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つり人編集部2026年8月16日

『クロスライド7G』というメジャクラの本気。ハイエンドロックショアロッドの新基準

抜群のコストパフォーマンスを武器に釣具業界の異端児として君臨するメジャークラフト。その路線を逸脱する「らしくない」ロッドによって何かが変わろうとしている

著者:松本賢治

解説◎川上テツ 写真と文◎松本賢治

ショア、オフショア問わず、オールマイティーにこなすメジャークラフト企画開発担当。インスタはこちら

ショアジギングからロックショアへ

ショアジギングに始まり、とりわけ堤防やサーフではなく磯を舞台にし、なおかつプラグまで含めたルアー釣りをロックショアとカテゴリーされてから20年ほど経つだろうか。大阪湾で青物が釣れるようになり、まだ波止での釣りが開放的な時代だったことからショアジギは関西で人気が急上昇した。

やがて、より本格的な磯からの釣りに興味を持つアングラーが増え、ターゲットもより大型化したことでタックルも進化していった。

一方で、メータークラスのブリやヒラマサが相手だとちょっとハードルが高いと感じるアングラーも少なくない。ブリではなくハマチ、サワラではなくサゴシといった若魚でも充分に青物らしいスピード感あふれるファイトが堪能できるとあって、波止や小磯から気軽に楽しめるライトショアジギング(以下、LSJ)の人気に火が付いた。

メジャクラのロッドは、やはりリーズナブルでコストパフォーマンスの高さが売りという世間的なイメージが強いだろう。万人受けする釣りとプロダクトを数多く提供し続け、今現在もそのスタイルや方針にブレはない。だが、近年の傾向としてアングラーが尖ったプロダクトを求める傾向が強まっていると話すのはメジャクラ社で企画開発を担当する川上テツさんだ。

「クロスライド 7G」の特長――トレカRT1100GとR360構造がもたらす飛距離と軽さの革新

「近年、注目されているカーボン素材が東レのトレカRT1100G。それをメインに使って、さらにパワーの必要なバットセクションには高弾性のM40Xで補強しているのがクロスライド7G。この組み合わせの試作を初めて触った時に劇的に変わったのが飛距離なんです。軽さゆえのキャストスピードのアップ。そして、キャスト時のティップのブレの収束の速さ。これらによってルアーがさらに飛んでいくのを体感できたんですよね」と一投目から違いが体感できたと話すテツ。さらに続ける。

「向かい風が強い状況では従来のモデルよりもキャスト時にロッドが風を切り裂く感じが強く、最新のカーボンとR360構造でここまで進化するんだなと感心しました」という。ここに出てきたR360構造とは何か?

「どちらも30t以上の高弾性カーボンなので張りが強いんです。軽量化され感度も上がるんですが、補強として縦だけでなく横と斜めにも繊維を組み合わせたものがR360構造で、力を分散させることによって粘りが出て破壊強度も上げる製法です。曲げるということだけを考えるのであれば、中弾性や低弾性を使えば曲がるんですが反発力が弱くなります。高弾性なのに全体にしなやかによく曲がって反発力が強く、粘りを出せて強度も高く、しかも軽いわけです」と力説する。

カーボン繊維の向きを縦、横、右斜め、左斜めへ多軸方向へ配置したR360構造。これにより張りのある高弾性カーボンであっても粘りと軽さを兼ね備えるブランクに仕上げている。ダイビングペンシルのダイブ、ジグのシャクリやすさに大きく寄与しているという
カーボン繊維の向きを縦、横、右斜め、左斜めへ多軸方向へ配置したR360構造。これにより張りのある高弾性カーボンであっても粘りと軽さを兼ね備えるブランクに仕上げている。ダイビングペンシルのダイブ、ジグのシャクリやすさに大きく寄与しているという

ダイビングペンシルとの相性が抜群な理由

そしてこれらの特性がロックショアロッドとして特に生かされているのがティップだという。

「ロックショアでの青物ねらいでもはや主力になったルアーがダイビングペンシルですが、ティップの張りが強すぎると入力した時に水面下へダイブさせにくい。でも、曲がるティップならしっかりダイブさせることができます。メタルジグ使用時もロッドが仕事をしてくれます。しっかり曲がってからの反発力も強いからジャークも楽にできますよ。そして何よりめちゃくちゃ軽いんです。10ftのエクストラヘビーパワーのモデルで247gですから。一般的なロックショアロッドより50~100gは軽くなっています」

まさにいいことづくめなのだ。

R360構造により、粘りと軽さを兼ね備えた高弾性カーボンが誕生。近年の青物ねらいで主力ルアーになったダイビングペンシルはティップの張りが強すぎると入力した時に水面下へダイブさせにくいが、曲がるティップならしっかりダイブさせることができる
R360構造により、粘りと軽さを兼ね備えた高弾性カーボンが誕生。近年の青物ねらいで主力ルアーになったダイビングペンシルはティップの張りが強すぎると入力した時に水面下へダイブさせにくいが、曲がるティップならしっかりダイブさせることができる

1G、3G、5Gから7Gへ――ブランクメーカーの本気の見せ所

「1G、3G、5Gとあって、最上級モデルが7Gになります。これらをリリースしてきて、このタイミングでブランクメーカーとしての本気を見ていただきたいなと思ったんです」

と意味深な言い方をするテツ。

「ヒロセマンも僕もメジャクラができる前の30年以上前からショアジギはやっていました。その頃は愛媛などへ行ってナイロンラインでやってて、ショアキャスティングと呼んでましたね。そして、メジャクラに入社してからもジグメインのロッドを作っていました。でも当時から本当はトップウォーターのロッドも出したかったんです。面白そうやから」

だが、当時、右肩上がりのソルトブームの最中、多くのアングラーが求めていたのは気軽に楽しめるLSJだった。中小型青物だけでなくロックフィッシュやフラットフィッシュなど多彩なフィッシュイーターがねらえることから、各メディアも取り上げLSJブームが巻き起こった。

次第に、ライトでは物足りなくなった成熟したアングラーや夢を追う若きチャレンジャーがショアジギ、ロックショアカテゴリーへと移行、参入。徐々に注目度が増しメジャクラのショアジギロッドを手にするアングラーをフィールドで目にする機会が増えていった。ここで改めてフィールドでの肌感覚でロックショアの潮流を捉えた。テツはブランクメーカーとしての本気度をこの機会に味わってもらいたくなったと話す。

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「強烈な引きのヒラマサを追い求めるジガーが多いのも頷けますよね。7Gはジグのシャクりやすさも抜群で体への負担も少ないのでぜひお試しください」

水面下では常に製作していた――開発秘話とSNS公開の反響

「やっぱり常に開発していたいのと自分たちの技術向上のためにも新しいカーボン素材が出たら、その都度チャレンジしてハイスペックな試作ロッドを作って実際に釣りもしていたんです。それで、3年ほど前に7Gプロジェクトを始めようというタイミングで、いよいよ製品化に向けて動き出したわけです。

これまでは開発段階では何も公開してこなかったんですが、今回は本気度をアングラーの皆さんにも共有してもらいたくて、開発ストーリーをSNSでアップしてみたりして好評を得ることができました。テスト段階で皆さんに反応してもらえると、こっちも余計に頑張ろうと気合いが入ったというのもあって、いい形に仕上がり、いい試みだったなと思いましたね」とテツは振り返る。

そのため今回もじっくりテストに時間を費やした。だが、目には見えない作り手の“本気”を伝えるという部分はこれまでとは違ったことをやる必要があった。実際には使ってみないとわからないのがモノの良さ。だからこそ手にとって欲しいとテツは願っている。

現在はこのシリーズのペンシル特化型モデルXHをテスト中とのこと。そちらも楽しみだ。

7Gはハーフサンド。釜から焼きあげられたブランクはカーボンシートが巻かれている状態でその凹凸が残っている。黒く塗装されているロッドは、その凹凸を削って色を塗っている。だから、削ることを前提に設計されている。塗装されたロッドは傷がつきにくいため破損しにくくはなるが、重くなる。対する7Gのハーフサンドは凹凸を削り薄く塗装。より軽量化する。軽量化により感度も上がり振り抜けもよくなる。塗装ありよりも繊細ではあるので取り扱いには気をつけたい
7Gはハーフサンド。釜から焼きあげられたブランクはカーボンシートが巻かれている状態でその凹凸が残っている。黒く塗装されているロッドは、その凹凸を削って色を塗っている。だから、削ることを前提に設計されている。塗装されたロッドは傷がつきにくいため破損しにくくはなるが、重くなる。対する7Gのハーフサンドは凹凸を削り薄く塗装。より軽量化する。軽量化により感度も上がり振り抜けもよくなる。塗装ありよりも繊細ではあるので取り扱いには気をつけたい

※このページは『つり人 2026年6月号』に掲載した記事を再編集したものです。

海の岸釣り ショアソルトルアー ショアジギング ロックショア

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列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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