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つり人編集部2026年2月24日

アジ科の魚類図鑑。日本近海で釣れる18種類の特徴と見分け方

世界に31属148種、日本に24属61種が分布するアジ科の魚たち。沿岸部に生息し、釣り人を楽しませてくれるものから普段はなかなかお目にかかれないものまで、日本近海に生息する18種類のアジ科の魚を神奈川県水産技術センター内水面試験場の工藤孝浩さんに解説していただいた。

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解説◎工藤孝浩(神奈川県水産技術センター 内水面試験場)

日本近海に分布するアジ科の魚たち

アジ科は、太平洋・インド洋・大西洋の暖温帯域に広く分布し、沿岸から沖合域の表~下層を生活圏とする遊泳性の魚類である。体は側扁し、臀鰭(しりびれ)に2本の遊離棘条(ゆうりきょくじょう)をもち、側線の一部または全体に稜鱗(りょうりん:ゼイゴまたはゼンゴとも呼ばれる稜線をもつ鱗)をもつものが多い。すべての種が海域で生まれ、成育、成熟、産卵を海域で行なう海水魚であるが、生活史の一部を汽水域や純淡水域で過ごす種もある。

マアジ Trachurus japonicus(マアジ属)

マアジ

稜鱗が側線の全体にわたって発達することが最大の特長。小離鰭(しょうりき:第2背鰭と臀鰭の後ろに離れて付く小さな鰭)をもたない。体高が低く背部が黒っぽい沖合回遊型の「クロアジ型」と、体高が高く黄色みが強い瀬付き型の「キアジ型」が知られる。漁獲量は前者の方が圧倒的に多いが、後者の方が美味。まき網や定置網で多獲され、鮮魚をはじめ塩干物などで様々に賞味される。

北海道全沿岸~州南岸の日本海・東シナ海、瀬戸内海を含む太平洋沿岸に分布する。釣り人からは「ギガアジ」などと呼ばれる 、尾叉長50cmを超える超大型に成長するものもいる。

マルアジ Decapterus maruadsi(ムロアジ属)

マルアジ

尾柄部(尾鰭前方のくびれ)に1対の小離鰭をもつ。小離鰭はムロアジ属に共通する最大の特徴。体型・体色ともにマアジに似るが、胸鰭が短く第2背鰭の前端下までで(マアジでは第2背鰭の前端を大きく超える)、稜鱗は側線の直走部のみにあること、側線のカーブが緩かでやや後方から始まることなどから区別できる。体色が青味がかることから「アオアジ」とも呼ばれる。

福井県~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、千葉県~九州南岸の瀬戸内海を含む太平洋沿岸、東シナ海大陸棚縁辺域に分布する。尾叉長40cmになる。

メアジ Selar crumenophthalmus(メアジ属)

メアジ

体はよく側扁し、体高はキアジ系のマアジと同程度にやや高い。小離鰭はなくマアジに似るが、眼が大きく、稜鱗は側線直走部のみにあり、生時は体側中央部に黄色い縦帯が走る。沿岸の水深170m以浅の中~下層に群れで生息する。沖縄では幼魚がカツオのサオ釣り用の活きエサに用いられる。

津軽海峡~山口県の日本海沿岸に散発的に分布し、津軽海峡~屋久島の太平洋沿岸(茨城県以北には少ない)、伊豆-小笠原諸島、東シナ海大陸棚縁部域、琉球列島に分布する。尾叉長30cmになる。

オニアジ Megalaspis cordyla(オニアジ属)

オニアジ

体は細長く、やや側扁した紡錘形。稜鱗は第1背鰭の中央部下から始まり、その幅は著しく広い。サバ類やカツオ・マグロ類のように8対前後の小離鰭が並ぶ。沿岸の表層に単独で生活し、東京湾で釣られたこともあるが数は少ない。

津軽海峡~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸に稀に出現し、相模湾~九州南岸の太平洋沿岸に散発的に分布する。尾叉長50cmになる。

アカアジ Decapterus akaadsi(ムロアジ属)

アカアジ

体型はマアジに似るが、尾鰭の全体が赤いことで区別は容易。1対の小離鰭をもち、稜鱗は側線の直走部のみにある等の特徴はマルアジと同じだが、小離鰭を除く臀鰭軟条数は20~24(マルアジは25~30)と少ない。「尾赤アジ」などと称して鮮魚で流通する。

北海道太平洋沿岸、津軽海峡~山口県の日本海沿岸に稀に出現し、九州西岸、小笠原諸島、相模湾~九州南岸の太平洋沿岸、東シナ海大陸棚縁辺域、沖縄島に分布する。尾叉長30cmになる。

ムロアジ Decapterus muroadsi(ムロアジ属)

ムロアジ

体は細身で断面は丸く、生時は体側中央を走る黄色縦帯が鮮明。尾鰭は上葉が黄色で下葉は灰褐色に染め分けられる。1対の小離鰭をもち、稜鱗は側線直走部の後方約3/4にある。外洋に面した沿岸や島嶼部の表層に群れで生息する。一般的に干物で賞味されるが、大型になると脂がのり、刺身や塩焼きで美味。

秋田県~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡~九州南岸の太平洋沿岸、伊豆諸島、琉球列島に分布する。尾叉長50cm以上になる。

コバンアジ Trachinotus baillonii(コバンアジ属)

コバンアジ

体は菱形でよく側扁する。側線に稜鱗はなく、背鰭棘は鰭膜で連結せず、背鰭軟条部起部は臀鰭軟条部起部の直上付近にある。側線に沿って2~3個の明瞭な黒斑がある。沿岸浅所の砂泥底の下層に小さな群れで生息する。幼魚は波打ち際にも現われる。

相模湾~九州南岸の太平洋沿岸、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布する。尾叉長30cmになる。

イトヒキアジ Alectis ciliaris(イトヒキアジ属)

イトヒキアジ

体は高く、ややいびつな五角形で、よく側扁する。第1背鰭はほとんど見えない。幼魚の第2背鰭と臀鰭の前部鰭条が糸状によく伸長することが名の由来で、長く糸を引いて泳ぐ姿はアンドンクラゲ類への擬態と考えられている。内湾や沿岸の水深100m以浅に生息する。

北海道~九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸(日本海沿岸と北海道から茨城県以北の太平洋には幼魚が多い)、東シナ海中部の大陸棚縁部域、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布する。尾叉長100cm以上になる。

ギンガメアジ Caranx sexfasciatus(ギンガメアジ属)

ギンガメアジ

ギンガメアジ属の代表種で、本属としては体高がやや低い。鰓蓋上部に明瞭な黒斑があることが最大の特徴。眼は大きく脂瞼(しけん:眼を覆っている半透明の膜)が発達する。内湾やサンゴ礁の沿岸域に群れで生息し、ときに大群を成す。幼魚は「メッキ」と呼ばれ、高水温期には南日本の河川汽水域にも生息しルアー釣りの好ターゲットとなる。

若狭湾~山口県の日本海沿岸、津軽海峡~九州南岸の太平洋沿岸(日本海と茨城以北の太平洋は幼魚で少ない)、九州西岸、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布する。尾叉長90cmになる。

ロウニンアジ Caranx ignobilis(ギンガメアジ属)

ロウニンアジ

体は側扁して高く、頭部が張り出している。眼の位置は高く、吻端よりはるか上にある。内湾やサンゴ礁などの沿岸浅海域に生息し、成魚はルアー対象魚。本州沿岸における越冬は稀だが、東京湾ではギンガメアジとともに温排水口周辺で越冬する(本種とギンガメアジの掲載写真はいずれも東京湾で釣られた越冬個体)。

茨城県~九州南岸の太平洋沿岸、九州西岸(いずれも幼魚が多い)、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布する。尾叉長150cm以上になる。

カスミアジ Caranx melampygus(ギンガメアジ属)

カスミアジ

口が小さく上顎の後端は眼の中央下に達しないこと、体側には細かな黒点と青色点がちりばめられ、生時に体の周囲や垂直鰭が青く輝き、胸鰭が明瞭に黄色いことから同属の他種から区別できる。内湾やサンゴ礁などの沿岸に群れで生息する。

相模湾~九州南岸の太平洋沿岸・九州西岸(いずれも幼魚が多い)、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布する。尾叉長60cmになる。

オキアジ Uraspis helvola(オキアジ属)

オキアジ

体は楕円形で、稜鱗は側線直走部の全域にわたってある。第2背鰭と臀鰭の前部に鎌状部がなく、幼魚では大きく広がる。生時は7本の幅広い横帯があるが、死後は黒ずむ。成魚になっても沖合を漂う流れ藻などにつく習性があり、「モクアジ」とも呼ばれる。

青森県~九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸沿岸に分布し、瀬戸内海で稀にみられる。尾叉長40cmになる。

シマアジ Pseudocaranx dentex(シマアジ属)

シマアジ

体はやや長く、よく側扁する。上顎が突出し、背鰭と臀鰭の最後の軟条が小離鰭状になり、生時は体側中央部に黄色い縦帯が走る(大型個体では不明瞭)。日本周辺の「シマアジ」とされる種には、脊椎骨数が異なり遺伝的にも区別できる2種が含まれており、海外産を含めて分類学的再検討が必要。超がつく高級魚で、釣りの難易度とともに人気も高い。

新潟県~九州北岸の日本海沿岸、青森県~屋久島の太平洋沿岸(日本海と茨城県以北の太平洋は幼魚で少ない)、九州西岸、伊豆-小笠原諸島、沖縄島以南の琉球列島沿岸に分布する。尾叉長100cmになる。

クロヒラアジ Carangoides ferdau(ヨロイアジ属)

クロヒラアジ

体はやや高くよく側扁し、吻は丸い。稜鱗は側線直走部の後半1/2以上にわたってある。体に幅が広く尾の向きに屈曲した暗色横帯がある。サンゴ礁など沿岸浅所に生息し大きな群れはつくらない。

相模湾~九州南岸の太平洋沿岸(相模湾・駿河湾は幼魚のみ)、琉球列島に分布する。尾叉長40cmになる。

名前にアジとつかないアジの仲間たち

日本産アジ科魚類の24属のうち、7属には「アジ」という名がつかない。それらに共通する形質は稜鱗をもたないことで、その代表格が、ブリ、カンパチ、ヒラマサの「青もの御三家」を擁するブリ属(Seliora)である。ブリ属以外にも釣りの対象魚が数種あるが、一般の方々にはなじみが薄いマイナーな種が多い。以下に、メジャーなブリ属を除く各属の代表種を紹介する。

ツムブリ Elagatis bipinnulata(ツムブリ属)

ツムブリ

体は細長い紡錘形。背は暗い青緑や藍色で、体側中央付近に鮮やかな2本の縦線が走る。尾柄部に小離鰭がある。沖合~沿岸の表層に大きな群れで生息し、浮遊物やパヤオにつく習性が強い。引きが強いので釣って面白く、秋~冬の旬には非常に美味になる。

青森県~九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布する。尾叉長100cmを超える。

アイブリ Seriolina nigrofasciata(アイブリ属)

アイブリ

体はやや細長く側扁し、吻は丸い。第1背鰭は黒く、体側上半に斜めの横帯が並ぶ。臀鰭基底は短く、その起部は第2背鰭起部よりもはるか後方。水深20~150mの大陸棚上の沖合の岩礁に単独で生息する。

新潟県~山口県の日本海沿岸に散発的にみられ、茨城県~九州南岸の太平洋沿岸、東シナ海陸棚域、沖縄島に分布する。尾叉長50cmになる。

イケカツオ Scomberoides lysan(イケカツオ属)

イケカツオ

体は細長くよく側扁し、とがった吻と大きく裂けた口をもつ。背鰭棘は交互に左右に傾く。体側に側線をはさんで2列の暗色の斑点が並ぶ。沿岸浅所~やや沖合の表層から水深100mに単独または小さな群れで生息する。

茨城県~九州南岸の太平洋沿岸(幼魚が多い)、屋久島、琉球列島に分布する。尾叉長50cmになる。

カイワリ Kaiwarinus equula(カイワリ属)

カイワリ

体は菱形に近く、よく側扁する。稜鱗は側線直走部の全体にわたって発達し、体側に7本前後の暗色横帯がある。水深200m以浅の砂泥底に小さな群れで生息する。非常に美味で根強い釣りファンがおり、相模湾では専門ねらいの乗合船も出ている。

北海道~九州北岸の日本海沿岸、九州西岸、北海道~九州南岸の瀬戸内を含む太平洋沿岸、東シナ海陸棚域、伊豆~小笠原諸島(少ない)に分布する。尾叉長47cmになる。

※この記事は「月刊つり人 2021年1月号」の記事を再編集しています。

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