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つり人編集部2026年8月31日

【三宅島ロックショア】カンパチ&ヒラマサをねらう磯3選とタックル

三宅島へ移住しこの島の魅力を発信し続ける蛯子嶺樹さんがおすすめ磯3つを厳選! 安全装備からタックルまで釣行ガイドとともにお届け!

著者:蛯子嶺樹

写真と文◎蛯子嶺樹

5年前に三宅島へ移住。YouTubeチャンネル「ABC FISHING STUDIO」やInstagram(@ebipon0911)を通じて三宅島のビッグゲームの魅力を発信するほか、外部広報として釣具メーカーにも携わる。朝から晩まで陸・沖問わず釣りをする毎日。

ヒレナガカンパチに惹かれて三宅島へ移住した理由

聖地・九州と比べ情報が少ないのが関東のロックショア事情。そんな関東から、伊豆七島・三宅島のロックショアゲームの魅力をお届けします。

まずは、なぜ移住するほどこの島に魅力を感じたのかからお話します。それは他島では類を見ない「ヒレナガカンパチ」の魚影の多さです。20歳で上京し、伊豆大島から八丈島まで全ての島を釣り渡りましたが、ここまでヒレナガカンパチが多い島は他にありませんでした。

ヒレナガカンパチ、通称ヒレカンはホンカンパチと比較して背ビレの先端がより長く、そしてまるでヒラアジ系のごとく丸々とした体高を有します。これにより3kg前後の魚体でも、強烈な首振りと突っ込みを見せてくれます。イメージとしては同サイズのヒラマサと比較して、真下に、根に突っ込む際のトルクは2倍ほど。三宅島の地磯は浅く根が激しいポイントばかりで、青物御三家の中でも突出して根に執着するヒレカンを磯でキャッチする難易度の高さは、挑戦者の心をくすぐり、いつしか私のようにカンパチ沼へひきずり込まれていくのです。

三宅島で確認されているヒレカンの最大サイズは70kg。現実的にシャローエリアで確認・キャッチができるサイズは大きく見積もって10kgまでとなります。

三本嶽・マカド根でキャッチしたヒラマサ15kg台
ヒラマサもここ数年魚影が増加

ヒラマサやキハダマグロなど多彩なターゲットも魅力

ほかにも黒潮の恩恵を大きく受ける三宅島ではさまざまなターゲットをねらうことができます。

ヒラマサはここ数年10~20kgの大型個体が増えてきました。春の決まった時期、そして決まった場所で、ほぼ確実に大型ヒラマサと出会えるポイントもあり、この点では九州に引けを取らない最高のフィールドと言えるでしょう。

キハダマグロも近年の黒潮大蛇行による影響でその姿を目にする機会が増えました。ショアからねらえるのは大きくても30kg前後。稀に活きエサを用いた釣りで60kgのキャッチも耳にしますが、ねらって釣れるサイズはそこまで大きくありません。

あとは比較的ライトなタックルでもねらえるカツオ類やアカハタなどがターゲットです。

大野原群島・三本嶽の遠景
三宅島の沖磯が大野原群島・三本嶽。年間を通じて渡礁できる確率は30%ほどだが、それでもチャレンジする魅力が存分に詰まっている

三宅島のロックショアゲームで求められる経験値と安全装備

ではこのような大型魚と渡り合うためにどんな準備が必要なのでしょうか?

まず大切なのはある程度の経験です。ただでさえ足場の安定しない磯ですが、三宅島は火山島であるがゆえにその足場の悪さは特級です。

アングラー側が不利な状況で前述のようなヒレカンと相まみえるために、まずは堤防や船などのある程度余裕のあるシチュエーションでヒレカンを釣ってみてください。多くの方が「こんな魚、磯で掛けたらどうすればいいの?」といった感想を抱かれると思います。そこがこの魚の魅力のひとつでもありますし、私が生涯をかけて追いかける理由でもあります。

三本嶽・マカド根でのヒットシーン
三本嶽・マカド根でのヒットシーン

磯靴とライフジャケットの選び方

次に安全装備です。磯靴は基本的にはスパイクシューズをおすすめします。ハイシーズンとなる4~6月は磯に海苔が多く、これを貫通してグリップしなければなりません。夏場になればフェルトスパイクでも対応できるタイミングも増えますが、基本的にはスパイクシューズ、それもピンの数が多くしっかりとしたものを選んでください。

続いてライフジャケット。三宅島は離島ですから、万が一落水しても誰にも気づいてもらえない可能性が高く、シケ日も多いために捜索が難航することが予想されます。そもそも落ちないための経験や準備、波が少しでも高い日には無理をしない。そういった心構えはもちろんですが、万が一に備えて浮力材の入ったゲームベストの着用は必須です。

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地磯の新鼻(ニッパナ)でキャッチしたヒレカン4㎏

三宅島ロックショアのタックル:ジグ用とプラグ用の2本体制で

ここまで準備が整って初めてタックルの準備となります。使用するタックルは主に2本。ひとつはメタルジグを扱うPE4~5号タックル、もうひとつはプラッギング用の6~8号タックルです。

メタルジグ用タックルのセッティング

根魚のような習性をもつヒレカンをねらうためには欠かせないメタルジグ。使用するウエイトは地磯では60~80g、沖磯である三本嶽では80~150gを使用します。スライド系の細身タイプとフォール系のオーバルタイプの2種類を用意するのが確実です。

ロッドはH~XH、リールは8000~10000HGにPE4~5号、リーダーは100~120Lbを使用します。ラインが太いとその抵抗によりジグの動きが悪くなりますので、極端に太いPEを使用するのはおすすめできません。

プラッギング用タックルはPE8号がおすすめ

そしてプラッギング用ですが、春の大型ヒラマサやヒレカンとの遭遇率と、遠浅かつ荒い根、左右に移動できない足場といった条件を考えると、8号タックルがおすすめです。経験上、PE6号と8号の間には大きな強度差があり、8号であれば根ズレした場合でもテンションを緩めることでブレイクを回避することが可能です。

ロッドはXH~XXH、リールは14000XGでも8号が250mは収まりますので極端に大きなリールが必須というわけではありません。リーダーは140~160Lbを2ヒロ取ります。

春シーズンはベイトが大型のムロアジやダツとなるパターンが多く、ルアーが大きいほうがよく反応することがあります。8号タックルでもしっかり飛ばせる20cmほどの大型プラグは必須です。また、ミノーへの反応も非常によいため大型ミノーも用意してみてください。

三宅島からの渡船は宿の仲介を通すシステムとなっている。利用の際は島内の釣宿へご確認を
三宅島からの渡船は宿の仲介を通すシステムとなっている。利用の際は島内の釣宿へご確認を

三宅島のおすすめ磯3選

ここからは三宅島の地磯、沖磯を3つ紹介します。

地磯「新鼻(ニッパナ)」は、エントリーしやすく魚影も濃い

常連アングラーには有名な地磯です。数多くの地磯のうち、エントリーしやすさと魚影の多さから最もおすすめです。

ターゲットはカンパチ、ヒラマサ。周辺は船釣りでも大型のヒット率が高く、ワンド地形になっているため、潮の流れとベイト次第で爆釣することもしばしば。

正面のハナレとの間に流れの速い水道が流れているため、基本的には左右どちらかのワンドをねらいます。水深は遠投して10mほどと浅く、沖に向かって右側のワンドは沖に点在する複数のシモリをかわして足場の悪い立ち位置でのランディングが求められます。左側のワンドは足場もよく、根は荒いものの比較的やり取りの難易度はやや低くなります。

60g程度のジグでの釣果が圧倒的に多く、ごく稀にトップ(ポッパーやダイペン)にも反応があります。右側のワンドの中で、正面のハナレの際にジグを通した際の反応がよく、そこまで潮が飛んでいないタイミングがねらいめです。ジグで反応が悪くてもミノーにだけ反応することもあるので、ジグとミノーを試して時おりトップも混ぜていく組み立てがよいかと思います。

新鼻の全景
新鼻の全景

沖磯「マカド根」は大型ヒラマサとの遭遇率が高い瀬

三本嶽のうち最も渡礁しやすく、大型魚との遭遇確率の高い瀬です。御蔵島向きの表側と、先端側がメインの釣り座です。どの釣り座も海面から切り立っているため、大型の青物はギャフ掛けする必要があります。

唯一海面と近い先端の段下はウネリが低く、潮が引いている時だけ釣りが可能です。ここに立てた時には大型魚のキャッチ率は大幅にアップします。潮の流れの条件ともマッチしており、2つの潮が、この先端でぶつかる流れになった時はほぼ確実に大型魚が姿を見せます。春シーズンにこの条件を満たせばルアーは選びません。昨年春の釣行では19cmのミノーに中型ヒラマサ、20cmのダイペンで15kgのヒラマサをキャッチしました。

カンパチはヒラマサの時合とはタイミングがズレるようで、ヒラマサが落ち着いた後のポッパーに反応を見せることが多い印象です。走られると立ち位置の移動ができませんので、やはり太いタックルで主導権を握る必要があります。あとは経験とタックル次第です。

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マカド根でキャッチした15kgクラスのヒラマサ。ミノーにも反応がよい

沖磯「大根(オオネ)」は、難易度は高いが大型カンパチの可能性も

大根ではごく稀に、見たことも無いような光景を目撃します。キャストしたプラグに群がる20kg前後のヒラマサ、そして横から突進してくる真っ黒なカンパチ。このようなタイミングに遭遇するための条件は読み切れていません。前述したマカド根周りの潮が悪く、大根へ瀬変えしたタイミングでこの状況に遭遇したことがあるだけです。その日はプラグを投げても投げても、次から次に大型魚がルアーへアタックしてくるような状況でした。

大根は足場が非常に高く、その上傾斜があり体勢維持も難しいポイントです。一方で足もとまで水深が深く、激しいシモリもほぼありませんから、8号タックルでドラグテンションを強くしすぎず、魚を怒らせないように慎重にやり取りする手段が有効と考えています。足場が高いことでルアーの操作も困難を極めますので、潮噛みのよいプラグやミノーが重宝します。

この磯で過去に出会ったド級カンパチをキャッチすることが、私のひとつの夢でもあります。

大根ではハガツオもヒットする
大根ではハガツオもヒットする

※このページは『つり人 2026年6月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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