メジナ(別名:グレ)はクロダイと双璧をなすウキフカセ釣りの人気魚種。強烈な引きで釣り人を魅了する。長年にわたり「やってみたい」というビギナーを対象に講習会を開催してきた桜井裕さんに、堤防で始めるための一日の流れと入門の要点を教わった。初心者にとって最初のハードルになりやすい、寄せエサの撒き方や仕掛けのなじませ方、ウキの浮力の選び方はイラストで解説。

解説◎桜井裕 まとめ◎つり人オンライン
横浜市在住。ダイワ主催のウキフカセ入門講習会(ウキフカセ.com)のスタッフを長年務め、多数のメジナ釣りファンを育てている。
目次
エサはオキアミと配合エサ。釣りエサ店で予約して買う
ウキフカセ釣りのエサは「オキアミ(アミエビを混ぜてもよい)+配合エサ」が基本。これをバッカンに入れて指定量の海水も加えたら、ヒシャクですくって海に撒き寄せエサにする。配合エサを足すことで集魚効果が増すほか、エサがまとまりヒシャクで投げやすくなる。また、ハリに刺す付けエサにもオキアミを使う。

オキアミは冷凍ブロック(通常1枚3kg)で売られており、釣り場近くの釣りエサ店で事前に予約して購入する。予約するのは当日の朝までにある程度解かしておいてもらうため。目安としてオキアミ2~3枚+配合エサ2袋を買えばだいたい1日釣りができる。
付けエサは専用のものを別途購入してもよいが、オキアミブロックから適量を取り除いておけばそれを使ってもよい。
磯釣り用のウエアとアイテム
ウエアは寒さや濡れ対策のほか、寄せエサで汚れることもあるので磯釣り専用ウエアを着るのが快適。そしてウキなどの小物が収納でき安全を確保する磯釣り用のベストを必ず着用する。足もとは堤防での釣りなら滑らない運動靴で充分だが、磯場(渡船で行く沖磯を含む)に行くなら、スパイク付きの磯用シューズまたは磯用長靴を履く。この釣りはウキの挙動を見るので偏光グラスも必需品。また、ヒシャクやマゼラーなども忘れると釣りにならないアイテムなので、道具類は他の釣りに比べても多めになる。とはいえ、一度そろえれば長く使えるものが大半だ。
グローブもあったほうが便利。装着することで重い荷物も運びやすくなり、手が滑ってヒシャクを落とすなどのトラブルも防げる。
偏光グラスは目のケガを防ぎ海中のようすも分かるので必要。
| アイテム | ポイント |
|---|---|
| ウエア・ベスト | 磯釣り用のウエア。ベストは必ず着用 |
| 靴 | 堤防は滑らない運動靴でもOK。磯はスパイク付きの磯用シューズか長靴 |
| 偏光グラス | 必需品。ウキの動きと海中が見え、目も守る |
| 寄せエサの道具 | バッカン、ヒシャク、マゼラー、水汲みバケツ |
| そのほか | タモ、クーラー、グローブ、ロッドケース |
繊細な磯ザオを折らないための準備方法
堤防のウキフカセ釣りに使う磯竿は、メジナをねらうのであれば1.2号程度、長さは5m前後を使用する。リールは2500~3000番程度のスピニングリール。レバーブレーキ付きが望ましいが、通常のリールでも問題ない。ミチイトはビギナーであればナイロンが扱いやすく、2号程度が大物にも対応できて扱いやすい。
| タックル | 目安 |
|---|---|
| 磯ザオ | 1.2号程度、長さ5m前後 |
| リール | 2500~3000番のスピニング。レバーブレーキ付きが望ましい |
| ミチイト | ナイロン2号程度 |
磯竿は穂先が極めて繊細であり、足場のよい堤防はもちろん、足場の悪い磯場でもトラブルなく扱うためには、無駄のない仕掛けのセット手順も覚える必要がある。
また、ここではサオをセットする手順を詳しく解説しているが、サオを仕舞う際にも穂先を折らないよう細心の注意を払いたい。基本はウキなどのパーツ類をすべて外したら、サオを垂直に立てて元ザオの上から順に真っ直ぐ節を落としていく。この時、継ぎ目は捻らず、必ず真下に落とす動作で最後まで節を縮めていくとサオを折るトラブルが最小限に抑えられる。
ミチイトや仕掛けをセットする手順
- リールをサオにセットしたら、ミチイトが正しく出ている(ベールを閉じた時にきちんとラインが掛かる)ことを確認してベールをオープンにする。
オキアミは尾羽根を取り、腹側からハリを入れる
オキアミのハリへの付け方は腹掛けが基本。
仕掛けは風下に倒して投げる。まず覚えたい3つの投げ方
仕掛けがセットできたら、ねらった場所に寄せエサを撒き、仕掛けを投入すれば釣りスタート。この時も、長い磯ザオで思った通りに投入を行なうため、いくつかのポイントを押さえておくことが必要だ。磯ザオは風の影響を大きく受ける。そこで投入の際は、仕掛けを風下に倒した状態から投げるとトラブルがない。基本となるアンダーハンドキャストと、左右からのたすき投げの3つをまず覚えよう。もちろん、周囲に人がおらず安全を確保できる状態なら、一般的なオーバーヘッドキャストをしても問題はない。
投げる前にウキをマーカーに付けておく
右から風が吹く時は、左からのたすき投げ
右から風が吹いている時に使用。ゆっくり左後方にサオを振りかぶり、ミチイトがサオ先に絡んでいないことを確認したら、ハリスを持っている手を放してそのままサオ先でウキの重さを受け止めつつ、正面の斜め上空に向けウキを飛ばす。

左から風が吹く時は、右からのたすき投げ
左から風が吹いている時に使用。原理は左からのたすき投げと同じで、ほぼオーバーヘッドキャストだが、投げ始める直前までハリスを持っていることで余計なトラブルを最小限に抑えることができる。

混んだ釣り場ではアンダーハンドキャスト
正面に掲げたサオをスッと一度下に下げ、そのままウキの重さを利用して前に送り込むアンダーハンドキャスト。遠投はしにくいが、混んでいる釣り場や背後にスペースがない場所で広く使えかつ安全に仕掛けを投入できる。

基本的な釣り方とコマセの撒き方
メジナは潮通しのよい場所を好むので、堤防の釣り場なら基本的に沖向きや先端近く、沖磯なら足もとからサラシが払い出していくような場所で釣りを始める。
堤防なら釣りやすいのはやはり先端。もしくは沖向きがよい。

付けエサは寄せエサの煙幕の中に入れる
この時、ウキフカセ釣りの一番の基本は「寄せエサと仕掛けを自然な流れの中で同調させる」ということ。寄せエサの煙幕から離れ、単体で漂っている付けエサをメジナが食ってくることはほぼない。
まずは寄せエサを撒いて海中のようすを見る。最初にエサ取りの小魚が集まり、やがてメジナもその下に見え隠れするようになることが多い。

仕掛けを投入したらスプールのミチイトは指で押さえてサオ先を下げ、ウキの近くのミチイトは海面において、仕掛けがなるべく自然になじんでいくように送り込む。

入門は半遊動仕掛け。アタリはウキと目印で取る
現在、ウキフカセ釣りで使用されるオーソドックスな仕掛けは、「半遊動仕掛け」と「スルスル仕掛け」の大きく2つだ。違いはウキ止メの有無。今回紹介しているのは半遊動仕掛けで、入門者はまずこちらで釣りを覚えるほうがよい。
半遊動仕掛けの場合、ミチイトがウキの中を動きながら仕掛けがなじんでいき、ウキがウキ止メイトに当たったところで、魚が食えばウキがしっかり引き込まれる。そのうえでウキでアタリを取るのが一番分かりやすいが、視認できるならなじんでいる途中でも目印の動きでアタリを取れるように意識しておくとよい。
アタリを待つ間は、ウキだけでなく目印の動きも意識して見る。ウキには出ないアタリが目印だけに出ることも少なくない。

ウキの浮力は波やウネリに合わせて使い分ける
浮力の小さいウキは、海が安定していれば自然に仕掛けをなじませやすいが、波立っていたりウネリがあったりする時は不利になる場合がある。浮力の大きいウキは、適切な浮力とオモリの組み合わせで使うことで、波やウネリによる仕掛けへの影響を少なくできる。沈むタイプのウキ(00号、000号など)は、ウキ自体が沈むことで、使い方によっては軽い仕掛けでもなじませやすくなる。
メジナは自然な状態で沈んできた付けエサによく反応する。すると基本的には軽いオモリと組み合わせた軽いウキの仕掛けのほうが食わせやすくなるが、海の状況によっては仕掛けが軽すぎることでかえってなじみが悪くなり、ある程度のオモリ負荷があるウキ(と適切なオモリ)を使うほうが、よい形でメジナにエサを届けられることも頭に入れておく。

メジナはサオの弾力で浮かせ、30cmを超えたらタモで
この日は夕方になってようやくメジナが足もとに見え始めた。
メジナは他の多くの魚に比べても引きが抜群に力強い。サオの弾力を生かして徐々に浮かせ、サオの強さにもよるが、30cmを超えるくらいからは無理せずタモで取り込もう。
釣りを終えたら、堤防でも沖磯でも水汲みバケツで足もとの寄せエサを洗い流す。

堤防で基本を覚えたら沖磯へ
ウキフカセ釣りは、できることが1つずつ増えていくに従い、それに応じて楽しみが確実に広がっていく奥の深さがある。桜井さんの講習会では、30代、40代から始める男性、さらには女性も見られ、堤防釣りから始まって沖磯デビューまで楽しむようになる生徒が常に輩出している。この楽しい釣りに、ぜひ挑戦してみよう。
この記事は『つり人』2020年2月号に掲載したものを情報更新・再編集しています。



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