『Basser』2022年6月25日発売号から新企画が発進しました。その名も「リミット1」。 2ヵ月に一度、田辺哲男さんが個性的なヘビーヒッターとマッチプレーを繰り広げます。 勝敗の決定方法は極めてシンプル。2日間の競技に対しリミットは「1」。 ビッグフィッシュに完全に的を絞ったゲームです。記念すべき開幕戦の相手は「藤田京弥」。Basser8月号ではその全容を余すことなくお伝えしています!
デカいの1本でどうだ。
『Basser』2022年6月25日発売号から新企画が発進しました。その名も「リミット1」。 2ヵ月に一度、田辺哲男さんが個性的なヘビーヒッターとマッチプレーを繰り広げます。 勝敗の決定方法は極めてシンプル。2日間の競技に対しリミットは「1」。 ビッグフィッシュに完全に的を絞ったゲームです。記念すべき開幕戦の相手は「藤田京弥」。Basser8月号ではその全容を余すことなくお伝えしています!
田辺哲男(たなべ・のりお)
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1958年7月9日生まれ。神奈川県出身/東京都在住。バスオブジャパンやJBTA(JBの前身)で活躍し1992年よりB.A.S.S.に参戦。1993年のケンタッキーインビテーショナルで非アメリカ人として初めての優勝を果たす。2000年にはバスマスタークラシックで6位入賞。近年はルアー開発が楽しくて仕方がないという。
藤田京弥(ふじた・きょうや)
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1996年4月2日生まれ。埼玉県出身、山梨県在住。バスプロを目指して河口湖で腕を磨く日々を過ごし、2018年に兄・夏輝とともにTOP50に参戦。以来、TOP50とマスターズ、JB河口湖と入鹿池を中心に驚異的なペースで優勝を重ねる。2022年よりB.A.S.S.オープンカテゴリーに参戦。
バスフィッシングの未来のための試合
2日間の競技でリミット1尾のウエイト勝負。
それが「リミットワン」だ。ビッグフィッシュねらいにとことん焦点を当てたレギュレーションである。田辺哲男が多彩な強打者と2ヵ月に一度マッチアップしていく予定だ。
田辺は2020年にオールスタークラシックからの引退を表明し、試合以外の場でのバスフィッシングに全力投球している。この企画を持ちかけたとき、田辺が受けてくれるかどうかは五分五分だと思っていた。
しかし、田辺は即答で快諾してくれた。そしてこう言葉を添えた。
田辺「ビッグフィッシュ1本か。面白いじゃん。やらせていただきますよ。せっかく2日間で1尾っていうルールで戦うんなら、オレはスコアだけじゃなくてゲームの内容にもとことんこだわりたい。自分なりの『イケてる釣り』で真っ向勝負して勝ちたいし、グッとくる釣りに思いっきり負けたいよ。その試合の一部始終を読んでもらうことが、みんなのバスフィッシングをもっと面白く豊かなものにしてくれれば最高に嬉しい。バスフィッシングの未来のための試合にしようぜ」
田辺が言う「イケてる」「グッとくる釣り」が何を指すかは本誌連載で何度も触れてきたが、ここでも簡単に触れておこう。それはヘビータックルや派手なルアーで釣るのが偉いという単純な価値観ではない。
田辺「こんな釣り方で釣りたい、こんなルアーでハメたい、こんなアプローチはどうだろう……。そうやって自分なりに考えて、攻めの姿勢で釣っていきたいんだよ。今のオレが思うのは、たとえ小さいワームの釣りだって、それが自分で考えてチャレンジしようとした方法なのであればスーパーストロングになりうるということ。ストロングスタイルっていうのは投げるルアーの種類ではなく、バスフィッシングとの向き合い方だと思う」
極めて多彩な表情をもつのがバスフィッシングだ。今月以降、個性豊かなヘビーヒッターたちが自分なりのスタイルと1尾の価値観をぶつけてくれるはずである。
最後に田辺は意外な言葉を口にした。
田辺「ただし、試合である以上、オレはどんな状況でも絶対に魚を釣ってくるつもりだよ。『やり切ってデコりました』じゃダメだよね。バスという相手がいてこそのバスフィッシングだから、それはただの押しつけになっちゃう。理想のゲームが通用しない状況でも、ちゃんとバスの気持ちを推し量って、自分が許せるイケてる釣りの範囲内のギリギリで葛藤しながら釣っていくつもりだ。だから、時には1㎏に満たない魚で決着がつくこともあると思うんだよ。『この魚が精一杯でした』ってね。でも、それでもいいと思うんだ。それがバスフィッシングだし、試合だからさ」
藤田と田辺の共通点
開幕ゲームの相手は藤田京弥。現在、国内最強のトーナメントアングラーである。2019、2021年とJB TOP50を連覇し(2020年はコロナ禍でTOP 50が開催されていない)、2021年にはJB戦で優勝10回、3シリーズでAOYと次元が違う強さを発揮。そして2022年はB.A.S.S.オープンカテゴリーに挑戦するため渡米。デビュー戦でいきなり決勝進出を果たしている(最終10位)。さらに渡米直前に強行出場したJB TOP50遠賀川戦は優勝。帰国直後の弥栄ダム戦も11位と好成績でフィニッシュ。今年も年間レースの先頭集団につけている。
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試合ではライブスコープまたは肉眼によるサイトフィッシングで釣ってくることが多いが、そのフィッシングスタイルはオールラウンド。時に1㎝のソフトベイトでメインパターンを組むこともあればビッグベイトも駆使する。意外と知られていないがカバーフィッシングのスキルも国内屈指である。
そんな藤田と田辺だが、実は共通点が多い。国内のJBで頂点を獲り渡米したこと(かつて田辺はフィネスも得意としていた)。トップウォーターがフェバリットであること。バスフィッシングの未来を真剣に考えていること。そして……無類のビッグフィッシュキャッチャーであること。
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藤田の試合運びの根底にあるスタイルは「ビッグフィッシュ5尾」である。入れ替えを積み重ねてスコアアップを目指すのではなく、揃った瞬間にマックスウエイトに達するパターンで試合を組んでくることが多い。だからこそ、TOP50開幕戦の遠賀川で7050g(5尾)という数字を叩き出せるのである。今シーズンのTOP 50では2戦連続でビッグフィッシュ賞を獲得している。「デカい魚が好き。もしトーナメントに出ていなかったら間違いなく世界記録をねらっていましたね」と藤田。
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田辺の目からは藤田はどのように映っているのだろうか?
田辺「とんでもなく釣る若手だってことはいろんな方面から聞いてるよ。会ってちゃんと話をしたことはないから、今のところはすべて人から聞いた話でオレのなかの藤田像が構築されているよね。河口湖のJB戦でダイラッカでビッグウエイトを出してきているのには驚いた。スコープで魚を探して、そういう強いルアーで食わせるのもアリなんだって。新鮮だったよね。今回の試合、サイトでボコボコにやられちゃう可能性も全然あるわけで、正直怖さもある」
そして、藤田にとって田辺は幼少期から強く影響を受けてきた尊敬するアングラーのひとりだという。
藤田「小学生のときにフィッシングショーで一緒に写真を撮ってもらったことがありますよ。僕のバスフィッシング観は田辺さんに強く影響を受けています。釣りビジョンの『Go for it!』を僕はいまだに見ているんですが、田辺さんは必ず出船前に準備したルアーの意図と使い方をひとつひとつ丁寧に紹介しますよね。僕のなかで、あの説明こそが『バスフィッシング』なんです。『今日はこういう状況だからこうなんじゃないか』って考えて、準備する。『こうねらいます』と言ってその通り釣る。そこに僕は憧れてバスフィッシングをやっています。この試合、田辺さんが驚くような釣りで、驚くようなサイズを目指します」

