めのフロロが推奨

※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。

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ジーニアスプロジェクトが放つ、次世代ベイトフィネス機「ジェネレウス」:今江克隆が見出し、三原直之を惚れさせた開発者のこだわり https://web.tsuribito.co.jp/news/geneleus つり人編集部 trend 191838229533 Fri, 27 Jun 2025 07:20:00 +0900

バスフィッシング界に、また一つ注目のリールが投じられた。手掛けたのは、今江克隆らトッププロも一目置く“天才職人”、青木哲が率いる「ジーニアスプロジェクト」。同メーカーが今回発表したのは、ベイトフィネス領域をカバーする新リール、「ジェネレウス」だ。アングラーの「便利さ」を極限まで追求したという最新機種。その革新的な機能とデザインを、ここで詳しく紹介していこう。

バスフィッシング界に、また一つ注目のリールが投じられた。手掛けたのは、今江克隆らトッププロも一目置く“天才職人”、青木哲が率いる「ジーニアスプロジェクト」。同メーカーが今回発表したのは、ベイトフィネス領域をカバーする新リール、「ジェネレウス」だ。アングラーの「便利さ」を極限まで追求したという最新機種。その革新的な機能とデザインを、ここで詳しく紹介していこう。

◎編集部まとめ

ジーニアスプロジェクトとは?

ジーニアスプロジェクトはリールやロッド、カスタムパーツやシンカーなどの小物類を開発するブランドである。「グラビアス」という名のロッドとリールは年々存在感を増しており、ネコリグ用のオリジナルシリコンチューブやスクリューネイルは替えの効かないアイテムとしてアングラーに愛されている。すべてのタックルに「その手があったか!」と唸らされる工夫が施されているのだ。

クラフトマンの青木哲は兵庫県・西宮市でプロショップ「疑似餌屋」を営む釣具店店主でもあり、JB TOP50の現役選手でもある。青木は25歳のときに疑似餌屋をオープンし、40歳のころにはバスフィッシング関係のパーツ作りやカスタムを本格的にスタートさせる。

工業製品などのデザイナーだった祖父の影響があり、幼いころから工作やお絵描きが大好きだった。そして小学生低学年のころから磁石が好きで永久機関に興味があった。マグネットを用いて鉄球を回し続ける永久機関作りに挑戦していたという。バス釣りをはじめたのは小学3年生のころだ。何事にも「本当にこれでいいの?」と疑問をもち、試行錯誤が大好きな性格だった。

青木哲
青木哲(あおき・さとし)
1971年7月19日生まれ、大阪府出身。兵庫県・西宮市にてプロショップ「疑似餌屋」を営む。ジーニアスプロジェクトを主催しロッドやリール、カスタムパーツの開発も行なう。JB選手でもあり2025年TOP50に参戦。

今江克隆が認めた才能

青木の才能をいち早く見抜いたのが今江克隆だ。ふたりの出会いは44歳のころ。「釣り祭りin芦田川」で青木の作ったカスタムパーツが目にとまったのがキッカケだった。それはアブ・ガルシア製ベイトをロングノーズ化(スプールとレベルワインダーの距離を長くする)ためのパーツで、キャスト時にラインの角度がマイルドになるため飛距離が向上する特徴があった。「これええな」とふたりの付き合いがはじまり、その後はリールだけでなくロッドカスタムなどさまざまな分野で今江は青木の手がけるアイテムを使っている。

三原直之がメイン機種に指名

その後、青木がグラビアスを世に放ったのが48歳(2018年)。「ダイワとシマノを超える」という思いで手掛けたリールだった。その後すぐこの機種をメイン機種に指名したのが三原直之だった。グラビアスを選んだのはなぜだったのか。

三原「理由はひとつ。青木さんの熱意です。ダイワとシマノという高い壁を本気で越えようとしていることが言葉の端々から伝わってきた。正直、最初は『さすがにそれはキツいんじゃ……』と思ったんですよ。けど、使ってみてその言葉に1mmの嘘もないし、現実的な目標であることがわかった。ジャイアントベイトやマグナムスプーンを投げ倒して、本気で壊すつもりでゴリゴリに使ってみたんですよ。青木さんはパワーゲームはあまりやらないので、そこの作りは甘いんじゃないかと思って。けど、全然壊れなかった。ああ、心底本気なんだなと思って、青木さんの熱に乗せてもらおうと思ったんです。それからずっと青木さんのお世話になっていますけど、青木さんは“便利”を常に模索している人。『コレでいいや』がまったくない人なんですよ。その開発には常に“便利”が裏付いているんですよ」

グラビアス

新機種リール・ジェネレウスが登場

そんな青木がひそかに開発を続けていた隠し玉がある。その名も「ジェネレウス」。

青木「オールマイティーなグラビアスに対して、ジェネレウスはベイトフィネスの領域に重点を置いたモデルになっています。グラビアスよりひと回りコンパクトです。気持ちよく投げられるルアーのど真ん中は2.7gスモラバや3inファットヤマセンコーのノーシンカーリグあたり。もちろんさらに軽いリグもいけます。最後はユーザーの皆さんの判断になりますが、大手メーカーのリールと性能面で勝負できるモデルに仕上がりました」

ベイトフィネス以外にも対応するバーサタイル機

ブレーキシステムは青木が考案した高性能な「無振動マグネットブレーキ」。ボディー素材はマグネシウムだ。そしてスプール径は32mm。ベイトフィネス機であればさらに小さい径も考えられるが、なぜ32mmなのか。

青木「うちのブレーキシステムだとスプール側に重いユニットを配置する必要がありません。アルミの板を貼るだけなのでスプールを軽く作れるんですよ。なので32mmで充分な立ち上がりを得られる。もうひとつ、MCスクエアードのセラミックダブルボールベアリングを搭載できているのも大きい。このベアリングは誰でも体感できるレベルで回転のスムーズさが向上します」

無振動マグネットブレーキ
全周に均等配置されたマグネットはスプールの回転にムラを生じさせない

このセラミックダブルボールベアリングの凄さには三原や志達らプロスタッフも舌を巻いたという。記者もシングルのベアリングとダブルを投げ比べてみたが、ピッチング時の軽量ルアーのひと伸びをはっきり体感できた。青木はこのベアリングを「奇跡のベアリング」と呼ぶ。

青木「無振動マグネットブレーキとダブルボールベアリングの相乗効果で納得の仕上がりになりました。ベイトフィネスに特化したモデルというわけではなくて、ベイトフィネスの領域もカバーするバーサタイル機という表現がしっくりくるかもしれません。たとえば志達海輝はジェネレウスでアラバマやビッグベイトも投げています」

スプールはMCスクエアード製で素材は超々ジェラルミンだ。肉抜きにも注目したい。これまでサイド部まで肉抜きすることは強度面で無謀とされることもあったが、機械の進化と手削りによる仕上げで強度を確保しつつ肉抜きすることに成功している。

バックラッシュ知らずで、飛距離は犠牲にしない高性能ブレーキ

もうひとつ、青木が大事にしていることがある。

青木「一日釣りをしてバックラッシュなし。そんなリールを目指しています。うちは磁力の強いマグネットを採用しているので、ダイヤル0~4の弱めのダイヤルでもサミングがいらないレベルのブレーキが効いてくれる。かといって飛距離が犠牲にならない不思議な感覚をぜひ味わってほしいです。普通は楽なベイトリールは飛ばないんですけど、ジェネレウスは『飛んで楽ちん』が実現しました」

肉抜きされた32mm径スプールとセラミックダブルボールベアリングの組み合わせにはリスクもある。回転が軽すぎてトラブルが増えてしまったり、アングラーが扱いにくいフィーリングになってしまう可能性があるからだ。しかし、その危惧を杞憂に終わらせているのが強磁力マグネットによる無振動マグネットブレーキシステムだ。

青木の武器が化学反応を起こした結果に生まれたのはアングラーに優しい名機だった。

ジェネレウス
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【テナガエビ釣り】名人が明かす「100匹釣る」ための置き竿術と自作仕掛け https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tenaga-mania つり人編集部 trend 191784126318 Thu, 26 Jun 2025 09:00:00 +0900

テナガエビ釣りで「束釣り(100尾超え)」は当たり前。そんな名人が明かす釣果の秘密は、置き竿スタイルにあった。今回は名人の釣果を支える置き竿スタイルの釣り方や、仕掛け・エサなどの工夫を紹介。

テナガエビ釣りで「束釣り(100尾超え)」は当たり前。そんな名人が明かす釣果の秘密は、置き竿スタイルにあった。今回は名人の釣果を支える置き竿スタイルの釣り方や、仕掛け・エサなどの工夫を紹介。

写真と文◎編集部

テナガエビ名人は置き竿スタイル

かつては都内の釣具店に勤務しており、アユ釣りやハエ釣りの競技会で優勝を含む多数の好成績を収めていた橋本春雄さん。テナガエビ釣りではいかに数を釣れるかにこだわっており、テナガエビ釣りで釣果が100尾を超えるのは「当たり前」のことだという。取材日も朝8時から午後1時過ぎまでの釣りで束釣りを達成。

テナガエビ
取材日も余裕の100尾超え……!

その秘密はヘラブナ釣りで使う座イスに3本の置き竿をセットし、一定の間隔を保って上げていくという独特のスタイルにあった。

「基本はタイム釣りです。アタリを見てひとつひとつ掛けていくのでなく、アタリが出る状況を作ったら、あとは一定の間隔で竿を上げ下げする。このリズムを崩さないことが大切です」

テナガエビ釣りではエビがエサをつまんでから口に運ぶまでの「間」をとる必要があり、ウキ釣りの場合はウキの動きを見てタイミングを計るが、橋本さんは3本の竿を順番に上げることでオートマチックにこの「間」を作っているのだ。

テナガエビ釣りの置き竿スタイル
特製のヘラ台に3本竿という独特のスタイルが橋本流

「3本の置き竿には意味があります。一定のリズムを作るのに、2本でも4本でもなく、やはり3本がやりやすいからです。そしてちょうどいい『間』がとれます。私の場合、竿は常に右から左に順番を変えずにチェックします。気まぐれで気になった竿を上げないのがポイント。1つの竿に反応があって、エビがそろそろ掛かっているかなと思ったら、頃合いを見てその竿を上げるわけですが、そこで釣れていてもいなくても、1本の竿を上げたら次は隣の竿を確認し、さらに残りの1本の竿も同じように確認します。1本の竿を引き上げて、エビを外すなりエサの状態をチェックしてふたたび仕掛けを投入したら、必ずその流れで残りの2本の竿についても作業する。この繰り返しです」

置き竿スタイルのコツ
置き竿スタイルのコツ

仕掛けとエサへの工夫

1日100尾釣るコツは、置き竿スタイルの釣り方以外にも仕掛けとエサにもある。

自作仕掛けを使用

竿は3本とも同じで、量販店で売られている2.4 mの清流ザオ。手元の上の節にストッパーを自作してあり、1 節短い2.1mで使うことが多い。

仕掛けは、道糸から順に以下のパーツで構成される。

・シモリ玉: 道糸に、目印や仕掛けを立たせる役割を担うシモリ玉を2つ通す
・中ハリス: 道糸の末端に極小のサルカンを結び、そこから中ハリスとしてフロロカーボン1.2号を20cm弱ほど接続
・オモリとハリス止め: 中ハリスの先に、自動ハリス止めを結び、そのすぐ上にガン玉を打ってオモリとする。自動ハリス止め上部にはウレタンチューブを被せる。「そのほうがオモリの近くで仕掛けが不自然に曲がらず、全体がまっすぐになる気がする」とのこと。
・ハリスとハリ: 最後に、自動ハリス止めにハリス付きのハリを接続

テナガエビ釣り名人の自作仕掛け図
テナガエビ釣り名人の自作仕掛け図

この仕掛け全体の浮力は、シモリ玉2つが水面で気持ち縦に並ぶ程度に、ガン玉の重さで調整する。取材日には4Bのガン玉が1個使用されていた。

仕掛けの浮力バランス

また、もう一つの選択肢として、虫ピンを曲げて作った自作の小型テンビンも使用する。アーム部分を極端に短く設計しているのが特徴で、これにより、テナガエビが潜む狭い隙間や穴の奥へと、スムーズに仕掛けを送り込むことができる。

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自作の小型テンビン仕掛け

エサについての工夫

使用するエサは、テナガエビ釣りの定番であるアカムシだ。しかし、釣果を左右する重要な工夫は、エサそのものではなく、その「刺し方」にあると橋本氏は語る。

一般的な「チョン掛け」(アカムシにハリ先を少しだけ刺す方法)では、エサの両端をテナガエビにかじられ、うまくハリ掛かりせずにバラしてしまうことが多いという。

この問題を解決するのが、「通し刺し」だ。アカムシの頭部の下からハリを入れ、体の中心を通すように刺すことで、バラシを大幅に減らすことができる。

アカムシの通し刺しのやり方
アカムシの通し刺しのやり方

竿置きは自作も可能

橋本さんは、ポイントを定めると特製の釣り台を設置し、その上で市販の竿置きを使用するスタイルを貫く。この釣り台は、不安定な足場でも脚ががっちりと食い込むようカスタムされており、誰もが容易に真似できるものではない。

橋本さんの釣り台と竿置き
橋本さんの釣り台と竿置き

しかし、別日に取材した新谷一大さんは、簡単な自作の竿置きによって、置き竿スタイルのテナガエビ釣りを楽しんでいる。

新谷さんのスタイルは、歩きながらテナガエビのアタリを探り、有望な場所を見つけると置き竿にシフトする。この釣り方において市販の竿掛け台は、足場の良い護岸では有効だが、消波ブロック帯などでは安定性に欠ける。また、複数の竿を放射状に並べるには、点在する消波ブロックの穴を狙うのに不向きな上、重くて移動が大変というデメリットもあった。

そこで、前述の課題を解決するために考案されたのが、この自作竿置きだ。作り方は驚くほど簡単で、ワイヤーステッカーをゴム板に貼り付けるだけ。これを竿に固定すれば、簡易的ながら様々な釣り場に対応可能な竿置きが完成する。

ワンタッチ・竿置き
さまざまな形の消波ブロックやゴロタの上でサオを置くことができるワンタッチ・竿置き

ほとんどの場合、この竿置きを竿尻に1つ付ければ問題ないが、丸型の消波ブロックなど特に不安定な場所では、竿の中間地点か穂先の根本にもう1個追加すると安定感が増すという。大小2つのサイズを作れば、ほとんどの場所で対応できるとのことだ。材料と作り方の詳細は以下の通りである。

材料

・ワイヤーステッカー
竿尻用:直径16~18mm、中間用:直径 6~8mm、穂先寄り:直径3~4mm

・スポンジゴム板
竿尻用:10(厚さ)×30×300mm、中間・穂先寄り:5(厚さ)×30 ×300mm

ワンタッチ・竿置きの材料
ワンタッチ・竿置きの材料

作り方

竿尻用の場合は、厚さ10mmのスポンジゴム板を100mmほどの長さに切る。ワイヤーステッカーの両面テープを剥がして、スポンジゴム板中央に貼るだけ。

中間、穂先寄り用は、厚さ5mm のスポンジゴム板を50~70mmの長さに切り、同じくワイヤーステッカーを中央に貼る。

スポンジゴム板をカット
スポンジゴム板をカット
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ワイヤーステッカーを貼れば完成

この手軽な自作竿置きがあれば、気軽に置き竿スタイルを試すことができるだろう。次回のテナガエビ釣行では、ぜひこの名人の工夫を取り入れて、一匹でも多くの釣果を目指してみてはいかがだろうか。

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夏の渓流ルアーどう攻略する?スピンテール系ルアーのススメ【北海道】 https://web.tsuribito.co.jp/north/keiryu_lure_spin つり人編集部 trend 130728293757 Wed, 25 Jun 2025 02:00:00 +0900

バイブレーションプラグを思わせるボディーにブレードが付いたスピンテール系と呼ばれるルアーに近年トラウト用が増えている。ごく小さい虫をイメージでき、イトヨレが気にならないのも魅力。とくに真夏は威力を発揮する

夏の渓流トラウトは、ミノーを追うけど食わない場面が多い……。そんなタフな状況の切り札がスピンテール系ルアーだ。夏の定番ルアーであるスピナーと比べてイトヨレが少なく、ブレードによって主食の昆虫系ベイトを演出できる。今回はこのスピンテール系ルアーの威力と、効果的な使い方、チューニング法まで徹底解説する。

佐々木大=文

夏の渓流ルアーは難易度高め

渓流釣りを嗜むルアーアングラーはミノーをメインにしている方が大半だと思う。私のルアーボックスにもミノーがぎゅうぎゅうに詰まっている。そんな主力のミノーだが、昆虫が飛び盛る夏にはいろいろな使い方をしても「追ってくるけど食わない」ことがあるだろう。

最初の1~2投はミノーに反応してもヒットにいたらなかったり、ライズしている魚に無視されたり……そんな経験をお持ちでは?

「セミルアーを投げればいいじゃん」という声が聞こえてきそうだが、コガネムシやセミ、カメムシなど本物とほぼ同じサイズのルアーで対応できればよいが、カゲロウやカワゲラ、トビケラなど華奢で蚊と同じくらいの虫を偏食していると太刀打ちできない。そうしてルアーアングラーが漏らすのは「夏はフライフィッシングに敵わない」というフレーズだ。

スピナーはデメリットも

そんななか、少しでも釣果を上げようと、真夏に多用されるのがスピナー。私がルアーフィッシングを始めた小学生の頃、初めて魚を釣りあげたのがスピナーだった。魚や虫といった捕食物に似ても似つかない形状なのに、シーズンを通じて魚種を問わず、安定した釣果を叩き出してくれる。ライズしている魚や、明らかに昆虫を捕食している魚からすごく反応がよい。

しかし大きな難点がある。それは構造上、どうしても起きてしまうイトヨレだ。胴体に装着されたブレードが回転することにより、ウエイトやビーズなどが装着されている本体ごと回転してしまうのだ。ひどいときには1時間もしないうちにラインがヨレ、バックラッシュしたりロッドティップに絡まるなどライントラブルが起きる。

トラブルをふまえてスイベルを装着したスピナーもリリースされているが、全くイトヨレしないわけではない。「釣れるけどココぞというときしか使わない」、「ボウズを逃れるために投げる」、「ミノーに追ってきた後のフォローとして使う」といった代打的なルアーととらえられ、朝から夕までスピナーで通す方は多くないようだ。

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夏の渓流にはスピンテール系ルアーが有効

スピナーの代わりといっては何だが、ミノーを食ってくれない場面において、私の使用頻度が高いのがスピンテール系ルアー。シーズンを問わずよく釣れるルアーだ。当時はシーバスやバス用ばかりで、重さは10g以上、全長60mm以上が目立ったが、昨今はトラウト用の軽量タイプも増えてきた。なかには渓流にピッタリな5g以下をライナップしているメーカーもある。

ここでおさらい。スピンテール系ルアーは、金属や樹脂でできた小さなバイブレーションプラグを思わせる胴体の後ろに、小さめのコロラドまたはウイロータイプのブレードを装着しているのが一般的。魚の形をした部分が金属でできたものは「スピンテールジグ」や「テールスピンジグ」、魚の形をした部分が樹脂で覆われたものは「スピンテールプラグ」や「ブレードスピナー」などと呼ばれる。

一度でも使ったことがあれば集魚効果の高さから、ボウズ逃れのルアーとして重宝されるが、バイブレーションプラグのような胴体にブレードの付いたルアーに違和感を覚え、未だに使ったことがないという方も意外と多いようだ。

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イトヨレが気にならない

なぜ私が、スピナーの代わりにスピンテール系ルアーを使うのかというと、イトヨレがほぼ起きないからだ。現在発売されているスピンテール系は、バイブレーションと同じように後頭部または背中辺りにラインアイを備える。そのため、スピナーのように胴体自体が回転してしまう心配がない。胴体は回転せずにブレードのみが回転するのであれば、ミノーやバイブレーションと同じようにイトヨレは気にならない。

そしてサイズ感は同じ重さのスピナーと比較し、同等またはそれより小さいものもあり、小さな虫を食べている魚にも最適。またスピナーと違いスピンテール系は、ラインテンションをかけたカーブフォール時、ブレードが綺麗に回転するのでフォール中のアタリが多い。巻いてよし、沈めてよしで、自ずとバイトチャンスが増える。

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沈下スピードで使い分け

前述のようにスピンテール系ルアーは、胴体がすべて金属でできたタイプと、樹脂でできたタイプの2種類がある。前者は比重が高く、素早く沈んで飛距離が出せ、広範囲を探りたいときや水深のある場所に適している。後者は胴体のシルエットが重さの割に大きく、比重が軽めゆえ、ゆっくり巻いても沈みすぎない。浅い場所やルアーを追わない魚に適しているだろう。

どちらのタイプでも同じ重さ、サイズ感のジグより沈下スピードは遅い。同じ重さのヘビーシンキングミノーと比べると、沈下スピードは速いものが多く、ブレードを回転させながら沈下する。沈下スピードは比較的一定のため、流れの中でも着底位置をつかみやすいのも特徴だ。

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スピンテール系ルアーの使い方

スピンテール系ルアーを携えて渓流釣りを楽しむアングラーは増えつつある。山田泰史さんもその1人。以前は湿原河川など、全体的に水深のあるポイントでサーチルアーとして使っていたそうだが、最近は渓流でも活躍しているという。「どこの川に行っても魚の反応が多い」と感じていて、なかでも『レアリススピン』はフッキングのよさから使用頻度が高いと言う。同行した際も良型のニジマスを釣っていた

小林謙太郎さんは、今も変わらずスピンテール系ルアーを愛用。「難しい操作いらずで簡単に釣れる」と話し、いろいろなルアーを使って反応がなかったり、追ってきて食わなかったりした魚に対し、「ポイントを見切る最後のルアーとして選んでいる」と言う。

私も山田さんも基本的にタダ巻きメインだが、小林さんはリフト&フォールを多用する。リフトからフォールに切り替えた瞬間にアタリが集中するらしく、意図的にフォールを多く取り入れることもあるとか。晴天の減水した悪条件のなか、私が見切ったポイントで『レアリススピン』を使い、ニジマスをヒットさせていた。

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絡みやすい弱点はフックセッティングで対応

抜群の集魚効果を秘めるルアーとはいえ欠点もある。まず、フックがラインやルアー本体に絡みやすいこと。どうしてもコンパクトなボディーゆえ、背中のラインアイとフックの距離が近くなり、そのようなトラブルが起きやすい。ベイトタックルならキャスト時にサミング、スピニングならフェザーリングすることにより、着水時の絡みはある程度防げることを知っておきたい。

また、ほとんどのルアーは、フロント(お腹の下)フックのみの仕様になり、後ろから追ってきてブレード側から食ってきた場合、フッキングの悪さを感じることもある。フックの取り付け位置、サイズ感に多少の工夫が必要だ。

フックの取り付けに関しては、魚種やサイズによりベストの位置は変わってくるだろう。主に別項で紹介した3パターンで対応しているが、通常はAのリアフックのみ(フッキング重視・ライン絡み防止)。どんなに気をつけてもフォール時は、フロントフックがラインを拾ってしまうことがある。それをストレスと感じるなら、このフックセッティングがおすすめ。

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A.リアのみ装着。フッキング重視でフロントのフックにラインが絡むのを防止する仕様

Bはファイト中のバラシを軽減したい場合におすすめ。ニジマスはフッキングしても頭を振りながらジャンプして抵抗する。リアフックに掛かるとボディー本体とフックポイントの距離があることから、ボディーとフックの動きが連動しない。空中で頭を振りながら抵抗された際、ボディーの重さでフックが外れることがある。その対処法として、ボディーとフックの距離が近いフロントのほうがバラしにくいと感じる。

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B.フロントのみ装着。フッキング後のバラシを軽減する仕様

少しでもフッキング率アップと、ファイト中のバラシ軽減を両立したければ、フロントとリアの両方にフックを付けるCを推奨する。

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C.リアとフロント、両方に装着。フッキングをよくし、ファイト中のバラシを軽減する仕様

小粒ながら大もののヒットも珍しくないスピンテール系。フックを曲げられたり折られたりしないためにも、ルアーサイズに合わない太軸や大きいフックを付ける方もいるが、フックサイズを変えてもアクションしなくなる心配がないのもよい。私は太軸だけでなく、軸の長いスプーン用シングルも試している。

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上は太軸、下は細軸を装着。河川により魚のサイズは異なる。上の太軸フックなら60cmオーバーでも曲げられることはない。太軸を装着してもアクションに影響が出ないのが、スピンテール系ルアーの強みでもある

幅広い使い方ができるルアー

春先はサケやワカサギなどの稚魚パターンに化け、夏は陸生&水生昆虫に化けるスピンテール系。「まずは釣りたい」、「何としてもボウズを逃れたい」という方にとって救世主的的なルアーになってくれるはず。現在トラウト用として発売されているスピンテール系ルアーは10g以下が中心。渓流や中規模河川に使えるサイズに限られる。本流、河口、湖など大型トラウトがねらえるフィールドに対応するバリエーションが増えることを期待したい。年中使え、どんな状況でも安定した釣果が見込めるだけに、お助けルアーとしてボックスに忍ばせてみてはいかがだろうか?

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※このページは『North Angler’s 2023年9月号』を再編集したものです。

釣具店員さんに聞いた渓流ルアーの上手な揃え方 【トラウト】虫トップのラインシステム 渓流ミノーの使い分け!水深・流れ・対象魚に合わせた選び方と釣り方のコツ 【渓流ルアー釣り】ミノーイングの基本を解説【トラウト】 第1回(全3回) 【北海道】渓流におけるS字系ルアーの使い方【イトウやニジマスねらいなど】
【釣り人のためのヒグマ対策】絶対にやってはいけないNG行動&命を守るための4つの鉄則 https://web.tsuribito.co.jp/north/higuma_tsuribito North Angler’s編集部 trend 166167994905 Tue, 24 Jun 2025 08:30:00 +0900

ヒグマへの警戒感がかつてないほど高まっている。そうしたなか、釣り人を対象にしたクマセミナーが開かれた。釣り人がすべき心構えとは?

2023年の釣り人死亡事故以降、ヒグマへの危機感がかつてなく高まっている。北海道の釣りではヒグマ対策が必須。専門家が語るセミナーから、遭遇しない努力、万が一の際の心構え、そして釣り人が絶対にすべきでないことまで、命を守るための知識を解説する。

北海道の釣りではヒグマ対策が必須

2023年5月、幌加内町の朱鞠内湖で、ヒグマの襲撃による釣り人の死亡事故が発生した。釣りにおけるヒグマの事故例はこれまで、山菜採りなどと比べて少なめとされてきた。それだけに、釣り人の間では重く受け止められ、ヒグマとの遭遇への危機感がかつてないほど高まっている。

道内のヒグマの動向をみると、かつて行なわれていた『春グマ駆除』が1990年に廃止されて以降、個体数は明らかな増加傾向にある。近年の調査で、同年の推定生息数は5200頭だったが、2014年には1万500頭と倍増。その後も増え続け、2020年は1万1700頭と推定されている。

これを受け、2023年度から道の許可により市町村や狩猟関連団体が行なう『春季管理捕獲』が始まった。とはいえ、状況は急には変わらないと予想され、フィールドに身をおく釣り人は、ヒグマについて知識を持ち、高い警戒心を維持していくことが求められる。

そうしたなか2024年に旭川市内で、釣り人をメインの対象にしたクマセミナー『ヒグマ最前線~相手を知って身を守る~』が開かれた。(公財)日本釣振興会北海道地区支部と旭川市の共催。全道各地から約70人が集まり、ヒグマの基礎知識から最新事情まで、熱心に耳を傾けた。

ヒグマの行動を理解することが重要

講師を務めたのは『もりネット』代表、『ヒグマの会』副会長の山本牧さん。道や旭川市のヒグマ対策、朱鞠内湖の事故では関係者の要請を受け、現地の捜索やヒグマの捕獲に専門家として携わっている。

講演の冒頭、来場者に、釣りをするかしないか、ヒグマを見たことがあるかの2点をたずねた。すると、来場者71人中、42人が釣り人で、ヒグマの目撃については、56人もの手が挙がった。関心が高い釣り人が多かったとはいえ、ヒグマがかなり身近なものになっていることがうかがえる。

山本さんは、「出没というのはあまり好きな言葉ではないんです」と語り始めた。「ヒグマは出たり消えたり、わいて出るものではなく、クマなりの目的があって歩いている。たとえば、食べたい、怖いものから逃げたい、繁殖行動をしたいなど。クマ対策においては、その一連のものを理解すること、〝どんなクマがなぜ?〞を念頭におくことが重要になる」。

講演では、そのために役立つ基礎知識が紹介された。以下、その要旨を紹介する。

講演会の模様

釣り人をメインの対象にしたヒグマのセミナーが開かれた。短めの告知期間、積雪期の開催だったが、全道各地から多くの釣り人が集まった

朱鞠内湖の釣り人が襲われた事故について

朱鞠内湖の事故現場は、水際から背後の森まで100m近く距離がある、開けた空間だった。このため、バッタリ遭遇したわけではなく、ヒグマの側から接近した可能性が高い。最初に襲われたと思われる現場から少し離れた場所にネットが落ちていた。これらの状況から、ランディングの最中、しゃがんで夢中になっていたところを接近、ヒグマに驚き、逃げた。その際、つい走ってしまい、それが次の攻撃を誘発してしまったと考えられる。

ではなぜヒグマは接近したのか?好奇心、エサに惹かれて、攻撃など、さまざまな理由が考えられる。朱鞠内湖はマナーのよい釣り人が多いが、ウグイを陸に捨てるなどの行為が事故以前にあった可能性を指摘する声も。そんな行為があれば、釣り人が来れば魚が置いてある、というふうに学習してしまう。リリースの失敗も同様、ヒグマの誘引につながりかねない。さらに、しゃがんでいる人間を積極的に襲った可能性もある。事故の数日前や前年の秋にも、釣り人に接近するヒグマがいた。

現場付近に現れるクマは、遺体のそばにあった足跡と個体のサイズが似ていたこと、現場に執着している、人を恐れないなどの行動から、問題のある個体と判断。赤外線カメラを積んだドローンで居場所を確認しつつ、ハンターに情報を伝えながら駆除に至った。ドローンを使った駆除はおそらく国内では初の事例。

事故後の2023年秋、命とフィールドを守る対策『朱鞠内湖ルール』が作られた。ルールは単独行動は原則禁止、必須の携行装備品(スマートフォン、撃退スプレー、発炎筒など)、カップラーメンを含む調理の禁止などがある。

朱鞠内湖

朱鞠内湖で2023年5月、ヒグマによる釣り人の死亡事故が起きてしまった。釣り人の危機感はかつてないほど高まっている

人間の事情、ヒグマの変化

札幌市のヒグマの目撃情報を見ると、山すそに多い。目撃されるのは、若いクマと親子グマ。クマ社会では弱い立場のクマが多い。これは、安定したところには大型のオスグマがいて、人間よりおじさんグマのほうが怖い。それで山すそに住みついている。これが札幌の状況。

今、人とクマの距離感が非常に縮まっている。その理由のひとつは緩衝帯の喪失。農村が過疎高齢化で人が減っている。次に、捕獲圧の低下。クマを撃つハンターが少なくなっている。その結果として、警戒心が薄く能天気な、畑の作物に依存するクマが増えている。つまり、クマの数が増えただけでなく行動が変わり、その理由はクマの側ではなく、人間社会の変化にある。そこにクマが入り込んでいる。

クマの生息域の拡大には3つの段階がある。最初は、若いクマがうろちょろする。2番目は、オスグマがメスを捜し、用心深い大型のクマが歩き出す。第3段階になると、メスグマが定着し、子育てをし始める。札幌は第3段階まできている。これは特殊かつ危険な状態で、それなりの対策が必要。しかし、その対策を単純に全道に広げるのはクマにとって過剰な圧力になる。地域それぞれの状況をみて考える必要がある。

現在クマは、1990年から2倍ちょっとくらいになっている。でも実感は2倍どころではない。おそらく数が2倍、行動も2倍くらいおかしくなって、2×2で4倍くらい、とんでもないことが起きている。

ヒグマの食性と生きるカタチ

ヒグマはかつて、サケやエゾシカを自由に食べていたはず。それが食べられなくなって100年くらい経っている。エゾシカについてはかつて、「シカなんか見たことない」という時代があった。シカやサケという栄養価の高い越冬前の貴重な食料を食べられなくなったクマが生き延びたのは、野生動物界では希有なこと。そういう意味では、主要な食物の柱を2つ失っても生き延び、人間の弱みにつけ込んで繁栄しているヒグマは、なかなか手ごわい生きものといえる。

動物は頭蓋骨から生きるカタチ、つまり食性や行動が見えてくる。ヒグマの頭骨をみると、鼻面が長い。鼻が大きいというのがひとつのポイント。雑食で〝探す動物〞。学習能力と食べ物の柔軟性、記憶力をもつ。春は山菜、夏に穀物、秋に木の実、ときどきサケもいただいて……。その暮らしぶりや、臼歯をもっている点も人間に近い

匂いは食べ物を探すのに非常に大事。トウキビが熟れてきた、海岸にイルカが打ち上げられた、サケが上ってホッチャレになっているとか、それは、何kmも先から匂いが情報を運んでくれる。目や耳より鼻にたよることが、雑食の生活を支えている。そうした学習能力が今、畑荒らしにつながっている。

近年、冬眠しないクマ、シカを追うクマ、それに伴い、ここ10年くらい、銃声に近寄るクマが現われている。鉄砲の音は、自分をねらう危険な音ではなく、おいしいシカの切れ端を置いていってくれる音になっている。このため、爆竹を鳴らすとよってくるケースもあるという。

ヒグマに襲われる4つのケース

ヒグマ事故の発生状況で多いのは、「狩猟・駆除」(41%)、「山菜きのこ採り」(38%)が多く、「山林作業」(8%)と続く。「釣り」と「登山」はそれぞれ3%と比較的少ない。釣りや登山は決まったところを歩くことが多く、ヒグマにすればある程度予測がつく。山菜採りにおける、ランダムに歩き、下を向いて地べたに集中しているような状態ではリスクが高い。

また、事故が起きたケースは、主に4つに分類される。最も多いのは「バッタリ遭遇」。山菜採りでヤブのなかを歩くときなど。釣りでも、渓流で釣り上がっているときなどはあるかもしれない。出遭ったとき、心の準備ができておらず思わず叫んだり、逃げたりすることで事故に繋がる。

2番目は「子グマを守る」という行動。これは非常に厄介。3番目は「好奇心で接近からの攻撃」。朱鞠内湖の事故は、これに近い状況だったのかもしれない。4番目は「積極的な攻撃」。ケースとしては、シカを埋めた土まんじゅうに近づくと、何もしていなくても攻撃を受けることがある。臭い匂いがしたら行くのはやめておこうと考えたほうがよい。

具体的な釣り人のヒグマ対策

ここからは講演だけでなく、ヒグマ研究の第一人者である北海道野生動物研究所の門崎允昭(かどさき まさあき)さんから過去に聞いた知見も交えて、釣り人が実践すべき具体的なヒグマ対策をまとめた。

ヒグマと遭遇しないための努力を

人々がヒグマを恐れるように、ヒグマにとっても人間は恐ろしい存在。基本的にはヒグマも人の気配を察知すると危険を回避しようと離れていく。

「クマに自分が見つけられる前に、先にクマを見つけるような歩き方、進み方をするべきです。クマがいるかもしれない場所、背丈の高い草が密集している場所などでは歩みを停めて周囲を確認する。渓流釣りに入る場合にはホイッスルを携行するといいでしょう」と門崎さんは語る。

クマ鈴もクマ対策としてはお馴染みのアイテムだが、川沿いなど流れの音がある場所、あるいは風の強い日は聞こえづらい。ホイッスルを5分か10分に2〜3回でも吹いて歩くほうが効果的だという。

遭遇してしまったら

万が一ヒグマに遭遇してしまっときのNG行為は3つ。走って逃げる、騒ぐ、荷物を残す。ヒグマから距離を取ることは重要だが、ヒグマには逃げる対象を追いかける傾向がある、距離が離れていれば足早に離れてもよいが、背中を見せて走って逃げるのは絶対にやめよう。

また、近い距離で大きな声を出せば、ヒグマが興奮して攻撃的になってしまう恐れがある。荷物を残さないのは、自分を守るだけでなく、次に来た人を守るため。人に近づけばエサが手に入ると学習してしまう。

積極的に襲ってくるクマには…

基本的には人の存在を認識すればヒグマも離れていくことが多い。しかし、ヒグマの行動理由次第では積極的に近寄ってきたり、攻撃してくる可能性もゼロではない。そんなときの保険として持っておきたいのはクマ避けスプレーだ。

知床財団では、ヒグマに対してクマ撃退スプレーを何度も使用し、効果的に追い払っているという実績もある。しかし、クマ避けスプレーは、風向きを考慮した上で噴射しなければならず、ヒグマに当てるには比較的近距離で使わなければいけないなど使い方が難しい面も。正確に噴射するために、商品の説明をよく読み、事前にイメージトレーニングをしておきたい。

また、最終手段としてナタも有効だと門崎さんは言う。ご自身も調査の際には必ず携行しているようだ。

「ナタを持って反撃したことで助かった事例が複数あります。哺乳類は全身の皮膚に痛覚神経があるため、ナタで反撃すると痛いと思ってそれ以上攻撃してこなくなります。」

複数人行動のほうが事故率が低い

事故の際、複数と単独で、事故率と死亡率に大きな違いがある。単独だと事故率、死亡率とも高い。複数だと事故発生件数が少なく、死亡率も低い。これはヒグマへのアピール、お互いの助け合い、レスキューを行なえるため。朱鞠内湖で「単独行動は原則禁止」というローカルルールが設けられたのは、こうした理由による。

また、仲間がいれば手をつなぐのも効果的。これは一人が逃げ出してヒグマを興奮させるのを防ぐほか、人間が二人いるとクマには大きな生きものに見える。手をつないでいる状態での事故はほとんどないという。

いずれにしてもヒグマが出る領域へ入るときは事前の情報収集を怠らず、「ヒグマに遭遇しないための最大限の努力」と「万が一遭遇した場合の心構え」の両方を持つことが大事。また、当たり前だがヒグマのエサとなるゴミを残していくのは絶対にやめよう。リリース時に魚を弱らせてしまうのも、魚が岸に打ち上がりヒグマを釣り場に寄せる原因になるので気をつけたい。

最後に講演での山本さんの言葉を紹介して、この記事の締めくくりとしたい。

「野山に入る釣り人や登山者は、役所も守ってくれず、自分と仲間で守るのが基本。幸いクマはむやみに攻撃的な生きものではない。そのなかで、自分たちで距離を取るのが大事ではないかと思っています。」

ヒグマ
ヒグマ<写真提供:門崎允昭さん>

※このページは『North Angler’s 2024年6月号』を再編集したものです

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【三石忍が解説】鹿島沖一つテンヤ釣果UPのコツ3選 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/kashimatenya つり人編集部 trend 191245742191 Tue, 24 Jun 2025 02:00:00 +0900

アカイカ型の大型アオリイカ、通称「レッドモンスター」。それは、エギングファンの憧れである4kgオーバーも夢ではないターゲットだ。本記事では、このレッドモンスターを獲るためのポイント選定、釣り方のコツ、そしてタックル選びに至るまで、プロアングラーの芝賢さんが徹底解説する。

豊富な経験に裏打ちされたリズミカルな釣りと、初心者にも分かりやすい「ズバッと端的」なアドバイスで人気のアングラー・三石忍さん。今回は1年を通じて楽しめる、鹿島沖の一つテンヤのコツを解説してもらった。

写真と文◎編集部
協力◎マルキユー

鹿島沖一つテンヤで釣果を上げるコツ

5月上旬、三石さんがやって来たのは、茨城県鹿島港(鹿嶋旧港)の不動丸。鹿島港は多数の船宿が軒を連ね、朝から大勢の釣り人で賑わう。今回の釣りは一つテンヤ。目の前の鹿島灘は、関東でも屈指の一つテンヤフィールドだ。

今シーズンの鹿島灘のマダイ釣りは、春の乗っ込みが好調だった。「春爆」の言葉も聞かれ、3~4㎏クラスの中ダイが数出る日もあり、5㎏を超える大ダイの釣果も聞かれた。連休明けの今回は、春爆こそ一段落したものの、3~4㎏は場所によりチャンスがあり、手ごろなサイズなら数もねらえるというタイミング。海の模様に期待しながらの出船となった。

1.冷凍エビはシャキッとチューン

鹿島港や近隣の飯岡港から出るテンヤ船では、エサに生きたエビ(サルエビ)が使える。生きエビの料金は10匹で1000円ほどだが、ハリから外れにくいのでエサ持ちがよく、マダイの反応もよいので人気だ。ただし、数には限りがあるので、冷凍エビも上手に組み合わせて使うとよい。その時におすすめなのが、「エビシャキ!」などを使って身をしっかり締め、なおかつ魚を寄せる成分も加えるチューンをしておくこと。三石さんも乗船後の準備時間を使って、冷凍エビを流水で解凍したら、まずチューンナップをして釣りに備えた。

エビエサを締めるアイテム
一つテンヤ用のエビエサをしっかり締めてフレーバーも加える定番アイテム。あとはザル付きのタッパーを用意しておく

鹿島灘は1年を通じて一つテンヤが楽しめ、砂地底、砂利底、ツブ根といった根掛かりのしにくいボトムが続く。そして、マダイ以外にもハナダイ、ヒラメ、ホウボウ、カサゴなどゲストが多彩。一つテンヤをこれから覚えたいという人にもストレスなく釣りがしやすい。一点だけ、砂地底のポイントで厄介なのが小型のサメだが、慣れてくればテンヤを底に置きすぎないなどの対策が取れる。

エビの付け方と締め方の手順
エビの付け方と締め方の手順

2.幅広い状況に対応できるタックルをチョイス

不動丸で一つテンヤを担当する加瀬秀和船長は、海や潮の状況、魚の反応、水深や地形などを、常時マイクでアナウンスしてくれる。そのわかりやすさは、多くの船長を知っている三石さんも「抜群にていねい」と太鼓判を押すほど。釣りをする際はよく聞いて参考にしたい。

午前5時に港を出た船は、1時間ほど南に走って最初のポイントに到着した。水深は40m。結果的にこの日の釣りでは、終日それくらいのポイントを釣ることになった。ちなみに不動丸のテンヤ船は、タイラバもタイジグも使用は自由。「日によっては、巻きものへの反応が明らかによいタイミングもある」とのことで、これらも用意した二刀流、三刀流の準備をしておくのもよい。とはいえ、「アタリが安定して多いのはテンヤです。お客さんも大半はテンヤオンリーですよ」とのことだ。

テンヤは底が取れる範囲で軽めを使い、さらに可能であればキャストしてなるべく広く探るのがよいが、自分の足もとまで来たら無理に送らず、回収して投げ直すことでオマツリを防ぐ。

そのうえで鹿島灘は1年を通じて浅場も深場も釣るため、テンヤは3、5、8、10号は揃えておき、さらに固定式と遊動式も両タイプがあるとよい。

なお、基本的なところでは、外洋に面して太平洋のウネリが日常的に入る鹿島灘では、サオは長めのほうが軽いテンヤをじっくりフォールさせ、なおかつアワセのストロークを取りやすい。この日の三石さんも、2.5mの専用ザオを使って安定した操作をしていた。そんなタックルチョイスもあらかじめ意識しておくとよいだろう。

テンヤロッドの穂先
専用ザオの穂先を注視しながらじんわりテンションフォール。ねらいどおりにククッと反応が出る瞬間が面白い

3.テンヤは底に置きすぎず、本アタリを慌てずに掛ける

当日の三石さんは、朝の一流し目からさっそく本命のマダイをキャッチ。その後も順調に釣果を伸ばし、マダイはトータル5尾をキャッチした。船全体では、マダイのほかにホウボウ、イナダ、カサゴ、メバル、ヒラメ、ハナダイといったゲストが掛かることも多かったが、誰かがマダイをキャッチする流しでは、確実にマダイをゲットしていた点が注目される。ゲストが多彩なのは鹿島灘の利点だが、パターンが掴めないと、釣れはするがゲストばかりという現象も起きる。

「一つテンヤはボトムを取る釣りです。ただ、底だけになってしまうとゲスト地獄になることもあります」と三石さん。それを避けるには、一定の頻度で底はしっかり取りつつ、ラインのマーカーも見て、底から1~2m、あるいは1~3m、意識してテンヤを上に漂わせる時間を取ることが本命のアタリに繋がると指摘する。

一つテンヤの釣果
マダイとホウボウのほかには、タマガンゾウビラメやカサゴも出た

そのほかには、三石さんはキャスト後にイトを送り出しながらテンヤをフォールさせていく際、ボトムが近づくとリールのベールアームに手の平を添え、パラパラとイトを送り出しつつ、アタリが出ればすぐにベールアームを手で戻して、サオによるアワセが利くようにするといった細かいテクニックも駆使していた。さらに「ビギナーと経験者で大きく違うのはアワセです。私は一つテンヤでも本アタリで掛けることを意識しています」と言うとおり、多くの場面で三石さんは即アワセではなく、穂先が震える初期アタリを一度確認したら、慌てずようすをみて次の本アタリで合わせるというリズムを守っていた。

それにより「空振り」の頻度も確実に減り、魚の活性が上がり切らず、食いが浅い状況でも、着実にアタリをとらえていた。そして、仮に空振りして「あーっ!」となった時も、すぐにサオを下げてテンヤを落とし直し、もう一度食わせるリカバリー率も上げていた。即アワセだけを意識していると、空振りした時にテンヤが大きく動いたり、つい力が大きく入ってリールを巻きすぎてしまうことが多い。そうなると落とし直して2回目のチャンスをねらえる確率が低くなるのだが、アワセの前後に余裕がある釣りをすることで、そうしたミスも未然に防いでいた。

テンヤ1つを海中でイメージどおりに動かし、他のエサ釣りとも、あるいはルアーフィッシングとも違う釣趣が味わえるのがこの釣り。年間を通じてマダイがねらえる鹿島灘で、ぜひその醍醐味を味わってみてはいかがだろう。

マダイ
この日は1~2kgクラスが主体だったが、1日をとおしてアタリを楽しめた

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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ナマズ釣りの始め方【釣れるポイント選び・効果的なルアー・釣り方のコツなど解説】 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/namazu_topgame つり人編集部 trend 118024324530 Mon, 23 Jun 2025 03:30:00 +0900

水面を炸裂させてルアーにアタックしてくる貪欲さと愛くるしい表情のギャップが魅力のナマズ釣り。ここではナマズ釣りの基本知識を解説。釣れるポイント選びや効果的なルアー、釣り方のコツまでナマズを攻略するための情報をお届け。

水面を炸裂させてルアーにアタックしてくる貪欲さと愛くるしい表情のギャップが魅力のナマズ釣り。ここではナマズ釣りの基本知識を解説。釣れるポイント選びや効果的なルアー、釣り方のコツまでナマズを攻略するための情報をお届け。

ナマズってどんな魚?

扁平な頭に2本の長いヒゲ、幅の広い口に小さい目が特徴的なのがナマズだ。可愛らしい顔つきとは裏腹に、ドジョウやタナゴのような小魚はもちろんカエルなどの小動物をもひと飲みにしてしまうどう猛な大型肉食魚で70cmオーバーが釣られることもある。

本来は近畿以西の本州や四国、九州に分布していたが、江戸時代に関東地方に人為的に導入され、現在では全国各地に定着している。年間を通して水位が安定している大型河川には必ずと言っていいほど生息していて、支流や用水路にも入り込む。

日本にはナマズ目ナマズ科ナマズ属に属す4種がいて、ナマズ、イワトコナマズ、タニガワナマズ、ビワコオオナマズとなっている。霞ヶ浦水系を中心に分布を拡大している特定外来生物のチャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)はナマズ目アメリカナマズ科なので別物だ。

ナマズ
ナマズ

ナマズ釣りのシーズンはいつ?

繁殖期はだいたい4月~6月で、用水路や水が張られた田んぼなど、とても浅い場所で夜に産卵する。釣期は水が暖かくなる5月から釣れ始め、11月ごろまで楽しめる。時期ごとの特徴は以下の通りだ。

・4~5月:繁殖期で用水路の奥まで入ってくる
・6月上旬~中旬:アフターで一時的に食いが悪くなる
・6月中旬~7月:回復して高活性
・8~9月:高水温期に入り、水温の安定した流れ込みや日陰に集まる
・10~11月:秋の荒食いで高活性

ナマズ釣りはポイントは?

ナマズをねらう場所はずばり小河川や用水路。規模が小さいほどねらい打ちしやすい。小場所ほど水深が浅いことも多いが、小魚の他にカエルなどの陸上から落ちてくる小動物を捕食するナマズにとって見ればむしろ好ましい環境ともいえる。そのため、水深50cmを切るような場所でも平気で潜んでいることが多い。

ナマズの釣り場
身近な水路で楽しめる

さらにボトムが砂や泥、ウィードあるいはフラットなコンクリートといった身体が傷つきにくい場所だと潜んでいる可能性が高くなる。細い用水路など、こんな浅い場所はいないだろうと決めつけず、試しにルアーを投げてみるか、底まで見えるようであればよく観察したい。流れの規模からは考えられないようなサイズが釣れる充分にあるのがナマズ釣りだ。

釣り場の中でも、水門や流れ込みなど流れに変化があるところや、アシのポケットウィード、足元の護岸などナマズが隠れられる障害物が特に狙い目となる。

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大きな落ち込みなどは下にいるナマズに気付かせるためにわざと着水音を大きくさせるのがコツ

コイがいる場所も狙い目

実際目視でナマズを探そうとしても難しい。しかし、同じエリアにいることが多いコイであれば簡単に見つけることができるはず。コイの周辺にはナマズがいる可能性が高いので丁寧に探るとよいだろう。時にはコイの群れに混じっていることもあるほどコイとナマズの親和性は高い。

なお、もしナマズを目視できた時はヒゲの向きをチェックしたい。ヒゲが前方に飛び出ているほど活性が高く、後ろに倒れ込んでいる魚はルアーに反応しにくい。

ヒゲが後ろに倒れ込んでいるナマズ
ヒゲが後ろに倒れ込んでいるので反応しにくい
ヒゲが前方に出ているナマズ
ヒゲが前方に出ているので活性が高いナマズだ!

ナマズ釣りの時間帯

ナマズは基本的に夜行性なので、日中はシェードの中でじっとしていることが多い。ただし、隠れられるようなオーバーハングや流れ込み、橋の陰などをタイトにねらえば昼間でも充分に釣りは成立する。夕マヅメでローライトになるにしたがってナマズたちは動き出し、シェードから離れたオープンエリアでもルアーを追うようになる。

ルアーとタックルの基本

ナマズをねらう場合、トップウォーターの釣りが主流だ。水面でルアーを動かしているとボフッと弾け、聴覚と視覚で楽しめる。よく使われるトップウォータープラグは音と振動で誘うノイジー系と呼ばれるものだ。その中でもルアーの口元に金属のカップが付いたカップ系が使われることが多い。他にも金属の羽根が付いたウイング系、水面直下を引けるウエイクベイト系なども使われる。なお、フックはバーブレスフックを使うこと。ナマズの硬い口に掛かりやすくなるだけでなく、リリースする際に不要なダメージを与えない。

ふく鯰
カップ系ノイジーのふく鯰(ダイワ)はブレードチューンが施されていてカップ音、ラトル音、ブレード接触音でナマズにアピール。ブレードの抵抗でスローに引けるだけでなく、大きめのカップで移動距離を抑えた首振りアクションも得意。

ベイトタックルが基本

日中の釣りではピンスポットにキャストしていわゆる「落ちパク」でねらうことが多い。キャスト精度が重要なのでラインの放出をコントロールしやすいベイトタックルが基本となる。また、ナマズねらいが成立する用水路などは水面近くまで下りることができない場所も多い。

ヒットしたナマズを抜き上げられるようなしっかりとしたバットを持つロッドが好ましく、カバー打ちでミスキャストした際に引っ掛かったルアーも外しやすくなる。MやMHクラスのバスロッドも使えるが、やはりナマズ専用ロッドがおすすめだ。しっかりしたバットにしなやかなティップが組み合わされ、バイトを弾きにくくなっているのが特徴だ。長さは6フィート後半から7フィートほどあると足場が高い場合でも使いやすい。

ナマズ釣りのタックル
バスタックルを流用する時の一例
・ロッド:リベリオン701MFB-G(ダイワ)
・リール:タトゥーラTW80XH(ダイワ)
・ライン:UVF フロッグデュラセンサー×8+si2 3.5号(ダイワ)

ラインは太め

ラインは必ず太いものを使用すること。ルアーをロストする心配がなくなるのでPEであれば4号以上、ナインであれば5号以上を使いたい。PEを使う場合はリーダーとして60ポンドのナイロンを接続するとルアーへの絡みも減るはずだ。

ノイジー系ルアーでの釣り方のコツ

ナマズは目が小さく、シルエットや明滅は認識できるとされているものの、エサは匂いや音、振動をひげや側線で感じ取っている。そのため、ルアーも着水音やラトル音、振動などを積極的に出していかないとナマズに気付いてもらえない。

ナマズの側線
ナマズは体側だけでなく体全体に側線がある。白い点線が側線だ

ラインを張りすぎるとフッキングしにくい

ノイジー系はただ巻きでも充分に音や振動を出すのだが、注意してほしいのはラインを張り過ぎないこと。ナマズは吸い込むように捕食するのでラインが張っていると吸い込めずになかなかフッキングしない。ラインのたるみを作るように意識してリトリーブしよう。ただ巻きではなくシェイクしながら巻いてくるとより大きなたるみを作ることができるだけでなく、移動距離も抑えられる。

ラインスラック
ラインスラックが多くとれるのでナマズも吸い込みやすい

ミスバイトが多いのもナマズゲームの特徴でもある。バイトがあっても即アワセではなく、ロッドに重みを感じてから合わせよう。活性が低いときは一度で終わってしまうこともあるが、2回、3回とバイトしてくることも多いので慌てずにルアーを動かし続けて態勢を整えておく。

また、ナマズの視力は弱いためチェイスやミスバイトがあったからと言ってルアーを止めてしまうとナマズがルアーを見失ってしまい、帰ってしまうことも多いので要注意。

水面炸裂の瞬間
水面炸裂の瞬間は迫力満点

近距離をねらうならピッチングがおすすめ

近距離のカバーやピンスポットをねらい打ちする場合、ピッチングができるようになると精度も手返しもよくなる。ピッチングとはバスフィッシングでよく使われているタラシをルアーが掴めるくらい長くして振り子のように投げるキャスト方法だ。

バスプロの梅田京介さんによれば、カバーに打ち込むコツはサミングでスプールを抑え過ぎないようにすることだそうで、微調整を効かせやすいのは指先でのサミング。最近のベイトリールはコンパクトなため握り込みがちになり、親指の腹がスプールに当たって微調整が効かせられない。リールを握る位置を普段よりも少し下に浅く握ることで、指先でサミングできるようになり、+30cmはカバー際に近いアプローチができるようになるとのこと。

ルアーを追うナマズ
追ってくるのが目視できるのがナマズゲームの魅力

釣りあげた後は優しく扱おう

足場が高いことが多いこの釣りでは抜き上げてランディングすることが多いが、気を付けたいのはナマズを乾いた地面に置かないようにすることだ。ナマズには鱗がなく、ヌメリで皮膚を保護している。乾いた熱いコンクリートや砂利の上に置くとヌメリがすぐに取れてしまうので草の上など少しでもダメージを抑えられるような場所で優しく扱おう。

ナマズ
ネットがないときは草の上に置くなどして皮膚が傷つかないようにしたい

ナマズの歯は細かく鋭いのでフィッシュグリップを使うと安全。ナマズにダメージを与えにくい縦持ちが推奨されている。写真を撮る時など横持ちをしたい場合はお腹を支えるようにすること。リリースの際も水面近くまで降りるか、ランディングネットを使ったりして優しいリリースを心掛けよう。

ナマズ
ネットがあればリリースも簡単

※このページは『つり人 2023年7月号』を再編集したものです。

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「がま鮎パワーR」を大アユ釣り場・鬼怒川で試す ビギナーも安心して使える高耐久ロッドへ進化 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/gamaayu-power-r つり人編集部 trend 191200124082 Mon, 23 Jun 2025 02:00:00 +0900

がまかつからリリースされる新しいアユザオ、「がま鮎パワーR」は大アユねらいを誰でも気兼ねなく楽しめるように作られた。田嶋剛さんがその実力を試すべく訪れたのは鬼怒川だ。

がまかつからリリースされる新しいアユザオ、「がま鮎パワーR」は大アユねらいを誰でも気兼ねなく楽しめるように作られた。田嶋剛さんがその実力を試すべく訪れたのは鬼怒川だ。

写真と文◎編集部

関東屈指の大アユ河川「鬼怒川」でがま鮎パワーRを試す

栃木県が誇る大アユ釣り場として、ここ数年注目されているのが鬼怒川。数も型も楽しめ、首都圏からも遠くないこの川は好調が続き、アユ釣りファンを魅了している。天然遡上個体の汲み上げ放流やカワウ対策を積極的に行なう鬼怒川漁協の影響も大きいだろう。

鬼怒川における大アユ釣りのメインフィールドは岩盤が露出したエリアが点在している。岩盤は大石と同様に大水が出ても垢が残りやすく、サオ抜けになっていることも多いため、アユが大きく育つ。なお、鬼怒川の岩盤は粘土質で、非常に滑りやすい。スパイクピン付きのソールがあると安心。

大アユハンターとして全国各地の川を巡る田嶋剛さんが、すでに29cmが釣れているという話を聞き、足を運んだのは2024年の8月下旬だった。

西鬼怒合流点
西鬼怒合流点。流心にある岩盤に大アユが潜む

がま鮎パワーRは誰でも扱える高強度

この日用意したサオはがま鮎パワーR(がまかつ)。このサオは尺アユを引き抜けるパワースペシャルから受け継がれた調子と張り、力強さに加えてサオそのものの耐久性が大幅にパワーアップされている。

大アユ釣りはダイナミックで強烈な引きが楽しめる一方でサオの破損リスクも高い。その理由の多くは引き抜きの失敗による過度なねじれだ。また、普段立たない強い流れに立ち込むため転倒などのアクシデントも起こりやすい。

「このサオはかなり丈夫なんですよ。ちょっとのねじれではそう簡単に折れません。引き抜いたアユを空中で回したって折れませんからね。サオの扱いに臆することなく大アユ釣りを楽しんでみたいという方にはうってつけです」

パワーRは高強度の次世代カーボンであるM40Xをサオ先に採用、元や元上付近を肉厚化することで充分な強度を確保している。サブロッドとしてはもちろん、大アユ釣りデビューの最初の一本として使ってほしいと田嶋さんは話す。

がまかつ:がま鮎 パワーRの番手

ラインナップは引抜早瀬が80、引抜急瀬が80、85、90、93、引抜荒瀬が90と細かい。その理由は全国各地のさまざまなシチュエーションに対応するため。引抜早瀬90は細身で軽量のため誰でも扱いやすく、パワーゲーム入門に特におすすめ。引抜急瀬80は強風時でも快適に釣りがしたいと釣り人からの要望が多かったショート系パワーロッドだ。

がま鮎 パワーR
がま鮎 パワーR

大アユザオに珍しい短めの8.5m

鬼怒川のほとりに店を構える「かとう釣具店」で話を聞くと、前夜の雨で増水しているが、西鬼怒合流点などの大アユねらいの定番ポイントは午後には水が引いて釣りができるはずという。田嶋さんは上平橋上流へ入川。風が強く吹いているため、少し短めで取り回しのよい引抜急瀬85を田嶋さんは選んだ。

パワーRの引抜急瀬85
風が強いこの日はパワーRの引抜急瀬85を選択。パワーRはキャッチングと返し抜きのどちらもこなせる

使用する仕掛けはアーマードRF+プロ大鮎パーフェクト仕掛(がまかつ)で、水中イトは0.2号。ハリは3本イカリもしくは2本ヤナギで大鮎要やメガ要の10~12号を使用。流心で白波を立たせる石周りを丁寧に探っていくと、23cm前後の良型アユが何度もサオを曲げていた。

アーマードRF+プロ大鮎(パーフェクト仕掛)
仕掛けはアーマードRF+プロ大鮎(パーフェクト仕掛)の0.2号(がまかつ)。手尻はキャッチングするなら+5~10cm、返し抜きの場合は手尻ゼロの位置にハナカンを持ってくる

水が引いたため西鬼怒合流点へ向かう。まだ水量はあるが、ポイントである流心の岩盤になんとか届きそうだ。オトリは大きいほど思い通りに泳がせるのが難しい。オトリが動かなければ野アユは追わないのだが、張りのないサオだとオトリが底にべったりと張り付いて動かなくなることもある。しかし、パワーRならシャキッとした張り感でオトリも管理しやすい。

「来たよ!」田嶋さんは立ち位置を変えることなくサオを大きくしならせて下流へ一気に突っ走るアユを止める。サオを岸側へ向けてアユを流れから徐々に引き離す。8.5mだと短さゆえに突っ張ってしまうように思えるが、パワーRはしっかり曲がり込んで溜めが効く。鮮やかな返し抜きで取り込んだのは午前中よりも一回り大きい25cmオーバーだった。

釣れたアユ
パワーRの力強さは絞り込まれてこそよくわかる。丈夫で気兼ねなく振り回せる次世代のアユザオだ

オトリに居心地のよさを聞くような操作

さらに下流へ移動し、岡本頭首工の下流の瀬をねらう。ここも岩盤帯であり、大アユの実績が高い。ここでは引抜急瀬93を選択。

ここではオモリも活用して一番強い流れの中へオトリを入れていく。田嶋さんが使うオモリはがっちり鮎オモリ(がまかつ)。一般的なオモリとは対照的な凹型の号数表示はつぶれにくく、その名のとおり一度挟めばがっちりと固定されるため、急流でもズレにくいハードユース仕様のオモリだ。

がっちり鮎オモリ
がっちり鮎オモリ(がまかつ)の特徴は凹形状で大きく刻印された号数表示で潰れにくいこと

田嶋さんはオトリに居心地のよさを伺うかのようにサオで聞いてテンションを加減する。ちょうどよい塩梅にテンションを掛けられるとオトリは自発的に動いて最低限の体力消費で野アユに存在をアピールするようになる。

釣り下りながらオトリを循環させていくと、瀬の真ん中で目印が飛び、一段と強い引きがサオを絞り込んだ。田嶋さんは踏ん張りの効く下流まで流れに乗りながら下り、豪快に引き抜いたのはこの日最大の26.5cmだった。

「パワーRは大アユの強烈な引きをぜひ多くの人に味わってほしいと思って作りました。がま鮎史上最高クラスの耐久性だと思います。大アユビギナーも破損の心配をせずに振り回して楽しんでほしいですね」

28cmの大アユ
この日は26.5cmが最大だったが、翌日には28cmを釣りあげていた。今年も鬼怒川に期待したい

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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ウナギ釣りと聞くと、難易度の高い釣りのイメージも強い。しかし、都内の河川に通い詰める大川雅治さんにかかれば「10回行けば9回は釣れる」高確率なターゲットだという。この記事では、そんな名人が実践する「打率9割」のウナギ釣りメソッドを徹底解説。時期や時間帯といった基本から、釣果を大きく左右するポイント選び、こだわりの仕掛け、そして釣り方の一連の流れまで、目からウロコのコツを余すことなく紹介する。

ウナギ釣りと聞くと、難易度の高い釣りのイメージも強い。しかし、都内の河川に通い詰める大川雅治さんにかかれば「10回行けば9回は釣れる」高確率なターゲットだという。この記事では、そんな名人が実践する「打率9割」のウナギ釣りメソッドを徹底解説。時期や時間帯といった基本から、釣果を大きく左右するポイント選び、こだわりの仕掛け、そして釣り方の一連の流れまで、目からウロコのコツを余すことなく紹介する。

◎つり人編集部

ウナギ釣りは初夏が最盛期

ウナギ釣りのベストシーズンは、なんといっても夏、特に6月から8月が最盛期になる。水温が上がり、ウナギの活性が高くなるほか、雨によって好物のミミズなどが川に流れ込むことも一因。大川さんも、この時期に釣行を重ねて多くのウナギを手にするという。

時間帯は日没前から21時ごろ

ウナギは夜行性のため、釣りは夜がメイン。具体的なゴールデンタイムは、太陽が沈み、空が薄暗くなる日没直後から21時ごろまで。この時間帯は、ウナギが巣穴から出てエサを求めて活発に動き回るため、潮の動きに関係なく最大のチャンスタイムといえる。

ただし、例外もある。前日までの雨などで川に濁りが入っている場合は、日中でもウナギの警戒心が薄れ、エサを探しに出てくることが多い。昼間の釣りでも思わぬ釣果に恵まれる可能性がある。

最適な潮回り

大川さんによると、潮回りを過度に気にする必要はないものの、狙い目となるタイミングは存在するとのこと。最も有望なのは、「下げ潮で、かつ流れが緩やかになったタイミング」だという。これは、上げ潮の際に活発になるセイゴやアカエイといった他魚種のアタックを回避する、という意味合いも強い。

ウナギの釣り場
空が薄暗くなり始めてから暗くなるまでは潮に関係なく最大のチャンス。ウナギがエサを求めて徘徊しやすいタイミングだ

ウナギのブッコミ釣りタックル&仕掛け

ウナギ釣りでは「ブッコミ釣り」が王道の仕掛けだ。このブッコミ釣りのタックルを紹介しよう。

ウナギ釣りタックル&仕掛け図
大川さんのウナギ釣りタックル&仕掛け図

竿

ウナギ釣りには、特有の繊細なアタリを弾かずに食い込ませることができる、穂先の柔らかいサオが向いている。この条件を満たせば、投げザオやルアーロッドなど幅広く流用が可能。

大川さんが愛用しているのは、ダイワの「リバティクラブ ショートスイング 15号-300」。これはグラスの含有率が高く、しなやかな調子が特長。軽い力でも投げやすいため、まさにウナギ釣りに最適だ。また、障害物のないオープンな場所ではミニパック10号-210などよりライトなサオも使っているとのこと。

ウナギ釣りのタックル
竿は2~3本出し、ポイントを投げ分けて使う

リール

リールはPEライン2号前後を巻いた3300〜4000番程度のスピニングリールが最適。大川さんはソルトルアー用のソルティガ3500、または4000を愛用。パワーのあるリールを使うことで、ヒットしたウナギを一気に寄せられる。また、仕掛けの回収スピードが上がり、オモリが浮き上がることで手前の障害物による根掛かりを軽減させることができるそうだ。

オモリ

中通しオモリなどを使う人も多いが、大川さんは回収時に浮き上がりやすく、根掛かりに強い「ジェット天秤」を使用している。重さは10号〜20号を状況に合わせて使い分け。ここで重要なのは、あえて少し流される重さを選ぶこと。これにより、仕掛けが自動的に広範囲を探ってくれ、ウナギとの遭遇率を高める。

ジェット天秤
広範囲を探りやすいジェット天秤

ハリス

ハリスには、フロロカーボンラインの5号を50cmほどを使用する。比重の高いフロロカーボン素材を選び、長さを50cmと短めに設定するのは、流れの中でもエサを川底にしっかりと安定させるためだ。逆にハリスが長いと、エサが宙層を漂ってしまい、セイゴなど他魚種からの反応が増える傾向にあるという。

そして、5号という太めの号数は、主に根掛かり対策である。万が一根掛かりしても、ハリスを切ることなく、ハリの方を伸ばして仕掛け全体を回収できる強度を持たせている。

ハリ

ミミズ使用時のハリは流線がメインで12・13 号を多用。ドバミミズのときはウナギバリの13号を合わせ、ハゼやカニのときは丸セイゴの12か13号を使用するなどエサによって使い分けする。

ちなみに結びは内掛け結びで7回と多めに巻き付ける。ハリ掛かりしたウナギはチモトまで噛みつくことが多いので、バラシが減るためだ。

ウナギ釣りに使う針
左から流線・ウナギ針・丸セイゴ

その他の道具

サオを固定する三脚や、夜の釣りがメインになるのでヘッドライトなども必要になる。また、日没後にアタリを確認できるよう、穂先を照らすためのライトもあるといい。大川さんはサオ立ての先端や柵などに取り付けできるLEDライトを持参している。

三脚
サオを固定する三脚

ウナギ釣りのエサ

ウナギ釣りに使えるエサはいくつかある。その日によってもどのエサがいいか変わるので、サオを複数出してエサを使い分けると効果的だ。ウナギが好むエサの種類を紹介しよう。

ミミズ・ドバミミズ

ミミズ類は、ウナギ釣りにおいて定番かつ非常に効果的なエサ。

市販品も使用できるが、釣り場で採取することも可能だ。探す場所は、側溝の脇や雑木林の中など、直射日光が当たらず落ち葉が積もった湿った土。このような場所をスコップで浅く掘るだけで、簡単に見つけることができる。特に、団子状のフンはミミズがいる有力な目印となるため、見つけたらチャンスだ。

ミミズの針への付け方
メインのエサは釣具店で購入した「ミミズちゃん熊太郎」。3匹を通し刺ししている

小魚(ハゼ・イナッコ)

ハゼやイナッコ(ボラの稚魚)などの小魚は、大型ウナギを狙う際の切り札となるエサだ。特に、ウナギが普段から捕食しているマハゼやヨシノボリといった川底に生息する魚は食いが良く、大川さんは「特エサ」と太鼓判を押す。

ヨシノボリ
マハゼやヨシノボリは汽水域のウナギが好反応を見せる

使用する際は、体長5cm前後を目安に口へチョン掛けする。また、必ずしも活きている必要はなく、死んだ状態でも食いが落ちにくいため、扱いやすい点も大きな魅力である。

小魚の針への付け方
小魚は口へチョン掛け

テナガエビ

ウナギと同じ川に生息するテナガエビは、彼らの好物であり、非常に優れたエサとなる。ウナギのアタリを待つ間に、足元でテナガエビやハゼ釣りを楽しみながら調達できるのも魅力だ。

テナガエビ
テナガエビは調達が楽しい上によく釣れるエサ

カニ

カニ類も、ウナギにとって身近なエサの一つ。硬い甲羅を持つため、小魚などのエサ取りに強いのが最大の特長だ。ウナギのアタリを待つ間にその場で採取できる手軽さもある。使用する際は、カニの動きを損なわないよう、足の付け根あたりにハリを掛けるのが基本となる。

カニの針への付け方
カニは足の付け根にハリを掛ける

達人が教えるウナギの釣り方のコツ

実釣取材を行った舞台は、東京都・荒川の江北橋周辺。この日もいとも簡単にウナギを釣り上げた大川さんだが、アタリを出す秘訣は、仕掛けを入れる場所の選定が特に重要だという。取材した情報をもとに、このポイント選定を始めとした、ウナギ釣りの流れを解説していく。

釣果を左右する「ポイント選び」の3条件

当日選んだポイントは、足元が護岸され、岸寄りにはゴロタ(大きな石)が広がり、近くには橋脚も存在する。一見すると、ウナギの隠れ家が豊富な絶好のポイントに思える。

しかし、大川さんはゴロタや橋脚そのものではなく、少し離れた根掛かりのない「泥底」に仕掛けを投入した。ブッコミ釣りで狙うのは、巣穴に隠れている個体ではなく、エサを求めて巣穴から出てきて回遊している、捕食意欲の高いウナギだからだ。

そのため、ウナギの「隠れ家」ではなく、彼らの「回遊ルート」や「エサ場」となる泥底こそが、一級のポイントとなる。では、単なる泥底ならばどこでも良いのだろうか。大川さんは、釣果を上げるために以下の3つの条件を重視する。

緩やかな流れ

大川さんがポイント選びの際にまず重視するのは、流れの当たり方だ。テトラ帯やカーブの外側など、流れが強く当たる場所は避ける。ウナギがエサを探して回遊するのは、急深な場所よりも、流れが緩やかで地形がなだらかな場所だと考えているからだ。例えば、橋脚の裏側にできる「流れのヨレ」などは、まさに狙い目だ。

point5 (カスタム)
流れが橋脚でカットされヨレる部分を集中的にねらう

隠れ家との近さ

狙うのは泥底だが、そのすぐ近くにゴロタや橋脚といった隠れ家が点在していることが重要となる。ウナギの行動の起点となる場所が近い方が、遭遇率も高まる。

point3 (カスタム)
ゴロタや橋脚など障害物の有無も重要

適切な水深

ウナギの密度が高い水深というものが存在する。大川さんは、特に汽水域において、その鍵は「塩分濃度」にあると分析する。ウナギが快適と感じる塩分濃度の層が、ある特定の水深に形成され、魚がそこに集まりやすいという考えだ。

荒川での実釣でも、アタリは水深3〜4mのラインに集中し、この水深が当日の「ウナギの道」となっていたことがうかがえる。

アタリの見極めとアワセのタイミング

ポイントが決まったら仕掛けを投入したらアタリを待つ。2~3本サオを出していくつかの目ぼしいポイントに投げ分けておくと効果的だ。また、5分に一度は竿をそっと手に取り、仕掛けの様子を聞いてみよう。

ウナギのアタリは、エサの端をかじるような「ツン、ツン」という、間隔を置いた小さな反応として現れるのが特徴。この初期アタリで慌ててアワセるのは禁物。まずはサオを手に持ち、ウナギがエサを完全に食い込んだ明確な感触が伝わった瞬間に、鋭くアワせるのがフッキング成功のコツだ。

取り込みは「一気に休まず」が鉄則

魚がハリ掛かりしたら、躊躇は禁物。休むことなく、一定のスピードで一気に巻き上げる。こうすることで、ウナギが障害物に潜り込んで根掛かりしたり、途中でハリが外れたりするリスクを減らすことができる。

ウナギとのやり取り
掛かったら一気にゴリ巻きで寄せるとバラしにくい

「釣れた場所」は一級ポイント

ウナギは群れで行動するわけではないが、好む環境は共通している。そのため、一匹釣れた場所は、他にもウナギが回遊してくる可能性が高い。アタリがあった場所を正確に記憶し、すぐに同じポイントへ仕掛けを再投入することで、連続ヒットも期待できる。

ルールを守ってウナギ釣りを楽しもう

ウナギは、多くの河川で漁業権の対象魚種として設定されている。そのため、該当する河川で釣りをする場合は、必ず定められた遊漁券を購入する必要がある。

さらに、ウナギは絶滅危惧種にも指定されており、その資源保護が大きな課題となっている。この貴重な資源を守るため、各都道府県や漁業協同組合は、採捕できるサイズや尾数、禁漁期間などの詳細なルールを定めている。これらの規則に違反すると罰則が科される場合があるため、釣行前には必ず自治体等の公式情報を確認してほしい。

公的なルールを遵守することはもちろん、必要以上に持ち帰るのを避けるなど、釣り人一人ひとりが環境に配慮する姿勢も重要だ。未来にも豊かなフィールドでウナギ釣りを楽しむため、資源を大切にする心を忘れないようにしたい。

※この記事は『つり人』2020年9月号に掲載した記事を元に再編集しています。

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【ヘラブナ釣りの始め方】エサは1種類でOK!初心者のための超シンプルな釣りの流れ4ステップ https://web.tsuribito.co.jp/beginner/herabuna-4step つり人編集部 trend 191192610569 Sun, 22 Jun 2025 02:00:00 +0900

ヘラブナ釣りは、初心者にとって難しい釣りという印象が強い。しかし、基本を押さえれば決して敷居は高くない。今回は、高水温期に最盛期を迎える「浅ダナ・両ダンゴ」の釣りに焦点を当てる。初心者でも手軽に挑戦できるよう、使用するエサを1種類に絞った基本的な釣り方を、数々の大会で実績を残す名手・杉本智也さんが一から解説する。まずは身近な管理釣り場で、繊細なアタリを掛けるヘラブナ釣り独特の快感をぜひ体験してほしい。

ヘラブナ釣りは、初心者にとって難しい釣りという印象が強い。しかし、基本を押さえれば決して敷居は高くない。今回は、高水温期に最盛期を迎える「浅ダナ・両ダンゴ」の釣りに焦点を当てる。初心者でも手軽に挑戦できるよう、使用するエサを1種類に絞った基本的な釣り方を、数々の大会で実績を残す名手・杉本智也さんが一から解説する。まずは身近な管理釣り場で、繊細なアタリを掛けるヘラブナ釣り独特の快感をぜひ体験してほしい。

写真と文◎編集部

シンプルに始めるヘラブナ釣り

ビギナーが釣りを始めるのに管理釣り場ほど適したフィールドは他にない。魚がいるのがわかっているし、足場がよく落水の危険が少ないうえ、駐車場とトイレが完備されているので釣行のハードルがとても低い。

管理釣り場のくくりで言えば、エリアトラウト(マスのルアー釣り場)とヘラブナが2大巨頭だ。どちらも「釣り堀」という言葉では表わせないほど奥が深く、他ジャンルの釣り経験者もどっぷりハマってしまう魅力がある。近年はルアーが人気だが、エサでねらうヘラブナにはルアーにない魅力があると話すのが、今回初心者編集部員の先生役をお願いした杉本智也さんだ。

「管理された池でエサを使って釣るので、他の魚より最初の釣果を得やすいのがこの釣りです。それでいて、ウキの反応を見極め合わせて掛けていくので『釣った感』が大きい。うまくアワセが決まらないと釣れないので、マグレの要素が少ない。熱くなれる釣りなんです」と杉本さん。

初心者は浅ダナ・両ダンゴの釣りがおすすめ

今回教えてもらうのは、ヘラの活性が高い時期に有効な「浅ダナ・両ダンゴ」の釣り。浅ダナとは水面から1m前後の浅い中層をねらうもので、両ダンゴとはふたつあるハリの両方に時間とともにバラけていく練りエサを付けるスタイル。

ちなみに、下のハリにウドンなどの食わせエサを付けるのは「セット」と呼ぶ。ねらう水深による分類では、サオ先直前にウキを持ってきてなるべく深い水深をねらう「チョーチン」やエサを底につけてねらう「底釣り」などがある。

ヘラブナ釣りの道具類

ヘラブナ釣りに必要な道具類は以下の通り。

1.サオ(必須)
2.サオ掛け(必須)
3.万力・サオ受け(必須)
4.お膳(小物置き)
5.ハサミ(必須)
6.クッションまたはチェアー(必須)
7.ボウル(必須):洗面器でも代用可。最低2つ
8.玉網(必須):レンタルできる釣り場もある
9.計量カップ(必須)
10.タックルバッグ
11.サオケース
12.シート

ヘラブナ釣りの道具一覧
ヘラブナ釣りの道具一覧

ヘラザオの長さは概ね7~15尺(2・1~4・5m)のラインナップがあるなかで、管理釣り場で初心者が使いやすいのは短めの8~9尺のもの。その中でも今回は桟橋ではなく陸の釣り座だったため、プレッシャーで魚が沖に出ることを想定した9尺を選んでもらった。杉本先生の愛用は、がまへら天輝(がまかつ)

ヘラブナ釣りのサオ
ヘラブナ釣りのサオ

ミチイトはナイロンの0.8~1号。使ったのは将鱗へらストロングアイ道糸(東レ)。ハリスもナイロンでミチイトの半分の太さが基本。各社から販売されているハリスが結んであるハリを買うのが簡単だ。サオの持ち手の位置に来るミチイトの最下部には、パイプに巻かれた板オモリの下のサルカンに、2本のハリスをまとめて結ぶ。ハリスは一方を30cm、もう一方を40cmというようにハリスの長さを段差状に変えるのが基本だ。

ミチイトとハリスの結束部
ミチイトとハリスの結束部に板オモリを付けてウキのバランスを調整する

ヘラウキ。はボディー長が7cmで、トップ(メモリ部分)がパイプ素材のものがおすすめ。管理釣り場での標準的なサイズはボディー長6cm前後だが、初めのうちは大きめがよい。仕掛けを振り込みやすいようある程度の重さのオモリを背負える。杉本先生のブランド・TOMOのA-1・7(チック)ウキは下記画像のように接続。下部に環のあるウキゴムにウキを挿し、ミチイトに通しウキ止メゴムで上下を挟む。

ウキの付け方
ウキはミチイトに通し、ウキ止メゴムで挟む

ハリはスレバリ(バーブレスフック)が使われる。両ダンゴの釣りでは6号前後のハリが定番で、角マルチ(がまかつ)など両ダンゴ用に設計されたハリがおすすめ。また、一日中水面を凝視するので目の負担が大きく、偏光グラスも必需品だ。杉本先生はガラスレンズで視界が極めてクリアなサイトマスターシリーズ(ティムコ)を愛用

エサは1種類でOK

ヘラブナ釣りと言うと、いろいろな練りエサを準備して、状況に応じて使い分けて……というイメージがある。

「エサにはバラけやすさや沈みやすさが違うさまざまな種類がありますが、まずは難しく考えずに1種類から始めてみてください。その際はパッケージに『単品で使える』という旨の文言があるエサを選べばなんとかなります。受け付けでエサが買える釣り場も多いですから、スタッフにその池の釣れ筋を聞いて買うのが間違いないです」

ヘラブナ釣りのエサ
単品で使えるエサを使おう

これはなんとなく敷居の高さを感じていた筆者にとって朗報だった。たとえばエリアトラウトを楽しむにはなるべく多くのルアーがほしい。その中から状況にあったルアーを探していくのが楽しいのだが、初心者の最低限のタックルでは手も足も出ないことも起こりがち。一方のヘラブナは、ビギナーがまず入門してアタリを出すところまでは1種類のエサでもなんとかなるという。というわけで、今回は1種類のエサで始めるヘラブナ釣り入門編だ。

ヘラブナ釣りの流れ

杉本智也さんと合流したのは埼玉県狭山市の智光山公園に併設されたヘラブナ釣り場・前山の池。圏央道・狭山日高ICから至近でアクセスがよい同公園にはこども動物園や自然生態観察園、キャンプ場などもあり、家族で来ても楽しめる。

前山の池
前山の池

釣り場の利用料は1日1800円と休日のレクリエーションとしてはかなりリーズナブルだ。受け付けを済ませて釣り座を決め、クッションやサオ受けを準備。9尺(2.7m)のサオに仕掛けをセット。仕掛けの概要は、サオ先のリリアンにぶしょう付けしたミチイト0.8~1号に、ウキ止メで位置を調節可能にしたヘラウキを装着。サオの持ち手のあたりにオモリとサルカン。そこへ2本のハリスを結ぶ構成。今回はハリスが30cmと40cmの段差仕掛けだ。

釣りを始める前に必須のウキのバランス調整

仕掛けができたら、次にやるのはウキの調整だ。「初心者にまず覚えてほしいのがウキのバランス調整です。ウキの動きを見てエサの状態を判断する釣りなので、まずは基準として、エサを付けない状態の仕掛けでウキが沈み込む量を板オモリで調節します。今日使うウキのメモリは下から3番目に緑がありますから、ここを『エサ落ちメモリ』として、空バリの状態でここに水面が来るようにします。ダンゴを付けて振り込むと、さらに上のメモリまで沈み込み、ダンゴがバラけていくにしたがって徐々にメモリが上がってきます。緑の『エサ落ちメモリ』が水面まで上がったらエサがなくなったと判断して、再投入できるようにするのです。未経験の人がヘラブナ釣りを楽しめるかどうかは、これができているかが大きいです」

浮力は水温=水の比重によって変わるし、さらには仕掛けの各パーツの水の含み方でもウキのバランスは変わってくるので、毎釣行ごとにはもちろん、釣りの最中も微調整を行ないたい。

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ウキのバランス調整から行う

エサの準備

今回使うエサはマルキユー「カクシン」。バラケ性は「中」、重さは「軽」という性格のダンゴエサで、「単品で幅広いタナに対応」とパッケージに記載されているとおり、溶け出して魚を寄せる役割と食わせる役割を両方こなせるタイプである。

作り方の記載のとおり、「カクシン」700㏄と水200㏄をボウルにとって混ぜ合わせる。混ぜ方の力加減も大事と聞くが、初めての筆者は加減がわからなものなのだろうと納得してハリに付けてみる。仕掛けを振り込んだときにウキのトップが少し水面から出るように、毎回同じサイズのダンゴを作れるようになるのが理想とのこと。シャリを握る寿司職人かな?

ハリに付けるにしても、初めのうちはダンゴをまとめるのに時間がかかってしまったり、振り込む際にハリから外れて手前に落ちてしまったりした。自分なりにコツがつかめてきたのは釣り始めてかなり時間が経ってからで、指3本でつまめる量のエサを第一関節のところで折りたたみながら3回潰し、指先で丸めてからハリを当てるとしっかり付けられた手ごたえがあった。

ただし、ダンゴの作り方とハリへの付け方によってエサの硬さ=バラけ方=アタリの出方が変わってくる。それがヘラブナ釣りの奥が深いところであると同時に、1種類のエサでも状況に応じた対応の幅ができる懐の深さである。だからやり方に正解はなく、前述のように自分なりの作法を作ったうえで、釣れ方を見ながら微調整していくのがいいと感じた。

エサ関連の道具の使い方

エサ関連の道具は、ボウル2つ、計量カップ、濡れタオル。ボウルはエサを混ぜる用と水用。水用は釣りの最中に手をすすぐのにも使う。計量カップはエサ用と水用でそれぞれ100ccと200ccがあるとよい。ダンゴを作るときは必ず濡れタオルで指先を拭いて水分量を一定にすることで、エサの質をコントロールできる。

ヘラブナ釣りのエサ作りに使う道具
ヘラブナ釣りのエサ作りに使う道具

エサの針への付け方

1.ダンゴ状に丸める。手のひらの近くではなく、指先で丸めるのがコツ
2.ハリを引っかけるように当てて…
3.ハリスを引っ張って食い込ませる
4.ハリを包むようにダンゴをたたんで、涙型に付ける

エサの付け方ひとつで釣果は変わる。これは先生によるバリエーションの1つ。寄せたヘラに遊ばれにくいよう硬めにまとめつつも、仕掛けが馴染む過程では適度にバラけてほしいので、カドをつけた形状にしている。

エサの針への付け方
エサの針への付け方

釣りの動作とアタリの見極め

時系列が前後するが、エサ付けができたらいよいよ釣り開始だ。エサでヘラを寄せるため毎回同じ場所に仕掛けを入れること、サオ先からウキまでのミチイトがまっすぐになるようになるべく遠くにウキが立つように入れるのが重要だ。

利き手でサオを持ち、仕掛けを伸ばすとオモリが手もとに来るので、オモリをつまんで振り子の要領で投入する。水面ギリギリではなく、少し浮き気味の弾道になるようにすると振り込みやすい。仕掛けが着水するとオモリの重さでウキが立つ。少し遅れてハリ+ダンゴが真下へ沈んでエサ落ちメモリにダンゴの重さが乗った分のメモリまでウキが沈み込む。

仕掛けの振り込み
振り子の要領で仕掛けを振り込む。慣れてしまえば毎回同じところに入れるのも簡単

「ここからエサがバラけるにつれてウキが上がってきます。アタリがないままエサ落ちメモリまで浮いたらすぐに引き上げて撃ち返してください。再投入までの時間が空けば空くほどせっかく寄ってきたヘラがシラケてしまいます」

繰り返し同じところへダンゴを撃ち続けていると、だんだんウキが動くようになってきた。「仕掛けが馴染んでからエサがバラケて落ちるまでに出るアタリを掛けていくのが両ダンゴの釣りの醍醐味です。魚が寄ってくるとその水流などでウキはいろいろな動き方をします。その中でヘラがエサを吸い込んだときのアタリを見極めます。ウキの動き方の中で、最も素早く、鋭く水中へ数メモリ分引き込まれるのが合わせるべきアタリです。アタリかなと思ったら積極的に合わせていくのが上達のコツです」

アワセは手首を使って軽く

筆者のウキにも鋭い動きのアタリが出た!すかさずアワセを入れてみたものの、ルアー釣り歴が長い筆者は腕全体を使った「フッキング」になってしまった。案の定空振りとなり、仕掛けが勢いよく水面から飛び出てサオに絡まってしまった。杉本先生は苦笑いだ。「ウキが5cm手前に動けばハリ掛かりしますから、アワセに力は必要ありません。手首で軽く合わせてみてください」

考えてみれば、リリースが前提のヘラブナ用のハリはカエシのないスレバリ。少しオモリを跳ね上げてハリ先を口に当ててあげれば、あとはサオの弾力で刺さり込んでくれそうだ。杉本先生のアドバイスどおり、次のアタリには手首で軽く合わせてみた。一瞬の間があってから、サオ先が引き込まれる感触が手もとに伝わってきた。ルアー釣りのようなフックアップと同時に魚を浮かせるためのフッキングとは明確に違う、これがヘラブナ釣りのアワセなのだとわかった。

ヘラブナ釣りでのやり取り
力まないアワセが決まり、記念すべきファーストヘラブナがヒット!

サオを立てて、その弾力を生かしてヘラを浮かせてネットイン。記念すべき初ヘラだ。この後もダンゴの作り方などを試行錯誤しながら両手で数えられるくらいのヘラをキャッチ。隣の釣り座でお手本を見せてくれる杉本先生の連発に驚嘆しながらも初のヘラブナ釣りの楽しさを存分に味わうことができた。

今回教えてもらった「浅ダナ・両ダンゴ」の釣りは記事が掲載されるタイミングにもピッタリなのでぜひヘラブナデビューをしてみてほしい。

ヘラブナ
「今回説明した要点を踏まえてチャレンジすれば、未経験でも初めの1匹を手にするのは決して難しくありません」と杉本先生

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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大型アオリイカ【レッドモンスター】を釣るために知っておきたい基礎知識 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/redmonster つり人編集部 trend 191233736091 Sat, 21 Jun 2025 07:00:00 +0900

アカイカ型の大型アオリイカ、通称「レッドモンスター」。それは、エギングファンの憧れである4kgオーバーも夢ではないターゲットだ。本記事では、このレッドモンスターを獲るためのポイント選定、釣り方のコツ、そしてタックル選びに至るまで、プロアングラーの芝賢さんが徹底解説する。

アカイカ型の大型アオリイカ、通称「レッドモンスター」。それは、エギングファンの憧れである4kgオーバーも夢ではないターゲットだ。本記事では、このレッドモンスターを獲るためのポイント選定、釣り方のコツ、そしてタックル選びに至るまで、プロアングラーの芝賢さんが徹底解説する。

解説◎芝 賢
写真◎芝 賢、編集部

アカイカ種のアオリイカ「レッドモンスター」の特徴

エギングの最終的なゴール地点はどこかと言われれば、4kgオーバーのアオリイカを釣りあげることだと僕は思う。3kgまでならチャンスは案外あるものだが、4kgの壁は大きい。人生で一回出会えるかどうかという巨大なイカを手にしたときの興奮は何物にも代えがたいものだ。

アオリイカはシロイカ種、アカイカ種、クアイカ種の3種類に分けられる。生息域が広く一般的によく見られるのはシロイカ。今では三陸でも釣れるようになった。シロイカよりも大型化するのがアカイカだ。大きくて濃い赤色をした姿はまさにレッドモンスター。実際に見たことある最大サイズは6700g、聞いた話では7kgオーバーもいるらしい。生息域は和歌山県以南で、沖縄県や鹿児島県などの黒潮域とされている。シロイカとの判別は、正直なところ見た目では難しい。同サイズであればシロイカよりも胴長が長く、ややスリムな形状をしている。ほかにも違う点は次の通り。

・生息場所:シロイカは水深10~20m、アカイカは水深50~100m
・接岸理由:シロイカは捕食や産卵、アカイカは捕食のみ
・産卵:シロイカは藻場、アカイカはサンゴ礁
・釣期:シロイカ(春イカ)は4~6月、アカイカは1~4月
・釣り方:シロイカは藻場または回遊ねらい、アカイカは回遊ねらいのみ

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アカイカ種は黒潮に依存しており、沖縄や南西諸島で多く見られるが、和歌山や対馬でも発見されている。赤みが強い個体が多く、大型化しやすい。アングラーは真っ赤な大型をレッドモンスターと呼ぶ

ただ、近年は磯焼けで藻場が減少してきており、春イカねらいであっても藻場をねらうよりも回遊待ちをしたほうが釣りやすくなってきている。回遊待ちの釣り方を覚えればアカ、シロどちらのイカもねらえるのでぜひ習得してほしい。

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一般的によく見られるのはシロイカ種で本州に広く生息

レッドモンスターの釣り方

回遊待ちの釣りで狙うレッドモンスターだが、この釣りで気をつける重要なポイントを解説していく。

回遊の釣りで大切な場所と潮

回遊待ちの釣りでまず考えるのは場所だ。アオリイカは地形の変化に沿って回遊してくるため、潮通しのよい岬やワンドをねらうとよい。

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潮通しのよい岬の先端はアオリイカの通り道

ワンドはベイトが溜まりやすいため、捕食目当てで活性の高いアオリイカが回遊してくる。この考え方は磯場でも堤防でも変わらない。特に期待できるポイントはシャローと深場が隣接している場所で、加えて潮通しがよい場所ならさらに可能性が高まる。

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ワンドはベイトが溜まりやすく、活性の高いイカが回遊してくる

また、アオリイカは魚以上に潮の動きに依存している生き物だと感じている。ベストタイミングは潮止まり前後の2~3時間。夜釣りであれば月が出る潮回りが理想だ。人の目と同じで、少しでも光量があるとアオリイカが夜でも活動しやすくなると考えている。

実際、月が沈むと途端に反応がなくなったという経験もしている。また、シロイカは潮が動かなくてもボトムを探れば釣れることもあるが、アカイカは釣れた試しがない。潮の動きをいかに感じ取れるかが釣果に繋がってくる。

潮は水面に潮目ができるように、一律で流れているわけではない。垂直方向でも流れが利いているレンジとそうでないレンジが必ずあり、よく動いている層を見つけ出して重点的に探るとアオリイカはよく釣れる。僕はこれを「潮の釣り」と呼んでいる。

底を取らない潮の釣り

潮の釣りはまず潮が動くレンジを探すことから始まる。エギングの基本としてまずはボトムを取るとよく言われているが、この釣りでは底を取る必要はなく、表層からカウントしてレンジを刻んでいく。僕の場合、たとえば水深10mならフリーフォールで5カウントずつ増やして探ってみる。一般的なエギは沈下速度が3秒/m程度なので、5カウントずつ探ればどんぶり勘定で1.5~2m間隔で探れる計算だ。

レンジを探すというと着水後にレンジを決めたらあとは水平方向にトレースして探るイメージかもしれないが、水深があるほど全層探るまでのキャスト数は増えるし、効率が悪い。そのため、斜めに探る釣り方だと効率がいい。

たとえば、キャストしたら5カウントして1、2回大きくシャクり、元の深さに戻ったであろうタイミングからさらに5カウントして下のレンジに入れていくイメージだ。こうしていくと1投で幅広くレンジを探ることができる。反対に最初に深く沈めてから徐々に持ち上げてくることもある。この二通りの探り方があるのでXの釣りと呼んでいる。この探り方でいいレンジを見つけたら、水平にトレースする横の釣りでそのタナを重点的に探っていくとチャンスを逃しにくい。

レンジを刻みながらシャクっていくとエギの抵抗が重く感じられることがある。これが潮が動いている状態だ。感覚的な話だが、いい潮の動き具合のときは粘り気のある重さを感じられる。チャンスなので丁寧に探りたい。

シャクリ方のコツ

シャクり方は移動距離を抑えるためにもイトフケを跳ね上げるようなスラックジャークがおすすめ。1、2回シャクったら、フリーフォールの繰り返しだ。スラックジャークのやり方としては、以下の画像のような形で行うとシャクリ幅が大きくとれる。

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1.大きくスラックジャークをする際は肘を突き上げるような姿勢からスタート。これによりシャクリ幅が大きくとれる
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2.腕を伸ばしつつ手首を返すようにして鋭くシャクりあげる
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3.素早く手首を戻してラインをたるませる。このタルミによってエギが横にダートする

フリーだとテンションフォールと比べて横方向の移動距離が少ないだけでなく、風やウネリが強い時でもエギの姿勢が安定しやすい。フォール時にエギの姿勢が安定していることはとても重要なことなので釣れないと思ったら意識してみてほしい。日中はラインの動きでアタリを取るが、夜は見えない。そこで、ロッドを持つ手と反対の手でリールから出るラインを乗せるように持つことで、アタリを手感度で取っている。

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夜はラインが見えないため、ラインを手で支えるように持つとアタリが手もとに伝わってくる

レッドモンスターを狙うためのタックルとエギ

春のエギングで使うエギは3.5~4号。4㎏オーバーはとてつもなく大きいので、エギも大きければ大きいほどいいと思っている。サイズとは別に沈下速度の異なるタイプ(ノーマル、シャロー、ディープ)を用意する必要があり、こちらのほうが重要だ。というのも潮の釣りではレンジを見つけたらそこになるべくエギを留めさせたいからで、潮の強弱に合わせてエギの重さを変えないとレンジキープが難しくなる。エギのカラーはお好みでいい。

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春イカには大きめの3.5〜4号。沈下速度の異なるタイプを用意して潮の流れに対応したい

というのもイカは白黒でしか見えないので細かい色の違いは判らないからだ。上地の色よりも下地(テープ)を意識している。見せ方次第だが、闇夜ならシルエットの出やすい赤テープ、月夜なら多少なりとも光があるので金テープかケイムラが効果的だ。もちろん、グローもよく使う。

軟らかめのロッドだと潮を感じやすい

大型アオリイカをねらうなら張りのある強めのロッドがいいとされている。それは使用するエギも掛かるイカも重くなるからだ。ただ、僕は大型ねらいであってもロッドをしっかり曲げたい派なのでL~MLクラスの軟らかめのものを使っている。軟らかいとシャクったときの潮の抵抗感もわかりやすいのも理由のひとつ。

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芝さんの愛用タックル
ロッド:セフィアリミテッド84L+(シマノ)
リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
ライン:PE0.6 号/リーダー:フロロカーボン3 号

リールは2500番台でラインはPEの0.6号にリーダーはフロロカーボンの3号を1ヒロ弱。周年この組み合わせだ。

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大型イカは足もとまで寄せても沈んでいることが多いためギャフよりタモがおすすめ

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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【増水時のナマズ釣り】どこを狙う?エキスパートが教える狙うべきポイント https://web.tsuribito.co.jp/beginner/namazu-zousui つり人編集部 trend 191158891529 Fri, 20 Jun 2025 08:00:00 +0900

田んぼに水が引かれると川にいたナマズは小水路にも入り、田園地帯のさまざまな水辺で釣れるようになる。毎年この時期を心待ちにしているのが、ルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」代表の駒崎佑典さん。5月初旬、代掻きが始まった鬼怒川水系での釣行に密着。前夜の雨で大増水した水辺を、どう探索していくのだろう?

田んぼに水が引かれると川にいたナマズは小水路にも入り、田園地帯のさまざまな水辺で釣れるようになる。毎年この時期を心待ちにしているのが、ルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」代表の駒崎佑典さん。5月初旬、代掻きが始まった鬼怒川水系での釣行に密着。前夜の雨で大増水した水辺を、どう探索していくのだろう?

写真と文◎編集部

増水時のナマズ釣り

ナマズは基本的に夜行性の魚だ。暗いうちほど活性が高く、釣果も得やすい。だが、駒崎佑典さんはデイゲームが大好きだ。バイトが出そうなピンスポットにねらいを定めてトップウオータールアーを撃ち込み、水面が爆発する捕食シーンをしっかりと目で見て楽しみたいからである。

駒崎さんのナマズ行脚を取材するのは、今年で3年目になる。過去2回とも栃木県の水脈を巡り、今回の目的地も栃木県の鬼怒川水系へ。決定的に違うのは前日に大雨が降ったことだ。朝マヅメをねらうべく午前3時に相棒の金子修さんと合流。道中の車内では、不安8割・期待2割といった会話が交わされた。

金子:コマさん、ヤバい雨が降りましたね。ナマズの嫌いな代掻きの水が溢れ出て、水温も低下。かなり厳しい展開になりそうです。

駒崎:カネちゃん、過去一難しそうなのは間違いない。でも水が出れば魚も動く。水路の広範囲にナマズが散るかもしれないし、付き場が限定的になってポイントを絞りやすくなる可能性もある。まあ、前向きに「増水時のナマズをどう探すか」をテーマにやってみましょう。

増水時に狙うべきポイント

鬼怒川支流の実績河川には夜明けと同時に到着した。さっそくタックルを手に川辺に立つと、赤茶色の水がゴーゴーと流れている。50cmは水位が高そうだ。それでも「バフッ」という捕食音が聞こえ、ふたりの不安は吹き飛んだ。期待を胸に岸際の反転流を撃っていくが、バイトは出ない。目ぼしいスポットをテンポよく探るも無反応。朝のプライムタイムの一時だけ活性が高かったようで、太陽はあっという間に昇りきった。

「大きく移動しましょう。増水している中で無理に釣るよりは、釣りやすい水域に入ったほうがナマズも捕食しやすい。水量の少ない小水路や上流部を探してみましょう」

そう言って、鬼怒川右岸側の支流から左岸側の支流へと車で移動した。本川とつながった水路であれば、ナマズはどこまでも入り込むはず。増水時にねらうべきは、次のようなポイントだ。

1.水が落ちている場所

田んぼの水路の吐き出し口が該当する。水が増えることで吐き出される勢いも強まり、カエルなどのエサが落ちやすくなるため、ナマズが待ち構えている可能性が高い。

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水が落ちる水路の吐き出しはカエルなどのさまざまな生き物が落ちてくる。ナマズが待ち構えていることも多い

2.強い流れをかわせる窪み・水草地帯・浅場

魚が強い流れを避けられる岸際の窪みや草陰、水路や支流の暗渠にはナマズが潜みやすい。また、こうした場所にはベイトとなる小魚も逃げ込む可能性が高いことから居れば1投目で食う。

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川の流れがかわせるような窪みや暗渠があればナマズが逃げ込んでいる可能性が高い

なお増水時は濁りが濃いため、ルアーの音によるアピール力も重視したい。デイゲームでは、着水音の小さなフロッグなどのソフトルアーが警戒されずによく釣れる場面もあるが、増水時にはカチャカチャと音を立てるハードボディーのプラグのほうが、ナマズが気付きやすいといえる。

可動堰の下流へ

小水路を転々とするも、ナマズからの反応は得られなかった。流れの勢いが強すぎるのだ。

駒崎さんは明け方に入った小河川のゴム堰の下流部に入り直すことにした。「ゴム堰」とは、ゴム引布を袋状にした膨張式の可動堰で、ポンプで空気を送り込むことで膨らみ、水を堰き止める。増水した朝の時点ではしぼんでいたゴム堰だが、もともと水量の乏しい小河川ゆえ、数時間で再び膨らんで流れを制御すると読んだのだ。

その読みは的中。明け方の増水が幻だったかのように、ゴム堰の下流部は渇水状態といえるほどの減水を見せていた。急激な水位変化のせいか、小魚が落ち着かずに泳ぎ回り、ナマズもウロウロしている。

「これなら釣れる!」駒崎さんも金子さんも意気込んでナマズシューティングを再開。だが、太陽が真上にあるせいかナマズが身を潜めるシェード(物陰)が少なく、見えるナマズをねらい撃ちしても、驚いて逃げてしまう。興味をもって近づく個体もいたが、バイトには至らない。

「おそらく、バイトを出せるのは深みのある岸際です。ナマズが身を隠しやすく、ルアーを追い込める位置でないと食わせるのは難しいでしょう」

駒崎さんは右岸側から上流を探る。水を堰き止めたゴム堰の上流の橋を回り込み、今度は左岸側から下流へと釣り歩いた。水草が揺らめく深みに、ロデオクラフト「PUP」を引き波を立ててダウンで通すと──「バフッ」という捕食音とともに水面が炸裂!

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水が落ち着いたゴム堰の下流で待望のヒット。深みの岸際で食ってきた

「来たあ!」駒崎さんが声を上げると、200mほど下流にいた金子さんがタモを持って全力で駆け付けた。息を切らしてランディングシャフトを伸ばすも、土手が高すぎてシャフトの長さが足りない。駒崎さんは慌てずロッドを金子さんに手渡し、自らタモを持って藪に覆われた土手を滑るように降り、濡れることも厭わずにざぶざぶと水中へ。執念のランディングを決めたのだった。

「太鼓腹のいいナマズです(笑)」計測すると62cm。時刻は11時45分。真っ昼間に手にした価値ある1尾に、快哉を叫んだ。

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愛用ルアーはロデオクラフト「PUP」。着水音から引き波の立ち方まで秀逸でナマズを寄せる要素が揃っていると駒崎さん

リアクションで食わせる

午後からは別水系を探ろうと南下した。鬼怒川から派生する水脈ではなく、利根川支流の飯沼川の支流筋にねらいを定めた。しかしこの川も増水の影響が色濃く、泥濁りで多量のゴミが流れていた。

ナマズシューティングは、駒崎さんの言葉を借りれば「出会い系」の要素が強い。キャスト精度を上げ、バイトがあっても粘りすぎず、フレッシュなポイントを次々に撃っていくことが釣果につながる。ことデイナマズは1投目が勝負。撃ち損じた場合、釣果を得られる確率は30%まで下がる。ここでは金子さんが先行し、駒崎さんが後を釣った。

金子さんのキャスト精度は高く、ねらったピンにドンズバでルアーを入れる。いつ出てもおかしくないコースを通すが、バイトは遠い。後を追う駒崎さんは、金子さんの“サオ抜け"を見極め、変化の乏しい壁際も丁寧に撃っていった。

すでに釣果を得ていた駒崎さんの釣りに、焦りはない。水の吐き出し口にダウンクロスで投げ入れたルアーが反転流に入り、ターンをしたスポットで2尾目がヒット!

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水の落ち口の反転流をダウンで通しルアーがターンした瞬間に食ったという2 尾目

さらに、金子さんが見逃した小さな凹部を探って3尾目!この間に1尾をバラし、2チェイスもあった。それも対岸の日向の壁際での反応だった。

「日向にいるナマズは、基本的に食い気がないと思います。だからリアクションで反応させたい。バイトやチェイスは、ルアーが腹からベチャッと着水したときに出て、壁に当てて落とすような静かなアプローチでは反応がありません。もちろん、壁をタイトに撃つのが絶対条件。壁からルアーが50cm離れたら食わない。それと、リアクションで食わせるには見切られないようにルアーを止めない。着水後すぐに巻いたほうがいいですね」

このアドバイスを受けて、金子さんも日向のスポットを丁寧に探るようになった。対岸の崩れ護岸の裏にルアーを着水させると、その巻き出しで水面が爆発!ようやく乗ったナマズを一気に寄せ、「抜きますよ!」と勢いよく抜き上げたが、足もとまで舞い上がったところで無念のフックアウト。金子さんはヘナヘナと膝から崩れ落ち、この日のストップフィッシングを迎えたのだった。

「ナマズとの出会いを果たすには正確なキャストと質のよいランガンができることが第一。それと口を使わせる一工夫も必要です。フックを細軸にしたり、口にフックを残すためにラインを張りすぎないリトリーブをしたりと、ちょっとした釣り方の工夫がフッキングにつながります。代掻きの収まる頃に今日巡った釣り場を再訪したいですね」と駒崎さんは金子さんに次回釣行の約束をして帰路についた。

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駒崎さんのこだわりは細軸のフック。この日はがまかつ「スプロートベンド」#8が活躍。フロント側のスプリットリングは#2。フック側を#0と小さくしリングを伸ばして根掛かり回収率を高める

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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なぜ徳島は「ナマズ天国」なのか?無数の水路で楽しむデイナマ攻略ガイド https://web.tsuribito.co.jp/suburb/tokushima-daynama つり人編集部 trend 191159662426 Fri, 20 Jun 2025 02:00:00 +0900

暗くなってからが本番といわれるナマズ釣りだが徳島には暗い時間にはねらわないアングラーがいる。その理由は明確だ。明るいほうが断然面白いからだ。ナマズの楽園へようこそ!

暗くなってからが本番といわれるナマズ釣りだが徳島には暗い時間にはねらわないアングラーがいる。その理由は明確だ。明るいほうが断然面白いからだ。ナマズの楽園へようこそ!

写真と文◎松本賢治

徳島というナマズ天国

多魚種アングラー系ユーチューバーの内田さん、通称うっちーは2年ほど前、地域おこし協力隊への応募をきっかけに、埼玉から徳島県阿南市へやってきて現在ゲストハウスナマズを営みながらユーチューブやティックトックなどで動画を配信している。

釣りユーチューバーとして活動をするのと同時にルアー釣りを始めたのは5年前。ルアー釣り人生初の獲物がナマズだった。そして、ナマズ釣りにハマってしまい、それからずっと映像映えもするナマズ釣りをしているという。

磯から渓流まで、あらゆる釣りができる全国屈指の釣り天国・徳島ではあるが、これほどまでにナマズ天国だと知ったのはこっちへ来てからだという。

暴れ川として知られる吉野川はよく氾濫した。だが、逆に台風の時期以外は水不足となっていたことから水路が発達。徳島には大小138の河川に加え、網の目のように水路が張り巡らされているためナマズポイントが無数にあるわけだ。

ナマズの釣り場
こんな田園風景が広がる中での釣りがメイン

デイゲームでも激しいチェイスが出る

ちなみに、うっちーはナイトゲームはしない。「最初からデイオンリーなんです。もちろんナイトもやりましたが、動画配信メインっていうのがあるんで夜は厳しい。それと徳島のナマズは活性が高いんでデイで普通に釣れるっていうのが大きいですね。しかもトップの釣りなんで水面が炸裂する瞬間を映像でお届けしたいですから」

うっちーがデイナマを楽しむポイントは牧歌的な田園風景の中にある水路がメインだが、住宅地の中や商業地の周辺でも普通に釣れる。とにかくポイントには事欠かないので1スポットへ数投したら次へ、というランガンスタイル。

マットカバーなどのシェード、護岸際、流れの落ち込みなどナマズの好むスポットをトレース。ナマズがいれば、すぐに激しく反応してくれるため勝負が早い。関東などの激戦区では夕マヅメからエサを追い回すため日中はジッとしていることがほとんど。そのため反射食い=リアクションバイトをねらうのがセオリーとされているが、徳島では普通に日中から激しくチェイスしてくるという。

ナマズのバイトシーン
徳島ではデイゲームでも激しくルアーにチェイスしてくる

デイナマの好条件

「僕はタイド(潮の干満)のあるところが好きなんです。気にしているのは水深ですね。釣りやすいタイミングをねらってポイントには入っています」

潮が影響しない完全淡水の水路でも同様に水位が重要という。理由はナマズのルアーへ対する反応に大きく影響するためだ。

「バイトが出やすい理想の水位は30~50cm。ナマズと水面のルアーの距離がほどよく、それ以上深いと水面まで出にくくなります。ナマズの頭上にルアーを通すとドバッと出てきやすいです。浅くてフラットなボトムでも、ちょっとした凹みにナマズが入っていて、その水深がそれくらいなら同じように反応しますね。そこに、多少の濁りがあると最高です」

ナマズは、水深が80cm以上あってルアーが丸見えのクリアな水質でも出てこない。濁りは好条件だが、深いとなおさら出にくくなる。水深が理想的でも、水質がクリアだとカバーや流れ込みとかナマズが身を隠せる何かがないと難しいという。

以上のような考察からも分かるとおり、うっちーさんがねらう川の規模は小さくなる。

「はい、小場所が好きです。幅30cmほどの溝から3mくらいの水路をメインにねらっています。4~6月は特に産卵絡みで本流から支流、さらに奥の溝にまで入ってくる時期。活性も高くて広範囲に散らばって釣りやすいです。チェイスもしつこくて、すごい手前でもド派手に出るし数も釣れる、何より動画映えします(笑)」

ナマズの釣り場
「一番近いポイントは家から1分。遠くても車で30分の範囲で、ほぼ毎日デイナマを楽しんでいます」といううっちー

デイゲームのルアーセレクト

ルアーカラーのセレクトは釣果に大きく影響するようだ。水質がクリアならクリア系、濁りが入っていればピンクやオレンジといった派手系が効果的という。

デイゲームの醍醐味はなんといってもド派手なバイトシーンが丸見えなこと。それでいて、なかなかフッキングに至らないもどかしさも魅力のひとつ。「ナマズは視力が悪いんでバイトがヘタ。だからアワセのタイミングが難しいです。基本的にワンテンポ遅らせてからアワセを入れますが……それでもすっぽ抜けることが多いですね(笑)。でも、食い損ねても再チェイスしてくるケースも多々あるんで」ルアーを追い越すほど活性が高いときは速巻きすると食ってくるナマズもいるが、止めたらまた出るのもいる。だから基本的にはそのまま巻き続ける。

ルアーを追うナマズ
「ナマズは食うのがヘタなんで、基本的にチェイスしてチェイスして、その末にミスバイトをするという憎めないやつです(笑)」

ふく鯰とだいふく鯰

ルアーは各種使うが、最近よく使って実績を上げているのが、ダイワの「ふく鯰(54mm)」と「だいふく鯰(65mm)」。使い方としては基本的にはスローリトリーブするだけ。

「いかにもナマズが好きそうなカップ音とラトル音、さらにはブレードとボディーの接触音でアピールしてくれます。スローなただ巻きをメインに、ここぞというピンポイントではドッグウォークで首を振らせて移動距離を抑えたアピールもします。そのポイントにいる大きいのから食ってくる傾向はありますが……サイズは選べないですね。これまでのナマズの最小記録は22cmなんですけど、このルアーに食ってくるのは小さくても40cm以上で60cmオーバーまで釣れます」

サイズの使い分けは、活性を伺う時や活性が低めな時はふく鯰から使い、明らかに高活性であったりアピールを大きくしたい時、飛距離が必要な時にだいふく鯰をセレクトするという。

ふく鯰とだいふく鯰
ふく鯰とだいふく鯰

水温が上がったらイイ感じ

「潮の影響があるポイントではイナッコとか海の魚も食ってるんでいいサイズが出やすいのも特徴ですね。かといって、シーバスみたいにベイトフィッシュを追い回すことはなく、あくまでも待ち伏せ型です」

うっちーの住む阿南市には紀伊水道に注ぐ那珂川と桑野川の2本の大河川があり、そこから縦横に水路が延び、干満差のあるポイントも多い。4月下旬の取材当日も数ヵ所を見て周ったがナマズの姿を確認することはできなかった。

「ちょっと涼しいですもんね。でも、もう奥の水路に入ってきているのは確認できているので、今日はそっちがいいかもしれません」と桑野川の支流をランガン。朝の冷え込みが強かったせいか最初の数ヵ所は出てこなかったが、気温が上がってきた午前10時過ぎ、幅1m強の水路でだいふく鯰に激しいバイト!この一発目が出て、すぐに二発目の激しいバイトがあったものの両者とも乗らない。

でも、落胆することなく間髪入れずに次のキャストでまた出た!今度はフッキングが決まってパワーファイトで一気にぶち抜いた。コンディション抜群のふくよかな徳島ナマズにひと安心のうっちー。「気温も上がってきてイイ感じになってきたと思ったら出てくれました。これでアベレージです。抱卵してますから」とすぐにリリース。

釣れたナマズ
コンディション抜群の60cmクラス。どうしても1尾獲りたかったので前後をトレブルフックに交換

その後も同じ水系で何度かチェイスを味わったのち、那賀川水系の支流へ移動した。「普段はクリアなんですが、今日は代掻きが入って濁ってますね」と言って強アピールのだいふく鯰をチョイス。

ヘチ際をポコポコとスローにトレース。すると、ドバッ!と出た。が、乗らない。すぐにキャストを再開すると、またもドバッ!と心臓に悪いバイト。今度はフッキングも決まり、またまたナイスバディーのナマズを草の上へ。

2尾目に釣れたナマズ
護岸際をトレースして食わせた2尾目もコンディション抜群。濁りがあることからカラーはマッディピンクをチョイス

「今日はちょっと渋めでしたけど、サイズが揃ってくれたので楽しめました。今日はこれから宿に新しいお客さんが来るので終了します」

うっちーのナマズライフは続く。

内田優樹【うちだ・ゆうき】プロフィール

YouTuber『多魚種アングラー【うっちー】』で主にナマズ釣り動画を公開。徳島県でGuesthouse NAM
AZUを経営。ナマズの自己記録は75cm。

内田優樹
内田優樹

Guesthouse NAMAZU

阿南市でうっちーが営むGuesthouse NAMAZU。素泊まりのみ。料金は時期によって異なる。無料レンタル自転車あり。1名から1組最大5 名まで。共有バスルーム、共有キッチンあり。お遍路さんで利用する方が多いという。周年ナマズ釣りガイドも行なっている。3時間で1名1万円、2名1万5000円。6時間で1名1万5000円、2名2万2500円。

詳細・予約はGuesthouse NAMAZUの宿情報またはメールにて。

Guesthouse NAMAZU
Guesthouse NAMAZU

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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【陸っぱりサメ釣り指南】身近な堤防で巨大ザメを仕留めるためのタックルと釣り方 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/trbt-2022-11-same-01 つり人編集部 trend 84389222840 Thu, 19 Jun 2025 03:15:00 +0900

近年サメを狙う釣り人が増えている。ジョーズに代表される狂暴なイメージの魚だが、岸にずり上げた時の達成感は他の魚にはない喜びがあるという。また、SNS映えするのも人気の理由のひとつだ。全国各地の海岸を旅するこだわりアングラーがサメ釣りの魅力と釣り方を語る。

近年サメを狙う釣り人が増えている。ジョーズに代表される狂暴なイメージの魚だが、岸にずり上げた時の達成感は他の魚にはない喜びがあるという。また、SNS映えするのも人気の理由のひとつだ。全国各地の海岸を旅するこだわりアングラーがサメ釣りの魅力と釣り方を語る。

レポート◎ペスカトーレ中西

サメ釣りの魅力

サメと聞くとあなたはどんなイメージを抱くだろうか。恐ろしい?カッコいい?可愛い?それとも……??

世界には500種以上のサメがいるといわれており、誰もが知っているだろうジンベイザメやホオジロザメなどの巨大なサメもいれば、大きくても30cmほどにしかならないコビトザメの仲間もいる。太陽の光が届かない深海には、独特的な見た目のラブカやミツクリザメなど、さまざまなサメが棲息している。

私とサメとの出会いは幼少期の頃。水族館や魚図鑑で見たサメの姿に心を奪われたのだが、最初の印象は「怖い」という恐怖心よりも、「めちゃくちゃカッコいい」という憧れのほうが強かった。速く泳ぐことに特化したサメのボディーやヒレの形状は、まるで戦闘機みたいで男心をくすぐられたのを覚えている。そして見るだけなら水族館で充分だが、もっと近くで、できればこの手で触れてみたくなり、十数年経った現在もその気持ちは冷めることなく、むしろヒートアップ。釣りという趣味の中でサメをねらう機会が増えた。

ガラパゴスザメ
ガラパゴスザメ。メジロザメ属に属するサメの一種で、最大で3mクラスになると言われている。遊泳力の高い外洋性のサメで世界の温暖な海域に広く分布する。名前の由来は学名を記載するための標本個体がガラパゴス諸島にて採取されたところからきている。冬の小笠原諸島で

本格的にサメを釣り始めてから全国各地の釣り仲間たちと協力してサメを追いかけることもある。目的のサメに出会えた時のうれしさは格別で、魚体を愛で、写真を撮影し終えた後に無事リリースできた時は、何ともいえない達成感を得られる。

今回は自分が趣味として続けているオカッパリからのサメ釣りについて紹介したい。サメを専門に釣ろうと思う方は少ないかもしれないが、普段行く釣り場にも「こういうサメがいるかもしれない」と少しでも興味を持っていただけたらうれしい。

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ドチザメ。本州の広域で見られる底生の大人しいサメ。東京湾ではベイシャークという愛称で親しまれている。1.4mほどになり、比較的お手軽にねらえるのでサメ釣りの入門ターゲットとしてオススメ。関東の釣り公園での釣果

サメ釣りの時期

サメは種類によって釣りやすい時期やタイミングがある。ネコザメやドチザメなど定住性の強いサメは季節を問わずに釣れるものの、メジロザメ系やシュモクザメなどの回遊性の強いサメは夏になるとエサを求めて岸近くまで回遊する。またナヌカザメやカスザメは冬になると産卵で接岸するためショアからねらいやすくなる。

カスザメ
カスザメ。まるでエイのような不思議な見た目だがサメの仲間。底生で普段は砂の中に潜っており、魚が頭上を通過すると素早く吸い込んで捕食する。ショアからねらう場合、産卵で浅場に寄ってくるタイミングがねらい目。あまり泳ぎ回らないのでルアーでボトム付近を広く探ると出会える可能性が高い。冬の房総半島での釣果

サメ釣りの時間

昼夜関係なくねらえるサメもいるが、基本的に夜間のほうが釣れやすい。ネコザメやナヌカザメなどの底生のサメは夜間になるとより活発にエサを探し回るからだ。メジロザメ系やシュモクザメなど回遊性のサメは夜間に岸近くを回遊し、表層から中層付近を活発に泳ぐ。

潮回りは個人的にあまり関係ないと思っている。ブッコミ釣りの場合は、仕掛けが流されないようにしなくてはならないので、潮が動きにくい日をねらって釣行することが多く、潮止まりの前後がアタリも出やすい。

オオメジロザメ
オオメジロザメ。最大で4mに達するが、成魚は通常で2.5mほど。淡水域にも侵入し、日本では沖縄の河川などで見ることができる。写真の個体は沖縄本島の河川にて。準絶滅危惧種につき、釣りあげた場合は丁寧かつ迅速にリリースしてあげたい

サメ釣りのポイント

ポイント選定だが、水深のあるポイントが有望だ。手前から水深のある堤防だと、足もとでも充分にねらえるし、潮通しのよいポイントであればメジロザメ系やシュモクザメなどが回ってくる。サーフでサメをねらうにあたっても同じことがいえるが、サーフの場合も少し沖で深くなるブレイク付近がねらいめ。

またサーフからねらう場合は潮位にも注目したい。堤防に比べ水深が浅いので、上げ潮からの潮位の高いタイミングがねらいやすいだろう。サーフからねらう場合だと、エサとなる魚を捕食しに回遊するサメがメインターゲットとなる。メジロザメ系やシュモクザメなどの回遊性のサメがねらえる可能性が高い。ルアーフィッシングではタイミングしだいでカスザメなどもねらうことができる。

ナヌカザメ
ナヌカザメ。底生のサメで、名前の由来は陸上でも七日間は生きていられるぐらい生命力が強いという部分からきている。外敵に襲われそうになると海水を吸い込んで体を膨らませることができる。冬の伊豆諸島にて

釣り方はブッコミもしくは泳がせ釣り

釣り方は魚やイカの切り身をエサにしたブッコミ釣り。もしくは生きた魚をエサに用いた、泳がせ釣りである。タックル・仕掛け図は以下のとおり。

サメ釣りタックル・仕掛け図
サメ釣りタックル・仕掛け図

底付近にいるネコザメやドチザメは魚の切り身などを用いたブッコミ釣りが有効である。置きザオにしていると穂先が揺れるアタリの後にジリジリとゆっくりラインを引き出していく。フッキングは一呼吸おいて、重みが乗っていることを確認してからしっかりと乗せる。

生きた魚をエサに用いた泳がせ釣りの場合、ブッコミ釣りと同じく仕掛けを用いてボトム付近で生きエサを泳がせる方法や、フリーで泳がせる方法、フロートを用いて表層から中層付近で泳がせる方法がある。サメが寄ってくるとエサの魚が逃げようと暴れ出し、サメがエサをくわえこむとゆっくりとラインが出ていく。ブッコミ釣りと同様に早アワセは厳禁。しっかり食い込ませて重みが乗っているのを確認してからフッキングすること。

ネコザメ
ネコザメ。水族館で目にする機会も多く、その愛らしい見た目から人気も高い。底生で非常に大人しい。臼歯状の歯でサザエなどの貝類やウニ、甲殻類を嚙み砕く。筆者が最も好きなサメの一つ。冬の伊豆諸島での釣果

サオは尻手ロープなどで固定

置きザオにしてアタリを待つ時はスピニングタックルであればドラグは緩めにする。軽く引っ張ってラインが出る程度に調節しておくこと。ベイトタックルであればドラグを緩めるか、クラッチを切ってクリッカーをオンにしておく。もしクリッカー機能がなければドラグを緩めた上で鈴をつけておくのもよい。サメはラインテンションがかかるといきなり走ることもあるので、突発的なアタリでサオを持っていかれないように尻手ロープなどで繋いでタックルを持っていかれないように対策が必要。

ブッコミ釣りの様子
急深なサーフがブッコミ釣りのポイントになる

ブッコミ用のエサは切り身系

ブッコミ用のエサはスーパーでも入手できる魚の切り身やイカの短冊などで充分だが、釣り場で釣れる魚をエサにしてもよい。大きめのエサでも食いつくが、タックルバランスによってフッキングの良し悪しが変わる。目安として、1m前後のサメをねらう場合は20号前後の太軸フックがおすすめ。2mまでのサメをねらう場合は30号前後の太軸フックがよい。サークルフックを用いれば口のカンヌキに掛かる確率が高く、フックを外す際にも迅速に対応できる。フックのカエシは必ず潰しておこう。

ワイヤー仕掛けも有効

ネコザメやドチザメなど、鋭く大きな牙を持たないサメをねらう際は太めのナイロンハリスでもキャッチできるが、もし不安があればワイヤーを用いてもよい。メジロザメ系やシュモクザメなどの歯が鋭く大型になるサメをねらう場合は、しっかりした太めのワイヤーハリスで挑もう。

ワイヤー仕掛け
ツナ・GTタックル用のワイヤーリーダー+30号サークルフックはハンマーヘッドやメジロザメに対応

やり取りと取り込み

ヒット後は焦らずにファイトする。サメは体力があるので足もとまで寄せてからも気が抜けない。特に遊泳力のあるサメは寄ってきてからも激しく暴れて抵抗する。ランディングは慎重に行ないたい。

ねらうサメや掛かることが想定されるサイズによって、ランディング方法やツールも変わる。メーターそこそこであればタモ網でも取り込めなくもないが、それを超えてくるとタモでは厳しくなる。ショアからの場合、サメを充分に弱らせた上で浅瀬に誘導しロープで尾鰭の付け根を縛ってキャッチする方法などもあるが、複数人数での連携プレイとなる。危険も伴うため、単独での釣行は避けよう。どんな釣りにでも言えることだが、くれぐれも安全第一で。無理はしないこと。

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オオテンジクザメ。最大で3m級になる大人しい底生のサメ。世界の温暖な海域に生息。夜行性で夜になると巣穴から出てきて餌を探して泳ぎ回る。タコを専食することで知られている。秋の沖縄、西表島での釣果

この記事は月刊『つり人』2021年11月号に掲載した記事を元に再編集しています

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散歩の延長で熱くなれる「カワムツ釣り」:3種の釣り方を解説【ルアー・エサ・テンカラ】 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/kawamutsu-sikake つり人編集部 trend 191156322067 Thu, 19 Jun 2025 02:00:00 +0900

遠くに行かなくても、夢中になれる魚はいる。仲谷聡さんがリバーハンティングと呼んで提案するのはカワムツやオイカワといった河川の身近な魚をねらう釣り。なかでもカワムツはルアーでねらう通称・川ムツングのほかエサやテンカラでも楽しめる好敵手。 散歩の延長で熱くなれる遊びに出かけよう!

遠くに行かなくても、夢中になれる魚はいる。釣具メーカー「ゴールデンミーン」の開発室長・仲谷聡さんが「リバーハンティング」と呼んで提案するのが、カワムツやオイカワといった身近な河川の魚を狙う釣りだ。なかでもカワムツは、ルアーで狙う通称「川ムツング」のほか、エサ釣りやテンカラでも楽しめる好敵手である。

本記事では、散歩の延長で熱くなれるこのカワムツの釣り方3種を、仲谷さんの解説とともに紹介する。

写真と文◎松本賢治

カワムツ釣りの魅力

45年ほど前……小学生の時にカワムツをルアーでねらっている釣り雑誌の記事を見たんです。スピナーを買って、やってみたら釣れました。でも、今ほど数は釣れなかったです。やっと釣れたって感じでしたね」と懐かしく釣り人生最初の1尾を振り返る仲谷聡さん。そして、ひと通りの釣りをやってきて8年前に再びカワムツのルアーフィッシング=川ムツングへと戻ってきた。だが、昔とは状況は違う。

釣りの進化とタックルの進化によってカワムツは入れ食いとなり、そのゲーム性の高さと新カテゴリーの誕生に熱くなった。 「カワムツは身近にどこにでもいる魚。 しかも、小さくて浅い川に群れていて、雑食性で好奇心も旺盛やから釣りやすい。タックルも軽いし手軽に始められて誰でも釣れるから面白い。だから、釣りがこれからっていうビギナーの方にこそやってほしい釣りですね」と話す。

きれいな小規模河川を何気なくのぞいて小魚の群れを見たことがある人も多いはず。それはカワムツである可能性が高い。ビギナーでもイージーに釣りやすい魚と述べたが、状況次第という難しさもあることからベテランでも楽しめる奥の深さに仲谷さんはハマってしまった。 「すごい群れがおって1投目から釣れたとしても翌日にはおらんとか低活性になってることも多々ある。どっかにはおるんでしょうけど姿が見えないとか。でも、風が吹いたり気温が上がったりして状況が変化すると突然、釣れ出したりする。ちゃんと時合もあるし。やってみると、なかなか奥が深い」

釣り方自体は簡単だ。1~2gのスプーンをメインに、投げてゆっくり巻くだけ。レンジもアバウト。浅いところをねらうためそこまで難しくない。

カワムツ釣りに使うルアー
写真上の「GMライトリバーフライルアーセット」は、川ムツングで使いやすいルアーセット

カワムツ釣りの時期

考えるとしたらカワムツのいるポイントを探せるかどうか。「最盛期は水温が安定し始める5月上旬~中旬くらいから12月まで。長いでしょ。キモは水温の安定です。4~5月上旬だと冷え込む日もあったりして、まだ水温も安定しないので魚が溜まっているところを探すのに時間が掛かることもある。水温が安定するまでは、どこか下流の水深のあるところにおると思います。 低水温期はまったくおらんからね。でも、水が温んできたら急に現われる。1回支流に入ってきたら、そんなに大移動はしていないと思います。狭い範囲を移動していて環境のいいところへ溜まっている。水温が安定する5月中旬以降ならどこにでもいます」

身近な河川にカワムツはいるのだが、もっと絞り込んだ言葉を付け加えるならアクセスしやすい里山の河川が正解だ。「どうせやるなら、気持ちよくてキレイな川がいい。カワムツもそういう環境のほうが多いし、よく釣れる。都会から近くて静かな里山の小さな川、そういう場所で釣れるんです。上流にはアマゴやイワナがいるけど、カワムツも一応います。ただ、そこまでいくとアブラハヤが増えてくる。アマゴやイワナがいなくなるあたりからはカワムツばっかりになるし、さらに下るとオイカワが混じり、もっと下るとオイカワばっかりになる。だからエリア的には線引きがある感じで、一見カワムツの範囲って狭そうに聞こえるんですけど、実際にはけっこう広いんですよ」と説明する。

カワムツが生息する河川
カワムツの生息域は河川の中流域。つまりアクセスしやすい里川だ

カワムツの産卵は春。オスはオレンジ色の婚姻色が出て追い星が出るのが5、6月でコンディションのいい個体が釣れる(オスのほうがメスよりも大型化する)。ネイビーの縦帯も特徴といえる。 「僕の記録は19cm。それは、武庫川上流(兵庫県)で釣りました。 20cm釣ってる人もいて、すごく迫力ありますよ。引きも強いし。でも、このサイズはなかなかおらん。デカいのは釣りたいですけど15cmが釣れれば満足という感じです」

カワムツ
観察ケースでしみじみと姿を眺めてみると、身近な魚の美しさに気づく

カワムツ釣りのポイント

川ムツングは魚の存在を目で確認してからのほうが効率いいことがわかる。ある程度のサイズの群れを見つけたらスタート。もちろん、いることを確認してからなのでサイトで釣ってもいいが、そのエリアをブラインドで探るのが基本。その狭い範囲の一番大きな(強い)個体から釣れて、数を釣るほどにサイズダウンする傾向にある。

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カワムツの魚影を目視で探していこう

「だから、一発勝負でもある。水質がクリアで浅いところでやるから、一番最初のアプローチには気をつけます。川ムツングとはいえ、遠目から姿勢を低くしてキャストしたりね。減水してさらに浅くなってたりしたら鳥にねらわれるリスクもあるからか、警戒心も強い状態になっていて、水辺に近づいたら散ってしまって釣れなくなります」と最初のアプローチの重要性は他魚種同様だ。

理想の水深はひざほど(水深40〜50cm)だという。 これくらいあると魚のストック量や活性の高さが期待できる=釣りやすい状況だという。さらに、流れもほしい。水質はクリアがいい。 5月に入り、これら条件が揃っていればカワムツは広範囲に散っていることから非常に釣りやすいといえる。

カワムツ釣りのおすすめ仕掛け3種

基本的には先に伝えたスプーンやスピナーでのルアー釣りがオススメだが、仲谷さんはさらにエサ釣りとテンカラ釣りもオススメする。

「カワムツは雑食性でなんでも食べる。 流れのあるところがいいのは、流れてくるエサを食べている活性の高い個体がいて釣りやすいから。エサ釣りだとエサはアカムシとかサシとかでいい。ウキ釣りでね。特にビギナーの方にはオススメですね。すぐに釣れるはずです。

そして、僕が近年トライしているのがテンカラ釣り。これはキャスト自体もちょっとコツがいるから、ベテラン向きではあります。ビギナーの方は最初はキャストが難しいとは思いますけど、ちょっと練習したらテンポよく釣っていけるのでハマると思いますよ。道具も一番シンプルやし。ドライ(水面に浮かせる毛バリ)に魚が出るのが見れるから最高に面白いですよ!」と仲谷さんはルアー、エサ、テンカラの3タイプのカワムツゲームを提案。

イージーな順でいくと、エサ→ルアー→テンカラとなる。そして、それらのロッドは各カテゴリー、ゴールデンミーンからリリースされている。 エサ釣りのロッドは、万能ノベザオの『イージースティック』シリーズ。カワムツにオススメなのはシリーズ中一番短い5.4m。近年、流行りのアユルアーでも使えるパワーと軽さを兼ね備えている。

ルアーロッドは川ムツング専用である「ライトリバーフライ」シリーズ。1g前後の軽量ルアーをきっちりキャストでき、さらに小さなアタリも弾くことないノリのいいティップ。さらに、20cmクラスの大型カワムツも引き抜けるパワーもありバランスよく設計されている。レングスも5フィートと5.6フィートという小規模河川でも使いやすい長さ。リールはビギナーでも簡単にキャストできるようにクローズドフェイスのアンダースピンを付けている。1000番のスピニングでもいい。

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ゴールデンミーンのカワムツ対応ロッド

テンカラは『テンカラマスター360』がある。「テンカラのラインはビギナーの方には市販のテーパーラインをオススメします。ロッドに合わせた3.6mが売られているので、それを買ってハリスを結べばすぐに使えます」 カワムツゲームの世界観は現在も拡大中なのだ。

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カワムツはネットへ引き抜くと安全。ゴールデンミーンでもシンフォニアトラウトネットなどを発売している

3種の釣り方でエンジョイ!

仲谷さんのお気に入りは京都の亀岡市、南丹市を流れる園部川とその支流である本梅川(ほんめがわ)。毎年通っており、かなりのポイント数があるようだ。だが、今回訪れた5月上旬のタイミングでは大減水&代かきが重なり川ムツング大ピンチ……という状況だった。

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園部川・本梅川は雑魚券(日釣券400 円)の購入が必要。スマホでもつりチケで購入可

ルアーで連続ヒット

「毎年通ってますけど、こんなに減水してるのは初めてです。半分以下。おまけに代かきが入ってしまって濁りがすごい。濁ってたらカワムツはおらんようになるんです。でも、昨日のプラで何ヵ所か溜まってるところは見つけてるんで、そこに行ってみましょう。でも、今日、おるかな……」と向かった本梅川の水位のあるポイント。時折、10cmほどのカワムツの小さな群れが見えたものの反応が悪い。

「昨日はすぐ1尾釣れたんですけど今日はチェイスすらしないですね」 しばらくやってみたが不発。川ムツングは基本ランガンの釣り。こんなことではめげない。減水しているため、次のポイントまでが結構遠い。歩く、歩く、歩く……だが、何とも気持ちのいい日和に恵まれ苦にならない気持ちよさ。タックルも少なく軽装備なところもいい。だが、次のポイントでも不発、その次も……。

「まだ(午前)8時ですから。水温が上がってきたら釣れると思いますよ!」と仲谷さん。 午前9時過ぎ。水深のある流れが利いているポイントへ入った。気温もグングン上がってきて、シャローの水温上昇を期待したところで、いきなりアタリがきた。スプーンのうしろ50cmには、カワムツの群れがチェイスしている。 「おるおる!一気に活性が上がってきた感じやね!」と仲谷さんは俄然テンションを上げる。 そして、まずは1尾。そして、2尾目と連発劇のスタート。さらに、同行した川ムツング2度目のビギナー、ウエジュンにもヒット。数尾、釣ったところでスレたのか反応が薄くなったため移動。

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川ムツングは誰でも気軽にどこでも楽しめるところがいい

エサ釣りでもキャッチに成功

同じ川でも代かきの影響が少ないところがあり、そこを探してランガン。ルアーで釣果を上げたウエジュンは次はエサ釣りに挑戦。アカムシをエサにウキ釣りで仕掛けを遠くから振り込む。そう、大型から釣れるため最初の数投が勝負。『イージースティック』は軽量で振り込みやすく女性でも難なく使える。長さも5.4mあるため魚から離れてねらえる強みがある。そして、ねらいを瀬落ちに定めた3投目。なんと、今日イチの14cmが飛び出してきた。 「きゃー、むっちゃ引く!やったー!!」 と大騒ぎ。

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エサ釣りでウエジュンは本日最大の14cmを釣りあげた

テンカラ釣りではオイカワが登場

「2種目達成です。あとはテンカラやね」と気合を入れ直した仲谷さん。 だが、午後から風が強く吹き出したことからテンカラはやりづらくなってきた。それでもしつこくランガンしながら振り続ける仲谷さん。少し離れたところではウエジュンがポロポロとルアーでエンジョイ川ムツング。

「風と今のカワムツの雰囲気からニンフ(沈むフライ)を使ってて、反応はあるんですけど食い込まないですね。夕方、風が止んでライズが始まったら食うと思いますけどね」

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毛バリは#14~18 を用意。食いが渋めなら小さめを使う。口の小さいオイカワには#20も有効

そして、午後4時半を回ったところでライズが始まった。だが、乗らない。そこで仲谷さんはそこの魚は見切って、朝イチにライズしていたポイントへと急いで移動した。フライはドライにシフト。思惑通りここでもライズを確認すると、1投目でヒット。これはオイカワだったのだが仲谷さんはむしろ嬉しそうだ。

「カワムツよりも難易度の高いオイカワが釣れてくれたんで嬉しいですわ。3種達成で納得です。僕がこの釣りにビギナーの方々をよく釣れていくのは、この釣りを楽しんでほしいっていうのだけではなくて、楽しむところや困っているところを見せてもらえるところ。それが開発にすごく生かせるんですよね。イージーやけど難しいところもある。そう言った意味でも川ムツングはいろんなことを教えてくれます」

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ニンフからドライフライに替えての1投目。カワムツかと思ったらオイカワが登場

記事が掲載されるころには、濁りのない河川なら、どこでも釣れる最盛期に突入しているだろう。

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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市販のタナゴ仕掛けの実力は?ベテラン江戸っ子タナゴファンが使ってみた https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tanago-sihanjikake つり人編集部 trend 191155294607 Wed, 18 Jun 2025 02:00:00 +0900

繊細さが命のタナゴ釣り。 市販の完成仕掛けはベテランの目にどう映る?釣り場でその実力を探った。

繊細さが命のタナゴ釣り。 市販の完成仕掛けはベテランの目にどう映る?釣り場でその実力を探った。

写真と文◎編集部

完成仕掛けならタナゴ釣り入門にピッタリ

タナゴ釣りは自分でハリを研ぐなど上級者向けの印象をお持ちの方もいるかもしれないが、そういったディープな世界もあるというだけで、本来は足場のよい身近な水辺で楽しめる、子どもたちへまず釣りという遊びに触れてもらうのにもピッタリだ。

ただしタナゴやクチボソは口が小さいので極小のハリがついた繊細な仕掛けが必要となる。初心者がイチから仕掛けを作るのはハードルが高いから、なるべく完成仕掛けをおすすめしたいところ。 そこに登場したのがまるふじのタナゴ仕掛け&用品各種だ。完成仕掛けとしてはかなり繊細なウキとハリを備えているうえ、ハンガー式のハリス止メや親ウキに出ないアタリをとるためのイトウキなどを盛り込んだ本格派。

タナゴ釣り専門店などがこだわって作ったオリジナル仕掛けは別として、一般の量販店で買える入門仕掛けとしては考えられない充実ぶりだ。 気になるのはその実力。普段、こだわりの仕掛けを自作してタナゴ釣りを楽しんでいるベテランの目に、この仕掛けはどう映るのか。そこで、編集部の人脈をフル動員して腕に自信の手練れのタナゴ師を招集。この仕掛けを使ってもらうことにした。

取材した釣り人プロフィール

・長谷文彦【ながたに・ふみひこ】
江戸時代から続く芝浦の老舗「おかめ鮨」五代目店主。江戸前の釣り文化を愛し、タナゴやフナ釣りにも造詣が深い。タナゴ釣りを紹介するTV番組にも出演経験多数

・鈴木清【すずき・きよし】
戦時下の疎開中にフナ釣りに出会った87歳。日本の釣り文化を見続けてきた生き字引的存在。現在は自作の和の釣り具を携えてタナゴ・フナ釣りを楽しんでいる

タナゴ釣りを始めるにあたって準備したい道具類

適切な完成仕掛けが準備できればタナゴ釣りは驚くほど手軽に始められる。以下が揃えておきたい道具類。

1.ノベザオ【必須】:60cm~2.1mくらいのもの
2.タナゴ用仕掛け入れ:仕掛け巻きを収納するとともに、替えバリを予めフェルト部に刺しておけばパッケージが風に飛ばされることもない
3.エサ入れ【必須】:グルテンエサを混ぜて入れておくもの。小さいタッパーでよい
4.グルテンエサ【必須】:水と混ぜて使う粉末の練り餌は保管が楽。写真の「タナゴグルテン(マルキユー)」には計量スプーンが付属
5.タナゴ桶:釣ったタナゴを入れておくもの。ワイヤー状のものはベテラン自作のハリ外しで数釣りを楽しむときはこれがあると手返しがよい
6.完成仕掛け【必須】
7.替えバリ:ハリス付きのものが初心者向き
8.黄身エサ用シリンジ:卵の黄身をエサにするときに使うもの。写真は「たなごポンプ(まるふじ)」
9.エサ入れ:グルテンエサの携行にベテランはおしゃれな和の道具を使う

タナゴ釣りの道具一覧
タナゴ釣りの道具一覧

今回準備したタナゴの仕掛け

「特選たなご」シリーズ

今回メインで使用した「特選たなご」のほか、カエシのないスレバリがセットされた「同・スレ鈎タイプ」、ひと回り小さなウキと増量された目印が特徴の「たなごクチボソ」。仕掛け巻きが付属しているのは初心者にとってかなりありがたい。

特選たなごシリーズ3種
特選たなごシリーズ3種

仕掛けのパッケージ裏にはサオへの付け方も記されたユーザーフレンドリーぶり。記載の方法(ぶしょう付け)にひと手間加えて、チチワの先端にもうひとつ輪を作ると外すのが簡単になる。

特選たなご仕掛けのサオへの付け方
特選たなご仕掛けのサオへの付け方

一方下記画像は長谷さん・鈴木さんのサオ先。ゴム管でミチイトを任意の長さに止めていて、仕掛けを切らなくていいのでいろいろな長さのサオで使いまわせる。余ったイトはサオに沿わせて一緒に握るか、手もとにテープで止めるかして使う。タナゴやクチボソといった小さな魚には強度的にも問題ない。フナ以上の魚が掛かりそうならぶしょう付けがよいだろう。

簡単な竿先への仕掛けの付け方
ゴム管でサオ先へ仕掛けを付ける方法も

「別誂研ぎたなご」シリーズ

替えバリ「別誂研ぎたなご」シリーズ(まるふじ)。しなやかで食い込ませやすいテトロンハリス付きで、先端が輪になっているので「特選たなご」などにも使われているハンガータイプのハリス止メに引っかけるだけで結ぶ必要がない。 アタリが出やすい2.5cmのハリス長は鈴木さんも高評価。

替えバリ「別誂研ぎたなご」シリーズ
替えバリ「別誂研ぎたなご」シリーズ

「別誂研ぎたなご」シリーズの中でも白眉は「くのいち」。先曲がりからハリ先までの長さが約1.0mm(編集部計測)と、職人の研ぎバリに迫る小ささでオカメタナゴにもグッド。

市販タナゴ仕掛けはベテランのお眼鏡にかなうのか

5月上旬、茨城県・霞ヶ浦周辺のタナゴスポットに集まってくれたのは、芝浦の老舗「おかめ寿司」大将の長谷文彦さんと、現在87歳で水郷エリアを拠点にいまも小物釣りを楽しむ鈴木清さんだ。 手練れのおふたりにさっそく仕掛け「特選たなご」を渡してみる。

長谷「まずタナゴを釣ってみたいって人が使うには本当によさそう。この前、お店のお客さんが親子でタナゴを釣ってみたいと言って道具をそろえてきたんだけど、買ってきた仕掛けにはでっかい玉ウキがついてた。釣り堀のニジマスならいいけど、悪いけどそれでタナゴ釣りは無理だよって。だけど、なにもわからない初心者もこれを買ったら解決だよ。小さいウキだってどこで買えるか知らないだろうし。僕は仕掛けを自分で作るけど、このサイズの親ウキを止めるためのゴム管を売っているお店がなかなか見つからなくて苦労する。そういうのが全部ついてるわけだから。しかも見てよ、仕掛け巻きもセットになってる。仕掛けは繰り返し使いたいから、しまう時にすごくありがたい」

鈴木「初心者に、ってことなら替えバリがあるのもいいな。大きいフナとかコイが掛かって伸ばされても予備があれば釣りを続けられる」 ちなみに、「特選たなご」にはカエシのないスレバリが付けられたバージョンもあり、別売でテトロンハリス付きの替えバリもあって、ハリス長は2.5cm。 鈴木「初めての人はスレバリがいいよ。魚を傷めないし、服に引っかかってもすぐとれるから。ハリスはそれくらい短いとアタリが出やすくていい」

ウキのバランスも初心者向けに調整済み

長谷「ウキはトップバランスに調整済みみたい。ウキの上側が水面から出て浮いている状態で釣りをするバランスのこと。活性が高いときはウキの波紋でアタリがとれるから初めてでもわかりやすいよ。慣れてくれば親ウキが動かないようなアタリも下のイトウキの動きでとれるようになる。でも僕たちがよく使ってるのは、ウキがゆっくり沈んでいくシモリバランスの仕掛け。ゆっくり沈んでいくウキと目印がフッと動くアタリを掛けていくのが面白い釣りだから」

バランス調整済みのウキ
トップバランスは調整済み

鈴木「それなら板オモリを足して調整すればいいのよ。でも本気で寒い時期のアタリをとるならこのウキでもまだ大きいかな」

長谷「大きいウキにさらにオモリを足してシモリバランスにすると繊細さはなくなっちゃう。たぶん大型の在来タナゴも含めたタナゴ仕掛けなんでしょう。あれ?こっちはもっと小さなウキがついてますね」 と、長谷さんが手にしたのは同じくまるふじの「たなごクチボソ」仕掛け。 長谷「寒い時期に使うなら絶対こっちがいいです。軽いオモリでバランスがとれますから、小さなアタリでも反応が出やすいです」 面倒見がよく初心者大歓迎のふたりだからユーザーフレンドリーなこれらの仕掛けは評価が高いようす。

ちなみに下記はより繊細なアタリをとるための鈴木さんの仕掛け。スリムな親ウキは同じ浮力でも水の抵抗が少なく、小さな力でも上下に動く。その下のイトウキは鳥の羽を加工したものでそれ自体浮力がある。浮力のないイトウキはオモリが沈む過程で水を切るように動くのに対し、羽根の糸ウキはミチイトを追いかけるように沈むので動きを予測しやすく、その予測と外れた動き=沈んでいく最中のアタリを感知しやすい。

ベテランが使用する自作タナゴ仕掛け
鈴木さんの仕掛け

仕掛けを実釣で試す

霞ヶ浦の湖岸道路と農地の間には灌漑用の水路(ホソ)があって、タナゴやフナの好ポイントになっている。だが、取材時は前日から前夜の雨でこれらのホソは軒並みひどい濁りが入ってしまっていた。

そこで濁りが少ないホソを求めて、湖岸から少し離れた水田地帯を流れる水路で、農作業の迷惑にならない場所を慎重に探して釣り座を構えた。 ふたりが準備したのは4尺(1.2m)ほどの和ザオ。鈴木さんの自作の品だ。 サオの長さは足もとのボサを超えて仕掛けを振り込める長さがあればよく、矢板や護岸際で足もとをねらうならもっと短くてもいい。

完成仕掛けの「特選たなご」「たなごクチボソ」はイトの全長が2.1mあるから、サオの長さに合わせてオモリがサオ尻に来るくらいの長さに余分を切って調節する。イトの先端にチチワを作ってサオ先にぶしょう付けして使う。

エサはグルテンか卵の黄身

エサはグルテンエサか卵の黄身エサがおすすめ。グルテンエサは粉末で売られているので釣り場で水と混ぜて使う。 黄身エサはコンビニで買える温泉卵の黄身をそのまま使うのが簡単なうえ反応もよい。これをシリンジで押し出しながら使うのだが、まるふじ「たなごポンプ」 は先端が細くて首から下げられるストラップもついているので、長谷さんも絶賛。

長谷「エサをなるべく小さく付けられるように、シリンジの先は細いほうが絶対いいですよ。100円ショップの化粧品コーナーにあるシリンジを使う人が多いですが、これはいいなぁ」

たなごポンプ
小さいエサが付けやすい「たなごポンプ」

マブナに交じって本命のタナゴが登場

ボサに目をやればトノサマガエルが2~3匹顔をのぞかせている。それを横目に仕掛けを振り込むと、さっそくウキを引き込むアタリが出た。サオが大きく曲がり込んでいる。 長谷「あ、これコブ(小ブナ)だよ。タナゴねらいで来たけど、ひとつの仕掛けでいろいろ釣れたほうが楽しいじゃない」と初心者目線でひと言。その後もアタリはよく続いたもののどれも小ブナ(マブナ)だった。

「今日はフナの日みたい」 と長谷さん。 ここで感じたのはハリの強さ。いずれも手のひらに乗るサイズとはいえ、タナゴよりも重いフナを抜き上げてもひとつのハリで釣り続けることができた。鈴木さんが掛けた20cmほどのフナにはさすがに伸ばされてしまったが、替えバリに交換すればOK。交換もハンガータイプのハリス止メに輪を掛けるだけなので結びが不要で簡単だ。

マブナとのやり取り
鈴木さんのサオをしならせたのは20cmに届きそうなマブナ

鈴木「俺が持ってきた仕掛け自慢していい?」 長谷「どれどれ~?」 などと和気あいあいと釣りをしていると待望のタナゴもヒット。尻ビレが明るいホワイトに発色している5cmくらいのオオタナゴだ。仕掛け純正のハリがしっかり上アゴを捉えている。

釣れたタナゴ
「お子さんでも楽しめる釣りですからぜひ親子でチャレンジしてみてください」と長谷さん

タナゴのアタリをとるコツは?

鈴木「オモリをウキより遠くに落とすんだよ。そうするとエサが沈んでいく最中のアタリをイトウキでとれるから」 つまり、親ウキより下の部分の仕掛けが、ルアーで言うカーブフォールするように仕掛けを振り込むということ。こうすると仕掛けが馴染む最中もイトが張っているからイトウキにアタリが出るのだ。

この後、フナに交じってオカメタナゴも登場し、ついでに記者も同じ仕掛けで小ブナをキャッチ。ぽかぽか陽気の水辺の時間はおだやかにゆっくりと流れていくのだった。

オカメタナゴ
濁りで苦戦したもののオカメタナゴも顔を見せた

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

ヤリタナゴのこと、 もっと知りたくない? タナゴ釣り/グルテンエサの使いこなしを名人に訊きました タナゴ釣り/道具選びから1尾釣るまでを解説 親子で楽しめるタナゴ釣り入門 持続可能なタナゴ釣りのために釣り人ができること。
タナゴ釣り攻略ガイド【道具選び・仕掛け・エサ・釣り方】最初の一匹を釣るための基本とコツ https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tanago-lecture1701 つり人編集部 trend 12441265133 Tue, 17 Jun 2025 08:45:00 +0900

タナゴ釣りは、敷居の高い釣りだと思われがちな釣り物だ。しかし、実はそのイメージとは裏腹に、誰でも気軽に始められる、奥深くも魅力的な釣りの一つ。釣れる場所は意外と身近な小川や水路で、道具は各釣具メーカーから初心者向けの多様なアイテムが販売されている。この記事では、そんなタナゴ釣りの道具選びの基本から、仕掛けの作り方、そして実際に1尾を釣り上げるまでの流れを、初心者にも分かりやすく徹底解説する。

タナゴ釣りは、敷居の高い釣りだと思われがちな釣り物だ。しかし、実はそのイメージとは裏腹に、誰でも気軽に始められる、奥深くも魅力的な釣りの一つ。釣れる場所は意外と身近な小川や水路で、道具は各釣具メーカーから初心者向けの多様なアイテムが販売されている。この記事では、そんなタナゴ釣りの道具選びの基本から、仕掛けの作り方、そして実際に1尾を釣り上げるまでの流れを、初心者にも分かりやすく徹底解説する。

写真と文◎編集部
大沢健治◎講師

タナゴ釣りの時期

タナゴ釣りは、ほぼ一年を通して楽しむことができる。特に、春(3月〜6月頃)はタナゴが産卵期を迎え、オスが美しい婚姻色に染まるため、最も人気のシーズンである。また、春から秋にかけては水温が高く、タナゴの活性も上がるため、比較的釣りやすい時期といえる。

冬の寒い時期(12月〜2月)は、タナゴの活性が下がるため難易度は上がるが、神経を集中させないと分からないような繊細なアタリを取る面白さがある。

タナゴの種類

タナゴ釣りの代表的なターゲットは、通称「オカメタナゴ」として広く知られる外来種のタイリクバラタナゴだ。このほか、日本在来のタナゴ類もその美しさから人気が高く、地域によって様々な種類が生息している。中でも比較的よく見られる種類はヤリタナゴ、アブラボテ、カネヒラなどがいる。

しかし、これらの在来タナゴを狙う際には、十分な注意と配慮が不可欠だ。近年、在来タナゴの多くは生息数を減らし絶滅が危惧されており、地域によっては条例で採捕が禁止されている場合がある。ルール違反は罰則の対象となるため、釣行前には必ず現地の規則を確認したい。

タナゴ釣りの道具選び

タナゴ釣りの道具は、近年メーカーから多様な釣具が販売されており、基本を押さえれば揃えるのは難しくない。それぞれの道具の選び方のポイントを解説する。

タナゴ釣りの仕掛け図
タナゴ釣りの仕掛け例

竿

操作性を重視し、ある程度「張り」のある竿を選ぶのがおすすめ。長さは釣り場の規模に合わせ、60cm~2.1m程度まで使い分ける。最初の1本であれば、長さを変えられるスライド式の竿が便利だ。

タナゴ釣りの竿

道糸

初心者には、しなやかで扱いやすいナイロンラインの0.3号が標準となる。これ以上細いとライントラブルが増える可能性がある。慣れてきたら、感度に優れ、小さなアタリも明確に伝わるポリエステルラインに挑戦するのも良い。

タナゴ釣りのライン

親ウキ

タナゴの繊細なアタリを捉えるため、高感度で小型のウキを選びたい。初心者ならウキ止めゴムで固定するタイプがセットが簡単だ。より釣果を求めるなら、繊細なアタリがわかりやすいのは「斜め通しタイプ」のウキにステップアップしていくといいだろう。また、釣り場の光の加減や水の色に合わせて、見やすいカラーのウキをいくつか用意しておくとベスト。

タナゴ釣りのウキ

目印(糸ウキ)

親ウキだけでは捉えきれない、ごく繊細なアタリを読み取るために使うのが「目印(糸ウキ)」。親ウキとハリの間に複数個セットする。親ウキ同様、視認性の良いカラーを選び、いくつか色違いを持っていると状況に対応しやすい。タナゴ釣りの目印

ハリス止メ

道糸とハリ付きの糸(ハリス)を接続するための極小パーツ。サルカンでもいいが、ハリスが細く短いので、ハリス止メタイプのほうが使いやすい。タナゴ専用に設計された極小サイズのハリス止メを選ぼう。

オモリ

浮力調整がしやすい薄いタイプの板オモリがおすすめ。

ハリ

タナゴ釣りには、ハリスがセットになった専用のハリが市販されている。これらのハリは、タナゴの小さな口に無理なく吸い込ませるため、非常に小さく作られているのが最大の特徴。

さらに、釣れるタナゴのサイズなどに合わせて、ハリ先の長さが異なるいくつかのタイプが存在している。特に魚が小さい場合には、よりハリ先が短いモデルを選ぶと、吸い込みが良くなり、針掛かりの確率が上がる。

タナゴ釣りのハリ

その他のアイテム

釣ったタナゴを一時的に入れて観察するためのフタ付きバケツやビク、ハサミなどがあると快適に釣りができる。また、エサ入れとなる小さいタッパーも必要になる。

タナゴ仕掛けの作り方

繊細なタナゴの仕掛けも、手順通りに進めれば自分で作ることが可能だ。

1.道糸を竿に付ける

道糸の先端に「ダブル8の字結び」などでチチワを作り、竿先のリリアンに接続する。

穂先と道糸の結び方

2.ウキと目印を通す

道糸にウキを固定するためのゴム管を通し、ウキをセットする。次に、目印(糸ウキ)を5~7個、道糸に通す。目印がセットされたライン先端の輪に道糸を通し、目印を道糸のほうにこき上げて移動させればOK。

タナゴ釣りのウキと目印

3.ハリス止メを結ぶ

道糸の末端に、ハリス止メを結ぶ。仕掛け全体の長さは、竿の全長と同じくらいにすると、エサ付けや魚の取り込みがしやすくなる。

4.ハリをセットする

ハリス付きのハリのチチワを、ハリス止メに引っ掛ければ接続完了。板オモリを1cmほど切り出し、ハリス止メあたりに巻いていく。ハサミなどで少し折り目を付けると巻きやすい。

完成仕掛けも販売されている

仕掛け作りが難しく感じる場合は、市販の「完成仕掛け」から始めるのもおすすめだ。これならパッケージから出して竿に結ぶだけですぐに釣りを開始できる。ただし、様々な状況に対応するため、替えバリや板オモリは別に用意しておいたほうがいいだろう。

関連記事:市販のタナゴ仕掛けの実力は?ベテラン江戸っ子タナゴファンが使ってみた

タナゴ釣りの市販仕掛け

タナゴ釣りのエサ

タナゴ釣りでは、アカムシなどの虫エサは使わず、グルテンや黄身と小麦粉を練った「黄身練り」といった練りエサを使うのが一般的。初心者の方は、扱いやすく集魚効果も高い市販のタナゴ用グルテンから始めるとよい。

エサの作り方

1.エサ用のボウルに、パッケージの指示通りの量のグルテン粉末を入れる。

グルテン粉末を入れる
2.規定量の水を加え、指やヘラで手早くかき混ぜる。
指やヘラでエサを手早くかき混ぜる
3.全体がまとまったら、3分ほど置いてなじませれば完成だ。エサ持ちを良くしたい場合は、「つなぎグルテン」を少量加えるのも効果的。
3分ほど置いてエサに水ををなじませる

タナゴ釣りのポイント選び

道具とエサが準備できたら、タナゴが釣れる釣り場に行こう。タナゴ釣りのポイントを探す際は、まず、タナゴが好む環境の種類を覚えておくと良いだろう。代表的なのは、主に以下の3つの場所。

ホソ(水路): 田んぼの脇などを流れる、流れの緩やかな細い水路。タナゴにとって絶好の住処となる。

川のワンド: 川本流から外れ、水が緩む入り江状のエリアも有望。

池や沼: 岸際にアシや水草が茂っていたり、杭などの障害物があったりする場所が狙い目。

ポイントに到着したら、さらに具体的な「狙い所」を絞り込む。魚種によって流れの速い・緩いなど好みの違いはあるが、セオリーとして、杭や水草といった「障害物のキワ」を狙うのが基本中の基本。
また、タナゴは物陰に潜む習性があるため、「橋の下」のように日向と日陰の境界線ができている場所も、見逃せない一級ポイントと言える。

タナゴを狙うポイント

タナゴの釣り方

ポイントが決まればいよいよ実釣だ。釣り方の一連の流れと、釣果を大きく左右するテクニックを解説する。

ウキの浮力調整

釣りを始める前にウキの浮力調整が必要だ。精密な浮力調整はタナゴ釣りの釣果を左右する重要な要素のひとつ。ハリス止めやその付近に板オモリを巻き付け、少しずつカットしながら、狙いのバランスに仕上げていこう。

浮力バランスには、主に以下の3つのパターンがある。

1. トップバランス

親ウキの頭が水面からわずかにのぞく状態。ウキの動きが分かりやすく視認性に優れるため、流れがあるポイントで使いやすいのが特長。ただし、アタリは出にくくなるため、ウキを沈めるほど力強く吸い込む大型のタナゴ狙いに向いている。

2. シモリバランス

仕掛け全体が、ごくゆっくりと沈んでいくバランス。ウキの抵抗が非常に少ないため、小さなアタリも明確に捉えることができる。また、ウキ下よりも深い層を探ったり、ゆっくり沈む動き(フォール)で魚を誘ったりすることも可能。

3. ゼロバランス

親ウキが水中に沈み、水面下で静止して漂うバランス。こちらもウキの抵抗が少ないためアタリが出やすいのが利点。シモリバランスと違い、一定のタナ(水深)をキープして狙えるため、より狙いを絞った釣りが展開できる。

3つの浮力バランス

タナゴ釣りでは、小さなアタリを捉えることが釣果に直結するため、一般的には「シモリバランス」や「ゼロバランス」が使われることが多い。状況に応じてこれらのバランスを使い分けることが、釣果アップの鍵になる。

タナ(水深)の合わせ方

タナゴは中層を泳いでいることが多い魚だ。水深1m前後のポイントなら、まずは水面から40~50cmのタナで釣り始め、アタリがなければ上下に調整して反応の良い層を探る。ただし、水深40~50cmの浅場であれば底から5~10cm上を狙うのが基本になる。時期によってもタナは変わるので、アタリがなければウキ下を変えて幅広く探ってみよう。

エサの付け方とアタリの取り方

エサは、ハリ先にグルテンの繊維をチョンと引っ掛けるように、ごく小さく付ける。釣り始めは魚を寄せるために少し大きめに付け、アタリが出始めたら食い込みやすいように小さくするのがセオリーだ。

エサの付け方

アタリは、親ウキが「ツン」と沈む分かりやすいものもあるが、多くは目印(糸ウキ)が左右に振れたり、沈む途中で止まったりといった微細な変化として現れる。「少しでもおかしい」と感じたら、手首を返すように軽くアワセる。アタリがあるのに掛からない時は、エサをさらに小さくするか、ハリのサイズや種類を交換すると効果的な場合が多い。

「つり人チャンネル」公開のタナゴの釣り方が分かる動画

当サイトの動画チャンネル「つり人チャンネル」で公開している下記動画では、タナゴ釣りに必要な道具立てから、釣果を左右するエサの作り方、そして実釣における釣り方のコツまで、一連の流れを丁寧に解説している。撮影場所は管理釣り場だが、ここで解説されている内容は、自然の河川やホソで釣りをする場合にも根本で共通する部分が多く、タナゴ釣りの基礎が詰まった映像となっている。

マナーを守ってタナゴ釣りを楽しもう

最後に、近年は本来その場所に生息しないはずのタナゴ類を無秩序に放流するなど、釣り人によるマナー違反も問題になっているタナゴ釣り。今後もタナゴ釣りを楽しむために、ルールとマナーを守って楽もう。

※この記事は『つり人』2017年1月号に掲載した記事を元に再編集しています。

ヤリタナゴのこと、 もっと知りたくない? タナゴ釣り/グルテンエサの使いこなしを名人に訊きました 持続可能なタナゴ釣りのために釣り人ができること。 親子で楽しめるタナゴ釣り入門 【琵琶湖のタナゴ釣り】バイクで巡る湖北エリアの水路 濁りの中でも本命手中
【琵琶湖のタナゴ釣り】バイクで巡る湖北エリアの水路 濁りの中でも本命手中 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/biwakotanago-bike つり人編集部 trend 191154454173 Tue, 17 Jun 2025 02:00:00 +0900

初夏から秋にかけ、琵琶湖の湖北エリアは流入河川や水路に本湖からヤリタナゴ、シロヒレタビラ、カネヒラなどの在来種が入って来る。小さな野生と出会う絶好のチャンス。今回はそんな貴重な出会いを求め、バイクでポイントを巡った。


初夏から秋にかけ、琵琶湖の湖北エリアは流入河川や水路に本湖からヤリタナゴ、シロヒレタビラ、カネヒラなどの在来種が入って来る。小さな野生と出会う絶好のチャンス。今回はそんな貴重な出会いを求め、バイクでポイントを巡った。

写真と文◎編集部

琵琶湖・湖北でタナゴ釣り

4月下旬、湖北の長浜市にやって来たのは、名古屋市の釣具店「ルアーフライショップ上飯田」の石川幸弘さん(59)と、お客さんの石黒博文さん(63)、堀恵治さん(56)。

石川さんはねらった魚はとにかく追いかける釣りオタク。高知のアカメ、琵琶湖のビワコオオナマズ、遠州灘のオオニベ……と、これまで手にした魚を数え上げればキリがない。フライフィッシングも得意にしており、お店でもフライコーナーを任されている。石黒さんは管理釣り場でルアーとフライを始めたあと、30代で渓流のフライフィッシングにステップアップ。堀さんもフライフィッシャーだが、九頭竜川本流やサーフではルアーも楽しんでいる。

石黒さんと堀さんがタナゴ釣りを始めたきっかけは、どちらも「フライだけじゃつまらなくないですか?」「タナゴも面白いですよ」と石川さんに声を掛けられたことだった。堀さんはタナゴを始めて7~8年。今では琵琶湖にも通い自分だけでも釣っている。石黒さんは「これがタナゴ釣り5回目(笑)」というオールドルーキーだ。

バイクでタナゴ釣りに挑戦

今回、3人がもうひとつ楽しみにしていたのが「バイクで釣りに来る」こと。石川さんは20歳の頃にバイクショップに勤めていた根っからの二輪好き。ただ、最近になって復帰するまでしばらくはバイクから離れていた。しかし軽量ミッドシップスポーツカーのS660を手放したタイミングでバイク熱が再燃。「五三川のバスフィッシングとか、田園地帯のナマズ釣りとか、バイクが便利な釣り場もけっこうある」ことも手伝い、人生通算11台目という現在のHondaPCXを購入する。

石黒さんもバイク歴は筋金入りだが、一時離れた期間を経て、通勤にバイクが便利な状況が生まれたことから復帰。今は「(時速)300kmは出る(笑)」というカワサキニンジャのレプリカモデルとHondaXR100モタードの2台を乗りこなす。

この日もチョイスした後者は足つきのよさとスタイルが気に入っている一台とのこと。そして堀さんも通勤にバイクを使っており、長良川など近所の釣りに出かけることも念頭にイエローカラーとオフロードテイストがお洒落なHondaクロスカブ110を所有するが、「長良川はやってみたもののクルマのほうが楽で……、結局クルマに戻っています(笑)」とのこと。とはいえ、「バイクも釣りも、これからもっと楽しみたい!」という元気なオジサン世代の意気込みは3人共通なのだ。

琵琶湖のポイントを巡ったバイク
バイクで琵琶湖・湖北の水路を巡る

想定外の水色でも元気な魚たち

タナゴ釣りとバイクの相性はよい。まずクルマなら縦横無尽に走る水路をいちいち駐車と下車してチェックしなければならないが、バイクなら座席に跨ったままスピーディーに状況を確認でき、クルマからでは見落としてしまうような流れも目に入る。タナゴの水路探索はどれだけポイントを見て回れるかがモノを言う。その点でバイクには圧倒的な機動力がある。そしてタナゴ釣りは道具がミニマム。バイクでも必要な道具を持ち歩ける。

この日、サオをだしたのは、そうしたバイクのメリットも生かして石川さんや堀さんが下見をしていた水路。ただ、実際に到着すると前夜に降った雨の影響から、どこの水路もほぼ水中が見えないくらい濁っていた。それでも「ここは流れの中に水草がたなびいています。タナゴもその中から出てきます」とのこと。いざ仕掛けを入れてみると、水路をふさぐ衝立で流れが緩くなっているところ、水路が曲がるところ、水路の合流点など、流れが何かしらスローダウンする箇所を中心に、仕掛けが上手く水面下になじんでナチュラルに流れると反応があった。

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ヤリタナゴが群れていた水路。同じ場所でも投入箇所によって反応が変わる

水路の釣りも仕掛けバランスは重要

アタリを最も得ていたのはやはり石川さん。仕掛け自体は親ウキの下にシモリが並ぶオーソドックスな連動シモリ仕掛けで、ハリも通常の市販バリだが、「親ウキは自作の小ぶりかつ流れの中で安定しやすい形状を選び」「仕掛けは親ウキが速やかに水面下でサスペンドするくらい(実際にはそれより気持ち重め)のオモリバランスに自宅できっちり事前調整。あとは状況により現場でオモリを微量カットすればすぐに調整が利く」といった準備をしっかりしていた。それにより釣り開始直後から、親ウキがすぐに水面直下になじみ、その状態で50~80cmほど仕掛けが流れると、ウキが止まったり引き込まれればほぼアタリという状態でヒット。

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仕掛けも釣りも無駄がなくこの日も断トツの釣果を得ていた石川さん

さらに石川さんはエサにもこだわりがあり、以前から愛用しているマルキユーの初代「紅雪」をカミソリでアカムシ大にカットしたものをチョン掛けで使用していた。これについては以前にも本誌でお伝えしたことがあるが、石川さんいわく「初代モデルが非常によく釣れて気に入っているのですが、3代目にあたる現行製品も効果はあります」とのこと。

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カミソリでカットした「紅雪」

マナーを守って楽しい釣りを

この日の釣果はすべてヤリタナゴ。メスが多かったが、琵琶湖で見られる銀鱗タイプやゴマ入り銀鱗タイプもまじり、最後はすべての魚を元の流れに戻した。

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大もの賞は石川さんが釣ったメスのヤリタナゴ11cmオーバー

また、このあたりは民家も多くあるので、タナゴ釣りをする際も迷惑駐車は絶対に避け、田んぼや庭の手入れをしている地元の方に出会った時は、積極的に挨拶をするなど「釣りをさせてもらう」ことを常に心掛けたい。そうした行為の積み重ねが、のどかな釣りを誰もが楽しめる環境の継続につながるはずだ。

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

釣り×ツーリングの欲張りスタイル タナゴ釣り/グルテンエサの使いこなしを名人に訊きました タナゴ釣り/道具選びから1尾釣るまでを解説 親子で楽しめるタナゴ釣り入門 持続可能なタナゴ釣りのために釣り人ができること。
プロに聞くテナガエビの飼育ガイド【必要な道具一式・水作り・エサ】 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tenaga-kaikata2008-02 つり人編集部 trend 75168100770 Mon, 16 Jun 2025 08:00:00 +0900

釣っても食べても◎なテナガエビは、生活のパートナーとしても最高だ。水槽越しだからこそ気付けるテナガエビの性質や行動もたくさんある(釣りに活かせる!)。ただし、魚と比べて水質の変化に弱いので長く飼うにはコツが必要だ。水の作り方から水温管理、エサやりなどの要点をまとめた。

釣っても食べても◎なテナガエビは、生活のパートナーとしても最高だ。水槽越しだからこそ気付けるテナガエビの性質や行動もたくさんある。ただし、魚と比べて水質の変化に弱いので長く飼うにはコツが必要だ。必要な道具や水の作り方、水温管理、エサやりなどの要点をまとめた。

写真・文◎編集部

身近な水辺の生き物・テナガエビを飼おう!

テナガエビを飼うと毎日がもっと楽しくなる。テナガエビは入手も比較的簡単。観賞魚店に売っているし、釣ったテナガエビを生きたまま連れて帰ってもいい。釣ったテナガエビを飼う際は泥抜きのための生かし方のまま持ち帰ればOK。その際はバケツ内のエビの密度を低くしたほうがよい。釣る際はできればカエシのないハリを使おう。エビにダメージを与えないように気をつけたい。

ただし飼い方にはいくつかの注意点がある。甲殻類は意外と水質や水温の変化に敏感なのだ。この記事では水槽で長生きしてもらうためのコツをまとめた。うまく飼えば3年以上、なかには5~7年生きたケースもあるという。飼育下では自然下よりも寿命が延びる傾向があるようだ。

今回先生役を務めてくれた吉田観賞魚の山本雄央さんは言う。

「テナガエビは近所の川に住んでいるのに宇宙生命体感がありますよね(笑)。ルックスがヘンで愛くるしいし、しぐさもかわいい。触角をキレイに掃除している姿とか、とにかく面白く眺められます。エサをすぐに食べてくれると『ちょっと心が通じてきたかも』という気持ちにもなれます。いろんな行動の一部始終が見られるし、釣りが上手になる発見もあると思いますよ」

ではキーポイントをひとつずつ見ていこう。

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吉田観賞魚の水槽にいたテナガエビとヒラテテナガエビ。30分以上眺めていたが、動きのバリエーションが豊富かつ謎で全く飽きることがなかった

テナガエビの飼い方を教わった「吉田観賞魚」

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吉田観賞魚
店名:吉田観賞魚
住所:東京都八王子市松木15-3
TEL:042-676-7111
営業時間:10:00~18:00
(火曜日は17時まで)

 

東京都八王子市にある観賞魚販売店で2021年に100周年を迎えた老舗。テナガエビはもちろん、釣りの対象魚でもある日本の淡水魚のラインナップも豊富。釣り好きならワクワクすること間違いなし!水槽やろ過器などの飼育機材のラインナップもかなり充実している。

山本雄央さん
教えてくれたのはエビ担当スタッフの山本雄央さん。ルアーフィッシングを愛する釣り好きでもある。いつか店内にテナガエビ釣り堀を設置するのが夢!

必要な道具一式と基本

必要な道具一式は以下の通り。各アイテムごとに重要なポイントを解説する。

テナガエビ飼育に必要な道具一式
テナガエビ飼育に必要な道具一式

水槽

水槽は横幅45cm以上のものがオススメ。いわゆる「45cm水槽」か「60cm水槽」がちょうどいい。小さい水槽でも飼えなくはないが、水量が多いほうが水温と水質が安定しやすいためエビのコンディションが落ち着く。予算と家のスペースが許せば60cm水槽がベストだ。山本さんのオススメは「ワイド型」と呼ばれる細長いタイプ。水の流れが生まれやすく、川に近い環境を作りやすい。

水槽の置き場所は直射日光が当たらず、なおかつ暖房やクーラーの影響がない場所が望ましい。玄関や廊下で飼っている人が多いそうだ。水槽は水が入るとかなりの重さになるので、安定している場所の上に置こう。観賞魚店に売っている水槽専門の台がベストだ。

水槽
横幅45cm以上で好みのデザインのものを選ぼう

ろ過器

水の汚れをとり、なおかつ水に酸素を溶け込ませてくれる重要アイテム。水質を安定させるバクテリアの住処にもなるため、必ず用意したい。

ろ過器と水槽のセット
ろ過器や照明が付属するセット品もオススメだ

エアストーンやエアポンプ

絶対必要ではないが、あると溶存酸素量が増えるのでベター。

ヒーター・冷却ファン

テナガエビの適水温は18~26℃。水温計を入れて常に把握しておくようにしよう。この範囲内であれば何℃でもOKだが、重要なのは「一定」であること。

30℃を超えるとエビがかなり弱りやすくなるので水槽用のファンを取り付けたり、ペットボトルを凍らせたものを投入したりする。ただし、一気に水温を下げすぎるのもNG。エビは急な変化を嫌うので、徐々に下げることを心がけよう。逆に冬は基本的にヒーターを入れて安定を図る。「人間にとっての1℃がエビにとっての5℃です」と山本さん。

底砂

底砂は、テナガエビが落ち着くための環境作りに役立つ。また、脱皮時には体を固定するための重要な足場となり、脱皮不全のリスクを軽減する効果も期待できる。

アクアリウム用の底砂
底砂も必須。45cm水槽であれば5~6kgで薄く敷き詰めることができる

流木や土管

テナガエビは強い縄張り意識を持つ夜行性の生き物だ。日中は物陰に潜んで過ごすため、安心して休める隠れ家は不可欠である。特に複数飼育する場合、隠れ家の不足は個体間の争いを引き起こし、ストレスの大きな原因となる。「1尾につき1隠れ家」を徹底しよう。

ただし、隠れ家として生きた水草はやめておいたほうがいいと山本さん。エビが食べてしまうのと、外国産の水草だと農薬が付いていることがありエビが死んでしまうことがあるという。

隠れ家の置き場は基本的にどこでもOK。ただしろ過器の吸い込み口の周りだけは避けよう。

アクアリウム用の土管
エビは土管が大好き

フタ

エビは意外と脱走する。フタは必須だ。コードを通す隙間はスポンジなどで埋めておくと安心。コードを伝って脱走するケースも多々あるからだ。

照明

エビの元気度には影響しないが、照明があると水槽内の細部がよりよく見える。

テナガエビの複数飼いは可能?

テナガエビは種類を問わず気性が荒くナワバリ意識も強い。時には共食いも発生する。そのため45cm水槽であっても同時に飼うのは2尾までにとどめておくのがベター。重要なのはエビの数よりも多い隠れ家を用意すること。たとえばエビが2尾なら土管や流木を3~5つ入れるなどして各個体のナワバリを確保しよう。

魚との混泳は?

魚との混泳も避けたほうが無難だ。エビは意外と素早く自分の倍以上ある魚を捕食することもあるし、逆に魚が大きすぎるとエビが食べられてしまう。

水の管理はテナガエビ飼育の最重要項目!

エビの元気度は水の管理で決まるといっても過言ではない。ここについては山本さんにとくに細かく解説してもらった。

水位

水槽の高さの70~90%でOK。水位が低いと水質・水温が不安定になりがちで、逆に高すぎるとエビの脱走が発生しやすい。ろ過器によっては水位の指定がある場合もあるので合わせよう。山本さんのオススメはろ過器が作動する最低水位。ろ過器から排出される水が強く水面を叩くので酸素が溶け込みやすいからだ。

水の作り方

エビを水槽にいれる1週間前に水を作り、水槽に入れておくのがベスト。水質・水温が落ち着くうえにバクテリアが増え水のろ過がうまくいくからだ。ヒーターを使用する場合はこの時点からスイッチを入れておく。

釣ってきたエビの場合、元いた川の水を入れる人もいるが、山本さんはオススメしない。「川の水はリスクもあります。寄生虫やエビにとっての病原菌も入ってきている可能性があるからです」。

水の作り方は簡単。水道水をバケツなどにくみ、そこにカルキ抜きを適量入れるだけだ。これで塩素をなくすことができる。かつては天日にさらす方法が一般的だったが、それでは塩素が残ることがあると山本さん。

カルキ抜き剤とバクテリア剤
左がカルキ抜き剤のテトラ「コントラコロライン」。右はバクテリア剤の環境リバイブ研究所「クロマ100」。光合成細菌を水に入れることで動物性プランクトンの発生を促してくれる

水換えの頻度と作法

水換えは超重要。できれば2週間に1度、最低でも月に1度は水を換えよう。すべての水を換えると急に水質が変わってしまいエビが死ぬ原因になるので、換える量は1/3~1/2にとどめる。水の抜き方は写真のとおり。入れる水は前日に作っておき、水槽の隣に置いておく。水槽に入れる際はいったん手のひらなどで水を受けて勢いを弱めつつ流し込むのがベター。直接入れてしまうと砂の汚れが舞って濁ってしまうことがある。

水作「プロホースエクストラ」
山本さんが水換えの際に使っていた便利アイテム・水作「プロホースエクストラ」底砂を吸って、吐いて……を繰り返しているうちに、砂の間に詰まった汚れをとりつつ水も吸える優れモノなのだ。「ちょうど砂がキレイになったかな~というタイミングで水が半分抜けます」と山本さん。ヒラテテナガエビも興味津々で抱きついてきた!

エサは1日1回 トラブル時は回数を減らす

エサやりは1日1回でOK。ザリガニや肉食魚用の粒タイプで沈下性のエサをあげてみて、無事に食べればそのままあげ続けよう。テナガエビ1尾に対し3~5粒で問題ない。あげすぎると水質悪化の原因になるので要注意だ。もし粒タイプのものを食べなければ冷凍アカムシがオススメ。匂いが強いのでほとんどの場合食べてくれる。釣り人の場合、生きたアカムシをあげるのも手だろう。

何らかのトラブルで水温が30℃を超えてしまったり、逆に下がりすぎたりしたときはエサやりを減らす。「エビはエサを消化するのにかなりのエネルギーを使います。だからエビが弱っていたり、水温が適温からはみ出したときはエサやりの頻度を大幅に落とします。3日に1回くらいにして回復を待ちます」。

テナガエビ飼育用のエサ
保存が簡単で扱いやすい粒タイプのエサ。左がコメット「ザリガニ・カニの主食」。右がキョーリン「ひかりクレストキャット」。いずれも沈下性でエビに適している
テナガエビ釣り攻略ガイド【仕掛け・エサ・釣り方のコツを釣具屋店員が解説】 テナガエビ釣りの最強エサは?【コンビニで買える代用エサ6種も試してみた】 マニアックだけど真似できる!テナガエビ釣りの工夫その1 ~5時間100尾を実現する置きザオ術~ 東京都/荒川 おすすめテナガエビ釣り場 日本のテナガエビはみな親戚!? 遺伝子でわかるテナガエビの家系
雨後の千葉・湊川はヘチ釣り天国だった 1時間6連発のクロダイラッシュ! https://web.tsuribito.co.jp/beginner/riverkurodai つり人編集部 trend 191160404080 Mon, 16 Jun 2025 02:00:00 +0900

クロダイは海釣りのターゲットであるがその数はもしかしたら川の中のほうが多いかもしれない。エサを食うため、産卵のため、クロダイは海と川を行き来する。そんなクロダイを川からヘチ釣りでねらうにはどんな条件が必要なのだろうか。

クロダイは海釣りのターゲットであるがその数はもしかしたら川の中のほうが多いかもしれない。エサを食うため、産卵のため、クロダイは海と川を行き来する。そんなクロダイを川からヘチ釣りでねらうにはどんな条件が必要なのだろうか。

写真と文◎編集部

川のクロダイ釣り

この記事が掲載された2025年7月号の釣り人本誌の特集は川釣り──。

「昔なら自分もクロダイで川釣りといわれてもピンと来ませんでしたが、今はむしろ川をメインにクロダイを釣っています」

そう語るのは足立区生まれの下町アングラーである大山健二さん。クロダイ釣りは父に教わった。当時はクロダイといえば沖堤防や沖磯に渡って初めて出会える魚だったが、今や実家のある足立区界隈の運河でもねらうことができるという。

「東京湾奥ではクロダイのほうから、人の近くにどんどん集まってきている感じがします」と語るように、当初は都内の新規の釣り場で取材をするはずだった。それがゴールデンウイーク前のこと。

大山さん自身、まだその釣り場については開拓を始めたばかりだったが、「つい先日も短時間でバタバタと釣れました。とにかく釣り人が少ないんです。ましてやヘチねらいは皆無。なんといっても川の色がめちゃめちゃ濁っているから潮位が低くても食ってきます」と語っていたのだが、取材の2日前に警報級の大雨が降り、状況は一変。

雨と濁りはピンチかチャンスか

「都内の運河は平常時の濁りはウエルカムなんですが雨の濁り、というか雨の直後は水潮になって途端に食わなくなるんです」

取材を予定していた4月下旬のその日は大潮2日目。満潮は午前4時19分で潮位は192cm。そこから春潮らしく一気に潮が引いて10時39分には潮位は0cmまで下がるタイドスケジュール。この条件から最も有望なのは早朝の下げっぱなだが、「都内の運河は濁りが強いので潮位が低くても食ってきた」ことから後回しにし、朝の有望な時間帯は千葉県市原市の村田川へ向かった。

村田川は接続する八幡運河と並ぶシーバスのバチ抜けのメッカだが、大山さんいわくクロダイの多さもお墨付きで、ご多分に漏れず、年々クロダイが増えているという。

「湾奥の運河と違って内房の河川では大雨は悪い条件ではありません。しかも朝マヅメ、高潮位、雨の濁りと三拍子揃っているので大釣りの可能性も大です」

クロダイヘチ釣りタックル
今回の使用タックルは黒鯛師THE ヘチセレクション ZX シリーズ内の新作であるZERO FUKASE T288 と黒鯛師THE アスリートヘチ90W-BB いぶし銀の組み合わせ(ともに黒鯛工房)

食わない理由を考える

「あれ、なんで……」夜明けと同時に最下流の境橋から左岸側へエントリーして、下流へ100mほど探っていく。日曜日とあってシーバスねらいのルアーマンが両岸にいるものの、それはいつものことで、大山さんいわく「朝の100mの往復で2尾は釣れると思っていました」と。

対岸の右岸の往復も音なし。エサのイソガニは最初に装着したままで元気そのものだ。境橋から右岸側の上流へ釣り歩いていく。右岸と左岸はどちらも釣れるが、基本的に浅い川なので深く掘れているほうがクロダイも寄りやすい。そのためカーブしているアウトサイド(流れがぶつかる側)を探るのがセオリー。あとは太陽の向きで川に自身の影を映し込まないこと、風向きなども考慮して上流へ探っていく。

カニの針への付け方
カニはふんどしを傷つけないように脚の付け根から刺して甲羅側に抜く。ハリはチヌR3号(がまかつ)。フロロカーボン1.5号を内掛け結びにしたのち端イトを吹き流しにして、そこへB程度のガン玉を打つ

この日の大山さんは国道16号より下流は右岸を探り、上流は左岸を探った。ここまでアタリらしきアタリはない。とはいえまだ釣り開始から1時間が経過しただけだ。

「でも、釣っているそばからどんどん水位が下がっています。これが小潮ならまだ2~3時間釣れますけど、この勢いだとあと1時間もしたらヘチ際は浅くなって魚が寄らない」

村田川
この最下流の往復で魚を手にできると踏んでいたのだが……

産卵期が影響か

かなり焦っているようすだったが、ついにマーキング付きのオレンジのナイロンラインが横走りした。次の瞬間には、静かに立てたZEROFUKASET288が美しい弧を描いてクロダイの走りを止めてしまった。浅い川でハリ掛かりしたクロダイほど瞬発的に沖に向かって走り出すというが、大山さんが真上にサオを立てると行き場を失って成す術もなく玉網に吸い込まれていった。

ZERO FUKASE T288 のチタン穂先
ZERO FUKASE T288 のチタン穂先。違和感なく食わせることができる柔軟さと、聞きアワセを入れればしっかりフッキングが決まる張りを併せ持つ

「さっきの1尾は産卵を終えてだいぶ体型も回復していましたけど、大半はここ数日でハタいたばかりか今まさに産卵真っ最中なんだと思います」

なんとか本命を手にしたものの、どんどん下がっていく水位に粘りは禁物と考え、即座に都内の運河へ切って返したところ、期待に反してアタリがない。夕方の上げ潮まで都内各地でサオをだしてみたものの大雨前とは打って変わって沈黙を続けた。1尾とはいえ反応があった内房の魚は回復していたが、都内の産卵は少し遅れて今なのかもしれない。というのも取材直前に大山さんが都内で釣った魚のお腹は臨月状態だったという。

クロダイ
湾奥に比べると産卵が早い分、回復も早いようだ

富津の湊川でリベンジ釣行

不完全燃焼に終わった大山さんがリベンジを果たしたのはその1週間後。ゴールデンウイーク後半の連休ど真ん中だった。そしてまたしても2日前に警報級の大雨が降るという不穏な状況だった。

「これで完全に都内運河への未練は消えました。こうなったら条件が最高に近い富津の湊川へ行きましょう」

当日の潮回りは小潮。満潮は7時9分で潮位は115cm。そこからゆっくりと下げていき15時10分に干潮で潮位は35cm。大山さんいわく、いろいろラッキーが重なっているという。

「まず、今回も朝マヅメと満潮前後の潮位の高い時間が被っています。ただしここは潮位が高すぎても釣りにくい。両岸に張り出したコンクリートテラスが海水に浸かるか浸からないかのヒタヒタ状態のときが釣りやすいし釣れます。そして何よりめちゃめちゃ濁っています。都内の運河と違って内房の天然河川では雨後の濁りはプラス以外の何ものでもないです」

湊川
翌週は湊川へ。沖に張り出したコンクリートテラスの先端と川の境目が不明瞭なほど期待できる。くるぶし程度の水深でも足先が見えない強烈な濁りだ

1時間で6連発ヒット

湊川下流の左岸のコンクリートテラスに乗ったのは5時前。テラスの上の水深はくるぶし程度ながら指先は見えないほどの強い濁り。そして1投目からZEROFUKASET288が絞り込まれ、THEアスリートヘチ90W-BBいぶし銀のデカノブ効果で一気にゴリ巻きして寄せた。そのパターンで、満潮前の上げの1時間ちょっとで42cmから30cm弱を6連発。

クロダイとのやり取り
一投目からヒット!

「これ、まだ上げ潮が利いていますし、下げ潮も同じように釣れますから、昼までやれば軽く2桁釣れると思います」

と大山さん。たしかに下流の左岸しか釣りをしていないので下流の右岸、上流の両岸を探ればまだまだ釣れそうだ。しかし今回はあくまでも前回分の補足であり、これだけ釣れれば充分と満潮のだいぶ前に納竿。

川のクロダイは奥が深い。同じ濁りでも効く川と効かない川がある。そうしたクセを覚えるためには何度も足を運ぶしかない。条件しだいでヘチ釣り天国になる川や運河はまだまだありそうだ。

クロダイ
湊川の魚も産卵からだいぶ回復してコンディションがよかった

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

クロダイ(チヌ)は足もとにいる!ヘチ釣り入門その1(全3回) 川クロダイの落し込み釣りに初挑戦 【つり人編集部】東京湾奥の魚を釣って食べます!東京湾奥グルメ! 【漫画】“ギャル”船長①/ゆかぴ船長の「今日も釣れっから!」第1話 釣りで心が整う?英国調査が示した意外な相関関係
【静岡・狩野川】渓流フライフィッシングで美アマゴ連発!ヤマガの新フライロッドを持って春の小渓流へ https://web.tsuribito.co.jp/beginner/kanogawa-yamaga-linn つり人編集部 trend 191153082159 Mon, 16 Jun 2025 02:00:00 +0900

春が深まり、渓魚たちが水面を意識し始める季節。フライに飛び出す美しいアマゴの姿を見たくて、伊豆半島を流れる狩野川へ向かった。釣行の模様と、ヤマガブランクスのフライロッド「LINN」を使った感想も紹介したい。


春が深まり、渓魚たちが水面を意識し始める季節。フライに飛び出す美しいアマゴの姿を見たくて、伊豆半島を流れる狩野川へ向かった。釣行の模様と、ヤマガブランクスのフライロッド「LINN」を使った感想も紹介したい。

写真と文◎編集部

今年も渓流の好機が到来

寒暖差が和らぎ、快適な陽気が続くようになると、つり人編集部にはさまざまな釣果情報が届き始める。なかでも勢いを増してくるのが渓流の便りだ。解禁直後はまだ水温が低く、ようやく一尾に出会えたという報告が多かったが、4月後半にもなると「反応が多く、充実した一日になった」という声が目立ってくる。そんな話を耳にすると、こちらも渓流へと足を運びたくなってくる。

新緑が目に鮮やかなこの季節は、水生昆虫の活動も活発になり、渓魚たちの意識も水面へ向かう。せっかくならフライフィッシングで毛バリを浮かべてみたい。里川でのんびりサオを振るのもよし、開けた本流域で大物をねらうのもよし。そう思案していると、編集長が「狩野川がいいよ」と勧めてくれた。伊豆半島を流れる狩野川といえば、下流域で良型のアマゴが釣れることで知られており、今年もルアーで素晴らしい魚が上がっているという情報を見かけたばかりだ。ただ、そうしたグッドコンディションがフライでも釣れてくれるかなと思っていると、「それなら上流の天城峠付近がいい」とのこと。サイズは控えめながら、ヒレの尖った美しいアマゴが釣れるらしい。

狩野川での釣行風景
今年初のフライフィッシングに、はやる気持ちを抑えて準備する

安定のフライパターン、エルクヘアカディス

ゴールデンウイーク直前のタイミングで、狩野川を訪れた。入渓したのは「道の駅天城越え」周辺だ。この辺りは谷沿いに道路が走っているが、高低差があるため川面は道路からは見えにくい。斜面に残る踏み跡を辿って降りていくと、木々に包まれた小渓流が姿を現わした。下流域とはまるで違う雰囲気で美しい。

さっそくロッドを継いでいく。この日使用したのは、ヤマガブランクスのLINN#3の7フィート5インチ。リーダーは5Xの9フィート、ティペットはフロロカーボンの6X(0・6号)を1ヒロ半。いつもは1ヒロから始めるが、有名河川ということもあって魚はスレ気味かもしれないと思い、ドラッグ回避を優先して少し長めに取ってみた。

フライは#14のエルクヘアカディスだ。エルクヘアカディスは、トビケラを模していて、個人的には一番多用している「いつもの」フライパターン。多少ドラッグがかかっても魚が出てくれることが多く、釣り上がりではほぼこのフライ一択だ。もちろんドラッグが掛かりすぎるとミスバイトも多くなるが、もう一つの定番パターンであるパラシュートだと出ないのに、エルクヘアカディスなら出るという経験が何度もある。

また、その特徴を活かして誘いをかけることもできる。小渓流ではリーダーキャストに近い形でねらうような小場所もあるが、そんな時はテンカラのように毛バリを少し動かすと、魚が飛び出してくることもある。不思議なことに、これをパラシュートでやってもうまくいった試しはほとんどない。

エルクヘアカディスのフライ
パイロットパターンとして厚い信頼を寄せるエルクヘアカディス。この日は#14からスタート

ヤマガならではの曲がりとパワーがフライロッドにも

まずは魚が潜んでいそうなポイントを順に探っていく。入渓地点周辺は淵が点在しており、期待したがドライフライへの反応は皆無だった。釣り上がるにつれ、浅いチャラ瀬が続く区間へ。

エサ釣りやルアーでは底を擦ってしまうような浅場でも、フライなら問題なく流せる。ここでようやく水面が割れた。飛び出してきたのは18cmほどのアマゴだ。

アマゴ
18cmのアマゴをキャッチ

どうやら狩野川上流域のアマゴは、直線的に水が流れている場所が好みのようで、小さなスポットでもドラッグを掛けずに流せると高確率で反応してくれる。逆に流し方が悪いと一切反応しないあたりが、いかにもアマゴらしくて面白い。

この日使用したフライロッドのLINNは、国産ルアーロッドメーカー・ヤマガブランクスが手がけた意欲作。ヤマガブランクスと言えば「よく曲がり、パワーがあり、粘る」というイメージだが、このテイストがフライロッドにも盛り込まれているように感じられる。

魚とのやり取りの様子
ヤマガブランクスらしい粘り強さがある

今年発売のモデルは7フィート5インチという短さで小渓流でも扱いやすい。キャストの際はラインの重さを感じやすく、力を抜いてストップさえしっかり意識すれば気持ちよくラインが伸びていく。普段よりティペットを長くしていたが、フライの着水位置もねらいどおりに決まる。大きなライントラブルもなく快適に遡行できた。それでいてメンディングやキャスト時の細かい操作も行ないやすい。

ヤマガブランクス/LINN

日本の渓流での釣りを快適に楽しむために開発された純国産のフライロッド。ミディアムスローアクションに設定されており、ラインの重みを常に感じながら心地よいキャストが楽しめる。向かい風に負けずにフライをポイントに届けられるパワーを持ち、ロングリーダー&ティペットでも投射性は良好だ。

ラインウエイトは3WTと4WTの2つが設定されており、里川や本流域など開けた川で使いたい全長8フィート1インチに加えて、2025年には7フィート5インチも登場。8フィート1インチモデルが持つ「しなやかさ」と「芯の強さ」をそのままに、軽快さと繊細さをプラスした7フィート5インチモデルは、狭まった空間の多い小規模渓流において、取り回しがしやすく、ピンポイントへ精度のよいキャストができる。

モデル:03-8.1・04-8.1・03-7.5・04-7.5
価格:5万8000円+税

09_K12A6775 (カスタム)
タイトループでオーバーハングの下にねじ込んだり、トリックキャストもこなせる

サイズアップ作戦は成功……?

釣れる魚のサイズは17~18cm前後が中心だったが、昼を過ぎ虫の飛ぶ姿も増えてきたため、フライを#12へサイズアップ。毛バリを大きくして小さいのは掛かりにくくして良型をねらう作戦だ。するとようやく20cmアップの姿を見ることができた。

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伊豆のアマゴは丸いパーマークが特徴。小さくてもある程度の距離を自然に流せないと反応してこない

さらに釣り上がっていくと、川の脇にわさび田の石垣が現われた。短い距離ながら段々瀬が続き、まさに小渓流でのフライフィッシングといった風情だ。流心に毛バリを投じると、川底から黒い影が浮かび上がり、フライをくわえた。合わせると、グイグイ川底へ引き込む魚に追従してロッドがどんどん曲がっていく。あまりにきれいに曲がるのでどこまで曲げられるんだろう、とロッドを見ながらやり取りしているとフッとテンションが抜けてしまった。

今日一番の手応えだったが、どうやらフッキングできていなかったようだ。その後も18~20cmほどのアマゴが途切れず釣れ続けたが、大粒の雨が降り出したのでロッドをたたんだ。今年初のフライフィッシングだったが、LINNの快適な使い心地もあって、軽快に釣り上がることができた。

ナチュラルドリフトさせれば素直に反応してくれる小渓流のアマゴたちは、どの水系でも可愛らしい存在だ。今年も多彩な渓魚との出会いを求めて、たくさんの渓流を歩きたい。

11_IMG_1445 (カスタム)
直線的な流れが少しでも長い場所は必ずと言っていいほど反応があった

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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ジャリメ、イワイソメなど虫エサを使うことが多い投げ釣りだが、ねらいもの、あるいは時と場合によっては魚、エビ、イカなどの身エサを用いることもある。虫エサとはひと味違った釣趣が味わえるし、大型が期待できるのが最大の魅力。そんな身エサの使い方やターゲットなどについて考えてみよう。

ジャリメ、イワイソメなど虫エサを使うことが多い投げ釣りだが、ねらいもの、あるいは時と場合によっては魚、エビ、イカなどの身エサを用いることもある。虫エサとはひと味違った釣趣が味わえるし、大型が期待できるのが最大の魅力。そんな身エサの使い方やターゲットなどについて考えてみよう。

解説◎山崎憲二

投げ釣りの定番は虫エサ

投げ釣りではジャリメ(イシゴカイ)、イワイソメ(マムシ)、アオイソメ、ユムシといった虫エサを使うのが一般的。その理由は投げ釣りでねらう魚が虫エサを好むからだ。たとえばシロギスならジャリメ。カレイ、アイナメならイワイソメやアオイソメ。クロダイ、マダイなどタイ系にはユムシやイワイソメなどをよく使う。またチロリ(東京スナメ)はシロギスの型ねらいやマダイねらいに実績が高く、瀬戸内西部でよく使われるコウジ、タイムシといった地域色の強い虫エサもある。

投げ釣りで虫エサを使う理由はもうひとつ。硬調ザオでフルキャストするケースが多いため、投入時にエサが軟らかいとハリから外れてしまうからだ。また、25〜30号といった重いオモリを使うことから着水時のショックでも外れてしまう。このような理由から投げ釣りではハリ持ちのよい虫エサが使われているのだ。

たとえばマダイならオキアミや生きた海エビ、スズキのエビ撒き釣りでは生きたシラサエビ、カワハギ船ではアサリのムキ身が定番のエサ。それぞれ対象魚に見合ったエサなので投げ釣りでも使用したいところだが、そのほとんどが軟らかいため使えない。

それでも虫エサ以外を使いたい時がある。虫エサには食いつかない、もしくは虫エサでは確率がかなり低いマゴチ、ヒラメ、ハマフエフキ、コロダイ、根魚などのターゲットをねらう場合だ。特にマゴチ、ヒラメは魚食魚なのでやはり魚の切り身などの身エサが効果的で実績も高い。虫エサとはひと味違った釣趣で、大型が期待できるのが身エサ最大の魅力。なおここでいう身エサとは魚類、イカ類、エビ類とした。

魚類のエサではフィッシュイーターがねらえる

「塩イワシ」はマゴチを狙って釣れる

沖釣りでマゴチやヒラメ、根魚、青物をねらう時は生きたイワシをエサに使う。抜群の食いのよさなので投げ釣りでも生きたイワシが使えればいい釣果が得られると思うが、不可能だろう。そこで塩で締めて硬くしたものを使うようになった。それまで投げ釣りでマゴチをねらう場合、イワイソメやユムシを使っていたが、ねらうとは名ばかりで偶然に食ってくる程度でしか釣れなかった。それほど難易度が高かったマゴチが塩イワシの出現によって確率がかなり上がった。

マゴチ
投げ釣りではねらって釣るのが難しいとされてきたマゴチだが、塩イワシの出現によってその確率が格段に上がった

塩イワシ(基本的にマイワシ)とは身の水分を抜くために塩をまぶしたもののことをいう。スーパーなどで売っている煮干しイワシほど硬くはなく、一夜干しイワシほど軟らかくない。その中間ぐらいが理想的。一見、こんな干からびたイワシに魚が食いつくのか……と思うようなエサだが、これが不思議なことにいろいろな魚が食ってくる。メインターゲットはマゴチだがヒラメ、クロダイ、エソ、根魚などの実績があり、運がよければマダイも食う。エイやサメ、アナゴも食うから魚たちにとっては格好のエサに違いない。

塩イワシ
意外にも色々な魚が好む塩イワシ

塩イワシは自作

塩イワシはエサ店では販売されていないから自作するしかない。魚屋やスーパーマーケットの魚売り場などで新鮮なイワシを購入して作る。サイズは12cmぐらいが使いやすい。あまり大きすぎると飛距離が落ちるし食い込みもやや悪くなる。腹が割れているものやウロコがはがれているものもよくない。スーパーに手ごろなものがない時はエサ店で販売している冷凍イワシでも構わない。むしろこちらのほうがサイズは揃っている。

塩イワシの作り方
塩イワシの作り方

塩イワシはタッパーにきれいに並べて入れ冷凍庫で保存する。釣り場で使用する時には解凍されているが、もともと塩締めしているから硬い状態のままなので、あまり気を使う必要はない。それでも氷の入ったクーラーボックスに入れておき、1匹ずつ出して使うようにする。なるべく新鮮なものがよいが、1~2年前に作ったもので釣れたこともある。ただ日が経つと冷凍焼けして食いは悪くなる。

塩イワシの付け方

塩イワシをエサにする場合、1本バリだと投入時に外れやすく、また海底でも安定しないから2連バリ、エサが大きい時には3連バリにする。一番上のハリをエラ付近に刺し、下のハリを背中付近に刺す。2〜3連バリだとハリ外れしにくく、力を入れて投げても外れることは少ない。とは言え、身エサだから力加減は重要。飛行中に外れていないか目視で確認し、もし外れたなら素早く打ち返す。魚はイワシの頭から食ってくることが多いから、上のハリがフッキングしていることが多い。活性が高い時は2本とも掛かっていることもある。ちなみにハリ先が身に埋もれないようにフトコロの広いハリ(ユムシコウジや伊勢尼など)を使うこと。

塩イワシの付け方
塩イワシの付け方。上バリをエラに刺すと取れにくい

イワシの一夜干しでも釣れる?

ちなみに知人がイワシ、シシャモの一夜干しを試したところ、イワシではマゴチ、エソ、カサゴ、エイなどが釣れたそうだが、シシャモでは何も釣れなかったとのこと。この違いは何なのかと首をかしげていた。塩イワシがない時は一夜干しを試してみるのもいいかもしれない。

「塩キビナゴ」は小粒なので遠投が効く

塩イワシのキビナゴ版。作り方や使い方は塩イワシと同じ。ただ身が細く小さいから塩加減が重要。塩イワシより少なめがきれいに仕上がる。塩イワシよりひと回りからふた回り小さいから投入時の抵抗が少なく遠投できるのが強み。遠浅の海岸では塩イワシと併せて持参するのが得策。マゴチメインに小型イシダイ、ホウボウなども釣れている。

塩キビナゴの付け方
塩キビナゴの付け方。イワシよりかなり小さいため2連バリがよい

「サンマの切り身」は根魚などに効果的

塩イワシが出回る前はサンマの切り身でマゴチをねらう人がいた。しかし実績的にはイマイチで、確率的には虫エサと同程度だった。ただカサゴ、ソイなどの根魚には有効だったし、大型マダイやクロダイを釣った人もいたので、まるっきりダメというわけではない。根魚ねらいやダメもとで捨てザオ気味に使用すると思わぬ大型魚がヒットする可能性を秘めている。

サンマの切り身
サンマの切り身は根魚が好反応を見せる

「生きアジ」はヒラメねらいの定番エサ

青物ねらいの飲ませ釣りやアオリイカのヤエン釣りで使用されることが多い生きアジだが、投げ釣りでも使うことがある。基本的に生きた小魚しか食わないとされているヒラメをねらう場合だ。確率は低いものの、生きアジ以外ではねらいにくい。ヒラメ以外にもマゴチやキジハタ、カサゴなどの根魚が釣れ、ごくまれに青物もヒットする。いずれも大型なのが魅力。

生きアジ
生きアジのネックは荷物が多くなること。しかし、それ以上の期待感があるのも確かだ

生きアジで大変なのが保管だ。弱ったり死んでしまうとまったくと言っていいほど食わなくなるので、生かしバケツに入れてエアポンプで空気を送らなければならない。かなり重いので運搬も大変。エアポンプが止まるとすぐに死んでしまうから要注意。海水もまめに換えてやる必要があり、バケツに多く入れすぎないことも重要だ。サイズは12cm前後が使いよい。小さいとすぐ弱るし、大きいと食い込みが悪くなる。

海中で弱らないようにハリの刺し方にも気を配る。鼻掛け、背掛けなどがあるが、投入時に外れにくい「下アゴ貫通刺し」がおすすめ。親バリを下アゴから上アゴに通し、孫バリは背中に刺す。投入時に身切れしないようにフワッとキャストする。生きアジをエサにする時は軟調ザオや磯ザオの4〜5号クラスが使いよい。

生きアジは自分で釣ってもよいが、釣れないとその日は釣りができないからエサ店で購入するのが確実。

ヒラメ
生きた魚しか食わないヒラメをねらうには生きアジが欠かせない

「豆アジ」「カマス」はハマフエフキねらいの隠しエサ

ごく一部のキャスターは豆アジや小型カマスをエサにハマフエフキをねらっている。これは死んでいてもいいので扱いやすい。10cmほどのサイズが最適で、これくらいだと遠投も可能だから広範囲を探れる。これらを食ってくるのは70cmオーバーの大型が多いそうだ。大型ねらい派はぜひ試していただきたいエサだ。

イカ類は磯魚系ねらいに欠かせない

「イカの短冊」は磯ものねらいの好エサ

スルメイカなどを短冊状に切ったもので、イカ類の中ではもっともポピュラーなエサ。スーパーなどで生のイカを購入して自分で適当な大きさにカットし、タッパーなどに入れて釣り場に持参する。それが面倒という人はエサ店で販売している冷凍イカ(短冊状にカットされている)でもよい。やはり新鮮なほうが食いはよい感じがするものの、冷凍ものでも充分に食ってくる。意外とハリ持ちがいいから遠投も可能。基本的にエサ取りには強いエサだが、フグが多い時はすぐに取られて苦労することがある。そんな時のために取られにくいゲソも持参する。

コロダイ
磯の大型魚が好むイカエサ

ハマフエフキ、コロダイなどの磯魚系がメインターゲット。カサゴやオオモンハタ、ヒメジなども食ってくる一方、ウツボ、エイ、サメ、アナゴなど招かざる他魚もくる。こればかりは仕方ない。サイズは5cm×1.5cmぐらいが扱いやすく縫い刺しで付ける。大型をねらう時はこれを2〜3個付ける。この場合は当然ハリもかなり大きなものを使うことになる。

イカの短冊の付け方
イカの短冊の付け方。大型ねらいの時は2、3個付けることもある

「ヒイカ」は大型ハマフエフキに最適

ハマフエフキの特効エサと言えるのがヒイカだ。胴体が10cmぐらいのものが使いよい。新鮮な生があれば理想なのだが、なければ冷凍ものでも充分に食ってくる。魚屋やスーパーでもあまり見かけないだけに、見つけた時はまとめて購入して冷凍保存しておく。一部のエサ店で販売されているが、意外とあまり置いていない。見かけた時はやはりまとめ買いしておくのがよい。

ハマフエフキ
夏場のハマフエフキねらい、それも大型を期待するのならヒイカは欠かせない

小型は1ハイをそのまま縫い刺しにし、大型は縦に切って使う。いずれの場合も「目玉」は必ず付けておくことが重要。目玉を目標に近づいてくるからだ。ヒイカがない場合は小型のスルメイカ、ヤリイカなどでも代用できる。大きめのものはやはり縦切りにして使うが、大きすぎると投入時の抵抗が大きくなるし、食い込みも悪くなるから気を付けること。イカエサにはクエやハタ類が食うこともある。もちろんコロダイも食う。

ヒイカの付け方
ヒイカの付け方

「ゲソ」はエサ取りに強い

イカの足のことをゲソという。ヒイカや短冊切りと比べると食いは落ちるが、エサ取りに強いのが特徴。大きいものは足1本、小さいものは2〜3本をハリに付ける。短冊切りやヒイカに比べると硬いから遠投が効くメリットがある。ハマフエフキも食うがどちらかと言えばコロダイねらいに向いている。イラやヘダイも釣れている。

ゲソ
エサ取りが多い時に効果的なゲソ

多魚種に効果的なエビ類

「海エビ」はいろいろな魚が食ってくる

サルエビや芝エビなど海で採れる小型エビの総称を海エビと認識している。昔は生きたものや新鮮な生がよいとされていたことから、苦労して魚屋を探し回ったものだ。しかし、死んだものや冷凍でもさほど食いに関係ないことがわかり、ずいぶんと楽になった。エサ店やスーパーで手軽に入手できるからだ。

冷凍海エビ
冷凍エビでも食いはいい

大阪南部のスーパーではジャコエビという商品名で生が売られていて、サイズは4〜5cmと投げ釣りのエサに適している。これを購入して半分は酒のあてに、半分はエサ用に冷凍して保存している人もいる。冷凍でもいいので使う分だけ持っていくことも可能。経済的で効率もよい。頭は付いているほうが、食いがよいように感じる。

海エビではコロダイを始めヘダイ、クロダイ、キチヌ、オオモンハタ、カサゴ、コブダイ、ヒメジ類などの実績がある。ハマフエフキも釣れている。身が柔らかいためハリ持ちが悪そうに感じるが、意外とハリ持ちはよく、ある程度のパワーキャストにも耐えてくれる。エサ取りにも強く、イワイソメがすぐに取られてもエビは残っていることがある。

オオモンハタ
エビエサを用いるとオオモンハタやカサゴなど美味しいゲストが食ってくる楽しみもある

尻尾をカットしてそこから通し刺しでハリに付ける。先にイワイソメを刺してハリスまでたくし上げ、その後にエビを刺すミックス刺しも効果的。イワイソメの匂いで魚を寄せてエビで食わせる作戦だ。このエサ使いで、南紀で60cmオーバーのコロダイが釣れている。また釣友の湯浅研史さんは南紀の磯で新鮮な生のエビを使って60cmオーバーのマダイを上げている。他のエリアでのマダイねらいで試してみると面白い結果が出るかもしれない。

「バナメイエビ」は意外な好エサ

スーパーで売られている比較的大きなエビだ。頭は取られているが殻は付いたままのものが多い。逆にそのほうがよい。生がよいが冷凍でも充分。4〜5cmの小さいものはそのままで、大きなものは半分にカットして使う。磯魚ねらいに適しているが、中でもコロダイねらいに効果的。イワイソメやイカと併用したがバナメイエビしか食わなかったという話も聞く。

バナメイエビ
バナメイエビは殻ごと使う

ただ、その日によって当たりエサは変わるので、やはり複数のエサを持参するのが得策。やや身持ちが悪いから軽めのキャストがよい。そのようなことからポイントが近い釣り場に向いている。ハマフエフキも釣れるがイカ類には及ばない。エサ自体が大きいからかクロダイやヘダイはあまり食わない。ただ根魚は食ってくる。コブダイねらいにもよく使われ、高実績を上げている。

コブダイ
バナメイエビは初冬と春先のコブダイねらいのエサとして注目を浴びている

「生きエビ」は他魚種が好む

エビ撒き釣りなどで使われる淡水のシラサエビは小さいうえに身が軟らかいから投げ釣りには向かない。販売している店は少ないが体長5〜7cmのサルエビがあればぜひ使いたい。前記したように死んだエビでも充分で、わざわざ生きたエビを持参することはないのだが、やはり生は食いがよいように感じる。コロダイ、クロダイ、ヘダイなどの他にマダイなども期待できる。生きエサしか食わないキジハタなども可能性がある。試してみたいエサだ。

キジハタ
生きエビをエサにするとキジハタなどの他、マダイやスズキも期待できる

大阪の一部のエサ店で生きたテナガエビを販売している。初冬に一度試したがその時は何も釣れなかった。ただ意外とハリ持ちがよく、ある程度のパワーキャストにも耐え、また、数回回収してもハリから外れていなかった。

夏場のコロダイやマダイねらいに試してみたいエサだ。生かしバケツとエアポンプは必要だが、生きアジほど大きなバケツはいらないから比較的手軽に持参できる。

テナガエビ
テナガエビも可能性を秘めたエサ
【投げマゴチ釣り】釣果のカギは特効エサ「塩イワシ」!釣り方からエサの作り方まで紹介

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※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

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ノベザオ一本で挑む本流の遡上トラウト【長野・天竜川】 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/tenryu202507 つり人編集部 trend 191082203166 Sun, 15 Jun 2025 02:00:00 +0900

数々の大物と対峙してきた本流釣りの名手・千島克也さんが、大型のアマゴ、ニジマス、イワナがねらえるといい、通うのが天竜川だ。60cmオーバーのニジマス2尾と尺アマゴを釣りあげた春の一日をレポート。

数々の大物と対峙してきた本流釣りの名手・千島克也さんが、大型のアマゴ、ニジマス、イワナがねらえるといい、通うのが天竜川だ。60cmオーバーのニジマス2尾と尺アマゴを釣りあげた春の一日をレポート。

写真と文◎編集部

夢見る大物がねらえる天竜川の本流トラウト

本流釣りの一番の醍醐味はやはり大型魚をねらえることだろう。イワナやヤマメ、アマゴが渓流ではお目に掛かれないような大きさで泳いでいる。海から遡上してくるサクラマスやサツキマスも本流釣りの対象魚である。

「ガツガツガツっと手もとに伝わってくるアタリは渓流や里川にはない本流のヤマメやアマゴならではの面白いところですね」と語るのは渓流、本流釣りの名手、千島克也さん。利根川でも数々のサクラマスを釣りあげてきた千島さんが、近年足を運んでいるのが、長野県の天竜川である。

天竜川は、長野県の諏訪湖を水源として太平洋に注ぐ。上流域は「暴れ天竜」と呼ばれるほど水勢が強く、日本有数の急流河川だ。支流へ産卵のために遡上していく天竜川で育った大型アマゴは「天竜差し」と呼ばれ、釣り人からも人気が高い。千島さんもその一人で、立派なアマゴ、イワナ、ニジマスの3魚種がねらえる川はなかなかないと話し、足繁く通っている。

天竜川本流
天竜川本流

春のエサはミミズ一択

ゴールデンウイークの中日に天竜川へやってきた千島さんが用意したエサはミミズのみ。「この時期はちょうど田圃の代掻きが始まる頃なんです。代掻きが始まると川に流れ込む泥水の中にミミズが混じっていて、魚たちはこれをよく食べているんですよ。他のエサには見向きもしなくなることもあります」

極太信州みみず
千島さん愛用のミミズエサが、極太信州みみず。新鮮でよく動く

天竜川が流れる伊那市の特産品といえばザザムシだ。ザザムシとはクロカワムシのことで、こちらも渓流魚の常食ではあるが、田仕事で川が濁るこの時期はミミズのほうが好反応だそうだ。

ミミズの刺し方はアピール力の大小で二通り。先端に刺すとミミズの動く幅が大きくなり、中央に刺すと幅は小さくなる。千島さんはその日の状況に応じて使い分けている。

ミミズの針への付け方
ミミズの刺し方は状況に応じて使い分け

サオは千島さんの愛竿、遡P-395M(ダイワ)、仕掛けはフロロカーボン1.25号の通しでハリは渓流用の9号だ。手尻は70cm〜1mほど取っており、魚が掛かった際にサオを立てやすくなることでのされにくくなっている。

ねらいは意外と緩い流れ

この日の朝は冷え込んだが、日の出とともに釣り場へ向かう千島さん。最初のポイントは大久保ダムより少し上流のストレートな流れだ。千島さんは波立つ上流側ではなく、流れの落ち着いた下流側からねらい始めた。

「どの川でも波立つような流れの速いところよりも、流れが少し緩くなったような場所のほうがいいことが多いです。この川で言えばダムで育った魚が遡上してくるわけなので、それほど流れに強いわけではないんじゃないかと考えています」

魚がいる川底にエサを漂わせるために、オモリを底に当てながら流れよりもゆっくり流していくと小さなアタリがあった。何度もアタリがあるようで、ようやく掛けたのは28cmほどの銀毛アマゴだった。

「アタリが曖昧な感じで、アマゴじゃないと思っていました。食い方からして活性はかなり低いようです」

アマゴ
朝一番に釣れたのは昨年放流されたと思われるアマゴ

9m竿を満月にする60cmニジマス

地形を探りながら徐々に釣り下っていく。田仕事が始まったのか川の水が少し濁ってきた。

「濁りがほどほどに入ったほうが期待できますよ」

樋のように掘れている場所を見つけた千島さんは、そこに魚が溜まっていると考えて丁寧に流していく。抑え込まれるようなアタリに合わせるとサオが大きく絞り込まれ、大きな魚体が3度も連続して飛び跳ねた。ニジマスだ。

千島さんは急いで下りながら腰を落としてサオを目一杯曲げ込む。最初の瞬間的なダッシュは耐えることができたが、今度は流れの中で張り付いてなかなか寄ってこない。ドラグのないノベザオでの一本勝負は魚と釣り人どちらにもかなりの負担が掛かる。力のこもったやり取りの末、千島さんに軍配が上がった。タモからはみ出しながら取り込んだニジマスはヒレピンの60cmだった。

ニジマスとのやり取り
竿が目一杯曲がり込む

「このサイズはめったに釣れるものじゃないんですが、天竜川はアマゴだけじゃなくてこういう魚もいるんですよ。生半可な仕掛けだとあっさり切られちゃうので仕掛けを太くしておいてよかったです」

魚の回復を待つ間に仕掛けを入れると、再びサオが満月にしなった。派手な突っ込みはなかったもののランディングしたのは64cmのホウライマス。これだけの大型ニジマスがいるようでは、アマゴは違う場所にいると予想して移動することとなった。

ニジマス
数分間の格闘を制して寄せてきた

ダム上では尺アマゴ

次に向かったのは大久保ダムのインレットとも言えそうなダム直上の流れだ。この日は減水しており、普段よりも広く探れる。川の色は朝と比べて大分濁ってきた。千島さんは川の中央に走る馬の背を歩き、流心をねらって釣り下っていく。ガツガツとしたアタリではなかったものの合わせるとアマゴ系特有のローリング。軽くいなしてタモ入れしたのは待望の尺アマゴだ。朱点が美しい個体に千島さんもやり切った表情を浮かべる。

「今日は出来過ぎな日でした。朝釣れたニジマスもそうですが、みんなこの下のダムで育ってから遡上してきた魚なんです。だからどの魚もあれだけ幅広で太っているんですよ」

16_DSC_0589 (カスタム)
肉厚幅広で朱点がまぶしい尺アマゴ

その後は大久保ダムの下流へ移動してみたものの予報通りで9mの本流ザオを振るのは難しいほど風が強くなり、納竿となった。天竜川は毎年5月ごろから徐々に釣れだすようになるそうだが、今年は水温が低いのかどうやら遅れ気味のようす。記事が掲載される頃には本格的に釣れだすようになるのではないだろうか。豊富なエサをたくさん食べて育った見事な体躯の「天竜差し」をねらいに本流へ足を運んでみてはいかがだろうか。

天竜川本流での釣り風景
大型が狙える天竜川本流に足を運んでみては?

 

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釣りに最適な虫除けアイテム6選【アングラーが実践する害虫対策も紹介】 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/insect-repellent-goods つり人編集部 trend 191195877814 Fri, 13 Jun 2025 02:00:00 +0900

気温が高い季節の釣行で必須なのが害虫対策だ。アングラーが実践する対策&おすすめの虫除けグッズをまとめてみた。

気温が高い季節の釣行で必須なのが害虫対策だ。アングラーが実践する対策&おすすめの虫除けグッズをまとめてみた。

写真と文◎編集部

釣り場で出会う厄介な害虫の種類&対策

まずは釣り場で出会う厄介な虫たちを紹介する。

多くの人を悩ませる蚊は、市街地から山中、家屋内に至るまで広く生息する。日本に約100種いるうち吸血するのは30種ほどで、特にヒトスジシマカ(ヤブ蚊)とイエカ類が代表的だ。

蚊から身を守るには、複数の対策を組み合わせることが肝心。まず、ヤブ蚊の潜伏場所である藪には、活動が活発になる夕方を中心になるべく近づかないこと。次に、蚊を誘引する汗や常在菌の匂いを抑えるため、体を清潔に保つこと。

そして、これらの対策に加え、虫除けスプレーの使用や、長袖・長ズボンで肌の露出を抑えるといった基本的な防御策も有効になる。

アブ・ブユ

蚊以上に厄介なのが吸血性のアブやブユ。ハエ類に似た外見で哺乳類に忍び寄り血を吸う。刺されると大きな炎症を起こす場合もあり対策が必要。地域によっては大量発生して数十匹の群れで襲ってくることもある。

虫よけ各種のほか、肌を露出しない、黒い服に寄って来るので明るい色のウエアを着用するなどの対策がある。また複数人で林道を歩く際は先頭の人が最も襲われるので順番をローテーションして被害を減らせる場合もある。

ヤマビル

地面から襲ってくる吸血生物がヒルだ。ヤマビルと呼ばれる陸上生活をするタイプが厄介で、歩き続けていてもいつの間にか靴に取り付き、衣類の隙間から器用に潜り込んで吸血する。

対策としてまずは肌まで入り込める隙間を作らないこと。市販の忌避剤スプレーを足にかけるのも有効。ただしウエーディングすると流されて効果が無くなるので、足もとを頻繁に確認して上ってきたのを見つけ次第直接吹きかけるのが確実だ。

ヒル

マダニ

森林の草葉に潜み、動物が通りかかるのを待ち構えているのがマダニだ。動物が発する体温や振動、二酸化炭素を感知すると素早く乗り移り、吸血に適した柔らかい場所を探し始める。

特に釣り人が藪を漕いだ後などに被害に遭うケースが多く、体に付着したマダニを吸血前に発見・除去するため、こまめな確認が重要となる。

近年、このマダニがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という危険なウイルスを媒介することが判明し、改めて注意が喚起されている。そのため、渓流釣りなどで接触機会が増える際には、長袖・長ズボンで肌の露出を避けるとともに、虫除け剤を併用するなど、確実な対策を講じることが不可欠である。

メマトイ

目の周囲を飛び回る迷惑害虫。目に入る危険もあるし、なによりストレス。ハッカ油などが有効のほか、空調ウエアの首から吹き抜ける気流で追い払えたという証言もある

釣りに役立つおすすめ虫除けアイテム

【北見ハッカ通商】ハッカ油ボトル

対象害虫:蚊・メマトイ・アブ・マダニ

蚊やメマトイなどを避けるのに有効なのがハッカ油だ。アブにも相手が少数であれば効果がある。原液で売られているものと虫よけ用にスプレーボトルで売られているものがある。原液は希釈してスプレーボトルに入れて使う。100ml作る方法は、無水エタノール10mlにハッカ油を数滴(肌に刺激があるため少量から試す)加えたものを水90mlで希釈すればOK。ハッカ油は水に溶けにくいため予めエタノールと混ぜて均質化するとともに揮発性を高める。メマトイ対策には帽子のつばにつけるとよい。

ハッカ油ボトル

【エコ・トレード】ヒル下がりのジョニー

対象害虫:ヒル

ヒル対策スプレーとして近年人気なのが「ヒル下がりのジョニー」。アウトドアウエアの生地に悪影響がある虫よけ成分・ディートが入っていないのが特徴。利根川水系の渓流をホームとする小林和則さんはこのタイプのスプレーを愛用している。「雨上がり時にヒルの生息域を歩くとヒルが数匹上がってくるので、ウエーダーのひざ下に多めにかけます。吸われた場合はヒルに直接スプレーすれば落ちます」

ヒル下がりのジョニー

【アース製薬】はだまも

対象害虫:蚊・メマトイ・アブ・ヒル・マダニ

一般的な虫よけスプレーもあるとよい。飛翔タイプの虫を寄せ付けない用途のほか、衣類についたヒルに吹きかけるとポロっと落ちてくれる。テンカラ釣りの名手の大沢健治さんはハッカ油とブレンドして使っている。「60mlボトルの市販の虫よけを半分使ったら、『シーブリーズ』などの爽快感の出る制汗剤(デオウォーター)をもう半分加えます。これは揮発性を高めるねらいです。そこにハッカ油を7~8滴混ぜて、あらゆる虫よけに使っています」

はだまも

【Foxfire】SCプルオーバーフーディ

対象:蚊・アブ

防虫成分を含む生地で作られたウエアも人気。Foxfireの「着る防虫スコーロン」シリーズはアース製薬と帝人が共同開発した生地・スコーロンを採用。害虫が止まっても忌避成分で追い払える。

UVカット機能もあるので日焼け対策にもなる。肌の露出を少なくできる長袖のフーディーで、アブが寄って来にくい明るい色を選ぶとよい。それでも豪胆なアブが血を吸おうとしてきたときに、肌まで口が届かないようメッシュタイプのインナーを下に着るのもおすすめだ。

SCプルオーバーフーディ

【Foxfire】SCカーゴパンツ

対象:蚊・アブ・マダニ

マダニ対策にも有効なスコーロン素材を採用したカーゴパンツ。盛夏のフィールドでも快適に着用できるよう、薄手で動きやすいストレッチ素材を使用しているのも特徴。

【センスオブグレース】インセクトシールドサファリハット

対象:蚊・アブ

こちらは米国のInsectShield社が開発した生地を採用した防虫生地のハット。キク科の植物に含まれる天然由来の成分を人工的に再現した「ペルメトリン」という虫よけ成分を繊維に固着させており、高い防虫効果を発揮する。また、紫外線カット・吸水速乾性素材を使用しており暑い夏を快適に過ごせるのも嬉しいポイントだ。

インセクトシールドサファリハットは、つり人のためのECストア「アンスト」でも購入できます!

インセクトシールドサファリハット

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

釣り場で使える設置型・ワンプッシュ型虫除けをインプレ!

渓流で出会いたくない害虫図鑑

渓流釣り/渓で注意すべき生き物 その1(全2回)

 

渓流で出会いたくない害虫図鑑 釣り場で使える設置型・ワンプッシュ型虫除けをインプレ! 渓流釣り/渓で注意すべき生き物 その1(全2回) 【漫画】“ギャル”船長①/ゆかぴ船長の「今日も釣れっから!」第1話 釣りで心が整う?英国調査が示した意外な相関関係
テナガエビ釣りの最強エサは?【コンビニで買える代用エサ6種も試してみた】 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tenagaebi-esa つり人編集部 trend 191076394037 Thu, 12 Jun 2025 08:00:00 +0900

貪欲で好奇心旺盛なテナガエビは、タンパク質のエサなら何にでも食いついてくる懐の深いターゲットです。今回は、そんなテナガエビ釣りの「エサ」を徹底解説! 定番の虫エサの紹介はもちろん、コンビニ・スーパーで買える代用エサ」で、実際に釣りが成立するのかを検証してみました。


貪欲で好奇心旺盛なテナガエビは、タンパク質のエサなら何にでも食いついてくる懐の深いターゲットです。今回は、そんなテナガエビ釣りの「エサ」を徹底解説! 定番の虫エサの紹介はもちろん、コンビニ・スーパーで買える代用エサで、実際に釣りが成立するのかを検証してみました。

写真と文◎編集部

テナガエビ釣りの定番は虫エサ

テナガエビ釣りで定番のエサといえば虫エサです。まずは虫エサを種類ごとに解説していきます。

アカムシ

テナガエビ釣りで最もポピュラーなエサの一つが、ユスリカの幼虫である「アカムシ」です。小さく細長い形状がテナガエビの口にも吸い込まれやすく、針掛かりの良さは抜群。エサ選びに迷ったら、まずアカムシを選んでおけば間違いありません。

フックへの刺し方には、釣果を左右するコツがあります。針先だけを掛ける「チョン掛け」は手軽ですが、エサの先端だけを食べられたり、フッキングが甘く、途中でバレてしまったりすることが少なくありません。少し手間はかかりますが、ハリに沿って縫うように通す「通し刺し」にすることで、フッキング率が格段に向上します。

また、アカムシは中の赤い体液がなくなって白っぽい皮だけになると、極端に食いが落ちます。アタリが遠のいたと感じたら、こまめに新しいエサへ交換しましょう。

アカムシの付け方
アカムシの付け方

サシ

テナガエビ釣りの定番エサとして、ハエの幼虫である「サシ」も非常に有効です。いわゆる「ウジ虫」のことで、そう聞くと抵抗があるかもしれませんが、釣りエサ用に販売されているものは清潔な環境で養殖されているため、安心して使用できます。

サシの特長は、その扱いやすさにあります。小さくてテナガエビが食べやすいサイズ感であることに加え、ハリに刺しやすく、エサ持ちも良いことから、初心者の方にもおすすめのエサと言えるでしょう。

キヂ(ミミズ)

テナガエビ釣りでは、古くからの定番エサである「ミミズ」も非常に有効です。釣具店で購入できるほか、釣り場で直接採取できる手軽さも魅力の一つです。

使用する際は、5mm程度の長さに小さくカットしてハリに付けます。このとき、ミミズの太さが釣果を左右するポイント。あまりに太いミミズは、短くカットしてもテナガエビの小さな口には大きすぎるため、できるだけ細いものを選ぶようにしましょう。

その他の虫エサ

それ以外ではアオイソメやジャリメなどの多毛類も使うことができます。ミミズ同様小さくカットして使いましょう。

代用エサも実釣で試してみた

テナガエビは、実はコンビニやスーパーで手に入る身近な食材でも釣ることが可能です。つり人本誌では、そんな「代用エサ」の可能性を探るべく、過去に様々な食材で実釣テストを敢行。

テストしたのは、家庭でもおなじみの「冷凍エビ(ブラックタイガー)」「魚肉ソーセージ」「はんぺん」「カニカマ(サラダ用タラバガニ)」「チーズ(さけるチーズ)」「さきいか」。さて、一体どの食材がテナガエビに最も有効だったのでしょうか。

テナガエビ釣りに使った「魚肉ソーセージ」「はんぺん」「カニカマ」
使った代用エサの一部

冷凍エビ

最もおすすめなのは冷凍エビを小さくカットして付けたもの。テナガエビの反応の良さ・エサ持ち・食い込みのよさの三拍子揃っており、虫エサに匹敵する釣果が望めるエサです。「味の素」を振りかけて付けやすいように少し水分を抜くとエサ持ちと集魚力がアップします。

スーパーはもちろん、コンビニでもシーフードミックスとして売られている場合があるので、入手難易度が低いのも嬉しいポイントです。

エビエサ
テスト時に取材したアングラーはエビエサを常用

魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージは、アタリの数が抜群に多く、非常に有望なエサでした。しかし、その効果を最大限に引き出すには、エサ付けの工夫が求められます。ふわふわと柔らかく繊維がもろいため、ハリに刺す際に少しでも傷つけてしまうと、すぐに崩れて外れてしまいます。この「エサ持ちの悪さ」が最大の課題です。

とはいえ、うまくハリに付けさえすれば釣果は期待できるため、虫エサが入手できないときの代用エサとしては試してみる価値はありそうです。

魚肉ソーセージの針への付け方
魚肉ソーセージは縫い刺しで付けるのがエサ持ちが良かった

カニカマ

カニカマも、テナガエビからの反応が非常に良く、アタリの数はトップクラス。しかし、その高い集魚効果とは裏腹に、繊維質で崩れやすい素材のため、扱いには工夫が必要です。ハリに付けるのが難しく、水中でもエサ持ちが悪いという点が弱点と言えるでしょう。

カニカマの針への付け方
カニカマは針先を出すように付ける

サキイカ

サキイカは、アタリが時折あるため、全く釣れないエサというわけではありません。しかし、検証では、その硬さが大きなデメリットとして目立ちました。

水に浸してもほとんど柔らかくならないため、テナガエビが口にしても違和感を覚えるのか、なかなか深く食い込んできません。結果として、エサ持ちは良いものの、肝心の針掛かりに至らないケースが多発しました。

チーズ

使用したのは「さけるチーズ」。テナガエビからの反応自体は決して悪くないエサでしたが、実釣ではいくつかの課題が見えてきました。

まず、柔らかいためフックへの付け方によっては、すぐにエサだけ取られてしまうエサ持ちの悪さが気になります。さらに、水中に長く浸かっていると、チーズが見た目から透明感が失われ硬くなっていきます。

このように劣化した状態ではアタリが極端に減るため、常に新鮮な状態を保つ必要があり、実用性の面から、あえて選択するメリットは少ないと感じました。

テナガエビの代用エサのチーズとサキイカ
チーズとサキイカは反応はあったものの実用性は微妙……

はんぺん

はんぺんもエサとして試しましたが、結論から言うと、扱いが非常に難しいエサでした。

最大の課題は、その脆(もろ)さにあります。非常に柔らかく、ハリを刺した箇所からすぐに崩れてしまうため、エサ持ちが極めて悪いのです。ある程度大きなサイズで付けないと、すぐにハリから脱落してしまいます。

もし試すのであれば、大きめのエビバリ(3号など)を使い、身崩れを少しでも抑える工夫が必要になるかもしれません。

代用エサまとめ

過去の検証の結論として、定番の虫エサに匹敵する釣果が期待できたのは「エビ」のみでした。

その他のエサは、「ハリへの付けにくさ」や「エサ持ちの悪さ」といった実用面での課題が多く、釣果を最優先する場合には、残念ながら選択肢としてはおすすめしにくいのが実情です。

とはいえ、テナガエビは非常に好奇心旺盛です。ほとんどのエサに何らかの反応を示したことから、「こんなものでも釣れるかも?」という探求心を満たしてくれる、懐の深いターゲットでもあります。釣果にこだわらず、色々なエサで挑戦してみるのも一興です。

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アタリはあるのに乗らないスリリングな駆け引きや、大きさからは想像できない小気味よい引きが魅力のテナガエビ釣り。今回はそんなテナガエビ釣りを徹底解説。仕掛けやエサなどの基本から、釣り方のコツまで解説する。

アタリはあるのに乗らないスリリングな駆け引きや、大きさからは想像できない小気味よい引きが魅力のテナガエビ釣り。今回はそんなテナガエビ釣りを徹底解説。仕掛けやエサなどの基本から、釣り方のコツまで解説する。

まとめ◎つり人編集部

テナガエビが釣れる時期は6月上旬~7月上旬がピーク

「テナガエビはファミリーフィッシングや釣りビギナーにおすすめです。それに、短い時間でもサクッと楽しめるのがいいですよね」とはキャスティング青戸店に勤務する渡辺諒さん。湾奥のシーバスフィッシングをメインに楽しんでいるが、タナゴ、ハゼ、テナガエビなどの小もの釣り全般も好きとのこと。毎年この時期になるとテナガエビの動向が気になりだすという。

【テナガエビの釣り方】ヒット 水面を割る瞬間まで小気味よい引きで楽しませてくれる

5月中旬、ゴールデンウイークも過ぎるとあちこちの河川でポツポツとテナガエビの釣果が聞かれ始めた。テナガエビは蒸し暑くなる梅雨時にトップシーズンを迎える。関東地方は6月上旬から7月上旬の約1ヵ月間がハイシーズンになる。

テナガエビ釣りの竿

メインフィールドになる消波ブロック帯では全長1.2~2.1mの小もの用小継ぎ竿が活躍する。長さが異なる竿を2~3本用意しておくと、たいていのフィールドをカバーできる。また、長さを変更できるズームロッドがあると便利だ。

【テナガエビの釣り方】釣り竿はダイワ『ひなた四』 渡辺さんが用意したのはダイワ『ひなた四』。今回の釣り場は足もとを釣るポイントだったので、この長さが最適だった

テナガエビ釣りの仕掛け

仕掛けは玉ウキを使った仕掛けが一般的だ。ミチイト0.8~1.2号を竿いっぱいに取り、3~4号の玉ウキをセットし、自動ハリス止めを介してハリをセットする。


【テナガエビの釣り方仕掛け図

テナガエビ釣りではウキの浮力とウキ下調整が独特だ。ウキの浮力より少し重めのガン玉や板オモリをセットしてウキを水面下1~3cmに沈ませておく。そうすると仕掛けが波立ちの影響を受けない。また、ウキの抵抗がなくなるため、テナガエビがエサをくわえた時に違和感を与えにくい。浮力調整はシビアになる必要はないが、重いガン玉をセットしすぎると今度はオモリが抵抗になるので、そこには注意しよう。ガン玉B~2Bを噛ませ、流れが早いなど仕掛けが止まらない場合にはガン玉を追加する。

【テナガエビの釣り方】ウキは沈ませて使う 浮力よりも重めのガン玉を背負わせて、ウキは沈ませて使う。ウキ下は水面下3cmほど

シーズン初期など小型のテナガエビをねらう場合、タナゴ仕掛けで繊細に釣って行くのも有効だ。この場合もウキは沈ませてねらう。タナゴ仕掛けを使う場合は板オモリがあると浮力調整を行ないやすい。

【テナガエビの釣り方】完成仕掛けビギナーには完成仕掛けがおすすめだ

ハリは専用のエビバリかタナゴ用

ハリは専用のエビバリが各社から販売されているので、それを購入すればよい。2号を中心に小型や食い渋り用にタナゴ用の半月、流線、新半月も用意しておきたい。ねらう場所が消波ブロック帯のため、根掛かりしやすい。予備のハリは多めに用意しておこう。

【テナガエビの釣り方】ハリはエビバリや新半月などのタナゴバリを使う ハリはエビバリ2号を中心に新半月などのタナゴバリもあると心強い

テナガエビ釣りのエサ

エサはキヂ(ミミズ)、アカムシ、サシ、アオイソメ、ジャリメなどの虫エサが使われるが、アカムシが主流だ。付け方は1~2尾のチョン掛けでOK。

【テナガエビの釣り方】チョン掛けでOK エサはアカムシがよく使われる。チョン掛けでOK

ほかにもタンパク質のエサなら幅広く反応するので、ベビーホタテやエビ、魚の切り身など代用エサでも狙うことが可能。ただ、エサが大きいと針掛かりが悪くなるので小さくカットして付けよう。また、あまり硬い餌でも食いが悪くなる。

ポイントは障害物&日陰を狙おう

テナガエビは夜行性のため日中は消波ブロック帯の影などに潜んでエサをねらっている。消波ブロック帯以外にもゴロタ、流木など身を隠せるような障害物周りなら何でもポイントになる。初めての釣り場に出かける時は干潮時に到着し、川底のようすを見ておくと釣りがしやすい。

テナガエビのがいるポイント

潮回りもチェック

潮回りを見て釣行するのが大事だ。潮の干満差が激しい大潮回りは避けたい。中潮や小潮回りの上げ潮時の潮位が高いタイミングだと消波ブロックなどテナガエビの隠れ家が水の中に入るためポイントが増える。ただし、場所によっては潮が引いたほうがねらえるポイントが増えることもあるので、一概にはいえない。ただ、引き潮のタイミングは川の流れも加わり、流速が早くなりすぎて釣りにならないケースもあることを覚えておいてほしい。

マヅメの時間が狙いやすい

テナガエビは暗い時間のほうが活性が高いので、釣行の際は朝夕マヅメを絡めるのがおすすめ。マヅメ時にいい潮回りに当たれば好釣果が期待できる。小雨や曇天の日も釣果が伸びやすい。夜間も活発に動き回るので釣果は望めるものの、アタリが分かるように電気ウキなどの工夫が必要になる。


【テナガエビの釣り方】この穴で連続ヒット

テナガエビの釣り方はアワセが重要

 基本的な釣り方は消波ブロックの穴釣り。重めのオモリを背負わせたウキ仕掛けでブロックの日陰部分などの穴に仕掛けを落としていく。テナガエビが待ち構えている「当り穴」であれば10秒も待たずしてウキに反応が見られるはず。反応がなければその穴は諦めて、テンポよくねらっていくことが大事だ。

【テナガエビの釣り方】テナガマンションを探り当てようこの穴で連続ヒットが続いた。釣果が集中する穴があるので、「テナガマンション」を探り当てよう

アワセは隠れ家までエサを運ぶのを待ってから

アタリがあっても早アワセは禁物。すっぽ抜けてしまうからだ。テナガエビはエサを見つけるとその場では食べずに安全な隠れ家までエサを運んでから食べるようだ。ウキがピクピクと動いてもこれは見送り我慢。10秒から20秒ぐらい待ち、ウキが止まったところで10カウントして引き上げるぐらいのタイミングでOK。仕掛けをそっと持ち上げると、「クンクン」と手元に小気味よい引きが伝わる。その後、サオに乗せるように聞き合わせればよい。


【テナガエビの釣り方イラスト

サイトフィッシングもOK

渡辺さんと中川に向かった日は朝から日差しが強く、テナガエビ釣りには不利な条件であった。少し不安になりながらもポイントに到着し、水面を覗いてみるとチラホラとテナガエビの姿が確認できたのでまずは一安心。しかし、シーズン序盤ということもあり、目に入るのは5~6cmと小型。ときおり10cmクラスが見られる程度であった。

今回入ったポイントは護岸されていて足場がよく、岸際から2mほど沖まで消波ブロックが入っている。

テナガエビの反応を探っていく消波ブロックの隙間に仕掛けを落としてテナガエビの反応を探っていく

「私の釣り方は主にサイトフィッシング。テナガエビを目で確認してその前にエサを落とすスタイルです。ねらうエビが小さいので、親ウキとシモリがセットになったタナゴ仕掛けで繊細にねらってみましょう。仕掛け全長は手尻から20cmほど短くして手返し重視。テトラの穴釣りみたいですね。もちろん、玉ウキ仕掛けでも充分に釣れますよ」

【テナガエビの釣り方】玉ウキ仕掛けに変えてもヒット 連動シモリウキ仕掛けから玉ウキ仕掛けに変えてもヒット

ダイワ『ひなた四』に連動シモリ仕掛けを接続し、ハリにアカムシをセットして消波ブロックの隙間に仕掛けを入れていく。するとほどなくして5cmほどの可愛いサイズがヒット。この後もコンスタントに釣りあげていく。この日の潮回りは干潮が11時48分。10時半をすぎると徐々に消波ブロック帯が露出し始め、ねらえるポイントが少なくなってきたタイミングで納竿とした。

【テナガエビの釣り方】ハイシーズンにはこのサイズも 梅雨に入り、シーズンが進めばこのサイズが楽しませてくれるだろう

「小型がけっこういるようなので、これからの成長に期待ですね。梅雨に入れば良型が楽しませてくれそうですね」と渡辺さんの声は明るい。今回サオをだしたのは2時間ほどであったが、充分に満足できたようすの渡辺さん。ちょっとした隙間の時間でも充分に楽しめるテナガエビ釣り。都会の水辺で癒されてみてはいかがだろうか?

【テナガエビの釣り方】 偏光レンズがあると水中のようすが分かりやすくなる。テナガエビを見つけて目の前にエサを落としてねらうサイトフィッシング(見釣り)も面白い

【テナガエビ釣り】名人が明かす「100匹釣る」ための置き竿術と自作仕掛け

テナガエビ釣りの最強エサは?【コンビニで買える代用エサ6種も試してみた】

 

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身近な川辺で簡単に釣れるテナガエビ。実は食べても美味しいエビです。今回はテナガエビの泥抜き・下処理方法と2つの定番レシピを紹介します。

身近な川辺で簡単に釣れるテナガエビ。実は食べても美味しいエビです。今回はテナガエビの泥抜き・下処理方法と2つの定番レシピを紹介します。

写真と文◎葛島一美・つり人編集部


この記事は『つり人』2017年7月号に掲載したものを再編集しています。

テナガエビの泥抜き

テナガエビは泥の多い場所に好んで生息しているため、下処理をしないと泥臭さが気になることがあります。そのため美味しく味わうためには、調理前にきれいな水で「泥抜き」をするのが効果的です。

具体的な方法としては、まずカルキを抜いた水道水を用意。その中にテナガエビを入れ、エアーポンプで酸素を供給しながら1~2日程度活かしておきます。飼育水が汚れてきたら、その都度新しい水に交換しましょう。

泥抜きしないで食べる裏技も

釣りの最中や泥抜き処理中にテナガエビが死んでしまい、通常の「泥抜き」ができないこともあります。そのような泥抜きが不十分な場合でも、調理前に胃袋(通称:砂袋)を取り除くひと手間で、泥臭さをある程度抑えることが可能です。胃袋の取り出し方は意外と簡単で、テナガエビの口に竹串の先端を少し深めに差し込み、軽く引っかけるようにして引き出すだけ。すると、黒くて弾力のある小さな袋が取り出せます。

さらに、この下処理を「泥抜き」と併用すれば、気になる泥臭さをほぼ完全に取り去ることもできます。テナガエビをより美味しく食べたい人も、ぜひ一度試してみて下さい。

テナガエビの砂袋
指の腹に乗せているものがテナガエビの砂袋

テナガエビの下処理

テナガエビを美味しく調理するために、まずはヌメリや汚れを丁寧に取り除く下処理から始めましょう。

1.締める

焼酎や日本酒などのお酒か、氷水に漬けて締める。お酒のほうが臭い取りにもなるのでおすすめ。

2.塩で洗う

ボウルにテナガエビを入れ、粗塩をたっぷりと振りかける。全体に塩が行き渡るよう、しっかりと混ぜ合わせると、表面のヌメリや汚れが浮き出てくる。

テナガエビを塩で洗う作業
粗塩をかけて揉み込み汚れを落とす

3.流水で洗い流す

浮き出た汚れと塩分を、流水で丁寧に洗い流す。

テナガエビを流水で洗う作業
流水で丁寧に洗い流す

4.水気を拭き取る

ザルにあげてしっかりと水気を切る。その後、キッチンペーパーで丁寧に包み込むようにして、水気を十二分に拭き取る。これは、特に油で調理する際は油跳ねを防ぐために重要。

テナガエビから水気を取る作業
キッチンペーパなどで水気をしっかり拭き取る

【作業時の注意点】

テナガエビには硬く鋭い突起があるため、素手で扱うと怪我をする恐れがあります。安全のため、調理用のゴム手袋などを着用して作業するといいでしょう。

テナガエビの定番レシピ

下処理を済ませたテナガエビを使って、絶品料理を作りましょう。今回は、お子様から大人まで大好きなサクサクの「唐揚げ」と、エビ本来の味をダイレクトに楽しむ「鬼殻焼き」、2つの食べ方をご紹介。どちらも試したくなる、シンプルな調理法です。

テナガエビの唐揚げ

テナガエビ料理の王道といえば、やはり唐揚げです。殻ごとサクサクと香ばしく、ご飯のおかずからビールのお供まで、幅広く楽しめる一品に仕上がります。

作り方はとてもシンプル。下処理と水気取りを済ませたテナガエビに、薄く小麦粉をまぶし、余分な粉は軽くはたいて落とします。次に、170℃程度の中温に熱した油で、カラリと揚げていきましょう。テナガエビがきれいな赤色に変わり、ふわりと油の表面に浮き上がってきたら完成の合図です。

油をよく切って器に盛り付け、熱いうちに塩を振ってお召し上がりください。さらにレモンをキュッと搾ると、爽やかな酸味が加わり、また格別な味わいになります。

テナガエビの唐揚げ
テナガエビの唐揚げ

テナガエビの鬼殻焼き

テナガエビ本来の風味をダイレクトに味わうなら、シンプルな素焼きが一番です。殻ごと焼く「鬼殻焼き」は、肉厚な大きめのテナガエビを選ぶのがおすすめです。

まずは、下処理を済ませたテナガエビを焼き網に並べ、じっくりと素焼きにします。エビの殻が赤く色づき、全体にある程度火が通ったら、一度網から下ろしましょう。次に、刷毛(はけ)などを使い、醤油を全体に手早く塗り広げます。再び網に戻し、醤油の香ばしい香りが立ち上り、美味しそうな焦げ目がついたら完成です。

もちろん、醤油の代わりに塩を振りかけて焼く「塩焼き」も、素材の味を存分に引き立て、格別の美味しさです。

テナガエビの鬼殻焼き
テナガエビの鬼殻焼き

他のテナガエビの食べ方

テナガエビは、紹介した料理以外にも多彩な食べ方が可能です。例えば、小型のものはかき揚げにしたりエビチリなどにしても美味しいです。またパスタやスープなどの具材として使うのも、エビの豊かな風味が出汁に溶け出し、料理を一層美味しくしてくれます。

なお、テナガエビを締めたその日のうちに調理しない場合は、保存方法に注意が必要です。甲殻類は鮮度が落ちやすいため、一度さっと塩ゆでしてから冷蔵または冷凍保存するのがおすすめです。

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夏の釣りをアップデート!シップスマストのおしゃれ高機能ハット&キャップで紫外線・暑さ対策! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/shipsmastcap つり人編集部 trend 190913989272 Mon, 09 Jun 2025 02:00:01 +0900

夏のフィッシングで気になる紫外線や汗、そして突然の天候変化。そんな悩みに応えるべく、シップスマストから、女性アングラーにも嬉しいこだわりの機能が詰まった新作帽子、『UVカット・フィッシングハット』『UVカット・フィッシングキャップ』と、実用性に優れた『透湿防水ロゴ刺繍キャップ』『透湿防水ハット』が登場しました。


夏のフィッシングで気になる紫外線や汗、そして突然の天候変化。そんな悩みに応えるべく、シップスマストから、女性アングラーにも嬉しいこだわりの機能が詰まった新作帽子、『UVカット・フィッシングハット』『UVカット・フィッシングキャップ』と、実用性に優れた『透湿防水ロゴ刺繍キャップ』『透湿防水ハット』が登場しました。

文◎編集部

日焼け対策万全の女性アングラー向け帽子が登場

女性アングラー向けアイテムを展開するブランド「Shipsmast」から、紫外線を気にせず釣りを楽しみたい女性に嬉しい帽子が登場しました。『UVカット・フィッシングハット』と『UVカット・フィッシングキャップ』は、UPF50+という最高クラスのUVカット性能を持つ素材を採用しており、紫外線の遮蔽率は99%を実現。強い日差しの中でも安心して釣りに集中できます。

UVカット・フィッシングハット
UVカット・フィッシングハット

照り返しを防ぐ「つば裏ブラック」

両アイテム共通の特徴として、帽子のつば裏が黒色で統一されています。この黒色が、地面や水面からの照り返しによる紫外線ダメージを軽減するだけでなく、水面の乱反射を効果的に抑制。偏光サングラスを併用した際の視認性がさらに向上し、釣りの精度アップも期待できます。

洗えるコスメケアテープ付き

さらに、ハットとキャップのどちらにも、マジックテープで簡単に取り外しができるコスメケアテープが付属。額の汗をしっかり吸い取り、ファンデーションなどの化粧品が付着してしまっても、テープだけを洗濯できるので常に清潔に保てます。これにより、日焼け止めの塗り直しも気兼ねなく行えるので、アクティブな夏のフィッシングをサポートしてくれます。

UVカット・フィッシングキャップ
女性アングラーにとって嬉しい工夫がされている

UV カット・フィッシングキャップ(CAP13)

・価格 4,500 円(税込 4,950 円)
・カラー ブラック、ブルーカモ、コーラル
・サイズ フリー(56〜59cm)
・発売日 2025 年 5 月 9 日
・素材 ポリツイル:ポリエステル 100%

UV カット・フィッシングハット(HAT13)

・価格 5,200 円(税込 5,720 円)
・カラー ブラック、グレーカモ、ネイビー
・サイズ フリー(56〜59cm)
・発売日 2025 年 5 月 9 日
・素材 ポリツイル:ポリエステル 100%

ユニセックスで高機能な帽子も

ユニセックスアイテムを提案する姉妹ブランドの「SHIPSMAST.U」からも、快適に夏を過ごせる『透湿防水ロゴ刺繍キャップ』と『透湿防水ハット』が登場しました。これらのアイテムもUPF50+(UV遮蔽率99%)の素材を使用し、高い紫外線カット効果を発揮。また、つば裏も同様に黒色仕様となっており、照り返しによる日焼け対策や視認性高める効果が期待できます。

さらに大きな特徴として、軽量でありながら透湿性と防水性を兼ね備えたナイロンストレッチ生地「ZAMZA®︎(ザムザ)」を採用しています。この高機能素材により、水辺のアクティビティでも安心して使用可能です。

ワイドなつば&高通気ベンチレーション

『透湿防水ロゴ刺繍キャップ』は、つばを広めにデザイン。これにより、日差しや雨風の影響を効果的に軽減し、長時間の釣行でも快適な状態をキープしてくれます。

一方、『透湿防水ハット』には、こだわりの360°ベンチレーション構造が採用されており、帽子内部の通気性を高め、蒸れにくい仕様を実現しています。

2025SHIPSMAST.U_CAPANDHAT-10-Release1 (カスタム)
暑い夏を乗り切る機能が満載!

透湿防水ロゴ刺繍キャップ(CAPU03)

・価格 4,200 円(税込 4,620 円)
・カラー ブラック、グレー、ネイビー
・サイズ フリー(56~59cm) / ユニセックス
・発売日 2025 年 5 月 9 日
・素材  表:ストレッチツイル/ナイロン 100% 裏:ポリウレタン面プリント
・ZAMZA® 独自の原料加工から織、編、高次加工迄の一貫オペレーションで生まれた画期的新素材。 水性、透湿性、保温性、防風性、ストレッチ性

透湿防水ハット(HATU02)

・価格 5,000 円(税込 5,500 円)
・カラー グレー、ライトグレー、ネイビー×オレンジ
・サイズ フリー(56~59cm) / ユニセックス
・発売日 2025 年 5 月 9 日
・素材 表:ストレッチツイル/ナイロン 100% 裏:ポリウレタン面プリント
・ZAMZA® 独自の原料加工から織、編、高次加工迄の一貫オペレーションで生まれた画期的新素材。 水性、透湿性、保温性、防風性、ストレッチ性

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ハヤブサからイカメタル・バチコン専用サビキ仕掛けが登場!リーダーにセットすれば釣果をアシスト https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/hayabusaikaajisabiki つり人編集部 trend 190996976767 Sun, 08 Jun 2025 08:00:00 +0900

イカメタルやバチコンアジングファンの皆様、こんなお悩みはありませんか?「イカの活性が低い…」「アジのアタリがもっと欲しい…」「どうせなら色々釣ってお土産を増やしたい!」。そんなアングラーの切実な願いに応えるべく、釣具メーカー「ハヤブサ」から、まさに秘密兵器とも呼べるサビキ仕掛け「イカメタル・バチコン プラスサビキ」シリーズが新登場しました!


イカメタルやバチコンアジングファンの皆様、こんなお悩みはありませんか?「イカの活性が低い…」「アジのアタリがもっと欲しい…」「どうせなら色々釣ってお土産を増やしたい!」。そんなアングラーの切実な願いに応えるべく、釣具メーカー「ハヤブサ」から、まさに秘密兵器とも呼べるサビキ仕掛け「イカメタル・バチコン プラスサビキ」シリーズが新登場しました!

文◎編集部

イカメタル・バチコン プラスサビキの特長

「イカメタル・バチコン プラスサビキ」は、その名の通り、イカメタルやバチコン仕掛けのリーダー部分に簡単にセットできる追加型のサビキ仕掛けです。わずか全長60cmというショート設計なので、既存の仕掛けの操作性を損なうことなく、スムーズに組み込めるのが大きな魅力。

イカの反応が渋い日のお土産確保や、バチコンでのアジのキャッチ率向上など、様々なシチュエーションでその真価を発揮してくれるでしょう。

超リアルな2タイプのサビキ

この「イカメタル・バチコン プラスサビキ」シリーズのサビキ針には、ハヤブサのサビキではお馴染みの「ケイムラリアルしらす」と「蓄光リアルアミエビ」を採用しています。

「ケイムラリアルシラス」

「ケイムラリアルしらす」はマイクロベイトの代表格であるシラスを、ディテールに至るまでリアルに再現。

ボディには、ハヤブサ独自の製法で仕上げた2種類の特殊ケイムラ素材を採用しています。一つは、鱗さながらの妖しい反射光で魚を誘う「ケイムラブライトン」。もう一つは、紫外線に反応して艶めかしく発色する「ケイムラスキン」です。

これらは、特に集魚灯を使った夜釣りでは抜群の威力を発揮。また、シラスなどの極小ベイトを偏食するような状況下でも、ターゲット攻略に大きく貢献します。

FS360
ケイムラリアルシラス

「蓄光リアルアミエビ」

「蓄光リアルアミエビ」は、アミエビ特有のボディの張りやシルエットを見事に再現し、触覚や尻尾を連想させるオーロラ糸の細部にまでこだわり抜いた設計のサビキです。

スキン部分には、見た目そのままの赤い光を放つ特殊素材「蓄光スキンレッド」を採用。これにより、光の届きにくい深場や濁り潮では、蓄光ならではの妖しい光がターゲットに強烈にアピールします。一方、浅場や澄み潮では、オーロラ糸が織りなすリアルな生命感と繊細なキラメキが、魚の捕食スイッチを刺激するのも特徴です。

時間や場所を選ばず、あらゆる状況下で効果を発揮する、まさにオールマイティな発光スキンです。

fs361
蓄光リアルアミエビ

どちらもイカメタル・バチコンの釣りシーンにバッチリとハマりそうなサビキ。両釣り物のタックルボックスに忍ばせておけば活躍する機会は多そうです。ぜひ試してみてください。

イカメタル・バチコン プラスサビキ製品概要

・製品名:イカメタル・バチコン プラスサビキ 蓄光リアルアミエビ・ケイムラリアルシラス 2本針2セットFS361
・サイズ:
M 鈎:11号   ハリス:3号  幹糸:3号
L  鈎:12号   ハリス:4号  幹糸:4号
LL 鈎:13号   ハリス:5号  幹糸:5号
・発売時期:2025年5月発売

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釣り人待望!SHIPSMAST.Uから夏でも快適な「PVCハーフパンツ」が新登場! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/shipsmastpvchalf つり人編集部 trend 190950097446 Sat, 07 Jun 2025 08:00:00 +0900

「夏の釣りでも快適に使えるPVCウェアが欲しい!」そんなアングラーたちの熱い要望に応え、フィッシングウェアブランド「SHIPSMAST.U(シップスマスト・ユー)」から、待望の「PVC ハーフパンツ」がリリースされました。


「夏の釣りでも快適に使えるPVCウェアが欲しい!」そんなアングラーたちの熱い要望に応え、フィッシングウェアブランド「SHIPSMAST.U(シップスマスト・ユー)」から、待望の「PVC ハーフパンツ」がリリースされました。

文◎編集部

夏でも快適なPVCハーフパンツが登場

従来のPVCウェアは、その防水性の高さから釣りには不可欠な一方、夏の暑い時期には「暑苦しい」「蒸れて不快」といった悩みがつきものでした。イベントや展示会でSHIPSMAST.Uがユーザーから直接ヒアリングを重ねたところ、「PVC素材のハーフパンツタイプがあれば…」という声が数多く寄せられたため、その実現に向けて開発がスタートしたそうです。

完成した「PVC ハーフパンツ」は、わずか0.3mmという薄くて軽い素材を採用。これにより、PVC特有のゴワつきや重さを軽減し、軽快な履き心地を実現しています。さらに、縫い目からの浸水を防ぐウェルダー縫製により、防水性もしっかりと確保。安心して釣りに集中できる設計です。

カラーバリエーションは、SHIPSMAST.UのPVCウェアでお馴染みの「ネイビー」「ベージュ」「レッド」に加え、新たに「カーキ」が登場。定番カラーはもちろん、おしゃれなコーディネートが楽しめる新色カーキは、他のフィッシングウェアとの組み合わせも広がりそうです。

PVC ハーフパンツ
PVC ハーフパンツ カーキ

釣り人ファーストの機能性!

この新しいPVCハーフパンツは、釣り人の使いやすさを徹底的に追求しており、機能性に長けたアイテムとなっています。

安心の膝丈設計

Sから3Lまでの豊富なサイズ展開で、男女問わずフィット。膝までしっかりとカバーする丈感は、大物を釣り上げた際に膝の上に乗せてもウェアを汚しにくいメリットがあります。

蒸れにくい通気性

膝周りには適度なゆとりを持たせ、さらに通気孔を設けることで風通しを向上。PVC素材でありながら、不快な蒸れを大幅に軽減します。UVカットレギンスと組み合わせれば、日焼け対策も万全です。

快適な着脱とフィット感

ウエスト部分にはベルトが付属しており、サイズ調整が簡単。背面はゴムギャザー仕様になっているため、着脱時のストレスも少なく、快適なフィット感を提供します。

また、裾の長さはカットして調整できるため、自分の身長や好みに合わせて最適な丈で着用できます。ユニセックスアイテムを提案しているSHIPSMAST.Uブランドだけに、男女ともに快適なサイズに調整して使えるのも嬉しいポイントです。

PVC ハーフパンツの機能性
釣り人向けの機能が充実

【製品概要】SHIPSMAST.U PVC ハーフパンツ (RPTU01)

商品名: PVC ハーフパンツ(RPTU01)
価格: 10,800円(税込 11,880円)
カラー: ベージュ、カーキ、ネイビー、レッド
サイズ: S, M, L, LL, 3L (ユニセックス)
発売日: 2025年5月16日
素材:
表・ポリ塩化ビニール 100%
裏・ポリエステル 100%
機能:防水、防汚機能

 

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【青物攻略】ジャックアイ フリフリバイブに40gモデル登場!遠投性能がアップ https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/fs441 つり人編集部 trend 190956170924 Sat, 07 Jun 2025 02:00:00 +0900

青物ショアジギングの世界で「喰わせる力」と「アピール力」で高い評価を得ているメタルバイブ「ジャックアイ フリフリバイブ」。その実績あるシリーズに、待望の40gモデルが新たにラインナップされました。これまで攻めあぐねていた遥か沖のポイントや、より大型のターゲットを射程に捉えるための強力な一手となるでしょう。


青物ショアジギングの世界で「喰わせる力」と「アピール力」で高い評価を得ているメタルバイブ「ジャックアイ フリフリバイブ」。その実績あるシリーズに、待望の40gモデルが新たにラインナップされました。これまで攻めあぐねていた遥か沖のポイントや、より大型のターゲットを射程に捉えるための強力な一手となるでしょう。

文◎編集部

ジャックアイ フリフリバイブに遠投力向上の40gが登場

「ジャックアイ フリフリバイブ」は、その名の通り、独自の「フリフリアクション」が生み出すアピール力とコンパクトなボディサイズにより、ターゲットとなる青物の捕食本能を強烈に刺激するメタルバイブです。

今回発表された40gモデルは、重量が増加したにも関わらず、ボディサイズはオリジナルのコンパクトさを維持。この設計により、空気抵抗の増加もなく、重量アップによる飛距離増の恩恵を最大限に享受できます。元々の安定した飛行姿勢と相まって、これまで以上に沖のポイントを攻略することが可能になりそうです。

青物が思わず口を使う喰わせの力

ウェイトアップを果たしながらも、青物にとって一口サイズのコンパクトシルエットが健在のため、このルアーが持つ「喰わせる力」は衰えていません。シルエットによる食わせ力に加え、独自の小ぶりなブレードが生み出す「フリフリアクション」とフラッシング効果のアピールが、青物の捕食本能を刺激し、思わず口を使わせてしまうでしょう。

大型魚とのファイトを想定した安心の設計

ボディには肉厚1.2mmステンレスプレートを採用。これにより、磯際でのハードな使用や、大型魚との激しいファイトでも変形しにくい剛性を確保しています。

さらに、フックには強度の高い太軸トリプルフックを装備。鋭い貫通力と、曲げや折れに対する高い強度を兼ね備え、安心してターゲットとのやり取りに集中できます。

4つのラインアイで様々な巻きスピードに対応

「状況やターゲットの活性に応じて、ルアーアクションを微調整したい」。そんなアングラーの要望に応えるのが、このルアーに搭載された4つの戦略的ラインアイです。

これらを使い分けることで、超高速リトリーブからデッドスローリトリーブまで、あらゆる巻き速度に幅広く対応。さらに、リトリーブスピードやロッドワークとの組み合わせ次第で、多彩なアクションを意のままに演出し、その日のヒットパターンを的確に見つけ出すことを可能にします。

これからのショアジギングシーズン、ルアーボックスに備えておけば、攻略の幅を大きく広げてくれる頼もしい一本となるでしょう。

ジャックアイフリフリバイブ製品概要

・製品名:ジャックアイフリフリバイブ(NEW SIZE 40g)FS441
・カラー:計8色
・メーカー希望小売価格:¥1150
・発売時期:2025年5月

【20代の女性から聞いた】やってはいけない!釣りデートで気をつけること5選 【漫画】“ギャル”船長①/ゆかぴ船長の「今日も釣れっから!」第1話 サーフのショアジギング入門! 回遊をねらえ! 前編 ショアジギングルアーおすすめランキング16選|種類や結び方も解説 釣り糸とリーダーの結び方!どれが最強?基本の結びを強度実験も交えて解説/PEラインとリーダーの結び方編
アユルアー(アユイング)完全ガイド【仕掛け・ルアー・釣り方・装備まで解説】 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/ayu_lure_2024 つり人編集部 trend 176175920672 Fri, 06 Jun 2025 09:00:00 +0900

夏の風物詩、アユを手軽に釣れるとあって近年盛り上がっているアユのルアーフィッシング「アユルアー(アユイング)」。自身もアユルアーにハマっているという浅井雅久さんに装備からポイント選び、釣り方まで教えてもらった

夏の風物詩、アユを手軽に釣れるとあって近年盛り上がっているアユのルアーフィッシング「アユルアー(アユイング)」。自身もアユルアーにハマっているという浅井雅久さんに装備からポイント選び、釣り方まで教えてもらった

写真と文◎編集部

アユルアーの装備・服装

アユ釣りは6月から解禁になる川が多く、7月、8月と真夏に盛期を迎える釣りだ。この釣りは川に立ち込んで行なうが、濡れないウエーダーよりもあえて濡れるウエットスタイルのほうが川の涼しさをダイレクトに感じられる。腰辺りまで深く立ち込むこともよくある友釣りファンは保温性に優れたアユタイツを履くが、アユルアーでは深くても膝上程度なことがほとんどなのでウエットウエーディングスタイルで楽しむ人が多い。

アユルアーの装備一覧

解禁初期や曇りの日など、肌寒い時はウエーダーだと快適に楽しめる。ただし、ウエットウエーディングよりも水の抵抗を強く受けるため、早い流れに入りにくかったり、長時間の立ち込みは疲れるのがやや難点だ。

ウエーディングシューズはフェルト底

ウエーディングシューズのソールはフェルト一択。アユの釣り場は渓流以上に川底が滑るため、ラジアルソールでは非常に滑りやすい。「川歩きに自信がない人はウエーディングスタッフと呼ばれる杖を用意しておくとより安心です」と浅井さんはアドバイスする。

ウェーディングスタッフ

ウエーディングスタッフがあると川歩きが楽になる。コンパクトウェーディングスタッフ(フォックスファイヤー)なら釣りの最中は畳めるので邪魔にならない

タモや引き舟などその他の道具

タックルやルアーのほかにもアユをすくうタモ、キープするための引き舟、タモを差したり引き舟を繋ぐ腰ベルト、鈍ったハリなどのゴミを収納するマナーケースはアユ釣りに欠かせないアイテムなので用意したい。

ネット

タモを流してしまうことがあるのでドローコードは重要。浅井さんおすすめはTMC マルチクリップネットコード(ティムコ)

アユルアーのタックル&ルアー

続いてアユルアーに必要なタックルやルアーについて紹介する。

ロッドに大切なのはバレにくい柔軟性

近年の盛り上がりによって、アユルアー専用ロッドも増えてきた。共通して言えるのは9フィート前後のロングロッドであるということ。広く探るためのリーチとアユの引きを受け止める溜め代がこの釣りでは必要となる。他のロッドで代用する場合は長さ重視でシーバスロッドやエギングロッドが使われていることも多いが、アユを釣るには硬く身切れによるバラシが多い。しなやかなティップを持ち、軽量な専用ロッドを使うことで、キャストやトレースコースの精度が高くなり感度も向上するため、一層アユルアーが楽しくなるはずだ。

リールは2000~2500番台

スピニングリールは2000~2500番程度のモデルが適している。流れの早い川でクロスへキャストする時はラインスラックを素早く回収する必要があるため、ひと巻き80cm以上のハイギヤモデルがおすすめだ。ベイトタックルを使う場合はベイトフィネスリールなど軽量なルアーを扱えるモデルがよい。

アユ用のルアーを用意

ルアーはアユ用とされているものを用意すればOK。浅井さんのおすすめはAyu Game シュマリ(ティムコ)の110FとMR88Fだ。シュマリは元々サクラマスなどの本流トラウト用ミノーだが、ローリング主体のアクションで流れの中でも姿勢を崩しにくいため、瀬の中を泳ぐアユをねらうにも使いやすい。

シュマリ

シュマリは相模川における定番ルアーのひとつ

「シュマリは一般的なミノーシェイプでクセが少なく、引き抵抗が軽くて一日中使っていても疲れません。広範囲をキャストして探るような釣りでもテンションやレンジを細かく調整しやすいです」

シンカー

シュマリはウエイトチューンで真価を発揮する。110Fには1.2g、MR88Fには0.9gのシンカーが推奨

フックはハリスを介して付ける

アユルアーでは友釣りと同じように、ルアー( ≒オトリ)とハリの間にハリスを介している。ハリの種類には大きく分けてチラシとイカリがあるが、浅井さんはタモ入れ後の手返しのよさからイカリを愛用。使うハリのサイズは7〜7.5号を基準にしている。ハリスの長さはイカリの場合5~8㎝程度が目安。ただし、遊漁規則によってハリス長が決められている場合もあるので留意しておこう。

ハリ

バレにくいチラシはまずは一尾釣りたい初心者におすすめ。慣れてきたらイカリも使ってみよう

ポイント選びは重要

アユのルアー釣りは友釣りと同じようにアユのナワバリ本能に訴える釣りだ。そのため、野アユがナワバリを作る場所をねらうのがセオリーとなる。ナワバリが作られやすいのはアカと言われるコケが生えている石。水通しのよい瀬には新鮮なアカが付きやすいため、ナワバリ意識の強いアユも多い。

早瀬はもちろん、膝下程度の水深しかないチャラ瀬や深いトロ場でもアユは泳いでいるが、ルアーでねらうのであれば水深1m以下の流れの利いた瀬が初めは釣りやすいだろう。一つの瀬の中でも流れの強弱があり、アユが釣れやすい筋が日ごとに違うのでルアーの引き抵抗を意識して探ってみると釣果に繋がりやすい。

川

アユは強い流れでも泳いでいる。ここはさすがに……と思っても一度通してみよう

浅井さんが通う相模川のような人気河川では自由に釣り歩くことができず、一ヵ所で粘ることも多い。トラブル防止のためにも釣り人の間に入ったり川を横切る場合は必ず周囲の人に挨拶をすること。アユルアーは立ち位置よりも下流側を探る釣りであるため、先行者の下流側に入る際はキャスト範囲を考慮して無理に入らないようにしよう。また、川ごとや曜日でも釣り場の混み具合は異なる点も留意したい。

竿抜け

一見流れが緩いように見えてもルアーが泳ぐなら勝機あり。サオ抜けになっていることも多い

アユルアーの釣り方

野アユにルアーを追わせるにはナワバリになるべく長く留まることが大切。そのため、ルアーがゆっくりトレースできるダウンやダウンクロスで探っていくのが基本だ。キャスト範囲は概ね20m以内。5m程の近距離でもOK。石周りなどねらう目標を定めて丁寧に周辺を探るのが理想的な釣り方になるので、あまり遠くに投げるとコントロールが難しくなってしまう。

ダウンクロス

平瀬はポイントが絞りにくいが、ダウンクロスで広範囲に探ると効率よくねらえる

ルアーが石に当たるようにトレース

キャストしたらイトフケを取って素早く底を取る。コツン、コツンとソフトタッチでルアーが石に当たるようにトレースするのがキモでリトリーブスピードの加減やロッドの角度でレンジを調整していく。

「一回もボトムに当たらない中層は浅すぎ。ゴリゴリと常に底に当たるようでは潜りすぎです。リーリングで調整しきれない場合はレンジの異なるルアーに交換するか、ねらう流れを変えましょう」

この釣りはボトムを探るため根掛かりも多い。ただ、コツさえ知っていればイラストに示したように、フローティングタイプのルアーなら大抵は簡単に外れる。恐れずにいろいろなポイントを探ってみよう。

ポイント移動も有効

アユをルアーでねらうならフットワークを軽くしたい。よりよいポイントを求めて広く釣り歩いたほうが活性の高いアユに出会う確率は高くなるからだ。釣り場が混雑していて移動が難しい場合は前後左右に数歩動いてみるだけでもルアーのトレースコースが変わって反応が得られることも多い。

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釣り人が多い川ではトラブルにならないよう充分な距離を取り、隣に入ったり川を横切ったりする場合挨拶を忘れずに

引き抜くまで油断禁物

アタリは明確で石に当たった時とは違うのですぐに分かるはずだ。アワセは特に必要なく、掛かればロッドが引き込まれる。もし掛からなかった場合でもその周辺を重点的に探るとよいだろう。掛かってもロッドを立てるのはNG。水面でアユが暴れるとバレやすくなるのでロッドを寝かせたまま流れが緩いほうへ誘導しながら寄せてくる。ラインの長さがロッドの長さと同じくらいになったらロッドを立てて引き抜き、タモで受ける。

掛かってからの一連の流れで難しいのは引き抜くまでのやり取り。ダウンで掛けているので無理にリーリングをして流れに逆らえば負荷が強すぎて身切れしてしまう。かといってゆっくりやればいいかというとそれも身切れに繋がる。この駆け引きがハラハラドキドキで面白い。ルアーやタックル、やり取りもまだ発展途上ながら着々と面白くなってきているアユのルアー釣りに挑戦してみてはいかがだろうか。

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各河川の遊漁規則を確認しよう

アユルアーを楽しむうえで注意したいのが各河川の遊漁規則。川を管轄している漁協によって、可能な釣法や区間、仕掛けまで細かくルールが設けられている。遊漁規則や案内をホームページに掲載している漁協も多いので釣行前に確認しておこう。また、釣りをするには入漁券が必要となる。日釣券もしくは年券を購入してから釣り場に立つようにしよう

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釣りを始める前に確認しておきたいこと

・リールザオでの釣りがOKかどうか

・使用可能なハリの数やハリスの長さ

・キャスト可能範囲

アユルアー(アユイング)を1年やって気づいた4つの大事なポイント

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アユルアー(アユイング)を1年やって気づいた4つの大事なポイント https://web.tsuribito.co.jp/beginner/ayu_tsurigu つり人編集部 trend 175075814196 Fri, 06 Jun 2025 08:30:00 +0900

もともと渓流からルアー釣りを始めたのだが、ことアユに関しては盲点だった。これまでの釣り人生でまるで接点がなく、知識も経験もゼロ。これがよかったのか、昨年チャレンジしたところ、あれよあれよとこの面白さの虜になってしまった。私なりに気付いたアユルアーのコツを紹介する。

もともと渓流からルアー釣りを始めたのだが、ことアユに関しては盲点だった。これまでの釣り人生でまるで接点がなく、知識も経験もゼロ。これがよかったのか、昨年チャレンジしたところ、あれよあれよとこの面白さの虜になってしまった。私なりに気付いたアユルアーの大事なポイントを紹介する。

文◎林悠一(サンスイ渋谷店Part1) 写真◎編集部

アユルアー(アユイング)を1年やって気付いたこと

経験も知識もゼロからのスタート

ここ2、3年程で爆発的な人気を集めているアユのルアー釣り(アユイング)。私も昨シーズンからその面白さに魅了されてしまった一人で、昨シーズンの夏はアユルアーにすべてを捧げて利根川に通い続けた。

おそらくこれからアユルアーをやってみたいと思っているルアーマンの多くも友釣りの経験がない方が多いと思うが、私自身もアユ釣りの経験はなく知識ゼロからのスタートだった。調べては実際に釣り場で試してを繰り返し、最高釣果は50尾を超えるようになった。

アユルアーの魅力は手軽さにある。友釣りのような専門タックルを揃えなくてもアバウトで始められる。そして従来のルアーフィッシングともエサ釣りとも違う、独特の魅力が詰まっている。

わずか1年であるが、やり込むにつれてアユにも喧嘩っ早い個体や、あまり戦闘的でない個体もいることがわかり、観察しているだけでも楽しかった。

ロッド: ブルーカレントⅢ 82/B(ヤマガブランクス) リール: アルデバランBFS XG(シマノ) ライン:スーパートラウト アドバンス ベイトフィネス PE X4 0.5号(バリバス) リーダー:トラウト ショックリーダー 4Lb(バリバス)

ロッド: ブルーカレントⅢ 82/B(ヤマガブランクス)
リール: アルデバランBFS XG(シマノ)
ライン:スーパートラウト アドバンス ベイトフィネス PE X4 0.5号(バリバス)
リーダー:トラウト ショックリーダー 4Lb(バリバス)

アユルアーの時間・昼に活性が上がりやすい

興味深いのは、アユ釣りではあまり朝マヅメというのは存在せず、多くのルアーマンが敬遠しがちな昼から活性を上げることが多かったこと。さらに快晴ならなおよく、ドピーカンの真っ昼間というルアーマンは特に避けるタイミングがよいのも新鮮だった。

アユルアーはポイントの見極めが重要

アユ釣りにおいてポイントの見極めがかなりの重要度を占める。私も最初にルアー釣りを始めたのは渓流ルアーからで、やってみるとヤマメやイワナが釣れるポイントにやや似てはいるものの、そこにアカの要素が加わってくる。ただ、始めてばかりでいきなり釣れる石の見極めはなかなか難しく、川によっても違うことから疑心暗鬼になってしまうだろう。私もここで書いているのは通った群馬漁協管轄の利根川の友釣り専用区で感じたことである。

では、どこにアユがいるかを簡単に見極められるのが「跳ね」だ。それは渓流魚のライズにも似ているが、ライズよりも魚体を大きく水面から出して跳ねている。「跳ね」自体はナワバリを持ちアカを食んでいるアユにも見られるため、捕食行動ではないように感じられる。

どの釣りでも偏光グラスは必需品だが、石、ルアー、アカ、アユ、水深など、いろいろな情報を視覚から得るこの釣りでは特に欠かせない

どの釣りでも偏光グラスは必需品だが、石、ルアー、アカ、アユ、水深など、いろいろな情報を視覚から得るこの釣りでは特に欠かせない

「跳ね」でアユの位置は見当が付く

ルアーマンの性質上、どんどんポイントを変えていきたいところではあるが、アユルアーの場合はその見切りの早さが仇となることが多々ある。

アユルアーに行ってもなかなか釣果が伸びない方が多いようだが、その共通点にポイントの見切りが早過ぎると感じる。

喧嘩っ早い個体は流し始めてすぐにルアーにアタックしてくるが、友釣りと違いアユルアーは所詮偽物。用心深かったり、あまり攻撃的ではない個体には長くルアーを見せて害敵と思わせる必要がある。特に「跳ね」が頻繁に起きている場所はじっくりとルアーを流したい。私は一ヵ所で10分以上ルアーを見せ続けることもある。

「跳ね」でアユの位置は見当が付く

食わせの釣りならスレてしまうが、アユルアー釣りでは長く見せることでルアーを気にもしなかった個体が徐々に苛立ち始め、いきなりルアーにアタックしてくることがよくある。

もちろん、活性が高い状態であればコンスタントにポイントを変えていくのも重要だが、なかなかそういった状況にはなりにくいので、流してすぐにポイントを見切るのではなく、根気よくルアーをアユに見せ続けることも釣果を伸ばす近道だ。

ルアーの泳ぎを制御する大切さ

ルアーの泳ぎを制御する大切さ

アユルアーは対岸へ少しキャストして川を横切らせて巻いてくる場合と、自分がポイントの上流に立ち下流にルアーを流し込んでピンポイントにルアーを泳がせ続ける二通りの釣り方がある。群れアユを釣る場合は川を横切らせる釣りが有効で、ナワバリ意識が強いアユを釣る場合はピンポイントに留めてルアーを泳がせ続けることが有効で自分もこの釣り方が好きだ。

ロングキャストが必要なく短距離でイトを送り込んだり巻いたりを繰り返す釣りなのでスピニングタックルのメリットはあまり感じない。私はライトソルト用で8ft2inのベイトロッドを使っている。

流れが強ければミノータイプはリップが水を噛み沈むが、水を噛まなくなれば泳がなくなり浮上してしまう。また、水を噛み過ぎると左右に振れて動いてしまう。

こうした上下左右の動きをコントロールして、よい場所で留めて泳がせ続けられることがアユルアーで一番重要だと感じる。

DUO /流鮎110F ima / homare MD110F パームス/エスケード100MDF

好んで使っているアユルアー。上から
DUO /流鮎110F
ima / homare MD110F
パームス/エスケード100MDF

泳ぎの上下の動きは流れが弱くなると起こりやすくなることが多いので、専用のシンカーをルアーのフロントフックアイに装着することで上下の動きを安定させることができる。

泳ぎの左右の動きは自身のサオ先を左右に動かすことで制御できる。このときにルアーが見えていないとコントロールすることができないので、偏光サングラスは必須。さらに背中がチャートやオレンジ等見やすいカラーのルアーを選んでおくとベストだ。背中が見えにくいカラーのルアーでも、別売りのマーカーシール等をルアーの頭や背中に貼れば見やすくなる。

アユルアーは上から見て目立つ色であることが条件。目立たないようならマーカーシール等をルアーの頭や背中に貼れば見やすくなる

アユルアーは上から見て目立つ色であることが条件。目立たないようならマーカーシール等をルアーの頭や背中に貼れば見やすくなる

涼しさ優先より安全優先で

夏の高水温期は磯やサーフといった海よりも清流に立ち込むアユ釣りのほうが涼しい。特にアユルアーではゲータースタイルでウェーディングシューズを履くことが一般的なためより涼しげだが、私はタイツに中割れタイプの鮎タビスタイルをオススメする。

アユルアー釣りの特性上、川に入って釣りすることがほとんどのため、中割れタイプであれば通常のタビのように親指とその他の指が分かれているので水流を受けてもしっかりと踏ん張ることができ、転倒のリスクを避けやすい。シューズに比べて水抜けもよいため抵抗が掛かりにくく水中を歩く際にも快適だ。

タイツは膝から脛にかけてパッドが入って足を保護してくれるものが望ましい。軽装備で手軽に始められるが、足もとは安全のためにもしっかりと装備しておきたい。

オーナー/ライトスタイルガードタイツを愛用。3㎜厚のネオプレーン素材が膝から脛をしっかり守ってくれるので膝をつく場面や転倒した際にも安心して釣りをすることができる。中割れタイプのオーナー/鮎トップタビ3 は踏ん張りが利き、フェルトピンで滑りにくい

オーナー/ライトスタイルガードタイツを愛用。3mm厚のネオプレーン素材が膝から脛をしっかり守ってくれるので膝をつく場面や転倒した際にも安心して釣りをすることができる。中割れタイプのオーナー/鮎トップタビ3 は踏ん張りが利き、フェルトピンで滑りにくい

利根川とは違う酒匂川の魅力

今回は利根川が豪雨による増水だったことから神奈川県小田原市を流れる酒匂川へ向かった。完全に初場所で、こちらも前日まで降った雨で増水と濁りが少し入った状況ながら、地元アングラーによれば釣りにはなる水位とのこと。

報徳橋下流左岸の漁協の上流から釣りを開始。メインの流れは増水で深く流れも速いため、流れの緩い浅瀬に入った。通い慣れた利根川と違いポイントの目安になる大きな石はなく、小さめな石が一帯に敷き詰められている。

流心は増水の影響かアユの気配はなかったが、残りアカがある岸際の水深30㎝ほどのチャラ瀬で広範囲にアユの跳ねが見られた。

こうなると普段のピンポイントの釣りは厳しいので少しキャストしてルアーをドリフトさせながら広範囲にやる気のあるアユを探すと頻繁にアユがルアーにじゃれついてくるようすを肉眼で確認。

ハリは3本イカリからスタートした が、チラシに交換することで掛かりがよくなった。

朝のうちは曇っていたが、正午を過 ぎる頃には晴天になり、陽射しが強くなったタイミングで跳ねも一層激しくなり、追いも強くなったタイミングでプチ入れ掛かり。

10㎝の小型から17㎝クラスまでサイズにバラつきはあったが、雷雨の予報のため午後早めに納竿しても20尾近く釣ることができた。

初めての河川であったが、天然遡上が非常に多いようで、釣り場へのアクセスも良好。今後も通うこと間違いなしである。

アユルアー(アユイング)完全ガイド【仕掛け・ルアー・釣り方・装備まで解説】

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※このページは『つり人 2024年8月号』を再編集したものです。

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遠投サビキ師に朗報?いつもの仕掛けにプラスワン!オーナーばりのアシスト仕掛け https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/ownersabikiassist つり人編集部 trend 190990347937 Fri, 06 Jun 2025 02:00:01 +0900

「オーナーばり」から、遠投サビキ釣りの秘密兵器とも言えるアシスト仕掛けが登場しました。お手持ちの遠投サビキ仕掛けにプラスするだけで、これまで以上に多彩な攻めと釣果アップが期待できる、注目のアイテムです。


「オーナーばり」から、遠投サビキ釣りの秘密兵器とも言えるアシスト仕掛けが登場しました。お手持ちの遠投サビキ仕掛けにプラスするだけで、これまで以上に多彩な攻めと釣果アップが期待できる、注目のアイテムです。

文◎編集部

遠投サビキの「お助け仕掛け」とは?

今回登場したのは、遠投サビキ(ウキサビキ、投げサビキ)仕掛けの下部に追加することで、大アジや良型のサバといった魅力的なターゲットをより効果的に狙えるようになるアシスト仕掛け、「遠投サビキの下にちょい足し 大アジ・サバセット」です。

サビキ仕掛けとは別のアプローチが可能

仕掛けの詳細としては針数は2本針。1本は、アピール力に優れたケイムラコートのサバ皮と扁平フラッシャーを組み合わせた擬餌針。そしてもう1本は、オキアミなどのエサを付けられる空針(カラバリ)仕様となっています。

さらに、仕掛け全体が水中を自然に漂う「吹き流し」タイプのため、これまでサビキ釣りだけでは反応を引き出しきれなかった魚にもアプローチできるのが特長です。

また、サビキ仕掛けを付けずに単体で使用することで、ライトカゴ仕掛けとしても使用することができます。状況に応じてカゴ仕掛け・遠投サビキ仕掛けを使い分けできるも強みと言えるでしょう。

「ショート天秤仕様」でトラブル防止

サビキ仕掛けにさらに別のリグを追加する際、糸絡みの増加が懸念されます。しかし、この製品はショート天秤に全長40cmのショート仕掛けを組み合わせることでそのリスクに対応。キャスト時や水中での糸絡みを効果的に軽減します。

とはいえ、サビキ仕掛け単体と比べればトラブルは増えると思われるので、潮の流れが非常に速い場合など、状況を見極めて一時的に仕掛けを取り外す判断も有効でしょう。

それでも、この仕掛けが秘める「もう一匹」への可能性は非常に魅力的。遠投サビキ釣りの秘密兵器として、試す価値の大きいアイテムと言えそうです。

遠投サビキの下にちょい足し 大アジ・サバセット製品概要

・製品名:遠投サビキの下にちょい足し 大アジ・サバセット
・仕掛け全長:40cm 2本鈎×1組入り
・鈎:改良アジ
・プラスチックカゴ:S・M・Lともに10号
 (適合ウキ使用目安12号~15号)
・メーカー希望本体価格: 620円

【号数】

・ハリサイズ S(改良アジ8号)/ハリス 2号
・ハリサイズ M(改良アジ10号)/ハリス 3号
・ハリサイズ L(改良アジ12号)/ハリス 4号

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金森隆志・秦拓馬・青木大介によるデカバスバトルが配信開始!【釣戦 victory of divisions】 https://web.tsuribito.co.jp/basser/division2 つり人編集部 trend 191075325474 Thu, 05 Jun 2025 21:00:00 +0900

「出演者全員最強」を掲げるバスフィッシング・バトル企画、『釣戦 victory of divisions』。その第2戦となるDIVISION2が、ついに釣りビジョンVODで配信スタート!


今回の舞台は、国内屈指のデカバスフィールドとして知られる池原ダム。この難攻不落のフィールドに挑むのは、金森隆志、秦拓馬(ダウザー俺達。)、そして青木大介――まさに最強の呼び声高い3名の猛者たちだ。

さらに、今回のレギュレーションは「キーパー50cm以上」という、あまりにも過酷なもの。極限の状況下で、三者三様の戦略がぶつかり合う激闘から、一瞬たりとも目が離せない!

写真◎釣りビジョン 文◎編集部

釣戦 victory of divisionsとは?

『釣戦(いくさ) victory of divisions』は「出演者全員最強」を掲げ、毎回バスフィッシングのスターアングラーが集結する釣りビジョンVODオリジナル番組。

全国3つのフィールドを舞台に、選ばれし9名のトップアングラーが3名ずつに分かれて激突。各対決の勝者のみが、2025年秋の「チャンピオンシップ」で頂点を争う権利を手にする。

DIVISION2出演アングラー紹介

DIVISION1では川村光大郎・松本幸雄・伊藤巧のスーパーエキスパート3名が熱闘を繰り広げた。待望のDIVISION2には、“岸釣りの天才”金森隆志。“最強インフルエンサー”の異名を持つ「ダウザー俺達。」こと秦拓馬。そして“最強トーナメンター”青木大介が登場。それぞれが異なるスタイルで頂点を極めた、まさにドリームチームだ。

バス釣り界きっての理論派・金森隆志

バス釣り界随一の理論派にして、全国各地でビッグバスをMAKEする男、金森隆志。意外にも、今回の舞台である池原ダムは初挑戦となる。

しかし、初見のフィールドだからこそ、彼の頭の中には試すべきプランが渦巻いている。この難攻不落のフィールドをどう攻略するのか。その一挙手一投足から目が離せない!

金森隆志
金森隆志

最強インフルエンサー・秦拓馬

近年メディアでの解説者としての顔も知られる秦拓馬。しかし、その実像は国内最高峰トーナメント・JB TOP50で百戦錬磨の戦いを繰り広げた、生粋の勝負師である。

これまで様々なメディアで「映える」釣りを見せてきたその手腕に期待せずにはいられない。DIVISION2最大の注目アングラーと言えるだろう。

秦拓馬
秦拓馬

最強トーナメンター・青木大介

日米で数々のトーナメントを制覇し、“最強”の名を欲しいままにしてきたトーナメンター、青木大介。

今回の舞台、池原ダムは、彼にとって知り尽くしたフィールドだ。事実、本人が「取材で訪れて50アップが出なかったことはない」と断言するほど、絶対的な自信と実績を誇る。そして収録時期は春。得意のサイトフィッシングが炸裂するのか注目だ。

青木大介
青木大介

フィールドとレギュレーションはファンと決定

DIVISION2では、新たな試みとして「ファンの皆様の意見」を直接取り入れるイベントが開催された。その舞台となったのが、「フィッシングショーOSAKA2025」の釣りビジョンブース。

トークショーに登壇した金森隆志、秦拓馬、青木大介の3名が、来場したファンと対決するフィールドやレギュレーションについて直接ヒアリング。その結果、フィールドは奈良県の“ビッグバスの聖地”池原ダムに決定した。

そして何より特筆すべきは、そのレギュレーション。ファンとの協議の末、なんと「キーパーサイズ50cm以上」という、対決企画としては前代未聞のルールが採用されている。

池原ダムとはいえ、この高難易度のルールをクリアできるのか? ビッグベイトが乱舞するのか、はたまた熾烈なサイト合戦となるのか。極上のフィッシングバトルが開幕する。

トークショーの模様
ファンとともにフィールドとレギュレーションを決定

なお、トークショーの模様も、釣りビジョンVODで視聴可能。川村光大郎・松本幸雄・伊藤巧が出演するDIVISION1も好評配信中だ。

 

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シマノ・エクスセンス新製品を福岡・糸島で体感!「EXSENCE MEETING 2025」開催決定! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/exsencemeeting2025 つり人編集部 trend 190951018792 Thu, 05 Jun 2025 08:00:00 +0900

シマノが誇るシーバスブランド「エクスセンス」。その最新製品に誰よりも早く触れられるスペシャルイベント「EXSENCE MEETING 2025」が、福岡県福岡市糸島の「いとはん食堂」にて開催されることが決定しました。アングラー待望のこのイベントでは、今秋発売予定の最新タックルの展示・試投会はもちろん、開発秘話やプロのインプレッションが聞けるトークショーなど、盛りだくさんの内容が予定されています。

文◎編集部

「EXSENCE MEETING 2025」注目のプログラム

今回の「EXSENCE MEETING 2025」では、シーバスアングラーなら見逃せない、魅力的なコンテンツが多数用意されています。

最新タックルでの試投会を実施

2025年秋に登場する新製品を含む、エクスセンスシリーズのリール、ロッド、ルアーを実際に手に取り、キャストフィールを体感できる試投会が開催されます。憧れのタックルや気になる新製品の性能を、発売前に確かめられる絶好の機会です。

有名アングラーによるトークショー

シマノインストラクターの鈴木斉氏、嶋田仁正氏、松岡豪之氏が登場し、エクスセンスの最新情報や製品開発の裏側、そして新製品のインプレッションなどを語るスペシャルトークショーが開催。カタログだけでは分からない、製品の魅力に触れることができるでしょう。

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シマノルアーのNEW機構を先行公開

さらに、シマノルアーに搭載される新機構が、このイベントで先行公開される予定です。今後のルアーフィッシングシーンに影響を与えるかもしれない新技術を、いち早く目にすることができます。

イベント限定!オリジナルグッズ販売

会場では、「EXSENCE MEETING 2025」でしか手に入らないオリジナルTシャツなどの限定グッズ販売も行われます。ファン必携のレアアイテムを手に入れるチャンスです。

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参加特典も見逃せない!

イベント当日にアンケートに回答すると、「エクスセンス オリジナルステッカー」がもれなく1枚プレゼントされます。

「EXSENCE MEETING 2025」開催概要

主催: 株式会社シマノ
開催場所: いとはん食堂 (〒819-0165 福岡県福岡市西区今津4787-7)

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日程: 6月15日(日)10:00 〜 15:00
参加費: 無料
事前申し込み: 不要
試投タックル: 25AW新製品を含むエクスセンスシリーズのリール・ロッド・ルアー
※タックル内容が変更になる場合あり。

主催者より参加にあたっての注意事項

・参加者の交通事故、その他の事故について、主催者は一切責任を負いません。
・イベント中はくれぐれも、各自の責任において安全確保に努めてください。
・天候等の状況によりイベント当日朝に中止になることもございます。あらかじめご了承ください。
収集した個人情報については、適用あるプライバシーまたは個人情報に関連する法令および、株式会社シマノの個人情報保護方針および個人情報保護法に基づく公表事項に従って当該情報を取り扱います。
・試投していただく前にアンケートにて保険の加入をしていただきます。参加者の保険はシマノが負担いたします。補償の対象は参加者自身の死亡、後遺症障害、入院、通院、賠償責任になります(上限が定められています)。
・雨天時には、試投会が屋内展示イベントに変更される場合があります。
・環境を壊さないよう、ゴミはお持ち帰りいただくようご協力お願いします。
・主催者や各種メディア取材によって、SNSやHPなどに写真を掲載する場合がありますので予めご了承ください。

お問い合わせ

シマノ釣具お客様相談窓口:0120-861130
電話受付時間:9:00〜12:00 / 13:00〜17:00 (土日、祝日、弊社休業日を除く)

 

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もうズレない!ノーズパッドなし設計の快適偏光グラスが登場【シップスマストとエアフライのコラボモデル】 https://web.tsuribito.co.jp/shipsmastsg01 つり人編集部 trend 190954808876 Thu, 05 Jun 2025 02:00:00 +0900

人気フィッシングブランド「Shipsmast」「SHIPSMAST.U」と、ノーズパッドのないアイウェアでお馴染みの「AirFly」が共同開発した、釣り人向けの偏光サングラス「Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)」が登場しました。注目のノーズパッドなし設計による快適なかけ心地と、クリアな視界を追求したこの特別なモデルをご紹介します。

文◎編集部

「Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)」の主な特徴

フィッシングアパレルを手掛ける「Shipsmast(シップスマスト)」および「SHIPSMAST.U(シップスマスト・ユー)」より、注目の釣り用偏光グラス「Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス」がプラスエム・オンラインストア限定で発売されました。

本モデルは、高機能スポーツアイウェアで知られる「AirFly®(エアフライ)」との共同開発品。アングラーのパフォーマンスを最大限に引き出し、高い快適性を提供することを目指して作られています。

Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)
Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)

「ノーズパッドがない」という快適性

「SG01」の最大の特長は、AirFly®独自の革新的な「ノーズパッドを排除したデザイン」にあります。軽量なフレームを頬骨でしっかりと支えることで、サングラスのズレを効果的に抑え、長時間の釣行でも快適なかけ心地が持続します。

また、女性アングラーにとっては、ノーズパッドによるメイク崩れや肌に跡が残るといった悩みが軽減されるのも嬉しいポイントでしょう。

Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラスの正面と側面
ノーズパットのないデザインが特徴的

高性能偏光レンズを採用

レンズには、信頼性の高いコンベックス社製レンズを使用。偏光度99%・可視光線透過率15%の特性により、水面のギラつきや反射光を抑え、水中の状況や魚影をより捉えやすくなります。また、様々な光の条件下で安定した視認性を実現してくれるのも特徴です。

Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)を使用した際の見え方のイメージ
見え方のイメージ

優れたデザイン性

「Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス」は、優れた機能性のみならず、ファッションアイテムとしての洗練されたデザインも魅力です。

フレームカラーには、落ち着きのある「クリアブラック」と、顔周りを明るく彩る「クリアピンク」の2色が用意されています。また、レンズカラーも、シーンや好みに合わせて定番のグレーとスタイリッシュなブラウンから選ぶことが可能です。

また、性別を問わずフィットするユニセックスデザインなのも嬉しいポイントです。

Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)ブラック
デザイン性にも優れている

「Shipsmast×.U × AirFly 偏光グラス(SG01)」製品概要

・型番 SG01-CBK01・02/SG01-CPK-01・02
・カラー フレーム色/クリアブラック・クリアピンク レンズ色/グレー・ブラウン 各フレーム 2色種レンズ
・発売日 2025年 5月30日
・定価 33,000円(税込価格)

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釣りで心が整う?英国調査が示した意外な相関関係 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/mental_fishing つり人編集部 trend 190345675019 Tue, 03 Jun 2025 01:00:00 +0900

近年、釣りが心の健康に及ぼす効果が注目されている。釣りがメンタルヘルスに寄与しうるレクリエーションとして再評価されつつあるのだ。釣りの社会的意義を再考し、その価値を広く伝える時がきている。

近年、釣りが心の健康に及ぼす効果が注目されている。釣りがメンタルヘルスに寄与しうるレクリエーションとして再評価されつつあるのだ。釣りの社会的意義を再考し、その価値を広く伝える時がきている。

写真と文◎編集部

この記事の概要

・レジャーである釣りの社会的な意義は軽視されてきた

・英国での調査などにより、釣りとメンタルヘルスの関係が証明されつつある

・釣行が心の健康によい影響をもたらすとすれば、その価値はレジャーにとどまらず公的な健康政策の一部となりえる

・その認識がもっと一般的になれば、釣り場を守り文化を未来に伝えていくことにも、大きな意味を持つだろう

注目される釣りの治癒力

先日、ときの内閣総理大臣・石破茂さんが、国会での答弁にて公益財団法人・日本釣振興会の活動に言及されたことをご存知だろうか。これは2025年3月6日の参議院予算委員会でのこと。教師から議員になり不登校や引きこもり支援に取り組む下野六太さんの質問への答弁で、下野さんの働きかけで実現した、釣りで不登校や引きこもりを予防して社会復帰を促す同団体の取り組みを高く評価。政府としても同様な民間団体の取り組みをできるかぎり支援していくと述べたのだ。

内閣府によると15〜64歳で引きこもり状態となっている人は50人に1人にのぼる。各分野で深刻な人材不足に直面している我が国では、高いストレスに曝される現役世代の心の健康をいかにして保ち社会で活躍してもらうかが重要な問題である。また、最近の国政選挙の争点にもなっているとおり、医療費の財政圧迫と財源の捻出は喫緊の課題となっている。厚労省の統計では心療内科の医療費も年々増加の一途をたどり、令和4年度には1千億円を突破。これは循環器科や婦人科と同等の水準だ。その情勢の中で、メンタルヘルスにおける釣りの役割はこれまで以上に注目されていると言っていい。

私たち釣り人からすれば、釣りが精神面によい影響を与えることは自明のことのように思えるが、社会の中での釣りはあくまで遊び・レクリエーション・道楽として捉えられ、その社会的意義は軽視されてきた。

その一方、近年ではさまざまな調査によって、釣りとメンタルヘルスのポジティブな関係性も証明されつつある。

そこで本稿では、近年の研究を紹介しつつ、精神面に対する釣りの効能と、それが明らかになることによる釣りの社会的地位の向上と意義を考察する。レクリエーションの枠を超えた釣りの進化を、改めて見つめ直したい。

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英国の調査にて

釣りとメンタルヘルスとの良好な関係性を裏づける研究が、2023年に英国で発表された。アルスター大学やクイーンズ大学ベルファストなどに所属する著者らが英国内の釣り人を対象に行なった調査をまとめた論文が、査読付きの医療系ジャーナル「Epidemiologia」に掲載されたのだ(『Mental Health and RecreationalAngling in UK Adult Males: ACross-Sectional Study』)。

おもにSNSによって募集した同国の釣り好きを対象としたアンケート調査を行ない、釣りの頻度と精神状態の関連性を検証したものだ。アンケート調査ではあるが、精神面の分析には臨床心理学の現場でも使われる信頼性の高いテストが用いられているので、これまでの調査と比べても客観性が高い。この調査で明らかになったのは、釣行頻度が高い人ほどうつ病・統合失調症・自殺念慮・故意の自傷行為の診断を受けている可能性が低いことと、良好な精神状態を示すテストのスコアが高く、うつ・不安症状を示すスコアが低かったことだ。統計学的な解析によって釣りの頻度と精神状態の良好さにはっきりとした相関が示された格好だ。

ただし、両者の因果関係は不明なので、釣りに行くことがメンタルヘルスを改善するのか、精神状態が良好だから釣りにたくさん行けているのかはわからない。だが、森林浴やウォーキングなど緑の豊かな屋外での活動が、ストレス反応を緩和することがホルモン濃度・血圧・心拍数などの変化から確認された研究もあるため、釣りがストレスの緩和に有効だと主張することも充分可能だろう。この点については、釣行時の精神状態の変化を観察して因果関係を示すようなさらなる研究が行なわれることを期待したい。

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なぜ釣りはこころを整えるのか

私たち釣り人は、釣りがメンタルヘルスによい影響を与えることを経験からも実感している。その理由を考察してみよう。

自己肯定感を育てられる

まず、釣りを経験することで自己肯定感を育てられること。釣りの楽しさの本質は実際に魚を手にすることではなく、魚を手にするための試行錯誤の過程にある。誰も答えをもっていない自然を相手に、自分なりにアレコレ試した結果として魚から反応が返ってくると、とくに子どもにとって貴重な成功体験となる。現代社会では、仕事や人間関係の中で成功や承認を得ることが難しくなっている人も多い。そんな中で、自分の選択と工夫によって結果を得られる釣りは、「自分にもできた」と思わせてくれる貴重な体験であり、困難に直面しても前向きに考える力が育つ。

日常生活から離れられる

また、水辺に立って魚と向き合うことで、必然的に日常生活から離れたものに意識を向けられる点も重要な効能だ。

たとえば仕事のストレス。若者はたいてい仕事で失敗し上司や先輩から指導を受ける。ここでナニクソと向上心につなげて成長できる人もいれば、追い詰められて精神を病んでしまう人もいる。そこまで追い詰められる前に状況を改善する手段もあるように見えるのだが、本人は極度のストレスに曝されて視野が狭くなり、取り得る選択肢を見失ってしまうように見受けられる。

そんなときに水辺でロッドを振れば、ストレスの原因になっているもの以外にも意識を向けられる余地が生まれ、状況を改善する行動も思いつきやすくなるだろう。渾身のキャストにねらいどおり魚がヒットしてくれれば、宇宙とかユニバース的なものから肯定された気分になり「ヨッシ! 明日はムカつく先輩にひと言モノ申してやろう」といった心境で出社できるようになるかもしれない。

まぁ、つり人社のようなまともな企業であれば、先輩が怒りまくっている理由はたいてい私自身の未熟さにあるため、さらなる反省を促されるだけなのだが、八方塞がりになるまえに行動を変えるきっかけをもらえるのが重要なのだ。もし釣りに行っても嫌な気分ばかりが襲ってくるようなら、うつ病の初期症状の可能性に気づき、医療機関に頼るという判断もできるだろう。

釣りでのメンタルヘルス治療も

事実、英国では近年「ソーシャル・プリスクライビング(社会的処方)」という医療アプローチが拡大している。これは、医師が患者に対して薬ではなく地域の活動や自然との関わりを処方するというもので、うつ症状や不安障害の患者に釣りや園芸、ウォーキングなどを勧めるケースが実際に存在する。

このように気分が落ちている人を前向きな気持ちにしてくれるとしたら、釣りを趣味とする人間として誇らしいことだし、未経験者もどんどん釣りに誘って楽しさを経験してもらいたくなる。

さらに強調したいのは、釣りのメンタルヘルス効果が個人の癒しにとどまらず、社会的にも意義を持ちうるという点である。先に述べたとおり、精神疾患にかかる医療費も年々拡大し、働く世代の心の病が社会保障制度を圧迫しうる状況となっている。

もし釣りという行為が、精神疾患を未然に予防できるならば、その価値はレジャーの枠を超えて、公的な健康政策の一部として考えられても不思議ではない。

釣りが好きで自然に惹かれる行動には、人の健康にも影響を与えうる力があるということを広く理解してもらうことが、釣りというレクリエーションの地位向上につながるのである。

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釣り人の声が届かない現実を変える力にも

釣りの社会的地位向上は、行政の意思決定に釣り人の声を届けやすくすることにもつながる。日本の多くの地域では、釣り対象魚の生息域が開発や治水事業の対象となることが珍しくない。川辺がコンクリートで固められたり、水源地の開発が渇水の引き金となったりする事例は枚挙にいとまがない。また、さまざまな理由による釣り禁止区域の拡大は釣り文化の継承に重大な脅威となっている。

そのような流れの中で、釣り人の声は「趣味人のワガママ」として片付けられがちである。「釣り=遊びであり、遊びに公共性はない」という固定観念から、釣り場を守りたい、魚の生息環境を守りたいと願う釣り人の発言は、利害関係者であるにもかかわらず、公共的な意義を認められにくい現状がある。

こうした状況において、英国の研究などによって釣りのメンタルヘルスへの効果が証明されつつあることは、極めて大きな意義を持つ。なぜなら、釣りを「レクリエーション=遊び」ではなく、「パブリックヘルス=公衆衛生に資する行為」と再定義することで、釣りという活動に公共性が生まれるからである。

つまり、釣り場の保全は単なる趣味のための要求ではなく、地域住民の心身の健康を支える社会基盤の維持として位置づけられる可能性が出てくる。

釣りの持つ力を発信

月刊つり人2024年11月号では「釣り人のためのパブリックアフェアーズ入門」と題し、釣り人が社会のルール作りに参画するための方法論を取材した記事を掲載した。取材したのはロビーイングのための戦略的な情報発信や利害関係者との合意形成を支援する専門のコンサルティングファーム。

そこで教えてもらったのも、自分たちの意見の公共性を繰り返し訴えていくことの重要性だった。釣り人だけが得をするのではなく、社会全体にとって利益があることだと異なる立場の人へも伝え、味方を増やしていくことが合意形成を図るうえで極めて重要なのだ。

自分たちの行動に健康的・社会的意義があることを釣り人自身が認識し、それを発信していくことが、今後の釣り文化にとって重要な転換点となるだろう。これまで「釣り場が減って困る」「禁止されて残念だ」としか語れなかった言葉を、「釣りは心の健康に役立っている」「地域の活力を支えている」という公共的な語り口へと広げていくことは、まさに味方を増やすためのコミュニケーションだ。

現在、我が国の政策立案の現場では内閣府の号令のもと「EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)」という考え方が推進されている。和訳すれば証拠に基づく政策立案であり、要するに従来のように特定の団体からの陳情などを参考に政策を決めるのではなく、問題を解決するための政策を統計や学術データなどの根拠をもとに立案しましょうというもの。

水産資源管理のグダグダっぷりなどを見ると、まだまだその方針が徹底されているようには見えないものの、ともかく将来的にはそのように国の舵取りがなされることが期待されている。その流れの中にあって、行政や政策立案者へ釣りの意義をエビデンスとともに伝えるためにも、釣りとメンタルヘルスの研究には大いに注目していきたい。

石破総理が国会という公の場で述べたように、パブリックヘルスに対する釣りの効能が公的な価値として認められつつある。ただの道楽と見られがちだった釣りを愛する私たちは、それが社会に寄与する力があるという確信を胸に、多くの人にその価値と楽しさを知ってもらうことにも力を注いでいきたいものだ。

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釣り糸とリーダーの結び方!どれが最強? エギングロッドおすすめ16選 【写真解説】ヒラマサとブリ、カンパチの違いとは?【見分け方】 【クロダイ仕掛け】フリーリグチニングのはじめかた 【投げ釣り】遠投できる投げ方の基本を解説! 目指せ200m超!
春の風物詩!手賀沼ホソで楽しむマブナの乗っ込み https://web.tsuribito.co.jp/beginner/syakubuna_teganuma つり人編集部 trend 190303402860 Mon, 02 Jun 2025 01:00:00 +0900

都心からほど近い水辺でも味わえる旬の釣りがある。マブナの乗っ込みは、足で探すことで出会える春の楽しみだ。ホソを巡ってのどかな釣りを満喫しよう

写真と文◎編集部

騒がしい水辺にフナを追う

春の釣りと言われて連想するのは何だろう。解禁を迎えた渓流釣り、春告魚とも呼ばれるメバル、春イカ……いろいろあるが、やはりマブナの乗っ込みは春を代表する釣りと言えるだろう。乗っ込みというのは産卵のために魚が浅場に入り込んでくることを指す。幅1mもない細い水路でフナやコイがバシャバシャと水面を騒ぎ立てるようすは春の風物詩でもある。

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魚の反応を追い求めてホソと呼ばれる小さな水路を巡る時間は、春の陽気と相まって格別の趣がある。難しい道具立ては不要で子どもでも楽しめる。
さらに釣り場は市街地からも遠くないというのもこの釣りの魅力だ。
そんな手軽なマブナ釣りをはじめとした淡水の小物釣りに長年親しみ、釣り専門出版社のつり人社刊行の人気釣り場ガイドであるキラキラ釣り場シリーズを執筆してきたのが坂本和久さん。3月下旬、寒の戻りのタイミングではあったが、坂本さんは手賀沼周辺のホソへ今年のようすを伺いに足を運んだ。都心から1時間ほどでアクセスできる位置にある手賀沼は周辺に多数の水路が張り巡らされている。かつては広大な湿地帯だったが、明治以降、周辺の新田開発に伴い農業用水として活用されてきた。昭和に入ると干拓が進み、沼の面積は縮小。日本一汚い湖沼と呼ばれていた時期もあったが、下水処理施設の整備や浄化事業、環境保全活動などが展開されたことで近年は水質が回復傾向にあり、魚影も戻りつつある。マブナ以外にもヘラブナやタナゴ釣りファンも多い都市近郊の人気釣り場だ。
JR成田線の湖北駅、新木駅を利用すれば釣り場まで歩いて行けるため、坂本さんは電車釣行することも多いという。
「手賀沼のホソのベストシーズンはGW明けです。GW中はちょうど田植えのタイミングと重なることが多く、濁りがきついとなかなか難しい釣りになります。釣果は日によってばらつきますが、それもまた春のフナ釣りの面白いところです」すでに乗っ込みは始まっているようで、数日前に訪れた時はホソで18㎝程度の中ブナを10尾ほど釣ったとのこと。しかし、前日に冷たい雨が降ったため同じように釣れるかは分からないと坂本さん。
最初に向かったのは手賀沼から流れ出す手賀川に掛かる浅間橋付近のホソ。
本流に繋がる水門近くの水路が十文字状に分岐したポイントを丁寧に探っていく。
「十字になっているところは周辺よりも深く掘れていることが多く、本流から入ってきた魚が留まる一級ポイントになります。まずはアカムシで釣ってみます」
坂本さんはシモリ仕掛けを使い、ウキの沈み具合でカケアガリを確認していく。水中にあったウキがわずかに揺れたのを見逃さずにアワセを入れるとサオが絞り込まれた。しかし、掛かったのはコイ。
50㎝近いがなんとかタモ入れしてすぐにリリースした。

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最初に掛かったのはコイ。君じゃないんだよと肩を落とす坂本さん

 

釣り荒れたので水路沿いに少し歩いて橋の陰、アシやオダの際など細かく仕掛けを投げ入れて探っていくがアタリはない。
土手を越えて本流側を探るもののこちらも反応なし。
「雨で魚が動いたのかな。この前まで入っていた魚は産卵を終えてホソから抜けちゃったみたいだから場所を変えましょう」移動した先は手賀川に並行して流れる新木水路。ヘラブナ釣りを楽しむ人たちで賑わっている。ここは中央に向かってなだらかに深くなっていく地形で目立った変化は多くないそうだ。水の動くところがねらいめだという。水路や機場、パイプからの落ち込みは有望ポイントなので必ずチェックしたい。

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道の駅しょうなん近くにあるホソも行ってみたがハズレ


この日坂本さんが用意したのは2.8~3.6mほどの渓流用振り出しザオ。
サオの長さを変えられるズーム機能が搭載されているものだと何かと便利だ。
仕掛けには7つのウキを付けており、着底までの時間も魚にエサの存在をアピールできるように、なるべくゆっくりシモるよう調整してある。ウキ止メゴムで挟んだ丸カンに上バリを付けた2本バリ仕掛けが坂本さんのこだわり。
上バリを遊動にすることでハリスの長さが変わってもエサの位置を調節できるようになっている。エサはアカムシとミミズを用意しており、坂本さんの経験上、ミミズだとコイが掛かりにくいそうだ。 この日は目に見えるほど水路からの水の流入はないが、水路の合流点に仕掛けを振り込む。反応がなくてもすぐに打ち直さず、底を這わせるようにして徐々に手前に寄せてくる。すると明確な食い上げアタリ! 間髪を入れずに合わせるとサオは大きな弧を描いた。サオをため続けて魚を浮かせる坂本さんだが、なかなか水面まで浮き上がってこない。空気を吸わせてようやくおとなしくなった魚は、見事な体躯をした尺ブナである。

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「一度モジリがあったのですがアタリがなく、アピール重視でエサをミミズに変えてもう一度同じポイントを探ったら来ました。ここは回遊するフナが少し足を止める場所なので少し粘って正解でした」
会心の一尾に坂本さんも満足そうだ。
その後、新木水路をひととおり回ったが、フナの反応はなく納竿とした。
この釣りはすぐに反応が出る釣りなので、アタリがなければ移動して広く探っていくことが釣果を伸ばすコツになる。小誌発売の頃はより魚の動きが活発になっていて浅場を泳ぎ回る魚の姿が見えるはず。これもポイント選びのひとつになるはずなので手賀沼一帯の水路を探索してみてはいかがだろうか。

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2025 シマノ デカ鮎CUP in 九頭竜川 参加者募集中! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/shimano_dekaayucup つり人編集部 trend 190821407514 Fri, 30 May 2025 16:00:00 +0900

 

2025年8月29日(金)、福井県・九頭竜川中部漁協管轄エリアにて、「シマノ デカ鮎CUP」が初開催されます。
順位は釣ったアユの総重量で決定。
尾数制限があるため、いかに大きなアユを釣り上げるかが勝負のカギとなります。
出場枠は100名(抽選制)、参加受付は7月28日(月)まで。

尺鮎がねらえる人気河川で、真夏のデカ鮎勝負に挑もう!

写真と文◎編集部

大会概要

開催日:2025年8月29日(金)
予備日:9月3日(水)
会場:九頭竜川中部漁協管轄内(本部:五松橋右岸予定)
募集定員:100名(抽選制)
募集期限:2025年7月28日(月)まで
参加費:4,700円(税込)※おとり代含む/入漁券は別途必要(現地購入可)

申込方法

申し込みはWEB受付のみ。
シマノイベントメンバーズに登録のうえ、申し込みください。

参加資格・条件

日本国内在住の方
20歳未満の方は保護者の署名・捺印が必要(誓約書持参)
シマノ製の鮎竿を使用(予備竿含む)

競技ルール・表彰

順位決定方法:鮎の総重量(匹数制限あり)
表彰:
1位~3位:オリジナルクリスタルトロフィー
フォースシリーズ特別参加賞(対象:リミテッドプロTF、スペシャルトリプルフォース、ドラゴンフォース、アドバンフォース、プロセレクトTF、エフティーフォース/受付時に提示)
参加賞:オリジナルキャップ(競技中着用)・ステッカー
お楽しみ抽選会あり

お問い合わせ

シマノ エントリーセンター
TEL:03-6625-5520(受付時間:10:00~17:00 ※土日祝除く)
※混雑が予想されますので、余裕をもった時間帯にご連絡ください。

 

 

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レイクトラウトの聖地・中禅寺湖で縦軌道ルアーが炸裂 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/raketrout_tyuzenji つり人編集部 trend 190300161154 Thu, 29 May 2025 01:00:00 +0900

4月1日から岸釣りの解禁迎えた栃木県中禅寺湖。ルアーフィッシングとフライフィッシングが盛んなこの湖では何といってもレイクトラウトが有名だ。今年で本流サクラマス釣り歴33年を迎えた筆者だが、日光の雄大な自然に囲まれたこの山上湖にビッグトラウトの新境地を探し求めている──

写真と文◎佐藤文紀

憧れ続けた中禅寺湖

中禅寺湖を含む栃木県日光といえば観光地として全国的にその名が知れ渡る。 学生の修学旅行先としてはもちろん、昨今はインバウンドの訪日外国人観光客の人気スポットともなっている。

中禅寺という寺院があり、そのほとりにある湖ということで中禅寺湖の名称がつけられたという由来がある。近くに雄大な男体山がそびえ、釣りができる湖としては日本で最も標高が高い位置に存在する。

実際、麓の宇都宮市街地と中禅寺湖では同じ栃木県内といえど、気温の差がまるで別物。ゆえに湖内環境も長きに渡って冷水が保たれることにより、低温環境に適したレイクトラウトが繁栄する。

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トラウティストにはよく知られた話であるがサクラマスをルアーでねらうにあたり適した水温は一般に8~12℃とされているが、レイクトラウトは水温4~10℃までの範囲が最も適しているとされている。こういった低めの温度環境が中禅寺湖で保たれていることにより、日本への導入から60年近くが経過しても代々レイクトラウトがこの湖に適応を重ねてきたのだろう。

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中禅寺湖はレイクトラウトのほか、レインボートラウト・ブラウントラウト・ブルックトラウト・イワナ・ホンマス・ヒメマスの計7種のサケ科魚類の生息が確認されており、同一の湖に7種類ものサケマスが生息する事例は北海道を含めて日本では他に例を見ないほど珍しい。〝トラウトフィッシングの聖地〟と称される所以だ。レイクトラウトは魚の属性でいうとイワナの仲間であり、元がヤマメであるサクラマスとは釣り方は異なる。正直、別物だと認識する。サクラマス歴が長いがゆえ自身のトラウトフィッシングの根底がサクラマスベースにつき解釈のズレが生じることとなり、当初はレイクトラウトならではの特性に自身の釣り方を合わせられずにいたのを実感した。

ただ時折、岸近くまで回遊してくるレイクトラウトの姿を観察することで見えてきたのは、意外にも海のロックフィッシュ、アカハタやアイナメ釣りで馴染んだラインを縦に操作する縦軌道の釣りが突破口になった。

一般的にイワナの仲間、そして北海道に生息するイトウは夜目が利くということが知られている。このことは夜間でも獲物が見えていて暗闇でも捕食できる、ということだ。

対してサクラマス(ヤマメ)は陽の光に敏感で、太陽光の有無と光の差す角度も行動に影響し釣果のカギを握る。このイワナとヤマメの元々の違いは大きくて、イワナの仲間であるレイクトラウトは朝イチの光量が少ない時間帯は水面直下でも積極的に小魚を追い、ボイル音やライズも見られるが朝の時合が終了するとしだいに泳層がボトムに向かって下がっていくためヒットレンジもそれに伴い下がっていく傾向がある。

朝一はただ巻き主体のルアーによる横の動き(一定の速度で横にルアーを引っ張る釣り)と、日中はスプーンやメタルジグといった金属ルアーを使ってラインを縦に入れる釣りが効果的だ。

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マスケグ桜鱒SP20g のPO-6 カラーのただ巻きにヒットしたレイクトラウト。横に一直線に引ける、ただ巻きでのアクションが得意なスプーンだ

 

スプーンに関しても中禅寺湖の場合は、河川のサクラマス釣りで多用されるようなクロスで投げてダウンクロス状態からのU 字ターンできれいに泳ぎきるタイプのみならず、独特のスライド幅を持って真横にズレてフォールする、いわゆるスライドスプーン系やリールを半回転させていくデジ巻きメソッドのルアーアクションが普及しているが、これらは本流ビッグトラウトでは使われていない概念であり、エリアトラウト発祥と思われるメソッドが湖(止水環境下)のネイティブフィールドでもうまく適合、溶け込んだ稀有な例ではないだろうか。

スプーンやメタルジグを使った場合でも本流サクラマスや同湖のホンマスやレインボートラウトと違ってレイクトラウトに関していえば、横方向へのただ巻き一辺倒では反応させられる条件や間合いが短い、という点。

通常、本流サクラマスにせよ渓流のヤマメにせよ、自分の目線よりも下に入ったルアーをわざわざ拾い食いするようなことはほぼない。むしろそういうルアーは見切って避ける傾向がある。ヒット時には必然的に下方から上方に食い上げて反転する形のバイトになるからだ。

それがレイクトラウトの場合には鱒であるにも関わらず、海の根魚である肉食寄りの雑食魚であるアイナメのように目線を下にしてボトムのエサをついばむようにして捕食することも珍しくない。この特徴こそが日本のサケ科魚類とは異なる点で、レイクトラウトならではの釣り味と釣りの趣につながっているものと思う。

宙層にワカサギの群れが浮いていれば話は別だが、これとは別にボトムべったりや底石の隙間に潜むゴリなどのハゼ科のベイトフィッシュやエビをねらって回遊するレイクトラウトも実際のところ少なくないそうだ。ハゼ科のベイトフィッシュにしてもエビにしても長距離を泳ぐ生物ではない。 縦の壁際に追い込んで捕食したり、上方から下方についばむようにして捕食も行なう。

このため、スプーンやメタルジグを段階別にホップさせてからのフォールのアクションやボトムバンプの最中、ジャーク&フォールやリフト&フォール、デジ巻きの最中にもアタリが訪れる。むしろ表層や中層を回遊する他のビッグトラウトのように引っ手繰るような手もとにガツン!と衝撃が伝わるアタリではなくて、ロッドティップにコツン、と来る細かい(小さい)アタリがレイクトラウトでは多いのである。 こういった縦軌道の釣りはナイロンラインでは伸びがあってアタリが取りづらいので、低気温による凍結の問題さえクリアできるならばPEラインのほうが取りやすい。

レイクトラウト独特のバイトの仕方は普段釣り慣れたサクラマスや他のトラウトには見られない特徴で、極めて低水温下を適合環境とするレイクトラウトが独自に進化した捕食形態と解釈しても差支えないのではないだろうか。

捕食の仕方のレパートリーが広い点は他の大型トラウトには見られない特徴で、この点もまた釣り方を考察するうえで大きな魅力だろう。中禅寺湖の水深は深く、岸からルアーを投げて届く範囲でもカウント30~40といったポイントはザラにある。着底するまでのフォール時間が長い分、魚にルアーを見せてアピールする時間も長くとれる。

岸から投げて釣る分には深さがあるポイントでも15mないし25mくらいまでがねらいやすいが、深い水深から一気に釣りあげると空気で浮袋が膨らんでしまう可能性があるので、トラウトフィッシングとはいえエアー抜きのハリは魚を取り扱う上でのマナーとしてこの湖ではぜひとも携行したい。

遊漁期間と遊漁エリアは季節によって規則が決められていること、そして遊漁券販売所の位置も釣行に向かう前に事前に下調べしておきたい。

2024年は5月と6月に釣行し、自身は国道側のみで釣果に恵まれた。アクセスのよい国道側は入りやすいだけに常に釣り人が多いが、人通りの多い国道側の向かい側、通称〝山側〟は遊歩道からの傾斜を降りていく釣り場になる。山側は奥に行くに従い歩く時間も相応に要するため荷物を背負いつつ山林を徒歩で向かうことになるので体力に自信があり、なるべく人の少ない場所で釣りたい人に向いているエリアだ。クマ対策も欠かせない。

初夏まではレイクトラウトのみならず、レインボートラウトとブラウントラウトの姿も岸沿いで見かけることも多い。いずれのトラウトも型はよいが追っているエサの種類が異なっていたり、捕食スピードが違うこともあってそれぞれ違った釣り方を楽しめる。

中禅寺湖では夕方の時合になると岸沿いの中層をブラウントラウトがブレイクのショルダーに沿って回遊するのでこんなときは中層をスプーンでただ巻きするとヒットしやすい。

河川の障害物周りに居着くブラウントラウトに比べ、湖の中層を回遊するブラウントラウトは銀毛が強く同じ種類の魚ながら発色の趣もやや違って見えるところも注目に値する。  国道側は観光施設や食事処も多いので観光地のアクティビティーとしても春~初夏の中禅寺湖釣行はおすすめである。 4月から解禁になり、5~6月はそのピークが訪れる。

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テンカラ釣り歴 60 年レジェンド天野勝利が語る!水面をもがく 「逆さ毛バリ」 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/tenkara60 つり人編集部 trend 190172020920 Mon, 26 May 2025 01:00:00 +0900

渓流釣り界のレジェンド、天野勝利さんは御年80歳。本流テンカラの核心である「逆さ毛バリ」の真実を知りたくて、下呂のご自宅を訪ねた

写真と文◎編集部

ベテランに魅せられ

天野勝利さんの自宅は日本三名泉のひとつに数えられる下呂温泉の市街地からやや離れた萩原にある。天野さんが創業し息子の寛さんが後を継いだ「お食事処お宿 あまの」がそうだ。
自宅前には益田川が流れ幼いころからアマゴ釣りに親しんでいるが、テンカラを始めたのはいつ頃なのだろう。
「20歳の時やったと思う。子どもの時分からエサ釣りをやっとって姿が見えるのに釣れない魚がおった。水面で虫を食うアマゴや流しきったエサが浮上する時に飛び付くアマゴ。どうすれば釣れるのか思っとったころ、ビクにボリュームのあるアマゴをたくさん入れたおじさんと出会った。対岸の村に住む聾唖の人で、耳も聞こえんし喋れんからどうやって釣ったのか聞くこともできん。それに技を隠そうとする人やった。
 ある時そのおじさんがうちの前にあった大きな淵で毛バリを振っていた。こっそりと釣り方を観察していると、2mくらいの竹ザオで5mくらいの馬素(馬の毛を撚り合わせたイト)を使いピシャッと水面を叩くような振り込みで釣っていた。そんなやり方で釣れるのかと思っていたら釣れた。それも1匹ではなしに数匹。これは後から考え付いたことやけど深い淵の底にる魚は水面の毛バリになかなか気付いてくれん。だから時にはラインで水面を叩くようにして意識を上に向かせる。それで別の場所を釣ってからもういっぺん入り直して今度は慎重に釣る。すると不思議に釣れる。まあそんなおじさんの釣りを見ていたらテンカラという釣りも面白いなと思うた」

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逆さ毛バリは食性以外にも威嚇の本能をも引き出す釣りと天野さんは考える


 今年傘寿を迎える天野さんにとって60年前の話である。「釣りの名人はエサ採り名人」と天野さんは言う。魚が常食する川虫が多い場所を知っていて、時期によって流れやすい虫や羽化するタイミングなども観察している「私は恵まれた場所に住んどるからね。季節に合った釣りしかせんのです。春先の水が高い時期にテンカラはやりません。ある程度水が温かくなってから渇水の時に釣る。いつもテンカラを始めるのは4月20日過ぎ。ちょうどこの辺でヤマブキの花が咲くころやね。自然の暦こよみが読める人はよく釣れる。状況がいい時に釣らんと釣りが楽しみではなくなる。苦しみになってしまう(笑)」
 益田川流域には小坂川や山之口川といった美しい支流もあるが、天野さんが好んで行くのは馬瀬川だ。

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「馬瀬は優しい流れで伸び伸びと釣れる。小坂川もいい魚はいますが、よっぽどな状況でないとやらんな。流れが荒々しいとは言わんとしても渓は深い。私は本流志向なもんで沢の釣りが好きではない」
 川幅の広いエリアで釣りを好んでするうち、サオの倍ちかくある6~7mのラインを操る本流テンカラ釣りが生まれた。
「テンカラは一人一派。いろんな考えをもった釣り人がいます。私のやっとる逆さ毛バリの考えをいえば、魚の食性だけに訴える釣りではないということです。アマゴが口を使うのは捕食のためだけでなく、威嚇とか好奇心とか他の理由もあると思う。そうした反応を引き出すにはただ流すのではなく毛バリの動きが必要なのじゃなかろうかと。渓流のルアー釣りもそうでしょう。ミノーやスプーンを捕食のためだけに食っていないと考えます。 川をのぞいとると我々にはゴミにも見えんような小さな虫がもがきながら流れていて、泡の浮かぶカガミでその虫を食べるアマゴが見える。多くはポチュッと大人しい食い方をするけど中にはバシャッと勢いよく出る魚もいる。なにか反応の仕方が違うように感じるくらい食べ方の勢いが違う。こういうヤル気を引き出すにも毛バリの動きが有効と思っとるわけです」と。渓流のルアー釣りもそうでしょう。ミノーやスプーンを捕食のためだけに食っていないと考えます。川をのぞいとると我々にはゴミにも見えんような小さな虫がもがきながら流れていて、泡の浮かぶカガミでその虫を食べるアマゴが見える。多くはポチュッと大人しい食い方をするけど中にはバシャッと勢いよく出る魚もいる。
なにか反応の仕方が違うように感じるくらい食べ方の勢いが違う。こういうヤル気を引き出すにも毛バリの動きが有効と思っとるわけです」 逆さ毛バリに使うハリはオーナー「渓流」8号。いわゆる普通のミミ付きの渓流バリでワンサイズしか使わない。

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イトを通すアイはコイ釣り用の1号の吸い込みイト(絹糸)をフトコロの内側に折り返してセットしスレッドで巻いていく。ハックルはキジの胸毛だ。逆立てるようにスレッドで巻き上げる。
「昔の私の毛バリは毛が下向きの〝順毛バリ〟でした。そのうち動きを付けるには逆に巻いたらどうだろうかと思った。誘う動作の中で毛が開いたり閉じたりする効果が得られるのではないかと。もうひとつは遠くに毛バリを飛ばしたい。毛を逆さに巻けばバトミントンの羽根と同じような効果が期待できます。抵抗が少なくて飛びやすく的を射抜きやすい。思うようにポイントに飛ばせて魚に口を使わすことができれば〝してやったり〟という会心の釣りができるでしょう」天野さんはそう言って逆さ毛バリの巻き方を実演して見せた。

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天野さんの釣り部屋には木枠のタモ、ビク、エサ箱といった手作りの釣り具が所狭しと並び、さまざまな競技会の賞状が貼られていた

 

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逆さ毛バリを作るのに必要な道具は少ない。スレッドとボビンホルダー、アイにする絹糸(コイ釣り用の吸い込みイト1 号)、キジの胸毛、瞬間接着剤、ハサミ

 

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ハリはオーナー「渓流」8 号しか使わない


バイスは使わずに手でハリを保持してパッパと巻き上げていく。天野さんのもとを訪れたのは4月8日。下呂にはまだ桜が咲いておらず当地も雪が多かったことから周辺の水脈のアマゴは本調子になっていない。先述のとおり4月20日過ぎにならなければテンカラはやらないと言っていた天野さんだが、無理を言って馬瀬川で実演をしていただいた。サオの長さの倍となるロングラインを操るのが天野さんの流儀である。
「長いラインを振り込めるようになれば釣りの大半はできています。大事なことは急いで振り込まない。跳ね上げたラインが後ろでしっかり伸びるまで一間置いて、前に伸びるラインが失速する前にサオ先を少し戻してやる。そうすることで毛バリから着水します」
 渓流釣りの基本は上流に向かって釣り上がりつつ上流に毛バリを振るが、本流を好む天野さんは釣り下り正面から下流を釣ることが多い。ねらいのポイントは流心の脇、石裏の巻く流れ。
天野さんに言わせると魚の退避場所と言うような流れの緩いスポットだ。
 毛バリの着水時にはドラグが掛からないようにラインを置いて、水面の上にあるテーパーラインのタルミを上下に躍らせるようにして誘いをかける。流しても3~4秒と短いストロークである。
「誘いとアワセは一体であれとよく言うんですが、つまり誘いの動作の中でアワセも決めます。沈んでいる毛バリの周辺を注視して魚が反転する姿などを確認してから合わせます。大概の人はアワセが早すぎるんですね」
 天野さんがよく釣る4月下旬以降はトビケラが羽化して水面に浮上する時期とも重なる。それは水面直下をもがくように動く逆さ毛バリの誘いにも近い。ただ、誘いをかけ続けると捕食レーンからズレやすく食い損ないも多い。
そこでアマゴが捕食しやすい誘いのリズムをつかむのが大切と言う。
「誘いのリズムは日によっても場所によっても違う。感覚的で説明しにくいですが、それが合うとよく釣れる」
 この日訪れた馬瀬川は小雨がパラッと降り虫も飛び交っていたが水温は冷たくライズも見られない。天野さんは「まんだ水が〝硬い〟」と言った。冷たくて魚が動きにくい温度なのだ。
「エサ釣りはアマゴが常食しているエサを使って間違いのない筋をきちんと流せば食うてくる。テンカラは言葉が悪いけど最初から魚をだます擬餌バリの釣りや。そのぶん食わせた時のしてやったりという気持ちが違う。ただ釣るんでなしに大きな満足感を得られる釣り方と言ってもいいんでしょうね」
 4~9月は渓流釣りとアユ釣り、冬の間は狩猟で山に入る。自然の暦を意識しながら生きている天野さんは80年の年月はあっという間と思えると話す。
アユ釣り名手の村田満さんやテンカラ名手の瀬畑雄三さんと同時代を生きてきた名手の訃報に寂しくなりながらも、「今年もテンカラとアユは元気に楽しめそうです!」と快活な笑顔を見せるのだった。

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2023年に馬瀬川で釣れた43㎝のアマゴの剥製。近年も毎シーズン尺上アマゴをテンカラで手にするという

 

 

 

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超人気河川の桂川で釣りを10倍楽しむ方法 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/katsuragawa_gw つり人編集部 trend 190168347723 Fri, 23 May 2025 01:00:00 +0900

桂川は相模川の上流部にあたり、山中湖と河口湖を水源とし、豊富な富士の湧水が至る所で加わり魚たちを育んでいる。首都圏からのアクセスもよく、ビギナーからエキスパートまで幅広く親しまれる人気の河川をさらに楽しむ方法をロコアングラーに教わった。

文◎山崎孝雄 普門寺の副住職にして、渓流ルアー釣りのエキスパート。都留漁協の監視員で広報担当。ニックネームは「ふもん寺さん」

都留漁協管轄の桂川の特徴

都留漁協管轄の桂川での対象魚はヤマメ、イワナ、ニジマスだが、山岳地帯に準天然のヤマメやイワナを求める方、本流で夢の40㎝クラスの大ヤマメや60㎝を超えるスーパーレインボーを求める方などそれぞれ。
また、入渓しやすい市街地のエリアでも魚と出会えるチャンスが多いことから、釣り人の技術や体力に応じたポイント選びができることも、昔から多くの釣り人がこの桂川へ足繁く通う理由である。
 私も組合員として所属する都留漁協では20年以上前から流域ほぼすべてのコンビニで日釣券の取り扱いをお願いしているため初めて桂川に来た方も簡単に購入でき年券も流域釣具店にてお買い求めいただける。

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昼近くになると急に魚の活性が高まり、ヤマメ、ニジマス、イワナを連発


 都留漁協管轄の特徴は大きく分けて四つのエリアに分けることができる。これは豊富な川の水を水力発電に利用していることと大きく関係する。管轄内に大小4つの取水堰堤が存在し、各堰堤でその都度ほぼすべての水が発電用水路へ流れ込んでしまう。しかし豊富な湧水のお陰で堰堤から100mも下流に下ればまた水量は復活し新たな流れを形成する。そのため上流エリアに濁りが入ったとしても下流エリアで釣りが可能なのもこの川の特徴だ。
①富士吉田地区 市街地を流れる里川の雰囲気。両側は護岸されている。
②西桂地区から東桂地区 都留漁協のメインエリアである。両側護岸ではあるが充分な川幅もあり、ウエーディングで川通しもできる。
③都留地区から下流 ここから完全な自然渓流のため入渓路は探しにくいが、これぞ渓流釣りと思える環境である。
④川茂堰堤から桂川漁協境界 管轄最大の堰堤である川茂堰堤付近からお隣りの桂川漁協との境界までのエリア。すべての支流が合流したこの下流は、言わずと知れた本流大物エリアで、45㎝を超えるスーパーヤマメや70㎝を超えるスーパーレインボーの目撃が毎年のようにある。
 この四エリアで共通するのは、豊富な湧水の恩恵に預かり、一年を通じて水量が豊富で水温も安定していること。そして魚のエサとなる川虫が大変多い。
 漁協の活動も大変盛んで、ヤマメは自組合で採卵から生育、放流まですべてを行ない、Facebook を利用し情報提供や釣果報告を発信している。
 放流活動は解禁期間の4月から9月までの毎月第一日曜日に管轄内の本流支流の数十ヵ所に成魚を定期放流(毎月約1万尾)、西桂地区から東桂地区に都留漁協名物である通称キロ鱒こと50㎝オーバーのニジマスのほかヤマメ稚魚、発眼卵の放流も行なっている。
タックルに関してはアングラーの好みでよいが、参考までに私の場合、スピニングリールは2000~2500番で、ロッドは軽くて張りがありルアーを流れの中でしっかり動かせ、かつ、魚が掛かった時にはきれいに曲る物を選んでいる。ロッドの長さは富士吉田から都留地区まではピンスポットキャストが必要になるためスピニングなら5.5ft以内、ベイトなら5ft以内。都留地区より下流の本流ならキャストで飛距離を稼ぎたいためスピニングは6~7ftを好んで使っている。いずれにしても都留漁協管轄はいつどこで不意に大物が掛かってもおかしくないことからナイロンラインは5ポンド以上、PEラインなら0.5号にリーダー6ポンド以上を推奨する。

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ウエットフライに出た自然繁殖個体のスーパーレインボー67㎝。まだまだデカいのがいるそうだ

 

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梅雨入り前に東桂エリアで手にした尺ヤマメ。「こんな夢のある魚も泳ぐ桂川でぜひ渓流釣りを楽しんでください!」

 

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アメマス系のイワナ

 

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 なお、一番大事なのは、常にルアーの位置を把握することで、視認性のよいラインが圧倒的に有利だ。私はライムグリーンカラーのナイロンラインを愛用しているが、どこに着水して今どの位置にあるかを把握できるためヒットのタイミングも読みやすく、ミスキャストや根掛かりも回避しやすい。
 私の釣りのスタイルは、師である故・小野勝彦氏(桂川のエキスパートが集まる富士吉田のフィッシングショップ オノ初代オーナー)からの教えだ。
 まず、不用意に立ち込まないことと水の流れをしっかりと見ること。これは桂川特有の強く複雑な流れを利用し、いかに合理的にルアーを見せるかということ。多くのアングラーがアップクロスの釣りをするが私は1日の大半をダウンクロスの釣りしかしない。そして極力ウエーディングはせずに対岸ギリギリにキャストする。リトリーブもあまりせず水の流れを使ってミノーをポイントへ送り込むイメージだ。魚がここにいそうと思ったら、どこに着水させてどの流れを利用すれば魚の鼻先にルアーが送り込めるかを逆算する。
間違っても魚がいそうなところへ直接キャストするのではない。
 うまく流れに乗せたら、トゥイッチでアクションを加えるのだが、闇雲にルアーを動かすのではなく、むしろ食わせの間を作るくらいが望ましい。
 また、ソルトやバス釣りをする人に多いのだが、ロッドを下向きにトゥイッチするのはNG である。水深が浅くて底が溶岩質の桂川では岩盤に無数の穴があり、下向きにトゥイッチすると根掛かりが増え、それを取りに川に入ることでポイントを潰してしまう悪循環に陥る。見えにくい透明なラインや細いPEだと正確なルアーポジションが把握できていないことが多く、根掛かりが増える傾向にある。
 ラインを見ながらもその視界にロッドティップが入り込むくらいにロッドを立て、ティップとラインの角度を90度にするのが理想。そして流下するルアーに合わせてロッドが下流を向いてしまいがちだが、逆に上流に向けることで90度をキープさせる。
 アップに投げると速い流れがあるため、ハイギアリールを使わないとスラックが回収できずルアーの操作も慌ただしくなる。本流でロングキャストが必要なところではPEラインも使うが、渓流相では見やすいナイロンラインでダウンの釣りをすることで無用なトラブルが減り、ルアーの操作感も増す。
 ルアーのカラーはローライトならばゴールド系、晴れた日中ならシルバー系を多用しているが、放流直後や濁りが入った時は派手系、スレてしまった放流魚にはパール系やクリア系がよいときもある。ただし、あれやこれやとルアーチェンジするのはおすすめしない。
 3〜5gのシンキングとフローティングのミノーやスプーン、スピナーがあれば充分に楽しめる。ルアーチェンジを行なうにしても、それぞれ適した流れや深さに合わせないと意味がない。闇雲にルアーチェンジを繰り返しても魚を警戒させるだけだ。
 渓流のルアー釣りは猫じゃらしのようなものだと考えている。何回もオモチャで遊べば猫も飽きてしまうのと同じで何回も目の前にルアーが通れば魚も飽きてしまう。最初の好奇心に勝るものはなく、一ヵ所であれこれするよりも一本のミノーでテンポよく広範囲に探ってやる気のある魚だけをねらったほうがいい釣りができる。
 私がルアーを始めた頃、渓流用ミノーは数える程しかなかった。それも高価なハンドメイドだけ。それが今や各社から渓流用ミノーがリリースされ、大半はバランスも取れているしカラーリンングも秀逸。その中から気に入ったものを徹底的に使い倒して、ルアーの能力をすべて引き出したい。GW 頃は最も釣り人も多く魚へのプレッシャーが高い時期なので早朝からの入渓を心掛けたほうがよいだろう。比較的プレッシャーの低い早朝ならば年越しの尺ヤマメのチャンスも高い。ただし桂川は湧水が豊富なため、水温が急激に下がることも上がることも少なく、解禁当初の早朝でも夏の昼間でも普通に魚を釣ることができ、雪代や土用隠れも余り気にすることはない。
 成魚に関しては定期放流の恩恵が大きいため、放流後1週間以内が最も釣りやすいが、その1週間は訪れる釣り人が多いのも事実である。当然、行く先々で先行者がいると思うが、少し時間(20分程度) を置いてから探ると意外と釣れるものである。また、先行者がエサ釣りの場合は意外とサオ抜けがあるので、ノベザオでは仕掛けを入れにくいところや届かないところをねらいたい。
 また、放流場所は管轄内に100ヵ所以上あるので、釣り人がいない場所や少ない場所へ移動するのももちろん効果的だが、釣り場で出会った釣り人と挨拶がてらの会話から情報を共有することも大事なテクニックだ。
 個人的には都留漁協に来たのなら水量豊富な本流の魚を釣ってみることをすすめる。西桂から東桂エリアは都留漁協のメインの釣り場で市街地を流れる両側護岸の景色ではあるものの川底は溶岩で形成されており、水量、水質ともに申し分ない。放流されたばかりの魚だけでなく年越しの大型レインボーや40㎝クラスのヤマメもねらえ、駐車スペースもあり、護岸上を歩きつつ各所に設置されている梯子階段を使えばかなり広い範囲で釣りをすることができる。
 もうひとつが佐伯橋(田原の滝)より下流に位置する都留エリア。完全な自然渓谷で、入渓口は複数存在するが個人の私有地も多く分かりにくいため、車が停められる場所は組合HP のマップを参照していただきたい。ただし、自治体や個人から善意で提供していただいている駐車スペースだが、一部の心ない釣り人の駐車マナーの悪さやゴミの投棄により利用不可能となってしまった場所もある。より一層の配慮をお願いしたい。 装備は他の河川と同じでよいが、桂川はウエットスタイルがマッチする河川といえる。ケガを防止するためのニーパッドやゲーターを装着したうえでショートパンツにアンダータイツ、ウエーディングシューズを履くだけのお手軽スタイルは、夏場はとても気持ちよくおすすめである。
 ただし、ウエットスタイルは気温30℃を基準に考えたい。平均水温が13〜14℃の桂川ではGW 頃はまだ身体が冷え過ぎてしまい、体力を奪うだけでなく冷静な判断力をも低下させてしまう。夏でも冷えを感じたら川から上がりしっかりと休息をとってほしい。
 GW 頃より刺虫が出る。蚊や蜂、マダニのほか特にブヨ(ブユ)にご注意を。
虫除け対策は万全にしたい。また、山岳支流に入る場合はクマ除けの鈴などの対策も忘れないようにしたい。
 魚のキープは20尾までとしそれ以上はリリースと定められている。忍野水産試験場の協力により、ハリを飲み込んだ魚もハリスをカットさえすれば8割以上の個体は1ヵ月程度でハリを体の外へ排出する実証実験もした。
 だからこそリリースする場合には魚を捨てるのではなく、楽しませてくれたお礼を込めて優しく蘇生して流れに戻していただくことを切に願う。
 私自身はリリースが基本なのでミノー専用設計のバーブレスのシングルフックを使い、シングルフックではどうしてもバランスが崩れてしまうミノーにはバーブレスのトリプルフックを利用している。リリース前提で釣りをされるのであれば、ぜひシングルフックやバーブレスフックを試してみてほしい。いかにも放流魚といった魚でも、ちゃんとリリースをすれば川で成長して賢くなり、各ヒレも天然魚と変わらない美しさになることをお忘れなく。
 「水はきれいだがゴミと渓流魚の量は日本一」と言われた都留漁協管轄の桂川。今は下水道も完備され、組合だけでなく市町村、自治体、ボランティアの協力で清掃活動も行なわれており、近年はカジカも戻り時期にはホタルの姿も見られるようになった。この環境をよりよくするために皆さんの一層のご協力をお願いしたい。
 最後に。このたびは記事を書く機会をいただき、アドバイスも記したが、当然、その釣り方がすべてではない。型ねらい、数ねらい、面白いルアーで釣りたいなどなど、さまざまな楽しみ方があるのがルアーフィッシング。桂川釣行の1つのヒントくらいにとらえて、素晴らしいフィッシングライフを満喫していただければ幸いである。

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日が高くなってから西桂地区へ移動。こちらも平日ながら釣り人が多かったがぽっかりと人がいない空間を見つけた

 

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左列
上2つ:ボウイ50 S(イトウクラフト)
「普段からメインに使用。サーチルアーとしても優秀」
下:Dコンタクト63(スミス)
「水深2 m以上の深場で縦の誘いや川底に張り付いている魚に効果大でこの状況になるとこのミノーしか使わないアングラーがいるほど(笑)」
右列
上:ボウイ42 S
「50 Sよりウォブリングが強く、移動距離を少なくして見せて食わせるイメージ。50 Sのフォローとして使うことも多い」
中:Dインサイト44(スミス)
下:Dインサイト53(スミス)
「バルサミノーよりはるかに遠投できるのでポイントが遠いときに重宝する。インジェクションミノーの中で特にバランスがよい。浅瀬や流れの弱い所では44、深さもある強い流れでは53 を多用」フックはリリース前提のためシングルのバーブレスがメイン。バイトが浅くバラシが多いときはバーブレスのトレブルフックを使う。シングルとトレブルのキャッチ率はトレブルに軍配が上がるが、バーブありとなしではなしのほうがヒットが増えることから結果的にはキャッチ率も高いと感じている

 

 

 

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意外と簡単!釣り竿のガイド交換! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/gaidokoukan つり人編集部 trend 190163077238 Thu, 22 May 2025 01:00:00 +0900

ブランク、ガイド、グリップを組み合わせこだわりの自作ロッドを仕立てるロッドビルディングの世界。まずは愛竿のガイドを新しくしてみることから始めてみては?

写真と文◎編集部

ガイド交換の意義

 既製品にないこだわりのロッドが欲しいとなると、ブランク、ガイド、グリップをパーツから揃え、自分で組み上げるロッドビルディングの世界の門をたたくことになる。
 筆者(つり人編集部・アライ)は、高校生のころからこの世界に手を出しており、ガイドの取り付けなどひと通りはできる。その話を聞きつけた副編集長のナガシマがロッドを改造してほしいと言ってきた。なんでも愛用のロッドに不満があり、ガイドを付け替えたいのだとか。よい機会なのでそのようすを紹介しよう。必要な道具とパーツ類さえ揃えれば意外と簡単にできることを知ってもらえると思う。
経験で学んだコツなども参考にしていただければ幸いだ。
 ロッドの進歩とともにガイドセッティングもまた進歩してきた。それはより軽量であったりライントラブルの少ない形状であったりするガイドが登場したからでもあるし、ラインの主流がモノフィラからPEに移り変わってきたのもその理由だ。旧式になったロッドでもガイドを交換することで、今どきの釣り方に合った使用感にブラッシュアップすることもできるのだ。
 たとえば今回のナガシマのロッドは、ソルト用の6フィート5インチでMLパワーのスピニングロッド。遠征に便利な3ピースのモデルで、いろいろなターゲットをこの一本で楽しめるように、というコンセプトのモデルだ。ナガシマはボートシーバスで使用しているのだが、比較的大きめなリング径ガイドでガイド同士の間隔も広いためか、横風のなかPEラインでキャストしているとガイド間でラインが膨らみ絡むトラブルが多いという。
 そこで、ガイドをオリジナルよりも小口径化しつつ数も増やして、ガイド間の弛みを少なくしたい。
さらにオリジナルではステンレスフレームのガイドだったところ、せっかくなのでチタン製に替えて軽快な振り感にもしたいという要望だ。
 それでは作業のようすを順に紹介しよう。

 

 

必要なもの

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①ガイド
②スレッド
③ 2 液性エポキシコーティング剤
④ 2 液性エポキシ接着剤
⑤ PE ライン(1 号前後)
⑥デザインナイフ
⑦カッター
⑧筆(使い捨て)
⑨プラスチックカップ(なるべく小さいもの)
⑩燃料用アルコール
⑪アルコールランプ
⑫ティッシュ
⑬フィニッシングモーター
⑭油性サインペン
⑮マスキングテープ
⑯瞬間接着剤
⑰定規
⑱プライヤー
⑲耐水ペーパー(# 400 〜800 前後)
このほか敷き紙(チラシ、メモ用紙など)と、雑誌も数冊あると便利

 

 

 

作業手順

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ガイドの足の部分のスレッドをカッターで削るように切っていく。刃がブランクに当たらないように必ずガイドの足の上を削る

 

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ガイドの足の大部分が露出したら、手でガイドを外す

 

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残ったスレッドをプライヤーで剥いていく。全周にスレッドが残っている部分は、スレッドの端を指で摘まんで引っ張っていくとコーティングとともに剥げていく

 

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ブランクに残ったエポキシを取り除いてきれいにする。爪で剥ければ簡単だが、使われているエポキシの硬さはロッドによって違い、硬い良質なエポキシが使われている場合は破片が爪の隙間に刺さって痛い。エポキシは熱で柔らかくなるので、乾いたタオルなどで激しく擦って摩擦熱をかけ、定規のようなエッジのあるプラスチックで削っていく。ブランクを傷つけないように慎重に根気よくやるのがコツ

 

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トップガイドは、スレッドを除去したらパイプ部分の接着剤に熱を加えてプライヤーで引き抜く。ブランクを傷めるので直火は使いたくないが、接着剤の質もロッドによって違い、どのくらいの熱で外れるかはやってみないとわからない。慎重を期すなら熱湯→ドライヤー→ライターやアルコールランプなど直火をくぐらせる→直火であぶる(目安:2 秒未満)の順で試すとよいだろう。熱しすぎはブランクを傷めので注意

 

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まずはブランクの円周上のどの向きにガイドを並べるかを決める。ブランクは曲げる向きによって反発力にばらつきがある。カーボンシートを筒のように丸めて作られているブランクは、巻き始めと終わりが重なる部分の反発力が強くなるためだ。これをスパインといい、スピニングロッドならスパインと逆側に、ベイトロッドならスパインの上にガイドを乗せるとロッドパワーを最大限に生かせる。パワーを抑えたいときは逆にすることもある。今回は取り外したガイドと同じ側に並べればよい。写真は曲げながら回してスパインを調べているところ

 

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長さ方向のガイドの位置を決める。今回はオリジナルより小径軽量化して数を増やしたい(8 個→ 10 個)ので、参考ガイドスペックをもとにティップ側からだんだん間隔が広くなるよう、定規で長さを測りつつ、細く切ったマスキングテープでマーキングしていく。長さ、パワー、アクションとガイド個数が似ているバス用ベイトロッドが参考になった

 

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印に沿って、細く切ったマスキングテープでガイドを仮止めし、イトを通して曲がりをチェックする。ここではベンドカーブの要所に均等に力がかかっているように見えればOKとする。ロッドビルディングでは「不満があればやり直せる」のトライ&エラー精神が最も重要だ

 

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2 液性エポキシ接着剤でトップガイドを取り付ける。接着剤のA剤とB剤を等量出してよく練り混ぜる。説明書に従い換気のよいところで行なう。分量を誤ると硬化不良となるが、メモ用紙の罫線を目安にチューブから押し出すとミスが起きにくい

 

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2 液性エポキシ接着剤をティップ先端に適量塗り、回しながら差し込む。はみ出た接着剤はアルコールをしみ込ませたティッシュでふき取る。最初に決めた向きにガイドが向いているのを確認したら、硬化するまで安置

 

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ここから仮止めしたガイドの足にスレッドを巻いていく作業。まずPE ラインで作った長さ5㎝ほどの輪(抜き輪)を2 ~ 3 個用意しておく

 

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重ねた雑誌にスレッドを挟んで引き出す。こうすることでボビンを手で持たずともテンションを掛けながら巻くことができる。テンションの強さは乗せる雑誌の数で調整する。『つり人』は取り回しのよい大きさでほどよく厚みもあるので使い勝手がよい

 

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ガイドの足の先端から2 ~ 3mm のところでスレッドをクロスさせ巻き始める。滑ってしまう場合は、スレッドの端を少し離れたところにマスキングテープで仮止めしておく

 

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隙間がないように巻いていく。あらかじめガイドの足の先端を耐水ペーパーなどで削ってなだらかにしておくと、スムーズにスレッドを足に乗せられる。ある程度巻いたら、スレッドの端を短い長さにカット

 

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ガイドがスレッドだけで止まっている状態まで巻けたら仮止めしていたマスキングテープをはがす

 

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巻き終わりまで5㎜ほど残したところでPEラインの輪を挟む

 

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巻き終えたら、テンションが緩まないようにしながらスレッドをカットして、端をPEラインの輪(抜き輪)に通す

 

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抜き輪を引き抜けばスレッド巻き完了。このときスレッドの下へわずかに隠れるところで抜き輪を引くのをいったん止め、スレッドの端をギリギリの位置でカットして引き抜けば、抜いた位置から端が飛び出さない。飛び出してしまったときは、切れ味のよいデザインナイフを隙間から入れて、ブランクを傷つけない力加減でカットする。飛び出した繊維が残っているとエポキシでコーティングした際に突起になってしまう

 

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すべてのガイドにスレッドを巻き終えたらガイドがまっすぐに並んでいるかをチェック。昼間の明るい時間帯に窓に向けてチェックするとわかりやすい。ズレているガイドは指で横から押して位置を微調整、その際ガイドの足が斜めになるのでブランクと平行になるようにつまんで直す

 

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エポキシコーティングの前に、アルコールをしみ込ませたティッシュでスレッドを拭く。手の脂がついているとエポキシの乗りに悪影響があるため

 

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ロッドをフィニッシングモーターにセットする。5 ~ 10 秒で一回転する低速のモーターで、硬化するまで回転させ続けることでエポキシが偏るのを防ぐアイテム。チャックで挟んで固定するが、傷が入らないようつかむ位置をマスキングテープなどで保護する。台座はマスキングテープなどで机に固定すると硬化中に倒れてしまうトラブルを防げる。また、モーターがついていないほうの台は適当なものでかさ上げして少し高くするとよい(理由は後述)

 

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コーティング用の2 液性エポキシを混合する。決められた混合比を正確に守るのが重要。さもないといつまでも硬化せずベトベトなまま釣りをするはめになる。ジャストエース「エポキシコート JEC-40」はシリンジが付属しているので計量が簡単かつ正確

 

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使い捨てのプラカップに主剤と硬化剤を入れたら、筆を使いなるべく気泡が入らないようによく混合する

 

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モーターのスイッチを入れ、回転させながら筆でエポキシを塗っていく。余分はカップで受け止めるが、念のため下に紙を敷いておく。賃貸で床に垂らすと敷金が失われる可能性があるため

 

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アルコールランプの炎でエポキシの気泡を飛ばす。ここでも直火を当てるのはNG なので、炎の側面でエポキシをなでるようにジワリと温めていく。するとエポキシの粘度が下がり気泡が抜けるとともに、スレッドによくしみ込んでいく。ヒートガンがあればより安全に作業可能

 

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粘度が下がった余分のエポキシが垂れてくるので、筆で受け止める。表面張力を利用して均等な厚みになるよう筆で誘導すると見た目が整う。このときエポキシがガイドフレームに沿って垂れてきて、最悪の場合ガイドリングをふさいでしまうことがある。台を高くしてティップ側を上げているのはエポキシが垂れる方向を誘導するため。スレッドに乗せるエポキシの量の塩梅は難しく、強度・見た目・軽量を考えると、硬化後にスレッドの質感が浮き出ない範囲でなるべく薄く盛られている状態が理想。手間を厭わないなら1 度目はスレッドにしみ込むくらいで薄く塗り、硬化後に2 度目で仕上げ塗りするのが確実だが、早く釣りをしたいので1 度で仕上げたいのが人情だ

 

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完全に硬化するまでひと晩~ 1 日回し続けて完成。手などについたエポキシはアルコールで拭き取る。床に垂れてしまったものも同じように拭くが、フローリングのワックスがアルコールでダメになるものだった場合、敷金が失われる可能性があるので注意

 

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さっそくボートシーバスで使用したナガシマ。スムーズなキャストフィールでトラブルがなくなり、さらにガイドの数が増えたためブランクのパワーが上がったように感じたという

 

 

ガイドとスレッドについて

ガイドはスレッドと呼ばれるイトでブランクに巻きつけられたところにエポキシ樹脂のコーティングで固められて取り付けられている。スレッドはさまざまなカラーのものが販売されており、エポキシをしみ込ませると透けてガイドの足が見えるもの、透けずにそのままの色が発色するものがあるので好みで選べばよい。ガイドの種類、サイズ、数を決めるには、富士工業が公開しているカタログの参考ガイドスペックを参照してみよう。対象魚種とロッドの長さごとに標準的なガイドの取り付け位置、サイズ、型番がわかる。はじめのうちはそれをもとに必要な個数とサイズを決めるのがよい。あるいは手持ちの既製品で似たパワーと調子のものがあるならそれも大いに参考になる。一般に発売されている富士工業のガイドのフレーム素材はチタンとステンレスから選べる。軽量化を求めるならチタンだが価格が割高だ。ステンレスは安価だが重い。ただし、重いのが必ずしも悪いわけではなく、ロッドの反発スピードを抑えキャスト時のリリースタイミングをつかみやすくするためにあえてステンレスガイドを乗せて組むこともある。 ガイドリングの素材は、チタンフレームではSiCとトルザイトがある(ステンレスはSiCのみ)。どちらも宝石のように表面が滑らかでラインに優しく、石英やステンレスよりも硬いのでフックや砂粒がこすれても削れることのない優秀な素材だ。より高級なロッドに使われることが多いのはトルザイトで、そのメリットはSiCより厚みが薄く、ラインが通る内径が同じならガイド全体がより小さく、その分軽快なロッドに仕上がるため。一方、SiCは放熱性に優れているので、摩擦熱によるラインのダメージを抑えられる。ラインテンションが常にかかり続ける釣りで選ぶとその恩恵が大きい。

 

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食い波を見極めてヒレピンの美形アマゴを釣る https://web.tsuribito.co.jp/suburb/amagonokuinami つり人編集部 trend 190116256817 Mon, 19 May 2025 01:00:00 +0900

名手・白滝治郎さんが語る、自然と共にあるアマゴ釣りの現在地とは。

写真と文◎編集部

雪の多いシーズン

岐阜県郡上では近年にない久方ぶりのドカ雪が降った。郡上漁協管内の長良川は2月1日に解禁日を迎えたが、雪代の影響で4月に入ってもアマゴの活性は高まっていない。
「今年はアマゴのシーズンが1ヵ月遅れていると感じます。例年ならサクラが咲き始めると長良川本流のアマゴもよう食い出すんですが、雪代が入って冷たい。なにせ自宅の屋根瓦の一部が雪の重さで壊れるくらいよう降りました。白山連峰もまだ深い雪が残っているし、白鳥から九頭竜川に通じる油坂峠では雪崩が発生して九頭竜湖の手前で通行止めになっています。アユ釣りが始まれば郡上と九頭竜を行ったり来たりする友釣りマンも多い道ですから夏までに復旧してくれることを願いたい」
 そう話すのは白滝治郎さんだ。「釣聖」と呼ばれた恩田俊雄さんや「萬サ」の愛称で親しまれた古田萬吉さんら伝説の川漁師が現役だった時代から、白滝さんは渓流釣りの技術を磨き、郡上の職漁師の理論を現代に継承しているひとりである。また2021年からは長良川を愛する組合長としても手腕を発揮し、アマゴ・アユともに多くの釣り人を呼び込むことに成功している。

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 記者が郡上八幡を訪れたのはサクラがポツポツと咲き始めた4月7日。白滝さんの自宅に行くと、先述の雪の話があり「本流は厳しいでしょうね。支流の釣果に期待しましょう。まずは吉田川から釣ってみますね」と愛車の軽トラを走らせた。過疎化や河川荒廃で全国の内水面漁協が経営難に苦しむなか郡上漁協は元気である。白滝さんが組合長になって4年間は黒字続き。地域商標を登録した「郡上鮎」の豊洲市場への出荷や遊漁券収入といったアユ関連の施策が上手くいっているのはもちろん、アマゴ・サクラマス釣りの遊漁券収入も売上に貢献している。
全国の内水面漁協には増殖の義務が課されているが、郡上漁協ではアマゴの増殖はどのような方針で行なわれているのか聞いてみた。
「解禁初期は釣りやすい成魚も放流しますが、基本方針は水に強く環境変化にも強いネイティブな魚を増やすことです。数年前から稚魚と成魚の放流をぐっと減らして、発眼卵放流(中に眼ができた状態の卵を礫に埋めて放流する方法)に力を入れてきました。例年20万以上の卵を入れており、昨年の10~11月には24万粒を放流しています。それと親魚を245㎏放流しました。川由来の遺伝子に近づくように考え、抱卵したメスだけをオスの姿が確認できる細流に入れるのです。天然魚の産卵場となる種沢の保護も重要で20数ヵ所の沢は禁漁区に指定し、ここには一切放流をしません。アユは放流すればその年に釣果が出ますが、アマゴは前年ではなく前々年に産まれた仔魚が1年の成長期間を経て釣り人が楽しめるサイズになる。長期的な目で見た環境整備がとても大切です。それと私も釣り人ですからヒレの張った昔ながらのアマゴを釣りたいし、釣らせてあげたい想いがあります」
 この方針は確実に実を結んでいる。近年の郡上は本・支流ともにヒレピンの美形魚がよく釣れる。釣り人の満足度が高いのは入漁者数でも分かる。昨年度の実績でいえば年券の売上で2404枚あり、日券は4497枚の実績がある。年券購入者が15日川に通ったとする白滝さんの概算では、アマゴ釣りに訪れる延べ遊漁者数は4万557人にのぼる。渓流釣りの衰退が叫ばれる中で、シーズンにこれだけの釣り人が訪れる川はそうはないだろう。

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 また川を育む森にも目を向け、広葉樹林を主体とした自然林の回復をねらい「長良川源流の森育成事業」も行なっている。濁りが入るような河川工事も勝手にはさせない。まさに川を元気にする守り人として機能している漁協である。 さて、釣りの話に戻ると白滝さんが吉田川を訪れたのは今シーズン2度目。3月初旬に訪れた際は魚の活性が低すぎてピリッとも反応が得られなかったそうだ。1ヵ月後となるこの日の状況はどうかといえば「水量はいい感じですが、水色からして雪代は入っています。水温は7℃くらいでしょう。アマゴはまだ瀬の中で元気にエサを食べる状態ではありませんね」と言う。こんな状況で重点的にねらうのは流れの緩い瀬脇や淵尻だ。 白滝さんは愛竿のダイワ「流覇」60を伸ばすとフロロカーボン0.15号の仕掛けを張った。オモリはG1、ハリはがまかつ「V2ヤマメ」の4号である。
「エサはヒラタです。それも石をひっくり返して採るオコシムシではなく、石をヘチマなどで撫でて採るナデムシ。3月まではキンパクでよく釣れますが4月以降は羽化してしまい採れにくい。4月以降は大きめのヒラタにアタリがよく出るんです。流下しやすい虫なのでアマゴにとってはお米みたいなエサですからね」
 郡上で生まれ育った名手は川虫で釣ることにこだわる。入梅の頃はキヂ(シマミミズ)も使うが、イクラやブドウムシでは釣りたくないという気概がある。郡上の釣具店には渓流シーズンの2~5月にヒラタやキンパクが販売されているのが常だ。店の人は虫を採取するため福井や新潟と県外にも足を伸ばす。こうした渓流釣りの伝統が令和の現代にも残る稀有な土地、それが郡上なのだ。
 また郡上の釣り人は吹き上がる流れを「男波」、引き込む流れを「女波」、そしてアマゴが食う流れを「食い波」と言って表現する。食い波は流れの揉み合わさる「ヨレ」、石前やカケアガリといった魚が定位しやすい「ウケ」が複合されたスポットに多い。こうして流れを読んで仕掛けを繊細にさばきアマゴの口もとにエサを届けていく。
 ポイントに立つまでの白滝さんの足取りは静かである。バシャバシャと水音を立てるような動きはしない。魚を驚かせんとする落ち着きがあり、アプローチには渓魚に対する敬意さえ感じられる。概ねアマゴが付くだろう食い波のやや上流に立ち、仕掛けを振り込みオモリとエサが底波に馴染んだところでイトを上流側に斜めにして送り込む。イトが受ける水流抵抗をなるべく軽減する流し方でエサをくわえたアマゴが違和感を抱きにくい釣り方だ。アマゴの目の前にエサをきっちり流し込めば目印が止まり、グッと抑え込まれるアタリが出る。
 しかし丁寧なアプローチをしてもアタリは遠くポイント移動を繰り返す。3ヵ所目の車移動で訪れたのは吉田川の中流部だ。低い堰堤の下流で右岸と左岸に流れが分かれる。本線は右岸筋だが低水温の日は水量の少ない左岸筋のほうが口を使うアマゴがいるだろうと白滝さんは探っていく。緩い瀬のカケアガリにヒラタを送り込み、筋を変えて数投するとこの日初めてのアタリを得た。しかしアタリはその1度きり。今度は中州に渡り、上流に歩を進めて左岸の深みを転々と探る。時刻は正午になっており周囲にはカゲロウが飛び交うようになった。やがて堰堤下まで来ると水面に泡の浮かぶバブルレーンでアマゴと思しきライズが見られた。
 白滝さんはライズが多発するような状況ではガン玉をG4~ G5と軽めにしてふわりと流す。目線が上を向いている魚に対してふわふわと中層を流しやすくするのである。目の前のライズスポットでもそのようにねらってみるとエサが着水して川底に馴染むまでに目印を引き込むアタリが出て、すかさず合わせると乗った。力強い引きで抵抗する魚を落ち着いてタモに収めると肉厚な25㎝クラスである。
「アマゴは釣られていないだけでエサをちゃんと食っていますね(笑)」
 と目を細める。その後もライズは見られたが釣果は続かず、午後からは別の川を巡ることにした。昼食後は郡上大和の支流の栗巣川に入る。渓が深くないためシーズン初期からコンディションのよいアマゴが釣れるスポットだが、この日は1尾のバラシがあったのみ。続いて長良川本流も探ってみたがやはり雪代の増水でアタリはない。
太陽がだいぶ西に傾いた16時ごろ最後のポイントとして牛道川を訪れた。
 牛道川の流域は日当たりがよいことから稲作の盛んな土地である。このため取水堰堤も多く下流部は水量が乏しい。それが東海北陸自動車道の高架下辺りで水量が増え、落差の大きな川相になる。白滝さんは落ち込みの深みを転々と探っていくが反応は得られない。川底に青藻が多く生えていることから、こうした藻の少ない瀬の緩流帯にねらいを絞って仕掛けを流すと待望のアタリが出た。愛竿の流覇をぐっとためれば水面を割ったアマゴがタモに向かって舞い上がった。

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「流れの中で食わせたうれしい1尾です(笑)。私は川底が明るく見える流れにアマゴは多いという持論を持っていますが、この魚もまさしく川底が明るい場所で食ってきました」 と会心の1尾を手にして白滝さんはサオを収めた。「各流域に釣れ残っているポテポテの魚体が爆発的に釣れ盛りそうな予感がします!」と期待を胸に膨らませる白滝さんであった。

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狩野川40年目の男がねらうアマゴのルアー釣り https://web.tsuribito.co.jp/suburb/kanogawa_40 つり人編集部 trend 190067420465 Fri, 16 May 2025 01:00:00 +0900

渓流ミノーイングの礎を築いたひとり飯田重祐さんのホームグラウンドは静岡県の狩野川だ。40年間この川のアマゴに親しみ、変化していくようすを見続けてきた。近年は「めっきり活気がなくなった」と嘆くものの、感動する魚体を手にすることも少なくない。河畔のサクラが満開になった4月上旬、飯田さんは今年3度目の狩野川に訪れた。

写真と文◎編集部

狩野川が好きな理由

神奈川県厚木市在住で平塚市に会社を構える「パームス」の飯田重祐さんは渓流ルアーとアユルアーを楽しみ、全国各地の河川を釣り歩く。4月までのシーズン初期は狩野川をメインフィールドにアマゴを追うのが毎年の恒例だ。
「23歳から狩野川に通っていますから、もう40年になりますね。ダムや大きな堰堤もなくて石がしっかり入っている。流れに変化があって面白い川です。優しい里川の渓相で釣りやすく、水温も高いので解禁日から期待値が高い。アマゴだけでなくサツキマスがヒットすることも珍しくありません。自宅から箱根を越えて富士山を見ながら伊豆スカイラインを走る道中のドライブも気持ちよくて好きですね」
 そう話す飯田さんと合流したのはレンゲの瀬。狩野川釣行はこの瀬からスタートすることが多いという。

 

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昨年の4 月下旬に手にした35cm(写真左)。この日はサツキマスと呼んでもよい遡上体型の尺上が1日に3 尾もヒットしたという

 

オトリ店の前から続く長い瀬や蛇行点の淵、その上の段々瀬をテンポよく探って魚の反応を見る。釣れなくてもチェイスやアタリがどんな所で出るのかを確かめる。多彩な川相が展開するのでその日の魚の傾向を探るのに最適なポイントという。

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「今年は3回目の狩野川です。前回、前々回もチェイス、アタリともに少なく、かなり手強い状況でしたが魚の顔はなんとか拝めました。上流部や支流は型が小さいものの魚影は濃いので、もう少し簡単に釣れると思いますが、私は里川の雰囲気が好きで中流部に入ります。このエリアは近年特に難しくなっていて釣り人が少ない。先行者に悩まされないのはうれしいですが、アングラーが少なすぎて寂しく思います。各所に釣り人がいてアマゴがたくさん泳いでいた時代も見ていますからね。やっぱり川には活気があってほしいのです」
 と落ち着いた口調で語るのだった。 飯田さんのロッドはパームス「シルファー」SYSSi-53UL。メインで使うルアーはトゥイッチングミノーの「アレキサンドラHW」。サイズは50㎜を基本に浅場は43㎜も多用。飛距離が必要な釣り場はXHW(エクストラヘビーウエイト)に替える。

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飯田さんの愛用ロッドはパームス『シルファー』。今回の釣行時に使用していたのはSYSSi-53 UL。サクラマスねらいも狩野川ではこのモデルで対応できる。ブランクはグラファイトとグラスが用意されており、多彩なレングスやべイトモデルも選択できる。リールは「18 ステラ2000」。ラインはバリバス「スーパートラウト アドバンス ダブルクロスPE X8」0.8 号。リーダーは「スーパートラウトアドバンス エクストリーム ショックリーダー(ナイロン)」の6ポンドおよび8ポンド

 

 現在の渓流ルアーはトゥイッチングミノーが隆盛である。トゥイッチによる平打ちアクションはアピール度が高く、魚が低活性であっても口を使ってくれる可能性が高い。オールシーズン活躍するルアーである。なぜミノーイングが有効なのか? その理由について飯田さんは確信をもって語らない。
「長くこの釣りをやっていますが、ヤマメやアマゴがミノーで釣れる理由はいまだによく分かりません。狩野川の場合、サツキマスはアユと一緒に遡上します。
魚食性によってミノーを襲う魚も多いと考えられますが、食性だけとは言いきれません。威嚇の習性もあるでしょうし、何らかの興味を示して口を使うことがあるのだと思います」
 ミノーが効かないケースのひとつはライズが頻繁に見られる状況だ。飛び交う虫を偏食している時はスピナーの出番になる。パームスのルアーでいえば「スピンウオークQR」などに替えてライズスポットに送り込むように食わせることもよくある。

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スピナーのスピンウォークQRだ。ライズに効く


 午前8時には釣りをスタート。200mほどの瀬を釣り上がっていくと虫が飛び始めてはいた。しかしライズは皆無。
飯田さんはどこで魚が出るかという予測を立てキャストを繰り返す。そのテンポは早く、ルアーを食わせたいスポットにアップで通すこともあれば、クロスやダウンクロスでも通す。3月から4月上旬の頃はゆっくりとルアーを見せたほうが反応を得られやすいという。
「アップで食ってくれると単純ですが、活性の上がりきっていない解禁初期はクロスでトレースしてルアーがターンをする時にヒットしやすい傾向があります。クロスからややダウンクロスでトレースすればルアーをじっくりゆっくり見せやすいですが、反面テールフックに掛かることが多くバレやすいのが難点です」
 やがて飯田さんは大きな淵を前にしたが、魚っ気は全くない。
「近年の狩野川はプールで釣れることは稀です。大半の魚は瀬でヒットします。
魚が少ないせいかカワウも減っているように感じますが、プールにいた魚はカワウに追われ瀬に逃げ込んでいるのだと思います」
 瀬といっても形状はいろいろだ。深い瀬のほうがアマゴは潜みやすいと思えるが、意外性のある浅瀬に魚が残っていることもある。この日もそんな場面が落差の大きな段々瀬の最上段で見られた。
 そこは瀬肩のすぐ下流に位置する脛くらいの水深の瀬だ。段々瀬の核心部を釣り上がったアングラーがスルーしてしまうだろう何の変哲もない浅瀬で、この日初めてのチェイスがあった。飯田さんは立ち位置を上流に移してトレースラインを変えた。トゥイッチでヒラを打つルアーが一抱えほどの石の前でターンするタイミングに川底で魚の閃光が瞬いた。と同時に「シルファー」に衝撃が走る。腰を落としてロッドをためると、25㎝はあろう良型が暴れまわるのが確認できた。
しかし、足もとまで慎重に寄せるもランディングネットを差し出した瞬間にフックアウトしてしまう。飯田さんが今釣行で巡ったポイントを列挙すれば本流はレンゲの瀬に始まり、大仁橋上流の瀬、宮田橋前後の瀬、オトリ店アルバトロス周辺、狩野川ドーム前、支流大見川の小川橋周辺など広範囲である。そのうち少ないながらも魚の反応を得られたのはすべて瀬だ。飯田さんは流れの落ち口を舐めるようにミノーを通していくことが多く、魚が定位しそうな石の前をどうトレースするかに集中しているように見えた。そしてアマゴをキャッチしたのもやはり瀬の落ち口だった。
 狩野川ドームの裏手から続く瀬の上流に通称「鶏小屋裏」と呼ばれるポイントがある。右岸に向かってカーブする瀬の一角に「アレキサンドラHW50をクロスに投げ入れ、落差のある瀬の落ち口にある石前をトレースすると、またもターンの瞬間に食った。ロッドを低く構えて引きをいなして、がっちりとフッキングしていることを確認。今度は大胆に抜き上げてネットに収めた。
 ネットの中で息を切らしているのは尾ビレがピンと張った美形アマゴ。丸っこいパーマークに派手過ぎない朱点が並び、いかにも狩野川育ちというプロポーションだ。

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長い間釣り歩いてようやく手にしたアマゴ

 

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丸っこいパーマークの上に派手過ぎない朱点が並ぶ伊豆育ちらしいアマゴ

 

「魚との出会いはタイミングも重要です。昨年は4月下旬から魚の活性が高まって35㎝を頭に尺上が3尾ヒットする恵まれた1日がありました。その後の釣行でも大型アマゴが多数釣れて、5月下旬のアユ解禁まで楽しめました。ゴールデンウイークでも混雑は少なく、入れるポイントはたくさんあります。アタリが少ない狩野川に慣れてしまった自分もいますが、多様な流れを楽しむくらいの気持ちで釣りをするのも悪くはありません。周囲には温泉もたくさんあるし、釣りの後の温泉を楽しみに訪れてもいいです。最盛期にはぜひ多くの釣り人にチャレンジして欲しいです」
 狩野川のポテンシャルを味わうなら小誌発売の頃がベストである。飯田さんの通う中流部だけでなく上流や支流も多彩な水脈が広がる。解禁期間は10月末までと長いので年券を購入してじっくりと通い込むのもありだ。

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渓流ルアー釣りで選ぶ理由がある!進化したグラスロッドの実力 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/tasaki-glassrod-review つり人編集部 trend 190018044948 Thu, 15 May 2025 02:00:00 +0900

しなやかな曲がりが渓流で活きる!進化したグラスロッドの魅力を田崎翔さんが実釣で解説。釣果アップのヒントも。

写真と文◎編集部

釣り味の正体

グラスロッドといえば、「よく曲がる、軟らかい」という印象が強い。
実際、カーボン素材と比べて弾性が低く、ブランクが同じ厚みや太さならよく曲がってくれるものだ。
「感覚としてはカーボンよりもしっとりとした感じで曲がります。このグラス特有の曲がり方が独特の釣り味に繋がっているのかもしれません」
 そう話すのは、渓流から本流のサクラマスまでトラウトを追って各地を駆け回る田崎翔さん。
普段は硬くて張りのあるカーボンロッドを多用しているが、グラスロッドはある意味その真逆の存在で、
だからこそ使うと非日常感があって楽しいという。
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【この日のタックル】

ロッド:ティムコ
パスプルーバーPRV48GSUL-2 "Glass Breath"(小渓流向け)、
パスプルーバーPRV51GSL-2 "Spicy G"(大場所向け)
リール:ダイワ セルテートFC LT2000S-H
ライン:PE0.6 号
リーダー:フロロカーボン5lb


 釣り味という言葉は曖昧だが、手もとに伝わる情報量や、魚との駆け引きを楽しめる感覚を指すのが一般的。
一尾を釣りあげるまでの過程を大切にしたいという人が渓流アングラーには多く、釣り味のよいグラスロッドは魅力的な選択肢としてコアなファンから今なお根強い人気がある。
 かつてのグラスロッドには、「重くてダルい」「キャストのキレが悪い」といったネガティブなイメージもあった。
しかし近年は、UDグラスと呼ばれる縦方向の繊維だけで構成された素材が登場したことで、性能は大きく変化している。
「UDグラスは軽くて張りを出しやすい素材です。昔のダルいイメージはかなり解消されています」
 と田崎さん。さらに、バット径が太く、先端が細いハイテーパー設計であれば、
グラス素材でありながらも軽快にロッド操作できるものも多い。
ダルさを排除しつつ、曲げる楽しさやブランクの粘りといったグラスらしいテイストはしっかり残されている。
つまり、現代のグラスロッドはしなやかでパワーもあるという使い勝手のよいロッドへと進化しているのである。
 3月下旬、気温差が激しい日が続くなか、田崎さんは日原川に足を運んだ。
高校生の頃は自転車で通っていたそうだが、訪れるのは久しぶりとのこと。
当時よりも駐車スペースがかなり限られているようで苦労したが、あちこち回ってようやく入渓することができた。
 この日、田崎さんはパスプルーバー(ティムコ)のグラスモデルである「PRV48GSUL-2」と「PRV51GSL-2」の2本を使い分けた。

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ルアーを動かす際、入力はカーボンのロッドより強め。ブランクの反発が緩い分、引っ張りすぎていないからか、流れの中でルアーが少し粘るイメージと田崎さん


PRV48GSUL-2は、100%ピュアグラスを採用しており、長さも相まって小渓流向き。
一方、大場所の多いポイントではPRV51GSL-2を使用。
グラスとカーボンのコンポジットモデルでファストシンキングミノーのトゥイッチも問題なくこなせる張りを持っており、
ニジマスなどの大型魚が掛かっても安心感があるハイパワー仕様だ。
 この日は気温が20℃を超すほど暖かいが活性は低いようで反応は皆無。
加えて先行者がいたようなので大きく移動したりして広く探る。
 大場所でも小場所でもグッとロッドを曲げて軽快にキャストしていく田崎さん。
ナビア50FS(ティムコ)を小さな落ち込みへ静かに着水させ、優しくトゥイッチを掛けていくとロッドが曲がった。

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思い入れのある川で再び美しいヤマメに出会えた田崎さんは胸をなでおろす。
「派手に動くルアーを嫌うスレた魚にも、グラスならではの軟らかいアクションが効きます。
今日は低活性で反応も少なかったですが、貴重なチェイスをモノにできたのはグラスロッドのおかげかもしれません」
 グラスロッドは釣り味がよいだけでなく、性能面においてもいくつかメリットがあると田崎さんは言う。
 ひとつめはヤマメ特有のローリングなどの魚の細かい動きに追従しやすいためラインテンションが保たれてバラしにくいこと。
特に奥多摩エリアのようなアングラーが多く常にプレッシャーが高い場所ではショートバイトが多くバラシも多くなりがちだ。
グラスロッドは釣果を伸ばすための選択肢としても効果的なのである。
「解禁直後の低活性な魚にもよく使います。勢いのないショートバイトでも強すぎない反発力のおかげでバレにくいんです。
あと、北海道やC&R区間でレインボーをねらうとき、カーボンだとどうしてもヒットした魚が本気になって暴れてしまいキャッチが難しくなりがち。
でもグラスなら魚も比較的大人しいまま寄せることができるので、そのクッション性に頼ってしまうことが多いですね」
 その反発の弱さはキャストでも活きてくる。
その曲がりやすさから小さなモーションでも飛ばすことができ、近距離であればカーボンよりも楽にキャストできる。
また、リリースタイミングもカーボンより広いため、初心者でもロッドをしっかり曲げてキャストするという感覚を掴みやすい。
これはバックラッシュのリスクを減らしたいベイトフィネスでも役に立つ。
「ブランクを曲げてルアーを弾くように飛ばすベイトタックルは特にグラスとの相性がいいと思っています」
 カーボンロッド全盛のいま、あえてグラスロッドを選ぶ理由はどこにあるのか。
それは、効率や正確性とは違った、釣りの余白を味わう感覚にあるのかもしれない。
「釣果だけじゃない楽しみ方ができるのが、グラスロッドの面白さだと思っています」
 田崎さんのこの言葉は、グラスロッドの魅力をよく表しているが、
大型魚への対応力やバラしにくさなど、実釣面でのメリットも多い。
ただ単に趣味性の高いだけではないことを改めて感じた。

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低活性ながらグラスロッドだからこそ手にできた一尾だ

 

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ベイトフィネスはリールの性能が向上した分、ロッドの反発を活かして投げなくても飛ぶようになってきたが、ロッドの反発をフルに使って投げるのがベイトキャスティングの真髄だ。曲げやすいグラスロッドはベイトフィネス入門にもうってつけ。写真はFS49CUL-3J"Glass High"(フェンウィック)

 

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この日使用したルアー。上からイメル50S、ラウド45S、ナビア50FS(すべてティムコ)。パスプルーバーのグラスモデルならファストシンキングのミノーも使いやすい

 

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剛性と感度の極み。テイルウォーク「デュライズ」発売へ https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/tailwalk-durize-release つり人編集部 trend 189183604830 Thu, 08 May 2025 02:00:00 +0900

巻きの精度と耐久性を両立。極細ラインにも対応した、操作性抜群の次世代リール「デュライズ」がついに公開!

まとめ◎つり人オンライン

高剛性メタルボディ搭載。スピニングリール「デュライズ」が登場

2025年4月末、テイルウォークから新型スピニングリール「DURIZE(デュライズ)」が登場。

近年のバスフィッシングでは、1匹の価値がより高まっています。タフな状況下でも結果を出すには、リールにも繊細な操作性と高いパワー伝達性能が求められます。デュライズは、そうした“わずかな差”を解消するために、機能を徹底追求したモデルです。

アルミダイキャスト製メインフレーム

高剛性・高感度・軽量性を兼ね備えた金属ボディ

本体には高剛性のアルミダイキャスト製メインフレームを採用。不要な肉厚を排除しつつ剛性を確保する設計により、全体の軽量化と感度向上を実現しています。

連続したシェイク動作やファイト時の負荷にも対応し、リール本体の撓みやねじれを抑制。アングラーの操作をダイレクトにロッドへと伝達します。

 
 

超々ジュラルミン製マシンカットドライブギア

巻きの精度と耐久性を両立

駆動部には、精密に加工された超々ジュラルミン製マシンカットドライブギアを搭載。高剛性かつ軽量なこの素材により、滑らかな巻き出しとパワフルな巻き上げを両立します。

長期間の使用でも巻き心地の劣化を抑え、常に安定した巻き性能を提供します。

ライントラブルを抑える構造設計

極細PEやフロロカーボンにも高対応

最適化されたローターバランスとセラミックラインローラーの組み合わせにより、ライントラブルの発生を極限まで抑制。

0.4号以下の極細PEラインや高比重なフロロカーボンライン使用時でも、スムーズなライン放出とトラブルレス性能を実現します。

メインシャフトにも超々ジュラルミンを採用

軽さと強さを兼ね備えたリーリング性能

ハンドルとメインシャフトにも超々ジュラルミンを採用。軽快なリーリングと高いトルク耐性を両立しています。

巻きの感触は非常に滑らかで、ファイト中の急激な負荷変化にも安定して対応可能です。

キープレンジドラグシステム搭載

再現性と調整幅に優れたドラグ設定

ドラグには、テイルウォークのSPEAKYシリーズでも高評価を得た「キープレンジドラグシステム」を搭載。

使用頻度の高いドラグレンジ内での微調整が可能で、繊細かつ安定したパフォーマンスを発揮します。

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釣れない状況を打破!アジングは感度で差がつく https://web.tsuribito.co.jp/suburb/-ajing-report_c つり人編集部 trend 188950498633 Tue, 06 May 2025 02:00:00 +0900

小倉でアジを攻略!感度にこだわるロッド「クリスター」シリーズが活躍。反響感度とテンション感度の秘密とは?

写真と文◎編集部

なぜ感度を求めるのか

3月上旬のある日、関門海峡から響灘への出口に位置する北九州市小倉の港湾エリアには、冷たい北寄りの強風が吹き寄せていた。横風に あおられロッドティップから水面までのラインは膨らみがち。さらには3日前に降った冷たい雨が流れ込んでいたうえ、前日と前々日には寒波が襲来、その影響を引きずるアジの活性は極めて低いことが予想された。ロッドの感度が試される厳しいコンディションだ。

アジングのタックル立てはなにより感度が重視される。ときには1g未満のジグヘッドリグを水深10mのボトムで操ることもあるのがアジングだ。その状態でアジのバイトを感じて掛けていくことはもちろん、リグの挙動や水中のようすをイメージして的確に操作するためにも、ラインから伝わってくる情報をできるかぎり手もとに伝えてくれるタックルが必要となる。それは単に釣果を伸ばすためだけでなく、アジングを楽しむうえでも重要だ。

リグの状態がわからないままに釣りを続けていては集中力も続かないし、リグの動きにアングラーの意思を込められず、極論、ただ水中にルアーを浸けているだけになりがちだ。そうではなく、ボトムや障害物とのコンタクトや、潮の受け方の変化を感じながら、「ここにアジがいそう……」「ちょっとボトムから離れすぎたか……」などとイメージしつつリグを操作し、その日の答えを追い求めていくほうが楽しいに決まっている。

それこそが他人と競うわけでもないアジングで、多くのアングラーがコストを度外視してまで感度のよいタックルを求める理由なのである。

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反響感度とテンション感度

さて、今回小倉でアジを追いかけたのは本岡利將さん。アジングの楽しさに魅せられ、自身の理想とするアジングタックルを送り出すためにクリアブルーを立ち上げたアジングフリークだ。SNSの投稿では「#感度バカ」とハッシュタグをつける本岡さんだけに、青いリールシートがアイコンとなっている同社「クリスター」シリーズのロッドは、感度追求の設計思想が色濃い。

ところでこの原稿を書いている記者はバスフィッシングがメインで、本誌2025年1月号で初めて本岡さんを取材するまでアジングはほぼ未経験だった。そんな記者でもクリスターを借りて使ってみたところ、潮の微妙なテンション変化を感じ取ることができ、驚いたものだった。

ここからはそんな記者の少しオタクチックな興味にお付き合いいただきたい。つまり、アジングに必要な「感度」とはなにか、それを可能とするロッドの設計とはどんなものかというタックルうんちく話である(記者は最近ロッドビルディングにハマっているのだ)。

まず「感度」とはなにかを整理したい。ひと口に感度といっても、ラインから手もとへ伝わってくる情報には2種類あると言えそうだ。

ひとつめはリグの着底や障害物へのコンタクト、そしてアジのバイト時などに発生する振動。よく「反響感度」という言葉で表わされるのが、この振動を捉えられる性能ということになる。

もうひとつはラインテンションのわずかな変化だ。潮汐によって刻一刻と変化する潮の流れは、リグをキャストして引いてくる範囲のなかにも局所的に流れの変化点を生み出すことがある。アジングではリグの操作のなかでその変化を感じとれることが非常に重要。そういった場所がアジの居場所や食わせどころになるからだ。リグが受ける水の抵抗の変化がラインテンションの変化となってロッドへと伝わってくる。

これは「テンション感度」「潮感度」「もたれ感度」などとさまざまに呼ばれるが、ここではテンション感度と呼んで話を進めることにする。

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感度がいいのはどんなロッド?

この2種類の感度を高めるための設計とはどんなものか。本岡さんに聞いた。

反響感度

「グリップ周りのデザインやガイドセッティングも反響感度を高める設計をしています。バット部で急激に太くなるブランクなので嵩増しのパーツを介さずに直接リールシートを取り付けられます。リールシートもカーボン製で軽量なので、振動を伝えやすい構造です。サオ尻に蓋をせず開放したほうが感度がよくなるという人もいて、私もグリップエンドを切断して試したことがありますが、クリスターの場合、かえって感度は鈍ってしまいました。エンド開放で感度がよくなるかどうかは、全体の設計にもよるので一概には言えません。

ティップ部のガイドは3㎜とかなり小径のものを乗せています。もう少し大きなほうが飛距離も伸びるだろうとテストで3.5㎜を試していたモデルもあるのですが、それだけで驚くほど感度は悪くなった。ブランクにラインをどれだけ近づけられるかが重要だと思っています。リングの径だけでなく、ガイドを取り付ける位置によっても感度は左右されるので面白いですよ。

でも、いちばん大きいのはブランクの素材ですね。T1100GやM40Xといった最高級グレードのカーボン素材を使えば廉価なカーボン素材より劇的に反響感度がよくなります。クリスターはこれらを全身に使っていて、高価ですがそれだけのメリットがあります」

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テンション感度

「ラインテンションの変化を感じやすいロッドにするには、ソリッドティップの柔軟さと、リールをセットした状態でのの重量バランスが大事です。

ソリッドティップが軟らかければ、わずかな潮の重みにもティップが入ってくれます。クリスターシリーズにはティップ径が0.5㎜のモデルもあります。シャープペンシルの芯と同じです。でもこの繊細さでないと感じられない潮の変化があるんです。

ただ、反響感度の面で言えば、硬いもののほうが振動を伝えやすいのでトレードオフです。ここでもガイドのセッティングは大事で、ティップのガイドの間隔を狭くしすぎると、曲がりにくくなる(ガイドの足が添え木状態になる)ので、それもテストして反響感度とテンション感度を両立する必要があります。

リールを含むタックルの重量バランスはロッドを持つ手の位置に重心がくることが重要です。手もとでバランスが取れていることで、軽い力でロッドを持てますし、その状態ならテンションの変化にロッド全体がシーソーのように反応してくれて察知しやすくなります。リールシートからグリップエンドまでの長さも、そのバランスを考慮して決めています」

そんな本岡さんは、各地のショップイベントの合間を縫って、クリスターシリーズのニューモデル3本を携えて小倉にやってきたのだ。ところが冒頭でもお伝えしたとおり、状況はかなり芳しくない。地元フィールドテスターの有馬義昭さんの案内で前日と前々日に下見を行なったものの、雨と冷え込みですっかりアジが姿を消してしまったという。

有望ポイントに入ったものの、先にサオをだしていたサビキ釣りのおじさん曰く、「アジ? 釣れないね。昨日もサバが1尾だけ」という有り様。記者を含めた3人はせめて1尾でも釣れてくれ……という気持ちで、夕マヅメを待つ。

「今日は天気がよかったので水温上昇でアジが戻ってきてくれるのを期待するしかないですね。潮の下げ止まりは夜9時ごろですが、水温も下がるのでチャンスは夕マヅメから8時までの勝負です」と有馬さん。

すると願いが通じたのか、陽が沈んだタイミングでおじさんのサビキ仕掛けにアジがヒット。しかも立て続けに2尾を釣りあげたではないか。この2日間消えていた群れが入ってきたのだ。この時合は10分程度で終わってしまい、アジングチームはアタリを得られなかったものの、今日はアジが接岸しているという事実にかなり勇気づけられた。

体感3~5mの横風が吹くなか、本岡さんはジグ単とスプリットショットのタックルをローテーションしながら釣りを続ける。ジグ単のジグヘッドは発売間近のペチャンコヘッドEX TGでウエイトは1g。水深は8mほどあり風も強いがどう考えても食いは渋いはずで、なるべく軽いウエイトで誘いたい。スプリットショットはTGパラソルシンカー1・5gにサイコロヘッドエース0・4gの組み合わせ。シンカーとジグヘッドの間隔は1㎝ほどとかなり短い。ジグ単を重くするようなものだが、ウエイトを分散させて食い込ませやすくするねらいだ。

ほどなくしてスプリットショットを操っていたクリスター59ギフテッドが、本岡さんの言う「いい感じの潮の重み」を探り当てた。どうやら普段貨物船が停泊しているらしい岸壁のボトムに、スクリューの水流で掘られて深くなっているスポットがあるようで、ここに潮流の変化ができているらしい。周辺を回遊しているアジが足を止める場所があるとすればここしかない。

リグをボトムへ沈め、そこからほんの少しだけリグを持ち上げ、アクションをつけずほとんどポーズのテンションフォールで食わせの間を作る。こんな操作を感度の悪いタックルでやるのはちょっと辛い。テンション感度に優れるタックルで食わせどころをイメージできるからこそ集中力を維持して続けられるのだ。

本岡さんのねらいは当たった。意外にも「コン!」というはっきりしたアタリが出たという。あるいは振動をクリアに伝えてくれる反響感度の高いロッドだからこそかもしれないが、いずれにせよ値千金のアジをキャッチ! サイズも23㎝ほどの良型である。

「よ、よかったぁー!」

釣った本人だけでなく全員が胸をなで下ろした。そして釣り方がわかってしまえばこっちのもの。風が弱まったタイミングではジグ単用の60フォーカスエボルバーに持ち替え1尾を追加。「どうせならこれでも釣りたいですよね」とこちらも新作のベイトフィネスモデル・68BFラプチャーでもジグ単を操り、サイズアップの24㎝をキャッチ。

さらに有馬さんも同様の釣り方で2尾を手中に収め、完全にこの日のパターンを探り当てた格好で、取材成立も危ぶまれた状況から計5尾を引き出したクリアブルーチームの、さすがの技術とタックル立てを見届けることができた。

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高感度×軽量設計のクリスターシリーズ。カーボン製リールシートや新スパイラルガイドの秘密に迫る!

写真と文◎編集部

40㎝チヌも余裕!最新ブランク技術が釣りを変える

バット部で急激に太くなるハイテーパーブランクスルー技術によってリールシート内径に密着するブランク。嵩増しのパーツを必要とする従来のグリップデザインより振動が伝わりやすい。リールシートもカーボン製のため非常に軽量で振動伝達を妨げにくいもの。またバット部が太いことでパワーもあり、昨年末の広島取材では40㎝クラスのチヌも難なくランディングしていた

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軽くて伝わる

ベイトのリールシートもカーボン製の超軽量なもの。下側が非常にスリムで軽く握れることも感度アップに貢献しているという

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タックルの重量バランス

テンション変化を感じるためにはタックルの重量バランスが手もとにあることが重要。人差し指の位置で釣り合うバランスになるようグリップ長などが設計されている

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食い上げバイトを逃さない!新スパイラルガイドの力

ベイトモデルはスパイラルガイド仕様だ。テストの結果、ティップ部のガイドが下向きのほうが食い上げバイトなどのテンション抜けが感じやすかったという。バット部分で一気にラインを回すショートスパイラルセッティングとなっている。短いスパンで旋回させたほうが、ラインがブランクに接触しにくく飛距離が出るという。ラインが常に接触する旋回部のガイドのみ放熱性が高いSi Cリング(他はより軽量なトルザイト)を採用し摩擦熱によるラインへのダメージを軽減している

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実釣で磨かれたティップ設計とは

ティップ部のガイド径は小径の3mm。リングが小さいほどラインと触れやすく感度を高められる。テンション変化を感じるための柔軟性を損なわないよう取り付け位置がテストされている。ティップガイドのスレッド飾り巻きが排されていることにも注目

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釣りが初めての小3の孫をエリアに連れて行って、ミニクラハイフロートをつけたタックルを渡したら、投げる練習をしている最中に釣れちゃった。初心者にもぜひ使ってほしいです。

写真と文◎編集部

紹介してくれた人は

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有限会社オフィス・ユーカリ代表取締役石川 優美子さん

日本における女性プロアングラーの草分け的存在と自負しています。家族が経営する釣具店を手伝いながら釣り具メーカーのテスターとしても活動し、2003 年にオフィス・ユーカリを立ち上げました。ベナベナなロッド全盛期だったエリアトラウトの世界で、感度と操作性のよいロッドを駆使した小さなアタリを掛けていくスタイルをいち早く提案しました。

 

紹介してくれた人は

飛距離も出しやすいハイフロートタイプのクランクベイトで、表層を意識している魚をねらうために作りました。水噛みがよくてすぐに立ち上がる点が、ほかの製品よりも優れていると思います。バランスがよくて、デッドスローから速巻きまで姿勢を崩さずに泳いでくれますし、浮上やロッドでアクションをつけて誘うことも得意です。一つあったらいろいろな場面で重宝しますよ。釣りが初めての小3の孫をエリアに連れて行って、ミニクラハイフロートをつけたタックルを渡したら、投げる練習をしている最中に釣れちゃった。初心者にもぜひ使ってほしいです。

 

 

 

 

 

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アユルアーの流行を後押しすべく、ハリメーカーとしてイカリにチラシとビギナーでも迷わずハ リを選べる商品展開をしています。

写真と文◎編集部

紹介してくれた人は

 

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株式会社オーナーばり企画営業部国内企画営業課の西馬 諒さん

入社して4 年目になります。私は兵庫県三木市の出身で金物産業が有名な街なので、オーナーに入る前は工具メーカーの営業をしていました。シンプルに釣りが好きなので趣味を仕事にしてしまえと転職しました。アユルアー製品の企画営業を担当しています。

 

 

 

鮎ハヤテ根掛かり外し

アユルアーの流行を後押しすべく、ハリメーカーとしてイカリにチラシとビギナーでも迷わずハリを選べる商品展開をしています。またハリ以外にもさまざまなアシストグッズをリリースしていますが、今年のイチオシは「鮎ハヤテ根掛かり外し」です。アユルアーは比較的根掛かりが多い釣りです。この製品は先端に独自形状の突起があって、そこにイトを這わせていけば石に引っ掛かったハリがきれいに取れます。収納時は邪魔にならないコンパクトサイズで、伸ばすと最大全長115㎝になります。大型の蛍光リングは水中でもよく見えて使いやすいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

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ついに出た!O.S.Pのアユ専用ルアー「チェスター」に注目! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/osp_ayuayu つり人編集部 trend 189337403969 Fri, 25 Apr 2025 07:30:00 +0900

鮎のルアー釣りを追求!O.S.Pの新作ルアー「チェスター」登場。流れに負けない安定性と自然なアクションで釣果アップへ。詳細を見逃すな!

まとめ◎つり人オンライン

野アユの生命感を追求したアユルアー「チェスターSR/MRモデル」新登場

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野アユのような生命感を維持しつつ、使いやすさを釣果へと結び付けるルアー、それがチェスターSRモデル/MRモデルです。

ボディサイズは76mmを採用。シーズン前半の小型天然遡上アユに対応しつつ、通年でアユに警戒されにくい絶妙なサイズ感となっています。

ただ小型なだけではなく、自重があるためスピニングタックルにもベイトタックルにも対応可能。飛行姿勢が安定しているため、固定重心設計ながら、ロングキャスト性能も十分です。ウエイトはSRモデルが8.9gでMRモデルは9.0gです。

複雑な流れに負けない「泳ぎの安定感」

開発時に重視されたポイントは以下の2点です。

  • 川の流れの中でも安定した泳ぎを維持すること
  • 川の筋や石の大小による流れの変化に素早く対応すること

これらの安定性を実現するために、薄肉ながら高い強度を誇るハニカム構造のボディを採用。さらに高比重タングステンウエイトを低重心に配置し、姿勢の安定化を図っています。

流れに負けないワイドリップ設計

リップは、水の流れをしっかり受け止める大きめのワイドタイプで、。弱い流れでもしっかりアクションをキープできます。もちろん、角度設計にもこだわりがあり、強い流れの中でもバタつかず、不要な上下動を抑えながら、適度に水を逃がす設計になっています。

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警戒心を与えず、本能を刺激するタイトアクション

アユに過剰な警戒心を与えることなく、闘争本能だけを刺激するように設計されたタイトアクションが採用されました。振動が竿先にしっかりと伝わる設計で、使いやすさにも配慮されています。

リップが細かく水を掻くことで流れに流されにくく、その場に留まろうとする力が働きます。これにより、1つのポイントで長く丁寧に誘うことができ、操作性も向上しています。

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※内部のハニカム構造により薄肉ながら高強度に仕上がっている

 

・製品名:Chester(チェスター)  ・発売日:2025年6月上旬  ・税込価格 :¥1,870(税込 ) ・スペック Length:76mm Weight:SRモデル8.9g/MRモデル9.0g Color:SRモデル8色/MRモデル8色(※カラー共通) ※付属品:カツイチ製チラシ鈎付(1セット) 

 

 

 

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OWVと釣りブランドDAIWAが5周年ライブで夢のコラボ!メンバー自ら考案した衣装は、環境にやさしいサステナブル素材を使用。特別な一着の魅力に迫る。

まとめ◎つり人オンライン

OWVとDAIWAがコラボ!5周年ライブ衣装にサステナブル素材を採用

釣り用品ブランド「DAIWA」を展開するグローブライド株式会社は、ダンス&ボーカルグループOWVの5周年記念ライブ「OWV 5th Anniversary LIVE」に向けて、特別なステージ衣装を手がけました。 今回の衣装は、DAIWAが独自に企画したリサイクル素材を使い、環境にも優しいサステナブルなファッションアイテムとして制作されたもの。軽やかで動きやすく、かつメンバーそれぞれの個性がしっかり映えるデザインに仕上がっています。

 

 

 

メンバー別 衣装ギャラリー

本田康祐さん

本田康祐 衣装

 

中川勝就さん

中川勝就 衣装

 

浦野秀太さん

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佐野文哉さん

佐野文哉 衣装

 

 

 

 

メンバーが自ら考案した、世界にひとつだけのデザイン

衣装のデザインは、OWVの4人がそれぞれ自分でアイデアを出し、ライブのステージにふさわしいスタイルを追求。フォーマルなセットアップをベースに、スタイリッシュで存在感のある衣装が完成しました。 素材には、使用済みの漁網を再利用したリサイクルナイロンを緯糸(よこいと)に、そして日本有数のシルクの産地・群馬県富岡産の天然シルクを経糸(たていと)に使用。この組み合わせにより、環境に配慮しながらも、しっとりとした手触りと上品な光沢を兼ね備えた特別な生地が生まれました。

OWV 衣装

メンバー自らがデザインに関わり、環境への思いも込められた今回の衣装。ただ“カッコいい”だけじゃない、未来につながるスタイルとなりました。

 

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イカメタルのインペリアルシリーズに2 機種が追加されます。

写真と文◎編集部

紹介してくれたのは

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エバーグリーンインターナショナル営業部の芥川 晃さん

 

 

 

スキッドロウ・インペリアル ソードティップマスターC611、S70

イカメタルのインペリアルシリーズに2 機種が追加されます。ベイトモデルの『ソードティップマスターC611』はおもにイカメタルに、スピニングの『ソードティップマスターS70』はオモリグの釣りにマッチします。ただ柔軟なだけではなく、操作性も高くて感度もいいロッドを目指し、テスターの重見典宏さんや同じくテスターで境港の遊漁船の船長でもある小林知寛さんがテストを重ねて、理想のロッドを完成させました。手感度のみならずティップはピンクのブランクスに緑の蛍光色を施し、めちゃくちゃ見やすいです。餌木番長の船イカSPやメタル番長も新サイズが登場しています。

 

 

 

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エリアトラウトは繊細なフック使いが釣果に直結するジャンル。ここでは若きエキスパートの和田浩輝さんが、プラグルアーで魚を追い掛け、いかにフックを使いこなすかを見ていきたい

写真と文◎編集部

プラグにはワイドゲイプがマッチする

和田浩輝さんはトラウトキング選手権大会において第16回大会で総合2位、第17回大会、第20回大会で総合優勝を果たし、今年度もエキスパート戦の枠で参戦。ほかにもFF中津川CUPで3年連続年間優勝など数々の実績を残してきた24歳の名手である。今回は和田さんがエリアトラウトの楽しさに目覚めた原点の釣り場という「フィッシングフィールド中津川」でプラグルアーにおけるフックセッティングを教えていただいた。「プラグの魅力は種類によっても異なりますが、クランクであれば巻けば潜ってゆっくり引けてスプーンのように速度調整がシビアではないことです。フローティングモデルはSR、MR、DRと設定されたレンジを引きやすい。シンキングモデルでも任意のレンジを簡単に探れます。ボトムプラグやミノーは操作して掛けるマニュアル感が楽しく、トップはバイトが丸見えなので興奮します」そう語る和田さんがプラグルアー全般に愛用しているフックがヴァンフック「BC-33F」だ。イニシャルのBは「ボトム」、Cは「クランク」を意味し同社のHPでは『クランク&ボトムを極める為に進化したエキスパートフック』と謳われている。特徴はワイドゲイプとストレートなフックポイント。プラグは全般的に口に入りにくいルアーが多いため、口外にも掛かりやすい設計である。「BC-33Fには#6~10までの5サイズがあります。最小の#10やこの冬からラインナップに加わった#9は、小型クランクや5㎝以下のミノーにマッチします。#8はトップルアー、ボトムプラグ、6㎝ミノーから小型クランクまで使用ルアーの多いサイズです。さらに大きな#7、#6は3~5㎝のクランクに組み合わせ、魚の活性に合わせて意図的にハリを大きくしたい時にも使うことが多いですね」

ニジマス

 

 

クランクローテーションとフック使い

さて、この日の和田さんに課せられたお題はプラグ縛りで釣果を積み上げ、クランク、ボトム、トップ、ミノーにマッチしたフック使いを見せること。手始めはクランクでやろうと相成ったが、釣りの準備が整ったところで放流が始まった。「本来なら放流タイミングは重めのスプーンを軸に釣りを組み立てたほうが釣果を速く出せます。活性の高い魚は強いバイトが出やすく、ルアーの動きは速いほうが食わせやすいです。だから放流直後はスプーンを投げ、30分くらい経過して活性が落ち着いたところでクランクや他のプラグに替えることが多いです」 そう言ってセットしたのはテールを大きく振る「プレッソ ワブクラスリム」。山際に太陽が隠れたローライトな時間帯ゆえカラーはグローを選択。持ち駒のクランクの中でもハイアピールなタイプで表層付近から探っていくと、アタリは出るものの乗り切らないバイトが多発してしまう。「放流直後で魚の活性が高くバイトに勢いがあるせいかフックに乗りません。こんな時はリアフックを1サイズ上げると効果的な場面が多いです」 ワブクラスリムの通常のフック使いはフロントもリアも#7をセットするが、和田さんはリアフックのみ#6に交換した。すると途端に2尾、3尾と連発し始めた。「ヒットした魚のフックの掛かりどころを見るのも、釣りを組み立てるには重要です。テールフックに掛かった時は追尾しながらついばんだバイトであることが多く、ルアーのレンジが魚の層に合っているといえます。一方フロントフックに掛かってきた場合は、ドンと突き上げて食った強いバイトが出ている証拠です。魚が群れなす層にぴったり合わせるよりも、その上の層を引いたほうが高活性な魚が拾えるケースは多いのです」 釣果をスピーディに持続させるには高活性な魚を追い続けることだ。どの層に活性の高い魚がいるのか見極め、反応のよいルアーの動きやカラーを替え、強いバイトを拾っていく。弱いバイトから合わせてしまうと次の展開は苦しくなり連発のスピードも落ちる。 和田さんはクランクサイズを39㎜から25㎜に下げる。「プレッソ ワブクラJr」のSR(シャローランナー)をセットして前後のフックをフロント#8、テール#7と通常よりワンサイズ上げて早巻きする。これが高活性魚のスピードに合ったのかヒットを量産。さらにはスプーンのように引けるという「プレッソ リバクラ」(30㎜)でもテールフックを#7と大きくして釣果を重ねた。数十分後、放流パワーが落ち着いたところで「プレッソ ワブクラJr」のSS(スローシンキング)に替えて動きを弱くして追加。さらに活性が落ちたところで「プレッソニョロクレイジー」をセットした。「クランク使いはサイズを大から始めて小に落とし、シルエットをスリムにしていくことが多いです。活性が低下していくなか最後に投げるタイプのルアーがニョロ系です」 ニョロ系と呼ばれる『へ』の字型シンキングクランクはウネウネとした動きを見せるが水を動かす力は弱い。和田さんいわく波動的に低活性魚に強いルアーという。追尾してくる魚は多いがツンと突くばかりでフッキングには至らない。ここでも和田さんはリアフックのみ#8から#7にサイズアップしてバイトを拾った。ここまでのクランクにおけるフック使いを見る限り、ルアーチェンジをする前にリアフックの大きさを1サイズ上げるだけで、掛けられる魚がとても増えた印象である。 そして「ニョロクレイジー」でもバイトが取れなくなったところで飛距離が出て底層も探りやすい「プレッソ ワブクラDR」を沖の深みに遠投する。沖に残るフレッシュな高活性魚をねらい、さらにはボトムノックで底の魚を拾う作戦で釣果を持続させていった。

管理釣り場

 

 

ボトム、トップ、ミノーで食わせるためには

続いて和田さんはボトム系ルアーの「ステップダート」をセットした。ボトム系ルアーの魅力はタフな状況に強いこと。日が高くなり放流パワーが完全に消えて「場が仕上がった(スレた魚ばかりになる)」時にはボトムを試すのが手っ取り早い。フックは前後ともにBC-33F#8。着底後に砂煙を立てるようにボトムを跳ねさせ引いてくると手前のカケアガリでガツンとヒット。このパターンで数尾を掛け、ヒットのたびにフックポイントをチェックする。ボトムルアーはフックが底に当たり続ける。ハリ先が鈍りやすいためマメなフック交換が釣果アップのキモになる。10時を回ると気温が高まり、ふわふわと虫が飛び始めた。ライズが多くなってきた状況を見逃さずトッププラグの「プレッソ ラトリンポッピンバグ」に交換する。フックは前後ともに#8だ。「トップルアーに魚は突き上げてバイトします。ルアーのお腹をめがけて食ってきますので、リアフックをフロントフックと向かい合うようにセットすると乗りがよくなります」そうしてポコッとアクションさせて水面に泡を立て、その泡の中にプラグを置いてポーズ。これを繰り返すと魚が浮上して食らいつく。トップウォーターゲームは視覚的にかなり楽しい釣り方で気温が上がるタイミングは爆発することも多々ある。ひとしきりトップの釣りを楽しんだ後はミノーの「プレッソ ダブルクラッチ」をセットした。ジャークさせて潜らせた後で浮上時に食わせるメソッドで使用する。ミノーは操作感が実に楽しく、浮上したルアーに突き上げるようなバイトが出る。このためフック使いはトップと同じくリアフックを内向きにしたほうがフッキングはよい。しかしこの「マジックジャーク」とも呼ばれるメソッドは魚が見慣れてくると寄ってはきても食いつくまでに至らなくなる場面も多い。この日の釣り場はまさにそんな状況で和田さんはリアフックを外向きに変更した。それから断続的にジャークを入れてボトムまで潜行させ、ボトムノックをする変則的な釣り方を試すとバイトが出た。ボトムノックの釣りは必然的に追尾型のバイトしか出ない。このためリアフックを外向きに変えて皮一枚のバイトを拾ったのだった。

ヒットシーン

 

 

フックセッティング

フック

和田さんがプラグで多用しているフックが「BC-33F」(写真右)。この冬からは新サイズとして# 9 が加わり、小型プラグのフック使いにバリエーションが増えた。また来春リリースとなる「CW-33F」は形状がよりワイドゲイプになった新モデルで高活性魚を掛けやすい

 

フック

「BC-33 F」はワイドゲイプでストレートなフックポイントが特徴の中軸フック。カラーはフッ素ブラック

 

プレッソ ワブクラスリム

プレッソ ワブクラスリム
サイズ39mm。リング構成は前後ともに# 0 のダブルリング。広範囲から魚を呼ぶためのワイドアクションで水押しが強い。また左右移動式ウエイトを採用しており音が鳴る。ハイアピールな表層クランク
●フックセッティング
①通常はフロントもリアも「BC-33F#7」(写真上)
②高活性魚が多い状況ではフロント「BC- 33 F#7」、リアを1 サイズ上げて「BC-33F#6」に変更(写真下)

 

プレッソ ワブクラJr(SR)

プレッソ ワブクラJr(SR) 
サイズ25mm。フロントはシングルリング#1 、リアはシングル#0のフローティングクランク。表層レンジの活性の高い魚が対象
●フックセッティング
①通常はフロントフック「BC-33F#9」、リアフックは1 サイズ上げて「BC- 33 F#8」にする(写真上)
②放流後など高活性魚が多い状況ではフロントフック「BC-33F#8」、「BC-33 F#7」に変更する(写真下)

 

プレッソ ワブクラJr(SS)

プレッソ ワブクラJr(SS)
サイズ25mm。ワブクラjr のスローシンキング(SS) モデルは活性の落ちたスローな魚に、スピードを合わせやすい食わせのアクションが持ち味。リング構成はフロント#1、リア#0
●フックセッティング
フロントフック「BC- 33 F#10」、リアフックは1サイズ上げて「BC-33F#9」

 

プレッソ ニョロクレイジー

プレッソ ニョロクレイジー
サイズ57mm。リング構成はフロントもリアも# 0 のダブルリング。独自の形状はウネウネとしたアクションを見せ、タフな魚の好奇心をかき立てる。表層からボトムまで幅広い層をカウントダウンで攻略可能
●フックセッティング
①通常はフロントもリアも「BC-33F#8」(写真上)
②ショートバイトが多くフックが乗り切らないならフロントは#8 のまま、リアを1サイズ上げて「BC-33F#7」に変更(写真下)

 

プレッソ ワブクラ(DR)

プレッソ ワブクラ(DR)
サイズ30mm のフルサイズクランク。超デッドスローのリトリーブでもしっかりとねらいたいレンジをキープできて活性の低いトラウトを反応させる。リングはフロントが# 0 のダブル、リアがシングル# 0
●フックセッティング
①通常はフロント「BC- 33 F#8」、リアが「BC-33F#6」
②高活性魚を掛けにいく場合はワイドゲイプの「CW- 33F(プロト)」に交換してハリ立ちをよくさせることも

 

プレッソ リバクラ

プレッソ リバクラ
サイズ30mm。逆リップ(上向き)の付いたクランクでフォール姿勢が安定している。スプーンみたいに引けるシンキングクランクだ。リングはフロントもリアも# 0 のダブルリング
●フックセッティング
フロント「BC- 33 F#8」、リアは1 サイズ上げて「BC-33F#7」

 

プレッソ ステップダート

プレッソ ステップダート
サイズ40mm。ステップを踏むような規則的で小刻みなダートを得意とする。ミスバイトを軽減するアクションを実現しながら、ニュートラルな魚の活性を強制的に引き上げる
●フックセッティング
フロント、リアともに「BC-33F #8」

 

プレッソ ラトリンポッピンバグ

プレッソ ラトリンポッピンバグ
サイズ28mm。甘いポップ音でトラウトの注意を引き、スライド幅の短いテーブルターンで口を使わせる。フロントもリアもシングルリング# 0。トップは腹をめがけてバイトする魚が多く、リアフックは内向きにセッティングするのがミソ
●フックセッティング
フロントもリアも「BC-33F#8」

 

プレッソ ダブルクラッチ45F/60F

プレッソ ダブルクラッチ45F/60F
サイズ45mmモデルのミノー。マジックジャーが得意。トンプと同じくリアを内向きにするのが通常だが……
●フックセッティング
フロントもリアも「BC- 33 F#9」。60mm モデルはフロントもリアも#8

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東京1時間でギガアジ⁉ 西湘サーフが熱すぎる理由 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/gigaaji_seisyo つり人編集部 trend 188949190772 Thu, 17 Apr 2025 01:00:00 +0900

都心から1時間圏内の西湘海岸で40〜50cmの大アジが狙える⁉ 春の夜に爆釣するサーフアジングの魅力を徹底解説!

写真と文◎編集部

全長30㎞の夢空間

アジングを楽しむ方なら、一度はギガアジ、テラアジといった言葉を聞いたことがあるだろう。畏敬の念を込めて、40㎝オーバーのアジをギガアジ、50㎝オーバーはテラアジなどと表現するわけだが、そこまで巨大なマアジが岸からのルアー釣り、つまりアジングでねらえるところは長崎県壱岐に代表される西の離島や岬の先端であることが多い。

ところが、東京から1時間ほどの至近距離で40㎝オーバーが頻繁に顔を出すフィールドがある。それが神奈川県の西湘海岸である。

小田原生まれの小田原育ちで、現在の西湘のサーフアジングの盛り上がりに深く関わってきたのが、蘆原仁さんだ。

「僕が西湘サーフでアジングを始めたのは2017年からです。その前からも一部のコアな地元アングラーがやっていたようですが、僕が知る限りではここ10年の間で誕生した釣りですね」

西湘海岸では、昔からバケ仕掛けをキャストしてサビいてくる投げサビキを楽しむファンはいるが、夕マヅメ限定で日没の前後の釣り。対してサーフアジングも日没後からの釣りだが、朝マヅメまで夜中ずっとチャンスがあるという。現在はアミコマセをカゴに詰めたサビキ仕掛けで大型アジをねらう人も増え、いつの間にかすっかり大アジの聖地と化していたというのだ。

では、そんな大アジがねらえる西湘サーフとはどの範囲を指すのだろう。

「ざっくり言えば小田原から平塚にかけての約30㎞区間です。その間に早川、山王川、酒匂川、森戸川、中村川、花水川、相模川の7河川があり、いずれも天然のアユやウナギが行き来しています。その7河川以外にも小規模河川がたくさんあって、真水が入ることでプランクトンも湧きやすい。それから海岸線に非常に近いところを走る西湘バイパスの明かりもベイトを寄せる要因になっています。ちなみにメバルは闇夜がいいんですがアジは月夜でも問題なく食います」

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これがアジなのか⁉

蘆原さんがサーフアジングを始めたきっかけは「夜のサーフでアジがライズしている」と釣り仲間から聞いたことで、ジグ単でも届く距離というので堤防のアジングタックルのまま挑戦した。

「行ってみると、凪なのに一部だけ白波が立っていて、すぐにライズを発見しました。ライズに届かせるため通常より重い3gのジグヘッドをセットしました。ワームはいろいろ試しましたが、2・5inのシャッドテールが非常に効きました。ライズのあったところの近くに着水させて巻き始めたらドンッと食ってきて、しかもデカい。これがアジなのか⁉と」

今にして思えば、シーズン初期のハクパターンの典型で、アジが活性を上げていた。波動の強いシャッドテールはメバルでは定番ながらアジにはもっと細身のピンテール系が多い。

「でもサーフの岸寄りの浅場にハクを追い詰めているアジにはシャッドテールが効くんです。釣ったアジを捌くと、胃の中からはハクのほかシラスウナギ、稚アユ、シラスといった稚魚と、アミなどの甲殻類、イカ・タコの幼生、動物性プランクトンなどなどたくさんの種類が出てきます。いずれにしても潮目などに漂ったり固まっていることが多く、これを捕食しているアジにはジグ単またはフロートリグという、いずれも急速に沈まないリグがマッチしました」

サーフということで遠投した先でも水深はさほど深くない。そのため、止めると沈むメタルジグやキャロライナリグよりも漂わせるようにスローに誘っても極端に沈んでいかないジグ単やフロートリグがマッチする。

「アジはボトム付近というイメージが強いですが、サーフのアジはライズするくらいなんで泳層が浅く、目線も上にあることが多いです」

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フロートリグである理由

サーフということでロッドは8.5ftクラスが扱いやすい。リールはスピニングの2500番。

「流用するならエギングタックルが近いですが、エギングロッドだとちょっと反発が強いからアタリを弾いてしまいやすい。でもバランス的には問題ないです」

メインラインはPE0.5号。リーダーのフロロカーボン2.5号(約10ポンド)をラインツイスターを使ってMIDノットで接続する。ジグ単の釣りであればここにジグヘッドを結ぶだけ。

フロートリグの場合は、この先にワンランク細い2号(約8Lb)のフロロカーボンをファイティングリーダーとして結ぶ。リーダー、ファイティングリーダーともに長さは1~1.5m。これは各自のロッドの長さやガイドの干渉ぐあいに応じて決めればいい。

蘆原さんのフロートリグは大きくわけると2種類。フロートとメインラインに枝スを介するものと介さないものだ。

「枝ス式がメインですね。このメリットはフロートを直接操作するのではなく、枝スを介した先にあるスイベルを動かすことでその先のジグヘッドを細かく操作できること。アタリも明確に出ますし、ワーム付近にフロートがないので魚に警戒心を抱かせにくい。ただし、11~12月のシーズン初期で、ライズも頻繁に見られるときはフロートを直結にして巻いてくる釣りで普通に釣れます。ワームの先のフロートの波動も邪魔していない感じで、アジが深いときはディープタイプのフロートに変えるなど、キャロ感覚のフロートリグですね」

フロートリグにセットするジグヘッドは0.3~1gをメインに、フロートの残存浮力を消して沈ませたいときはさらに重くするなど細かい工夫を入れるのもライトゲームの妙。

「アジングですからライトゲーマーの心をくすぐるライトなタックル、微妙な操作感があってこそなんです。いくらアジがデカくても、とにかく遠投、ヒットしたら一気に寄せるようなパワーゲームだと萌えない。その点、サーフアジングは基本的に静の釣り。ところがヒットするや動へスイッチ。その振り幅の大きさがハンパない。実際、40㎝台は珍しくないですし、50㎝オーバーも毎年出ています」

残念ながら取材をした3月上旬はアジ自体が卵を持ち始め、ナーバスになりかけているタイミング。しかし3月後半になれば産卵後に食いが立つアジもいれば産卵前の魚もいて、5月いっぱいはチャンスがあるという。

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【10年ぶりのモデルチェンジ!】アピアのシーバス用リール「VENTURA LT4000-CXH」登場! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/apia_reel_seabass つり人編集部 trend 187482309011 Tue, 15 Apr 2025 02:00:00 +0900

アピアからシーバス用リールVENTURA LT4000-CXHが登場!ダイワ製リールのカスタムモデルですが、マットブラックに赤いラインと金の縁取り、アピアのロゴがさりげなく入っています。初代は2015 年にリリースされ10 年ぶりに進化して復活しました。

写真と文◎編集部

イグジストとセルテートの技術が詰め込まれた

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ダイワ製リールのカスタムモデルですが、マットブラックに赤いラインと金の縁取り、アピアのロゴがさりげなく入っています。初代は2015 年にリリースされ10 年ぶりに進化して復活しました。今回は番手が4000C-XHのみ。パワー・剛性・耐久性を持つ一体成型のフルメタルモノコックボディを採用し、内部のマグシールド採用箇所とボールベアリングの数はダイワのフラッグシップモデルに匹敵します。外側は頑丈なセルテート、中身はイグジストの機構といっても過言ではありません。前作より5㎜短くなった55㎜ハンドルは感度が上がり、パワーが入力しやすい。SLP製のパワーライトノブはしっかりと握り込めて大型とのファイトをアシストしてくれます。2025年9月に発売予定です。

 

 

紹介してくれた人は

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広報の中井佑一郎さん

徳島県出身で高校進学と同時にシーバス釣りにのめり込んで大阪に出てから数年は大手釣具店でアル バイトをしていました。23 歳でAPIAに入社し広報担当として自らフィールドに出てPRをしたり、カメラマン&編集をやっています。

 

 

 

 

 

 

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XBRAIDの実力をアングラーが語る!アップグレードX8の強度や耐久性は?

写真と文◎編集部

紹介してくれた人は

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西川健太さん(左)

釣具屋ブルーマリンに勤務しながらトラウトとオフショアに年間150日ほど通う。YouTube「釣具屋ブルーマリンとひりゅうch.」を運営している

山本斐琉さん(右)

本職は漁師で、生活の糧としてカニ・タコ・サケなどを追いながら、趣味ではオフショアジギング
でトラウトやロックフィッシュをねらっています。YouTube「釣具屋ブルーマリンとひりゅうch.」を運営している

 

アップグレードX8

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西川「XBRAIDのアップグレードX8はラインブレイクの心配をせずに使える圧倒的な強度と、ボロボロになりにくいコーティングの強さが気に入っています。ここぞというときの大物とのやり取りで安心感が違います。北海道の湿原河川では0.8~1号を巻いてアメマスの80㎝クラスやニジマスの60㎝クラスをねらいますが、そのサイズの魚を水中に沈んでいる木の中で掛けても不安がありません」

 

山本「私はジギングがメインなので、5カラーで2mごとのマーキングが入った『ペンタグラム』を愛用しています。サクラマスやキングサーモンを1.5号に32Lbのリーダーとの組み合わせで使っています。西川と同 じく強度への安心感はもちろん、XBRAIDならではの超ハイピッチで密度が高い編み込みによる硬めの イト質でノットが組みやすいのも気に入っています」

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三平と一緒に、川を守る一歩を。 https://web.tsuribito.co.jp/suburb/riverofdream_sanpei つり人編集部 trend 188721634968 Sun, 13 Apr 2025 10:00:00 +0900

 

釣りが楽しいのは、自然が豊かだから。
けれど今、その自然が静かに傷ついています。
そんな現状に向き合い、“川を愛する者同士”が手を取り合ったコラボレーションが実現しました。
アウトドアブランド「Foxfire」と、釣り漫画の金字塔『釣りキチ三平』によるチャリティTシャツプロジェクト。
このTシャツには、未来の川を守るための想いが込められています。

 

写真◎株式会社ティムコ 文◎編集部

湖と川に迫る危機

近年、日本各地の湖や川が、ゴミの不法投棄、水質悪化、生態系の崩壊といった深刻な問題に直面しています。これらは一朝一夕で解決できるものではありませんが、それでも「美しい川を守りたい」と願う人々の手によって、各地で自然保全や魚の増殖といった地道な活動が続けられています。

そんななか、自然との共生をテーマにウェアやギアを展開してきた「Foxfire」が、日本初の釣り漫画にして累計発行部数5000万部を超える『釣りキチ三平』とタッグを組み、新たな動きをスタートさせました。

foxfire

 

心を通わせタッグを組む

Foxfireは、アウトドアやフィッシングの魅力とともに、「自然と真摯に向き合う姿勢」を大切にしてきたブランドです。その理念は、『釣りキチ三平』にも通じるものがあります。

矢口高雄氏が描いた三平は、釣りの楽しさを伝えるだけでなく、環境破壊への警鐘を40年以上も前から鳴らし続けてきました。フィールドを愛し、マナーや礼節を重んじる両者の価値観は共鳴し、「R.O.D(River of Dreams)」とのコラボレーションへとつながったのです。

「R.O.D(River of Dreams)」は、釣り人が気持ちよく挨拶を交わし、ゴミひとつ落ちていない清らかな川で、魚が元気に泳ぎ、家族連れが川遊びやキャンプを楽しむ――そんな風景を守り、育てていくために、Foxfireが立ち上げたプロジェクトです。各地の自然保全や魚の増殖活動に参加・連携・協賛しています。

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4月12日、山梨県・日川で峡東漁協によるアマゴの稚魚放流が行われた。「R.O.D」の活動としてFoxfireスタッフも参加

atari

渓魚保全に向けたイラスト看板12枚をFoxfireより漁協へ寄贈。有志の釣り人の皆さんと協力して川の各所へ設置した

 

三平Tシャツに想いをのせて

今回のコラボでは、『釣りキチ三平』のイラストをプリントしたTシャツを制作・販売。その売り上げの一部は、「R.O.D」プロジェクトを通じて、川や湖の自然保全、魚の増殖活動に使われます。

支援の対象は、各地でコツコツと活動を続ける地域の人々。単なるチャリティにとどまらず、川を愛する者同士が“理想の川”の姿を想い描き、語り合うきっかけになることを目指しています。ファッションを通してアクションにつなげる試みです。

foxfire

Tシャツは3種類。「O池の滝太郎」や「ジャックとユキシロヤマメ」などの三平くんがプリントされている

 

川が未来を育むように

このチャリティプロジェクトが目指すのは、Tシャツの購入という行動をきっかけに、自然保護や地域の川に関心を持つ釣り人が一人でも増えること。楽しみながら環境への意識を高める――そんな「きっかけの連鎖」が、やがては川や湖を守る大きな力になります。

川に夢を託すこのプロジェクトは、水辺の未来を変えていく第一歩になるかもしれません。

atari

 

チャリティTシャツはFoxfireのホームページで販売。グラスやマゲワッパなどのアイテムもあるので、気になる人はチェック!

 

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ヴァンフックのフックがマイナーアップデート!スプーン用フック「SP」と「SW」の識別性向上のため、「SW」のパッケージが紫色に変更されました。使いやすさがさらに向上!

写真と文◎編集部

ヴァンフックのパッケージ変更

ヴァンフックのフックは、パッケージがマイナーアップデートされました。「スプーンに特化したナロー形状の「SP」とワイド形状の「SW」のパッケージが一緒に見える」という声を受け、「SW」を紫に色分けしました。

 

 

紹介してくれた人は

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営業部 部長の村上 裕一さん

ヴァンフック全般の商品の営業をしていますが、特にエリアトラウトに注力しています。トラウトルアー
フィッシングはネイティブも好きですが、管理釣り場に行くことが多いです。

 

 

 

 

 

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DainsleiF 6'1UL Rev-Eはフィールドスタッフの安島裕仁がプロデュースした4本目のエリアトラウトロッドです。エステルラインでマイクロスプーンを扱うことを前提としたロッドで、ショックに弱いエステルの弱点を補えるしなやかさをもたせながら、バット部には4軸カーボンの補強を施すことで操作性を上げています

写真と文◎編集部

エステルラインと相性抜群!新しいマイクロスプーン用ロッド

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DainsleiF 6'1UL Rev-Eはフィールドスタッフの安島裕仁がプロデュースした4本目のエリアトラウトロッドです。エステルラインでマイクロスプーンを扱うことを前提としたロッドで、ショックに弱いエステルの弱点を補えるしなやかさをもたせながら、バット部には4軸カーボンの補強を施すことで操作性を上げています。なので、ナイロンやフロロカーボンラインでも使いやすいです。私が使ってみて感じたことは、やはり細いエステルとの相性がよく、とくに手前で走られたときに魚に追従して曲がってくれることによるバラシの少なさに大きなメリットを感じました

 

 

紹介してくれた人は

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広報部・フィールドスタッフの荒川通さん

医薬品関係の企業に勤めつつフィールドスタッフとして活躍していたところ、弊社代表の菊地栄一に誘われロッドをプロデュースしたのをきっかけに入社しました。広報業務と開発・生産管理も手掛けながらトーナメントにも出場し、昨年11月にブルガリアで行なわれた第4回「TROUT AREA WORLDCHAMPIONSHIP」世界大会では個人優勝することができました。

 

 

 

 

 

 

 

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釣り人に知ってほしい!里山を再生させる「炭」焼き文化 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/sumiyaki つり人編集部 trend 181774916525 Thu, 03 Apr 2025 02:30:00 +0900

里山の荒廃は日本の自然環境にさまざまな影響を及ぼしている。里山から人の姿が見られなくなり、野生動物のテリトリーが拡大しているほか、手入れが行き届かない人工林は災害を助長する存在となった。これら複合する問題を解決の方向へと導くのに必要だと指摘されるのが里山の再生。日本古来の炭焼き文化がそのカギを握るかもしれない。

レポート◎浦壮一郎 協力◎東京燃料林産株式会社

人、魚、獣が棲みよい森の在り方

里山を再生させる「炭」焼き文化

里山の荒廃は日本の自然環境にさまざまな影響を及ぼしている。里山から人の姿が見られなくなり、野生動物のテリトリーが拡大しているほか、手入れが行き届かない人工林は災害を助長する存在となった。これら複合する問題を解決の方向へと導くのに必要だと指摘されるのが里山の再生。日本古来の炭焼き文化がそのカギを握るかもしれない。

炭

国産炭はわずかな量でも充分すぎる火力、長い燃焼時間が特徴。煙と匂いが出にくいことから、充分な換気さえ行なえばマンションでの使用も可能だという。また木炭には主に白炭と黒炭があり、焼き上がる際の火の消し方で炭質が異なったものになる。白炭は炭質が固く、黒炭は白炭に比べて少し柔らかいのが特徴。岩手木炭は黒炭が主体で、備長炭は白炭に相当する

 

里山荒廃の現実と再生の可能性

環境省の『里地里山保全活用行動計画(案)』(2010年)によれば、里地里山の定義を『集落を取り巻く農地、ため池、二次林と人工林、草原などで構成される地域であり、相対的に自然性の高い奥山自然地域と人間活動が集中する都市地域との中間に位置する』としている。

朝日や飯豊など奥羽山脈を流れる河川の最源流を除いて、我々が渓流釣りに出掛ける地域はそのほとんどが里山を流れる河川だと思って差し支えないだろう。

そんな里山地域は現在、農林業の衰退と高齢化により環境維持の担い手不足という問題を抱えている。かつて水田だった場所では休耕田が目立ち、雑木林で作業する人の姿は皆無。奥山と都市の中間に位置する緩衝地帯は今や奥山の延長線上となり、人が育ててきた森は荒れ放題の様相を見せている。

かつて人が手を加え続けてきた里山は、枝の切り払いや下草刈りなどによって明るい雑木林が広がっていたといわれる。ところが現在はヤブ漕ぎ必至の鬱蒼とした森となり、クマの出没件数が増えているのもそれが原因とする説がある。深いヤブによってクマが近づきやすくなったから、というのも確かに一理あるだろう。

ただ、渓流釣りをする人なら分かると思うが、クマもヤブの中を歩くのが特段好きなわけではない。普通に林道を歩いていることも多いだけに、彼らも歩きやすい場所を好む傾向がある。つまりクマの出没件数が増えたのは、単に里山から人の気配が消えたからだと考えられる。

 

クマ

中山間地域の過疎化、高齢化により、里山には人の姿が見られなくなりつつある。人の気配がない森はクマにとって安らげる場所なのだろう。やはり里山の荒廃がクマを呼び寄せているいえそうだ

 

かつて里山に隣接するように広がっていた水田は姿を消し、炭焼きや薪の採取のために里山の木々を活用していた人々も今はいない。人のテリトリーだった地域を野生動物に明け渡した、それが現在の状況だといえそうだ。

里山再生が急務といわれる昨今、注目されるのが炭焼き、すなわち炭文化である。里山の利活用という意味で古くから培われてきた炭文化もご多分に漏れず、衰退の一途を辿っている。

「木炭の生産量は戦中戦後の時期でおよそ270万t。対して現在は2万t足らずにまで減少しています」

こう話すのは木炭を含め燃料全般を扱う東京燃料林産株式会社の代表取締役、廣瀬直之さんである。同社は創業から80年以上、木炭や薪の取り扱いを通じて日本の里山と深い繋がりを持ち続けてきた。

「270万tもの木炭を生産していた当時、日本の山は禿げ山だらけでした。そのことを考えると木を伐りすぎていた、炭を焼きすぎていたかもしれません。日本全体の里山資源量からみてもやりすぎだった。でも今は当時の1%足らずです。これは伐らなすぎだと思うんです。データをどうとらえればよいのか分からないですが、肌感覚としては数十万t規模まで膨らませても枯渇することはないだろうと。むしろ里山の再生という意味ではもう少し活用したほうがよいと思います」

ただ、木を伐るという行為に対し拒絶反応を示す傾向があることも事実。炭焼きが環境に悪いという誤った風潮もゼロではないと廣瀬さんは言う。

廣瀬直之

東京燃料林産株式会社・代表取締役 廣瀬直之さん。同社は創業から80年以上、木炭や薪の取り扱いを通じて日本の里山との深い繋がりを持ち続けてきた。炭焼き文化の再興を通じて里山を再生し「都市部の富を中山間地域に還元させたい」と語る

 

東京燃料林産株式会社

東京燃料林産株式会社の本社・木炭ショールームでは木炭を展示販売しているほか、国産備長炭をはじめ白炭、黒炭、木炭用コンロ、木炭火起し、観賞用竹炭などの木炭関連商品も展示している

都市部の富を中山間地域に還元

「木を伐ることそのものが『悪』みたいな論調があることも確かです。長い歴史のなかでみると、戦争とか災害があるたびに木が伐られて、丸坊主になった山がいろいろ悪さをしたことがあった。だから木は植えるものであって伐ってはダメだという論調です。針葉樹はもともと伐るための山なので文句は言われないですが、広葉樹を伐ると『貴重な天然林を伐ってどうするんだ!』と、こうなるわけです」

また温室効果ガスに関連する批判もあるらしい。廣瀬さんは続ける。

「木炭を生産するには木を伐らなければならないですし、木炭を燃やせば二酸化炭素が出ることは確かです。しかし炭を作るということは里山の維持にも繋がるため、二酸化炭素の吸収量が増えることにもなります」

一般論として老木の二酸化炭素吸収量は若い木と比較して半分以下になることが知られている。木炭の生産は適度に伐って若い状態を保つことになることから、温室効果ガスの抑制にも貢献していることになる。

ところが、木を伐ることへの拒否感は正論を聞き入れない傾向がある。そうした論調を生み出す原因のひとつに里山への誤解があるらしい。「里山など広葉樹の森は現在『天然林』に分類されています。しかし里山は天然林ではなく人工林なんです。山留めとか山奉行といった言葉があるように、日本人は江戸時代からずっと森を守ったり作ったりしてきました。ところが里山が天然林に分類されたことで、そうした日本古来の文化をリセットしてしまった。そのため、植えた木はいいけど植えていない木は伐っちゃいかんという論調が生まれたんだと思います」

では、里山はどのように維持管理されてきたのか。中山間地域では江戸時代から脈々と里山を維持してきた。つまり木を伐っても資源が枯渇することはなかったのだ。なぜなのか。

「人工林には法正林という考え方があります。たとえば針葉樹の人工林は60ヵ所の山で60年ごとに木を伐って植林すれば、ひと回りして山が維持される。里山はどうかというと、針葉樹と違って萌芽更新といって切り株から芽が出て生長します。実生(種から育てる植物)ですと30年かかる木でも萌芽更新なら根が大きなままなので育ちが早い。そのため25年くらいで回せる。だから法正林的に里山を25年で回す地域をたくさん作っていけば資源が枯渇することはなく、適正な生産量を維持できるというわけです」

東京燃料林産ではそうした自然のサイクルを活用した里山再生を目指している。「過疎の原因は地域に仕事がないからです。よって未来永劫収入が確保される安定収入のシステムを作ってゆく必要があります。そのためには我々が安く買い叩いてしまうと『こんなキツい仕事やってられない』となって離れてしまうので、炭焼き職人の力量に見合った収入を還元させる必要があるでしょう。炭焼きなど職人の仕事は歩留まりと品質によってサラリーマンのベースアップより遙かに収入が上がることも珍しくありません。自分の腕一本でお金を稼ぐという方向に持って行きやすい仕事なので、そういう職人文化みたいなものを地域に根づかせて、都市部の富を中山間地域に循環させていく。還元させていく。そういう流れを作りたいと考えているんです」

中山間地域の雇用創出、そのカギを握るのが炭文化だということだろう。上記のように近年の里山は伐らなすぎのため資源量は充分確保されるはず。炭は日本の里山を救う可能性があるというわけだ。

林

日本の森は約40%が人工林、約50%が天然林、残り10%のうち原生林と呼べる森はわずか4%程度だという。林野庁の定義ではこのようになるが、里山はなぜか天然林に分類されている。正確には人が手を入れ育ててきた里山は人工林である。が、林野庁は所管外の森をすべて天然林に分類してしまったようだ。広葉樹の里山を天然林だと勘違いした人々によって、広葉樹を伐ることは『悪』との論調が生まれたものと思われる

減り続ける国産炭の現実

では、現在の木炭生産量はどのような状況にあるのだろうか。減少し続けている概要はすでに述べたが、実はかなり深刻なようだ。

「かつては岩手県が木炭生産量日本一でした。年間5000tほどの黒炭(ナラ材)を生産していましたが、現在は1000tを切るくらいまで減っています。かたや高知県なんかは備長炭(ウバメガシ材)の増産に成功していて1500t強の生産量がある。もともと和歌山県が1600t前後と日本一の備長炭生産地でした。ですが今はもう1000t切るくらいにまで減っている。ただ同県ではいろいろな運動があって、山あっての備長炭だよね、ということで『山づくり塾』みたいなものを山主さん、生産者さん、問屋さんが取り組んで少しずつ裾野を広げている。資源量を確保して品質を上げていこうという動きはかなり芽生えてはきているので、期待しているところです」

現在は全国でも2万t程度にまで減少してしまった生産量だが、一部成功している地域もあれば、まだ減り続けている地域も多いという。里山の荒廃が止まらないのもそうした理由からだろう。

「山の面倒を見られる人を増やさなければいけません。そのひとつが炭焼き文化で、分業でも兼業でもいい。伐って焼く人もいれば、誰かが伐ったものを焼く人でもいい。とにかくそういう人たちを増やして残さないと将来大変なことになる。このままでは里山が維持できないと思います」

里山の荒廃はさまざまな問題を引き起こすことになる。そのひとつが先に少し述べたクマの問題だ。各マスメディアではクマによる人身被害が急増しているかのように報じるが、詳細を見るとかなり波があり、必ずしも急増しているとはいえない状況も見えてくる。

 

里山とクマ、シカの関係

たとえば全国のクマによる人身被害件数(環境省集計)は2023年度が198件と確かに突出しているが、2022年度は71件、2021年度は80件と二桁で推移。ちなみに2010年度は145件と多いものの2008年度は52件である。つまり増え続けているわけではなく、上下の波が大きいのが実態だろう。ようするにこれは山の実が豊作かどうかに左右されることが原因のひとつであり、日本の山、森の環境が関連していると考えられるわけだ。

たとえば九州では1957年の目撃例を最後にツキノワグマが絶滅している(1987年に捕獲されたが、この個体は本州由来だと判明)。その後、シカの増加による農林業への被害が深刻となっている。ツキノワグマがシカを捕食するとは考えにくいものの、何らかのストレスがシカの生態に影響を与えているのかもしれない。

「現在はシカによる被害が問題視されていますが、シカが悪いというよりはシカだけが残れる山にしてしまったこと、生態系のバランスが崩れることが問題なのだと思います」

 

山の保水力を低下させる放置人工林

シカの食害だけが問題ではないのだろうが、九州では針葉樹の植林をしてもなかなか育たない現状があるようだ。そのため土砂災害も頻発する傾向が見られる。

「北側斜面は針葉樹、南側斜面は広葉樹といったように棲み分けが江戸時代はできていました。それが現在ではどこもかしこも針葉樹です。同じ高さの木が密集していると何かのきっかけで崩れやすい。ですが(いろいろな樹種が)複雑に絡み合っていると(土砂崩れは)どこかで止まります。その仕組みが理解できないで植林してしまったのでしょう」

間伐や枝打ちなどの手入れを行なっていない放置人工林は、必要以上に葉が茂っていることから、蒸散作用によって多量の水を土中から吸い上げてしまうことが分かっている。このため林床部は乾燥化が進み、河川が渇水気味となる。すなわち山の保水力がなくなってしまうことにもつながる。また豪雨時は降った雨が染み込みにくく地表(林床部の表面)を流れることで、その土砂が流出し流れ込む河川は濁流と化してしまうという。さらに単一の樹種では根の広がりや深さが一定のため、廣瀬︎さんが言うようにひとたび崩れ出すと一気に崩壊してしまうのだと考えられる。

「もともとスギは日本固有種なので勝手に生えてくる。屋久島とかそうですよね。そういう場所はスギに適している。つまり棲みやすいところに棲みやすい生き物を配置してゆくことが大切なんだと思います。まぁ神様がやってきたことですね」

自然の森はさまざまな樹種が混生している。人工林もそれを見習って植林すべきだったということだろう。

クマやシカの問題、そして手入れが行き届かない人工林がもたらす災害など、すべては中山間地域が抱える問題へと繋がってゆく。そして、やはり里山の再生が急務であることに気づかされることになる。

森

北側斜面は針葉樹を植林し、南側斜面は広葉樹を残す。江戸時代はそうした施策が行われていたようだ。その理由は、陽当たりが悪い北側斜面は木の生長が遅いため年輪幅が狭く材として高価値になるからだといわれる。しかし昨今はどこもかしこも針葉樹を植林し、森の生態系を壊しているといわざるを得ない。写真は東京都奥多摩町の森。江戸時代からの教えを守る数少ない貴重な森といえる

 

木

備長炭の産地として知られる和歌山県だが、かつて1600tあった生産量は現在は1000tを切るまでに減少している。しかし地主や生産者のほか一般市民の一部も参加する形で森の再生を目指す動きがある

 

国産炭の需要増が里山を救う

木炭の生産量が減少し続けていると述べたが、需要はどうなのだろうか。もちろん戦中戦後の時期と比較すれば一般家庭で木炭を使う機会は激減した。しかし飲食店のほか趣味の範囲(キャンプなど)では需要は安定しており、国産炭の減少分を海外炭で補っている状況のようである

国産炭の代用として海外炭を使う人、あるいはオガ炭(おがくずを凝縮させて作った炭)で充分という人もいるかもしれないが、それらの人はおそらく国産炭の優秀さに気づいていないだけのようである。

実は国産炭はほんのわずかな量でも充分すぎる火力(熱量)があり、また燃焼時間も長いという特徴があるという。廣瀬さんは言う。

「国産炭は海外炭よりも少ない量で食材を焼くことができます。海外炭と同じ量を入れてしまうと食材が丸焼けになってしまうほどです。国産炭は800gくらいの量で海外炭3㎏くらいの火力があり、またオガ炭と比較すると国産の黒炭2㎏に対してオガ炭10㎏くらい違いがある。えっ!これだけ?という量の黒炭で長時間焼くことができる。しかも1時間以上火力が安定しています。海外炭だとせいぜい30分がいいとこ。国産炭はとても良質な炭なんです。でも、使っていただかないと分かってもらえない……(笑)」

さらに特筆すべきは煙が少ないことだと廣瀬さんは言う。充分な換気をして一酸化炭素中毒に気をつけていれば、マンションでも使用できるというから驚きだ。

「換気したりCO感知器を入れたりするだけでどこでも使えます。良質な国産炭なら煙も出ないし匂いも出ない。家の中に囲炉裏がなくても火鉢があれば使うことができます。さすがにサンマとかアユを焼く場合は換気扇の下でやった方がいいと思いますが(炭からではなく魚から煙りが出るので)、一夜干しとか水分が少ないものなら相性はいいと思います」

換気さえ怠らなければ室内でも使える国産炭。海外炭とどこが違うのだろうか。

「日本の炭焼きは低温炭化工程に加え高温炭化工程があります。それをやっている製法はほぼ日本だけなんです。海外の炭を買うと煙が出たり匂いが出たりということがありますが、それは高温炭化工程がないから。囲炉裏があった日本家屋と煙突がある海外の家、あるいは屋外で炭を使う海外との違いでしょう。そうした生活様式に合わせた炭を日本人が開発していったというわけです。良い悪いではなく、日本は日本の生活スタイルに合わせた炭を作ってきた。たまたまそれが群を抜いて高性能な炭を生み出したというわけです」

廣瀬さんが言う国産炭の優位性が広く理解されたなら、おそらくは今以上に需要が高まることになるだろう。その結果、日本古来の炭文化の再興と中山間地域の活性化、そして里山の再生に繋がってゆくことが期待される。国産炭と炭文化、今後も注目してゆきたい。

炭焼き

国産炭はほんのわずかな量でも充分すぎる火力があり燃焼時間も長い。写真のアユを焼く木炭は熊本県の尾鷹林業のかしの木の炭で驚くほど高い位置まで熱を放つ。このため長い竹櫛で炭から離して焼き上げる

 

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ヤマモトベイツ日本未発売モデルついに国内販売開始!気になるラインナップは? https://web.tsuribito.co.jp/basser/yamamoto-baits-japan-release つり人編集部 trend 187942255147 Thu, 03 Apr 2025 02:00:00 +0900

ヤマモトベイツの日本未発売品が国内販売開始!新たに7種類のアイテムがスミスから4月に発売予定。フラグラブダブルテール2.5インチやシャッドシェイプスイマー、ザコ、パドルテールザコ、センセイワームなど充実のラインナップ

まとめ◎つり人オンライン

日本でも馴染み深いワームブランドであるゲーリヤマモトは現在、GSMアウトドアーズの傘下となり、ブランド名はYAMAMOTO BAITSに変更となっています。ヤマモトベイツの製品は、日本でもポピュラーなものが多い印象ですが、実はこれまで日本で発売されていないアイテムも少なくありません。そんな中、ヤマモトベイツ社とスミスとの間で日本での販売アイテムの大幅拡充を進めることが決定したそう。 日本で新たに発売となるアイテムは7種で、いずれもスミスから4月発売予定となっています!

フラグラブダブルテール2.5インチ

ブランドのルーツともいえるフラグラブに、一口サイズの2.5インチが新発売されました。ジグヘッドに装着すれば、スモラバ感覚で扱うことができます。フリーリグにもお勧めのワームです。

フラグラブダブルテール2.5インチ

全長:2.5インチ(85mm) 自重:3.5g 入り数:10本入り カラー:全8色 価格:オープン

 

 
 
 

シャッドシェイプスイマー3.2インチ、3.7インチ、4.2インチ

ジグヘッドリグでの中層攻略用に開発されたフィネススイムベイトです。シルエット、サイズ、カラー、スイムアクションの組み合わせでベイトフィッシュに合わせる事ができます 。

シャッドシェイプスイマー3.2インチ、3.7インチ、4.2インチ

全長:3.2インチ、3.7インチ、4.2インチ 入り数:8本入り カラー:全17色 価格:オープン

 

ザコ3インチ、4インチ

ブレーデッドジグトレーラーの定番品です。日本での発売を心待ちにしていた人も多いはず! 

ザコ3インチ、4インチ

全長:3インチ(77mm) 4インチ(100mm) 自重:3インチ=3.9g 4インチ=9.2g 入り数:3インチ=8本入り 4インチ=6本入り カラー:3インチ=全23色 4インチ=全28色 価格:オープン

 

パドルテールザコ4インチ

力強いスイミングモーションを起こすハイアピールタイプです。ブレーデッドジグ、スイミングジグのトレーラーのほか、ウェイテッドフックを用いて単体のスイムベイトとしても使えます。 

パドルテールザコ4インチ

全長:4インチ(90mm) 自重:9.3g 入り数:5本入り カラー:全20色 価格:オープン

 

 
 
 

センセイワーム6.5インチ

ドロップショットリグやネコリグでの使用に向いたフィネスフィッシング用のストレートワームです。ソルトイン素材ですが、比重は低く設定してあり水中で自然に漂わせやすいようになっています。

センセイワーム6.5インチ

全長:6.5インチ(152mm) 自重:6.7g 入り数:10本入り カラー:全12色 価格:オープン

 

オキワーム10インチ

メガフローターフォーミュラ採用のロングワームです。ワーム本来の透明感や発色はそのままに浮力を持たせています。水面で浮かせて使うもよし、ボトムで立ち上がらせてもよいでしょう。 

オキワーム10インチ

全長:10インチ(272mm) 自重:16.5g 入り数:6本入り カラー:全16色 価格:オープン

 

イチワーム10インチ

メガフローターフォーミュラ採用のリボンテールワームです。オールドスクールなフォルムだが、ビッグバス狙いに期待の持てるワームと言えます。 

イチワーム10インチ

全長:10インチ(175mm) 自重:13.6g 入り数:6本入り カラー:全16色 価格:オープン

 

 

 

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「廃校が新しい遊び場に生まれ変わる!釣り、BBQ、ドッグランなどが楽しめる施設が4月25日にオープン。家族や友人、愛犬と一緒に新しい体験を満喫しよう!

文◎つり人オンライン

廃校の再利用事例:釣具メーカーの新たな挑戦

昨今、廃校が増えていることをご存知だろうか?文部科学省のデータによると、全国で毎年約450校が廃校となっている。そんな中、廃校の再利用方法を模索する取り組みが注目を集めている。特に目を引くのが、釣具メーカーの株式会社ハヤブサによる斬新なアイデアだ。 静かに佇んでいた廃校の体育館は、全天候型の屋内釣り堀としてリニューアルされ、校庭は天然芝のドッグランやBBQスペースに変貌させた。これらの施設は、ただの「遊び場」ではなく、地域の人々に懐かしさと新しい体験を提供すること間違いなしだ。

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施設の魅力を一挙紹介

株式会社ハヤブサが手がける廃校再生プロジェクトでは、以下のような魅力的な施設が誕生しました。

1. 屋内釣堀の「つりの体育館」

旧中吉川小学校の体育館は、全天候型の屋内釣堀「つりの体育館」にリニューアルされました。手ぶらで気軽に釣りを楽しめるこの施設では、マス釣りや金魚釣り、タナゴ釣りなどが体験できます。釣った魚を食べることもできる「から揚げコーナー」も施設内に設置され、釣りから食事まで楽しめます。

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2. 天然芝のドッグラン「Play-G」

校庭は、愛犬と一緒にのんびり遊べる天然芝のドッグラン「Play-G」に変身しました。クッション性が高く、暑い夏でも足元が熱くなりにくい天然芝が使用されています。大型犬用と小型犬用のエリアが分かれており、愛犬と快適に過ごすことができます。

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3. BBQスペース「SIZZLE88」

神戸の人気ステーキ店「バッファローハンター」が監修したBBQスペース「SIZZLE88」では、愛犬と一緒に自然の中でBBQを楽しむことができます。お肉や新鮮な食材を使った料理を、家族や友人とともに味わいながら、楽しいひとときを過ごせます。

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4. プールサイドキッチン「POOL SIDE KITCHEN」

体育館横には、おしゃれなドーナツ店「ドーナツホリック」が監修した美味しいドーナツと、人気ステーキ店「バッファローハンター」のお肉料理が楽しめる「POOL SIDE KITCHEN」があります。カジュアルでありながら高品質な料理を提供するこのレストランで、リラックスした食事をお楽しみください。

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5. 芝生広場とOPEN SPACE STORE

芝生広場では、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。お弁当を広げてピクニックを楽しんだり、寝転んでリラックスしたりするのにぴったりです。また、施設内には「OPEN SPACE STORE」があり、三木市周辺の特産物やハヤブサのアウトレット品を購入できます。思い出の品を手に入れて、訪れた記念にしてみてください。

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廃校再生が生み出す新たな価値

かつて学校として使われていた場所で過ごす時間は、懐かしい思い出を呼び起こし、昔の学校生活を再び体感することができるはず。学び舎だった空間で、家族や友人、愛犬と共に新たな経験を重ねることは、訪れる人々にとって特別な意味を持つはずです。

株式会社ハヤブサの取り組みは、単なる廃校の再利用にとどまらず、地域の再生と活性化を目指すプロジェクトだと言えます。この場所は、今後さらに進化を遂げ、訪れる人々に新しい遊びと癒しの場を提供し続けることになるでしょう。未来に向けた希望を形にするこの試みは、地域社会に深い意味をもたらし、多くの人々の心に残る場所となるはず。オープンは2025年の4月24日(木)です。

 

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管理釣り場のマナー完全ガイド|初心者必見のルール&裏技 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/rainbow_area_manor つり人編集部 trend 186847341727 Mon, 31 Mar 2025 02:00:00 +0900

エリアトラウトの疑問や悩みを千藤卓さんがスッキリ解決。次の釣行をもっと楽しく、もっと釣れる日に!ここではちょっとしたテクニックを解説します。

写真と文◎編集部 案内◎千藤卓

マナー&小ネタ編

入場時のルールがわかりません!

ローカルルールを調べましょう!釣り場によって「荷物で場所取りOK」や「場所取り禁止で受付順に入場」など異なるルールがあります。確実なのは釣り場に直接問い合わせることです。

また、先行者の隣に入るときは「ここ入っていいですか?」と声を掛けるのがマナーです。

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移動するときのマナー

荷物を置きっぱなしはNG!釣り座を離れる際は荷物も一緒に移動しましょう。バッカンなどで釣り座をキープし、ロッドだけ持って移動するのはマナー違反です。

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大物をねらいたいです

放流直後がチャンス! 養殖の大型マスは警戒心が薄く、目の前を通せば食いつくことが多いです。放流直後はデカい魚から抜かれてしまうので、このタイミングを逃さないようにしましょう。

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朝マヅメが終了。日差しが水面に

上のレンジがよくなるかも! 陽が高くなり水温が上がると、魚のレンジも上がってくることがあります。このタイミングではクランクへの反応が良くなるケースが多いです。

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風が吹いて釣りにくいです

低めの弾道でキャスト! 風が吹くと魚が動き出すチャンスですが、横風で釣りにくくなります。キャスト時は低めの弾道を意識し、着水と同時にラインを水面につけて膨らまないようにしましょう。ライントラブルを減らし、隣の人に迷惑をかけないためにも重要です。

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前日にトーナメントが開催されていたみたい

チャンスですよ! トーナメント開催日には放流量が増えていることが多く、試合翌日は活性の高い魚が多く残っているため、釣りやすい傾向があります。

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鳥が水面にいて邪魔です

移動するしかないかも…! 魚は鳥を怖がるため、釣りづらくなります。特にカワウはマスを捕食するため、釣り場にとっても大きな影響を与えます。追い払ってくれる釣り場もありますが、そうでない場合は鳥のいない場所へ移動しましょう。

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釣果が伸びないのを道具のせいにしている人がいました

その可能性はあります! 道具によって釣果が大きく変わることがあります。リールの巻きが重いとアタリが感じられず、釣果に影響することも。良い道具を使うことで上達が早くなります。

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帰り道の渋滞がツラい!

行楽客の帰宅時間を避けろ! 例えば御殿場の東山湖では、夕方の東名上りは渋滞が発生しやすいです。午後2時くらいで納竿することで渋滞を避ける人も多いです。渋滞ポイントを事前に把握し、回避ルートを検討するのも有効です。

 

 

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大河・利根川の生まれる場所へ。100年前の水源探険の舞台は、巨大イワナの巣窟だった! https://web.tsuribito.co.jp/tonegawa_keiryu つり人編集部 trend 187942256753 Fri, 28 Mar 2025 02:30:00 +0900

利根川最上流部にある矢木沢ダム(奥利根湖)より上流の本流筋は「利根川本谷」と呼ばれている。そこはかつて魑魅魍魎の棲む地とされており、明治、大正、昭和に行なわれた水源探険の舞台でもあった。最終的に水源が特定されたのは昭和29年。それから70年以上、幾県も跨ぎながら最初の1滴まで「利根」の名を変えない大河を、大イワナを捜しつつ今改めて遡ってみた。(『渓流2025』より抜粋)

文◎成田賢二

【動画】利根川最初の一滴まで!迫力満点の源流釣行を動画で見る

ダムを越え、水源探険の舞台へ

 今回のメンバーは7人、出発前夜に下山口となる新潟県の三国川ダムを望む公園に集まった。大所帯のため装備類の打ち合わせを綿密にせねばならない。
 利根川源流の地形的特徴として、バックウォーターから水源の大水上山まで奥深く食い込んだ「一本沢」であることが挙げられる。一本沢というのは、有望な釣り場となるような支流を持たないという意味である。右岸には越後沢や裏越後沢という大滝を秘めた支流が注ぐが、どの谷も概して急峻で魚止が近い。本流核心部の釣りに専念できるよう、初日はできるだけサオをださず、支流も思い切って通過することにした。
 「民宿やぐら」のエンジンボートで矢木沢ダム(奥利根湖)を渡してもらい、小穂口沢との分岐で下船した。湖岸に付けられた道を少し歩いて本谷の河原に下り、荷を下ろしてようやくたどり着いた利根川源流入口の景観に見入った。少し進むと左岸から静かに水長沢が入る。
 有史以来、奥利根は極めて人跡の稀な土地であった。そこで明治27年、大正15年、昭和29年と3度にわたる水源探検隊が結成され、最後の”昭和隊”がようやく水源を突き止めたという経緯がある。
 目の前の水長沢は”明治隊”が水源を求めて入り込んだ支流である。当時の探検隊の名簿を見ると、水上村長や沼田警察署長、沼田収税署長、沼田尋常高等小学校長などとある。日清戦争の只中であった当時の記録を読むと、利根川本谷を遡ったものの水長沢出合の先にてその険しさと日数不足、食料計算のミスなどにより本谷遡行を断念。左岸の水長沢を尾根から巻き登り、文珠沢へと抜けたらしい。その道中では今は矢木沢ダムに沈んだ温泉を掘ったり、マムシを蒲焼きにして食べたり、マイタケの汁を作ったりして、上越国境を確定しながら尾瀬ヶ原を経て戸倉へ下山している。
 当時、藤原以奥は魑魅魍魎が住む地とされており、ボッカ人夫にはピストルや日本刀を持参させていたが、結局日本刀は藪を狩る鉈に堕し、ピストルは夜露のために錆びついて10日間の山行の下山を祝う時の祝砲にしか使わなかったというオチがある。
 先へ進むと最初のゴルジュ帯「シッケイガマワシ」となる。「シッケイ」とはカモシカの異名であり、カモシカでさえも高巻くという意味だろう。明治隊が遡行を諦めたであろう場所がこの辺りである。
 やがて右岸に越後沢を見送ると谷はさらに狭まる。泳ぎとヘツリを交互に繰り返すとようやく魚影が見え始めた。ダム近辺で見たウグイとは違い、明らかにイワナの動きである。ここにきて中道君の投じたフライにヒットがあり、ここ数年でテンカラを始めた和田の毛バリにも反応が続いた。この日は滝ガ倉沢の合流点付近でビバーク。

渓流釣り

矢木沢ダム(奥利根湖)より上流の本流筋は「利根川本谷」と呼ばれている。極端に切り立ったV字谷が続く

渓流釣り

豪雪で知られる奥利根だが、この年の9月は上流部に1ヵ所雪渓が架かっていただけだった

渓流釣り

利根川本谷の遡行には本格的な沢登りの技術が必要になる

 

やっぱり、いないはずはない

 翌日は早朝から魚の反応が連続し、型も良くなってきた。ドラマは難所「オイックイ」の先で起こった。ルアーロッドに持ち替えた中道君がまたしてもサオをあおった。大きい、明らかに大きい。50cmは優に超えている。バラすな!怒号が飛び交う。振り出しの源流ルアーロッドではヒットした淵で耐えきれず、やがて魚が下流に走り始めた。中道君がサオをしならせながら河原を駆け下り、つい先程登ってきたばかりの小滝を飛び降りる。
 私もザックを捨ててランディングネットを持ち、それを全力で追走した。握っているのはグリップを楓の瘤材で作った中道手製の源流ネットである。50mほど下流の淵で隙を見せたイワナを、なんとか私がネットに魚を放り込んだ。……が、ネットより魚の方がはるかに大きい。まずいことに魚は頭側がネットの外に出ていた。魚は暴れ、ルアーは外れ、その瞬間にイワナは帰らぬ魚となった。私たちはずぶ濡れのまま呆然と立ちすくんだ。
 「ネット小せえだろ!」
 「知らないっすよ!」
 私は叫んだが祭りは終わった。その日は定吉沢の出合にて幕営した。

渓流釣り

最初に出た1尾に見入る。この川のイワナは引きが強い!

渓流釣り

難所「オイックイ」。雪がないのでサオを出しながら通過する

 

巨大イワナ再び、そして稜線へ

 ハイライトは翌朝に再び起こった。テント場から本谷に降りるとすぐに扇形に開けた深い淵がある。そこで中道君が次は53cmを手にしたのだ。深い淵にスプーンを沈めての釣果だったという。
 そのすぐ先にある魚止滝を越えると、連続する滝群が待っていた。大利根滝20mは直登したのちに荷揚げをし、ハト平周辺でわずかに残った雪渓をくぐる。人参滝や深山滝を越えると午後5時をまわり、どうにも今日中に稜線まで抜けることが不可能だということが分かった。
 源頭部にわずかにあった砂利の河原を均すと、貧しいながらもテント場が出来上がった。寝床の頭のすぐ脇を利根川が流れているという贅沢なテンバであった。

 翌朝は疲れた身体を引きずりながら小滝を越え、源頭を詰めて稜線に立ち、ようやく荷物を下ろして大水上山を往復した。うねるように笹原が続く稜線を眺め、平ヶ岳や本谷山、中ノ岳へと連なる上越国境の極みに立ったことに大いに満足を得た。
 結果的に雨には一度も合わない4日間だった。はるか足元になった利根川本谷と関東平野を眺め、ひとつの旅が終わったことを知った。豊穣の森を無心に漂ったものだけが理解しうる穏やかさを感じながら、私たちは笹原につけられた緩やかな登山道を下りはじめた。

渓流釣り

大イワナに引きずられながら沢を下る!

渓流釣り

ついに出た、今回最大の53cm

渓流釣り

ついに稜線へ!中央に刻まれた沢筋が利根川の源頭部

 

 

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T.H.タックルとテイルウォークのコラボレーションが実現

まとめ◎つり人オンライン

「ZOE」シリーズ限定カラー追加

トッププロをはじめ、多くのアングラーがシークレットルアーとして愛用している名作ルアー、T.H.タックル「ZOE(ゾーイ)」シリーズ。今回は、ゾーイをこよなく愛するテイルウォーク・フィールドスタッフたちの要望に応え、T.H.タックルとテイルウォークのコラボレーションが実現しました。

このコラボレーションでは、「釣れるカラー」と実績高いナカチャギルカラーが展開される。バスはもちろん、シーバスやバラマンディ、チャドー、バラクーダなど、フレッシュウォーターからソルトウォーターまで幅広い釣果を叩き出します。

そして、「ゾーイtailwalk limited colorシリーズ」には、さらに新しいモデルが加わり、ますます注目を集めています。

JOINT PAPA ZOE NAKACHA GILL

JOINT PAPA ZOE NAKACHA GILLII

JOINT PAPA ZOE tailwalk limited color
カラー:ナカチャギル(上)、ナカチャギルⅡ(下)

ボディサイズ約110㎜のスローシンキング仕様。ジョイントゾーイよりもひと回り大きなサイズで圧倒的なサーチ能力を発揮。ラインテンションを抜いたデッドスローリトリーブ、存在感を活かしたボトムステイからのワンアクションなどアングラーの操作にクイックに反応する。
110mm、約47.5g、6050円(税込)

 

JOINT ZOE NAKACHA GILLII

ZOE & JOINT ZOE tailwalk limited color

追加カラー:ナカチャギルⅡ(従来はナカチャギルのみ)

スローシンキング仕様。不自然さを徹底排除したオリジナルデザインを実現。スレたビッグバスを惹きつける圧倒的な集魚パワーで I 字引きからトゥィッチ&ハードジャークまで対応。スレたバスでも魅了する不自然さを排除した通常モデルと巻くスピードで動きが変化し、ホットケメソッドでは自然に漂うジョイントの2タイプを用意。
JOINT ZOE 92mm、約36.5g、5,280円(税込)
ZOE 91mm、約34g、3,960円(税込)

 

 

 

 

 

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釣り人と地域をつなぐ新たな仕組み——漁港開放を進める『海釣りGO』の今

写真◎ウミゴー 文◎編集部

釣り場の未来を変える—「海釣りGO」の挑戦と広がる影響

堤防釣り

近年、全国的に釣り場の閉鎖が進む中、新たな釣り場の提供を目指すユニークな取り組みが注目を集めている。静岡県西伊豆町を拠点とする「海釣りGO」は、日本で初めて漁港の釣り場予約を可能にしたサービスだ。2024年度下期には、新たな釣り場の開放や地域社会との連携を進め、さらにはビジネスコンテストでの受賞を果たすなど、多方面でその価値が認められつつある。また、現在進行中のクラウドファンディング「釣り人が地域を支える!釣り場開放プロジェクト」は、釣り文化の未来を大きく左右する試みとして注目を集めている。

 

全国で減少する釣り場、新たな解決策とは?

堤防釣り

近年、環境保護やマナー問題を理由に、漁港や海辺の釣り場が次々と閉鎖されている。しかし、それと同時に、釣り人口は増加傾向にあり、特にコロナ禍以降、アウトドアレジャーとしての人気が高まっている。こうした状況の中、「海釣りGO」は釣り場を守りながら地域と釣り人が共存できる仕組みを提供している。この取り組みの一環として、2024年8月には静岡県西伊豆町の仁科漁港が「海釣りGO」の2つ目の拠点としてオープンした。2023年に開放された田子漁港とは異なる地形や魚種が特徴で、釣りの幅がさらに広がることとなった。また、釣り場の魅力向上と環境保全を両立する施策として、「食害魚ハンティング企画」を開始。指定された魚種を釣ると地域通貨と交換できる仕組みを導入し、駆除が必要な魚を有効活用する試みが進められている。このプロジェクトは地域メディアにも取り上げられ、関心を集めている。

 

ビジネスモデルとしての成功—各種アワードで評価

堤防釣り堤防釣り

このような取り組みは、ビジネスの視点からも高く評価されている。

・静岡県SDGsビジネスアワード2024 優秀賞受賞
持続可能な社会を目指す企業を表彰するこのアワードにおいて、「海釣りGO」の事業は「海業の社会実装」というテーマで発表され、高い評価を受けた。

・静岡市 BRIDGE 2024 優秀賞受賞
地域とスタートアップ企業の協力による共創コンテストにおいて、海洋環境再生を目指す企業MarineSweeperとの共同提案が受賞。釣り場の活用と海洋保全を組み合わせたアイデアが評価された。

これらの受賞を通じて、「海釣りGO」の事業が単なる釣りサービスにとどまらず、地域社会や環境保護にも貢献するビジネスモデルであることが証明された。

 

未来の釣り場を守るために—クラウドファンディングの展開

堤防釣り

現在、「海釣りGO」はさらなる釣り場開放を目指し、クラウドファンディング「釣り人が地域を支える!釣り場開放プロジェクト」を実施している。釣り場を新たに開放するには、地域の漁業関係者や住民との調整が不可欠である。しかし、その過程で地域と釣り人との距離が縮まり、単なるレジャーとしての釣りを超えた関係が築かれていくことも分かってきた。本プロジェクトを通じて支援した人々には、特別な釣り体験や地域交流の機会が提供される予定だ。釣りをしながら、地域を知り、環境保全に貢献する——そんな新しい釣り文化を支える取り組みとなっている。

 

釣り文化の新たな可能性

「海釣りGO」の取り組みは、釣り場の減少という全国的な課題に対し、地域と連携することで解決策を提示するというユニークなアプローチを取っている。2024年度下期には、新たな釣り場開放やアカデミックな評価、ビジネスモデルとしての成功など、多方面で成果を上げた。2025年度には、さらに多くの釣り場開放が予定されており、釣りと地域を結びつける新たな動きが加速することが予想される。釣り場の未来に興味がある人、地域とつながる釣りを体験したい人にとって、今がその変化に関わるチャンスかもしれない。

 

 

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シーバス用王道のシンキングシャッドの新作がアイマから登場!

写真と文◎編集部

一口サイズのオールラウンダー

094-107tsurifes01-0001

基本性能を極限まで高めた王道のシンキングシャッドです。まるでバイブレーションのようなタイトでハイピッチなウォブンロールは、スローはもちろんかなり速くリトリーブしてもバランスを保って泳ぎが破綻しません。ロングリップでありながら飛距離がしっかり出ます。汎用性がとても高いのでボートや港湾部のストラクチャー撃ちからオープンエリアでのサーチまでこれ一つで昼夜、魚種を問わず活躍してくれます。

 

 

 
 

紹介してくれた人は

094-107tsurifes01-0003

開発部マネージャーの篠塚正規さん

製品開発に関わり15 年です。昨年発売して注目を集めた真烈波をはじめとして多くのルアー開発に携わってきました。シーバスが好きで利根川に通いこんでいます。

 

 

 

 

 

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スミスからバス用リップレスベイト『ビンターン80S』が新発売!

写真と文◎株式会社スミス まとめ◎つり人オンライン

一口サイズのオールラウンダー

s-ビンターン

スミスからバス用リップレスベイト『ビンターン80S』が新発売となった。
ビンターンは前傾姿勢でスローに沈み、トゥイッチを加えると左右にスライドダートするタイプのルアーだ。

リップレスジャークベイトというジャンルは決して目新しいものではない。むしろかなり古い時代から該当するルアーは存在した。だが市場に残らないというケースがほとんどだったのだ。

その理由についてスミスのバスルアー開発担当である池島竜一さんは「操作時にフックがラインを拾ってしまう糸絡みが激しい」からだと見ている。ダートさせた際にラインの弛みが残っており、ルアーがそれを追い越してしまうために発生する。ビンターンの開発段階にも糸絡みの問題にはかなり悩まされたようだが、フックの位置や動きの質などに工夫を重ね、フロロカーボンラインで使用することで大幅に軽減することが出来たという。

また頭部に平面を設けることでトゥイッチを入れた際に左右にダートする即応性を上げると共に、トウイッチを入れた瞬間に適度な引き心地を持たせることに成功した。

ロッドワークの強弱によりダート幅を調節できるのも魅力。バスの居場所が絞れず広範囲にサーチしたい場合にはアップテンポなワイドダートで探り、ピンポイントでじっくりと誘いたい場合にはショートターンでスローに誘いをかけることが出来る。

 

binturn_tyouka (1)

左右にダートさせ、バイトを誘発させる

 

binturn_tyouka (2)

フロロカーボンラインの使用がキモだ

 

◆問い合わせ:株式会社 スミス

 

 

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【速報】グッドデザイン賞をメガバスCEO伊東由樹が受賞 https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/evoluzion_megabass つり人編集部 trend 187252254541 Tue, 18 Mar 2025 02:00:00 +0900

メガバス株式会社の海煙(カイエン)VSMというイカメタル用ロッドが公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2024年度グッドデザイン賞」を受賞しました。

「iFデザインアワード 2025」受賞 !

つり人オンライン=まとめ

 

「メガバスグループCEO 伊東由樹」がEVOLUZIONシリーズで、「iFデザインアワード2025」 を受賞しました

iF_2025

 

エヴォルジオンシリーズとは

20250306_最新受賞画像_iF_evo

超低レジン性・高弾性カーボングラファイトファイバーの「MX40」と、形状記憶特性を持つスーパーチタン製マイクロファイバーを高密度にコンポジット。高荷重域では、キャストやルアーコントロール、ファイト時に優れた粘り強さを発揮し、一段とタメが効く。一方、低荷重域では、繊細なリグ操作や、わずかにラインを張りながらルアーアクションや水中の状況を把握できる高精度な感度を実現したバスロッドだ。そんな、エヴォルジオンは、現在各ショップにて予約受付中。

 

 

◆問い合わせ:メガバス

 

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【イベント】西日本最大級の釣りの祭典「西日本釣り博2025」開催! https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/tsurihaku2025 つり人編集部 trend 187148091464

2025年3月15日(土)~16日(日)、西日本総合展示場(福岡県北九州市)で西日本最大級の釣りの祭典「西日本釣り博2025」が開催!

出展社160社以上!

西日本最大級の釣りイベント「西日本釣り博」が2025年3月、小倉で開催!160社以上が出展し、新製品の展示や限定商品の販売、有名アングラーの登場など見どころ満載。ステージイベントや体験コーナーも充実し、大人から子どもまで楽しめる2年に1度のビッグイベントです!

 

「西日本釣り博2025」概要

開催日程
3月15日(土)・16日(日)
開催時間
9:00-17:00
会場
西日本総合展示場
住所
福岡県北九州市小倉北区浅野3丁目8-1
入場料
当日チケット:1,800円、プレミアムチケット(2DAYS):2,800円
前売チケット:1,500円、アフター14チケット:800円
※中学生以下無料
チケットは釣具店やコンビニ、オンラインでも購入できます!

西日本釣り博

 

会場内案内図

お気に入りのメーカーをまわるもよし!新たなアイテムとの出会いを求めてさまようもよし!

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本館

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新館

 

つり人社ブースも出展!

会場にお越しの際には本館【B15】にもお立ち寄りください!テレビ番組「ルアーパラダイス九州TV」の特製ステッカーを数量限定で配布いたします!

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人気ライフスタイルブランドDULTONが、期間限定のポップアップマーケットを大阪で開催!

文◎編集部

■ DULTONとは

1988年創業のインテリア雑貨メーカー。
誰もが使うあたり前に在る道具、身の回りのひとつひとつを今よりもっと面白くすることで「道具を愉しむ、もうひとつの豊かさ」を提案します。ファニチャー、ハウスウェア、ガーデンツール、キッチンツール、ステーショナリー等、生活にまつわるあらゆるラインナップを展開しています。

ダルトンDULTON official Instagramより

 

■ 5日間限定の特別イベント

3月19日(水)~3月23日(日)の5日間、大阪市港区にあるリノベーション複合施設「KLASI COLLEGE(クラシカレッジ)」にて、“DULTON POP UP MARKET OSAKA”が開催されます。

DULTONならではのオシャレなインテリアや雑貨、家具、キッチンアイテムが一堂に集結!特別価格での販売やDULTONの世界観を感じられる空間が用意されます。さらに、釣り好き必見!今回のポップアップでは、釣具の販売もあります。アウトドアやフィッシングを楽しむ方にぴったりなアイテムがそろうので遊びに行ってみてはいかがでしょうか?

ダルトン提供:DULTON

 

出店企業

日替わりでフードやアパレル、フィッシングアイテムなど、様々なジャンルのお店が立ち並びます。

&NUT
出店日:3月19日(水) 〜 3月23日(日)
「なんかちょっとくすぐられる」生活雑貨やアウトドアでも使える日用品なんかを作ってます。多くの人に楽しんでもらえる雑貨だと嬉しいなぁ。という思いが詰まっています。

Japan Anglers Store
出店日:3月22日(土) 〜 3月23日(日)
釣りにまつわるあらゆるオリジナルグッズが勢揃い!オシャレなTシャツから実用的なアウター、各ツール、コラボ限定ルアーまで盛りだくさん。

Fruit of the Loom
出店日:3月19日(水) 〜 3月23日(日)
1851年創業の世界有数の米国アパレル/アンダーウェアメーカー。古着等でこのインパクトたっぷりのフルーツロゴがネームにプリントされたアンダーウェアを見たことがある人は多いはず。

かもめ焙煎所
出店日:3月19日(水) 〜 3月23日(日)
厳選したスペシャルティコーヒーを、1杯1杯丁寧に抽出してお届けします。

 

追加情報は3月8日に公開予定!まだまだお店は増えるそうなので、DULTONホームページでの最新情報をお見逃しなく!

 

■ 開催概要

開催期間:3月19日(水)~3月23日(日)
営業時間:10:00-18:00
開催場所:KLASI COLLEGE(クラシカレッジ)
住所:大阪府大阪市港区築港2丁目1-27
アクセス:大阪メトロ中央線「大阪港」駅より徒歩2分

ダルトン提供:DULTON

 

■ 注意事項

・会場付近での待機や路上駐車はご遠慮ください。
・専用駐車場はございません。近隣のコインパーキングをご利用ください。
・混雑時には入場制限を行う場合があります。
・会場ではキャッシュレス決済のみ対応(現金不可)。
・ペット同伴はキャリーバッグ(顔が出ないタイプ)に限り可能。

 

おしゃれなインテリアに囲まれながら、釣具もチェックできる特別な5日間。ぜひお楽しみください!

 

 

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真正面から漁港の釣り場を開放した西伊豆町の実績を全国へ展開

写真◎ウミゴー 文◎編集部

漁業者と釣り人が共存できるシステムを

堤防釣り

コロナ禍で釣り人気が高まる一方、トラブルにより全国的に漁港が次々と釣り禁止となる事態が多発している近年。漁港などの公共エリアの釣り場は一度閉鎖されるともう釣り場として戻ってこないことがほとんどであり、嘆く釣り人も多い。國村大喜さんもその一人。西伊豆町へ移住し、釣り三昧の西伊豆ライフに想いを馳せていた矢先、新居近くの漁港が釣り禁止となりショックを受けた。「釣り禁止の連鎖を止めたい。自分にできることはないか」と使命感が芽生えたのは、この時だったという。國村さんは釣り禁止を前に諦めることなく、デザインと工学を学んできた経験を生かして「アプリと法整備の合わせ技で、釣り場閉鎖という社会課題を解決できるかもしれない」と考えた。

 

ウミゴー

●國村大喜(くにむら・ひろき)

株式会社ウミゴー代表。幼いころから釣りを楽しんでおり、西伊豆町へ移住。最寄りの漁港が釣り禁止になったことが海釣りGO発案のきっかけとなる

 

釣り人も責任をもって漁港を利用するために

ウミゴー

まず目を向けたのは釣り場と釣り人に関わる社会構造のゆがみだ。「漁港は漁業者の職場であり彼らを決して邪魔してはならない」という基本的なルールも、レジャーとして釣りを始めたばかりの初心者は知らない。誰かにルールを教わる機会はなく、特に岸壁の釣りでは看板等でしか伝える方法がない。これではマナーの周知や向上は見込めない。また、費用面でも不公平があることに國村さんは着目した。漁業者等、プロとして漁港を利用する場合は、組合費や停泊料など定められた負担を担うことで共同利用を実現している。一方、釣り人には負担も無ければ責任もない。「釣り人を責任ある漁港利用者の一員として位置づけるべきではないか」と考えたのが出発点となった。

ウミゴー

國村さんはICT(情報通信技術)のクリエイターとして、アプリの利用を検討した。利用者目線では、釣り場や駐車場の予約、支払いを現地での待ち時間なく済ませることができ、ルールや釣り可能エリアなどの情報にも目を通しやすい。一方、管理者側から見れば、巡回方式で画面の確認を行なうだけなら受付窓口を作る必要がない。

システムを通じて集められた利用料は、巡視スタッフの人件費や漁港施設の美化、メンテナンスなどに活用されていく。このように両者にとってWin-Winな形を追求してできあがったのがアプリ『海釣りGO』。持続可能な釣りレジャーを実現するための仕組みが誕生したのであった。

 

行政、漁協も関わって田子漁港を再開放

ウミゴー

最初の舞台となったのは、國村さんが暮らす西伊豆町の田子漁港。漁業者と釣り人とのトラブルが原因で、2022年7月から釣りが禁止されていた。この港の再開放には、アプリだけでなく行政や漁協、地元の店舗、企業、自治会など、さまざまな関係者の理解と協力が不可欠であり、特に西伊豆町役場職員の松浦城太郎さんが重要な役割を果たしてくれたと國村さんは言う。町の行政マンとして、釣り人による経済効果を失ったことを憂慮していた松浦さんは、國村さんの語る「デジタル技術を使うことでルールを周知し、かつ釣り人が地域に貢献できる形を作れるかもしれない」という提案に可能性を見出したそうで、漁港再開放に向けて動き出した。現場では、伊豆漁協田子支所運営委員長の沼野文雄さんと所長の真野創さんも協力し、漁業者の不安や懸念に寄り添うことで、トライアルで実施することができた。こうして、漁業者と釣り人の共存を目指す協力体制が築かれたのである。

 

成功につき、第2港目仁科漁港も翌年解放

ウミゴー ウミゴー

西伊豆町議会で条例改正が実現し、2023年7月31日、田子漁港で海釣りGOが稼動を開始した。サービス開始直後から秩序ある釣り場が自然と形作られ、利用者も増加。2024年8月末までの約一年間に延べ6450人が利用する盛況っぷりだ。さらに、釣り人が支払った利用料によって救命はしごや休憩所、水道設備が新設、さらにはAEDまで更新されるなど、漁港の設備が充実。これにより、地域環境の改善や経済波及効果も生まれ、漁港だけでなく地域全体にまで好循環が広がるようになった。

ウミゴー

田子漁港での成功を受け2024年8月に海釣りGOの第2港目として西伊豆町の仁科漁港が開放された。地域おこし協力隊の若者も加わり、温泉や直売所、磯遊びエリアなど仁科漁港ならではの地域資源を組み合わせた釣り場の魅力を現在も発信している。はんばた市場とのコラボレーションにより、釣り人が漁協の環境保全活動に参加できる「食害魚ハンティング」というユニークな取り組みもスタート。田子漁港とはまた違った特徴をもつ海業の振興事例として、全国各地からも問い合わせや視察が相次いでいるそうだ。

 

クラウドファンディングで釣り場開放プロジェクト

堤防釣り

現在、『海釣りGO』の認知が拡大するにつれ、漁港を真正面から開放したという実績を作ったウミゴーに対し、釣り場を開放してほしいという要望が多く寄せられるようになっている。とはいえ釣り場開放が容易なものであると楽観視する意見も少なくはないとのこと。もとよりトラブルが発生する素地があるからこそ釣りが禁止になったのであり、釣り場開放に至るプロセスにはいくつものハードルがあるのは想像に難くない。田子でも仁科でも、釣り場を開く過程では綿密な打ち合わせをもとに地域や漁業者の懸念をひとつひとつ解きほぐすことを國村さんは重要視してきたという。対話を通じて地域を知り、信頼関係を構築していったことも再開放に欠かせない要素である。

釣り場を作っていく運営側の取り組みには、単に釣りに行って魚を釣りあげるレジャーの喜びとはまた違った、地域を知って愛着を持つようになる別の価値観があると國村さんは気付いたそうだ。

「釣り場開放を望む利用者こそ、準スタッフとして釣り場開放に参画することで、それぞれが地域の特性や想いを知って釣りという遊びを通して地域の外部サポーターになれないか。釣り人が釣り場を消費するのではなく、釣り人こそが地域を支える主体になれるのではないかと思うようになりました」

こうしてクラウドファンディング「釣り人が地域を支える!釣り場開放プロジェクト」が立ち上がったのだ。

 

釣り人も共創の一員。豊かな海を次世代へ

ウミゴー

釣り場が日々減っていく現状の中で釣り場の開放は、非常に喜ばしいニュースだ。ただし、この活動を長期的に続け、全国に広げていくにはウミゴーだけでは限界があると國村さん。地域、行政、業界はもちろん、個人も含めて大勢が手を取り合うほど実現への可能性は高くなる。クラウドファンディング開始時には、行政・漁協の責任者から応援メッセージが寄せられ、國村さんとウミゴーへの期待を感じられた。

ウミゴーの作り上げたシステムは商業的でなく、社会課題の解決策としてうまく機能している。

「ウミゴーは一貫して、地域に利益をもたらす事業を推進してきています。これからもそういった事業を続けていきたいですし、運営側の利益を削りながらでも取り組むべきだと考えています」

と國村さんは力強く語る。その熱意と実績が2港目に繋がったのだ。クラウドファンディングでの応援は釣り人みんなで釣り場を作るという「共創」のはじめの一歩。希望あふれる釣り場と地域社会の実現のためにもぜひ一度プロジェクトページを一読していただき、理想を掲げて活動するウミゴーへの支援をお願いしたい。

 

 

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エリアトラウトの疑問や悩みを千藤卓さんがスッキリ解決。次の釣行をもっと楽しく、もっと釣れる日に!ここではちょっとしたテクニックを解説します。

写真と文◎編集部 案内◎千藤卓

テクニック編

 

ルアーがどこを泳いでいるのかわかりません

ラインを水につけると見やすくなるよ!

ラインが見づらいとルアーがどこにあるのかわからなくて釣りにくいです。色付きのラインを使うのも手ですが、空中にあるラインを一度水面に落としてから持ち上げると、ライン表面に水がついて光を反射するので、これだけで格段に見やすくなります。

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掛けた魚に逃げられてしまいます

サオを下に向けたままリールを巻き続けて!

バス釣りのように、ロッドを魚が泳ぐのと逆方向に引っ張るようなファイトはバレやすいです。ヒットしたらロッドを下向きにしてリールを巻き続け、そのままネットに入れます。魚が左右に走ったらサオ先で魚を追いかけます。これが逃げられにくい上手なファイトです。

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リリーサーを使ってもリリースに手間取ってしまいます

ロッドを持つ手を前へ!

リリーサーをフックにかけて手前に引くと同時に、ロッドを持つ手も前へ突き出すようにすると、上手く外せます。

072-077_aruaru-sendou_4-0020

 

 

 

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千藤卓「スプーンのローテーション例を作ってみました」ニジマス釣り堀で爆釣するコツは? https://web.tsuribito.co.jp/beginner/rainbow_area つり人編集部 trend 186332331314 Mon, 03 Mar 2025 08:00:00 +0900

◯◯

写真と文◎編集部

スプーンのローテーションを教えて

放流からのパターンと、放流のない日のパターンがあります!

まずはスプーンで活性の高い魚からねらっていくのがエリアトラウトのセオリー。放流ねらいからのパターンと放流のない日のパターンを想定してローテーション例を作ってみました。これでダメならクランクなどプラグの釣りにシフトしていきます。

072-077_aruaru-sendou_4-0008

上段:放流から始まるパターン。左から

・ウォブリングが大きく強アピールのドーナ3g(アングラーズシステム)

・落ち着き始めた魚を食わせるウォブンロールのノア1. 8g(ロデオクラフト)

・スピードを落としてさらに拾っていく同1.5g

・スピードをさらに落として動きもロールメインの大人しいものに。アキュラシー0.9g(なぶら家)

・さらにシルエットとスピードを落としてディッシュ0.6g(ディスプラウト)

 

下段:放流がない日のパターン。左から

・まずは基準となるノア1. 8g(ロデオクラフト)の派手系カラー

・同じくカラーを地味なものに

・サイズを落として同1.5gへ

・アキュラシー0.9g(なぶら家)へ

・ディッシュ0.6g(ディスプラウト)の派手系と地味系を試す

 

 

 
 

クランクのローテーションは?

反応を探りながら替えていきます!

私はクランクのローテーションをパターンとして決めつけることはしていません。魚のいるレンジに合わせて、大きさ、色、アクションなど、魚の反応を見ながら替えていくのが実際です。

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愛用のクランクは写真のとおり。右列上からミディアムクラピー(ラッキークラフト)、パニクラMR(ティモン)、クーガハイフロート(ヴァルケイン)。左列上からチャタクラDR(ディスプラウト)、モカDRSS(ロデオクラフト)、ちびパニクラDRSS(ティモン)

 

スプーンでもクランクでもダメなときは?

トップウォーター、ミノー、ボトム系などの選択肢があるよ!

スプーンやクランクで釣れないならトップウォーター、ミノー、ボトム系などのプラグの選択肢があります。初心者であれば、ボトム系が使いやすいでしょう。ボトムまで沈めて、リールのハンドルを1/4 〜1回転ずつ勢いよく回して止める「デジ巻き」で釣れるので、操作が覚えやすいです。

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放流直後のチャンスタイム。どう釣る?

オレ金のスプーンでしょう!

 放流された直後の魚は活性が高いので、派手な色のスプーンを 使います。速く巻いて魚のスイッチを入れたいので、重めのウエイトを選びましょう。要は焼き肉やカツカレーなどガッツリしたものを食べたい気分の魚なので、カロリー高めのルアーに反応してきます。地味で遅いルアーは湯豆腐みたいなもので「これじゃない」てなっちゃいます。

ただ厳寒期や放流魚の動きが著しく悪いときなどは、ゆっくり巻ける軽めのスプーンがいいですよ。

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初心者に釣らせてあげたい!

お助け系もアリだけど……ここはクランクで!

スティックやペレット系などのお助けルアーを……というのも手ですが、スプーンを使っていて釣れるレンジを通せていないようであれば、一定のレンジを引きやすいクランクを使ってみてもらいたいです。フローティングを何グリ潜らせるかで再現性が高く、のちのちスプーンの釣りにつながることでしょう。

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プラグがまっすぐ泳がない

いますぐトゥルーチューン!

 曲がって泳いでしまうルアーでは確実にバイトの数が減ります。ラインアイの狂いを修正するトゥルーチューンが必要です。正面から見て、ルアーが曲がってしまう向きと逆向きにアイをわずかに倒して、速く巻いても一直線にこちらに向かってきてくれるよう微調整します。

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釣れていたのにアタリが止まってしまった

「軸」を立てたローテーションを!

ルアーローテで反応を探りますが、ルアーを変えずに色だけ変えてみたり、色はそのままルアーを替えて違うレンジやスピードでねらってみたり、なにかしらの軸を作って探るのが連発のコツです。すべての要素を変えてしまうと、それで釣れたとしても、どの要素がよかったのかわからなくなって迷子になってしまいます。

 

 

 

 

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エリアトラウトの疑問をスッキリ解決! 釣果を左右する「釣り堀での最適な場所選び」を徹底解説。初心者が失敗しやすいことや、上級者が実践するポジショニングのコツを、エキスパートの釣り人から直接聞いてきました。釣行前に知っておきたい基礎知識をまとめた必読ガイドです!

写真と文◎編集部 案内◎千藤卓

初めての釣り場、どこに入ればいいかわからない

「キーワード」を探してみよう!

釣り場を見渡して目で見てわかる変化「流れ込み」「流れ出し」「噴水」「水車」「池の端」「日陰」「他より深い」などキーワードを探して、まず釣りをしてみるのはどうでしょう。池の端なら風の当たり方、流れ込みや水車なら水の動き、深いところなら安定した水温など、魚の行動を決める要素にからんでいます。それを意識しながら釣りをしてその日の状況をつかみましょう。釣り場の人にいい場所を聞くのも手っ取り早いですが、そのときも「どこが深いですか」「水が動きやすいのはどこですか」のように質問すると上達につながります。

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いかにも常連の人の隣しか空いていない

チャンスですよ!

上手い人のいるところはいいポイントのことが多いです。で、エリアトラウトって隣の人とお話しながら釣りができるじゃないですか。きちんと挨拶して(重要)入らせてもらい「すごいっすねぇ〜、どうやったらそんなに釣れるんですか」と質問してみましょう。誰でも褒められれば気分がいいのでたいてい教えてくれます。上手な人からのレクチャーは一番効率よく上達できる道です。

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朝から放流場所に入りたい

トラックが入れる場所を見つけよ!

初めての釣り場で放流場所に朝から陣取りたい。放流口がある釣り場ならわかりやすいですが、そうでなければトラックが水辺に近づける場所で放流が行なわれる可能性が高いです。でもそこに入れなくても、がっかりしなくてOK。放流された魚は散らばっていきます。日によって魚が動いていく方向は変わるので一概には言えないですが、放流後の魚の動きまで想像できるようになれば上級者です。

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日陰と日向、どっちがいい?

日向にある日陰!

季節にもよりますが、基本的には日陰にいる魚のほうが警戒心が少なく釣りやすいです。プール釣り場では魚の付き場は壁しかないわけですが、決まって影のできる側にいますよね。ただ日向のほうが水温が上がりやすいので、寒い季節は日向の側の日陰がある場所に入りたくなります。

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夏、高水温で何をしても釣れない!

夏は酸素を追え!

夏は場所ムラが激しく、少しでも水温が低く溶存酸素の多いところに魚が集まります。なので、いい場所を探せるように、隙間があればどんどん移動して拾い釣りしていく展開になります。管理釣り場程度の浅さではボトムまで高水温になるので、水面から酸素が混ざりやすい表層のレンジがいい場合が多いです。

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「ロイヤルアングラー賞2025 受賞」芝田浩二ANAホールディングス代表取締役社長インタビュー https://web.tsuribito.co.jp/officialblog/royalangler2025 つり人編集部 trend 185550606901

経済・文化・芸能・スポーツ等の各界でご活躍されている方々で、釣りに対して造詣が深く、趣味として愛好されている方を毎年選出する「ロイヤルアングラー賞」。2025年は、芝田浩二ANAホールディングス代表取締役社長が選ばれた。

写真・文◎編集部

 

経済、文化、芸能、スポーツなど各界で活躍し、釣りに造詣が深く、趣味として愛好している方々を対象に、日本釣用品工業会が感謝の意を込めて毎年選出する「ロイヤルアングラー賞」。2025年は、ANAホールディングス代表取締役社長・芝田浩二氏が選ばれた。多忙を極める日々の中でも、釣りをする時間を欠かさない理由とは?

 

●芝田浩二(しばた こうじ)

ANA

1957年生まれ。鹿児島県奄美・加計呂麻島出身。1982年全日本空輸株式会社入社。中国語や英語が堪能な国際派として、欧州やアジア戦略の担当等を歴任して国際化を支えたあと、ANAグループの経営戦略立案を担う。2022年4月1日からANAホールディングス株式会社代表取締役社長

 

 

釣りとの出会いとその魅力

——ロイヤルアングラー賞受賞おめでとうございます。率直なご感想は?

芝田 どうもありがとうございます。全国に数多くの釣り人がいる中で、どうして私がこんな賞をいただけるのか、びっくりしましたし、申し訳ないなという気持ちはあるんですけれど、とても名誉なことですので、ありがたいと思いました。

——釣りはどんなきっかけでされるようになったのでしょうか?

芝田 私が生まれたところは鹿児島県の奄美大島、その中でも離島の加計呂麻島です。そこで小学校4年生まで育ちました。当然、ゲームとかもありませんし、放課後に遊ぶことと言ったらもう釣りしかないんですね。学校が終わったらすぐに竹ザオを持って海に行く。毎日そういう生活をしていますから、生活と釣りというのは、当たり前のように一体のものでした。
そうした中で大きくなるにしたがって、大げさに言うと、釣りがそのまま成長を支えてくれるエネルギーになっていたと思います。
先ほど少し申し上げましたが、小学生の頃の釣りっていうのは、それこそ3〜4mの竹の先に同じ長さの釣りイトをつけて投げる。リールも何もないんですね。それで釣れる範囲というのは限られているんですけれども、当時はクロダイとかブダイとか、それでも本当によく釣れました。ただ、「あそこまで釣りイトが届くと、もう少しいいのが取れるはず」という場所はたくさんあるんですよね。今、やっとその夢が叶う環境になりました(笑)。ありがたい話です。

加計呂麻島

芝田さんが育った加計呂麻島の海

加計呂麻島の小学校

今も残る母校の小学校。こうした環境で子ども時代を過ごした

 

——これまでで特に記憶に残っている釣りはありますか?

芝田 たくさんありますが、子どもの頃に釣っていた30〜40㎝くらいの魚から、一気に18㎏のカンパチに対象魚が変わった瞬間がありましてね。2003年、会社の仲間と八丈島に行って釣りイトを垂らして、その時に上司の釣ったムロアジをかすめ取って釣った魚がカンパチの18㎏でした。この魚は手巻きリールで釣ったのですが、以後、大もの釣りに没入して行くきっかけになりました。これは忘れられないですね。

——釣りから学ばれたのは、どんなことでしょうか?

芝田 そんな大袈裟なものではありませんが、釣りに行くことで(何かに)没頭します。釣りの前夜など、自分で一生懸命に仕掛けを創意工夫しますよね。「これがいけるか」「あれがいけるか」っていう。そういう準備の時というのは、ものすごく頭が活性化しているというのがある。それと釣りに一緒に行く仲間が増えますよね。その新しい仲間と、夜などに反省会で語りあうと、また違う世界が見えてくる。釣りをとおしたコネクティビティというか、コネクションの広がりというのは、とても大事にしています。

——芝田さんのPEラインとリーダーの結束の工夫などもすごいですものね。

芝田 最後に行き着いたのはミッドノットなんです。以前に51㎏のキハダを釣った時も全く同じノットで、当時はまだ慣れていなかったですが、それでもちゃんと取れましたから。今はもっと自信を持って結んでいます。自分の作品がワークするっていうのは、釣り人として一番楽しいところじゃないですかね。ノットの先の仕掛け部分もその都度考えながら持っていきますね。

——芝田さんは海外出張に非常に多く行かれていて、これまでに800回ですか? お聞きしたところによると、その先々で毎回ではないと思いますが、釣りもされてきたと。そうやって世界中のフィールドで釣りをされてきて、日本の釣り場を見た時はどう思われますか?

芝田 一つの国で渓流があり、湖があり、海もショアがあってオフショアがある。そういう国はあまりないんですね。しかも、それぞれの釣りスポットに合わせてハリやサオなど釣りの道具がそろっている国は、世界中どこを探してもないです。エジプトのアスワンハイダムでナイルパーチを釣ってみようとか、それは結局釣れませんでしたが、カナリア諸島でマグロを釣ってみようとか、思いはしますが、やはり日本のようなレパートリーっていうんですかね、奥の深さっていうのはないんですね。財産だと思います。

キハダ

ブリ

トラウト

現在の釣りは船からの大ものねらいがメイン。写真のキハダ(上)は、昨秋の週末に相模湾のコマセ釣りで手にしたもの。釣行の数日前に急きょ時間を確保できることになり、忙しい合間を縫って出かけた釣りで見事に本命を手にした

 

——釣りが地方創生や環境保護意識の向上に繋がることもありますか?

芝田 地方創生のためには、地方への移動、交流人口、関係人口を増やすというのはものすごく大事ですよね。地方に人を呼び寄せる本当に魅力的なコンテンツの一つが釣りだと思います。私も奄美には友人や関係先のお客様をよくご案内します。皆さんにとってはそれまで行ったこともない場所ですね。けれども、そこで一度釣りをすると、ものすごく新鮮な体験なんですね。「もう1回行ってみよう」「友人も連れて行ってみよう」と、そういう動きっていうのは確実に広がるんです。環境という点でいうと、「この海を汚しちゃいかん」「環境を守らねばいかん」と。我々アマチュアの釣り人もマナーをもっともっと向上して、それを世界に流布するように、(釣りのマナーを守り自然環境を考える)リーダーは日本だというところを示していく必要があるだろうなと思います。

——最後に、芝田さんにとって「釣り」とは何でしょうか?

芝田 エネルギーをチャージするパワーですかね。仕事をする中でオフとオンを切り替える。そのオフの時に没頭する。そうすると頭の中が活性化していくのが自分でわかるんですよね。釣りを終えて地方から帰ってくると、だんだん戦闘モードに変わるんですよ。そういう面では会社のためにもなっているのではないか、と自分を納得させているというところですね(笑)。最近空いた時間もあまりないんですよ。ただ、釣りに行ける時は、一生懸命準備をし、一生懸命釣りをして帰ってくる。それが一生懸命の仕事へのエネルギーに変わる。私の体内ではそういう時計が回っています。

——―釣りに関して、これからの夢はありますか?

芝田 やはりマイボートでしょうね。釣り人は誰でもそうだと思いますが、最後はマイボートをどこかで調達して、自分で自分の好きなところに出掛けて、巨大魚をねらうというのが究極の夢ですかね。

——―ぜひその夢を叶えてください。本日はどうもありがとうございました。

 

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これからエリアトラウトを始めたい方の素朴な疑問への答えや、トーナメント参戦を考えている中級者にも役立つ情報を今期もエキスパート戦進出を決めているベテランアングラーに教わった。

写真と文◎編集部 回答者◎山口昌裕 協力◎須川フィッシングパーク

エリア用とネイティブ用の トラウトロッドは どんな違いがありますか?

渓流用と本流用の ネイティブトラウトロッドの中間です

まず違うのは長さです。ネイティブ用トラウトロッドの多くは川幅の狭い源流から上流域用の3 ~ 5ft と中下流や本流用の7 ~ 9ft の長短に二分されることが多く、逆にエリアトラウト用はその中間の6ft 前後が多くなります。ポンドタイプの管理釣り場の場合、基本的にキャストコースは自分の正面のみで、遠投性能もさほど必要ではありません。

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管理釣り場ではエリアトラウト専用ロッド以外は使えますか?

釣り場のルール内であれば専用ロッド以外も使えます

管理釣り場によってロッドの長さなどの制限はありますが、エリア用ロッド以外は使 えないということはありません。最近はアジングロッドを使用している人もよく見かけ ます。ただし7ft 以上禁止などの釣り場もありますので、事前にHP 等でレギュレーショ ンの確認をしてください。 

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エリアトラウトのトーナメントでは ロッドの長さや数に規定はありますか?

規定はありますが 大会によって異なります

仲間内のオフ会的なものからメーカー主催の大規模なものまで たくさんのトーナメントが開催されており、多かれ少なかれ規定はあります。使用できるロッドは1本だけという大会もあれば無制限(規制なし)の大会もあります。ただし、一般的には6本ま での大会が多いです。

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エリアトラウト用のロッドには どのような種類がありますか?

大きく分けてレギュラー、ファスト、 スローの3種類の調子があります

 各メーカーにより表記は若干異なりますが一例を挙げます。 (例)61UL  これは6ft 1in で、2 ピースのウルトラライトパワーのロッドという意味の表記です。エリ アトラウトロッドは2 ピースモデルがほとんどのため、何も記載されていなければほぼ2ピー スと考えていいでしょう。 (例)633M  この表記なら6ft3in で、3 ピースのミディアムパワーのロッドです。パワー表記は下記の ように下に行くほど強くなりますが、エリアトラウトロッドでH やXH の表記はまず見かけ ません。XUL もレアな存在で、普通はSUL からM で展開しています。  ただ、このパワー表記はメーカーによっても違う ので、できれば実際に手にして曲げてみたり振って みてからお買い上げいただいたほうが無難です。

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パワーと同様にロッドの調子(テーパー) もかなり大 事で、テーパーによって使うルアーや操作方法が変 わってきます。  また、無垢で中身の詰まったソリッドティップか、 中空のチューブラーティップかも選択肢に加わりま す。一般的にソリッドティップのほうがしなやかに 曲がりアタリを弾きにくく、感度の点では張りがあ るチューブラーのほうが上とされ、それぞれに一長 一短があります。

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管理釣り場で釣りをするとき、釣り糸は何を選べばいいのだろうか?トラブルレスなナイロンもいいけど、感度のよさを重視したPE ラインを選べばダイレクトなアタリを楽しめるはず!

写真と文◎編集部

感度重視の時代に合わせたライン選び

トーナメントの釣りから家族連れや釣り初心者まで幅広く楽しめるのが特徴のエリアトラウト。競技に入れ込む一部のアングラーは持参するタックルやルアーの数が膨大になるが、1~2本のタックルで手軽に釣りを楽しむのがエリアユーザーの大半だろう。美味しいマス目当てでエリアに足を運ぶという人も多い。エリアトラウトの釣法はトーナメントの影響もあって細分化され、それぞれに最適なタックルセッティングが確立されつつある。その一方で、繊細すぎて扱いにくかったり、専門性が高すぎて流用しにくいなど手軽に楽しむには難しいものが多く、また、エリア人気が加熱したことで繊細なタックルを駆使しないと釣れないシビアな状況も増えてきた。

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エキスパートの見解は?

「初心者に教える場合、以前はトラブルレスを重視してナイロンを使った釣りを勧めていた時もありましたが、今は感度のよいエステルやPEを勧めています。アタリがわかったほうが面白いですからね」と話すのは松本幸雄さん。エリアトラウトのみならずさまざまな釣りに精通するエキスパートだ。

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PEラインで楽しむエリアトラウト釣り

松本さんはワンタックルでエリアを存分に楽しむのであれば、まずはPEからのスタートを提案する。松本さんが使うのはPEラインの0.2号。「基本的にはエステルのほうがオールマイティーなのですが、エリア用のタックルセッティングに慣れていない場合は強度面で不安があると思います。絶対的に強度の高いPEを使ったほうが安心して釣りを楽しめますよ」と言う。

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どんなときに有効?セッティングは?

大型のニジマスのほか、イワナやブラウンなど色物と呼ばれる魚種が放流されているエリアにワンタックルで挑むとすれば特に強度を重視してPEを選んだほうが安心だろう。レギュラーサイズをたくさん釣りたいのであればエステルラインに分がある。伸びがほとんどないというPEの強みを活かした釣り方は積極的にロッドアクションをかけていく操作系と言われるトップウォーターやボトムの釣りだが、工夫次第でスプーンやクランクなど巻きの釣りも可能だ。使うロッドはティップが曲がりやすいものがおすすめ。バイト時に「ハリを口に残す」ことが大切だと松本さんは付け加える。同様の理由でドラグ設定も若干緩めにしておく。

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リーダーの長さや太さは?

PEラインを使う場合、松本さんはリーダーを1ヒロ(約1.5m)と長めに取る。その理由はリーダーにショックを吸収してもらうためだ。レギュラーサイズばかりなら0.5号、大型も泳ぐエリアであれば0.6号を選ぶそうで、ボトム系の釣りがメインとなるなら0.8号まで太くしてもよい。結束方法はPEといえど摩擦系である必要はなく、サージェンスノット等の簡単なもので充分だ。まずはフロロカーボンリーダーを選んで試してみてはいかがだろうか?

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ルアー釣りでアタリはあるのに掛からないとき、フックを新品に交換するだけで釣果を伸ばせることも多い。そこで知っておきたいのは交換用のフックをどう選べばよいかだ。フックメーカー勤務のエリアトラウトファンに釣り針について解説していただいた。

写真と文◎編集部 解説◎服部和彦(株式会社オーナーばり・企画営業課)

ハリ選びの基準と選び方軸の太さ、サイズ、形状

ハリを選ぶ際の基準は、大きくわけて3つ。軸の太さ、サイズ(大きさ)、形状です。これらをもとに、使用するルアーや釣り方、放流されている魚の大きさに合わせて最適なハリを選んでいくのがいいでしょう。

 

●サイズ(大きさ)

サイズはパッケージに記載されている「#」の後の数字で表わされることが多いです。ややこしいですが、ルアーフィッシング用のフックは西洋式の表記で、数字が大きくなるほど小さいサイズを表わします。フックのサイズはルアーのサイズに合わせて選んでいただければOKです。ちなみに同じルアーでもセットするフックのサイズで泳層が変わるので、トーナメントの世界では異なるサイズのハリをセットしたルアーを用意して、ねらうレンジを細かく調整するアングラーも多いです。

クランクベイト

 

●軸の太さ

ハリの強度や耐久性に直結するのが軸の太さです。軸が細ければわずかな力でも刺さりやすいですが、その反面大物には伸ばされやすいです。太ければ大物が掛かっても耐えてくれますが、体重が軽い小さな魚の口には充分刺さり込んでくれず、バラシが多くなります。

ハリ

 

ラインテンションから考えるハリ合わせ

フックはその形状によって性格が違ってきますので、釣り方に合わせて最適なフックを選ぶとキャッチできる魚の数が増えます。その選び方にはさまざまな考え方がありますが、私が実践しているのは、常にラインを張ってテンションをかけ続ける釣り方なのか、テンションを抜いた状態で食わせる釣り方かで選ぶ方法です。前者はスプーンのような巻く釣り、後者はトップウォーターや表層系マイクロクランクやマジックジャークなどです。詳しく説明しましょう。ハリの形状で注目してみてもらいたいのは、軸の長さ(シャンク長)、フトコロの幅、そしてハリ先の角度(カーブしているかストレートか)です。

 

●軸の長さ(シャンク長)

長い軸:ハリが暴れにくくハリ先が安定する。動き続けているルアーを追いかけてきて食うようなときにしっかりハリを掛けやすい。短い軸:ハリが暴れやすいが、じゃれついてくるような魚の口のどこかを捉えたいときにはメリットになる

釣り針

 

●フトコロの幅

フトコロが広い:魚の口のどこかを捉えやすいが、アワセの力が分散して伝わりにくい。伸ばされやすい。フトコロが狭い:魚に触れる確率は下がるが、掛かってしまえばアワセの力が分散しにくく深く刺さる。

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●ハリ先の角度(カーブ/ストレート)

カーブ:少ない力で深く刺さるが、魚に触れる確率は下がる。ストレート:魚の口のどこかを捉えやすいが、深く刺さるには大きな力が必要。

ルアー、ハリ

 

実際のところどんなものを選べばいい?

これらの特徴を踏まえたうえで、株式会社オーナーばり・企画営業課でフックの開発から巡回まで行なっている私の例をお伝えすると、スプーンには軸が長めでフトコロが少し狭い、ハリ先がストレートなものを、マジックジャークや表層クランクなどには軸が短めでフトコロが広く、ハリ先がカーブしているものをセットしています。スプーンは巻く釣りなので、バイトの瞬間もラインテンションがかかっています。それに加えてアワセをいれて掛けていく釣りなので、まずは魚の口にハリ先を立てることを優先してハリ先がストレートで外側に開き気味のフックが適しています。ハリが暴れにくいのもスプーンに最適です。マジックジャークや表層クランクなどはほぼテンションがかかっていない状態のときにバイトしてきます。アワセを入れられなくても、魚がくわえたときの首振りで刺さり込んでほしいので、ハリ先がアイの方向を向いていて刺さり込みやすいものを合わせています。ハリ選びを突き詰めると、ラインの伸びやロッドの反発力などトータルのタックルバランスによっても最適なハリは変わってきます。釣りをしていてアタリがあるのに釣れないとき、ハリのサイズや線径、そして形状をかえていくだけでもそれまで釣れなかった魚がハリ掛かりするようになることもあります。ハリ選びだけで釣果が変わることは多いので試してみてください!

ルアー、ハリ

 

 

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堤防から始めるメジナ・ウキフカセ釣り入門│エサの買い方、服装、タックル、釣り方の基本 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/teibou-mejina202002 つり人編集部 trend 26806249340 Wed, 19 Feb 2025 03:00:00 +0900

メジナ釣りの基本は「ウキフカセ」釣り。長年にわたり「やってみたい」というビギナーを対象に、講習会を開催してきた桜井裕さんが、一日の流れと入門の要点を解説します。

つり人オンライン=まとめ

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桜井さんは横浜市在住。ダイワ主催のウキフカセ入門講習会(ウキフカセ.com)のスタッフを長年務め、多数のメジナ釣りファンを育てている。

 

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メジナ(別名:グレ)はクロダイと双璧をなすウキフカセ釣りの人気魚種。強烈な引きで釣り人を魅了する。

 

エサを手配する

ウキフカセ釣りのエサは「オキアミ(アミエビを混ぜてもよい)+配合エサ」が基本。これをバッカンに入れて指定量の海水も加えたら、ヒシャクですくって海に撒き寄せエサにする。配合エサを足すことで集魚効果が増すほか、エサがまとまりヒシャクで投げやすくなる。また、ハリに刺す付けエサにもオキアミを使う。

 

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オキアミは冷凍ブロック(通常1枚3㎏)で売られており、釣り場近くの釣りエサ店で事前に予約して購入する。予約するのは当日の朝までにある程度解かしておいてもらうため。目安としてオキアミ2~3枚+配合エサ2袋を買えばだいたい1日釣りができる。

 

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店に大型のトレーとスコップが用意されている場合は利用するのが便利。購入したオキアミと配合エサをここで混ぜておき、バッカンに入れて釣り場に持ち込む。

 

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付けエサは専用のものを別途購入してもよいが、オキアミブロックから適量を取り除いておけばそれを使える。

 

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釣り場に着いたら海水を足して混ぜる。適量は配合エサの袋に書かれているが、目安として水を入れすぎないように注意する。

 

ウエアと道具

ウエアは寒さや濡れ対策のほか、寄せエサで汚れることもあるので磯釣り専用ウエアを着るのが快適。そしてウキなどの小物が収納でき安全を確保する磯釣り用のベストを必ず着用する。足もとは堤防での釣りなら滑らない運動靴で充分だが、磯場(渡船で行く沖磯を含む)に行くなら、スパイク付きの磯用シューズまたは磯用長靴を履く。そのほか細かなタックル類は次頁を参照。この釣りはウキの挙動を見るので偏光グラスも必需品。また、ヒシャクやマゼラーなども忘れると釣りにならないアイテムなので、道具類は他の釣りに比べても多めになる。とはいえ、一度そろえれば長く使えるものが大半だ。

 

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ウキフカセ釣りの基本的なスタイル。このほかに釣った魚を入れる生かしバッカン(必要に応じて)、食料入れ兼魚持ち帰り用のクーラー、ロッドケースなどは落水しにくい場所にまとめておく。

 

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グローブもあったほうが便利。装着することで重い荷物も運びやすくなり、手が滑ってヒシャクを落とすなどのトラブルも防げる。

 

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偏光グラスは目のケガを防ぎ海中のようすも分かるので必要。

 

タックルのセットと仕掛け

ウキフカセ釣りに使う磯ザオは長さが5mあり穂先が繊細。これを足場のよい堤防はもちろん、磯場でもトラブルなく使う必要があるので、無駄のない仕掛けのセットを覚える。また、ここではサオをセットする手順を詳しく解説しているが、仕舞う時も特に穂先を折らないように気を配る。基本はウキなどのパーツ類をすべて外したら、サオを垂直に立てて元ザオの上から順に真っ直ぐ節を落としていく。この時、継ぎ目は捻らず、必ず真下に落とす動作で最後まで節を縮めていくとサオを折るトラブルが最小限に抑えられる。

 

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リールをサオにセットしたら、ミチイトが正しく出ている(ベールを閉じた時にきちんとラインが掛かる)ことを確認してベールをオープンにする。

 

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トップカバーのライン通しにミチイトを多めに通し引き抜く(トップガイドまでミチイトを通す)

 

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ここでサオを安定した場所に置くと作業しやすい。今回は水汲みバケツを利用。

 

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節を伸ばす前にミチイトにウキ止メ、シモリ、ウキ、ゴムシモリ(クッション)、サルカンをセットする。ウキが付いたこの状態からサオを伸ばし始める。

 

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サオは穂先から順にガイドの並びを揃えて伸ばしていくが、この時にリールからミチイトが出ていくようにベールがオープンになっているか再確認。多くのサオはガイドをそろえる目印が付いているが、ない場合はトップガイドに合わせる。そして、ガイドがスライドする部分はしっかり止めるようにするが、絶対に捻らず、真っ直ぐに引いて止める。

 

エサ付けと仕掛けの投入

仕掛けがセットできたら、ねらった場所に寄せエサを撒き、仕掛けを投入すれば釣りスタート。この時も、長い磯ザオで思った通りに投入を行なうため、いくつかのポイントを押さえておくことが必要だ。磯ザオは風の影響を大きく受ける。そこで投入の際は、仕掛けを風下に倒した状態から投げるとトラブルがない。基本となるアンダーハンドキャストと、左右からのたすき投げの3つをまず覚えよう。もちろん、周囲に人がおらず安全を確保できる状態なら、一般的なオーバーヘッドキャストをしても問題はない。

 

エサの付け方

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まずオキアミの尾羽根を取る。

 

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次にオキアミの腹とハリのフトコロが向き合うように持ったら、切れ目からハリ先を入れ、ハリではなくオキアミのほうを動かし、ハリ先がなるべくオキアミの硬い背中近くを通るように送り込んでいく。

 

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ハリのチモトが隠れればエサ付け完了。

 

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エサ付けはサオを脇に抱えてこのような体勢でやれば体が安定する。

 

投入(キャスト)の準備

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人差し指でミチイトを取りベールをオープンにする。

 

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反対の手はハリの上のハリスを持っておく。

 

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どの投入も、動作を始める際は一度ウキがマーカーに付いた状態にしておく。こうすると投げ始めからウキがズレずキャストが安定する。

 

左からのたすき投げ

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右から風が吹いている時に使用。ゆっくり左後方にサオを振りかぶり、ミチイトがサオ先に絡んでいないことを確認したら、ハリスを持っている手を放してそのままサオ先でウキの重さを受け止めつつ、正面の斜め上空に向けウキを飛ばす。

 

右からのたすき投げ

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左から風が吹いている時に使用。原理は左からのたすき投げと同じで、ほぼオーバーヘッドキャストだが、投げ始める直前までハリスを持っていることで余計なトラブルを最小限に抑えることができる。

 

アンダーハンドキャスト

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正面に掲げたサオをスッと一度下に下げ、そのままウキの重さを利用して前に送り込むアンダーハンドキャスト。遠投はしにくいが、混んでいる釣り場や背後にスペースがない場所で広く使えかつ安全に仕掛けを投入できる。

 

釣りの進め方

メジナは潮通しのよい場所を好むので、堤防の釣り場なら基本的に沖向きや先端近く、沖磯なら足もとからサラシが払い出していくような場所で釣りを始める。

この時、ウキフカセ釣りの一番の基本は「寄せエサと仕掛けを自然な流れの中で同調させる」ということ。寄せエサの煙幕から離れ、単体で漂っている付けエサをメジナが食ってくることはほぼない。

現在、ウキフカセ釣りで使用されるオーソドックスな仕掛けは、「半遊動仕掛け」と「スルスル仕掛け」の大きく2つだ。違いはウキ止メの有無。今回紹介しているのは半遊動仕掛けで、入門者はまずこちらで釣りを覚えるほうがよい。

半遊動仕掛けの場合、ミチイトがウキの中を動きながら仕掛けがなじんで行き、ウキにウキ止メイトに当たったところで、魚が食えばウキがしっかり引き込まれる。そのうえでウキでアタリを取るのが一番分かりやすいが、視認できるならなじんでいる途中でも目印の動きでアタリを取れるように意識しておくとよい。

ウキフカセ釣りは、できることが1つずつ増えていくに従い、それに応じて楽しみが確実に広がっていく奥の深さがある。桜井さんの講習会では、30代、40代から始める男性、さらには女性も見られ、堤防釣りから始まって沖磯デビューまで楽しむようになる生徒が常に輩出している。この楽しい釣りに、ぜひ挑戦してみよう。

 

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堤防なら釣りやすいのはやはり先端。もしくは沖向きがよい。

 

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まずは寄せエサを撒いて海中のようすを見る。最初にエサ取りの小魚が集まり、やがてメジナもその下に見え隠れするようになることが多い。

 

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仕掛けを投入したらスプールのミチイトは指で押さえてサオ先を下げ、ウキの近くのミチイトは海面において、仕掛けがなるべく自然に馴染んでくように送り込む。

 

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アタリを待つ間は、ウキだけでなく目印の動きも意識して見る。ウキには出ないアタリが目印だけに出ることも少なくない。

 

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この日は夕方になってようやくメジナが足もとに見え始めた。

 

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メジナは他の多くの魚に比べても引きが抜群に力強い。サオの弾力を生かして徐々に浮かせ、サオの強さにもよるが、30㎝を超えるくらいからは無理せずタモで取り込もう。

 

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釣りを終えたら、堤防でも沖磯でも水汲みバケツで足もとの寄せエサを洗い流す。

 

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堤防でウキフカセ釣りの基本的な動きを覚えれば、沖磯もスムーズにデビューできる。沖磯の魅力は海の動きがよりダイナミックで、やはり魚も多いこと。大型の目安である40㎝クラス(写真は西伊豆仁科の龍海丸で渡ったヒロエの40㎝オーバー)のチャンスも広がる。

 

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世界王者直伝!エリアトラウト勝因になったテクニック!「第4回トラウトエリアワールドチャンピオンシップ」で光った技とは https://web.tsuribito.co.jp/beginner/area_competition つり人編集部 trend 186047731633 Tue, 18 Feb 2025 08:00:00 +0900

エリアトラウトの注目度は世界的にも高まり続けている。先日開催された世界大会「第4回トラウトエリアワールドチャンピオンシップ」に出場しチーム総合優勝、個人戦でも準優勝を果たした鈴木将人さんに勝因となった技術を解説してもらった

写真と文◎編集部

世界大会も開催されるエリアトラウト

トーナメントが盛んなエリアトラウトは、近年、世界大会も開催されるほど国際的な注目を集めている釣りだ。2024年の11月15~16日には、ブルガリア共和国の首都ソフィアから約200㎞北東に位置するヴェリコ・タルノヴォで「第4回トラウトエリアワールドチャンピオンシップ」が開催され、チームジャパンが見事に総合優勝を果たした。チームジャパンの代表選手として同大会に出場したのは、荒川通さん、鈴木将人さん、伊藤雄大さん、土屋綾介さんといった国内トーナメントでも輝かしい実績を持つトップアングラーたち。個人成績では荒川さんが総合優勝、鈴木さんがわずか1ポイント差で準優勝という快挙を成し遂げた。試合中、日本人選手の周囲にはその高度な技術を自分たちのものにしようと多くのギャラリーが集まり人だかりができたという。今回、鈴木さんに大会で実践した釣り方を披露してもらう機会を得た。鈴木さんが勝利を重ねるなかで大きく貢献したのがスプーンとミノーを駆使した釣りだった。この日、鈴木さんが訪れたのは滋賀県・高島市にあるフィッシングパーク高島の泉。湧き水を水源とした透明度の高いエリアで、滋賀県在住の鈴木さんにとってホームのひとつだ。ルアーメーカー勤務で選手としても著名な鈴木さんは、ルアーのテストなどの仕事やロケなども含めると年間150日は高島の泉をはじめとする全国各地のエリアに足を運んでいる。そんな鈴木さんだが、プライベートの釣りでは毎回、苦手な釣りを練習する意識で釣行しているという。「トーナメントで負けるときは、自分の苦手な釣りが効いてしまう状況のときです。そんな試合後は対戦相手の釣りを聞いて、自分の釣りの引き出しにできるよう練習します。最近ではミノーの釣りをしっかりやり込まないと勝てないと痛感して、これを練習してきました。この釣りがブルガリアでも勝因のひとつになりました」ここで言うミノーの釣りとは、トーナメントでも勝利にからむ場面が多い、ミノーの浮上で食わせるパターン。この釣りも後ほど詳しく教えてもらうとして、日本人選手と他国の選手で差がついたのはなんだったのか。

魚

 

精度の高いレンジ合わせで差がつく

「レンジ合わせが苦手なのかな? と思いました」とは対戦した他国選手に対する鈴木さんの印象。「初日の何試合かは活性の高い魚が残っていて、反応するレンジに入れることさえできれば、スプーンで手返しよく釣っていくことができました。対戦相手はプラグを使っている人が多かったのですが、手返しのぶん13対3で圧倒できた試合もありました。2日目はミノーにシフトしましたが、これもどのくらい潜らせてから浮かせるか、レンジを掴めているかどうかで差がついていました」スプーンのレンジ合わせはカウントダウンで水深を測り、ボトムから巻き上げながらアタリを感じたら再びカウントダウンでボトムをとる、というのが基本となる。つまり、ボトムまで5カウントの場所で、アタリがあった層からボトムまでが3カウントなら、水面から2カウントのレンジで魚が反応していることになる。トーナメントへ出場している手練れであれば、次のキャストでは2カウントのレンジへダイレクトにスプーンを通して一定のレンジを引き続けることもできる。「ただそれには練習が必要です。まず足もとで手持ちのスプーンを泳がせてみて、沈みも浮き上がりもしないスピードを覚えてください。それが難しいうちは、ボトムをとってからの巻き上げを続けてもいいです。はじめは、そのほうが反応のあるレンジを長く通せると思います」スプーンのレンジ合わせはエリアトラウトでは基本となるテクニックとされる。だが、その基本を精度高く実践することがライバルとの差になるということだろう。

ヒットシーン

 

浮上系ミノーでもレンジ合わせは重要

大会2日目に多くの試合で勝利に貢献したのが、冒頭にも紹介したミノーの釣り。初日はスプーンをメインに勝ち進んだ鈴木さんが、なぜミノーに手を伸ばしたのか。「初日にミノーで釣果を上げている選手をちらほら見かけていたのですが、それが勝ちにつながり得るパターンになりそうだと確信したのは、2日目の放流を見たからですね。初日と比べて魚のサイズが小さくなってそのぶん尾数が多くなりました。この釣りは魚の密度が高いほど反応がよくなるので」その理由は魚の競争本能でスイッチが入る釣りだからだろう。そんなミノーの釣りでも反応するレンジを的確に探っていくことが重要だった。この釣りはジャークでミノーを潜らせてから浮上で誘う。ジャークを何回加えるかによってねらえるレンジが変わる。ミノーやクランクなどのプラグの釣りで、そのルアーが一定のレンジを泳ぎ続けるよりも強い力でルアーを引いて潜らせていくことを、エリアトラウトの手練れたちは「グリ」と表現する。ミノーの釣りではロッドワークで強めにルアーを引くジャークが「グリ」となる。大会2日目の早い時間帯は7回ジャークして(7グリ)潜らせてからの浮上で反応があり、暖かくなってからは5グリからの浮上で釣れ続けたという。実はこのレンジを探り当てる前は前日にスプーンで釣れていたレンジ(3グリに相当)でようすを見たそうだが、ミノーには反応がなく、さらに深く潜らせたところ釣果につながった格好だ。その理由を鈴木さんはこう考察する。「スプーンは魚を引っ張りやすいルアーで、下のレンジの魚も食い上げてくることがあります。ミノーの浮上による誘いはスプーンに比べてアピール力が弱く、レンジ合わせがジャストでできないと反応させにくい面があります」こういったレンジの微調整もライバルと差が付く一因だったのだろう。

ニジマス

 

優しいジャークで差がついた

操作面でも海外勢と違いがあったという。「海外の選手はジャークが激しすぎるように感じました。この釣りはイト鳴りなどで魚をスレさせやすいデメリットがあるので、それによってもバイト数に差が出たように思います」ロッドワークによる操作はミノーを潜らせるためのもので、激しく動かして魚の興味を惹こうと意図するものではない。鈴木さんのジャークを見せてもらうと、ミノーが受ける水の抵抗を、ロッドのベリーで優しく受け止める感じのもので、ティップの振れ幅は20㎝あるかどうか。下に向けているティップは水面についているが、水しぶきは上がっていなかった。さてこの日の高島の泉もレイゲンのジャークからの浮上で好反応が見られた。水面下20~30㎝くらいまで浮かせたところでバイトが出たり、水面に浮き切るかどうかまでいかないとバイトに至らなかったりと、時間帯によって変化する反応の仕方がみてとれるのがクリアレイクの面白さだ。これが濁ったレイクでも起きているからレンジ合わせが釣果を伸ばすうえでいかに重要かが理解できる。さらに、浮上のスピードでも反応が変わる。ルアーごとに決まった浮力をもつプラグ。フックを交換したりシールになっているオモリを貼ったりして浮上スピードを調整することがあるが、鈴木さんは浮上時のラインのテンションで浮上スピードを微調整していた。テンションを完全に抜けばルアー本来の浮力で浮上する。一方でテンションを掛けながら浮かせればそのスピードを押さえることができる。エリアトラウトの競技は、日々進化し続けるアングラーたちの技術が集約されている。今回の鈴木さんの解説をヒントに、自分の釣りに磨きをかけてみてほしい。きっと手にできる魚が増えるはずだ。

ロッド

 

取材当日のタックル

エリアタックル

左・ペピーノ用
ロッド:T-CONNECTION AREA TCA-S55LML-ST(ジャッカル)
リール:ステラC2000S(シマノ)
ライン:スーパートラウトエリアES2 エステル0.25 号(バリバス)
リーダー:トラウトショックリーダー0.6 号(バリバス)
右・TC レイゲン用
ロッド:T-CONNECTION AREA TCA-S61ML(ジャッカル)
リール:ステラC2000S(シマノ)
ライン:RC マイスターエステル0.35 号(ロデオクラフト)
リーダー:トラウトショックリーダー0.8 号(バリバス)

 

エリアタックル

左・リクーゼ0.6g 用
ロッド:T-CONNECTION AREA TCA-S60SUL-E(ジャッカル)
リール:ステラC2000S(シマノ)
ライン:スーパートラウトエリアES2 エステル0.25 号(バリバス)
リーダー:トラウトショックリーダー0.5 号(バリバス)
右・ティアロ用
ロッド:T-CONNECTION AREA TCA-S60UL-E(ジャッカル)
リール:ステラC2000S(シマノ)
ライン:スーパートラウトエリアES2 エステル0.25 号(バリバス)
リーダー:トラウトショックリーダー0.5 号(バリバス)

 

エリアルアー

ミノーはTC レイゲンDRを使用。この日反応がよかったカラーは、上からシルバーカドチップ、CT ペレット2 号、No.6。下はニョロ系クランクのペピーノDRSS でボトムをスローに巻いて使った。写真はブルガリア用に塗ったグローベースのオレンジカラー

 

ティアロ

この日反応がよかったスプーン。上、ティアロ1.6g。下、リクーゼ0.6g

 

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