ご紹介するのは千葉県の利根川右岸に広がる木間ケ瀬周辺のホソです。大小さまざまに広がる網目状の水路でタナゴ釣りを楽しみましょう!
夕方から日没、暗くなってから少しの間がゴールデンタイム
レポート◎小田部修久
この記事は『つり人』2020年5月号に掲載したものを再編集しています。
小田部修久
1968年生まれ。福岡県在住。フカセ釣り、船釣り、海水と淡水のルアーetc、さまざまな釣り具を宝の持ち腐れ状態にしていることを軽く悩む釣り雑誌ライター、カメラマン
アジに沸く近場の波止は短時間勝負
2019年の秋にスタートした福岡県中部から東部のアジシーズンは、宗像市から北九州市にかけての広範囲で凄いラッシュだった。例年は20㎝前後をアベレージに、割りバシサイズが拝めればいいほうで、ごくまれに20㎝後半が出るというぐあいであった。
日中に出るのはこのサイズ
ところが2020年はワンランク大きく、しかも数も出ている。というわけで釣り場は連日連夜釣り人でごった返す。そうなると終息までそう長くないのが相場だが、ずっと続いている。
ここが注目の釣り場、波津漁港の短波止。短波止全体で釣れるが、人気はやはり先端付近
外灯がある港内も要所は早い時間帯に埋まる
それには地元のヨシダ釣具宗像店スタッフも驚いていた。宗像から北九州までならどの釣り場でも釣果は見込めたが、スタッフの谷口さんと中野さんが選んだのはエリアの中心部に近い岡垣町の波津漁港だった。規模が大きく、海に向かって右の大波止、左の赤灯台波止がメインの釣り場だが、アジに沸騰しているのは港内に突き出た短波止だった。
時間帯は夕マヅメから日没、暗くなって少しの間だ。これを過ぎるとパッタリと食いが落ちる。港内の外灯がともると、その周りに魚が散るからだろう。しかし、不思議にも外灯周りも釣れる間隔がとても遠くなる。
そんな状況から、多くの人が16 時頃には釣り座確保のために現われ、夕マヅメのゴールデンタイムにしっかりといい思いをし、暗くなったら引き上げる。そんな毎日が昨秋から続いていた。谷口さんも中野さんも「これだけ釣られていなくならないから驚くばかり」と口を揃えた。
効果的アプローチ
夕マヅメのアジの動きは明るさが落ちるのに伴って港内中央部の深場から波止寄りの浅い層へ回ってくる。そのため近距離勝負が可能だ。
アジで近距離勝負といえばジグヘッド単体、通称ジグ単だ。重量は1gか1.5gの2択でよいが、通い慣れ、釣り込んだ谷口さんと中野さんは、「近距離ですむのもあってワンランク軽い0.8gもよく使うようになった」という。
キャストしたらラインを張った状態でルアーを沈め、任意の層で探り始める。どの層を探るか、どの層でヒットしたかに精度を出すためにカウントダウンは不可欠だ。
さらに、アジのルアー釣りでは小刻みに動かすシェイクからのフォールの演出が多用され、実際にそれがよく効くが、波津のアジは泳層を保った「ただ巻き」がいいという。誘いはシンプルなもので充分だ。
また、アタリがあったら即アワセが基本とされているが、活性が高い時ほどワンテンポ遅らせたほうがハマりやすい。
尺近い良型もジグ単に反応した
近距離で釣りが成立するのを踏まえると、使うラインもエステル、フロロ、ナイロン、PEのいずれもよい。海況を考慮すると凪ならPE、シケはエステルがよい。
時合に入れば頻繁にヒットし、それでも釣れ続くとアジがワームにスレてくる。ワームチェンジはその時だ。なかでも夜光フレークは下降した食いを復活させられ、なおかつ持続させてくれる強い味方だ。
体高のあるキープサイズをキャッチした谷口さん
イチオシギア
夜光フレークワーム
波津のアジに特に有効なのが夜光フレークワーム。これは、ワームのボディー全体が夜光なのではなく、内部に夜光材が散りばめられたタイプだ。アピールし過ぎず、スレにくく、食いを持続させやすい。
ヨシダ釣具宗像店
住所=福岡県宗像市東郷3-3-2
営業時間=平日:6〜21時、土・祝日前:
5〜22時、日祝:5〜21時
定休日=なし
問合先=0940・36・3780
◆釣り場情報
交通● R3 の若木台団地交差点の1つ東の叉路から北東に進み、県道97 号を東郷橋まで直進、左折して少し進むとヨシダ釣具宗像店。店を左に出て県道69 号を進み、神湊交差点を右折、R495を東進する。瀬戸交差点を左折して県道300 号を道なりに進むと波津漁港