<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
つり人編集部2026年7月23日

ルアーに穴が開いても沈まない?GT歴30年の名手が作るプラグの秘密

ロックショアで使うルアーには強度が欠かせないと話すのが、30年ほど前からショアGTを楽しむ堀有宏さん。そんな堀さんが手掛けるプラグは2種類のウレタンを使ったハイブリッド構造による不沈システムだ。

hori

解説◎堀有宏

写真と文◎つり人社編集部

ヤンバルアートクラフト代表。30年ほど前からGTを追い続けている生粋のロックショアアングラー。

トップウォーターの魅力とサイズが出る理由

ロックショアに限らず、青物やGTなどをねらう場合、ダイビングペンシルやポッパーなどのトップウォータープラグがよく使われる。なぜだろうか?

「水面でルアーの動きを見ながらアクションさせていくことだけでも楽しいからですかね。それに、何より魚が飛び出したときのあの迫力はトップの釣りならではの大きな魅力だと思います。チェイスがあったときのドキドキハラハラ感はたまりません」

そう話すのは30年ほど前からショアからGTを追い求め続けているという堀有宏さん。それ以前はオフショアからGTを釣っていたが、ポイントの選定からランディングまで自分一人で完結できるショアからの釣りにのめり込んだという。

派手なバイトシーンが魅力の水面の釣りだが、広まったのはその楽しさだけではない。トップウォータープラグが使われるようになってから従来よりも大型魚がキャッチされるようになったという話もよく耳にする。

「やはり水面で掛ければ根からの距離が遠いですからね、水中で掛けるよりもやり取りに猶予があります。あとは、プラグはジグよりボリュームが大きいので、ジグだと先に小型の魚が食ってきてしまうのかもしれません。また、経験上、トップで掛けた魚は弱るのが早くてキャッチしやすい印象があります。バイトしてきた時点で、空気を噛んでしまっているからかもしれません」

ルアーの強度とアクションを両立するハイブリッド構造

堀さんは2000年にヤンバルアートクラフトというルアーメーカーを立ち上げた。ショアGT向けのトップウォータープラグを中心に、ワイヤー以外のすべてを自社工場で製造している。

ロックショアでは専用プラグというものはあまりなく、オフショア向けのものを兼用するのが一般的だ。しかし、磯からの場合、ルアーの強度が特に欠かせないと堀さんは言う。

ルアーにとって浸水は大敵だ。歯の鋭い魚に噛まれる、磯にぶつけるなどしてちょっとでもヒビや穴ができてしまえば、水が入り込んでしまう。たったそれだけでもルアーは機能しなくなる。

「でもだからと言ってボディーを分厚くして強度を高くしようとすると、今度はよく泳がなくなります。一般的に比重が小さいほうがいい動きを出せるとされていて、ボディー強度と比重の小ささは相反するからです。これはABS樹脂でも、発泡ウレタンでも、ウッドでも一緒です。ただ、魚に気に入られるアクションを出せるかどうかはまた別の話ですが」

opt-content-05_IMG_8697
GTやイソマグロのような大きい歯を持つ魚はバイトでルアーに穴をあけるほどの力を持つ。ABS樹脂では歯が食い込んでフッキングが決まらないが、ウレタンならルアーが削れながら滑ってフッキングできる

2種類のウレタンによる不沈システム

そこで、ヤンバルアートクラフトのルアーは発泡ウレタン(内側)とソリッドウレタン(外側)という二重成型のハイブリッド構造にすることで、強度を担保しつつ、動きも兼ね備えている。また、中に詰まっている発泡ウレタンは独立気泡(クローズドセル)なので仮にソリッドウレタンを貫通する穴が開いてしまったとしても浸水することはなく、泳ぎも変わらずにそのまま使うことができるのが強みである。

「ABS樹脂は軟らかいというか粘りがあるんです。そのため、GTやイソマグロのような歯の鋭い魚が嚙みつくと割れずに歯が刺さっていくら合わせてもズレなくてフッキングできないことがあります。ソリッドウレタンなら傷が入りますが、削れながらも歯が滑ってフッキングできるという点もメリットですね」

ハイブリッド構造のルアー断面はこの通り。内側は発泡ウレタンで外側はソリッドウレタン。外側が硬いので衝撃に強い。万が一穴が開いても中空部分がないので吸水せず使える
ハイブリッド構造のルアー断面はこの通り。内側は発泡ウレタンで外側はソリッドウレタン。外側が硬いので衝撃に強い。万が一穴が開いても中空部分がないので吸水せず使える
gousei-1
工場では少数精鋭で塗装までの全工程を行なっている。写真右)ロシア出身のルアービルダーも在籍

元祖大物ジョイントルアー「アクト」の実力

磯では足場が高くても足もとまでキッチリ動かせるということも大切だと堀さん。ロックショアの場合、足もとは言うなれば根際であり、ポイントでもある。足もとで突然飛び出してきたが乗らなかったという経験をしたことのある人も多いのではないだろうか。ロッドティップを目一杯下げても水面に届かないような磯場で、足もとまでしっかりトップウォータープラグを動かすことは難しい。そこで堀さんが考えたのはジョイント機構。大物用ジョイントルアーの元祖であるアクトを作った。

「チェイスしてきたものの足もとでジャークできずに帰っていくGTを釣りたくて開発しました。小さな入力、短い距離を引くだけでも動きますし、ハイブリッド構造と貫通ワイヤーで強度も全く心配ありません」

チェイスやミスバイトがあった場合、つい同じルアーのまま投げ直してしまうが、見切られていることも多い。時間が掛かったとしてもルアーを変えるほうが、GTに限らず青物でも効果的だ。その選択肢の一つとして、足もとでも動かせるアクトはかなり活躍してくれるとのこと。

タフなコンディションが多いロックショア。ハイブリッド構造による不沈プラグはいつでも活躍してくれる相棒になるはずだ。

アクトのテールにティンセルを取り付けると非常にいい動きになると堀さん
アクトのテールにティンセルを取り付けると非常にいい動きになると堀さん。アクトにおすすめのフックはフロントにST-66の5/0、リアに4/0

海の岸釣り ショアソルトルアー 釣具NEWS ロックショア

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

記事検索

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

×
拡大画像