今大会で真っ先に我々の度肝を抜いたのが千葉選手でした。初日の朝イチ、霞ヶ浦本湖・和田の南側にあるゴロタエリア(消波工である石の板が水面上に飛び出している)に入った千葉選手は1820g、1020gとビッグフィッシュを連発させます。
オカッパリ&レンタルボートでも真似できる出場選手のメインパターン
2022年10月29~30日にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。トーナメントの釣りには、オカッパリやレンタルボートの釣りに生かせるヒントが詰まっています。今回は千葉恒太選手の釣りを紹介します。
◎まとめ:編集部 ◎写真とフットステップレポート:DAY1&DAY2プレス/東久順
千葉恒太選手のプロフィール
千葉恒太(ちば・こうた)
1969年生まれ
主な戦歴:
2003・2004・2007~2013・2015年BMC AOY
2008年W.B.S.第5戦優勝
2007~2009年Ks CUP3連覇
コース、スピード、ルアーセレクト…… あらゆる面でシラウオを意識
千葉恒太選手のメインルアー
■ハイカットDR-F(O.S.P)
■O.S.Pジグ ゼロスリーハンツ11g(O.S.P)
※ラバージグは選手自身が白く塗ってチューンしています。ジャンボポークフロッグ(アンクルジョッシュ)をトレーラーにして使いました
今大会で真っ先に我々の度肝を抜いたのが千葉選手でした。初日の朝イチ、霞ヶ浦本湖・和田の南側にあるゴロタエリア(消波工である石の板が水面上に飛び出している)に入った千葉選手は1820g、1050gとビッグフィッシュを連発させます。戦前に予想されていた優勝スコア「単日3kg」に開始2時間で迫りました。
霞ヶ浦のスーパーロコであり、ビッグフィッシュキャッチャーとして知られる千葉選手。もちろんこの2尾はねらって獲った魚でした。千葉選手がイメージしていたのは「水温が下がった状況でもフィーディングするバス」、つまり釣れた時点で1kgアップがほぼ確定する魚です。さらに具体的にいうと、風が強く当たるゴロタに打ち寄せられたシラウオを追うバスを相手にしていました。
千葉選手はあらゆる面でシラウオを意識した釣りを実践していました。まずはボートポジション。オーソドックスに沖からゴロタをねらうのではなく、浅いインサイド側(岸側)にわざわざ入り込み、消波工を挟んで反対側(沖側)にシャッドをキャストしました。
シャッドを選んだのはスモールシルエットで弱々しい泳ぎのシラウオにマッチさせるため。スローリトリーブを多用したのはシラウオの遊泳速度に合わせるためです。
沖⇒ゴロタの向きでただ巻きすることで、シャッドは風で打ち寄せられるシラウオに化けます。そしてゴロタのエッジに「コツン」とシャッドがぶつかった瞬間、「しめた!追い詰めた!」とバスがシャッドを襲うというストーリーです。
一度ゴロタにぶつかったあとはシャッドを浮かせて、サオを立てて恐る恐るゴロタ上を通していた千葉選手。ゴロタにぶつけることで食わせチャンスになるのは最初だけで、あとは根掛かりが増えるだけ……という判断でした。
最後に疑問なのは、水深50cm~1mのゴロタに対し、千葉選手はなぜハイカットDR-Fを使っていたのかということ。潜行深度が浅いモデルのほうが使いやすいのでは?
千葉「強い逆風に向かってキャストすることがこの釣りの絶対条件。そうじゃないと『風に打ち寄せられるシラウオ』と同じコースを引けませんから。となると、シャッドのキャスタビリティーが非常に重要になってくる。重心移動のハイカットDRはすごく投げやすいんですよ。ショートキャストがほとんどなので、潜りすぎて使いにくいということはありません。サオを立てて引く手もありますしね」
[タックル]
■ハイカットDR-F(O.S.P)用
ロッド:オンリーワン斎藤真也カスタムロッド シャッド用(オンリーワン)
リール:アルファスエアTW(ダイワ)
ライン:ザルツ バスハードFC 8Lb(ラインシステム)
■O.S.Pジグ ゼロスリーハンツ11g(O.S.P)+ジャンボポークフロッグ(アンクルジョッシュ)用
ロッド:ロードランナーヴォイス680H(ノリーズ)
リール:レボ エリート IBロケット9(アブ・ガルシア)
ライン:ザルツ バスハードFC 16Lb(ラインシステム)
千葉恒太選手のフットステップ
DAY1
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スタート前~直後
「キロ以上をねらって取りたい。朝はシャローエリアで巻きの釣りからスタートするつもり。シャローに残った生命力の強いデカバスをねらう」
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▼霞ヶ浦
萩原閘門を抜けて霞ヶ浦方面へ
7:30
霞ヶ浦西岸・和田岬と妙岐ノ鼻の間
7:43
シャッドを巻いて1尾目をキャッチ。1820g。
「ちょっと震えてる」
7:50
シャッドで2尾目をキャッチ。1050g。
8:50
和田岬へ移動。
9:50
1~2尾目をキャッチしたスポットに移動。バイトがあるもラインブレイク。
10:45
洲ノ野原・真珠棚へ移動。ジグ&ポークで誘う。真珠棚ではO.S.Pジグ ゼロスリーハンツ11g(O.S.P)+ジャンボポークフロッグ(アンクルジョッシュ)の組み合わせがフェバリットの千葉選手。霞水系のザリガニにベストマッチなサイズ感だという。外側の杭だけでなく沈み物をスイミングで誘う。
10:56
ジグ&ポークにバイトが出るもラインブレイク。
「16Lb切られた!」
12:05
1~2尾目を釣ったスポットへ。
12:28
「時間がないな」
13:05
小見川閘門を抜けて利根川へ移動。
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▼利根川
13:33
13:33
小見川大橋下流エリア。
13:46
佐原河川敷緑地付近(会場上流)
14:00
帰着。
DAY2
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▼スタート直前~直後
「3尾ねらいにいく。今日はスピニングタックルも用意。朝が勝負だと思っているので最初の組で閘門を通過したい」
5番スタート。
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▼霞ヶ浦
6:43
和田岬と妙岐ノ鼻の間。シャッドを巻いてシャローの消波工周辺を探る。
7:47
和田岬に移動。
8:14
和田岬と妙岐ノ鼻の間。シャッドを巻いてシャローの消波工周辺を探る。
9:39
洲ノ野原・真珠棚へ移動。
「昨日魚をバラしてしまった場所。取り返しにいきます」
ジグ&ポークで誘う。
10:35
和田岬と妙岐ノ鼻の間。シャッドを巻いてシャローの消波工周辺を探る。
「波が穏やかになっている。チャンスだと思う。魚っ気も出てきた」
11:52
霞ヶ浦東岸・富田地区のドック
12:19
北利根川・潮来港
「オールスターってあまくねえな」
12:42
閘門を通過して利根川へ移動。
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▼利根川
13:06
津宮の消波ブロック帯。
13:24
会場付近へ移動。帰着。
「自身の集大成と思って戦ったけれど、もっとバス釣りを楽しみたくなった」
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Basser Allstar Classic2022 最終成績表