お手軽装備、近場、短時間釣行という安近短で、水面炸裂のエキサイティングな釣りが楽しめるのがナマズ。デイゲームが楽しいと話す廣常さんのデイナマ釣行に同行した。

解説◎廣常治樹
写真と文◎つり人編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
すべて丸見えだからデイゲームが楽しい
4月下旬、ピーカンだが、カフェオレのように濁った水がガンガンに流れるホーム河川を土手から覗いているのは廣常治樹さん。
「昨日の夜から明け方まで雨が結構降ったおかげでどこもこんな状態。ひどい濁りでもナマズにはほとんど影響ないんやけど、この水量だとこの川は厳しいかもしれません」
元々バスアングラーでもあった廣常さんは同じフィールドとタックルでねらえるナマズ釣りにながらくハマっているという。
ナマズは夜行性のため、ナイトゲームで楽しむ人も多い。廣常さんも以前は仕事終わりに職場近くの川へ足繁く通っていたそうだが、今ではデイナマ一辺倒だそうだ。デイもナイトもトップウォータープラグを使うが、水面が破裂するような激しいバイトやチェイスが丸見えで白熱するのがデイゲームの魅力と話す。デイゲーム中心となった今では、休日の午後だったり、家族と出かけた際によさそうなポイントを見つけたら少しだけサオをだしているという。廣常さんの釣りスタイルは近場&短時間と言えるが、それだけ手軽に楽しめるのがナマズのいいところだ。
ナマズの付き場は流速と水深で見極める
あまりにも多い水量のため見切りをつけて次に廣常さんが向かったのは加古川水系。この水系は曇川などといったナマズねらいにちょうどよい規模と水量のある流れが多く、あちこち回れば丸一日釣り歩くことができる。
「ナマズの定番ポイントはシェードや流れ込みやね。そこに直接投げ込むか、少し先に投げて通してくると反応が出ると思います。あと、ルアーにバイトしてくる条件として大切だと思っているのは流速と水深。速すぎると追いにくいし、深すぎると浮きにくい。30cmあれば充分ポイントになります。今日みたいな増水状況だと付き場も普段と変わっているはずなので、いろいろな場所を巡りましょう」
ナマズは水路にもよく入り込むが、このエリア一帯の水路は三面護岸がほとんどでナマズの付き場が少ないようだ。護岸の草木がシェードを作るような小河川のほうが、実績は高いと廣常さん。
開始早々、ちょっとした草陰にルアーを通すとバイトがあったが乗らなかった。廣常さんはあまり粘らずに次のポイントへランガン。するとコイの群れに混じってナマズの姿が見えたがルアーには反応しない。
「反応しない魚をしつこくねらうよりもやる気のある魚を探したほうが釣果に繋がります。次の川へ行きましょう」
ナマズは色を見分けるか~ルアー選びとカラーの使い分け
ナマズを水面に誘い出すには音が重要となる。ナマズは側線が発達しており、音や振動を感知してエサに近付き捕食するため、使われるルアーは羽根モノとも呼ばれるクローラーベイトやノイジーといったトップウォータープラグがほとんどである。
廣常さんが持ち歩くルアーケースはポケットにひとつだけ。ナマズはこれだけで充分釣りになるからお手軽だ。この日用意したルアーは3種類。最も大きいのは大どんぐりマウス鯰SP。これは左右の羽根によってクロールするように泳ぎつつ、金属音も併せて奏でるのでアピール力はとても大きい。
残りふたつはでんぐりガエル鯰SPとそのサイズダウンモデルの仔でんぐりガエル鯰SP。どちらもノイジータイプでアピール力はサイズに応じて小さくなっていく。廣常さんは、深場や流れのある所ではナマズにルアーの存在を気付かせるために大どんぐりマウス鯰SPを使う。小場所や浅いポイント、アピールが強すぎると嫌われるような状況ではでんぐりガエル鯰SP、仔でんぐりガエル鯰SPを使うことが多いと話す。
定番カラーは白と黒。赤系統も◎
「ナマズ釣り場は足場が高いことが多いです。そんな場所では、せっかくチェイスしてきたのに途中でルアーが泳がなくなってナマズがルアーを見失ってしまうことがよくあります。どんぐりマウスやでんぐりガエルは、足場が高くても足もとまでキッチリ泳いでくれるのでミスバイトからの2度目3度目のバイトチャンスが期待できるんです」
ナマズは目が小さく、視覚から得ている情報は少ないとされているが、廣常さんはカラーで反応が変わるという。定番の白や黒に加え、オレンジやピンクといった赤系統の色も他の色と比べて明らかに反応がいいそうだ。
掛からないときはルアーサイズを調整
次のポイントは堰堤の落ち込み下。ここも普段と比べて水量はかなり多いようだ。廣常さんは大どんぐりマウス鯰SPをダウンクロスで投げた。カケアガリを通すとナマズが猛チェイス! 先ほどの場所とは打って変わって何回も追ってくるが、バイトまで至らない。
アピールを落とすために仔でんぐりガエル鯰SPへ交換するとチェイスがなくなった。どうやらここまで小さくすると存在感が消えてしまうようだ。中間のでんぐりガエル鯰SPにすると待望のヒット。ロッドをフルベンドさせて抜き上げた良型ナマズに廣常さんもニッコリ。
高活性のナマズが何度もチェイスするもフッキングに至らず
丁寧にリリースして次に向かったのはナマズの実績が多いポイント。普段はキャストしながら広く探れるそうだが、濁流でねらえるポイントは反転流に流れ込む一ヵ所だけだ。それでも活性の高いナマズが多数いるようで何回もチェイスとミスバイトを繰り返す。なかなか食い切らないナマズの姿が丸見えでとてもエキサイティングだ。
「こんなにバイトがあったのは初めて。だけど全然掛からない。ナマズも複雑で強い流れの中で追ってきているから姿勢が安定しないだろうしルアーも見失いやすいんだろうけどそれにしても掛からない……」
ランガン派の廣常さんといえど、この一ヵ所はかなり粘って投げ続けたが、1ヒットのみ。最後に向かった水路でも、何度もバイトしてくる活性が高い状態にも関わらず、なぜか一向にヒットしないまま日暮れを迎えて納竿となった。
「活性が高過ぎたのかな? 初めての体験で丸一日夢中になってしまいました。いつもなら乗らなくてもまた今度来ればいいやって思うんだけど、今日は本当に悔しかったです」
ナマズは短時間でも楽しめる身近な存在でありながら、丸一日楽しむこともできるいい遊び相手だ。近くの小河川や水路でナマズ探しをしてみてはいかがだろうか。



.jpg)
