小野川上流を目指した室町選手。408号線の橋を越えた上流でノーシンカーバックスライド、ネコリグ、リーダーレスダウンショット、チャターベイトをローテーション。垂れ下がっているカバーにはバックスライド、張り出している薄いカバーにはネコリグ、フラットな地形に杭があるエリアではチャターを巻いて6バイトを得ましたが、すっぽ抜けに悩まされ1尾430gのキャッチにとどまりました。
バックスライド、ネコリグ、リーダーレスダウンショット、チャターをローテーションし6バイトを得る
THE WILD CARD霞ヶ浦戦
室町雄一郎 1尾430g
加藤裕司選手と同様に本湖を切り捨て小野川上流を目指した室町選手。408号線の橋を越えた上流でノーシンカーバックスライド、ネコリグ、リーダーレスダウンショット、チャターベイトをローテーション。垂れ下がっているカバーにはバックスライド、張り出している薄いカバーにはネコリグ、フラットな地形に杭があるエリアではチャターを巻いて6バイトを得ましたが、すっぽ抜けに悩まされ1尾430gのキャッチにとどまりました。苦悩のフットステップは下記にて。
室町雄一郎選手の当日の釣りはコチラ↓↓↓
THE WILD CARD 室町雄一郎選手のFOOTSTEP
5:45 競技開始。8番フライト。
「今日の試合は優勝しか意味がない。一発デカいのねらいに行きます。勝つためには5kg以上釣ってくるしかないからね。練習では釣ったことないけど(笑)。これだけ上手い人が集まっている試合だから、誰かは5kg以上釣ってくると思う。それに勝つには自分も釣るしかないからね。何とかします(笑)」
「行く所が結構狭いから、エリアのバッティングだけは避けたいなって。プラの時一人だけ選手とすれ違って、今日来るのかな? 来ないのかな? って思ってる。でもどっち道俺のフライトが早かろうが遅かろうが、絶対抜かれるから! それはもう気にしてない。船の問題(笑)」
本湖に入り目的のエリアへ走行開始。
宣言通り、フルサイズのバスボートに次々抜かれる。
プレス:今日のプランを教えてください。
「メインエリアは小野川の上流部。川の上流に残っている、夏を引きずったデカいヤツをねらいに行こうかと。ポイントまではデッドスローエリアが長く続くので、一度入ったら戻れない。もう心中だから! 心中!」
「そのエリアが釣れればいいし、釣れなくても歯食いしばってそこで一日釣り切るしかない。ただここ4~5日ぐらい秋めいた涼しい風が吹き始めて少し冷えている。そこから小野川上流が少しずつパワーダウンしてきているのが気になる。でも今日はローライトだから、イケイケになるかもしれないし、魚が抜けちゃうかもしれない。でも一発をねらわなきゃいけない試合だから、一発ねらえるスポットに行く」
6:10
小野川河口へ到着。先行者2名。
1人は河口にいたため、小野川をデッドスローで上っていく。
「上流がパワーダウンして河口付近に落ちてくるバスがこの辺りにいるって読みなんだろうね。深い所に行く前の段階のバスをねらっているんだと思う。昨日の段階ではこの辺りは反応を得られなかったから、今日は振り切って上流で。反応がなければ早めに切り上げて、下流で魚が寄りそうな良い所もあるから、そっちに切り替えよう」
「ちなみにここから最初のポイントまでデッドスロー更に20分!」
6:30
デッドスローで更に20分。最初のポイントへ到着。
先行した船の姿はもはや見えず、更に上流へ向かったようす。
まずはバスベイトで流れの当たるアシ際をチェック。
6:40
ネコリグに持ち替えて川を上っていく。
投げ始めて数投、最初のバイト。1バイト目。
渾身のフッキングは残念ながらアシに決まってしまった。
「うまく行かないね~(笑)」
プレス:バイトがあるのだからうまく行ってるんじゃないですか?
「うまく行くときはね、ノーミスなんだよね……(笑)。最近このエリアすっぽ抜けが多いみたい。練習ではちゃんと食ってからフッキングしてたから、すっぽ抜けは無かったんだよね。プラで一緒に乗った人は乗らない乗らない! ってすっぽ抜けてた」
プレス:今のバイトはちゃんと待ってからアワせたんですか?
「今のバイトはね、動画見返していただければわかると思うんですけど、全力で即アワセしましたね!(笑)。練習でやったことのないことって、本番でもできないわけですよ。でも今みたいに、練習でやって来たのに、本番でもできない場合もあるんですね~」
「食う時は落ちた直後が一番多い。でもテキサスだとマジ食わない。今日なんか濁ってローライトだから、手返しを上げたい気もするんだよね。でも昨日まで食わなかったから、手返し上げたい気持ちとの狭間で揺れてる。今日釣ってくる人はイケイケなんじゃないかな。こういうスローなことしていていいのだろうか? と言う葛藤がある」
「バイトの出かた的には練習の時と同じ感じだから、慌てず騒がず、同じことを繰り返す」
7:00
更に上流へ移動。
アシ撃ちとチャターベイトでチェックしながらランガン。上流へ向けて小移動を繰り返す。
7:30
ネコリグにバイトらしき反応。
「今のはバイトじゃないかもしれないけど、すっぽ抜けとショートバイトがすごく多い。すっぽ抜けは対応できるけど、ショートバイトはどうしようもないよね。投げてるルアーが合ってなくてショートバイトなのか、魚のコンディション的にそういう感じなのかちょっとわかんないけど」
7:40
水門周辺に差し掛かり、チャターベイトに持ち替える。
水門の上流側、護岸とアシの切れ目付近にキャスト。
「来たっ!」
一気に抜きあげる。
「よっしゃ! あれ? これキーパーあるかな? これキーパーある!?」
スケールで計測。
「ある! あるある! オンライン! あるよね? あるよね? あるじゃないですかぁ~! 良いことあったなぁ!」
大興奮の1尾目、ジャスト30cm、430gをキャッチ。
「ドキドキする。超ドキドキするね! オンライン!(キーパースケールの線にかかっている)」
「キーパー30cmの壁ってさ、マジ高いの。やって分かった。ウォールマリアより高いね。でも俺はそれを越える巨人になる(笑)」
「1匹の価値ですよ。試合って本当そうだよね!」
「意外と巻いた方がいいのか……? 考えちゃうよね、ローライトでイケイケなんじゃないかって」
8:00
ネコリグに持ち替えて同じストレッチを上流へ向かってサーチ。
鉄パイプの周りにキャスト、バイトがあるもまたもすっぽ抜け。3バイト目。
「完全に食ってたね。ラインがピューンっと走った。コンコンって来て、ラインが走るまで待ってアワせたけど、乗らない時は乗らないね~」
8:30
引き続きネコリグでカバー撃ち。
周囲よりも張り出したハング状のカバー周りでバイト。4バイト目。
わずかに送ってアワせるもフッキングせず。
さすがに溜息。
「ちょっと尋常じゃないよね。普通の重い系のルアーで食わなくて、バックスライドとかでは持って行って掛かったりするんだけど、手返しが悪いからイヤなんだよ。ワームのサイズを下げて、色をちょっとキツくする。もしくはイケイケなコンディションだと予想して、テキサスとかリーダーレスダウンショットにして手数を増やすか。でも食わなくなったら意味無いからね」
リーダーレスダウンショットを選択。
「練習ではホントに食わなかったからね。ローライトでバスがルアーを追いかける範囲が広くなっていたら嬉しいけどね。ネコリグよりもこっちの方がカバーに入るし、手返しも増えるから」
「魚は反応してくれているのに、そのチャンスを活かせないのはもどかしいよ。過去こんなにすっぽ抜けた試合は無いよ(笑)。恐ろしいなぁ~」
9:00
上流へ向けて移動。
プレス:今の時点でどのくらいまで上ってきているんですか?
「最上流エリアの中の下流。まぁまぁ上の方まで来てる。そこの408号線が1つの境目になってて、そこを過ぎるとココが釣れるっていう明確なポイントが無くなるんだよ。408号線の手前のカーブは条件が整ってて、釣れるエリア。夏の魚がねらって獲れるエリア。そこに先行者がいたらうわ~ってなっちゃう」
9:10
目的のエリアへ到着。
着いてみると水は白濁り。
「ここまで来てこれか~。上澄みが汚いだけの場合もあるからね。まぁしょうがないよね。川の流れが上流からで、風は下流からだからね」
まずはチャターベイトでサーチ。
数投目でチェイス。
更に続けてバイトらしき反応。バスは入っているようす。
「今のはわかんない。謎。食ったのかもしれないけど」
カバー撃ちにシフト。
ネコリグを基本に、カバーの濃い所はリーダーレスダウンショット、奥行きのある場合はバックスライドを使い分けながら、上流から下流へ丁寧にサーチ。
「基本ネコリグなんだけど、垂れ下がって奥行きのあるカバーはバックスライド。イバラ系のカバーも多いから、そこはリーダーレスダウンショット」
プレス:結構カバーが濃いですね。
「勝てる時はね、どんなカバーからでもスルスルスル! って出てくるんだよね! 不思議だなぁ~って。しかもバレないんですよ(笑)」
イバラのブッシュにリーダーレスダウンショットをキャスト。
ルアーが着水した瞬間にバイト。5バイト目。
しかし今度はイバラに巻かれてしまう。
「そうですか……。あっ、ハリ曲がっちゃった。なかなかかみ合わないね~。あー、いや、あっはははは(笑)」
あまりにもフッキングしないため、言葉が詰まり笑い出す。
10:00
移動時間を考えると、ここにいられる時間は後2時間ほど。
引き続きカバー撃ち。
垂れ下がったカバーにバックスライドをキャストし、カバーの奥へ送り込んだ所でバイト。本日6バイト目。
しかしまたもすっぽ抜け。
「うそでしょ。ワームだけ無いの」
遂にしゃがみ込む。
「は~、堪えるなぁさすがに……」
「今バイトがあって、冷静だったからすぐにアワせないでいたらラインが手前に走って、ラッキー! って思ってアワせたら、スポンってすっぽ抜けちゃった……。ツルが絡んでたみたいで魚と一緒に上がって来たから、ツルの向こう側に入っちゃったみたい」
「あー、結構キチィ。結構キチィ! 俺こんなの初めて。もう笑うしかしかないよね。試合って怖いね」
「まだ時間あるから。ここからだよ!悔しい~! 間違いないんだよ! イメージ通りなんだ! でも掛からないんだ!(笑)」
その後周辺を撃ちきり、反応が得られないため移動。
10:50
下流へ向けて移動開始。
午前中にバイトがあったスポットへ寄りながら本湖方面へ。
途中雨のタイミングで巻き物を試すも反応はなく、デッドスローエリアを抜ける。
「バス釣りが難しいのか、トーナメントが難しいのか。トーナメントってやっぱり同じ湖でいろいろな人が釣りして、必ず1位が生まれる訳じゃない? 自分が釣れなくても正解があるって言うのが面白いかな。出た人の数だけドラマがあるからね。面白いよね」
「まだ諦めてないよ。いっぱい釣るつもり」
12:45
小野川下流~河口周辺のエリアは捨ててスロープ方面へ。
残りの時間は会場近くのエリアで粘ることに。
13:10
妙岐水道へ到着。
他にも選手が何名か浮いている状況。
アシ際をリーダーレスダウンショットでサーチ。
「すげー久しぶりにヒリついたわ。やっぱりヒリつかない試合もあるのよ。今回はなんかね、色々ヒリつくよね(笑)。内容的には良くないけど、やっててスゲー面白かった。なんかまとめコメントみたいになっちゃってるけど(笑)」
最後は真珠棚。スピナーベイトでサーチ。
13:55
「よし上がり!お疲れ様でした!」
ストップフィッシング。
タックルデータ
ネコリグ用
・ロッド リベリオン661M/MLF(ダイワ)
・リール アルファスSV TW 800XHL(ダイワ)
・ライン スティーズ フロロ X'LINK 12lb(ダイワ)
・ルアー ドライブクローラー5.5in(O.S.P)+2.2gシンカー
・フック N・S・Sフック パーフェクション#2/0(ハヤブサ)
チャター用
・ロッド ブレイゾン610MH(ダイワ)
・リール ジリオンSV TW 1000HL(ダイワ)
・ライン スティーズ フロロ X'LINK14lb(ダイワ)
・ルアー ジャックハンマー3/8oz(エバーグリーン)+スタッガーオリジナル3.5in(ハイドアップ)
リーダーレスDS用
・ロッド ブレイゾン721MH(ダイワ)
・リール SS SV 105XHL(ダイワ)
・ライン スティーズ フロロ X'LINK14lb(ダイワ)
・ルアー ドライブビーバー3.5in(O.S.P)
・フック インフィニ#1/0(リューギ)
ノーシンカーバックスライド用
・ロッド ブレイゾン610MH(ダイワ)
・リール ジリオンSV TW 1000HL(ダイワ)
・ライン スティーズ フロロ X'LINK14lb(ダイワ)
・ルアー ボスクロー(ダイワ)
・フック インフィニ#2/0(リューギ)
室町 雄一郎(むろまち・ゆういちろう)
キャスティングが誇るシャローカバーフィッシャーマン
●推薦:キャスティング
●年齢:36
●得意な釣り:テキサスリグのカバー撃ち
●8月末~9月の霞ヶ浦でのおすすめルアーや釣り方
スティーズスピナーベイトのゆっくり巻き
●主な戦歴
2015JBマスターズ野尻湖 優勝
2020JBマスターズ霞ヶ浦 優勝
2022JBマスターズ霞ヶ浦 優勝
釣具店「キャスティング」で勤務しながらJBマスターズトーナメントに参戦している〝戦う釣具屋の店員さん〟。2022年3月に行なわれたJBマスターズ霞ヶ浦戦では、ネコリグによるカバー撃ちでキロアップをキャッチ。2日間魚を持ち込んだのは、109名中8名と厳しい状況のなかで、見事優勝を果たしている。
◆あわせてよみたい!
◆ウエイインのライブ配信をアーカイブでどうぞ↓↓↓
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