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編集部2025年6月21日

大型アオリイカ【レッドモンスター】を釣るために知っておきたい基礎知識

アオリイカ 魚種別釣りガイド ショアソルトルアー エギング

アカイカ型の大型アオリイカ、通称「レッドモンスター」。それは、エギングファンの憧れである4kgオーバーも夢ではないターゲットだ。本記事では、このレッドモンスターを獲るためのポイント選定、釣り方のコツ、そしてタックル選びに至るまで、プロアングラーの芝賢さんが徹底解説する。

アカイカ型の大型アオリイカ、通称「レッドモンスター」。それは、エギングファンの憧れである4kgオーバーも夢ではないターゲットだ。本記事では、このレッドモンスターを獲るためのポイント選定、釣り方のコツ、そしてタックル選びに至るまで、プロアングラーの芝賢さんが徹底解説する。

解説◎芝 賢
写真◎芝 賢、編集部

アカイカ種のアオリイカ「レッドモンスター」の特徴

エギングの最終的なゴール地点はどこかと言われれば、4kgオーバーのアオリイカを釣りあげることだと僕は思う。3kgまでならチャンスは案外あるものだが、4kgの壁は大きい。人生で一回出会えるかどうかという巨大なイカを手にしたときの興奮は何物にも代えがたいものだ。

アオリイカはシロイカ種、アカイカ種、クアイカ種の3種類に分けられる。生息域が広く一般的によく見られるのはシロイカ。今では三陸でも釣れるようになった。シロイカよりも大型化するのがアカイカだ。大きくて濃い赤色をした姿はまさにレッドモンスター。実際に見たことある最大サイズは6700g、聞いた話では7kgオーバーもいるらしい。生息域は和歌山県以南で、沖縄県や鹿児島県などの黒潮域とされている。シロイカとの判別は、正直なところ見た目では難しい。同サイズであればシロイカよりも胴長が長く、ややスリムな形状をしている。ほかにも違う点は次の通り。

・生息場所:シロイカは水深10~20m、アカイカは水深50~100m
・接岸理由:シロイカは捕食や産卵、アカイカは捕食のみ
・産卵:シロイカは藻場、アカイカはサンゴ礁
・釣期:シロイカ(春イカ)は4~6月、アカイカは1~4月
・釣り方:シロイカは藻場または回遊ねらい、アカイカは回遊ねらいのみ

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アカイカ種は黒潮に依存しており、沖縄や南西諸島で多く見られるが、和歌山や対馬でも発見されている。赤みが強い個体が多く、大型化しやすい。アングラーは真っ赤な大型をレッドモンスターと呼ぶ

ただ、近年は磯焼けで藻場が減少してきており、春イカねらいであっても藻場をねらうよりも回遊待ちをしたほうが釣りやすくなってきている。回遊待ちの釣り方を覚えればアカ、シロどちらのイカもねらえるのでぜひ習得してほしい。

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一般的によく見られるのはシロイカ種で本州に広く生息

レッドモンスターの釣り方

回遊待ちの釣りで狙うレッドモンスターだが、この釣りで気をつける重要なポイントを解説していく。

回遊の釣りで大切な場所と潮

回遊待ちの釣りでまず考えるのは場所だ。アオリイカは地形の変化に沿って回遊してくるため、潮通しのよい岬やワンドをねらうとよい。

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潮通しのよい岬の先端はアオリイカの通り道

ワンドはベイトが溜まりやすいため、捕食目当てで活性の高いアオリイカが回遊してくる。この考え方は磯場でも堤防でも変わらない。特に期待できるポイントはシャローと深場が隣接している場所で、加えて潮通しがよい場所ならさらに可能性が高まる。

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ワンドはベイトが溜まりやすく、活性の高いイカが回遊してくる

また、アオリイカは魚以上に潮の動きに依存している生き物だと感じている。ベストタイミングは潮止まり前後の2~3時間。夜釣りであれば月が出る潮回りが理想だ。人の目と同じで、少しでも光量があるとアオリイカが夜でも活動しやすくなると考えている。

実際、月が沈むと途端に反応がなくなったという経験もしている。また、シロイカは潮が動かなくてもボトムを探れば釣れることもあるが、アカイカは釣れた試しがない。潮の動きをいかに感じ取れるかが釣果に繋がってくる。

潮は水面に潮目ができるように、一律で流れているわけではない。垂直方向でも流れが利いているレンジとそうでないレンジが必ずあり、よく動いている層を見つけ出して重点的に探るとアオリイカはよく釣れる。僕はこれを「潮の釣り」と呼んでいる。

底を取らない潮の釣り

潮の釣りはまず潮が動くレンジを探すことから始まる。エギングの基本としてまずはボトムを取るとよく言われているが、この釣りでは底を取る必要はなく、表層からカウントしてレンジを刻んでいく。僕の場合、たとえば水深10mならフリーフォールで5カウントずつ増やして探ってみる。一般的なエギは沈下速度が3秒/m程度なので、5カウントずつ探ればどんぶり勘定で1.5~2m間隔で探れる計算だ。

レンジを探すというと着水後にレンジを決めたらあとは水平方向にトレースして探るイメージかもしれないが、水深があるほど全層探るまでのキャスト数は増えるし、効率が悪い。そのため、斜めに探る釣り方だと効率がいい。

たとえば、キャストしたら5カウントして1、2回大きくシャクり、元の深さに戻ったであろうタイミングからさらに5カウントして下のレンジに入れていくイメージだ。こうしていくと1投で幅広くレンジを探ることができる。反対に最初に深く沈めてから徐々に持ち上げてくることもある。この二通りの探り方があるのでXの釣りと呼んでいる。この探り方でいいレンジを見つけたら、水平にトレースする横の釣りでそのタナを重点的に探っていくとチャンスを逃しにくい。

レンジを刻みながらシャクっていくとエギの抵抗が重く感じられることがある。これが潮が動いている状態だ。感覚的な話だが、いい潮の動き具合のときは粘り気のある重さを感じられる。チャンスなので丁寧に探りたい。

シャクリ方のコツ

シャクり方は移動距離を抑えるためにもイトフケを跳ね上げるようなスラックジャークがおすすめ。1、2回シャクったら、フリーフォールの繰り返しだ。スラックジャークのやり方としては、以下の画像のような形で行うとシャクリ幅が大きくとれる。

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1.大きくスラックジャークをする際は肘を突き上げるような姿勢からスタート。これによりシャクリ幅が大きくとれる
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2.腕を伸ばしつつ手首を返すようにして鋭くシャクりあげる
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3.素早く手首を戻してラインをたるませる。このタルミによってエギが横にダートする

フリーだとテンションフォールと比べて横方向の移動距離が少ないだけでなく、風やウネリが強い時でもエギの姿勢が安定しやすい。フォール時にエギの姿勢が安定していることはとても重要なことなので釣れないと思ったら意識してみてほしい。日中はラインの動きでアタリを取るが、夜は見えない。そこで、ロッドを持つ手と反対の手でリールから出るラインを乗せるように持つことで、アタリを手感度で取っている。

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夜はラインが見えないため、ラインを手で支えるように持つとアタリが手もとに伝わってくる

レッドモンスターを狙うためのタックルとエギ

春のエギングで使うエギは3.5~4号。4㎏オーバーはとてつもなく大きいので、エギも大きければ大きいほどいいと思っている。サイズとは別に沈下速度の異なるタイプ(ノーマル、シャロー、ディープ)を用意する必要があり、こちらのほうが重要だ。というのも潮の釣りではレンジを見つけたらそこになるべくエギを留めさせたいからで、潮の強弱に合わせてエギの重さを変えないとレンジキープが難しくなる。エギのカラーはお好みでいい。

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春イカには大きめの3.5〜4号。沈下速度の異なるタイプを用意して潮の流れに対応したい

というのもイカは白黒でしか見えないので細かい色の違いは判らないからだ。上地の色よりも下地(テープ)を意識している。見せ方次第だが、闇夜ならシルエットの出やすい赤テープ、月夜なら多少なりとも光があるので金テープかケイムラが効果的だ。もちろん、グローもよく使う。

軟らかめのロッドだと潮を感じやすい

大型アオリイカをねらうなら張りのある強めのロッドがいいとされている。それは使用するエギも掛かるイカも重くなるからだ。ただ、僕は大型ねらいであってもロッドをしっかり曲げたい派なのでL~MLクラスの軟らかめのものを使っている。軟らかいとシャクったときの潮の抵抗感もわかりやすいのも理由のひとつ。

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芝さんの愛用タックル
ロッド:セフィアリミテッド84L+(シマノ)
リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
ライン:PE0.6 号/リーダー:フロロカーボン3 号

リールは2500番台でラインはPEの0.6号にリーダーはフロロカーボンの3号を1ヒロ弱。周年この組み合わせだ。

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大型イカは足もとまで寄せても沈んでいることが多いためギャフよりタモがおすすめ

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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