貪欲で好奇心旺盛なテナガエビは、タンパク質のエサなら何にでも食いついてくる懐の深いターゲットです。今回は、そんなテナガエビ釣りの「エサ」を徹底解説! 定番の虫エサの紹介はもちろん、コンビニ・スーパーで買える代用エサ」で、実際に釣りが成立するのかを検証してみました。
貪欲で好奇心旺盛なテナガエビは、タンパク質のエサなら何にでも食いついてくる懐の深いターゲットです。今回は、そんなテナガエビ釣りの「エサ」を徹底解説! 定番の虫エサの紹介はもちろん、コンビニ・スーパーで買える代用エサで、実際に釣りが成立するのかを検証してみました。
写真と文◎編集部
テナガエビ釣りの定番は虫エサ
テナガエビ釣りで定番のエサといえば虫エサです。まずは虫エサを種類ごとに解説していきます。
アカムシ
テナガエビ釣りで最もポピュラーなエサの一つが、ユスリカの幼虫である「アカムシ」です。小さく細長い形状がテナガエビの口にも吸い込まれやすく、針掛かりの良さは抜群。エサ選びに迷ったら、まずアカムシを選んでおけば間違いありません。
フックへの刺し方には、釣果を左右するコツがあります。針先だけを掛ける「チョン掛け」は手軽ですが、エサの先端だけを食べられたり、フッキングが甘く、途中でバレてしまったりすることが少なくありません。少し手間はかかりますが、ハリに沿って縫うように通す「通し刺し」にすることで、フッキング率が格段に向上します。
また、アカムシは中の赤い体液がなくなって白っぽい皮だけになると、極端に食いが落ちます。アタリが遠のいたと感じたら、こまめに新しいエサへ交換しましょう。
.webp?width=572&height=841&name=tenaga-mania%20(50).webp)
サシ
テナガエビ釣りの定番エサとして、ハエの幼虫である「サシ」も非常に有効です。いわゆる「ウジ虫」のことで、そう聞くと抵抗があるかもしれませんが、釣りエサ用に販売されているものは清潔な環境で養殖されているため、安心して使用できます。
サシの特長は、その扱いやすさにあります。小さくてテナガエビが食べやすいサイズ感であることに加え、ハリに刺しやすく、エサ持ちも良いことから、初心者の方にもおすすめのエサと言えるでしょう。
キヂ(ミミズ)
テナガエビ釣りでは、古くからの定番エサである「ミミズ」も非常に有効です。釣具店で購入できるほか、釣り場で直接採取できる手軽さも魅力の一つです。
使用する際は、5mm程度の長さに小さくカットしてハリに付けます。このとき、ミミズの太さが釣果を左右するポイント。あまりに太いミミズは、短くカットしてもテナガエビの小さな口には大きすぎるため、できるだけ細いものを選ぶようにしましょう。
その他の虫エサ
それ以外ではアオイソメやジャリメなどの多毛類も使うことができます。ミミズ同様小さくカットして使いましょう。
代用エサも実釣で試してみた
テナガエビは、実はコンビニやスーパーで手に入る身近な食材でも釣ることが可能です。つり人本誌では、そんな「代用エサ」の可能性を探るべく、過去に様々な食材で実釣テストを敢行。
テストしたのは、家庭でもおなじみの「冷凍エビ(ブラックタイガー)」「魚肉ソーセージ」「はんぺん」「カニカマ(サラダ用タラバガニ)」「チーズ(さけるチーズ)」「さきいか」。さて、一体どの食材がテナガエビに最も有効だったのでしょうか。

冷凍エビ
最もおすすめなのは冷凍エビを小さくカットして付けたもの。テナガエビの反応の良さ・エサ持ち・食い込みのよさの三拍子揃っており、虫エサに匹敵する釣果が望めるエサです。「味の素」を振りかけて付けやすいように少し水分を抜くとエサ持ちと集魚力がアップします。
スーパーはもちろん、コンビニでもシーフードミックスとして売られている場合があるので、入手難易度が低いのも嬉しいポイントです。

魚肉ソーセージ
魚肉ソーセージは、アタリの数が抜群に多く、非常に有望なエサでした。しかし、その効果を最大限に引き出すには、エサ付けの工夫が求められます。ふわふわと柔らかく繊維がもろいため、ハリに刺す際に少しでも傷つけてしまうと、すぐに崩れて外れてしまいます。この「エサ持ちの悪さ」が最大の課題です。
とはいえ、うまくハリに付けさえすれば釣果は期待できるため、虫エサが入手できないときの代用エサとしては試してみる価値はありそうです。
%20(1).jpg?width=768&height=432&name=c-3-4-1%20(%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%A0)%20(1).jpg)
カニカマ
カニカマも、テナガエビからの反応が非常に良く、アタリの数はトップクラス。しかし、その高い集魚効果とは裏腹に、繊維質で崩れやすい素材のため、扱いには工夫が必要です。ハリに付けるのが難しく、水中でもエサ持ちが悪いという点が弱点と言えるでしょう。

サキイカ
サキイカは、アタリが時折あるため、全く釣れないエサというわけではありません。しかし、検証では、その硬さが大きなデメリットとして目立ちました。
水に浸してもほとんど柔らかくならないため、テナガエビが口にしても違和感を覚えるのか、なかなか深く食い込んできません。結果として、エサ持ちは良いものの、肝心の針掛かりに至らないケースが多発しました。
チーズ
使用したのは「さけるチーズ」。テナガエビからの反応自体は決して悪くないエサでしたが、実釣ではいくつかの課題が見えてきました。
まず、柔らかいためフックへの付け方によっては、すぐにエサだけ取られてしまうエサ持ちの悪さが気になります。さらに、水中に長く浸かっていると、チーズが見た目から透明感が失われ硬くなっていきます。
このように劣化した状態ではアタリが極端に減るため、常に新鮮な状態を保つ必要があり、実用性の面から、あえて選択するメリットは少ないと感じました。

はんぺん
はんぺんもエサとして試しましたが、結論から言うと、扱いが非常に難しいエサでした。
最大の課題は、その脆(もろ)さにあります。非常に柔らかく、ハリを刺した箇所からすぐに崩れてしまうため、エサ持ちが極めて悪いのです。ある程度大きなサイズで付けないと、すぐにハリから脱落してしまいます。
もし試すのであれば、大きめのエビバリ(3号など)を使い、身崩れを少しでも抑える工夫が必要になるかもしれません。
代用エサまとめ
過去の検証の結論として、定番の虫エサに匹敵する釣果が期待できたのは「エビ」のみでした。
その他のエサは、「ハリへの付けにくさ」や「エサ持ちの悪さ」といった実用面での課題が多く、釣果を最優先する場合には、残念ながら選択肢としてはおすすめしにくいのが実情です。
とはいえ、テナガエビは非常に好奇心旺盛です。ほとんどのエサに何らかの反応を示したことから、「こんなものでも釣れるかも?」という探求心を満たしてくれる、懐の深いターゲットでもあります。釣果にこだわらず、色々なエサで挑戦してみるのも一興です。