「俺にはわからない」。そんな発言が終始飛び交うインタビューだった。魚がどんなカラーを好み、何を嫌うのかは結局魚に聞かないとわからない、ということだ。しかし、20年以上のトーナメント人生で積み上げた経験からくる、たしかな使い分けがあった。

解説◎青木大介(あおき・だいすけ)
文と写真◎Basser編集部
1982年生まれ。神奈川県出身・山梨県在住。DSTYLE代表。JBTOP50で3度のAOYをはじめ、バサーオールスタークラシック連覇など国内で圧倒的な成績を収め渡米。2021年にはバスマスターオープン・ダグラスレイク戦で優勝。エリートシリーズを経験後帰国し、2024年よりJBTOP50に復帰。2025年はJBTOP50AOY、バサーオールスタークラシックでも栄冠を手にし、再び最強への道を歩みつつある。現在最も釣りたい魚はアカメ。
カラーが重要な場面とそうでない場面がある
2025年9月上旬、JBTOP50第4戦桧原湖を終えたばかりの青木大介さんに、ワームのカラーについてのインタビューを行なった。この試合でも、カラーによる釣果の差を感じた場面があったという。
青木「正直、カラーについて聞かれても答えづらい部分が多い。なぜなら、『なぜそのカラーが釣れるのですか』と言われても、魚と話したわけじゃないから『わからない』としか言えないから。プロがカラーについて語ってるのを見ても『○○だからこのカラーが釣れるに間違いない』って感じより、『なんかわからないけど、これが釣れるんだよね〜』ってほうが信用できません(笑)?

クリアレイクの「スローな釣り」こそカラーによる釣果の差が顕著に出る
ただ真相はさておき、カラーによって釣れる・釣れないが変わってくることも経験として確実にあることはわかってる。
たとえば数年前から桧原湖で、とくにトーナメントでは一般化したマイクロホバスト。普段ならワカサギっぽいカラーのワームを投げるんだけど、みんなに叩かれすぎたせいか全く反応が出なくて、エサとは似つかないグリパン系にしたらバイトが出た。でもこれはプレッシャーがかかりすぎたことによる珍しいパターン。
ワームだけのことではないけど、カラーに関しては、『バスにルアーをゆっくり、しっかり見られる釣り』では差が出ることが多いね。もっと厳密に言うと、クリアレイクでワカサギとか遅いエサを食ってるとき。釣りでいえばマイクロホバストとか、あとはI字系の水面放置とか。これはカラーに限ったことではなく、シルエットとかサイズ感もそう。こういう釣りでは、よりリアルにナチュラルに寄せていくのが基本的には正解だと思う。
ワカサギってエビとか虫に比べて速いベイトだと思われがちだけど、魚の中ではかなり遅い部類。成魚でもそんなに速く及ばないし、稚魚のボールなんてバスからしたら超イージーに食べられるエサ。オイカワとか琵琶湖のモロコとかのほうがよっぽど速い。
ただ、たとえば同じくスローな虫パターンに関しては、ワカサギに比べてトンボからセミ、クワガタ、カナブン、羽虫など、食べているエサの見た目に幅があることが多い。そうなると、カラーや見た目にそこまでシビアでなくなることもあるね」
バスの反応が確認できる状況もカラーローテが有効
ワームカラーで差が出る状況があるのはわかったが、そもそもカラーローテーションの前にエリアの変更やルアー・リグチェンジをしたほうが大きな差を生みそうな気もするが……。
青木「もちろんそれはそう。でも今回の桧原湖戦みたいなライブスコープを使う場面やサイトフィッシングでは、バスの有無からルアーに対する反応まで見られるから、いきなりカラーローテってのもあり。バスもエサもワンサカいるなら移動しなくてもいいし、ルアーに対して猛然と追ってきたりミスバイトがあれば、ルアーそのものも大きく間違ってはいない。なら、エリアもルアーも変えずに、まずはカラーを変えてみたりする」
ワームカラー選びの基本となる「3パターン」と、例外の存在
青木さんが基準とするワームカラーの使い分けは大きく3パターン。ここをしっかりと抑えつつ、スーパーサブ的なカラーを2色、計5色ほど揃えておけばスキのないローテーションで、カラーの差によって取りこぼすバスを限りなく減らせるという。
派手・中間・地味の使い分け
青木「シンプルに、『派手』『中間』『地味』。この3パターンを各1〜2色抑えればいいかな。もちろん、そのワームでどんなベイトを意識するかによっても変わってくるけど」
- 【派手】黒やチャート系など、濁りのなかやディープでもワームを目立たせられるカラー。
- 【中間】グリパン系がベース。ラメ入りなども抑えておくとよい。
- 【地味】スモーク系がベース。クリアレイクのベイトフィッシュを意識したワームなら、微妙なカラー違いで数色持っておくとよい。
以上が大まかな使い分けだ。

時代によっても釣れるカラーが変化
ただし、この基準に当てはまらないカラーチョイスももちろん存在する。
青木「釣れるカラーって、時代によって変わるものとそうでないものがある。自分が昔からバスフィッシングをやってきて、『このワームのこのカラーは神ッてる』というのはいくつかあった。ハンハントレーラーのヌマエビとか、ハンドポワード系のグリーンウィニーとか。でも、それが今でも同じように圧倒的に釣れるカラーっていうわけじゃないからね。
今も昔も釣れる「ミミズカラー」の威力
でも、数少ない例外として今でも明確な差を生むのがストレートワームのミミズカラー。とくにリザーバーでは顕著。まぁ、もうこれは完全にミミズのマッチザベイトですね。
あとは、ヴィローラみたいなワカサギ系のワームでクリアカラーが急に効いたり、アメリカではなぜかベイトフィッシュ系を意識したワームは全員が白しか投げてない(実際釣れる)とか、理由はわからないけど結果からそれが効いているとしか考えられない事例もいくつかあるよね」
似たようなカラーは必要か
青木さんの1軍ワームボックスを見ていて気になったことがある。「同系統ながら微妙に異なるカラー」が結構多いのだ。たとえば、ヴィローラはベイトフィッシュを意識させるような透け感のあるナチュラルカラーが何色も入っていた。「ベイトフィッシュ系ならコレ」と決め打ちしてはいけないのだろうか?
青木「似たような色でも数色持っておくのは、俺にとっては必要。
昔は自分もカラーについては疎かったから、むしろ今よりもいろんなカラーを気にせず使ってた。今は基本となるベースカラーやそれ以外のサブ的なカラーパターンも構築できて、自分でルアーを作ってカラーも決められるから、ボックスの中のワームカラーを見ても以前よりかなりバリエーションが減ってきた。
それでも同系色のカラーをいくつか入れておくのは……感覚。これは言葉にするのは難しいんだけど、光量や水色、あとはフィールドの雰囲気とかで、同じナチュラル系でも『今日はなんとなくこっちのほうが釣れそう』というのがある。これはかなりの年数や時間をフィールドで過ごしたアングラーにしかわからない感覚かもしれない」
青木大介の「1軍ワームボックス」今と昔
最後に青木さんに過去の1軍ワームボックスと、現在の1軍ボックスを見せてもらった。
かつての1軍ボックス
現在は使用頻度が減ったが、10年以上前は1軍として青木さんを支えたワームたち。現在よりもピンクや赤系など、カラーバリエーションが多いのが見て取れる。とくに、ハンドポワード系の何とも言えない黄ばんだグリーン系のカラーを好んで使用した。

現在の1軍ボックス
DSTYLEとゲーリーワームを中心に、超1軍ワームだけを厳選してボックスで管理。サブのワームやブリスターケースが必要なワームはパックの状態で別のバッカンにしまってあるが、ここにあるワームでほぼすべての状況をカバーできるという。クリアレイクで反応に差が出やすいというワカサギ系カラー(右列中段)以外は、かなりパターンが絞られている印象。

※このページは『Basser 2025年11月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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